ON  MY  WAY

60代になっても、迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされながら、生きている日々を綴ります。

ミヤコワスレが咲くと思い出す

2011-06-13 21:58:41 | 草木花

長年子どもたちの登校の風景を見ているが、最近あまり見なくなったとふと思ったのが、花のことだ。
20年くらい前までは、家の庭に咲いた花を切って、新聞紙などにまとめて花を持たせて学校に届けてくれることが、結構あった。
「先生、この花、お母さんが、『教室に飾ってください』だって。」
などと言いながら、子どもが季節に応じた花をよく持って来てくれたものだった。
最近は、そういった場面はあまり見かけなくなった気がする。
学校と家庭の関係が、なんだか少しさびしくなっているように感じてしまう。

この写真の花は、ミヤコワスレである。
20年近く前に、教え子のMさんが、家にいっぱい咲いていたからと、持って来たのだった。
私は、ガラス瓶に水を入れ、ミヤコワスレのひと束をさして、教室においたのだった。
数日後、ふと気付くと、もうとっくに花は散っていた。
がさつな私は、さらに数日間、そのままにして教室の棚に置いたままにしておいた。
そろそろ片付けようと、そのガラス瓶からミヤコワスレの茎を持って抜こうとした時、驚いた。
根が生えている!
花は散ったが、瓶の中の水を吸い、根を出し、生きていた。
たくましい生命力、繁殖力だと思った。
そのミヤコワスレが、わが家で毎年花を咲かせている。

あれから20年近くがたち、Mさんももう30歳になるはずだ。
数年前まで臨時職の保育士として働きながら、正規採用を目指していたMさん。
ミヤコワスレ同様、明るくたくましく一生懸命な子だったが、今はどうしているだろうか。
コメント
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