マスコミが顔を隠した高校生の発言を繰り返し、テレビで流している。誰かが橋下へのブーイングを煽るためのやらせのように思えてならない。冷静に考えなければならないことは二つある。一つは、体罰で一人の高校生が自殺に追い込まれ、その後の調査で体罰が体育科で常態化していたこと。
次に、教育委員会と学校のタッグマッチは強力で、この牙城を誰も崩せなかった事...だ。
テレビに出てきた高校生はいじめ側の生徒のように思える。誰かが死のうとそれは関係ない。ほっといてくれ。自分達の生活や環境を崩さんといてくれ。そう主張している様に感じられる。第一に顔を隠した発言は今時の書き込みいじめそのものじゃないか。
体罰を条件付きで容認していた橋下が遺族に会って方向が変わったらしい。体罰を受ける側、いじめられる側の痛みは殴る側、いじめる側には到底理解できない。体罰は次第に過激化し止まらなくなる。
昔読んだ「天声人語」にこのような事例が紹介されていた。罰を与える実験で、失敗すると電流を流すスイッチを押す。実は罰を受ける側は役者で電流は流れていない。もだえ苦しむ演技を行う。電流の強さを調整するつまみには危険を示すレッドゾーンが記入されている。
くれぐれもこの危険レベルを超えないようにと注意しているにも拘らず、試験した全員がどんどん電流を上げ、レッドゾーンを超え、止まらなくなったらしい。精神的におかしくなり、精神科で治療を受けることになったという。
人間は残酷な動物だ。誰かが止めなくてはならない。昔は人が亡くなると大きな社会問題になったが、1年間で3万人も自殺する状況で、感覚がマヒしたか。
あなたが教育委員会に訴えたことが無いのなら、とても教育委員会の鉄面皮ぶりは理解できない。最初は誰も学校の相談に行く。生温くて解決しない場合は教育委員会に行くことになる。ところが、教育委員会は凄い。全く意見を聞くことは無い。強硬な姿勢でまるで巨大な岸壁だ。
独立組織で怖いものなし。親にとっては切実で切迫していても、学校にとっては不当で面倒くさい話だ。どんどんはねつけて自分たちの世界を守る。恐らくこれまでは何の抗議を受けても微動だにしなかったのではないか。それで、学校の既得権組織を守ってきたのだ。
今回の事は橋下でなくてはできなかった。ま、敢えて橋下ちゃんにアドバイスするなら、3人ぐらいの信頼できるスタッフ(異なる立場で、論理的に思考でき、遠慮なく発現できる)を集め、発表の前に議論し、特に一般市民を追い込む形を避けるか、やむを得ない場合でも救済できる案を考えておいた方が良い。
気持ちは分かるし、これまでと同じように果敢にやって欲しい。しかし、結果は同じでも勢いのある言葉は誤解を招きやすい。優れた仲間がたくさんいるのだから、多いに協力してもらうべきだ。