静 夜 思

挙頭望西峰 傾杯忘憂酒

≪ 時代の風: 日本で広がる経済格差 その教育への影響が怖い ≫

2015-04-26 07:06:12 | 時評
 時代の風:日本で広がる格差=元世界銀行副総裁・西水美恵子  http://mainichi.jp/shimen/news/20150426ddm002070051000c.html
  <英国の経済誌エコノミスト(1月24・30日号)が、「America’s new aristocracy(アメリカの新貴族階級)」と題した論説で、エリート層の世襲化とも言える現実を痛烈に批判していた。成功は生まれではなく能力と努力しだいというアメリカンドリームが、神話になりつつあると>。さらに恐ろしい指摘が続く。
   アメリカは<9割以上の子が公立学校に通う国だが、その財源は各地域の固定資産税。いい学校はエリート層が住む地域に集中している。その上、大学の資金獲得競争が厳しさを増し、高額所得者と卒業生の子の入学があからさまに優先されるようになった。「純粋に成績だけで入学審査をする大学はカリフォルニア工科大学くらい」というから驚く>。 地方財政がジリ貧の日本でも同じ構図が始まっているのではないか?

 <昨年公表の「国民生活基礎調査」によると、子供の貧困率が過去最悪となった。わが国の相対的貧困層(手取りで月収約10万円未満)の世帯に、17歳以下の子供の6人に1人(16・3%)が暮らしているのだ。
 最近の研究では、日本も米国と同様、子供の学力が社会経済的な家庭状況に比例する傾向にあると、指摘されている。このままでは、「6人に1人」の子供が天性の能力を伸ばし、自分の可能性を思う存分発揮する未来を築く見込みは、他の5人より低くなろう>。<多大な才能が無駄になれば、経済成長に歯止めがかかるのは言うまでもない。経済と社会の格差をせばめる政策そのものが、息の長い成長につながる>。

 <エコノミストの論説は、とりわけて政治への影響に警報を鳴らす。次の米大統領選は、元大統領夫人(民主党)と、元大統領の息子(共和党)との世襲争いになる可能性がある。「もしも国民が政治のゲームはいかさまかと疑うようになれば、右翼か左翼の扇動政治家に投票する気になるかもしれない」と。 わが国の投票率が低迷するなか、若年層の投票率が異常に低い。不気味だ。>  
  全く同感である。 安倍政権が国家主義の色彩を強めるいま、日本の場合、警戒すべきは極左ではなく、極右勢力からの扇動への傾きではなかろうか?
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☆ 2015.04.26   ≪ 日本が嫌われない国になるには? ≫  

2015-04-26 06:22:10 | トーク・ネットTalk Net
  ☆  憂楽帳:空気  http://mainichi.jp/shimen/news/20150425dde041070059000c.html
  ここで言っている「空気」とは、イワユル”KY”の「空気」のことではない。 
 記者が昨年、中国/北京のスポーツバーで日の丸だけが外されたのに感じた冷やかさ。 それに対し、バンドン会議を開いたジャカルタでは日の丸が飾られる一方、<会場の近くにはJKT48(AKB48の姉妹グループ)の劇場もある。日本を感じつつ街を歩いていたら、ふと中華料理店の看板を見かけないことに気づいた。それで、1990年代末まで約30年、反共政策で中国語教育などが禁止されていたことを思い出した>という対比、この「空気感」のことである。
  だが<名残で漢字の看板が少なく、選挙ともなれば中華系であることが中傷の材料にもなる。北京の日本と同じで、ここでは中華が「色」を薄めようとする「空気」の対象なのだが、変わりつつもある。インドネシア観光省の2月の全国統計では中国人観光客が最多。路地裏にはそんな観光客狙いで「酒〓(中国語でバーの意味)」と、新しい看板がかかっていた>と石原記者は最近の微妙な変化も観ている。

 世界中で見かける中国の進出、それがアジアにあって何ら不思議はない。かたや日本の影が薄まりつつある、これまた事実だろう。そこで、日本政府が張り合い、マスコミが「中国包囲網」などと愚かなキャッチフレーズを軽はずみに弄んでいる。 善隣外交に百害あって一利もない。実に愚かである。

 日本は中国と軍事力及び経済力で張り合い覇権争いするのではなく、<文化力>でこそ立ち位置を鮮明にし、尊敬される国で有り続けようと努めるしかないのだ。嘗てのように文化の光源輝く偉大な中国は存在しない。現代中国に欠けており、今後も一党独裁でしか生きられない限り、その回復は望めず、日本に劣っている点は<文化力>しかないのだから、我々はそれを磨くしかない。
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