但馬がすっぽりと雪に覆われたイブの日。私達夫婦は今年最後の小さな旅を終えました。
二十三日の往路からすでに雪模様で、日本海に近づくほどに風景が白く変化して行きました。
但馬に続く長い峠、春来(はるき)トンネルを抜けると「ああ。但馬に来た」と実感します。
雪深いゆえの命名につながったのでしょうか?
「春来峠」美しい名前です。
春来を越えて、すぐ現れる「湯村温泉」を少し海の方向に進むと、楽しみにしている郷「七釜温泉」に到着します。
湯村までは大変な雪でしたが、七釜に入るとどうしたわけか雪がありません。
それは海のせいだと思いました。
いつものお宿「福寿荘」さんに到着です。
女将が朝に、雪を心配して「気を付けてお出まし下さい」と電話を下さっていました。
「お帰りなさい」いつものお出迎えを受けました。
まだ「ただいま」と言えず、「こんにちは」と言ってしまう私です。
脱ぎ散らかして、Jが一目散に湯に入りました。すっかり惚れ込んでいる湯治の湯です。
今年一年の肩の力を抜いているのでしょか?中々上がって来ません。
背中でも流してやればいいのでしょうが、わたくしも下ろしたい荷物があります(笑)
一人でゆっくりと、今年のあれこれを思い浮かべながら、暖かい湯にそれらを終い納めました。
暫くして、女将の心づくしを受けます。
お料理上手で、家でも試せそうなものも出て来て、説明を下さいますが、決して長居をされずにさっと下がられます。
聞くともなく聞いていたJの開会の挨拶の後、突然「はい。君」とわたくしにも今年の総括の場が与えられました。
Jも聞くともなく私の挨拶を聞いていましたが、どうでもいいようでした。
寒ブリ、トロサーモン、太刀魚の刺し身が特に新鮮なように思いましたが。
数の子もマヨワサで、正月に試して見たい一品です。
ピンクの酢の物が出て来ました。
赤大根と言う新しい品種のようで、酢に合えるとこんなに綺麗色に変わるそうです。
パリパリとして、とても美味しいものでした。
おひつのご飯、カニ汁。
効率の悪い二人客ですのに、前と重ならないように何かを工夫して下さっています。
いつもより妙に静かなJの息を、二度ほど確かめた後、七釜も見事な積雪になりました。
ホワイトクリスマスの夜明けです。
つづく・・・
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