祭り

　先日、地域の祭りに行ってきた。祭りと言っても住んでるエリアの自治会主催の祭りである。

　２～３日前にマンションの郵便受けに案内と５００円分の飲食券が入った封筒が投函されていた。５００円あれば、露天の生ビール１杯飲んでおつりがくる。このまま飲食券を捨ててしまうのは、もったいない。それに会場はマンション裏口を出て十数歩の距離である。近くでワイワイやっているのに家に引きこもっているのも何である。加えて新聞の朝刊の４月生まれの占いによれば・・・「地域のイベントには参加すべし。」・・・ここまで言われて参加しないわけにもいくまい。

　飲食券が無くなったらすぐ帰るつもりで脚を運んでみた。まだ明るい午後６時前・・・祭りはすでに５時から始まっている。司会のお兄ちゃんとお姉ちゃんは、つい２週間前に司会を依頼されたそうだが、とってもスムーズに進行されていた。

　子供達の空手の演武、エイサー、ロックンロールのバンド、ヒップホップ、フラダンス、そして勿論、盆踊り（以前、沖縄の盆踊りはエイサーだ、なんて書いたが、実は炭坑節の沖縄バージョンみたいな踊りや、沖縄民謡をベースにしたゆったりした踊りもある。）・・・とまるで大芸能大会である。

　そのどれもが堂に入っていて、県民一人一人が芸人ではないか？とさえ思えてくる。生ビールは飲食券も尽き、すでに２杯目になっている。西日がやさしく顔をなでていく・・・

　日が落ちると、会場内はぞくぞくと人がつめかけた。

　結局、会場の公園の石段に２時間近く座って尻が痛くなるまでいた。

　この後、宴（そう、祭りというより大宴会・・・！）は数々の出し物を経て、最後の花火打ち上げまで何時間あったのだろう・・・すぐ裏の喧噪をよそに私は朝まで熟睡していた。

　それにしても、すごいパワーだ。だいたい沖縄の宴会（そう、職場やちょっとした集まりの宴会）は一次会が３時間は当たり前である。

　県民所得全国最下位、シゴトが遅い、交通マナーが悪い・・・と悪い側面ばかり目に付いたが・・・実は、あくせくしてもしょうがない、人生に必要なモノは何であるか・・・を彼らが一番よく知っているのかもしれない。改めて沖縄県民の良さを理解した。