福井利佐blog

切り絵アーティストの日々

王さん

2008年02月23日 | 過去のBLOG記事

王 (ワン) さんに再びお会いしました。 (以前お会いしたときはこちら
今回は雑誌BRUTUSさんで取材して頂く事になり、「是非、王さんと対談したい!」 という私の希望を
実現していただく形になりました。
ライターの大池さん、ありがとうございます。


場所は3月に私の個展開催予定のギャラリーefさんです。
前日に東京が大雪。上海もそれ以上に雪!ということで飛行機が飛ぶかわからない状況でしたが、
運良く当日は晴れたので、無事に予定通り対談ができました。
私が王さんに初めてお会いしたのもこのギャラリーefの10周年企画でした。
私にとっては、剪紙の本場中国の職人であった王さんには聞きたい事がたくさんあったのですが、
王さんは現在日本と中国を頻繁に行き来しているアート関連会社の社長さんでとてもお忙しくて、
なかなか都合があいませんでした。
今回は中国の旧正月という本来であればお休みの時期にきていただきました。
本当にありがとございました。



内容は誌面にてどうぞ。(3月1日発売号です)



その時の様子を写真で紹介します。



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ギャラリーefさんは奥が蔵のギャラリーになっており、手前がカフェ&バースペースになっています。
手前のスペースで対談しました。左が王さんです。
私が学生の頃から持っている中国の切り絵集の本を見せたら、
「この本の中、私の作品いっぱいあります。」 とのこと。びっくり。長年ずっとみてました。



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話が弾みすぎて終わりません。掲載ページは1pなので、どうなることでしょう。
手前の女性がライターの大池さん。



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蔵のギャラリーに移動して、展示予定の私の作品について対談。



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2人で写真。



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対談後。
この日は個展の展示設営の打ち合わせも兼ねていたので、作品を何点か持ってきていました。
王さんが凝視してますねえ。



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王さんの 「切り絵は現物をみてもらって本当の意味がある。」 という言葉の通りです。
何だかんだで4年も経ってしまいましたが、もっと展示をやるべきだなあと感じました。



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私が対談用に持参したもの。
ジャワ島 (下) とバリ島 (上) の影絵の人形 (ワヤン・クリッ)。
こちらは紙ではなく牛皮 (クリッ) で作られます。
バリ島 (上) の物は人間のように見えますが、擬人化した豚なんだそうです。おもしろい。
王さん曰く中国にも牛皮の影絵があるそうなんです。見たい!
その下 (エアーパッキンの下) には、私が持っている中国の剪紙です。
中国ではお土産品として売られている物です。



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王さんの作品がたくさん載っている本です。マール社から出ています。
作品というか中国で 「上海市美術工芸学校」 で職人として制作したお仕事の数々。
王さんは天才的な腕前で14歳の若さで職人として働き、28歳で引退するまでこの会社の
「工芸絵画部門」 の優秀な人材として中国の剪紙文化を支えてきました。
その後、「もっと勉強したい」 と日本に留学しにくるのですが、
そこでこの日本で発売されている本を発見して驚いたそうです。
すぐに出版社に連絡して社長と親しくなり、その後、中国文字の研究者でもある王さんの本を
数々出版する事になったそうです。
王さんは中国での文化大革命を経験していて、それはそれは口では説明出来ないような
大変辛い経験をされているのですが、そのさなか9才の頃、
祖母の故郷である南京近郊の農村に避難します。
そこで儒学者の老人に気に入られ中国の古文字を徹底的に教わったそうです。
など、何だか強運な方です。というか人間力でしょうか、王さん自身が持っているパワーというか
バイタリティーもすごくて、どんどん巻き込んで行くのだと思います。
私って本当に日本でのほほんと平和に生きてきちゃったなあと感じました。
そして、現在いわれている中国の勢いっていう物を感じた気がしました。



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最近、個展の準備やら何やらでなかなか美術館などに行けないのですが、
久々に世田谷美術館に行きました。 (でもちょっと前の話かな。)
「鬼才・中島敦と日本のゴーギャン土方久功展」 でした。小さい時に絵本で見ていた
「おによりつよいおれまーい」 が土方さんの作品だったとは知りませんでした。
タイトルからして不思議な感じなのですが、絵も迫力があって子供心に印象的でした。
世田谷美術館は砧公園の中にあり、この日も多くの家族連れで賑わっていました。
もう少し暖かくなったらまた犬を連れてきたいなあと思いました。
その頃には一段落しているだろう・・・。





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「ART IT」 メーキング

2008年02月19日 | 過去のBLOG記事

現在発売中の 「ART IT」 に掲載されている津村耕佑さんの 「妄想オーダーモード」 の
メーキングを紹介します。 (以前のレポートはこちら
とっても素敵な作品で、松陰さんの写真からも張りつめた空気が感じられるのですが、
現場は終止和やかな雰囲気でした。




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メイク前。といってもほとんどメイクはしなくてナチュラルな感じでした。
撮影場所が朝にも関わらず暗いためメイクさん持参のライトが必要です。



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メイクは奈津さん。「妄想オーダーメイド」 の多くを担当しています。



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撮影場所の様子。渋谷区の某所ですが、すごい所です。
80年の歴史があるようなんですが、現在使われていない地下で着替えをしたら、
「コーヒー70円」 の看板が!ここはカメラマンの松陰さんも若い頃良く来ていた所なんだそうです。
こんな所があるなんて知らなかった。



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2階に移動し、衣装をまといます。
衣装の下は津村さんのブランド、FINAL HOMEの洋服です。



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撮影開始です。このすごい柱もシャンデリアもセットではないのです。すごいなあ。



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左のカメラを構えているのが松蔭さん。右はアシスタントさん。
手前の座席から見える頭はメイクの奈津さんですが、その横の白い紙パックの飲み物に注目。
津村さんが飲んでいる 「鬼ごろし」 (焼酎) です。
時間はそうですねえ、朝8時くらいでしょうか?朝6時に集合だったので。



今回津村さんは、とっても悩んだらしく 「初めて妄想できなかった。」 とおっしゃっていました (笑)。
いつも事前に、衣装の具体的な説明と撮影方法を松蔭さんに伝えるらしいのですが、
今回ばかりは当日まで謎だったそうです。
この日は徹夜をしてきて寒くてしょうがなかったということで 「鬼ごろし」 になったわけです。
普段はそんなには飲まない方なんだそうです。
そのせいか、松蔭さんとのやりとりがおもしろすぎました。笑いをこらえるのが辛かったです。
私にとってはベテランのお二人なので怖かったらどうしようかと思っていましたが、
本当に気さくでおもしろい方々でした。




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真剣に取り組む津村さん。繊細な方でもあります。
津村さんが妄想出来なかった理由の1つに、事前の対談で私が結構ベラベラしゃべったからでもあります。
12年前に1度お会いしていたんですよね。津村さんがまだFINAL HOMEを立ち上げる前でしょうか?
私は大学1年生でした。そういった意外な現実が、妄想の妨げになったようです。(笑)



この後、朝食?ランチ?がてら、みんなで食事をしました。
撮影場所の開店前に終わらせなければならなかったので、終わってみてもまだ午前中でした。
仕事も終了し、ゆっくりみなさんとお話できて楽しい時間がすごせました。


今回の撮影をかなり楽しみにしていた私は、どんな服を着るのだろうかと色々想像しましたが、
全く思いつかなかった衣装ができて、いい意味で予想を裏切っていただきました。津村さん、さすがです!
意外な事って本当におもしろいです。この不思議な雰囲気が松蔭さんの写真によって切り取られてます。
是非、「ART IT」 を見てみて下さい。
そしてまた、みなさんと何か面白い事ができたらと思いました。





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口琴

2008年02月13日 | 過去のBLOG記事

先日、口琴のコンサートに行ってきました。
「口琴 (こうきん)」 とは書いて字の如く 「口」 で奏でる 「琴」 の楽器の事です。
この楽器、実は世界中の至る所にある楽器で、16世紀に活躍した画家ブリューゲルの
「子供の遊戯」 の絵などにも登場している昔からある楽器です。
日本ではアイヌ文化でムックリという竹でできた口琴が有名です。
主にユーラシア大陸を中心に普及している楽器なのですが、
国によっては神聖なものとして存在しており国民楽器だったりするのです。



私が見た演奏会の中では、ロシア連邦の1つサハ共和国が国の楽器として
大統領お抱え奏者などがいるくらいでした。
楽器は知らなくても 「ボヨヨ~ン」 という音を聞けばみんな知っている音です。
効果音としてよく使われています。
今回、私が聞きに行ったのはキルギス共和国のテミルコムズという口琴でした。
キルギスではコムズという三弦のギターのような楽器が国で最も重要な楽器とされ、
テミルコムズはテミル (鉄) のコムズとして2番目に重要な楽器とされています。
木製の口琴もあり、こちらは日本のムックリととても似た形をしています。



口琴演奏会は何度か聞きに行っているのですが、この日はカリマンさんという
初の女性演奏者でした。三弦のコムズと口琴の両方を演奏してくれました。
この国の独特の演奏法らしいのですが、演奏しながら手の振り付けがあったり、
楽器を縦にしたり横にしたり、パフォーマンスで 「見せる」 演奏法でした。
演奏する曲目もとても素朴で 「鳥のさえずり」 や 「馬の走る音」 など、振り付けがつくと
さらに情景がひろがるような曲目でした。
最後にはヤギの木製からくり人形をひもでひっぱりながら演奏する曲があり、とてもかわいかったです。
特に遊牧民族でこの楽器は盛んな印象を受けます。
ホーメイ (倍音) と同じように単純なのに不思議な音が出て、振動弁は1つしかないのに
いろいろな音階がだせます。移動するのにこの手のひらサイズが便利で、
かつ草原の中で演奏するのにこの素朴で不思議な音色がマッチしていたんでしょうね。
今回もとてもおもしろく、素敵な時間が過ごせました。




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私が持っている口琴。これはサハのホムス。
左側を手で持ち、右側を口にはめ、一番右側に出ている弁をもう一方の手で奏でます。
アイヌのムックリはここがヒモになっており、ひっぱる振動で奏でます。



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ひっくりかえした所。私は音くらいは出せますが、演奏するまではできません。
名人になると、2重に音がだせます。



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口琴とは違いますが、笛つながりで私の持っている鳥笛です。
フランスのケルベルカンパニー社のハンドメイドの笛です。
箱の横側についている絵の鳥の鳴き声が出せます。



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こちらはキジバト。



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こちらはマガモ。



フランスの会社なのでヨーロッパ辺りの鳥が多いです。
私は日本いる鳥の種類を選んで持っています。
最初は友達にプレゼントとしてあげていたのですが、
そのうち自分のものとして欲しくなってしまいました。
箱の鳥を見ると、どんな素材でどんな形でどんな音が出るのか
見たくてたまらない衝動にかられてしまい、
毎日お店に行ってどれを買おうか悩んでました。 (輸入物なのでお値段がはります。)



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そして、極めつけはこれ。ホシムクドリの大群です。
この絵を発見したとき、どんな素材でどうやって音出すんだろー!というワクワクがピークでした。



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中身はこれ。ゴムのチューブに笛がついてます。
これを振ると大群な感じが醸し出されます。納得。





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