こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。
今週末は、夏休み最後の週末なので晴れるとよいのですが、残念ながら、今日から明後日の日曜日まで、曇ったり雨が降ったりの天気が続くようです。
先日2元2次連立方程式の解き方(4)で対称式を取り上げましたが、今回は、x^n+y^n を基本対称式x+yとxyで表すことを調べてみます。
まず、
An=x^n+y^n
とします。
すると、
An=(x+y)(x^(n-1)+y^(n-1))-x・y^(n-1)-y・x^(n-1)
=(x+y)(x^(n-1)+y^(n-1))-xy・y^(n-2)-xy・x^(n-2)
=(x+y)(x^(n-1)+y^(n-1))-xy(y^(n-2)-x^(n-2))
=(x+y)An-1-xyAn-2 (1)
という漸化式を得ることができます。
この漸化式は、An-1とAn-2が基本対称式で表せるならAnも基本対称式で表すことができるということを表しています。
そこで、n=1と2の場合を調べてみると、
A1=x+y
A2=x^2+y^2=(x+y)^2-2xy (2)
と両者とも基本対称式で表すことができます。
したがって、Anは基本対称式で表すことができることが判りました。
ここで試しに
x+y=1、xy=-1 のときの ←((1)の漸化式が簡単になるように選びました)
A10=x^10+y^10
の値を求めてみます。
まず、(2)から
A1=x+y=1
A2=(x+y)^2-2xy=1+2=3 (3)
です。
次に、(1)にx+y=1、xy=-1を代入すると、
An=An-1+An-2 (4)
となります。
そこで(3)(4)から、
A3 =A2+A1=4
A4 =A3+A2=7
A5 =A4+A3=11
A6 =A5+A4=18
A7 =A6+A5=29
A8 =A7+A6=47
A9 =A8+A7=76
A10 =A9+A8=123
と簡単に、A10=x^10+y^10 を計算することができました。
次に、これをx、yを求めてからA10を計算してみます。
x、yは2次方程式の解と係数の関係から
t^2+t-1=0 (5)
の解なので、(5)を解の公式で解いて
t=(-1±√5)/2
となります。
ここで、
x=(-1+√5)/2
y=(-1-√5)/2
とします。
これらをA10に代入すると、
A10=((-1+√5)/2)^10+((-1-√5)/2)^10 (6)
です。
ここで、(6)の第1、2項を2項定理で展開すると、それぞれ
((-1+√5)/2)^10=10C0・a^10+10C1・a^9・b^1+10C2・a^8・b^2+・・・+10C0・b^10 (7)
((-1-√5)/2)^10=10C0・a^10+10C1・a^9・(-b)^1+10C2・a^8・(-b)^2+・・・+10C0・(-b)^10 (8)
となります。ここで、a=-1/2、b=√5/2としました。
続いて、(7)(8)の辺々を足し合わせると、
A10=2(10C0・a^10+10C2・a^8・b^2+10C4・a^6・b^4+10C6・a^4・b^6+10C8・a^2・b^8+10C10・b^10) (9)
となります。
(9)にa=-1/2、b=√5/2を代入すると、
A10 =2((1/2)^10+45・(1/2)^8・(√5/2)^2+210・(1/2)^6・(√5/2)^4+210・(1/2)^4・(√5/2)^6+45・(1/2)^2・(√5/2)^8+(√5/2)^10)
=2・(1/2)^10(1+45・5+210・25+210・125+45・625+3125)
=(1/2)^9(1+225+5250+26250+28125+3125)
=(1/2)^9・62976
=123
と上記の漸化式で求めた値と一致しました。しかし、計算が煩雑で、漸化式を使ったほうが随分簡単なようです。
基本対称式の値が判っていて、x^n+y^n を計算する場合は、漸化式を使うと簡単だということを頭に入れておくとよいでしょう。
今週末は、夏休み最後の週末なので晴れるとよいのですが、残念ながら、今日から明後日の日曜日まで、曇ったり雨が降ったりの天気が続くようです。
先日2元2次連立方程式の解き方(4)で対称式を取り上げましたが、今回は、x^n+y^n を基本対称式x+yとxyで表すことを調べてみます。
まず、
An=x^n+y^n
とします。
すると、
An=(x+y)(x^(n-1)+y^(n-1))-x・y^(n-1)-y・x^(n-1)
=(x+y)(x^(n-1)+y^(n-1))-xy・y^(n-2)-xy・x^(n-2)
=(x+y)(x^(n-1)+y^(n-1))-xy(y^(n-2)-x^(n-2))
=(x+y)An-1-xyAn-2 (1)
という漸化式を得ることができます。
この漸化式は、An-1とAn-2が基本対称式で表せるならAnも基本対称式で表すことができるということを表しています。
そこで、n=1と2の場合を調べてみると、
A1=x+y
A2=x^2+y^2=(x+y)^2-2xy (2)
と両者とも基本対称式で表すことができます。
したがって、Anは基本対称式で表すことができることが判りました。
ここで試しに
x+y=1、xy=-1 のときの ←((1)の漸化式が簡単になるように選びました)
A10=x^10+y^10
の値を求めてみます。
まず、(2)から
A1=x+y=1
A2=(x+y)^2-2xy=1+2=3 (3)
です。
次に、(1)にx+y=1、xy=-1を代入すると、
An=An-1+An-2 (4)
となります。
そこで(3)(4)から、
A3 =A2+A1=4
A4 =A3+A2=7
A5 =A4+A3=11
A6 =A5+A4=18
A7 =A6+A5=29
A8 =A7+A6=47
A9 =A8+A7=76
A10 =A9+A8=123
と簡単に、A10=x^10+y^10 を計算することができました。
次に、これをx、yを求めてからA10を計算してみます。
x、yは2次方程式の解と係数の関係から
t^2+t-1=0 (5)
の解なので、(5)を解の公式で解いて
t=(-1±√5)/2
となります。
ここで、
x=(-1+√5)/2
y=(-1-√5)/2
とします。
これらをA10に代入すると、
A10=((-1+√5)/2)^10+((-1-√5)/2)^10 (6)
です。
ここで、(6)の第1、2項を2項定理で展開すると、それぞれ
((-1+√5)/2)^10=10C0・a^10+10C1・a^9・b^1+10C2・a^8・b^2+・・・+10C0・b^10 (7)
((-1-√5)/2)^10=10C0・a^10+10C1・a^9・(-b)^1+10C2・a^8・(-b)^2+・・・+10C0・(-b)^10 (8)
となります。ここで、a=-1/2、b=√5/2としました。
続いて、(7)(8)の辺々を足し合わせると、
A10=2(10C0・a^10+10C2・a^8・b^2+10C4・a^6・b^4+10C6・a^4・b^6+10C8・a^2・b^8+10C10・b^10) (9)
となります。
(9)にa=-1/2、b=√5/2を代入すると、
A10 =2((1/2)^10+45・(1/2)^8・(√5/2)^2+210・(1/2)^6・(√5/2)^4+210・(1/2)^4・(√5/2)^6+45・(1/2)^2・(√5/2)^8+(√5/2)^10)
=2・(1/2)^10(1+45・5+210・25+210・125+45・625+3125)
=(1/2)^9(1+225+5250+26250+28125+3125)
=(1/2)^9・62976
=123
と上記の漸化式で求めた値と一致しました。しかし、計算が煩雑で、漸化式を使ったほうが随分簡単なようです。
基本対称式の値が判っていて、x^n+y^n を計算する場合は、漸化式を使うと簡単だということを頭に入れておくとよいでしょう。