東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

中学生でも手が届く京大入試問題(27)

2016-04-15 12:00:26 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

北西の風が少し強いですが、晴天の暖かい日になりました。明日は風も治まり、一層過ごしやすい日になりそうです。

さて、今回は平成26年度京大入試問題(前期、文系)です。

問題は、
「1から20までの目がふられた正20面体のサイコロがあり、それぞれの目の出る確率は等しいものとする。A、Bの2人がこのサイコロをそれぞれ1回ずつ投げ、大きな目を出した方はその目を得点とし、小さな目を出した方は得点を0とする。また同じ目が出た場合は、A、Bともに0とする。このとき、Aの得点の期待値を求めよ。」
です。

手元にある公式集には、「ある確率変数Xがx1,x2,・・・,xn のどれか1つだけの値を必ずとり、それらの値をとる確率がそれぞれp1,p2,・・・,pn  (p1+p2+・・・+pn=1)であるとき、E(X)=x1p1+x2p2+・・・+xnpn を確率変数の期待値という」とあります。

この問題の場合、確率変数はAの得点で、Aの得点とその得点をとる確率との積を、とり得るすべての得点(場合)について足し合わせることで期待値を求めることができます。

そこで、Aのとり得る得点を表にまとめましょう。


▲表、Aのとり得る得点をまとめました


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この表で、1つのマス目がとる確率は1/400なので、表にあるAがとり得る得点の合計に1/400を乗ずればAの得点の期待値を計算することができます。

そこで、Aのとり得る得点を表の行ごとに足していくと(得点0は無視します)、その合計Tは、
T=2×1+3×2+4×3+5×4+6×5+7×6+8×7+9×8+10×9+11×10+12×11+13×12+14×13+15×14+16×15+17×16+18×17+19×18+20×19
です。

ここで、第2項目と第3項目、第4項目と第5項目、・・・とまとめていくと、
T=2+3×6+5×10+7×14+9×18+11×22+13×26+15×30+17×34+19×38
 =2+2(3^2+5^2+7^2+9^2+11^2+13^2+15^2+17^2+19^2)
 =2+2(9+25+49+81+121+169+225+289+361)
 =2+2×1329
 =2660
です。

したがって、Aの得点の期待値は、2660/400=133/20 で、これが答えです。


合計を求めるとき、数列の公式などを利用すると手早く計算できます。興味のある人は調べてみてください。