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プロッター・アンド・ギャンブル《P&G:ファブリーズ)》を裁判に訴え 悪質CMの撃退

2010年10月07日 10時55分44秒 | 思考空間

 ロシア民謡の1週間の曲に乗せて、月曜日には焼肉を食べ、・・、日曜日にはオヤジが臭い、と歌い、加齢臭という文字が浮かび上がるコマーシャルに関して、広島地裁に提訴していたが、10月5日に結審し、棄却となった。予想もしていた結果で残念ではあったが、効果はあったとみている。まず第一に、中止の予定は特に無いと、はねつけていたP&Gが、訴状を出した途端に計画通り中止したとしてコマーシャルを止めた。

 準備書面を作るためにネットなどで調べていて、叩けば若干、ほこりの出そうな会社であることが分かった。時価総額はトヨタを上回り、家庭向け用品の分野では世界一の会社だが、それにしては、ちょっとどうかというところが見える。そもそも、ファブリーズは吸い込むと気分が悪くなるとか、くしゃみが止まらないなどの害が報告されていた。ズバリ、「ファブリーズはいらない」(危ない)という著書(渡辺雄二)も出ている。

 著者の渡辺さんとは二度ほど、電話で話した。穏やかで、技術屋でもあるから特に偏った考えもない。その人が本気で、P&Gのビジネスは詐欺商法に近いと言っている。ファブリーズ(消臭剤)は医薬品でも殺虫剤でもないので、日本の法律の網に引っ掛からないことを利用して、非表示で有害な物質を使っていることが疑われる。

 消臭剤のメーカは自主管理組合(芳香消臭脱臭剤協議会:大阪府茨木市)を作っていて、有力なメーカーはP&G以外の全社が加入し、法律以上に厳しい基準で管理している。最も規模の大きいP&Gが加入していない。自主管理組合に入ると、成分も化学式で表示しなければならないし、ユーザーを惑わすような宣伝もできない。P&Gの製品は自主管理組合のルールでは違反になる。

 私は原告として、親父の臭い、加齢臭について、科学的な根拠と具体的な消臭方法の提示を求めた。これに対して、P&Gは「法律的な構成要素とは異なる」ので出す必要はないと主張してきた。それまでは、コマーシャルで言っている臭いは「くさい」ではなく、「におい」であるとか細かいことまで指摘していたのが、最も重要である親父の臭いと加齢臭について返答を拒否したのだ。拒否したというより、答えられないのだ。世界一の会社がですよ。

 そこで、ファブリーズのCM[が景品表示法第4条に関する違法行為であることを準備書面(誰でも4年間は見ることができる)で指摘した。私は、別の事件で景品表示法を指摘し、公正取引委員会がアクションを起こしたことがあり、判断できるのだが、定義もできない親父の臭いや加齢臭を消臭すると宣伝することは、景品表示法に違反する。ただ、罰則には至らず、消費者庁が注意する程度かなとは思う。

 さらに、本件が悪質なのは、テレビコマーシャルという、P&Gの社員なら全員が見ている内容で、トップをはじめ誰もが良しとしていることが、会社全体のコンプライアンス(法令順守)軽視の姿勢を感じる。一般の日本企業に勤めている人ならわかるが、現在、コンプライアンスの動きは積極的で、厳しい。アメリカの戦略の中でビジネスを進め、アメリカの諜報機関の巣であることも強く疑われるP&Gのことであるから、怖いものはないし日本を見下しているのだ。

 裁判をいくつか経験して思うことだが、裁判が公平で公正かという疑問は常に感じる。一般企業どうし、一般人どうしでは確かに公平性、公正さは一定のレベルで確保されている。しかし、政府、政府に近い企業、巨大企業を相手にする場合、明確な偏りが感じられる。これは複数の弁護士も明言(政府や政府系企業に関して)している。また、弁護士を立てない場合、法律専門家が書いても相手にしてもらえない。政府に民事裁判への陪審員制度を要望しているところではあるが、官僚寄りの現政権では難しいか。

 P&Gには、世界一の企業なら、それにふさわしい品格と公正さを求める。怪しげな製品でも何でもよいから、莫大な宣伝費をかけて、商品者を洗脳し、販売するなどもってのほか。ましてや善良なる中年男性をバカにするような宣伝はやるべきではない。日本や日本人を尊重し、良質な製品を世に送り出すべきだ。それが本当の意味での発展にもつながるだろう。


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