WALKER’S 

歩く男の日日

30日目 (1) 満濃池のお大師さん

2008-08-20 | 08年四国の旅
 いよいよ満濃池に向かう。別格の中でここだけは絶対行きたいと思っていた。ぼくの中では、高野山に次ぐ霊場だという意識がある。何しろ、確かにここにお大師さんはおられたし、すごい奇跡を生み出したことは否定のしようがない。当時の土木技術がいかほどのものであったかは全く判らない、古墳時代の大規模な陵のことを考えればさほど特別なことではなかったかもしれない、でも地形が全く変わってしまう工事というのは容易ではなかったはずだ。海を作る工事、そうまさにこの池は当時の人からすれば海に違いなかったろう。
 納経の始まる時間に合わせて6時10分前に宿を出る、別格17番神野寺まで5.9km、迷わなければ1時間弱で着けるはずだ。当然のことなから琴平から神野寺まで遍路標識は一つもなかった、地図はあるし、別にパソコンで作った地図も持って何度も頭に入れていたけれど、初めての道は何があるか判らないので、慎重にならざるを得ない。目標物となる学校や消防署、郵便局、ガソリンスタンドなどを指さし確認しながら進んでいく、お遍路はおろか地元の人も車もほとんど通らない静かな道が続く、まだ7時前だし土曜日でもある。何とか一度も迷うことなく満濃池の大堤防にさしかかる、手前の県道から堤防の上まで100mの標高差がある、この標高差をお大師さんが造られたのだ。堤防の上には駐車場があって、すでに大型バスが2台停まっている、海が見える、とてつもない海、しかも見えているのはたぶん一部分だろう。すぐに神野寺の入り口があってバスツアーの人たちでごった返している。別格巡りのツアーか、琴平讃岐観光の一環で来ているのか、どちらか判らない。山門はなく、こぢんまりした本堂がある。手前に左の方へ上る坂道があるので先にそちらに行くと、満濃池を見つめるお大師さんがおられた。
 本堂に戻るとまだ7時前なのに納経所は準備万端、すでにツアーの人の納経は終わっているようだった。時間前にしてくれる、それだけで良い納経所だということが判る。実際比較的若い坊さんで感じの良い人だった。ツアーの代表の人が大師堂の場所をその坊さんに尋ねている「お大師さんはここでお祀りしていますので大師堂はありません、そちらの坂を登られるとお大師さんの像がありますのでそちらでお賽銭を入れて下さい、納め札はこちらに2枚入れて下さい」と丁寧に説明していた。
 また、しばし池の風景を眺め感慨にふける。できれば空中からこの異様全景を眺めたいと思う。納経所が早く始まったおかげで、7時丁度に霊場を後にする。次は金倉寺までの14km、初めての道なので休憩場所は決めていない。
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