その82「警視庁文書捜査官」はこちら。
これまた初めて読む作家。本業は英文学研究で東大の名誉教授ですって。
ほのぼのとした装丁に騙されてはいけない。行われているのはかなり邪悪な事件。しかし、人間として冷静であたたかい(新左翼だったある登場人物への彼のスタンスがいい。警察とは体制の最右翼であるにもかかわらず)松谷警部の人柄と、実質的に名探偵を演ずる部下の白石巡査部長とのからみがいいので、気持ちよく読み終えることができる。確かに、英文学っぽいです。
これだけの連続殺人だと、日本の警察ならもっと殺伐とするはず(笑)。おそらく松谷警部のモデルはP.D.ジェイムズのダルグリッシュあたりでしょう。あ、ついにあのおばあちゃんも亡くなってたんだね。もう新作読めないのかあ。合掌。
これがシリーズ3作目とか。こうなったら日本のアダム・ダルグリッシュ(勝手に断定)の前作も読まなきゃ。舞台が都会でも田舎でもないあたりが絶妙です。
その84「64(ロクヨン) 前編」につづく。
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