2013年 私が観たギャラリー ベスト10

年末恒例、私的ベスト10企画です。今年観たギャラリーから特に印象深かった展示をあげてみました。

「2013年 私が観たギャラリー ベスト10」

1.「生成のヴィジュアル」 TSCA柏



淺井裕介、大山エンリコイサム、村山悟郎の三名によるグループ展です。増殖し生成するイメージ。平面表現の可能性。各々が時に対峙して緊張感を生み出す。TSCA柏の広いスペースだからこそなし得た企画ではなかったでしょうか。圧巻でした。

2.「鎌田友介展」 水戸芸術館現代美術ギャラリー



児玉画廊、アートエッグとはまた一味も二味も違う展開を見せた個展。アルミサッシが半ば暴力的なまでに組み上がる。そこへ今回は物語が加わった。表現の世界観を広げるような展開に感心しました。

3.「竹村文宏ー真空」 児玉画廊東京



都市のランドスケープなどを絵画平面上に起こしていく。立体化する線描。マチエールが高速道路なり建物になる瞬間。独特な手法です。感想に書き損ねてしまいましたが、非常に魅力を感じました。

4.「楽園創造(パラダイス)ー芸術と日常の新地平 vol.5 佐藤雅晴」 ギャラリーαM



毎年充実した企画を繰り広げるαMのシリーズ展。今年は残念ながら全てを見られませんでした。うち印象深かったのがこの佐藤雅晴の個展です。伊達巻きの製造工程をアニメーションで描く。αMの空間にもハマった展示。また作家は1/11から神奈川芸術劇場での「日常/オフレコ」展にも参加します。そちらも注目したいです。

5.「椛田ちひろー影をおりたたむ」 アートフロントギャラリー



お馴染みの椛田さんの個展です。ここ数年、都内での展示は追っかけているつもりでしたが、何と言っても今回は色の導入。深遠な宇宙に星々が瞬いた。その進化は半ば衝撃的でした。

6.「江川純太 選択が迫る。後ろはみえない。僕は掴んだ右手を眺める。」 eitoeiko



鍵穴にオールオーヴァー的な展開。半ば複雑怪奇なまでの多様な平面。転じて絵具の繊細な用い方も魅力ではないでしょうか。近作から新作までを網羅的に見せた展示でした。

7.「野村在ーadditional fugitive 増刷する刹那」 アルマスギャラリー



頂戴したDMでは今ひとつイメージがわかず、実際に足を運んでみて驚いた展示です。物質の現象を彫刻として捉える。コンセプトの面白さと作品そのものの美しさが両立。魅惑的でした。

8.「原田郁 ひとつの窓と醒める庭」 アートフロントギャラリー



鮮やかな色面によるCGのような田園風景。コンピューター上で生み出した架空の世界を絵画に置き換える。アートフロントの空間全体へ三次元的に再現するような仕掛けも効果的でした。

9.「利部志穂 タマがわ、たった火ーよき眠りの家ー」 実家 JIKKA



今年のアーティストファイルや引込線にも出品のあった利部の個展です。一番に挙げたいのはアーティストファイルの展示ですが、こじんまりとしたJIKKAもまた美しかった。針金にアルミにビニールの連環。それらがどこか有機的に連なっていく。愛おしい。パフォーマンスイベントに参加出来なかったのだけは心残りでした。

10.「鈴木基真:Cinematic Orchestra」 LIXILギャラリー



かつてTSCAで見て一目惚れした木彫作家、鈴木のリクシルでの展示です。木彫によるアメリカのジオラマ風景。視点の高い位置で展開していたのも印象的でした。ここ最近の集大成的な内容と言えるかもしれません。

次点 「MOBILIS IN MOBILI」 GALLERY MoMo Project/CASHI

大阪から巡回してきたグループ展。六本木のGALLERY MoMoと浅草橋のCASHIの二会場での開催でした。特に惹かれたのはモモの方。初めて見る作家の作品も少なくなく、発見の多い展示でもありました。

以上です。なお順位に関してですが、あくまでも今、振り返ってみて、より強い印象が残っているか。また初めて見た際にどれほど感心し、考えさせられたのか。その辺を踏まえての並びになっています。特に深い意味はありません。

それにしても今年は例年以上に見た展示を感想にあげられませんでした。もちろんブログでの記事は単なる雑感に過ぎませんが、それでも面白かった展示をもっと紹介出来れば良かったと反省することしきりです。またこのところ前から見知っている作家さんの展示を追っかける傾向が強くなっているような気もします。来年はもう少し視野を広げたいです。

最後になりましたが、今年一年、素晴らしい作品を見せてくださった全ての作家の方に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

それでは展覧会編に続きます。

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