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葉室麟著 「風のかたみ」

2024年03月24日 11時03分09秒 | 読書記

図書館から借りていた、葉室麟著 「風のかたみ」(朝日文庫)を、読み終えた。


読んでも読んでも、そのそばから忘れてしまう老脳。
読んだことの有る本を、うっかりまた借りてくるような失態を繰り返さないためにも、
その都度、備忘録として、ブログ・カテゴリー「読書記」に、書き留め置くことにしている。


▢目次
(一)~(二十三)
解説 冲方丁

▢主な登場人物
桑山伊都子(くわやまいとこ)・桑山昌軒・竹、
佐野了膳・きぬ
佐野小一郎・芳江・結(ゆい
佐野千右衛門・初(はつ
春、百合、その
安見藩藩主壱岐守保武、安見藩家老辻将監、安見藩目付方椎野吉左衛門(しいのきちざえもん)、
堀内権十郎、
戸田伝右衛門、戸田清吾

▢あらすじ等
著者創造の小藩、九州豊後の安見藩城下の町医者桑山昌軒の一人娘で女医である伊都子は、目付方椎野吉左衛門の密命を受けて、上意討ちとなったばかりの安見藩一門衆筆頭の佐野了禅の女人たち7人が幽閉されている白鷺屋敷に送り込まれる。そこでは、不審な死を遂げる者が相次ぐが・・・・。武家ゆえの運命に抗う女たちの凄まじい執念と悲哀が描かれた長編時代小説である。
巻末の一節
  伊都子は立ち上がると、中庭に面した障子を開けた。中庭の上の空を見上げる。
  どこまでも透き通った青空だ。
  伊都子は、初(はつ)の亡骸が横たわった川辺を白鷺が飛んでいたことを思い出した。
  あの白鷺が、初かも知れない。たとえ苦しみに満ちていたとしても、
  初はやはり自分らしく生きたのだ。
  ゆっくりと彼方に飛び去る白鷺の幻影を伊都子はいつまでも見続けていた。  (完)

元々は、藩主にお世継ぎが無いところから、お世継ぎを巡る藩内の対立で、藩主の怒りを買い、上意討ちとなった佐野家だが、男の傲慢、身勝手さから、一家の女人たちの生死が翻弄されるという、なんとも切なさがこみ上げる作品である。


(蛇足)
「上意討ち」とは、
主君に逆らった家臣が、主君の絶対的命令によって誅殺されること。


 


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