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【art】「画鬼・暁斎 KYOSAI 幕末明治のスター絵師と弟子コンドル」

2015-07-26 17:07:59 | art

【art】「画鬼・暁斎 KYOSAI 幕末明治のスター絵師と弟子コンドル」

見てます寒い (@ 三菱一号館美術館 (MITSUBISHI ICHIGOKAN MUSEUM, TOKYO) in 千代田区, 東京都)

河鍋暁斎って名前は知ってたけど、意外に作品を知らなくて、なんとなくイメージとしては、曽我蕭白とかみたいなちょっとおどろおどろしい絵を描く人かなと思っていた。別の展覧会を見に行った際に貰ったチラシ(下の画像のポスターと同じ)の女性を描いた浮世絵が美しく、こんな絵も描く人なんだ?と興味を持った。しかも、鹿鳴館の設計で有名なジョサイア・コンドルが弟子入りしていたとは知らなった! 暁斎とコンドルの師弟関係を中心にした展覧会が、コンドル設計の建物を復元した三菱一号館美術館で開催中とのことで行ってきた

写真添付したのにまた行ってないし 写真撮れるスポットもあって楽しい♬



写真撮影スポット(今作の展示は後期)


前期と後期と展示替えがあって、お目当ての「大和美人図屏風」は前期(~8月2日)しか展示されないということで、前期に見に行ってくることに! 会社から直ぐなので20分ほど残業したけど、17:40頃には閲覧開始できた。そんなに混んでいないので、ゆったりと見れるけれど、人気作品の前では少し並んで待つことも。美術館ではストールの貸し出しもあるけど、とにかく寒い! 上着持って行って良かった


建築家ウィリアム・バージェスの影響により日本興味を持っていたジョサイア・コンドルは、明治10年に来日し明治14年竣工の上野博物館(現在の国立博物館の位置に建っていた)、明治16年竣工の鹿鳴館の設計を手掛けるかたわら、明治14年に河鍋暁斎に弟子入りし、狩野派の絵師として絵を描いた。明治16年には暁英の号を授かったそうで、この銘の入った作品が何点かあった。暁斎とコンドルは20歳以上の年齢差があったようで、暁斎はコンドルをコンテイル君と呼び、毎日のように会っていたらしい。コンドルはレッスン料を多めに支払うなど、暁斎のパトロン的役割も果たしていたとのこと。なるほど~


暁斎とコンドルの出会いとなったのは、おそらく明治14年に開催された、第二回内国勧業博覧会ではないかと言われているそう。この展覧会に暁斎は4点の作品を出品し、その中の1枚が最高賞である妙技二等賞牌を受賞している。それが「枯木寒鴉図」でこれが素晴らしい! 墨で描かれた黒々とした鴉の、どこか寂しげな姿と、あり得ない曲がり方の枯木。でも、その曲がり方が絶妙で、この余白の配置も素晴らしい。いったい鴉は何を見つめているのか?いろいろ空想が広がってしまう。この展覧会では出品作品に自分で値をつけることが可能だったそうで、暁斎はこの画に破格の百円をつけたのだそう。それはちょっとという声に、この画にはそれだけの値打ちがあると語ったそうで、その心意気に打たれた榮太樓の細田安兵衛が百円で購入したのだそう。ということで、今作は現在も榮太樓總本鋪蔵ということになっている。

 

 

「枯木寒鴉図」_河鍋暁斎


鹿鳴館の階段の一部が展示されていて感動! この階段を多くの人々が上り下りしていたのね! 猿マネだと揶揄されながらも日本の近代化のために頑張ったのね  ジョサイア・コンドルの「百舌図」が見たかったのだけど、残念ながらこれは後期展示。コンドルの作品としては、「上野博物館 立面(正面)」や「三菱一号館 立面図(南面)」などの設計図?の方がおもしろかったけれど、暁斎の「鯉魚遊泳図」の左上2匹を描いた「鯉之図」が良かった。離れて展示してあったけど、並べてあったら比較できておもしろかったかも? まぁ、尻尾の感じや存在感など、やはり暁斎の方が素晴らしいけれど(笑)



左:「鯉魚遊泳図」_河鍋暁斎 右:「鯉之図」_暁英(ジョサイア・コンドル)


ビックリしたのはカーテンで仕切られた春画コーナー。北斎など著名な絵師も描いていた春画。ギャラがよかったこともあったようだけれど、どうやらコミカルなものとして描いていたらしいとのこと。このコーナーはR18となっております(*´ェ`*)ポッ


その他、気になった作品も多かったけど、お目当て以外でうわー!となった作品は「暁斎楽画第九号 地獄太夫 がいこつの遊戯ヲゆめに見るの図」骸骨を正確にスケッチして描いたということで、その描写はスゴイのだけど、やっぱり地獄太夫の妖しい美しさと、まとった衣の赤の鮮やかさ! 血のような赤が印象的。これは大判錦絵で版画なのだけど、版画の特徴である彫りと摺りも計算しているのかな? 摺りについてはマンガ的な効果を生んでいる印象。


「暁斎楽画第九号 地獄太夫 がいこつの遊戯ヲゆめに見るの図」_河鍋暁斎


そして、本日の一枚「大和美人図屏風」結構大きなこの肉筆美人画は、コンドルのために描いた作品で、本人の目の前で制作したのだそう。その過程を著作に記しているとのこと。そうそう、実はコンドルは「Painting and Studies by Kawanabe Kyosai」などの著作を数冊発行しているらしい。この制作過程がどの著作に記載されたのか不明なのだけど、色摺木版にしたとのことなので、画像も載ったのか? イヤ、当時の印刷技術じゃカラー出版は無理か? この著作に"十七世紀大和美人図"と記載したそうで、確かに江戸前期の美人画の作風を思わせるとのこと。確かに! 地獄太夫など浮世絵も描いていた暁斎は、自分は狩野派の絵師であるということに誇りを持っていたようで、この作品も狩野派+土佐派の影響を感じるとのこと。なるほど! 


 

「大和美人図屏風」_河鍋暁斎


これホントに素晴らしかった! とにかく顔が美しくて、歌麿のかわいさや儚げな感じではなく、凛とした美しさ。この不思議な髪型は立兵庫なのかな? ということは遊女なのかな? 鮮やかな赤の着物の柄には笙や琵琶などが描かれていて興味深い。裾からのぞく裸足の足先が艶めかしい。素晴らしい!


復元だけどコンドル設計の三菱一号館美術館と、暁英ことジョサイア・コンドル




現在の建物は近年復元されたものだけど、ジョサイア・コンドルが設計した三菱一号館美術館は素敵な美術館。まだ新しいので重厚感はないけれど、白い壁に濃い茶の柱や扉などは当時の内装もそうだったのかな? レンガ造りで素敵な建物だったと思う。現在はビルに囲まれているけれど、当時はこういう建物が並んでいたのかしら? 当時の東京見てみたいな~ 面影があまり残っていないのが残念


家に帰ったら「ぶらぶら美術・博物館」で今展を紹介してた! 録画しておけばよかった 最後の数分しか見れなかったけれど、出演のおぎやはぎや山田五郎氏が、あまりに多才で手法も多岐に渡っているため評価されにくく、いわゆる器用貧乏だと評していたけど、確かにそうかも! 実際に見てみるとどれも素晴らしいのだけど、これが暁斎であるという突出した個性がないのかも? 不思議な画家。大好きな伊藤若冲は"奇想の画家"と呼ばれているけど、暁斎は"器用貧乏"だなぁ。自分としてはホメてるけど、それじゃあんまりか(o´ェ`o)ゞ でも、暁斎の作品を見る機会が持ててよかった! そういう意味では素晴らしい展覧会。


そうそう! とにかく冷房がきいてて寒い! ストールの貸し出しがあるけど、女性は足元も寒いと思うので、今の時期は薄手の靴下やレッグウォーマーなど持参した方がいいかも? 生足サンダルとかだと冷えてしまうかも

   

画鬼暁斎 明治幕末のスター絵師と弟子コンドル:2015年6月27日~9月6日 @三菱一号館美術館

鬼暁斎 明治幕末のスター絵師と弟子コンドル|三菱一号館美術館

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