東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

中学生でも手が届く京大入試問題(17)

2016-04-05 12:08:27 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

この3日ほど、朝に小雨、昼から明るくなるという天気が続いていますが、明日は、晴れのち曇りの予報です。そして、気温は20℃ほどで、暖かく過ごしやすい日になりそうです。

さて、今回は平成20年度京大入試問題(前期、文系)です。

問題は、
「AB=ACである二等辺三角形ABCを考える。辺ABの中点をMとし、辺ABを延長した直線上に点Nを、AN:NB=2:1となるようにとる。このとき∠BCM=∠BCNとなることを示せ。ただし、点Nは辺AB上にはないものとする。」
です。

まず、問題を図に表しましょう。(図1)


▲図1.問題を図に表しました


さらに図2のように、AB=AC、AM=BMから導かれる各線分の比を図1に書き入れましょう。


▲図2.各線分の比を書き入れました

これだけ線分の比が判っていると、相似を利用したくなります。

そこで、△ANCと△ACMに着目すると、
AN:AC=AC:AM=2:1
∠Aは共通
なので、
△ANC∽△ACM
です。

したがって、
CN:MC=CN:CM=2:1
になります。

続いて、△CMNに着目すると、
CN:CM=NB:MB=2:1
なので、角の二等分線定理から、
∠BCM=∠BCN
が成り立ちます。

ここで、角の二等分線定理というのは、図3のように、△OPQで、ORが∠Oの二等分線のとき、PR:QR=p:qになるというもので、この逆も成り立ちます。


▲図3.角の二等分線定理

次に、別の方法を調べてみましょう。

BはACの中点なので、BからACに平行な補助線は役に立ちそうです。(図4)


▲図4.BからACに平行な補助線を引きました

ここで、∠BCM=∠BCNを示すには、△BCMと△BCDが合同であることを示せばOKです。

そこで、△BCMと△BCDにおいて、
BCは共通              (1)
です。

  また、中点連結定理から、
  BD=1/2AC
  で、
  仮定から
  BM=1/2AB=1/2AC
  なので、
BD=BM              (2)
です。
 
  さらに、AC//BDから錯角は等しいので、
  ∠CBD=∠BCA
  で、
  二等辺三角形(△ABC)の底角は等しいので、
  ∠BCA=∠CBA=∠CBM
  です。

したがって、
∠CBD=∠CBM 
です。                (3)

(1)(2)(3)より、2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので、
△BCM≡△BCD
です。

これより、合同な三角形で対応する角は等しいので、
∠BCM=∠BCN
が成り立ちます。


他にもいろいろな解き方がありそうです。興味のある人は調べてみてください。