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巨大ブラックホールの衝突が新宇宙を形成⇒循環宇宙論、有機物質から人間への進化メカニズム(循環論理の評価)⇒戦略的進化論

[電力不足で節電が必要]は官僚の作文

2011年07月16日 08時45分45秒 | 思考空間

 関東をはじめ、全国的に節電が大きく呼びかけられている。東電管内では15%削減しないと企業の場合、100万円だか違反金がとられるというから厳しい。一般家庭にも協力を呼びかけ、おかげで扇風機が例年の数倍も売れている。待てよ。本当に全国で24時間節電しなければならないのだろうか?

 私は電力会社でこの辺の問題は専門的に取り組んできた。企画部門で電源開発を計画し、営業部門でも昼間のピーク需要対策を第一に営業活動を展開した。実は、今回の問題は電気需要のピークをどうするかが課題であって、一律の節電が目的ではない。夜は供給があまり、冷房需要のピークとなる14時付近はタイトになる。ピーク時の最大供給力と最大需要の差を供給予備率として基準値を満たすよう電力会社は電源開発し、運用している。

 つまり、供給力不足は一瞬の問題であって、24時間一律の犠牲を伴うものではない。一般家庭で出来ることは、14時付近のクーラー需要を抑えることだ。また、オール電化の家庭は電気温水器(エコキューとなど)を利用しているので既に設備面で協力している。太陽光発電は家庭用設備としてはベスト。加えて、電力会社などが隠しているのが揚水発電の存在。深夜に貯水池に水をくみ上げ、ピーク時に水力発電する。

 東電は15か所で1050万キロワットの揚水発電所を持っているようだ。この揚水発電を利用すれば、ピーク付近で1050万キロワットの発電が可能になる。(実際には数字通りにはならないが)東電の今夏の最大需要が5000万キロワットあまりだとして、火力などで供給が上回っておれば、既に十分な発電量だ。何故この存在を隠したがるかというと、一つは原子力の重要性を認識させるためと、揚水発電のコストが高いためだ。

 国民全体に節電と耐久生活を求めれば、原子力発電所はやむを得ないね、との世論形成が得やすい。また、揚水発電の効率は大体70%程度で、それがそっくり費用負担増となる。30%も高い電気になるのだ。

 供給予備率は会社によって多少の差はあるだろうが我々の場合は8%とし、これを上回ることを目標に進めてきた。需要の伸びは社内の事務屋が色々調査分析して10年間で一律3%などと決める。(あたるわけがない) この需要の伸びで供給率が常に8%を上回るよう電源設備を計画するのだ。

 もし、需要が大きすぎると、発電機の回転数が落ちてくる。回転数が落ちると脱調と言い、大事故になるので、周波数を見ているAFCが発電機タービンを自動でトリップ(とばす)させることになる。1台でも発電機がとぶと、残りの発電機の負荷はますます大きくなるので、多くの発電機がほぼ同時にトリップし、大停電になる。

 分かり易い例で言えば、3人で漕ぐ自転車(常に一定の回転数でなければならない)を考えればよい。上り坂では負荷が重いので回転数がおちてくる。たまりかねて、一人が休むと、残りの二人は持ちこたえられなくなり自転車が失速して、転げてしまう。

 ピークシフト(揚水発電:電力設備、蓄熱空調:ビルなど、電気温水器:家庭向け)は電力会社が昔から重点的に取り組んできた。ピークカットはズバリその時間帯で需要をカットするのだが、実は太陽光発電はピークカットとしては理想的。何故なら、ピーク需要形成は冷房負荷であり、太陽交が強い時に負荷が重いのだから、その時、太陽光発電もピークとなる。ピークどうしで打ち消せる。

 私はビル負荷の20%以上を占める照明のピークシフトを実現するエコライトを発明し開発していた。深夜にリチウムイオン2次電池などに充電し、昼間に充電電気を利用して蛍光灯を点灯するものだ。当時、リチウムイオン2次電池は高価でハードルが高かったが、当時日本電池が開発していた顆粒クラッド鉛電池なら経済的にも条件を満たすことが分かった。ところが、私を敵視していた常務以下の一派に潰されてしまった。電力7社、電力中央研究、三菱電機、松下電工などと共同開発し、実モデルも東京電力で1年間試し、全く問題なかったのだが残念だった。