PART11はこちら。
魚市場でうどんをすするふたり。箸の持ち方をうどん屋のおばちゃんに指導されるニック。これはもう誰が見ても「ブレードランナー」におけるヌードルショップのじいさんの変奏曲でしょ。
「四つくれ」
「二つで充分ですよ」
「いや、四つだ」
ハリソン・フォードは今度のSTAR WARSで
「チューイ(チューバッカ)、帰ってきたぞ」
というセリフで泣かせたが、彼の名台詞といえばこのやりとりですよね。
このうどん屋で、ニックは審問された事件において、確かにおれは金をとったと告白する。つまり、それだけ松本を認めたのだ。その松本は語る。
「盗むことは、チャーリーさんを汚し、君を汚し、そしてわたしを汚すことだ」
ここはダグラスにとっても健さんにとっても見せ場でした。
まるでニューヨークのようにスチーム舞う大阪を、小野みゆきは歩き、貸金庫でブツを取り出し、同時に着替える。ああほんとにこの人はセクシーだな。でも彼女の出番はここでおしまい。そのブツ(偽札の原版)を内田裕也に渡し、裕也は工場街に向かう。
この工場街もありえないですよ。工員たちは大挙して自転車で通勤。チャリ通しているわたしが言うのもなんだけど、ここは中国ですか(笑)。ロケ地となったのは中山製鋼所。かなり経営は苦しかったらしく、のちに銀行に債権の私的整理を依頼したりしています。
さて、工場で行われるのは佐藤と菅井、つまり松田優作と若山富三郎の取り引きだ。ついに、若山のやくざ演技が炸裂します。以下次号。