まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
ゆる~い気持ちでお読み下さい。

『パーカー・パイン登場』不幸を統計で解決する、だって

2009-09-26 11:38:56 | アガサ・クリスティ
PARKER PYNE INVESTIGATES 
1932 - 1933年 アガサ・クリスティ

パーカー・パインという紳士が35年間の統計収集の仕事を活かして
人々の悩みを、統計学・分類学の見地から解決するために事務所を開きます。
そんなパイン氏が扱ったケースがつまった短篇集です。

不幸は人それぞれという意見に真っ向から反論する、不幸は分類できると言う持論。
なかなか面白いものがありましたよ。

パイン氏の宣伝文句は
“ あなたは幸せ? でないならパーカー・パイン氏に相談を ”
なんだかミステリアスで相談したくなってしまいません?

途中からだんだん推理が多くなってきてしまうのですが
それはアガサ・クリスティだから仕方がないってことで…

主に悩みを解決するという内容の3篇をご紹介します。

『中年夫人の事件(The Case of the Middle-Aged Wife)』
夫が若いタイピストに夢中になっていることが我慢ならないパキントン夫人。
パイン氏のいうとおりに美容院へ行き、エステに通い、ドレスを新調して
パイン氏に紹介された若い美男子とダンスに出かけます。
ある晩出かけたクラブで若い女と一緒の夫に会った夫人は、夫が可哀想に見えました。

『不満な夫の事件(The Case of the Discontented Husband)』
妻が芸術家気取りの若い男と結婚したいと言い出して困り果てたウェード氏は
自分がスポーツにしか興味がないことを嘆きパイン氏に相談します。
後日パイン氏からウェード家に魅力的なスポーツウーマン、ミス・ド・サラが送り込まれ
妻はだんだんと不機嫌になっていきました。

『富豪婦人の事件(The Case of the Rich Woman)』
金がありすぎてつまらないという未亡人ライマー夫人の相談を受けたパイン氏は
彼女にある東洋の治療を受けさせました。
目がさめた時、夫人は農家の一室で寝かされていて、ハンナという名で呼ばれました。
どんなに違うと言っても聞き入れてもらえないし、自分はハンナだと言い張るライマー夫人が
入院させられたというニュースを目にしてしまいました。

上2篇は簡単ですよね?
追えば逃げるし、逃げれば追ってくるしという男女の法則を取り入れた解決法ですよね。
こんなにうまくいくものか? というチャチャはこの際抜きにして楽しんじゃいましょう。
上手くいきすぎて困っちゃったな… という事態にもなるのですけどね。

『富豪婦人~』は話しがちょっと大仕掛けになりすぎちゃったきらいはありますが
言いたいことはシンプルです。
人は自分が持っていない物を欲しがるということと、お金が全てではないってこと。
でも私なら富豪になっても「退屈だ」なんて言わないと思うんだけど…
どんなもんだか、なってみたいな~!

パイン氏のところへやってくる人たちは赤裸々に心の声を吐露しちゃってますが
知らない人の方が相談しやすいことってありますよね?
だから電話相談とか、ラジオの相談なんか人気なんじゃないのかな?
相談するだけでも気が楽になるものね。

パイン氏の手際よさをお楽しみください
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね


コメント
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