静 夜 思

挙頭望西峰 傾杯忘憂酒

心から故安倍氏を悼む演説 誰ができる?  立場の違いを超え 真摯な議論を戦わせた国会はいまどこに?  

2022-08-20 13:01:53 | 時評
* 毎日《14色のペン》「先生、寒くありませんか」逝った友人にささげた演説  【政治部・高本耕太】
・2008年1月23日の参院本会議。自民党参院議員会長(当時)の尾辻秀久さん(81)が前月に胸腺がんのため58歳で亡くなった旧民主党の山本孝史議員への追悼演説の
 担当に指名されたのは「ほんの数日前だった」という。

 2人は共に厚生労働行政の専門家。国会論戦で対峙(たいじ)する一方、がん対策や自殺対策では与野党の垣根を越え立法化に向け協力する同志でもあった。尾辻さんは物心
 つく前に父を戦争で亡くし、山本議員は3歳上の兄の交通事故死が政治を志す原点だった。尾辻さんは「山本さんとは言わず語らずで感じ合うものがあった」と振り返る。

・尾辻さんが厚生労働相を務めた1年余りの間に、山本議員から委員会で計170問の質問を受けた。尾辻さんが官僚の用意した答弁を朗読すると山本議員は激しく反発し、
 尾辻さんが答弁席で自らの思いを語ると大きく相づちを打った。 <先生から、自分の言葉で自分の考えを誠実に説明する大切さを教えていただきました>

★ 演説の後半、代表質問で自らの癌を告白し、治療を続けながら登院した山本議員の晩年の姿を語る尾辻さんの声が詰まった。
 <先生、きょうは外は雪です。ずいぶん痩せておられましたから、寒くありませんか>
   共産党の井上哲士議員は当時の日誌に、「尾辻氏の演説に本会議場からすすり泣きが漏れた」と記した。
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 政治信念は異なり、政党も違う国会議員ながら、論戦を戦わせ<自分の言葉で自分の考えを誠実に説明する>姿勢に、尾辻氏は年上ながらも「先生」と敬意を抱いた。
僅か14年前だが、日本の国会にはこのような議員の姿があった! 翻って今はどうか? 繰り返す。僅か14年の間に国会は議論の場ではなくなってしまった!


知らぬ存ぜぬで、正面から質問に答えない。議論を尽くす前に逃げてしまい、数の力で合法化してしまう。こういう姿にした張本人は誰? あの安倍元首相である。
国葬反対の声を握りつぶし強行する姿を岸田首相は安倍氏からシッカリ学んだ。 安倍氏に対し、尾辻氏のような胸を打つ追悼の言葉を語れる人は居るか??  居まい。
 
コメント
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