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World made from WILL 第5話その4  By安綱

2009年07月01日 00時21分51秒 | TRPG関連
クライマックスフェイズ

人を寄せ付けぬ嶮しい霊峰スカーブ山を駆け上った一行。
その頂上にたどり着くと、最初に目に入ったのは、ばら撒かれた無数の羽。
スカーブ山の主、魔鳥タイニィフェザーの死骸である。
そして物言わぬ怪鳥を見下ろすように飛んでいる4匹の魔物の姿が目に入る。
“魔龍候”ビューネイと名乗った隻眼の龍。間違いなかった。
隻眼の龍「ほぉ、刻限には間に合ったようじゃな。あの小娘を救う権利は手に入れたと見える。」
恭介「美森はどこにいる?!」
隻眼の龍「さあ? わらわを倒して探したら良いであろう。出来るものならな!」
「待ちわびたぜ。ようやくお前をこの手で殺せるんだからな!!」
隻眼の龍「さあ、せいぜい無駄にあがいて見せよ、あわれなムシケラども。」

激闘が始まった。
隻眼の龍とビューネイドッグ、ビューネイベビー、ビューネイバードは融合し、四つの首持つ邪龍へと姿を変える。いや、これがこいつの真の姿なのだ。
(データ的には、自身への効果を共有できる4体の別エネミー)

1R目は苦しい展開であった。
ドッグ、ベビー、バードの身体の一部が変化し、かつての雛の仲間の姿を形作る。
それに《挑発》された雛は攻撃しなければならなくなってしまう。
高い行動値を持つ隻眼の龍が咆哮をあげると、三匹がいっせいに躍り掛かる。
「トリニティブラスター!!!」
隻眼の魔龍に《集団統率》され、ドッグは《フルパワー》の《連続攻撃》を、
ベビーはヨハンに《グラビティネット》を、バードは穂酒の幸福の宝石を《インヴィジブルハンド》で奪い取ろうとする。しかし、奪われるくらいなら、と穂酒は宝石を割ってしまう(抵抗にファンブル)
恭介とヨハンは早いカウントから攻撃を仕掛けるが、ベビーの《ディフェンスブースタ》や《レインボウフィールド》で軽減され、削り切れない。
雛は攻撃を行った後《庇護の伯爵》でブンブン=ヌーの力を呼び出し、《ヘイスト》の効果を放とうとするが、バードの《陰の気》で打ち消される。
そして、1R目終了間際にその「攻撃」は放たれた。
放ったのはビューネイベビー。かけた攻撃は、《エリアヒール2》
誰もが疑問符を浮かべた次の瞬間、ベビーは歪んだ笑みを浮かべた。
《イマジナリーナンバー》。抵抗の余地無く回復値分を耐久力から減らす呪詛である。
《信仰の奇跡》も乗せて放たれたそれは、全員の耐久力を20点以上奪い取る。
さらに、バードの魔力が大地を割る。
「アースライザー!!」
自身以外の範囲(2)に、クリンナッププロセスに絶対命中魔法を放つ。
既に何人かが行動を終えていたため被害は大きく、ドッグや龍の攻撃とあわせ、かなりの回数制限能力を消費してしまう。

2R目は苦しい展開であった(GM的に)
《カバーリング》を繰り返したビューネイドッグ以外は殆ど傷を負っておらず、《ウォーターガーヴ》によって防御能力が跳ね上がっている。
雛の《ヒール》は《ディスアペア》で消される。
バードの《フレイムハウンド》も十分痛い。
だが、問題は隻眼の龍である。
《神龍》5、《旋龍》3 《混沌の運命》に《神聖加護》。
クリティカルが出れば+10でなく+25。
出れば硬い穂酒ですら落としきれるはずの一撃が、出ない。むしろファンブる。
ボスのCFは、10、6と5、9(二つ目はダイス振って決定)
決して出ない目ではない、が何回振っても一度も出なかった。なぁーぜぇーだぁー!!!
雛のMPやヨハンのプラーナも尽きて消耗はさせている。
しかし、ここでヨハンの得た魔石6個が生きてきた。
ヨハンの継戦能力が上がり、ついにドッグが落とされる。
更に、ラウンド終了間際のバードの《フレイムハウンド》と、
クリンナップの《アースライザー》を、なんと両方恭介がクリティカルし、まるで頭に電球が灯ったかのように絶対回避する。
恭介「お前の魔法はもう見切ったぞ。」
隻眼の龍「小賢しいまねを!」

そうなればあとはお互いジリ貧。
PCには限界突破して(なかなかできなかったが。)MPコスト無視の穂酒先輩。
しかしボスに盾は無い。
3R目には防御兼回復役のベビーも落ちる。
それでも足掻き、《蘇生の光》まで使わせるが、そこまで。
最後は残り1のHPを、なんとに削り取られ、息絶える隻眼の龍。バードは高い回避で多少生きるが、
さすがにもう耐え切れず削りきられてしまう。(生きてたら《ソウルチェイン》で83点のって123スタートの魔法が飛んだんだが…残念)

隻眼の龍「ば、馬鹿な!! わらわが、負けるだと!??」
「終わりだな。」
隻眼の龍「ま、待て、お前にこの顔が撃てるか?! こいつを撃ったらお前は・・」
そう言って自分の身体に、死んだ勇者の姿を作り出す。
しかし、雛は。
「元に戻るとかはもはやどうでもいい。俺(ひなちゃん)はお前を殺す事に快楽すら覚えているんだ。さあ、死ね、今すぐ!!」
そう言って《ヴォーテクス》を放つ雛。
魔龍はそのまま崩れ落ちていく。
隻眼の龍「ハ、ハハ、なんだ、そなたはもはや人であることを止めるというか。ならば、わらわは人には負けていないわ!
そなたは魔に近づきすぎた。死しても呪いは消えぬ!! 曇りし天〈クラウディヘブン〉と共に滅びよ!! アハハハハハハ!」
断末魔に魔龍がそう叫ぶと、天は曇り地震が起き、山が崩れ始める。
「負け惜しみを!」
恭介「待て、美森はどこにいる!!」
隻眼の龍「さあ、探せばよいだろう。この広い山中をな!!」
恭介「ちっ!!」
舌打ちした恭介は、止める間もなく箒に乗って飛び出していってしまう。
そして、雛はもはや動かぬ魔龍を見下ろし、そしてそれを食らおうとする。
穂酒「何をするつもりだ!」
穂酒が駆け寄り、止めようとするが、穂酒はそこで気付いてしまった。
戦闘で雛の服が破けている。その雛の肌に覗く、まるであの魔龍にそっくりな、黒い鱗に。
穂酒「それは・・・、いや話は後だ。とにかくここを降りないと。(雛に)後で話してもらうぞ。」
雛は何も答えない。

恭介は崩れる山中を必死に探し回る。
その時、場に似合わぬリュートの音が聞こえた。
飛んでいくとそこには、気を失った美森を抱いている詩人がいた。
詩人「おや、あなたは雛さんのお仲間ですね。」
恭介「誰だ、アンタ? 美森ちゃんを渡してもらおう。」
詩人「ええ、構いませんよ。」
そう言って美森を渡す詩人。
美森は特に目立った傷も無く、ただ気を失っているだけのようだ。
むしろ戦いの後の恭介のほうが、よっぽど血塗れである。
恭介「やけにあっさり渡すね。ビューネイの仲間じゃないのかい?」
詩人「いえいえ、私は四魔貴族なぞに仕えてはいません。私の主はあくまでこの裏界帝国の真の主です。」
恭介「・・・まあいい。そういえば、アンタが雛に余計な事を吹き込んでるのか? 雛がおかしなことをし始めたのもそのせいじゃないのかな?」
詩人「いえいえ、それは私のせいではありません、彼女の意志です。それに、私はあなた方の手助けを、と思っているのですがねえ。」
恭介「信用できないね。」
詩人「それよりも、早く下ったがいいのでは? ここもじき崩れますよ。」
恭介「ちっ、仕方が無いか。だけど覚えておけ。僕たちに手を出したら、ただじゃすまさない。」
詩人「ええ、構いませんよ。」
その言葉を聞いたか聞いていないのか。恭介は箒に美森を乗せて飛び去った。

ヨハンは通信機を引っ張り出す。
ヨハン「きょうじゅさんよ、今どこだ?」
きょうじゅ「早く降りてらっしゃい。まずい事になりましてよ。」
その声はいつに無く真剣なものだった。
ヨハン「ここまで来れないか?」
きょうじゅ「さすがに無理ですし、それどころではないんですの。」
ヨハン「わかった。」
一行は合流し、山を駆け下りる。
しかし、山を降りても地震は収まらず、それもいまだ暗い。
天の雲が少し晴れ、蒼い月が顔を出し・・・
そして一行は信じられないものを目にする。
それは雲か、いや、島が天に浮いている。
しかし否。それは島などという程度の大きさではない。
空を覆い尽くすほどの巨大な島、いや、大陸!!
ヨハン「なんだ、ありゃあ!?」

その大陸の最奥部。
龍の魔貴族は眼前を睨み。
戦の魔貴族は何も言葉を発しない。
海の魔貴族は呟く。
フォルネー「さあ、始めようか。私たちだけの世界を。他全てを失ったとしても。」

きょうじゅ「眠れる龍の、島・・・」
穂酒「あれがか。」
きょうじゅ「アレが動き出したとなると、大変ですわ! 乗りなさい!」
恭介「どうなるっていうんだ?」
きょうじゅ「わかりませんが、コレだけは言えますわ。何も無いわけはありませんわよ。裏界にも、そしてあなたたちの帰るはずの表界にも。」
ヨハン「そいつは、ヘビーだな…」
「・・・」


サーガは急展開を告げ、全ては蒼の門にむけ、集束していくのだった・・・・・・


to be continewed......



そして。

そこはとある月匣の中。
煮えたぎる溶岩で覆われた床のすぐ上を飛ぶ一人の男がいる。
男は他の魔物たちから隠れるように進んでいき、やがてとある小部屋にたどり着く。
男はしばしその部屋を探ると、一つの魔石を手に取り、徐にそれを割った。
すると彼の顔色が変わる。
「・・・これは・・・だとすると、まさか僕達はずっと騙されていたって事ですか? 早く知らせないと!」
急いで部屋から出る彼。
しかし、慌てていたためか、部屋の物をいじった様子を残したままにしてしまった。
しばらくして、部屋に女が入ってくる。
「あらあら、誰かかわいい鼠が入り込んだみたいですね、これはどうにかしないと。
計画は完全、完璧でなければなりませんから。」
女は静かにそう呟いた。


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1 コメント

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ほんとに出目がひどかった。 (安綱)
2009-07-01 00:29:22
ファンブル5はダメだね。出すぎ。
まあクリティカル乱打してたら確実に死者が出てたからなんともいえないけど・・・
まあPCの皆様どうもです。


後、ずっと安綱のターンで繋がっちゃったねえ。
だれか昼休みの記事を書くんだ!!
ああ、自分ではお題やりませんので、念のため。
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