福井利佐blog

切り絵アーティストの日々

砂曼荼羅

2007年05月17日 | 過去のBLOG記事

ゴールデンウィークの最終日に「砂曼荼羅」を見てきました。
“スピリチュアル”ブームだからでしょうか?
チベット・スピリチュアル・フェスティバル2007」(主催 ダライ・ラマ法王日本代表部事務所)
なるものが、文京区の護国寺にてゴールデンウィーク中に開催されていました。
“2007”がついてるから毎年開催されているのでしょうか?
“スピリチュアル”をつける意味があるのでしょうか?

よく知りませんが、日本とチベットの文化交流を目的に開催されていました。
今年は10名のチベット僧をお招きして実際に「砂曼荼羅」を制作していただくとの事で、
是非実物を見たいと思い行って参りました。

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大本山 護国寺の入り口。仁王門。

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護国寺的にはやはり、ご本尊の御開帳がメイン。その横に小さく「チベット・スピリチュアル・フェスティバル2007」と書かれています。

この日はあいにくの雨でしたが、結構な人が来ていました。
しかもこの日はお昼までで「砂曼荼羅」拝観終了ということで、到着してから知った人もいたはず。
私もそのクチでした。早めに出ておいてよかった。
本堂に展示されていて、本堂の外廊下を正面向かって左側からぐるっと回って本堂の中に入りました。
そうすることが縁起が良いとされているそうです。

雨がシトシトと降る中、静かに廊下で列に並んでるわけなんですが、
その行為が非常に心地よい気持ちになりました(普段は列に並んで待つとかできないタチ。貧血持ちだし)。
本堂の裏側は緑豊かな墓所になっていて、目の前に聖観世音菩薩の霊廟が雨に濡れて何とも艶っぽいんです。
カメラを向ける事がはばかれたので写真はありません。緑の木々も水を得て活き活きしている様子。
ただ静かに静かに雨の音を聞いて待っていました。

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本堂の様子。

いよいよ本堂に入りました。とても厳かで清らかな空間でした。
この本堂は江戸時代、五代将軍徳川綱吉公の命令によって建てられ、
震災、戦災などの大災害に襲われつつも姿を変えなかったという、本当に神がかった建物です。
何だか本当にすごいとしか言いようがないです。

中には色々な仏像がありました。その前方に、本来の目的物「砂曼荼羅」がありました。
極彩色で描かれた小宇宙がそこにありました。
この「砂曼荼羅」は、ひと目みるだけで悪業さえも清める事ができると言われています。
仏の住む宇宙が描かれています。
今回は護国寺の中にある薬師堂の「薬師如来」の砂曼荼羅が制作されました。
薬師如来の御開帳&灌頂(かんじょう:仏と縁を結ぶ儀式)があったためです。

直径は1.5メートルということですが、とりあえず細かい!
その細かさに、以前にも「砂曼荼羅」を見た事があったことを思い出しました。
どこで見たのかテレビで見たのか?
その時も想像以上の細かさにびっくりした事を鮮明におぼえていました。どこだろう?
さっぱり思い出せないんです。何せ、この日初めて「砂曼荼羅」を見れる! 
なんて思っていたのですから、以前見た事があるっていう事実を忘れていてびっくりしました
(多分、学生時代に曼荼羅にはまっている友人がいてその関連で目にしていたっぽい)。

改めて「細かい!」と思いました。多分描かれている線は「ミリ」レベルです。
それぞれの色が違う砂だから、失敗は許されないし大変な労力だなと感心しました。

8日間の会期中、実際にチベット僧の方々が描かれていたようですが、
この日は最終日だったため完成していて、僧侶の姿は見受けられませんでした。
カタ(祝福の白い布)を納め、目的物の「砂曼荼羅」を堪能し、
しばらく本堂の中でぼーとしていたのですが、袈裟を着た女性の僧侶が
「如意観世音菩薩」の説明をはじめたので、今回この護国寺のご本尊が御開帳なんだと気づきました
(←失礼ですよね。本当に頭の中には「砂曼荼羅」を見る事しか無かった…)。

えっどこだろう? とよくみてみると、祭壇の中央に金地の布が半分開いてる所がっ!
いらっしゃいました!「如意観世音菩薩」様が!
周りの大きめ仏像に目を奪われていて、奥でチラッとこちらを見ている彼女に気がつきませんでした。
重ね重ね失礼しました。立て膝の上にひじをついて、その腕に頬をついて、
こちらを斜め見されているのですが、その姿が本当に神々しくてこれまたびっくりしてしまいました。
ラフな姿勢に余裕が感じられ(笑)、何だかこちらも微笑してました。
「砂曼荼羅」も良かったのですが、こちらもお会いできて本当に良かったです。
造形物としてとても良い物を見させていただきました。何だかとっても心安らぐ空間でした。

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奥が本堂です。行く先々で手前左に見える素敵な仏像とか大仏とか色々いらっしゃいます。

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護国寺の中は至所でこちらの布でカラフルに彩られていました。


このフェスティバルでは、その他本格的なチベット仏教を体験していただくため
「仮面舞踏(チャム)」「灌頂(かんじょう)」「護摩」、瞑想セッション、写真展、映画上映会がありました。
高僧チャド・リンポチェによる法話もあったようです。
最終日だし、雨ということで様々なイベントはやっていませんでした。
外に青空カフェがありチベットのバター茶、お菓子の“カプセ”などが味わえるのですが、
この日は雨という事で、写真展、映画上映の開催されている桂昌殿に移行されていました。

みんながこちらの建物の中に集中してしまい、かなりの混雑具合。
ドキュメント好きな私にとっては、映画も興味ありましたが、とりあえず混雑が苦手。
1人でなければバター茶の一杯くらい飲んでたのかもしれませんが、女1人で来ていたので、
薬師堂、写真展、チベットショップをざっと見て護国寺を後にしました。

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ダライ・ラマ法王14世のカード。
「ご自由にどうぞ」ということで1枚いただきました。
日本人に近くて、親しみやすいお顔だちですよねー。
以前、女衆で「ダライ・ラマはセクシーよねー。」という談義で
花が咲いた会話を思い出しました。



その午後は神泉にある「ギャラリーTOM」でこちらの展示を観に行きました。

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「ギャラリーTOM」も雨の日には心地よい落ち着いた空間。
何となく雨の日に訪れる事が多いような気がします。
本来は「目の不自由な方のため」のギャラリーなので、音への配慮がされてるのだと思います。

雨の日は、外へ出かけるのは億劫な気持ちになりますが、この日は良いチョイスでした。