日本男道記

ある日本男子の生き様

品川心中(しながわしんじゅう)

2007年03月16日 | 私の好きな落語
【まくら】
中世から交通の要所で漁師町でもあった品川は、江戸時代多くの遊郭があった所。慶長6(1601)年、徳川家康によって宿駅に指定され、目黒川をはさんだ南北の品川宿と、享保期に加えられた歩行(かち)新宿の三宿で宿場としての役割を担った。
「品川心中」の舞台は,ここ北品川の徒歩(かち)新宿になる。
同時に、風光明媚な場所であることから江戸庶民の観光地、遊興地としての役割も担うようになり、「北国」と呼ばれた吉原に対して「南」と称され、大変な賑(にぎ)わいを見せたという。
●宿内人別 6890人(男3272人、女3618人)●宿内惣家数 1561軒(本陣1、脇本陣2、旅籠93)
[宿内人別・宿内惣家数は天保14(1843)年の東海道宿村大概帳より引用]
「品川心中」は別名を「仕返し」ともいう。以前は長い一席モノであったが、現在は殆どの場合、上下に分けて演じられ、下のほうは噺そのものが陰気で、面白くなく、筋の運びも不自然なことから、めったに演じられない。

【あらすじ】
“廓話(くるわばなし)”である。“廓”というのは“遊郭(ゆうかく)”と呼ばれる一種の男女の社交場のような場所の事であり、そこにいる遊女とお客の間の喜怒哀楽を描いた話が“廓話”と言われる。
この話は品川に遊廓があった頃の話で、かつてそこの遊廓のナンバーワンだっ“お染”という女がヒロインである。
品川の花魁「お染」は移り替えの金が出来ないために下の女から馬鹿にされたりするので、死ぬことを決断する。
一人で死ぬのは嫌だから誰か道連れをつくることを考える。
玉帳から道連れを選び、少々ぼんやりしている貸本屋の金蔵と一緒に死ぬことに決める。早速金蔵を呼び出したお染は無理やり金蔵に心中を承知させる。
翌日の晩、いざ心中という時にカミソリで首を斬るのを金蔵が嫌がるので、外の桟橋から身投げをすることにする。
桟橋でなかなか飛び込もうとしない金蔵をお染が突き落とし、自分も飛び込もうとしたところに、店の若い衆が「金が出来た」という知らせを伝えに来る。
お染は死ぬのが馬鹿馬鹿しくなって店へ戻ってしまう。
遠浅だったため死にそびれた金蔵は親方のところへ行くが、親方の家では博打をしており、戸を叩く音で「役人だ」と早合点して全員大騒ぎ。
尋ねてきたのが金蔵と分かり安心するが、一人びくともしない者がいた。
その者を褒めると「いやとっくに腰が抜けております」。
ここまでが「上」である。通常、ここまでを演じることが多い。切り方もいくつかある。
翌朝、金蔵が親方に経緯を話し、怒った親方は金蔵と、お染への仕返しを考る。
金蔵は、お染を尋ねていき、部屋で「白い団子が食いてえ」などと、気味の悪い話をする。しばらくして、お染を訪ねて来た人があると店の者が呼びに来る。出て行くと、親方と金蔵の弟という二人連れが来ており、金蔵の通夜に来てもらいたい、という。
驚いたお染が、そんなはずはない、と、親方を連れて部屋に戻ると金蔵の姿はなく、蒲団に金蔵の位牌が入っている。
親方は金蔵が化けて出た、このままではお前は取り殺される、頭を丸めたほうがいい、と脅し、お染の髪を剃ってしまう。そこに金蔵が現れる。
悔しがるお染に「お前があんまり客を釣るから、魚篭に(比丘尼)されたんだがサゲ。
出典: 『ウィキペディア(Wikipedia)』


【オチ・サゲ】 地口落(じぐちおち)いわゆる駄洒落が落ちになっているもの。「地口」とは駄洒落のこと。
オチは魚を入れる魚篭(ビク)と比丘尼(びくに)をかけたもの、少しわかりにくい。

【語句豆辞典】
【お茶をひく】遊女が客に呼ばれず、ひまなこと。ひまなので、茶臼で番茶を挽かされたからだいうが、元来茶を挽くにはひまな時を使ったので、ひまなことを茶を挽くというようになり、それが遊郭に入って来たともいわれる。
【移り替え】季節の衣替え。遊里などでは着物を飾り、夜具を積み上げて、ご馳走するなど出費が多かった。
【玉帳】馴染み客を記した帳面。
【本屋】江戸時代、本屋といえば貸し本屋のことで、本を売る店は絵草子紙屋といった。
【比丘尼】出家して定めの戒を受け正式に僧となった女子。
【紋日】もんび。「物日(ものび)」とも言う。江戸時代、公娼のいた遊郭で、五節句(正月七日、三月三日、五月五日、七月七日、九月九日)などの祝日や、そのほか特に定めてあった日。この日は遊女は休むことが許されず、休むときは客のない場合でも自分で身揚り(=遊女が自分の揚代を負担して休むこと。)をしなければならなかった。

【噺の中の川柳・譬(たとえ)】
『巻紙もやせる苦界の紋日前・・・』

【この噺を得意とした落語家】
・五代目 古今亭志ん生
・六代目 三遊亭円生

【落語豆知識】 「落ち・オチ」
落語の締めくくりの一言。最後の、洒落などで話を結ぶ部分。下げ(さげ)ともいう。
逆さオチ・ 仕草オチ・ 地口オチ・仕込みオチ・ 途端オチ・ とんとんオチ・
梯子オチ・ ぶっつけオチ・ 間抜けオチ・回りオチ・ 見立てオチ等に分類される。
 



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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
素晴らしいコンテンツ! (korikori)
2007-03-16 21:39:01
お~、素晴らしいニューコンテンツですねー!

奥深き落語の世界、楽しみにしております。
返信する
行ってきました。 (地理佐渡..)
2007-03-17 09:06:49
おはようございます。

宿探し。行ってきました。
とりあえず良いものが見つかり、
無事最初の手続きを済ませられました。

今は便利です。後に本契約。
入金等も振込でよく。
こんなんで良いんだなぁ~と改めて
感心しています。

子供は喜んでいました。
おいおい、勉強のために行くんだぞ。
おやとしましては、嬉しい・寂しい・
期待と色々複雑です..(笑)。

いよいよ、子供の自立編がスタートす
る。そんな感じですね。どんな書物よ
りも面白そうです。ハラハラするんだ
ろうなぁ..。男道記さんの場合はど
うでした..?

返信する
Re:素晴らしいコンテンツ! (日本男道記 )
2007-03-17 09:28:18
お早うございます!

早速に、またお褒めをいただき感謝!感謝!
返信する
Re:行ってきました。 (日本男道記)
2007-03-17 09:37:10
お早うございます。

お疲れ様でした。
良い物件を見つけられたようで、良かったですね。

故郷を離れての進学が最初の自立化ですね。
実際は「おんぶに抱っこ」という感じですが。

これから家財・生活用具の準備ですね。
子どもの喜ぶ顔をみるのは、親として最上の幸せです。
飛ぶようにして飛んでいく「おあし」は別として。

♪さだまさしさんの確か「かかし」という歌がありましたが、
「友達できたか・・・・・・」
の心境で、やはり寂しい思いをしました。
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