ON  MY  WAY

60代を迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされ生きる日々を綴ります(コメント表示承認制です)

娘よ(10)

2013-08-09 14:17:24 | 生き方
水曜日。看護師さんからうれしい変化をたくさん聞いた。
・その日の昼食の時間に、おかゆを少し食べさせたこと。
・リハビリで、平行棒の間を2mくらいつかまって歩いたこと。
・導尿の管を抜いたこと。
・抜いた後、2回ほどうまく教え、ベッドそばのポータブルトイレで小用を足せたこと。
ただ寝ていただけの姿から、こんなにいろいろな変化が起こるのはうれしい。
常人の生活に近くなったことが、何よりすごくうれしく感じる。
しかし、まだ、鼻から栄養を取ったりするための管は通っているし、鎖骨の辺りから点滴の管が通っている。
また、話すことも、会話が成立するときもあるが、前方の壁を見て「信号が青」だと言ってみたり訳のわからないことをぼそぼそ言っていたりする。
そんなことにはがっかりするのだが、眠り姫だったころに比べれば、面会のしがいがあるというものだ。

昨日は、久しぶりに主治医と面談ができた。
・またいくつか今までと違う検査の結果が出たが、ウイルスや抗体の検査の結果は、いずれも陰性であったこと。
・つまり、何が原因で起こったのか相変わらず不明だということ。
・肝機能がよくないが、肺炎で投与した薬の影響ではないかということ。
・ただし、治療は順調に進んできていること。
・けいれん止めの薬も1種類をやめることができ、もう1種類も少しずつ低くしてきていること。
・集中治療室に入ったころに比べて、現状は少し良く見えること。・来週には、集中治療室を出て、新しい治療に移ることになるだろうということ。

…などなど…。

医師の話でもっともうれしかったのは、
「私は、娘さんが『ありがとうございました』と言って、退院する日が来ると信じています。」
という言葉だった。
 まだ病気の原因も突き止められていない難病であることは間違いないが、その言葉は、今まで悲嘆に暮れることばかりであったわれわれ家族には希望の明かりを灯してくれるものだった。

ところが…

病室に戻ると、看護師さんたちが騒いでいた。
なんと、娘は、鎖骨付近に刺してあった点滴の針を、抜いてしまっていたのだった。
けいれん止めの薬を入れるための大切な点滴である。
両手にはミトンの手袋をしているので、指先は自由な動きはできないはずなのに、器用にも両手で抜いてしまったのだ。
毛布カバーには、薄い血の飛び散った跡が…。
けいれん止めの薬を薄めるとともに、娘の動きが活発化してきた。
時々瞬間的にとんでもないことをしでかすようにもなってきたのだ。
翌日である今日の午前中に訪ねていくと、今度は、鼻の管も抜いてしまったとのこと。

……うーん……。
元気になるのはよいが、困ったものだ…。

コメント
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