薬師堂(播磨町古宮)の薬師如来
今、私たちが、奈良時代の人間で、釈迦像と薬師像二体の仏像が、運ばれたとします。
おそらく、釈迦像か薬師像か区別がつかないと思われます。
奈良時代までは、薬師像は釈迦像と何らの区別ありませでした。
共に形は如来形でした。
平安時代、播磨町に大寺が?
播磨町古宮の薬師堂には、像高、140センチ、幅110センチ、奥行き90センチの堂々とした「木造寄木造り」のは仏様です。
薬師如来像です。
衣を表すひだの流れが美しく、平安時代の末(12世紀頃)の特徴を表しています。
そして、よく見ると、左手の上に小さな壷があります。
間違いなく薬師如来です。壷には、どんな病気にもよくきく薬が入っています。
このように壺を持った姿で薬師如来が造られるようになったのは、平安時代以降のことです。
当時、病気でたくさんの人々は悩んだことでしょう。そんな時には、仏様にお願いするより方法はありません。
人々は薬師仏に願いを込めました。
おだやかな、お顔をされています。
そして、その大きさから判断して、平安時代には、播磨町にも大きなお寺があったと想像できます。(no4813)