まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
ゆる~い気持ちでお読み下さい。

『キス・キス』…胃のあたりがムカムカする

2014-06-03 23:01:58 | イギリス・アイルランドの作家
KISS KISS
1953~1959年 ロアルド・ダール

題名と表紙ははポップで楽しそうなのに… 嘘つきぃぃぃっ!

ロアルド・ダールは、以前『王女マメーリア』『あなたに似た人』を読んで
そこそこ面白かったので、本屋さんで見つけた時に即購入したのですが
なんなんでしょう? この後味の悪さは…

11話おさめられていますが、大きく分けると
侮られた人々が相手を見返すちょっと笑えるお話しと
少しファンタジーっぽい奇妙なお話し、の2パターンかな?

奇妙なお話しは全体的に苦手でしたが、中でも金輪際読まないと思うのが
『豚(Pig)』という話し。
もう、登場人物も展開も会話もラストも全部ムカムカする。
あー! ニューヨークの弁護士のやつ! 本当に吐き気がしそう…

なので、ちょっと痛快に思えるお話しからいくつかご紹介します。

『天国への道(The Way Up to Heaven)』
ミセス・フォスターは、時間に遅れることを病的に恐れ
ミスター・フォスターは、わざと遅れそうにして妻を怯えさせるようなところがある。
ミセス・フォスターが一人娘に会いにパリに発つ朝も
ミスター・フォスターは忘れ物をしたと言って家に戻ってしまった。

これはねぇ、本当は面白がってちゃいけないのでしょうが
この夫だったらこんな目にあってもしかたないのでは… なんて思える話し。
奥さんをチクチクいじめてる旦那さん、お家のメンテナンスはちゃんとしないとね。

『牧師の愉しみ(Parson's Pleasure)』
ロンドンの骨董店の店主ミスター・ボギスは、週末になると牧師に変装して田舎へ出かけ
貴重な骨董品を驚くほどの安値で手に入れていた。
その日は、農場で2万ポンドもしようかというチッペンデールの飾り棚を目にする。
農場にいる三人の男たちは、その価値がわかっていないようだ。

今までがラッキーだったと思わなきゃね! 完全に詐欺でしょ? これ。
骨董ってホントに何がどうすれば高値がつくのか、一般人にはわかりませんね。
何かないかと家の中をみまわしてみましたが、びた一文無い…

『ミセス・ビクスビーと大佐のコート(Mrs.Bixby and The Colonel's Coat)』
ミセス・ビクスビーは何年もの間、月に一度伯母に会いにペンシルヴァニアに行っていたが
実は大佐と呼ばれる男に会いに行っていた。
ニューヨークで歯医者をしている夫は何も気づいていない。
しかし、とうとう大佐から別れを告げられ、とても豪華なミンクのコートを贈られた。

“ 策に溺れる ” とはこういうことを言うのでしょうか?
もちろん奥さんは痛い目にあわされるのですが、さらにダメ押しがあって面白いの。
女性としては手をたたいちゃいけないのでしょうけど、今まで裏切ってきた報いだからね…

クスっと笑える話しの方は、以前読んだ2冊同様楽しめたのですが
そうでない方は、本当に気味が悪いの。
読んでいて自然に口もとがゆがんでしまいました。

特にグロテスクだったり残酷だったりする描写はほとんど無いのですが
どうも私がイヤだと感じるストライクゾーンにバシッとはまっちゃったとしか思えません。
他の方が読んだら、そんなにムカムカしないかもしれないです。

とはいえ、久しぶりにイギリスの作家の本を読んだので
随所に現れる英国っぽさに触れる心地よさは味わえました。

ひとことK-POPコーナー
Kちゃんが大好きなU-KISSのMVが物議を醸してるっていうので観てみたけど、曲もMVもカッコいいと思うけどね…
ま、私は年食ってるのでまったく影響を受ける心配はないけど、お若い方には影響が大きいということでしょうか?
コメント
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