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人外花境

暇人の何でも自然観察日記

主に野歩き山歩き.たまに旅歩きの写真ブログ

鍾乳洞の小さな生態系

2007年05月16日 | 島旅:八重山諸島

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 私は山を見れば登りたくなり、洞が有れば潜りたくなります。よっぽどのバカか暇人なんですね。と言うわけ で石垣鍾乳洞に入ってきました。鍾乳石などの二次生成物は、特に面白くもないのでパス。これは子供達が 成人した時、記念に一本預けておき数年も経てば立派な古酒(クース)となり、親と一緒に飲むそうです。

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 鍾乳洞の中の照明の下に発生した小さな生態系です。生命を維持できる条件さえそろえば、どんな所でも 生き抜く生命のだくましさ。しかし、パチンとスイッチを切られれば、この生態系は絶滅します。光合成に必要な環 境の一つが欠ければ植物生態系はもろくも絶滅、生命のもろさ・はかなさでもあります。

 この光景を見て連想したのが、深海の熱水噴出口の周りに発生する生態系です。この生態系も、熱源が移 動し熱水の噴出が止まれば絶滅します。鍾乳洞の中も、深海底も生命にとっては極限の環境ではあります が、たまたまそこに生命維持の条件が付加されれば小さな生態系が発生する。

 では私達が住む地球が置かれている環境はどうでしょうか。広大な暗黒の宇宙空間は、生命にとっては鍾 乳洞の中や深海底とは比較にならないほど過酷な極限の世界です。たまたま適度な距離に太陽が有り、極めて 微妙なバランスの上に宇宙全体から見れば小さな小さな生態系が維持されているだけなのです。

 地球という小さな生態系のスイッチをパチンと切るのは誰でしょう。暗い洞窟の中で、か細い光に照らされて 懸命に生きる植物達を見ていると、ついそんな事を考えてしまいました。石垣島の鍾乳洞まで来て、こんな事を 考えている私は余ほどのバカか暇人なんですね・・・ヤッパシ。

 


石垣島 御神崎

2007年05月15日 | 島旅:八重山諸島

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 御神崎は石垣島の西の端にある岬で、テッポウユリの名所として知られている。今回はあまり咲いていなか った。川平湾へ向かう途中でちょっと寄ってみると良いでしょう。

 ご覧のとおり、八重山諸島の中では他に見られない荒々しい海岸地形です。岩盤が緑色がかっているのが 解ると思いますが、これはグリーンタフ(緑色凝灰岩)です。新生代第三期始新世、約3500万年前の野底層の 火山活動によるもので、本土のグリーンタフよりは一昔古い時代のものです。

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 御神崎灯台です。説明文読んで下さいね。

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 御神崎はテッポウユリだけでなく、多種多様な花の宝庫です。強風のためか矮小化し、地に這うようにして 咲いていました。とりあえず名前の解るもの、上からテッポウユリ・リュウキュウコスミレ・ソコベニヒルガオ・アサガ オガラクサです。


石垣島 730交差点

2007年05月13日 | 島旅:八重山諸島

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 石垣島は一市一島で人口46,000余人、その大部分は石垣市街地に住んでいる。この写真は離島桟橋前の 市街地の様子。波照間島や西表島から帰ってくると(なぜか帰ると表現してしまう)大都会だなぁ~と感ずる。  なにしろ竹富町の町役場は、竹富島や西表島ではなく石垣市にある。各離島を結ぶ高速船やカーフェリーは 全て石垣港を起点としている、離島間を巡る航路は無いのでその方が便利が良い。

 石垣島には、沖縄県下の最高峰於茂登岳(526m)が有る。沖縄本島の最高峰は与那覇岳(503m)である。

いずれにしても、八重山諸島の行政・交通・産業および観光の要は全て石垣島に、それも石垣市街地に集中 しているのが現状である。

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 石垣市最大の繁華街である730(ナナサンマルと読む)交差点、1978年7月30日に右側通行から左側通行 へと切り替わったのを記念して名付けられた。たいていの観光客は、離島桟橋・730交差点周辺と石垣市公設市 場の半径100m以内で事足りてしまう。でもせっかくなので石垣島で二三日ゆっくりしましょう。


八重山層群の風化・浸食

2007年05月11日 | 島旅:八重山諸島

 西表島の地質は、北東部に少しだけ付加体由来の古生層が分布するだけで、大部分は新第三紀中新世の 八重山層群と呼ばれる砂岩・泥岩から出来ています。琉球石灰岩は海岸沿いの所々に分布するだけです。今 日はちょっと面白い風化・浸食の跡をご紹介します。

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 南風見田の浜に有った孔だらけの砂岩です。これは風食によるもので、砂粒を含んだ強風が長い年月をか けて作り上げた造形です。西表島に限らず、日本全国の海岸で見ることができます。

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 星砂の浜で見掛けた琉球石灰岩(上部)と八重山層群の砂岩(下部)との不整合面です。厚さ数十センチの 琉球石灰岩最下部層にのみ縦亀裂が発達し、この亀裂に沿って浸食が進んだ結果と思はれます。

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 浦内川軍艦岩付近のポットホールですが、直径1.0m程のポットホールの中に小さなポットホールが二個出 来ているダブルポットホールです。


マリウドの滝へ

2007年05月10日 | 島旅:八重山諸島

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 ではいよいよ浦内川遊覧船に乗ってマリウドの滝へ向かいます。船で約30分、7.0km上流の軍艦岩船着き 場までの船旅です。途中船頭さんが、あそこにセイシカの花が咲いているとか、あれがヒカゲヘゴなどと案内し てくれます。などと言っている内に軍艦岩船着き場に着きました。

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 滝までの路は良く整備され楽に歩くことができます。路沿いはまさに亜熱帯のジャングルで、本土とは異な る植生の景観を楽しむ事が出来る。横になっているのは、クワ科イチジク属アコウ、別名絞め殺しの木です。まと わりついた元の木が腐ってしまい、中が空洞に成っている。

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 路沿いには結構色々な花が咲いている。これはマルヤマシュウカイドウ、園芸種ベゴニアの原種です。

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 手前の展望台から見たマリウドの滝、滝へ降りようと先へ進むと降口の階段に「事故多発につき閉鎖中」の 看板、なんてこったと思い引き返す。宿へ帰って聞いてみると「その先に降りるところ有りましたよ」・・・ゲッ。


マングローブ

2007年05月09日 | 島旅:八重山諸島

 

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 星砂の浜を過ぎれば、後は浦内川の遊覧船に乗ってマリュウドの滝とカンピレーの滝を見物に行くしか有り ません。その前に浦内川展望台から河口のマングローブ林を観察しましょう。やっぱ西表島と言えばマングロ ーブです。マングローブ植物は、好き好んでこんな塩っ辛い所に生えている訳ではありません。他の植物との 生存競争に負けて、海辺へ追いやられた結果なのです。

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 オヒルギの膝根です。(撮影地は船浦)泥の上に根を出して酸素を吸っています。別名は呼吸根。

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 オヒルギの胎生種子です。(撮影地は南大東島)黄色い葉は、塩分を溜め込んで落ちる寸前。

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 マヤプシキの筍根です。(撮影地は由布島)沢山転がっている貝はキバウミニナ。


行けなかった滝

2007年05月08日 | 島旅:八重山諸島

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 西表島で此処はぜひとも行かねば、と思っていたのがピナイサーラの滝、落差54mで沖縄県下最大の滝。 満潮時にカヌーで行くか、干潮時に徒歩で行くかである。カヌーなんぞは乗ったことがないので、選択肢は徒歩。 ところがなんと!三月二十四日の干潮時刻は4:08と17:06である。日の出前または日没後に掛かってしまう。 残念だが船浦橋から眺めてお終い。

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 上原集落の先、中野地区に有る中野ビーチ。ここで昼飯を食っていたら、シュノーケリングの二人連れが「お おっ!寒・・・」と言いながら海から上がってきた。だろうね、まだ三月だもんね。

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 近くに民宿やペンション・キャンプ場が沢山有る星砂の浜。浜と言うより岩磯に近い海岸である。西表島では 最も賑やかな所で、若いニーチャンやネーチャンが沢山居りましたな。星砂を探したり、磯遊びをするには適当 な場所である。

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 これが星砂、上がバキュロジプシナと言う有孔虫の殻、下の機雷みたいなのは解りません。


古見岳・・・登らなかった

2007年05月07日 | 島旅:八重山諸島

 今日は朝から小雨がパラつく鬱陶しい天気。こんな日はと思い、午前中は部屋の大掃除。とは言っても掃除 機かけてガスレンジの油汚れ落とし、換気扇のフイルター交換にトイレ掃除ぐらいなもの。天気が悪いと野山遊 び人の出番がないのだ。 八重山旅行もやっと二つ目の島、西表の由布島へたどり着いただけ。これでは何 時終わるか解らないので先を急ぎます。

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 西表島最高峰の古見岳(469.5m)です。各島の最高地点をすべて踏破するぞと意気込んで出かけたが、こ こで早くも挫折。①連日の歩き疲れで足にきていた②靴がバックスキンのトレッキングシューズだった③毒毛虫 やハブが居るかもしれない、などなど自己弁護して日和ってしまった。てな訳で、登山はパスして次へ進む。

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 野原崎展望台から石垣島を見る。デカイ島だな~、やっぱレンタカー借りよう、などと思いながら次へ進む。

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 西表島温泉、ここも立ち寄り湯せず次へ進む。バス停は県道脇に有るのに、路線バスが温泉の玄関まで乗 り付け、支配人とおぼしき人が玄関先で待っていた。ずいぶんとサービスが良いと思っていたら、運転手が支 配人に書類の様な物を渡していた。ナンのこと無い、頼まれ物を届けただけであった。

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 観光案内に「大見謝(おおみじゃ)ロードパーク」と有るから立ち寄ってみた。干潟のマングローグ林と向かい の鳩間島が見えるだけ。次へ進むといよいよ今夜の宿のある船浦へつく。

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 これは野原崎に咲いていたイリオモテアザミ、西表島ではハマゴボウと呼び食用としている。八重山では、 野山に生えている物は何でもかんでも食べてしまう。毒の有る物でも毒抜きして食べてしまう。それだけ食糧難 の時代が有ったということだろう。