「大本営参謀の情報戦記 -情報なき国家の悲劇-」(堀栄三著、文春文庫)を読み終わった。弾丸が飛び交う戦場での情報分析、迫力があり圧倒される。「戦術は八百屋も、将棋指しもやっていることだ」「相手は決して本音を出すことはない。出すのは仕草や気配だけだ。情報とは相手の仕草を見て、その中から相手が何を考えているかを知ろうとするものだ」「どれほど些細な情報であっても丹念に積み上げて行けば何かを指し示している」「物事の枝葉末節をみないで本質を見よ」などなどの言葉、他の職業でも十分に生かせそうである。
Wikipedia「堀栄三」
また、読みながら「今の日本の情報分析組織は一体どうなっているのだろうか?」というのが気になったところ。筆者の指摘する通り、太平洋戦争当時の日本の対米情報活動がかなり立ち遅れていたのは間違いなさそうである。しかし今はどうなのか。特に昨今の北朝鮮情勢は予断を許さないが、同国の国内情勢・軍事行動、日本国内でかの国が行っているであろう諜報活動、周辺国の方針・軍事行動など、どれだけ政府は的確に分析・行動しているのであろうか?かつてよりも進歩していると信じたいところであるが。