まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
ゆる~い気持ちでお読み下さい。

『親指のうずき』若夫婦、老境の人になる

2010-04-22 23:10:17 | アガサ・クリスティ
BY THE PRICKING OF MY THUMBS 
1968年 アガサ・クリスティー

クリスティ、御歳78歳の作品…それだけで☆4つです。

クリスティの作品の二大スター、ポアロとミス・マープルは
「もう歳ですよ」と言い続けて何十年、まったく歳をとっていってない気がします。
周囲は変化をみせていて、流行ものやファッションなどは変わるのだが
ふたりは相変わらずという “ 磯野&ふぐ田 ” 状態でした。

その点トミー&タペンスは、いつまでも『おしどり探偵』の若い夫婦じゃありませんよ。

実は、クリスティの中でもスパイものはあまり興味がありませんで未読が多いのです。
トミー&タペンスも半分は読んでいませんが、溌剌としていたふたりが
老人ホームの入居者に間違えられるほど歳をとってからの物語ということで
ワクワクして読み始めました。

ミス・マープル登場時から、田舎のおしゃべりで皮肉屋のばあ様に
愛情たっぷりだったクリスティの筆は、さらに冴え渡ってます。
大好きな祖母と同じ年ごろになったクリスティが書くばあ様ときたら…
なるべくそばにいたくないけど、読んでるだけなら楽しい

あ、内容ですね。

トミーとタペンスは叔母のエイダの見舞いに養老院サニー・リッジを訪れます。
エイダ叔母に追い払われたタペンスは、居間でランカスター夫人という
可愛らしいおばあちゃまに会いました。
彼女は一見普通だったのに、急に「暖炉に子供の死体がある」なんて言い出します。

その後エイダ叔母が亡くなって荷物の整理をしにいったタペンスは
1枚の絵が気になって譲り受けました。
その絵に描かれている家をどこかで見た気がするからです。

その絵はランカスター夫人がエイダ叔母にあげたものだそうですが
ランカスター夫人はエイダ叔母が亡くなる前に、急に親戚に引き取られました。
まるで何かを知られたから連れ去られたような感じでした。

タペンスの、ランカスター夫人と絵に描いてある家探しが始まります。
あーでもない、こーでもないと悩んだ末、家の場所は分りました。
トミーの留守を狙ってひとり田舎まで足を伸ばしたタペンスは
次第にその家の秘密に近づいていたようでしたが、いきなり後ろから殴られます。

タペンスはどうなるのかしら?

登場人物まで詳しく書いているとすごーく長くなりますので
いっきに最後まで飛びますと、ランカスター夫人を見つけることはできました。
でも、彼女を救うことはできませんでした。
何故かは秘密…

トミー、タペンスにわかったことは次の通りです。
探していた家の一郭から、ダイヤモンドのつまった人形が出てきました。
養老院では不審な死がありました。
家があった村では昔、連続少女殺人事件がありましたが犯人は捕まっていません。
トミーの友人によれば、ランカスター夫人の親戚の弁護士は犯罪組織の黒幕だそうです。

一見バラバラに見えますけど、見事にラストで繋がるんだなぁ…
老境にさしかかってもアクティブに動き回るトミー&タペンスを見習いたいわ。

それよりもアガサ・クリスティでしょ!
78歳にしてこの想像力と集中力!! しかもまだまだ執筆は続きます。

トミーとタペンスが老体にムチ打って大活躍!
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね

コメント
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