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巨大ブラックホールの衝突が新宇宙を形成⇒循環宇宙論、有機物質から人間への進化メカニズム(循環論理の評価)⇒戦略的進化論

日本とアメリカの戦後は終わっていない

2008年06月22日 12時26分28秒 | 軍事&中国

 アメリカの民主党大統領候補がオバマに決まったところで、日本国内ではオバマが共和党のマケインに勝ち、いよいよ初の黒人大統領出現か、日本との関係はどうなるのだろうと先読みする「むき」が多いと思われるが、そんなむきは是非、日高 義樹の最新著書を読んでいただきたい。アメリカの状況はちょっと異なるようだ。

 アメリカの新聞はリベラルだから、民主党の黒人と女性の候補者争いを大きく取り上げた。しかし、共和党はオバマが戦い易いとして、密かに資金的な支援をしてきたというのが実情のようであり、片やヒラリーの後ろには中国の支援が有った。中国は軍事費拡大、人工衛星破壊、戦艦寄港拒否でわだかまりの広がりつつあるアメリカの修復を図り、しかもアメリカの大統領をコントロールするため、親中のヒラリーに資金援助し、加えて、地元のアーカンソーの企業を次々買収してきた。ここは、資金量の豊富なオバマが勝った。

 ブッシュ共和党からオバマ民主党にすんなりシフトするかというとそうはなりにくい。アメリカ大統領は常に核ボタンスイッチを持ち歩く。世界最強の軍隊の総司令官である。オバマは最高指揮官になるためのキャリアが不足すると判断されるというのだ。実は名前の通り、マケインは「負けナイン」であり、若くはないが70歳を超えるジョン・シドニー・マケイン3世が大統領になる可能性が高いと、日高の著書から推定される。

 しかし、日高は言う。マケイン(共和党は親日)が大統領になっても、アメリカがアジア地域で手を組んでゆく相手は中国であると。アメリカは日本の政治や社会システムが理解できない、とりわけ日本がアジア地域に対して経済支援は行っても外交力を発揮しなかったことに不満が有るという。

 アメリカは常に対抗する強い相手を求めている。第二次大戦では日本やドイツと戦った。戦後、長い間ソビエトとの対立が続いたがベルリンの壁崩壊で冷戦構造が終了し、その間、ベトナムでは手痛い敗戦を喫したが、経済でアメリカに挑戦し勝利を収めつつあった日本をあっさりたたき落とした。ブッシュ大統領は就任直後の9.11をきっかけにアフガニスタンを制し、その勢いをかって、石油利権の絡むイラクに侵攻した。日本ではイラク問題を泥沼とみているが、アルカイダは国外に逃亡したため、アメリカ国内では勝利したとの考えが強くなっている。そして、21世紀に対峙する相手は軍事巨大国を実現しつつある中国である。

 実はアメリカは、ベトナムを支援した中国に敗れている。空海では確かにアメリカが世界一だが、陸では中国に大敗したのだ。アメリカは強い相手が好きで、最終的には自国が勝利することを楽観視している。また、中国は表向きアメリカに対して逆らったことが無い。ベトナム戦争はあくまでベトナム地域の話だ。

 何故、アメリカは同盟国であり同じ自由主義体制下の日本より中国を選ぶのか?私は、またしてもこの謎について考え始めたのだが、題名のように、日本とアメリカの戦後が終わっていないのではないかと考えるに至った。そのもっとも象徴的な例が、広島に関して存在する。アメリカの大統領はまだ一度も広島市を訪れていない。第二次大戦の責任は日本にあるのだから、それを終了させるために投下した原爆について謝罪する必要はないというのが表明されている理由だ。一理はあるがそれだけとは思えない。

 アメリカは、長崎に二つ目の原爆を落とした後、朝鮮戦争、ベトナム戦争、イラク戦争、そして北朝鮮やイランに対して同じ決断をしていない。世界中が戦争に巻き込まれた狂乱の時代が過ぎてみると、何の罪もない市民の頭上に原爆を落としたという事実は、アメリカ人の良識ある人々にとって触れたくない闇になっている。だからこそ、広島で謝罪したくない。触れたくない。正当化しなければならない。正当化のために、リメンバー・パールハーバーの映画がハリウッドで繰り返し制作される。日本が否定され続ける。 

 おまけに日本はあろうことか、バブルという経済暴走に乗じて、アメリカを打ち負かし、ロックフェラーセンタービルまで買収してしまった。もう、二度と日本を信用してはいけないというのがアメリカ・リーダーたちの共通認識であろう。

 私は、広島でオリンピックを開催し、アメリカの大統領も広島を訪れ、双方が率直な議論を行い、過去の歴史を清算したら良いと思う。アメリカの大統領に言いたい。「男だろう?いつまでも子供のようにいじけて、広島を避けるのではなく、堂々と広島を訪れ、お互いに語り合おう」 また、日本は、政権交代を容易に実現できる体制とし、官僚の既得権構造を改革して健全な発展を実現しなければならない。アメリカが期待するのは、アメリカに代わって世界をリードする国だ。日本では世界をどうリードして行くかという議論や行動が無さ過ぎるのだ。 

 さもなくば、アメリカが日本憎しのわだかまりを残しつつ共産体制の中国を支持し続けて、やがて中国が軍事的にもアメリカをしのぐ日が来るであろう。怖いのは中国のリーダーでもなく、中国の人々でもなく、共産主義体制と言う人間を支配するシステムである。このシステムはやがて世界を支配することになりかねない。

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