ジョージ・いまさきもり の アンダンテ・カンタービレ

晴れた日は農業とウォーキングとライカ、雨なら読書と料理。
そして毎日ラジオがお伴です。

アベノミクスを問う、マネーゲームに惑わされずに冷静に~1/14 NHKラジオ 山口義行さんのお話の要約

2013年01月14日 | ラジオ番組

『アベノミクスを問う、マネーゲームに惑わされずに冷静に!』
 1/14 NHKラジオ 山口義行さんのお話の要約です。

安倍首相の提唱する『三本の矢の政策、アベノミクス』に期待が集まり、
最近、どうも、マネーゲームが
活発化しているように思われる。

例えば、国内の景気は下降しつつあるのに、株価は上昇している。
そして、日米経済関係も大きな変化がないのに、ドル高円安が進行している。
これらは、まさしくマネーゲームに他ならない。

このマネーゲーム的な現象が企業や国民の間に、
『これから景気が良くなる、これからインフレになる』という予想や期待を生んで、
その予想や期待が、実際に好景気やインフレををもたらす、
という期待があるのであろう。

ただ、マネーゲームのもたらす現象というのは一般的に長くは続かない。
逆に、マネーゲームが長期化してしまうと、実体経済に混乱が起きてしまう。
このマネーゲーム的な事象に惑わされないで、
冷静に経済実態を見極めることが必要である。

それに当たって、三つのポイントを挙げておきたい。
まず第一に、
日銀に強く迫っている量的金融緩和政策は、
金融機関に過剰な資金を滞留させるだけ、ということである。

金融機関に、企業や個人から貸し出しの需要がないからである。
それで、日銀に預金をしておいたり、日本国債を買って対応している。
金融機関から日銀への当座預金残高は、普通は4~5兆円で充分であるが、
相次ぐ金融緩和で、今や40兆円にまで膨れ上がってしまっている。

政府の政策に、企業や消費者が展望を持ち、
沢山の資金需要が喚起されるかどうか、これを見極めて、
今の株高・円安が、マネーゲームかどうかを判断することが肝要である。

第二に、
量的金融緩和すれば、お金(円)が増えて円安になる、という事ではない。
量的金融緩和をすれば、金融機関に資金が流れるが、
上述のように、金融機関は、それを日銀に預金したり、国債を買う事が多く、
リスクをとって外債を買うなどのドル資産を買うことには、慎重である。
今後、米国経済が好調になり金利が上がって来るまでは、買わないだろう。
だから、今の円安現象と量的金融緩和の政策とは相関関係はない。

第三に、
マネーゲーム的な円安の長期化は、日本経済に悪影響が沢山ある。
円安は輸出には有利であるが、世界経済が低迷している今は、
それほど輸出が増えるかどうか未知数である。

逆に、円安で輸入品の価格が上がって、原材料などコスト高となり、
企業の負担が大きくなって、日本経済に不況要因となる可能性が大きい。
特に、中小企業の場合は
原材料の値上げを販売価格に転嫁しにくい、という深刻な問題がある。

総じて、
『マネーゲームを誘発して、インフレ期待を煽る』というやり方で、
経済を上向かそうという、アベノミクスの量的金融緩和政策であるが、
深刻な副作用もあるという事を考えながら、冷静に評価する事が必要である。


★★★ お読み頂きましてありがとうございます ★★★

## 私(いまさきもり)への応援拍手とメッセージはこちらからお願いします ##

## この文章は私の覚えとして放送を要約したものです ##
   今週金曜午後から、NHKホームページで放送が聴けます。
   右上のブックマークから入って下さい.