ホテルオークラ・三越・伊勢丹・高島屋と言えば、日本の一流。トップクラスの企業が、ばれるまで食品偽装をしていたとなれば、毒入り餃子の中国の事を悪く言えなくなった。日本が劣化し、だんだん中国に近づいているのだ。
《とは言っても、確かに中国は凄い。下水で集めた油を「下水油」として店で堂々と販売し、その油で料理を作っていると言うから、恐ろしい。上海では朝飯を75円ぐらいで食べれるが、香辛料が強烈で何が入っているか分からない。何でも平気で食べないと中国では生きて行けない》
日本中おかしくなった事がたまたま阪急阪神ホテルズをきっかけに露呈してしまった。阪急阪神ホテルズの出崎(でさき)弘社長が偽装ではないと突っぱねず、ひたすら頭を下げれば、ちゃんちゃんで終わっていた。出崎社長の貢献度は大きい。
製造業がおかしくなってきたことは、10年ぐらい前に日本電池の部長から聞いていた。部品などの品質が低下し「日本は大丈夫だろうか」と本気で心配していた。それが製造業にとどまらず、東京電力も含め、日本全体に及んでいたのだ。
一つは団塊と言われた、貧乏と激しい競争の中で耐え抜いた世代がごそっと退職していったことだろう。物凄く頑張ったが、イエスマンではないから上の評判は悪い。しかし、悪い事は悪いと妥協しないから良質なものを作り続け、秩序を保ってきた。
若い世代にはイチロー、ダルビッシュ、上原のような世界的なスターもいて驚かされるが、職人的な分野に限定されている。驚くのは若い世代が、現状の悪い点も含めて全部受け入れ、現状維持を正しい事としてしてしまうことだ。
昨年度、こころ(住宅団地)の副会長をして驚いたのは、毎月の役員会(若いメンバー)で重要なテーマを全く議論せず、お金の動きが全く分からないので、透明化など改革しようとしたところ、猛反発を受けて、とん挫してしまった。論理もへったくれも無い。全員が今までの流れを維持しようとする。
戦後、日本は奇跡の大復興を遂げ先進国の仲間入りしたが、決して戦略が有ったわけではない。改革を進めたわけでもない。勤勉で真面目な事は重要な要素だったが、米欧の支援を受け、ノウハウをキャッチアップし、為替が非常に安く設定されていたことなどが影響している。
いわば、戦前からあった村社会が変革を経ず、そのままスケールアップしたのが日本の状況だ。特に、バブル崩壊後、日本は縮み続け、内向きとなった。世界がグローバル化する中で逆向きに進み、組織内では何でもありの状態が拡大する。
コンプライアンスが叫ばれてきたのは、逆にそれだけ日本の組織がおかしくなってきたことの表れか。
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