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先日ワイワイプロジェクトについて記事を書いた山梨県社会教育課ですが、新県立図書館フロアー設計の概要図が公開されていました。
Lib_notes 左のような凡例があって、1階と2階が書架、閲覧室になるようです。
2階、3階図面の白い個所は多分吹き抜けを意味するのだと思います。
地下は書庫になっています。
現在、甲府市丸の内にある県立図書館は、敷地面積は2,623平方m、延べ床面積は4,249平方mで、施設は、地上4階建て、地階に講堂、また、書庫は6層の構造。
整備検討委員会の報告書による)

新県立図書館の基本設計は、延床面積 10,452平方メートル、建築面積 3,642平方メートルです。(新県立図書館の基本設計 更新日:2009年6月10日)

基本設計のページ本文にも公開された図面にも、開架式の書架の配置やそこに置かれる図書の概算冊数(棚のサイズ、段数などが分かれば見当がつきます)が不明です。

Lib_12_640

書架の配置やテーブル配置まで表示された図面の公開も期待したいと思います。
1階にある三角形の部分は何でしょう? 新聞雑誌コーナーと隣接しているので、これがその為の椅子を示しているなら、閲覧用のテーブルもない現在の県立図書館と同じような不便なコーナーを作る計画でしょうか。
3階の調査・研究のための閲覧室のキャパシティーは何席くらいでしょうか。デスク間の隔壁なども設備されるものなのでしょうか。
多目的展覧会場だの交流ホール、交流ルームなど、図書館の機能としては不要な部分が開架書架と閲覧のスペースを奪いとっているように思えます。

地下の書庫は閲覧者用の開架書架では無いでしょう。富士通に発注した情報システムには検索システムなども含むのでしょうか。しかし国立国会図書館などと異なり大規模な開架式図書館こそがもっとも必要なのです。タッチパネル式の検索機械が使い物にならない事を今の県立図書館で私は体験済みです。以前借り出した専門図書がまったく出て来ない、書架にも無い。
この基本設計図面(平面図)は新県立図書館整備検討委員会の委員さん達も全て了承済みなのでしょうか。私にはとてもそうだとは考えられません。

もっと詳しい資料が見えないとなんとも言えませんので、図面から感じた事だけ以上メモしておきます。
新県立図書館については1月17日に野中一二さんの掲示板に投稿させていただき、2月頃に検討委員会の報告書を見たきりでその後の確認をしていませんでした。

今回公開の設計図面は審査で通った業者によるものでしょう。「公募型プロポーザル方式」公告(平成20年10月16日)にある「プロポーザル説明書(PDF:37KB)」にリストされた審査員が第二次審査基準、技術的な問題のベースとなる「新県立図書館としての基本的コンセプト」の説明をどのように受けていたのか疑問も感じました。審査員がそれを分かっていたならホールなんてOKするはずがないでしょう。

図書館フロアー設計の概要図が公開されている事は、山梨県庁サイトの新着情報で出ていたのではありません。ここには防災新館のニュースリリースは広報されています(平成21年6月17日)が、なぜ6月10日の公開を新着案内しなかったのか理由はわかりません。防災新館については知事記者会見(平成21年6月17日水曜日)が出ていますが、知事公約の大きなテーマだった新県立図書館の基本図面が出た事で記者会見は無かったのでしょうか、6月10日前後の会見記事からは見つかりませんでした。(図面のPDFファイルは5月27日の作成と思えます)
教育庁社会教育課新図書館建設室とその更新履歴を巡回先に入れておくのが良さそうです(^o^)

旧県立図書館(根津嘉一郎寄贈による山梨県民文化の象徴的施設)をぶち壊すのが山梨県庁、こんな新県立図書館を造ろうというのも山梨県庁なんですねぇ、でも甲府異邦人の私には関係ないけど(^o^)

私は以前に図書館について2つの記事を書いています。
2007.01.23 県立図書館問題が変だ?
2007.01.25 県立図書館再論
以上の過去記事を読み返して思ったのですが、今回気が付いた図面を甲府市当局は既に了解しているなら・・・北口再開発の方向は「ワイワイプロジェクト」に任せたらよい。
しかし、図書館は集客を考える施設ではありません。そこにきちんとした図書館があることで人々は利用する、書架から得たものが人の全てを活性化していく、それが文化というものです。図書館を利用しない人々は別な方法で沢山の書籍に触れているかも知れませんが、文化を語る人々は何がしか必ず文字に馴染んでいるものです、それだけのことだと私は思っています。客寄せ施設が図書館なのではなく、来館者がその街も好きになるような街づくりが出来るかどうかにかかっています。
甲府市立図書館は車で往復するだけの、周囲の街から浮いている施設になっていませんか。街も一緒につくることを考えれば甲府旧町名の地域は市立図書館の西側です、でもその地域を中心市街地活性化事業からは外してしまったことを私は今でも残念に思っています。



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