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小型犬、会陰ヘルニア、重度

2013年12月03日 | 動物病院
15才のパピヨンさん。未去勢、片方陰睾丸。
元気食欲無く、ぐったり。

おしっこを漏らすようです…??

レントゲンで膀胱が不明!   やばい膀胱が肛門より後ろに。
エコーで探って針でおしっこを抜くと少し元気になりました。
大きな外科をさせていただく承認を頂くまでおしっこは針で抜きました。
十分に輸液をしてOPへ。

まずは片方去勢。睾丸の総漿膜を穴を塞ぐシートに使います。次に腹部傍正中切開でもう片方の睾丸を探しますが萎縮していてほとんど形跡が無し。
総漿膜は不可。

お腹を大きく開き、直腸を開腹部に引っ張り上げ、腸漿膜を開腹部脇に縫い付けます。
膀胱も肛門の後ろから引っ張りもどそうとするも動きません。

まいった。肛門の脇を皮膚切開し助手に膀胱を頭側へ押してもらい、同時に腹部から膀胱を引っ張り上げます。動きません…。
腹部から膀胱に直接針を刺して尿を抜いて空っぽにします。結構な出血と腹腔内への尿漏れを確認。気にせず極力膀胱を空にします。
もう一度引っ張り上げチャレンジで何とか整復。膀胱はボロボロです。尿漏れのある部位を縫合、そして腹壁内側に縫い付け。

膀胱と前立腺、直腸の後方への逸脱を防ぎます。




片方の総漿膜を綺麗にアレンジして腹腔から直腸脇、肛門脇から体腔外へ引き出します。


時間がかかりすぎ!。でもこの子はとっても麻酔が安定。腎臓機能低下が疑われるケースですが、多量のオピオイドで回避。


身体をひっくり返してうつぶせにします。

肛門直腸は360度支えが無く宙ぶらりん!。これじゃあ膀胱もひっくり返るわなあ。
右側から出た総漿膜を利用して直腸を右側固定。あまり苦労なく完了。問題は左側。





とにかく巨大な空間。脂肪はあるけど全く支え無し。糸が支えられません。
近くの素材、左内閉鎖筋を使いましょうか。これなら傷を最小限に抑えられる。




☆お知らせ
営業日の午後12時~午後4時は、手術、治療業務のため留守番電話にしている場合があります。
12月の予定:14日(土)は診察のみセミナー出席のため、午前通常通り、午後18時から19時まで。
その他は31日(火)まで通常通りです。年末のシャンプーのご予約、年始年末のペットホテルご予約はお早めにお願いします。
1月の予定:1日(水)、2日(木)は全日お休みを頂きます。
      3日(金)は午前のみ通常通り、午後はお休みいただきます。
      4日(土)以降は通常通りの営業とさせていただきます。



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