事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

古畑任三郎を全部観る Vol.40「フェアな殺人者」

2009-03-25 | テレビ番組

Ichro01 第39話「今、甦る死」はこちら。今日はWBC優勝記念にイチローを特集しましょう。

現役のメジャーリーガーであるイチローを起用し、2時間半出ずっぱりの犯人役をやらせる……いかにオフシーズンの撮影で、イチローが古畑任三郎ファンだといっても、この企画よく成立したよなー。っていうか、まず企画会議で「犯人はイチローでいきましょう」と提案した人間の無謀さがえらい(笑)。

しかしアスリートが自身に扮して主演するのって、映画界ではよくあることなのだ。映画会社が球団をもってたりしましたから。あの堅物の川上哲治しかり(「川上哲治物語」)、鉄腕稲尾しかり(「鉄腕投手稲尾物語」)。でもまさか殺人まではやらせないだろうって?いやいや、阪神の藤村富美男が「必殺!仕置人」の元締め役で毎週……

それはともかく、CMに出ているイチローを見ると、他のスポーツ選手よりもはるかに見事に演技している。松井あたりのぎこちなさと比べるとよくわかるじゃないですか。「フェアな殺人者」でも、絶対に嘘をつかない殺人者(最後にひとつだけ嘘をつくのが残念)を達者に演じている。こりゃ、天性のものだな。

三谷幸喜がこの回でやりたかったのは、ハリウッドの野球映画の再現だろう。濡れたマッチ、加湿器といういかにもホテルで考えたトリックを用いながら、兄をかばうために恐喝者を殺してしまうイチローが、なぜそこまでかばうのかの理由がハリウッドっぽい。

サインボールの指紋について、もうちょっと気を配ってほしかったうらみはあるけれど、最高の肩を持ち、盗塁が得意な男しかできない犯罪という設定はいい。

セリフも笑わせる。

西園寺:まさかイチロー選手でヒットするとは思いませんでした。

今泉:イチロー選手は盗塁はするけど人の命までは盗ったりしないからね。

西園寺:今泉さん、しゃれたことを言うのはいいですけど、言ったあとに得意そうな顔をするのはやめてください。

フェアな殺人者イチローと、フェアな追跡者である古畑とのラストも気がきいている。

第41話「ラスト・ダンス」につづく。

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2 コメント

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たしかぁ? (不死身のマックス№88)
2018-02-18 21:15:55
たしか、この役名ハチローでやるはずだつたのでは?本人がイチローで行きましょう。と、いって決まったのでは。自分は小堺一機の回が面白いと思います。アッ、失礼しました。
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うん、確かに。 (hori)
2018-02-18 21:19:10
きっとこういう『演技』ができるという
意味でも屈指の人。
松井秀喜はダメだったし、そういう意味では
やっぱり天才(笑)
返信する

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