初期生命の元になった物質に関し、古くはプロテインワールド説が唱えられ、今はRNAワールド説が科学界を席巻している。実験で、必要な物質や環境を与えるとRNA同士が触媒機能でコピーし合って増殖し、更にRNAが単独で自分自身をコピーするのを確認できたというのである。
僕も当初、記号物質に注目していた。ところが、開発者(多種の装置、ソフト)の観点からRNAワールド説には無理が有る。詳しくは書かないが、原始の地球でどのようにRNAが誕生したのか?不安定な水中でどのように自分を維持したのか?仮にRNAが増殖したとして機能の限定されたRNAが何をできたのか?
僕はキネシンやHSPをはじめとするタンパク質の驚くべき多彩かつパワフルな機能に着目した。池原名誉教授のGADVは有力な説だった。この他の方法も検討する中で、岩塩と砂浜が候補になった。要はアミノ酸を含む海水の凝縮だった。岩塩は残念ながら課題が有った。砂は日本の伝統的な塩製造でも利用された凝縮法で論理的にも合致するものだった(詳細は学会原稿を参照)。
砂浜モデルと名付けたが、原始の海で多種のアミノ酸を結合させ、成長させ、多種のタンパク質やその一種の酵素を大量の製造できた可能性が高い。実験しなくてもGADV仮説の実験例、製塩の技法が参考になる。100%ではないが、砂浜モデルは多くの人が支持し得る条件を備えている。
砂浜モデルと共に、新しいプロテインワールド説を提唱している。個人的な意見だが、この仮説は強力で、従来の常識をひっくり返す可能性を持っている。僕の戦略的進化説を構成する小仮設の一つだ。
発表前には書けない内容もあるが、少し、お披露目しようと考えた。僕は博士でもないし、電気学会原稿は査読を経ていない。更に原稿は幼稚だ。しかし、このしがらみがない自由さは捨てがたい。
来年に向けて? またまた次の新たな仮説を用意しつつある。常識外れ?これまでも、ジャンクDNAに動形質の重要な情報が継承されているとした仮説などの正しさは証明されているんだよ。