スウェーデン生活+その後

2010-2013年スウェーデンに在住し帰国。雑記、鳥・植物の写真
*海外情報はその当時のもの。
*禁無断転載

一年を終えて

2011-12-31 19:29:21 | 日記
気付けば今年も後数時間である。既に日は沈み、もう次日が登る時は2012年である。年齢と共に年月が過ぎるのが早く感じる。しかし思い返すと今年はとんでもない年であった。少しばかり振り返ってみる。
何と言っても今年の事件は日本の震災・津波、そして原発事故である。多分津波の映像をUstreamで見た瞬間は一生忘れないであろう。震災の影響もまだ冷めやらぬ内に今度はタイでも洪水が発生、日本の製造業は踏んだり蹴ったりとなった。国内では他に野田新政権が発足、橋下・大阪市長が旋風を巻き起こした。オリンパスや大王製紙では不祥事が相次ぎ、国内の組織の動脈硬化ぶりが明らかになった。海外では中東地域で民主化運動が激化、チュニジア、エジプト、そしてリビアで政権が変わった。そして今この瞬間もシリアで民主化運動が続き、それに対して激しい弾圧が行われていると聞く。またロシアでも大規模なデモが発生した。経済では欧州の経済危機が深刻化、これも現在でも解決の見込みが立っていない。円は1ドル70円台の超円高となり、日本の経済構造に変化をもたらして行く事であろう。日本を含めて先進国では貧富の格差が大きくなり、ロンドンでは暴動が発生、アメリカのウォール街でも格差解消を訴えるデモが発生した。そして年末には北朝鮮で金正日総書記が死去した。来年は中国もアメリカも政権が交代すると予想され、アジアでも激動の時代が予想されている。
これらの事件に共通して、強く感じるのはインターネットメディアの進歩である。震災も、原発事故もネット世界での情報交換が社会に大きな影響を与えた。中東の民主化運動、そしてロンドンの暴動もインターネットが無ければ起きていないであろう。世界が「フラットになる」というのがインターネットの特徴、という事であるが、今後もこの傾向は益々社会に強く働く事になるであろう。
自分個人としてはスウェーデン生活が2年目に入った。多少職場には適応出来たのか、出来ないのかは自分ではよく分からない。いい加減な英語ではあるが、コミュニケーションは以前よりは多少マシになった気はする。しかし1月・2月には個人的トラブルに巻き込まれ、夏には日本の前の職場から理不尽な要求を突き付けられて困惑する事態になった。仕事そのものは結構忙しく、夜の9時・10時まで仕事をする事もしばしばあった。それに見合った結果を出しているのかと聞かれると微妙なところである。何よりも自分の専門分野ではない仕事なので、これもストレスである。ただ日本の職場の長時間労働に比べれば比較にならないし、ストレスと言っても日本の職場のギスギス具合と比べれば無いに等しい。これらは有難い事である。また、ブログを書くに当たってスウェーデンの世情を見聞きするようになった事は興味深い事であった。結局人間は自分の住む環境に応じて生きて行くしかないのだと思う。
来年は。。どうなるのだろうか。宋文洲さんが引用した「史記」の一節。
滄浪之水清兮    滄浪の水清(す)まば
可以濯吾纓      以て吾が纓を濯(あら)ふべし
滄浪之水濁兮    滄浪の水濁らば
可以濯吾足      以て吾が足を濯ふべし
川の水が澄んだら、冠の紐を洗うべし、川の水が濁れば、足を洗うべし、である。きっと来年も色々変化の大きな年であるのだと思う。でもその変化に対応しながら生きて行ければと思う。
今年1年拙いブログを読んで頂き有難う御座いました。皆様も良いお年をお迎え下さい。
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「ドラゴン・タトゥーの女」と財産分与

2011-12-31 13:07:05 | 時事問題
最近、街の映画館で必ず見かけるのがこちらのポスター。映画「ドラゴン・タトゥーの女(The girl with dragon tatoo)」である。ハリウッドで映画化されたもので、主演は007シリーズでも出ていたダニエル・クレイグである。
で、元々これはスウェーデンの小説を原作としたもので、スウェーデンで先に映画化もされているのである。
Wikipedia「ミレニアム」
彼らからしたらハリウッド版ゴジラを見ている日本人の気分だろう。公開は12月20日。
で、これが思わぬ騒動を引き起こしている。詳細はこちら。
http://www.thelocal.se/38068/20111221/
この小説の作者はこの作品が処女作にして絶筆作品なのである。要するに生まれて初めて小説を書き、書いている途中に心筋梗塞で他界してしまったのである。5部作の予定だったらしいが、現存するのは3部のみ(4部目は途中まで)で、それが大ヒットしたのである。彼には30年以上連れ添った女性がいたのであるが、彼女とは籍を入れていなかった。「サンボ(sambo)」という形態である。スウェーデンでは同居・出産までしても結婚しない、という形態を取る人が多く、これをsamboと称しているのである。市役所のホームページなどを見ても、申請の際に名前などを打ちこんでいく時、ちゃんと「Sambo」という選択肢が出て来る。
結婚事情
ところがである。このサンボ、財産の相続権が無いのである。かくて映画化にあたってこの同居していた女性にはこのお金は行かず、作者の親や兄弟に流れる事になった。ハリウッドが版権を買ったのだからどれだけの金額が動いたのかは想像に難くない。おさまらないのはこの女性である。上記記事の様に、あちこちで自分が不当な扱いを受けている、と訴えているらしい。
日本でも内縁の妻という状況であると、財産の分与などでは問題を生じるケースがしばしばある様だ。これから家族の形態が崩れていく上に高齢化が進み、独居の老人が増えて行くとしたら、日本にも同様の問題が増えていく可能性はあると思う。
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。。。。

2011-12-30 23:14:07 | 考えてみたこと
嫌な話。
日本から辛いニュースが飛び込んできた。以前自分が働いていた職場で、自殺者が出たのである。直接の部署は違うので、面識はない方であるが、その部門では責任のある仕事をされていた方だそうである。何だか最近余りに多すぎる。
自殺
何もない休日
。。。正直、自分の周囲の世界では余りに多すぎる気がする。ここ5年くらいで、4人目である。それとも統計に出ないだけで、実際には日本の職場はどこも皆こんなものなのであろうか?自分には知るすべもない。ただ以前の職場が、自分が働いていてもかなりストレスを感じる職場であった事だけは確かである。
で、今日こちらの日本人の方と話をする機会があった。その方曰く「全て投げ出して旅に出るという選択肢はなかったのか」と。確かに、その後がどうなろうと、自分で自分の人生を強制終了してしまうよりは良い選択肢と思う。自分も(というと大芝居がかっているが、実際以前職場で働いていて、「もう死んだ方がマシだ」という気分に何度もなった事は事実である)気をつけたい。将来「もうこれ以上耐えられない」と感じる時が来たら、何と言われようと途中で放り出して逃げ出す事にしよう。死んでしまうよりはマシな筈である。
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Rea

2011-12-30 21:58:27 | スウェーデン生活情報
昨年も紹介したが、クリスマス直後というのは大安売りの時期である。もし時間があるなら、ストックホルム中の店を1日かけてぶらぶら回ってみる事をお勧めする。
大安売りその1
大安売りその2
という訳で今回もストックホルムの町をぶらぶらである。セルベラ(Cervera)の店舗で良いものを発見した。
セルベラ
元々陶器・ガラス容器などを扱っている店なのだが、今回発見したのは下のイッタラ(Ittala)
イッタラ
のガラスの壺である。アアルト(aalto)のデザインした壺で、99クローネ也。ガラスの色が綺麗である。回った時にはもう残りは余りなかった。本当に良いものを買い集めたいのなら、26日のうちに回りきらないと駄目なのだろう。でも綺麗な色で気に入った。満足である。

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再び零下に

2011-12-30 16:13:39 | 日記
今日はようやく気温が一日通して零下であった。道を歩くと氷があちこちに張っていて、冬らしくなっている。13時頃にちょっと外を歩いて見たが、それなりに寒くなった感じである。雪は無いが太陽の位置の低さは相変わらずで、お昼過ぎでも自分の影が地面に長く伸びている。
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知人とストックホルム観光その2

2011-12-29 22:00:50 | スウェーデン国内観光
で、市庁舎のガイドツアーを聞きつつ今一度知ったこと。

1、上写真、以前にも紹介した黄金の間の首のない王様の絵であるが、
ストックホルム市庁舎その5
この絵には、もう一箇所深刻なミスがある。王様の下にある建物に注目されたし。スウェーデン王室のシンボルは3つの王冠なのだが、建物の上には2つしか王冠がない。一番上の王冠は同じく長さ不足で省略されてしまった様なのだ。日本で言えば菊の御紋章が半分になったような物で、当時はかなり問題視されたらしい。
2、下左、同じく黄金の間より。周囲はスウェーデンの歴史であるが、このプロペラを持った人は誰?と思ったらジョン・エリクソン(John Ericsson)
Wikipedia「ジョン・エリクソン」
である。船のスクリュープロペラの発明者(実際は3人が別々に同時期に特許を出しており、誰が本当のオリジナルとされるべきかはっきりしないらしい)である。スウェーデン生まれだが、研究環境を求めてアメリカに渡った。歴史に詳しい方であれば、南北戦争でのハンプトン・ローズの海戦を思い出されるかもしれない。このときの北軍のモニター艦を設計・作成したのが彼である。かなりのワーカホリックだったらしく、モニター艦の時は設計開始からわずか100日で完成にこぎつけたという。何故この絵で上半身が裸なのかは不明。
3、下中央、同じく黄金の間から。終生を戦争に費やしたカール12世である。ロシアのピョートル大帝のライバルとして知られる。大分強烈な絵である。
4、下右、鏡の間から。窓の反対側にはエウシェン王子のフレスコ画がある訳だが、窓の脇には漆喰彫刻がある。で、この彫刻は一切道具を使わず、指だけで製作されたそうである。地味ながら凄い。
5、設計者のラグナー・エストべリ(Ragnar Östberg)は今でこそ高名な建築家として名を残しているが、若い頃は数学の出来が悪く、学校で落第した事もあったそうだ。建築家が数学が苦手だったのだ。人生分からぬものである。

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知人とストックホルム観光その1

2011-12-29 17:08:35 | スウェーデン国内観光
年末休暇を利用して知人がストックホルムまで来て下さった。有難い限りである。ストックホルム観光を一日ご一緒させて頂いた。
大体1日観光のコースとしては市庁舎
ストックホルム市庁舎その1
ガムラスタン散策、大聖堂、王宮の衛兵交代式、
衛兵交代式その1
ノーベル博物館でノーベル賞アイスを食べ、
ノーベル博物館その1
そして昼食をカフェジレット
ガムラスタンその2
ガムラスタンその3
そしてNKで軽くお土産を探したあと、トラムに乗ってヴァーサ号博物館
ヴァーサ号博物館
というパターンで一巡させて頂いた。大体これで9時から午後5時まで余裕を持って回れると思う。今まで自分で見て来た場所でも、また改めて見てみると新しい発見があるものである。衛兵交代式は写真の様に随分縮小版だったし、カフェジレットの位置は昨年と微妙に違っていた。
この方は日本の最新の「るるぶ」を持って来ていらしたのであるが、これで見るとヴァーサ号博物館が隅っこの方に小さく記載されていて、「もっとDeepに街歩き」というくくりになっている。要するに「時間に余裕があれば回ってみれば」という事らしいのだが、その知人の方もヴァーサ号を見て「これは一見の価値ありだな」とおっしゃっており、これは観光として外せないルートというのが自分の意見である。何はともあれ満足して頂いてこちらも嬉しい限りである。
今回の観光での写真は次でちょっとアップしてみる。
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電飾@Stockholm

2011-12-29 00:20:52 | 日記
クリスマスが過ぎても道の電飾はまだ外されていない。ストックホルム市内の電飾の写真を並べてみる。まだ日没は3時頃だが、逆に日没後の方が今は綺麗な時期かもしれない。皆様も今の時期にストックホルムに来られたら、ぜひ一回日没後に街を歩き回って見る事をお勧めする。

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欧州経済危機その3

2011-12-28 22:30:52 | 時事問題
またまたユーロが値下がりした。28日現在、ニューヨーク市場で1ユーロが100円76銭まで急落したのである。10年半ぶりの安値であるという。ドルに対してもユーロは安くなっているそうであるから、かなり大変な状況である。
欧州経済危機その2
前回国債の利回りを検索して見たのが11月30日。震源地のギリシャ国債が気になるのでもう一回チェックをしてみる。
FT・国債
10年物国債から。12月28日現在、ギリシャの国債の利回り、何と38.06%である。この1カ月で前回と比して10%近く跳ね上がっている。次いでポルトガル13.55%、アイルランド8.61%と続く。イタリアは7.05%、スペインは5.18%となっている。
そして1年物国債。
Bloomberg・ギリシャ1年物国債
12月28日現在、359%である。1年後には4.6倍になる訳である。1年など過ぎるのはあっという間だと思うのだが。。正直、全額の返済というのはもはや現実的な話に思えない。どうやって折り合いを付けていくのだろうか。
スウェーデン経済はユーロ圏を尻目に堅調である。2011年第三四半期におけるスウェーデンの経済成長率は4.6%なのだ。同時期のユーロ圏内のそれは0.2%である。同じくユーロを拒否したデンマークともども、この危機の中で好調を維持している。ただユーロ圏が沈没して行くとしたら、果たしてスウェーデン経済が全く無傷で済むかどうかは定かでない。
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スウェーデン記者拘束問題

2011-12-28 19:00:47 | 時事問題
今日スーパーマーケットに行ってみたら、新聞という新聞に「エチオピア」の文字が書かれている。どうもスウェーデンの記者の拘束問題のようである。
もともとエチオピアの東部にオガデン(Ogaden)地方という地方があるのである。
Wikipedia「オガデン」
で、ここにONLFという反政府組織があり、中央政府と戦闘を続けているのだ。スウェーデンの記者がこのオガデン地方を取材に入った所を拘束・逮捕されたのが7月1日、で最近になって「テロリストの支援者」としてエチオピア政府から有罪判決を受けたのである。ただ記者達はオガデン地方の中央政府による人道危機を取材するために現地入りしたという事であり、話を難しくしている。スウェーデンの国内世論は「圧力をかけて開放させるべし」なのだ。
恐らくはスウェーデン政府も色々交渉しているのであろうが、外務大臣カール・ビルトは「この地域は元々渡航先として危険、と警告していた場所だった」と述べたそうで、なかなか政府としても難しいところなのだろう。何となく日本のイラク人質事件の時の事を思い出してしまう。話の背景が大分違うという事情はあるにせよ、国内世論は日本とスウェーデンではかなり異なっている。
http://www.thelocal.se/38102/20111222/
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