第16話「勝麟太郎」はこちら。
視聴率オタクとして語らせてもらおう。
前回の「龍馬伝」は21.9%で全ジャンル中トップ。「新参者」がそのすぐ下で21.0%。わたしの苦手なテレビ朝日の刑事ドラマがドラマ部門で三本もランクインしているのはどうかと思うけれども(トップテンのなかで6本が警察関係。これもいかがなものか)、業界の地盤沈下は激しく、製作費削減の影響からか、芸人を酷使しつづけることで成り立っている現在のテレビの限界は見えてきた。金と時間をかけたドラマが(やっと)健闘しているのだ。
視聴者だってなめられてばかりではない。作り手の志が感じられるものにはちゃんと反応する。いったい誰に向かってつくっているのか判然としなかったこれまでの連続テレビ小説にしても、初回の不調はどこへやら、「ゲゲゲの女房」はグイグイと視聴率をのばしてきているではないか。
さて、今回はめでたく(本当にめでたいと思う)勝海舟の弟子となった坂本龍馬が、各藩をまわって人集めに奔走するお話。肝心の土佐藩において対峙するのが山内容堂(近藤正臣)。彼が吐き出すように語る武市半平太への呪詛に慄然とする勝と龍馬……
鯨海酔侯、と自ら称した「酔って候」な容堂のことは、なにしろ柳ジョージがあの声で渋く歌っていたのでわたしたちの世代にはおなじみ。酒と女に不自由しない男だから語れることってあるよね。あるはず。あってほしい。あってくれよ<(_ _)>
「柔道一直線」で、あれほど生意気で天才肌の(なにしろ足でピアノを弾く人ですから)敵役を演じた近藤正臣が、まさかこれほど味のある役者になるとはなあ。あの人って関西弁になるとマジでいい。
日曜夜は「龍馬伝」(NHK)から「新参者」(TBS)への流れが定番化しそう。しかし今回の「新参者」は阿部寛+夏川結衣という黄金コンビを、黄金コンビであるという前提で余裕ある描き方をかましているので、視聴率の逆転はありうるかも。
視聴率的にいつも不運だった貫地谷しほりが、はじめて“視聴率の女王”たりえた「龍馬伝」の、千葉道場から龍馬が巣立つという重要な場面で、福山雅治と里見浩太朗のスケジュールが合わなかったのか、ぎこちない別撮りになっているあたりはつらい。こりゃ、マジで「新参者」に……
視聴率は日曜夜の在宅率の上昇もあって、今週は23%とよみました。
第18話「海軍を作ろう!」につづく。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます