まっしゅ★たわごと

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龍馬史(著:磯田 道史)を読んだ。

2013年11月24日 21時30分55秒 | おすすめ



父に勧められて「龍馬史(著:磯田 道史)」を読み始めた。私の龍馬好きは小学生の頃からのものであるが、それはおそらく時代劇「影の軍団Ⅳ」とそれに続く「影の軍団 幕末編」によるところが大きいのではないかと思っている。そのドラマでは勝海舟を真田広之が演じ、坂本龍馬を世良公則が演じていた。ガサツなのに愛嬌があって過渡期で危うげな日本を表裏構わず走りまくった役者のうちの一人。

その龍馬の暗殺については、様々な憶測が飛び交っていて現在もどれが本当か謎のままである・・・と思っていた。この本を読むまでは。だがしかし、本書を読み進めていくうちに、何故龍馬が「亀山社中」を立ち上げるに至ったか?いや、立ちあげることができたか?そして何故「海援隊」を設立するに至ったか?いや立ち上げることができたか?ということが、読者に順を追って丁寧に説明されている。そして、「龍馬は誰にどんな理由で暗殺されたのか」ということも鮮やかに描かれている。

本書を読み進めていくうちに、「龍馬が龍馬である所以」も自然にわかるし、龍馬の暗殺者が「西郷隆盛」でも「新撰組」でもなかったのであろうということにも本当に説得力があって、もしや柱の陰から見ていらっしゃったのではないかと思うほどにその犯人を特定しているのである。

それは決して、陰謀好きな人の考えた希望的観測論でもなく、龍馬の生きた時代の政治的な背景だけでもなく、当時の庶民や武士の待遇や生き様などを龍馬の書いた手紙や世に残る他の人々の日記などから立体的に組み上げられていて、歴史家としての立場から本当に大真面目に分析しているのがものすごく新鮮なのだ。しかも、読んでいて全然退屈ではなく、むしろ早く次のページをメクリタイ衝動に駆られ続けてアッチュー間に読み切ってしまっていた。

龍馬史 (文春文庫)


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