その1はこちら。
話を急ぎすぎた。キムタクはまず地元の選挙区で勝たなければならなかったのだ。
代議士の父親と秘書の兄を事故で亡くした朝倉啓太は、長野で小学校教師をしている。迎えに来たのは総務会長の秘書、美山(みやま……深津絵里)。生徒にまで馬鹿にされている彼を美山は「候補者として彼以上の人材はいない」と東京に報告する。「顔がいいんですよ!」なるほどね。
弔い合戦は日本人の大好きなところなので、次男が出なければ母親(富司純子)を出馬させるとおどかされ、キムタクは不承不承同意する。落ちたら、あきらめてくれますよねと。
ここで登場するのが“選挙プランナー”なる職業の韮山。演じているのが阿部寛なのでますます「HERO」色が強くなる。悪くいえば選挙ゴロである彼は、圧倒的な勝率を誇っていて199勝1敗。その1敗とは……
彼は言う。「選挙とは法律で唯一許された戦争」だと。朝倉はしかし、韮山の指示とは違うことを投票日前日にやってしまう。その結果……
このあたりは確かにおとぎ話かもしれない。しかし国会議員になってからはもっともっとありえない展開が待っていて、首相となってからに至っては(笑)
でも、納得できる部分もたくさんある。三谷幸喜も「総理と呼ばないで」で描いたように、政治家だって最初から薄汚れていたわけじゃない。最初は、国民のために必死でがんばろうと思っていたはずなのだ。その、純なる思いを必死の行動によって思い起こさせ、彼は国を変えていく。
いい話ではある。しかしキムタクはこの朝倉啓太にはちょっとキャラとして合っていなかったのではないだろうか。聖なる愚者が政治を変えるには「スミス都へ行く」におけるジェームズ.スチュワートのようなとぼけた味わいが必要ではなかったか。
それからこれだけは言っておきたい。このドラマのキモは、首相だけが持っているある権利をどう行使するかだ。そこんとこだけ、現首相はいただいちゃったのではないかと。あの人は聖ならざる愚者って感じですけどね。しめた。こういう形でならなんでも言えるんだねやっぱり(笑)。
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