とくおかレディースクリニック~ブログ~

日々、徒然なるままに、書き込んで参ります。
どうか宜しくお付き合い下さい。

迷走神経反射

2011年12月06日 | 薬や注射
不妊治療をとり扱っておりますと、
ごくごくたまに目に致します。
「迷走神経反射」。

子宮頸がんワクチン=筋肉注射を受ける思春期の女子が、
肩近くの筋肉に注射をするため、皮下注射よりも多少痛みが強く、
失神する例が出たという話を耳にしておりました。
昨年12月以降、推計40万人が接種を受けたそうですが、
その中で、 最も多いのが失神・意識消失の21件だそうです。
40万人の中の21件ですので、それほど多いというものではありません。

注射や採血などで、「迷走神経反射」により失神する方は、
当院では、5~6年に一人いるかいないかというところです。
だいたいが、気持ち悪くなるとか貧血気味となり、
少し休むだけで何でもなくなります。

これは、病気ではありません。

「迷走神経反射」とは、
採血や注射などの痛みや不安などが誘引となり、
体を守ろうとする迷走神経が強く働きすぎた状態をいいます。
低心拍数、低血圧、脳貧血による失神です。
5~10分ほど横臥位をとれば軽快します。

不妊治療というものは、
特に、
体外受精・顕微授精に進まれた方々は、
採血や注射に不安を感じるのかもしれないと存じます。
今までに、あまり痛い思いをしてきていない方や、
お薬なども飲んだ事がない自然派志向で来られた方にとっては尚更です。
そこに、
ご本人が納得されている場合と、
「何でこんな事しなくてはいけないの?」と不安を感じている場合でも違いが出て参ります。

採血や注射の痛みをゼロにする事は出来ませんが、
患者さんの不安や心配やストレスを引き出さないような対応をしていかなくてはいけないと実感致しました。
過保護になりすぎないよう、
患者さんにたっぷりとした安心感を感じてもらい、
医療側がしっかりとリードしていけるような対応が理想です。

本当の理想をいえば、痛みというものがないのが一番なのですけれど・・・。
痛みの全くない注射や採血というのは難しいですからね・・・、
少しでもリラックスして受けて頂けるようにしていきたいものです。

ーby事務長ー


とくおかレディースクリニック


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