とうとう私立探偵免許が戻ってきた。長く辛かった失意の時代とはおさらばだ。また私立探偵アルバート・サムスンとしての日々が始まる―
営業再開にあたって、家族や友人たちも祝福してくれた。ただひとり、幼なじみの親友ミラー警部をのぞいて。確かに免許を失ったいきさつから彼とは疎遠になっていたのだが…やがて復帰後初の大仕事が舞い込んだ。依頼は大手の弁護士事務所から。だがその仕事とは、ミラーの身辺調査だった!彼の身にいったい何が起きているんだ?心やさしき私立探偵アルバート・サムスン復活。
(「BOOK」データベースより)
復活してたのアルバート・サムスン?!
2年以上も気づかなかったとはうかつ。シュグルーにつづいて油断しまくり。心優しき探偵、という色彩は薄れ、どう立ち直るかが主眼になっている。
サムスン登場の第一作「A型の女」の衝撃はないものの(あれは凄かった。喫茶店で読んでいて慄然としたっけ)、インディアナポリスの暗部が事件にからんでくる設定はいい。まるで「探偵家族」のようになるエンディングもまたけっこう。脇役で登場するリーロイ・パウダーが、いけすかない爺いぶりを発揮していてまたけっこう。
で、リューインはまだ元気なんだろうな。ジェームズ・クラムリーの二の舞ってことはないだろうか。なんか、心配。と思ったらずーっとこのシリーズを訳していた石田善彦さんが亡くなっている。やれやれ。