ON  MY  WAY

60代になっても、迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされながら、生きている日々を綴ります。

「GIANT KILLING(ジャイアントキリング)」第38巻(ツジトモ;講談社モーニングKC)

2021-05-26 21:40:07 | 読む

「ジャイアントキリング」という漫画がある。
弱小チームが強豪チームに勝利するとき、ジャイアントキリングを起こすというが、私は、この漫画からその言葉が市民権を得たような気がしている。
その「ジャイアントキリング」も、先日の新刊ですでに58巻を数えている。

この58巻のテーマが、「J2降格」である。
この巻では、最初に1ページの「質問コーナー」があった。
「1部リーグから降格すると、いったい何がそんなに大変なんですか?」
・降格すると、一番は、注目度が低くなる。取材に来るメディアの数がガクンと減る。
・2部になると、チーム数が多くなるので試合数が増える。
・リーグからの分配金が減っていったりといろいろとシビアになってくる。
・代表に入っていた選手がよばれなくなっちゃったりとか。
・クラブによるけど、選手の年棒が大体下がる。
こんなふうに、質問への回答が端的にまとめられてあった.

ただ、最後の方のコマには、
トップリーグ以外の試合も面白いですからね!
サッカーの面白さが変わるわけじゃないので、そこは誤解なきよう!

…とも付記されていて、先日の新潟‐京都戦を思い出し、「確かにそうだったよ」と言いたくなった。

この巻では、主人公が指揮をとるチームETUが、強くなって優勝争いをするようになるのだが、以前は毎年残留のピンチを迎えていたことから、選手たちが自分たちに自信を持てなくなり、降格しそうな下位相手に苦戦する。
また、J2降格が濃厚となっているその対戦相手トリプレックスの監督は、「今後につなげたい」とポジティブな言葉を自チームの選手たちにかけ続けるが、その言葉は、逆に選手の気持ちを逆なでしていた。
なぜなら、選手の気持ちとして、J2に残留できると信じて今このゲームを勝利したいのだ。
来季や今後よりも今の勝負に勝ちたいともがき続けるのが選手心理というものなのだ。

弱小チームだったり、残留争いが厳しくなったチームだったりというのは、新潟を応援する身としては、本当によく分かる。
新潟サポーターとしても、近年そういう思いばかりを味わってきたせいか、今年のように首位を走っていたのが信じられなかったりする。
だから、町田戦、京都戦と連敗すると、もうだめだなどと不安に思う輩が結構いるのである。
SNSなどでは、もう悲観的な声が上がっているとも聞く。

…大丈夫だよ。
負けてはいるけれど、これだけ相手を圧倒する、内容のよい試合ができているのだから。
そして、負けてしょんぼりするのではなく、悔しがる選手たちばかりなのだから。

この58巻では、ナーバスな心理を克服する選手たちの姿が描かれている。
試合の後半に、チームのキャプテンは強い思いを持つ。

初めてのタイトル挑戦…
上手くいかないことだって 当然のように起こるだろう…
だが それ以上の勢いで すぐに体制を立て直し…
また何度だってチャレンジする
それが
ETUと俺の…
ここからの戦い方だ…!!


…こんな気持ちが大事!!
次の琉球戦では、様々な懸念を払しょくしてくれるような、選手たちの躍動する姿を見たい。
そう思わせてくれた「ジャイアントキリング」第38巻であった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする