マクロス外伝大本営 新統合軍極東太平洋軍管区司令部

マクロスやロボット大好きなブログです。二次創作などを主にやります。

公式ではなく非公式です。

第51話 エイプリルフール・クライシス前編

2016-11-12 22:37:16 | マクロス外伝蒼い髪のメルトラン
【西暦2021年4月1日 惑星エデン衛星軌道上.宇宙空母アルタミラ】

ラウラ達アンサーズ中隊らは惑星エデンからの大気圏離脱を実施し・・・・
衛星軌道上に展開しているアルタミラ以下艦隊と合流を果たした。

艦隊周辺にはチェリボン中隊.フォークス中隊.ライジェル中隊が展開しており
各隊のVFー5000スターミラージュが警戒警護を行っている他・・・
早期警戒部隊プレーリードッグズもVAー3インベーダーと共に哨戒任務に就いていた

宇宙に上がってから30分後・・・・

桐原少佐「何!?マリトラーン共和国の船団が襲撃された?」

ジェイル「一昨日の事だ、防宙圏ディフェンスエリア・ツヴァイに入る目前に未確認部隊に襲撃され壊滅したと防衛軍司令部から通達があった。」

桐原少佐「何故一昨日の事が今になって我々に通達されたのですか?」

ジェイル「そうだ。事件の事も今になって我々に伝えられたわけだ。」

アルタミラの艦長室にて茂人はジェイルから船団の襲撃事件の事を聞かされていた

事件発生が一昨日の事であり、今更になって通達してきたエデン軍に茂人は疑念を抱くも
新統合政府と同盟関係のある友好星間国家マリトラーンの船団が襲われた事もあってか
詳しい事件の詳細を聞こうとした。

桐原少佐「艦載人型兵器2個中隊の残存4機残して全滅に可変戦闘機中隊全機喪失、駆逐艦1隻中破・・・酷いもんですね。」

ジェイル「マリトラーン軍の人型兵器であるDGX-11クラッシュは最新鋭機であったが未確認部隊の前に一方的にやられたそうだ。たった5機相手にな・・・・」

桐原少佐「5機か・・・反統合ゲリラにしては優れすぎだな」

通商船団にはマリトラーン軍人型兵器DGX-11クラッシュ32機と・・・
VFー1のコピー機MVFー1マリトラバルキリー16機.計48機の艦載護衛隊がおり
並大抵の反統合ゲリラからしたら近寄りたくない陣容である。

3個中隊規模の部隊が僅か3機残して全滅してしまった。

未確認部隊の数は5機であり、48機の艦載機と空母などの艦艇を全滅させたとなると
パイロットは1流レベルのエースパイロットの可能性がある。

桐原少佐「もし我々と遭遇したら何人生き残れますかね?」

未確認部隊の脅威に茂人は艦隊全体含め何人生き残るかと不謹慎な事を呟く程動揺した

3個中隊を5機で全滅させたとなればただでは済まない。
期待の星である副隊長の大樹は火星の英雄と言われるほどのエースであるが
話を聞いて勝てるかどうかかなり不安である。

相手が悪過ぎる・・・・最悪だ。

ジェイル「不吉な事を言うな・・・・・何、今回を見越してスペシャルゲストが我が艦に着艦予定となっている。まぁ君も知ってるあの人だがな。」

桐原少佐「スペシャルゲスト?俺の知ってる人?誰だ?」

相澤美弥『艦長、大気圏離脱した友軍機1機が着艦を求めています。』

ジェイル「来たぞ・・・待機室に向かうぞ」

最悪な空気が漂う中、ジェイルはスペシャルゲストを呼んだと言った。

スペシャルゲストは茂人が良く知っている人物らしいが誰なのか想像できなかった。
第一・・・マックスはありえんし、マクロス航空隊出身や地球派ゼントラ組は勿論の事
戦後世代の後輩パイロット達はそこら中にいる。

一体誰なのだろうか?

詳しく考える暇もなく、スペシャルゲストがアルタミラにやってきた。
数はたったの1機・・・・たったの1機である。
出迎えるべくアルタミラ艦内のパイロット待機室にジェイルと共に向かった。

マックス「桐原少佐、お世話になります。」

桐原少佐「マックス!?お前、何故ここに?」

マックス「エデン軍司令部からの要請だ・・・無論月の司令部には了承済みで単身派遣された。よろしく頼む。」

まさかのマックスだった。

マックス以外ダンシング・スカルは惑星エデン.ニューエドワーズ基地に駐屯しており
副隊長であるミリア・ ファリーナ・ジーナスはVFーXー10改のテスト中だ・・・・
ダンシング・スカルの隊長であり、2女.1養女の父であるマックスが大胆に出向など・・

とは言え・・・ むしろマックスならば未確認のエース部隊相手なら安心できる。
恥を知るべき行為だが・・・ 今はマックスに頼る他はない。

カール「ベルタリア准尉じゃないか!」

ラウラ「インメルマン中尉!ゼノビア!」

カール「今度の哨戒任務吉野のとこの小隊と一緒だからよろしくな。」

ラウラ「はい・・・・・(上がってきたばっかりなのに哨戒任務とか最悪)」

ゼノビア「元気ないですが大丈夫ですか?」

ラウラ「惑星から上がってきたばっかりだよ、ゆっくり休めるかと思ったら哨戒任務と・・」

一方その頃、ラウラはカールとゼノビアと遭遇し会話しながら待機室に向かっていた。

惑星エデンから宇宙に戻ってきて早々哨戒任務命令がハンター小隊に下されており
ゆっくり休んで大樹から譲り受けた本を読もうと考えていたラウラは不満に感じ・・
表情はいつもと変わらなかったが言葉言葉、何処か苛つく言動が見られた。

ゼノビアから心配されると堂々と不満を述べて、以降の会話はラウラの愚痴ばかりなった。

ラウラ「大体・・・・」

マックス「ベルタリア准尉、不満を述べるのもいいが欠礼するのは軍人として弛んでいるぞ。」

ラウラ「あっ・・・ 失礼しまし・・・・・ たぁ!?えっジーナス大尉!?」

マックス「また共に戦うことになるな、期待のルーキー。」

愚痴を言い続けていたラウラだったが、茂人やマックス達がいる事に気が付かず・・・
マックスから欠礼していたと指摘された。

指摘されたラウラは慌てて謝罪の言葉と敬礼をしたが、目の前にマックスがいる事に驚いた

それもそのはずラウラ達の認識からすればマックスはニューエドワーズ基地におり
ミリアのテスト飛行を警護防衛する任やその他業務に従事して多忙に過ごしているはずだった
そんなマックスが目の前にいて、笑顔を見せている。

ラウラ「先程は失礼しました。しかしジーナス大尉、大尉はニューエドワーズ基地に・・・」

マックス「緊急の任務でな、それ以上の事は残念ながら話せない。」

ラウラ「話せない理由なのでありますか?」

笑顔を見せているマックスだが何処か圧を感じた。
 
いつも軽い性格のカールも真顔で睨んだり、ゼノビアは少し震えており
マックスの任務内容の黙秘にラウラはまるで味方から騙されているかのように感じ
鋭い目線で睨むが、それに気がついたマックスが反撃するかのように微笑み返し
たじろいでしまった。

【4月1日午後14時35分.惑星エデン.交易衛星エバ】

国交樹立したジャパニア共和国やマリトラーン共和国の艦船舶が停泊しており
各星間国家の領事館が置かれている銀河国際的最重要拠点である

未確認部隊による襲撃事件を受けて新統合軍エデン防衛軍司令部は・・・・
自治首都キャピタルシティーに駐屯している第20独立戦隊バイキング並びに
第37独立戦隊アドラステア、第30独立戦隊ケサトゥアン・グリタを配備
厳戒態勢を敷き不測の事態に備えた。

通常部隊.各国軍.そして新統合軍の精鋭部隊と言った厳戒態勢の中・・
未確認部隊に対して強い抑止力となっていたが・・・・・

『警戒エリア3にてオノサス中隊壊滅!』

藤原幸喜「ちっ舐めやがって!」
新統合軍ブルーボマー中隊隊長.藤原幸喜大尉

未確認部隊の編隊5機が厳戒態勢の惑星エバを強襲した。

警戒エリア3を防衛していたジャパニア共和国軍飛行隊オノサス中隊が壊滅し
付近にいたマリトラーン共和国軍のクラッシュ部隊が駆けつけるも一蹴された。

新統合軍のエース.藤原幸喜は同盟国軍の部隊がやられて憤慨した。

たった5機で各国軍の最重要拠点を蹂躙し多数の被害を出した事・・・
何も出来ずにただやられていく自分達に・・・・

ミリャン「慌てんじゃないよ、こっちは味方が無数いるんだ。チャンスがある!」
新統合軍ブルーボマー中隊.ミリャン・ファキア中尉

藤原幸喜「何をする気だ?ミリャン?」

ミリャン「まぁ見ててーーーゼントランのエースの戦術をってね!他の味方には悪いけど・・」

憤慨する幸喜を確かめる副隊長のミリャン・ファキアは自信あり気な表情を浮かべた。

相手は5機に対し、自陣営は50機以上の戦力を有しており・・・
冷静に見極めれば相手を撃墜するチャンスがあると言った。

発言の直後、クラッシュ部隊を単機で次々とバトロイド形態で撃墜する・・・・
未確認部隊のSvー53フルクラムⅡを発見、ファイター形態に変形し・・・
操縦桿を思いっきり握り猛スピードで突撃した。

ミリャン「今だ!」

フルクラムⅡの頭上を通過する直前にミリャンのスターミラージュはバトロイド形態に変形し
ガンポッドで直上から蜂の巣にし撃墜した。

蜂の巣になったフルクラムⅡは爆散するとミリャンは爆炎の中に突っ込み・・・
ファイター形態で移動する別機のフルクラムⅡの目の前に立ちふさがり・・・
マニピュレーターでコックピットを握りつぶした。

藤原幸喜「すげぇな!」

ミリャン「私の往来の経験と地球から得られた戦術、組み合わせれば無敵よ。」

ゼントラーディ軍のエースでありミリア・ファリーナの同型ゼントランであるミリャンは
腕前が良く頭の回転が早く隊の中では一番最強と言ってもいい実力の持ち主だった。

冷静な判断力を兼ね備えており、有名なミリアに負けずも劣らぬ実力を持っていた。

幸喜から称賛されたミリャンだったが、安らぎの時間はすぐに消え去った。

レミア「面白い!腐った統合軍の中に兵(つわもの)がいると見たわ!」

ミリャン「あれは!VFーXー8ファントムⅢ!?月で確認された連中と同じか!」

未確認部隊の1機がミリャンのスターミラージュに狙いを定め迫った。

ミリャンに迫った未確認部隊の1機は月面でラウラと対峙したVFーXー8であり
月面で確認された反統合ゲリラ部隊と同一部隊で、パイロットはレミア・ジフォンだ

新統合軍対テロ機関ザースロンはVFーXー8を強奪した一団の艦隊が・・・
惑星エデン方面に向けフォールドした事をキャッチしており、シーアンタレス隊などの
地球圏の特務部隊に情報提供しており報を聞いた和也は惑星エデンに警告連絡を送っている

レミアは向かってくるミリャンに対し一騎討ちで仕留めようと考えていた。

惑星エデンに来てから雑魚ばかりでありつまらない相手しか戦ってない。
優れた技量を持つミリャンは討ち取るのに最高な相手だとレミアは興奮した。

だが至福の時間は一瞬で終わった

ミリャン「シーアンタレス隊の星村と言う奴が強奪された試作機を運用する部隊が来たと警告してきたけど、こいつらか!これ以上やらせ・・・・ うっ」

レミア「おやおやはぐれゼントラーディまで吊られてきたね〜気分が萎えるよ」

ミリャンはレミアと一騎討ちに臨んだが多数のミサイルと銃弾が横切った。

振り返ってみるとはぐれゼントラーディのスヴァールサラン級2隻が戦場に乱入し
リガードやグラージ.空戦ポッド.更に精鋭機シュルケル・ウーと言った大規模部隊が展開
新統合軍などの各軍に攻撃を開始した。

藤原幸喜「こんな都合良く来るのか!ミリャン、エバを守るぞ!もしもの場合、国際問題になるぞ!」

ミリャン「止めるな!こいつだけは!」

幸喜ら新統合軍部隊は未確認部隊の迎撃よりもはぐれゼントランの迎撃を優先し
レミアに対しての攻撃をやめるも、ミリャンだけは攻撃を続けた。

このまま放置しておけば他の部隊に甚大な被害が出るどころか・・・・
被った被害の内容によっては外交的政治的に問題が出てしまう・・・・
それだけはなんとしても食い止めたい。

軍人の矜持としてなんとしても阻止してみせる・・・・・
ミリャンはバトロイドの形態のままクァドランを思わせる動きで追撃を続けた。

「作戦は中止だ!グラムの旦那からの指令だ!」

「了解!でも煩い猟犬が来てるそいつだけは落とす!」

未確認部隊もある程度の目的を達成したのか作戦を中止し撤退を開始した。

レミアは執拗に追撃してくるミリャンを撃墜すべくファイターで突撃し
至近距離内に入るとはバトロイドに変形しジグザグ機動で接近した。

ミリャンはこのレミアのVFーXー8の動きを見て驚いた・・・まるでクァドラン・ロー
相手も空士タイプのゼントラーディ人しかも凄腕のエースパイロットの・・・・
まさかの相手の素性にミリャンは驚くも・・・・・遅かった・・・

「遅かったな!」

勝ったのはVFーXー8・・・・・
ミリャンのスターミラージュの頭部と右腕.左脚を破壊し戦闘不能に追い込んだ。

並大抵のパイロットであれば戦死コースだが・・・・
ミリャンは長年の経験から来る感で回避行動した結果、中破程度に収まっており
軽く頭を打ち付け出血する程度で済んだ。

目的を達成するとフッとレミアは笑って反転し撤退していった。
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新統合軍の名将 佐久間昌盛

2016-11-12 18:50:14 | 地球人系図鑑
佐久間昌盛
【階級】大将
【所属】新統合軍参謀本部.参謀次官
【性別】男性
【年齢】64歳
【解説】
新統合軍参謀本部参謀次官。
第1次星間大戦ではSDF-1マクロスに乗艦し戦闘に参加している。
ASS-1が落ちる前は航空自衛官であり、若い頃はF-4ファントムⅡに乗っていたファントムライダー。
早期的に憲法を改正し、来るべき危機に対処しようと考えの持ち主。
統合戦争勃発の際、反統合同盟に一方的な攻撃に対処すべく憲法改正し統合政府に加盟しようと唱えていたが無視された。
新潟無差別空襲の際は小松基地におり、戦闘を指揮している。
妻がいたが病没し、2人の子がいる。
戦後は酷く暴行されて負傷したメルトランの士官イサイリア・ロースを保護し懸命に看護し、彼女は若い頃の亡き妻の面影があったので二人の子供の了承の上再婚している。
第1次星間大戦の地上戦では日本に赴き、日本の象徴である皇室の忘れ形見を保護したエピソードがある。

妻がメルトランのためかゼントラーディ人の差別を無くそうとしているが、ゼントラーディ人が叛乱を起こしたら容赦なく征伐するらしい。
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第50話 戦うゼントラン・ミーツ・メルトラン

2016-11-12 15:01:53 | マクロス外伝蒼い髪のメルトラン
【2021年3月30日、アポロ基地】

ラウラ達がニューケネディ基地に到着したその頃・・・・
月面アポロ基地からアルゲニス級特務巡洋艦が単艦で出港していた。

目的は月面に出来た反統合ゲリラ組織基地を掃討する為である。

新統合宇宙軍はお膝元で反統合ゲリラの基地がある事が許せず・・・
オーベルト級駆逐艦戦隊とムーンシューターズを出撃させ・・・
後詰めとして和也と絵理達シーアンタレス隊も出撃した。

「第13駆逐戦隊は我が艦隊前方、20マイル前方に展開中。」

有栖川成仁「そうか、コル・スコルピイ.カントーは我が艦の横に並べ」
第4独立特務艦隊司令官.有栖川成仁.大佐

醍醐忠義「我が艦隊は第1種戦闘配置のまま待機」
第4独立特務艦隊副長兼サドワラ艦長.醍醐忠義.中佐

シーアンタレス隊の上位組織である第4独立特務艦隊は・・・
横一文字陣形を取り友軍の第13駆逐戦隊の後方に展開した。
新任司令官の有栖川成仁.大佐の手腕を背後から見ていた和也は・・・
流石は宮様だと実感した。

地球統合政府樹立後
月面アポロシティーに全ての皇族と旧皇族やその末裔が月面に移住しており・・・
日系人移住者達の象徴的存在になっていた。

中でも有栖川家の当主成仁は軍人としての道を選び防衛大学校を卒業
自衛隊.地球統合軍の幹部軍人になり引き続き新統合軍人として活躍している

それまで駆逐艦艦長として活躍していたが活躍が認められたのか
シーアンタレス隊の上位組織の第4独立特務艦隊の司令官になり・・・
副官にカミソリの異名を持つ皇別摂家醍醐家の当主醍醐忠義中佐がついている。

星村絵理「テンノーの末裔ってオーラが違うね。」

星村和也「日本の歴史の殆どに君臨した象徴であるからな、小倉連隊区司令官についた御先祖様(星村市平少将)とは違うんだ。」

星村絵理「司令官でも十分凄いわよ。」

ミアン「ゼントランである私達から見れば司令官に就けるのは凄いです。お父様は元宇宙軍総司令官で・・・」

星村市平少将から続く軍人家系である和也は成仁や忠義にコンプレックスを感じていた

成仁と忠義は天皇の末裔であり、特に忠義は本家の血筋に近い軍人だ。
二人からは圧倒的血筋の凄さのオーラが漂っており・・
単なる軍人家系の自分とは違うなよ、自虐的主観を持ってしまった。

そんな和也に絵理とミアンはフォローするが、和也は落ち込んだままだ・・・
しばらく落ち込んでいた和也だが、パッと顔をあげ絵理にある事を言った。

星村和也「そう言えば絵理が再会した例のメルトラン、今.惑星エデンだったよな・・」

星村絵理「そうよ・・・・ついでに言うならばミリアもいるけど・・・で・・・それがどうしたの?」

星村和也「なんか嫌な情報掴んでたような気がするんだよな・・・」

星村絵理「嫌な情報?何それ?」

和也は絵理にラウラが惑星エデンにいるのか確認すると・・・・
何やら重い表情をして嫌な情報を掴んでいるような気がすると呟いた。

嫌な情報を掴んだと言う和也の言葉に絵理は気になった。

惑星エデンにはミリアとその夫マックスが所在しており・・・
何かあっても十分に対応できると絵理は思っていたが・・・・
念には念を入れ、情報だけ入手し超長距離通信でミリアに伝えようと考えていた。
絵理の考えを察した和也は口を開いた。

星村和也「クラビウス基地周辺で起こった奪取されたVFーXー8ファントムⅢを使用し
我が新統合軍部隊襲撃した1団と思われる艦隊が惑星エデンに向かっていると情報がザー
スロンから入った。」

星村絵理「結構強くてかなりの被害出たアレか・・・・」

星村和也「ジーナス夫妻の事だから対処できるだろうと思うが・・・・ 心配だな」

星村絵理「任務終わったら増援に向かうの?」

星村和也「いや・・・・・間に合わないだろうな・・・一応.アポロ基地からエデン軍司令部に向けて警告通信は行われている。エデン軍もそれにやられるほど弱くないだろう」

強奪されたファントムⅢを運用する1団が惑星エデンに向かっていると・・・・

惑星エデンにはマックスとミリアがいるが相手は新統合軍部隊に多大な被害を与えており 
実力が高い事が確かだが未知数な部分が多いため、和也は心配した。
とは言え一応アポロ基地経由でエデン軍司令部に警告通信が行われており・・・
ある程度の安心感はあった。

和也野話を聞いていた絵理はニッと笑った。

星村絵理「いや期待のルーキーいるから安心よ」

星村和也「期待のルーキー?誰だ?」

星村絵理「私の顔なじみの戦友よ、まだVF乗りとしては未熟だけども出来そうな気がするわ。」

惑星エデンには期待のルーキーことラウラがいる。
まだまだVF乗りとしては未熟ではあるものの、元はゼントラーディのエースであり
根は真面目であり向上心と好奇心が旺盛であり、実力が向上している。

報告書では一度ファントムⅢと交戦しこれを退けており
一度戦っているならばそこまで心配する事もなく、むしろラウラの実力向上が気になった

ミリアと模擬戦していい勝負になったと聞いており実力は期待できそうだ。

どんな相手が来たって対処できそうだ。
出来なかった時は所詮はその程度の実力しか出せなかった。
期待外れなんだなと割り切ればいい、絵理は楽しそうに小悪魔的な笑みを浮かべた。

【同時刻 惑星エデン ニューケネディ基地】

ニューケネディ基地に到着したラウラは少しの間の休息時間をもらい基地内を散策していた

ニューケネディ基地は宇宙軍専門の基地であり・・・・
メリット湾に面して複数のマスドライバーを有し・・・
隣には陸軍のケープカナベラル基地が置かれ防衛力が高い。

そんなニューケネディ基地には発射台とサターンVロケットに模した大きなオブジェがあり
惑星エデン外から来た軍人や新統合政府との同盟関係のある軍の軍人から人気のスポットに
なっていた。

ラウラ「しばらく時間があったから探索してたけども、面白いとは感じられないなぁ」

根っから軍人であるラウラは人類の宇宙開発の歴史が面白いとは感じなかった。

サターンVロケットなんて弾道ミサイルのようにしか見えないし
宇宙船と言われたらセンスのないデザインだと思ってしまった。
そんなラウラだったが、その発言が面白くないと感じる人物が近くに来ていた

吉野大樹「東西冷戦の時重要プロジェクトだった宇宙開発を面白くないとは心外だな、ラウラ」

ラウラ「大樹・・・・ 何よ、あんたも散策してたわけ?」

吉野大樹「当然だ副隊長とは言えまだ時間には余裕がある。人類の叡智である宇宙開発の産物を見たいと思ってな。」

時間があったのでたまたま散策していた大樹であった。

宇宙開発に関して面白くないとは発言したラウラに失望を感じているのか・・・
見るからに不機嫌極まりないと言う表情をしていた。
それにはラウラも堂々とした態度をしているものの怖気ついてしまった。

大樹は軍人として鬼神に満ちたオーラが漂っており・・・・
更にいつも寄りまして強さが増しているので修羅場をくぐり抜けたラウラでもキツかった

吉野大樹「宇宙に上がってエデン宇宙艦隊との模擬戦を実施するが・・・・エデンから大気圏離脱する手段だが・・・お前が面白くないと言った物でやるぞ」

ラウラ「面白くないと言った物・・・・・あれで?」

吉野大樹「改良型だがなVFー1にブースター装着し大気圏離脱する、結構Gはキツいだがな」  

言葉は怒っているようだが、態度はいつも変わらない。  

大樹はアンサーズ中隊の副隊長であり、中隊長である茂人を補佐する身
後々は2代目アンサーズ中隊長として部隊を指揮する事になるのが確定していた。
それが故に感情的に怒るような真似は滅多にしない 

が・・・・・・

吉野大樹「ラウラ、君は面白くない物と言った宇宙開発の産物が今回お前の宇宙に戻す力になる。100年前の人間が望んだ力をな・・・・」

言葉が重たく冷たく痛く感じた・・・・・
感情的には怒ってないものの言葉が怒りが込められていた。

冷たい怒りの大樹の言葉にラウラは恐縮してしまった。

恐縮してしまったラウラはこの後何を言えば分からなかったが・・・
そんな中大樹がラウラにある本を渡した。
 
吉野大樹「これを読め・・・」

ラウラ「冷戦時米ソ宇宙開発競争の行方?」

吉野大樹「あぁ例えつまんない物でも軍事的には重要な案件だったんだ。どちらかが政治的主導権を得るためにな・・・・ 」

冷戦におけるアメリカとソ連の宇宙開発競争を記した本だった。

軍事関連の物ならば何でも食いつくラウラならば関心を持つ事が出来る内容だが
政治的分野の面が強く中々内容を理解し難いのか顔を歪めた。

呆れたのか大樹は・・・・・

吉野大樹「地球の軍人ならば政治に対して関心を持つ事だな。」

軍人は政治に対する関心を持つ事を説いた。

戦闘種族であるゼントラーディ人であるラウラは大樹の言う事が理解できなかった
政治は知ってるけど軍人が何故そこまで政治に関心を持たなくてはいけないのか?
と疑問に感じた。

もやもやするラウラは反抗するかのように質問を投げかけた

ラウラ「政治?なんで軍人が政治に関心持たなきゃいけないのよ?」

吉野大樹「新統合軍の最高指揮官は新統合政府大統領だ!軍人が政治に関心を持つも持たない・・・いや地球人として地球国民として政治を意識しなくてはならん」

ラウラ「それは・・・・でも・・・」

吉野大樹「軍事の予算を決めるのも政治、世の中何もかもが政治で動いている。ラウラ、何故政治に無関心でいられるのか?」

質問を投げかけたラウラだったが、大樹に一蹴された。

常に世の中政治にありふれていおり・・・・
生活は勿論、ラウラ達が勤務し携わっている軍事は特に関わっていた。

給与や福利厚生の人件費や扱う施設や兵器などの諸経費などなども・・・
新統合政府国防総省などが決めており、費用は国民の税金で賄っている。
そればかりではない、銀河規模の有事の際の新統合軍の最高指揮官は大統領であり
大統領が誰なのかも把握しておく必要があった。

ゼントラーディ人であるラウラは一応知っていたが、特に重要視しておらず
ただ軍人としての任だけを全うしようとしていた

吉野大樹「ラウラ・・・・さっきの宇宙開発に対する振る舞いとか見てると今後上手く適応できるよか?」

ラウラ「・・・・・」

吉野大樹「戦闘種族ゼントラーディ人とは言えお前は人間なんだ。単に戦闘で強ければいいって可変戦闘機乗りのエースパイロットにはなれんぞ」

言葉が重すぎる・・・・重すぎて何も言い返せない。

地球の軍事ばかり関心に持ちすぎて他の物事に関心が持てなかった。
政治の事も宇宙開発に関する基本中の基本の事を・・・・
マイクローン化し教育を受けてでさえもまだゼントラーディ人としての意識が抜けられない
ゼントラーディ人としての意識が今後の自身の成長を阻害する事になる・・・

こうした現実の圧力に顔色を悪くした。

吉野大樹「意識変えればその本の内容が理解できるかもな・・・・」

ラウラ「意識?どう意識変えれば理解を・・・・」

吉野大樹「言葉で伝え理解できたら苦労はしない。まぁ強いて言うならば俺の言葉をどう感じたか?考えてみる事だな。」

厳しい現実に顔色を悪くしたラウラに、大樹は意識を変える事を促した。

ゼントラーディ人としての意識からまだまだ抜け出せてなくても・・
少しずつ意識を変え地球人らしい理性のある人間になってもらえたらと大樹は考えていた。

言葉で伝え理解できたら教える側は苦労はしない。
人は言葉だけ伝えて理解できる程賢くはないし優秀ではない。
だからこそ伝えた言葉を一言一句どう感じ考えるかの思考を構築する事が大事であり
ラウラが理性のある地球人になるには必ず必要な要素である。

大樹としてはいずれ隊長や司令官になった時・・・・・
補佐できるようにラウラがそれに準ずる立場に相応しい人間になってもらいたいと考えており
本質的に優秀な軍人であるラウラに期待していた。

吉野大樹「まぁいいや、演習の際エデン軍の連中に笑われんよう意識や考え方を変え教養を高めてくれ。」

ラウラ「高めてやるさ、ここまで言われてやらないわけにはいかない。」

吉野大樹「その意気だな。」

結構散々言われっぱなしだったラウラも悔しいと感じたのか・・・・
軍事面だけでなく政治やその他の教養を高めようと考えた。

地球人の軍人としている以上誰もが羨む立派な教養のある軍人になってみせると

立派な教養のある軍人になってみせ大樹を驚かしてみせてやる。
ラウラはそう強く決意した

【同時刻】

惑星エデンと星間国家マリトラーン共和国の星間航路。
新統合政府とマリトラーン共和国の共同惑星マリトラーンⅡから出航した
第45通商船団が惑星エデンの防宙圏付近に達しようとしていた・・・

普段と変わらないいつもの航海であったが・・・・

「メーデーメーデーこちらマリトラーン共和国第45通商船団旗艦アスピラン・エルベ、未確認の部隊から攻撃を受けている・・・救援・・・」

未確認部隊より攻撃を受け旗艦ARMD級空母アスピラン・エルベが撃沈・・・
宇宙駆逐艦2隻.輸送船3隻撃沈.駆逐艦1隻中破と言う損害を被った・・

惑星エデンの衛星基地から出撃した救援部隊が駆けつけた時には・・・
未確認部隊が撤退しており、追撃する事が叶わなず生存者の救助に専念し・・
エデン防衛軍司令部はダンシング・スカル出撃の命を下した。

この事件がラウラ達に大きな試練をもたらすとはこの時誰も思わなかった。
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第49話 特務機関ザースロン

2016-11-12 13:23:06 | マクロス外伝蒼い髪のメルトラン
【2021年3月29日ニューエドワーズ基地】

翌日の日の出の頃には決着はついていた。
襲撃してきた可変戦闘機は全機撃墜され、工作員は何者かに全て射殺された。

現場に駆けつけたラウラは工作員の一人に追い込まれてから何も覚えておらず
下手したら工作員扱いされるどころか、何の咎められる事がなく・・・・
治療室のベッドで一旦寝かされ、昼になる頃には帰らされた。
 
マクドミラー「まさか反政府の野良犬が来るとはな」
新統合軍参謀本部参謀.マクドミラー・ハリマン少将  

佐久間昌盛「狙いはゼネラルの新型機、油断なりませんな。」  
新統合軍参謀本部参謀.佐久間昌盛.少将 

マクドミラー「キャピタルの陸軍基地から応援で警備を固めるが、いつ野良犬どもが来るか分からん。使える人材はいつでもスクランブル待機させるしかない。」 

地球.マクロスシティーの参謀本部から来たハリマン提督と佐久間提督は・・・
反統合組織による襲撃や内部活動に対する話し合いを小会議室でしていた。

惑星エデンの中心都市キャピタルシティに駐屯する陸軍基地から
デストロイド部隊や機械化歩兵部隊が派遣され、基地内外の警備が
無事VFーXー10改のロールアウト完了まで強化する事が決定した。

反統合ゲリラが減少傾向とは言えまだまだ戦力は健在であり
死兵となったゲリラがどんな手段を使うか分からない。

佐久間提督は懸念事項に頭を抱えた。

『ニューエドワーズタワーからサイクロプス小隊へ第2滑走路で離陸を許可する。』

『こちらサイクロプスリーダー了解!離陸する。』

午前10時になった頃にニューエドワーズ基地からVFー5000の小隊が離陸した

任務内容は周辺の警戒であり既に複数の部隊が哨戒任務についており
空からだけでなく、デストロイド・シャイアン部隊も陸からの哨戒任務を展開していた

11時になるとマックスやミリアも愛機を駆り哨戒任務に参加し・・・
森林地帯に潜んでいた反統合ゲリラのSvー52を発見・・・・
追跡の末、全機撃墜した。

桐原少佐「VAHー1コマンチまで飛来するとはな・・・・」

吉野大樹「昨日の事件があれば当然でしょ」

桐原少佐「当然ね・・・・基本敵であるゼントラーディ軍の基幹艦隊は数が多くて厄介だが・・・俺としては小さいゲリラの方が厄介だと感じるな~」

新統合軍の基本的な敵は第1次星間大戦で戦ったゼントラーディ軍と・・・・
ゼントラーディ軍の敵であり、マクロスの持ち主の監察軍であるが・・・・
日々戦闘に従事する新統合軍の軍人からしたら規模の低いゲリラが厄介だと感じていた

戦力を出せば戦闘では簡単に勝てるかもしれないが・・・・
すぐに隠れてひょっこり顔を出して攻撃を仕掛けて抵抗する・・・・

殲滅しても戦力は減るどころかむしろ沸いてくるからめんどくさい

桐原少佐「俺たちの初任務地は惑星エデンだが、これからもゲリラやはぐれゼントランの厄介ごとと戦いそうだな。」

吉野大樹「それが嫌だったら銭湯の店主に戻ったらどうです?あの大戦を生き抜いたんです、月で家族と過ごし・・・・・」

桐原少佐「いや一年はやり遂げるよ、お前もまだこの隊を任すには経験は足りんからな・・・・若い奴に苦労押し付けるのは俺は老害だよ。」

茂人はこれからの部隊の運命を想像し厄介ごとに巻き込まれる事を悲観すると・・・・
大樹は皮肉そうに銭湯の店主に戻ったらと勧めた。

銭湯の店主に戻るように勧められた茂人であったが・・・・・
後継として期待している大樹はまだ経験が足りず隊を引き継がせるわけにはいかず
若い連中に厄介ごとを押し付けるのは老害だと断った。

第1次星間大戦で人材を多く失った今、若い兵は貴重な存在である。

どんどん人口が回復しある程度人材不足は解消しなかった。

後継である大樹が育つ1年間は最低でもやらなければならない。
第1次星間大戦を生き抜いた者としての最低限の責務だと茂人は自覚していた。

【2021年3月30日ニューエドワーズ基地】

ニューエドワーズ基地の警備したかいもあってか何事もなく翌日を迎えた。

アンサーズ中隊はニューケネディ基地に向かい大気圏離脱の為の装備を受領する為
地下格納庫では整備班により全機体が整備点検されていた。

自分の愛機が整備されてる所を見ながらラウラはあの日の一件の事を考えた。

ラウラ「地球人の戦争軍事は複雑すぎて嫌だな・・・・」

工作員による内部侵入、反乱分子のゲリラ戦による襲撃・・・・
ここに来て得られた文書を読んで知ってはいたが・・・・
いざ経験すると現実味が感じられず戸惑っていた。

最初の初陣、訓練生時代の戦闘を経て・・・・
嬉しさがあった反面・・・・・・

単純に戦えばいいゼントラーディ軍時代とは違う戦い方に戸惑ったり
工作員による戦闘では初めて生身で死ぬのでは?と言う感覚に襲われたり
今まで感じた事のない底知らぬ恐怖を覚えた。

新統合軍にいる以上、一昨日のような事をまた経験するだろうし・・・
もしあの時、オルガがいなければ・・・・

オルガ「ベルタリア准尉、何ぼーとしてる。軍人ならシャキッとしろ!」

ラウラ「わっブラギナ中尉?なぜここに?」

オルガ「エデン防衛軍司令部に向かう前にベルタリア准尉の顔を見にね~」

そうこう考えている最中、オルガから話しかけられた。

あの夜見たオルガは冷静でクールな性格で、工作員を殺害しラウラを救ったが
背後から話しかけてきた今の姿は陽気な性格な秘書士官・・・・
昨日から特に何事もなかったかのように佐久間提督の秘書として振る舞っている

_____お前は何者だ?

今のラウラがオルガに言いたい事・・
目の前にいる秘書士官は副業で、本業は違う・・・・・
何者なんだ?お前はなんだ?

反統合組織の工作員の一人なのではないか?と疑った・・・・・

オルガ「私の正体は何だとおもったでしょ?」

ラウラ「ラック(なっ)?なんで思ってる事を・・・・・」

オルガ「仕事柄、相手の考えてる事は分かります。安心して反統合組織の一員じゃないから、根も新統合軍人だから」

心の中で想っていた事を見抜かれ、更に根っから新統合軍人だとオルガが言った。

根っからの新統合軍人である発言に敵ではないのかと戸惑いながらも安堵したが
話しぶりからして単なる秘書士官ではなさそうだ・・・・
噂で聞く特務機関・・・諜報機関の人間かもしれない・・・

諜報機関の人間ならばあの晩の出来事も説明がつく・・・・

オルガ「いろいろと察しはしてるけども、深入りしたら味方と言えども消します」

ラウラ「分かっているわ。深入りした結果、変な死に方はしたくありません。」

オルガ「懸命な判断ありがとう」

ラウラ「偶然居合わせただけなので・・・・」

当然の事ながらこれ以上深入りしたら味方とは言え殺されてしまう。
現にオルガはラウラに警告した上で消すと言った。

映画で見た通りの展開だが・・・いざ言われると現実味が湧かない

ゼントラーディ軍にはスパイの概念はあれど、地球のような諜報機関は存在しないし
むしろ組織の概念すらない・・・・・・
マイクローン化し機種転換センターで初めて知った存在なのだ。

目の前に諜報機関の人間がいるのはなんとも現実味が出てこない。

ラウラ「とりあえず私はここで・・・・」

オルガ「ごめんね、話長引かせて・・・・今度またゆっくり話がしたいな~」

ラウラ「その時はよろしくお願いいたします」

逃げるかのようにラウラはその場から立ち去ろうとした・・・

諜報機関に所属してるとは思えない笑顔を浮かべるオルガが怖く感じ・・
一刻も早くなるべく遠くこの場から去りたかった

味方であるのは分かったけれども、苦手なタイプであり
幾多の敵と戦ってきたベテラン兵士のラウラと言えども恐怖に感じ・・・
逃げたしたくなってしまうような感覚に襲われた・・・・

オルガからゆっくり離れ自室へ戻っていった。

オルガ「ラウラ・ベルタリア准尉か・・・・遠からず会える気がするわね。不思議な娘」

自身から離れたラウラの後ろ姿を見て小悪魔のような笑顔を浮かべたオルガは
遠からず会えるような気がすると感じた。

一般部隊であるラウラと諜報機関のオルガ・・・・・
立場も違えば、任務内容は異なっており広大な銀河では会う機会はない
今のオルガの役職は提督秘書であり、地位が違いすぎる

会う確率は低い・・・・
でも根拠はないけど、会えそうな気がする・・・・・そんな気がした

オルガはフッと笑うと秘書士官勤務へ戻った。

【2021年3月30日、エデンプレーリー上空】

アンサーズ中隊と職員を乗せたVCー33マムズ・キッチンは空にいた

目的地はマスドライバー施設のあるニューケネディ基地
新統合宇宙局の施設であり、惑星エデンにおける地上と宇宙を繋ぐ拠点で
隣にある新統合軍ニューケープカナベラル基地が警備を行っている。

アンサーズ中隊はニューケネディ基地に着陸し大気圏離脱装備を装着し
宇宙に向かいエデン軍宇宙艦隊の可変戦闘機部隊との模擬戦を実施
一週間訓練指導した後、本拠地のあるクラビウス基地へ帰還する予定であり
ラウラを始め隊員は早く終わらして帰ろうと張り切っていた。

桐原少佐「そろそろ防空圏内か・・・」

吉野大樹「防空圏に近づくと陸軍機が来るらしいですね。」

桐原少佐「VAHー1コマンチだろ・・・・無骨武者がエスコート役とはな・・・」

アンサーズ中隊をニューケネディ基地まで案内する予定の部隊は陸軍だ。

ニューケネディ基地には陸軍部隊も駐屯しており
デストロイドの他にもVAHー1コマンチで編成された航空隊が所在しており
友軍機が来訪するとカナベラル基地の空軍ではなく陸軍が対応し出迎えてくる

正直に言えば頼りないので空軍機であればと茂人は愚痴っていた

ラウラ「ねぇ大樹、なんで隊長は陸軍機の出迎えに不満なの?」

吉野大樹「いつものVFー1マニアの発症だよ、特に不満じゃない。単なる病気だ!」

ラウラ「病気か・・・・・」

吉野大樹「お前も予備軍だから、あーなるなよ」

ラウラ「なっ、バカにしてるんですか?」

VFー1バルキリーマニアの隊長の愚痴にラウラは不思議そうに大樹に訪ねるが
病気かつお前も予備軍の1人だと返答した。

予備軍の1人だと評されたラウラはバカにしてるのかと怒ったが・・
振り返って見れば海兵隊辞めてマイクローン化し可変戦闘機乗りになった切欠は
VFー1バルキリーと戦ったからであり・・・・・
大樹からの指摘はある意味間違ってはいないと自覚した。

特にVFー1バルキリーに拘っているわけではないが・・・・
クァドランよりかは乗りやすくて気にいっている・・・・

とは言え別に可変戦闘機が好きで気に入ってるだけでVFー1に拘ってないし
むしろ、最新鋭機が配備されたら喜んで積極的に乗り換えたいし
軍にいる限りいろんな可変戦闘機に搭乗出来るなら乗ってみたいと思っていた

ロザ「地球人って凄いよね新型出れば今使ってる機体古くなれば退役して捨てるなんて」

ラウラ「確かに!私達は何万年も昔からある機体使ってたし」

吉野大樹「むしろ俺らから言わせればよくも何万年も同じ機体使い続けてただな」

桐原少佐「そう言われて見ればそうだな。ってそれは種族の価値観だろ!」

地球人とゼントラーディ人の兵器に対する価値観が違う
開発すると言う知識のないゼントラーディ軍はプロトカルチャーが開発した兵器を使うが
国家間の戦争ばかりしていた地球人はより良い兵器を開発し相手国に優位に立つ為
短時間で様々な兵器が登場しては消えていった。

ラウラ達は地球軍兵器の使用期間の短さは驚いたが・・・・・
戦争の歴史を知れば当然の事かと理解した。

地球人は自分達ゼントラーディ人と違ってただ戦ってるわけじゃない
思想.侵略的野心.国土防衛様々な理由が存在しており
単純明快なゼントラーディ軍とは大きく違って理性的だ・・・・・・

ふとラウラはたまたま地球人の戦争の奥深さに触れる機会が得られた事を喜んだ

ゼントラーディ軍軍人のままだったら一生知る事のなかったし・・・
自分達がやってる戦争について頭で深く考える事もなかっただろう・・
やっぱり地球人の歴史は魅力的だとラウラはそう思った。
コメント
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