うわあああ。世にこれほど面白い小説はなかなかないぞ。ジェフリー・ディーヴァー以来の興奮。しかも処女作(笑)。なんだこりゃ。
「ダ・ヴィンチ・コード」を読んで、こういうものなら自分にもかけると十代のころに考えた天才。ドナルド・E・ウェストレイクみたいな筆致で一気呵成。
にしてはユーモアが足りない?何をおっしゃる。寡黙にしてクールな主人公が、やたらに携帯を捨て続ける展開など、ギャグとして計算しているとか思えない。すごい作家が出てきたなあ。
ストーリーはほぼ二本立て。語り手であるゴーストマンが、ある義理によって48時間以内に強奪された紙幣をとりかえす展開と、その義理が発生した5年前のてん末。もちろん登場人物たちにはそれぞれの思惑があり、裏をかき、裏の裏を読み、そして途方もない犯罪計画とその結果につながる。
ゴーストマンとは、自分をどのような存在にも変容させる達人のことで、その“何者でもない”人物が、なぜ犯罪にかかわりつづけるのかが明らかになる終盤には一種の爽快感まで。
彼にゴーストマンとしての技術をさずける年上の元女優という大嘘な存在(笑)も、読んでいる間はまったく自然。いま書かれているらしい続篇に大期待。
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