笹井副センター長は相当頭の良い男で、本来彼が果たすべき小保方氏の上司としての責任はまるで果たしていないのだが、リスクミニマムのぎりぎりのところを狙った素晴らしい演技力で記者会見を見事に乗り切ったのだ。
はっきり言って無責任体質だが、そこは元大学の先生だから、自分に責任があるなんていう発想も概念も無い。大学教官は世の中の感覚的な隙間を巧みに利用する。上手に言い逃れれば、それですべて解決というのが大学の常識。
優れた上司であれば、会見で全ての事実関係を明確にし、今後の対応に関しては、自から進んで検証や解決、および事後処理を実施し、その後、副センター長を辞すると宣言すべきところだ。
ところが、STAP細胞を検証の価値有る合理性の高い仮説とし、論文は撤回と言い、小保方氏およびSTAPを切り捨てたか、僅かに残したか、微妙で訳の分からん表現をした。その上で、STAP細胞の存在をほのめかした。
自己矛盾を排除して自らをガード。理研に軸足を置いたまま、小保方氏から恨みを買い訴訟で追及されないよう振る舞った。
笹井副センター長の逃げの一途で、いつの間にか、小保方氏の指導者は笹井副センター長から若山教授に移った。今後の若山教授の出方が注目される結果となった。
どう見ても理研は優れた研究機関の組織としての体をなしていない。STAP細胞の写真をねつ造と断定し、小保方氏一人が責任者と決めつけた結果、理研は異常な判断力を露呈し、権威や信頼性を失ったのである。
小保方論文は再調査せざるを得ず、調査のずさんさを自ら世の中に知らしめることになった。そして、調査のプロセスがマスコミによって発信され、結果についても様々な批判を浴びる事が予想される。
理研は小保方氏を切りたい。然し、切っちゃうとその途端訴訟を受ける事になる。どろどろの戦いが始まり、情報が開示される毎に理研は益々傷つき、判決では少なくとも60%以上の負けが宣告される。
結局?理研はほとぼりの冷めたころ、特定研究開発法人の認定を受ける。笹井副センター長は全く傷つかず、理研の副センター長であり続ける。理研のエースだ。
小保方氏は、STAP細胞の存在が確認されれば、ノウハウを持ったままバカンティー教授を頼ってハーバード大学に戻るでしょう。15日、来日したバカンティー教授は「ボストンに戻っておいで」とメッセイジを残した。
STAP細胞が確認されなければ、小保方氏は研究者としての活躍の場を失い、生命科学に汚点を残した張本人として歴史に残り続ける。