極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

パファで無病息災

2013年12月31日 | 医療健康術

 



【オメガ3脂肪酸とは】

高脂質摂取の弊害に苦しむ米国で、“日本人”の長寿命と賢明さに注目し?研究開発されてきたオメガ3脂
肪酸が流行しているというが、脂肪酸の研究が始まったのは、1800 年代に入ってから。 1813 年から
1823 年にかけミシェル・ユージン・シュヴルールによって脂肪の研究が行われ、脂肪は脂肪酸とグリ
セリンのエステル様結合物であることが発見されました。オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸な
どの脂肪酸も発見され
その後、脂質分析の技術が進歩し、1844年にリノール酸、188 年にリノレン酸が
発見され、1909 年には肝脂質からアラキドン酸が、日本では 1935年にイワシの抽出油からアラキドン

酸が発見される(脂肪酸研究が進んだ理由:ガスクロマトグラフィー技術が貢献)。さて、脂肪酸は飽
和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられる。不飽和脂肪酸は、その構造からオメガ3(n-3系脂肪酸)、オ
メガ6(n-6系脂肪酸)、オメガ9に分類される。青魚に含まれるDHA・EPAやえごまに含まれる
αリノレン酸は、オメガ3に分類される脂肪酸で、この脂肪酸は細胞が正しく機能するためには不可欠
なものであることがわかってきた。オメガ3脂肪酸は青魚をはじめ、えごま油、シソ油、亜麻仁油、く

るみ、緑黄色野菜、豆類などの食品から摂取できる。このように 体を作るのに欠かせない「必須脂肪
酸」は、高度不飽和脂肪酸PUFA)とも呼ばれ、動脈硬化の予防やコレステロールの増加による高血
圧、心臓疾患を予防するという優れもの。
楽天の田中将大投手を支えた里田まいさいも愛用している「
オメガ3」を含んだ油だとか。この油、日本ではあまり知られていませんが、欧米では広く普及してい
ていたが、日本でも2005年に厚生労働省が「日本人の食事摂取基準」で増やすべき栄養素として目標値
を設定。
オメガ3は、アマニ油やえごま油などの精製された油だけでなく、身近な食品にも含まれていまる。
もっとも、フードファディズムの傾向にあるらしくオールマイティーの食材としての喧伝に戒める批判
もでてきている(「フードファディズムか希少糖」)。ところで、この高度不飽和脂肪酸PUFA)の
製法技術開発も、盛んに行われていて下記のサントリー社の新規考案が提案されている。

高度不飽和脂肪酸PUFA)とは、炭素数18以上で二重結合を2個以上持つ脂肪酸である。PUFAは種々
の特異な生理活性を持ち、各種の食品及び動物飼料へ添加してその機能性を高めるために使用される。
主なものとしては、リノール酸(LA)、α-リノレン酸(ALA)、γ-リノレン酸(GLA)、ジホモ-γ-
リノレン酸(DGLA)、ミード酸(MA)、アラキドン酸(AA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘ
キサエン酸(DHA)等が該当する。利用にあっては、遊離脂肪酸型やリン脂質型として用いられることも
あるが、主として、トリグリセライド型として用いられ、そのアシル残基にPUFAが構成々分として含
まれる場合が多い。ところが、PUFA自体の化学合成は難しく、製造コストが高く、また、油糧植物、魚
介類、微生物、微細藻類などから抽出供給するが、これらの生物は、多種類のPUFAを含み単一のPUFA
での
構成はない。PUFAをトリグリセライド型の利用には、PUFAの結合位置や結合個数
を特定した「
造脂質
」での利用により機能性が高まる。構造脂質を製造す
る場合、位置特異的な化学的手法もあるが、
多くの場合、食品用途が中心を前提に、リパーゼなどの酵素を用いたアシル基の変換反応で製造するこ
とが多い(国際公開W0 03/004667
)。この場合、原料トリグリセライド中の特定位置に結合した脂肪酸
の結合を切断せず、その他の位置に結合した脂肪酸のみを加水分解反応または、アシル基交換反応など
で除去する(下図に反応式を例示:PUFA含有トリグリセライド混合物とカプリル酸とのリパーゼ反応
により、1,3位にカプリル酸を含むトリグリセライドと遊離脂肪酸が生成する場合の例を示す(A~
I:脂肪酸、8:カプリル酸)。

特開2010-042037

 

この場合、生成物である構造脂質中の目的のPUFA含量は、原料のトリグリセライド中の、切断しな
脂肪酸残基(この場合は2位)中に含まれる目的の
PUFA含量に依存する。副生する遊離脂肪酸の利用
価値が高い場合が多いが、この遊離脂肪酸に含まれる脂肪酸の種類と割合は、原料のトリグリセライド
中の切断する脂肪酸残基(この場合1位と3位)中に含まれる脂肪酸の種類と割合に依存する。
特定の
PUFAを特定の位置に含む構造脂質を、そのPUFAを含むトリグリセライドなどを出発原料として、リパ
ーゼなどを用いたアシル基の変換反応で製造するとともに、副成する脂肪酸も利用する時、出発原料が
多種類のPUFAを含んだ混合物である場合には、以下の点が問題となる。(1)グリセロール骨格に結
合した状態で残したいアシル基に、目的のPUFA以外の脂肪酸が混入してしまう。(2)グリセロール
骨格からはずれ副生する脂肪酸、多種類の脂肪酸の混合物になる。

この問題を同時解決するには、トリグリセライドを構成する3つの脂肪酸残基がすべて目的のPUFA
種類から成るトリグリセライドを出発原料にすればよい。こうすることにより、グリセロール骨格
に結
合した状態で残したいアシル基についても、グリセロール骨格からはずれて副成する脂肪酸についても、
すべて目的のPUFA 1種類のみから成る純度の高いものとなり付加価値が高まる。しかし、これまで自
然からや発酵法で得られたトリグリセライドの中で、PUFA1種類で成るトリグリセライドを高い割合
で含むもはなく、モルティエレラ・アルピナ(油糧糸状菌:Mortierella alpine)を培養して得たトリグリ
セライドの約19%のトリアラキドノイルグリセロールのみである。これを、高速液体クロマトグラフィ
ーなどを用いて分離精製することは、トリグリセライドを効率的かつ安定的に製造が難しい。
 

したがって、実用的には、生物資源からの抽出法に限定され、主な供給源として、リノール酸やα-リノ
レン酸は油糧植物から、アラキドン酸やジホモ-γ-リノレン酸は微生物から、EPAやDHAは魚介類や微細
藻類などが挙げられるものの、そのトリグリセライドには、多種類のPUFAが含まれ、その結合位置も
グルセロール骨格の1位、2位、3位のすべてに分布。このように、トリグリセライドの3個の脂肪酸
残基の種類を区別したトリグリド分子種の観点では非常に多種類の分子種が混在し、トリグリセライド
を構成する3つの脂肪酸残基がすべて目的のPUFA1種類から成るトリグリセライドである分子種が含
まれず、あるいは、も少量存在しているだけに過ぎず、供給源からの分離精製が難しい。グリセロール
の3個のヒドロキシル基に同一の高度不飽和脂肪酸が結合するトリグリセライドの比率が、全トリグリ
セライドに対して20重量%以上の油脂製造方法では、この油脂を産生することが出来る微生物を培養し、
目的油脂を採取し、新規なトリグリセイドを含む油脂、その製造方法、その製造に使用する微生物を提
供する。



今年、めでたく世界文化遺産に登録された"和食"、"一汁一菜"の代表格の味噌にも鰯にも豊富に含まれ
る"パファ"(高度不飽和脂肪酸PUFA)で来年も無病息災を祈念するとしよう。


 

ミュージシャンの大滝詠一(おおたき・えいいち、本名=大瀧榮一)が亡くなったことが今夜知る。昨日
午後7時ごろ、東京都瑞穂町の自宅で倒れ病院に運ばれたが帰らぬ人となったという。警視庁福生署な
によると、大滝さんは当時自宅で、家族と一緒にいてリンゴを食べていたが、とつぜん倒れたという。
119番通報で救急搬送する際には既に心肺停止状態だった。死因は解離性動脈瘤だという。

   

   

  

北欧の空のように、オーシャン・ブルーのように印象的な透明な歌声。カーステレオにはしっかり録音してある。遠出
するとき、ハンドルを握った時、忘れず君のこと思い出しているだろう。

                                                        
                                                            大晦日に合掌

 

 

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フード・ファントム・メナス(2)

2013年12月30日 | 医療健康術

 

 

【フード・ファントム・メナス(2)】

食品大手のマルハニチロホールディングス(東京)グループ社は、冷凍食品への農薬混入問題で、大規模な自
主回収に乗り出したが、原因は特
定できておらず、何者かが人為的に混入した疑いも残る。「身近な食品を信
じられないなんて」。年末年始に備えて冷凍食品を買い込んだ家庭に不安が広がったと報じられた。客から「
食品から異臭がする」という申し出を受けたのは11月13日。それから、公表まで1か月半以上が経過して
いる。この点を問われ、担当者は「群馬工場が9月に工事をしたことから、ペンキなどの臭いが移行したと判
断した。農薬とわかるのが遅れ、反省している」と釈明する。問題の食品はいずれもアクリフーズ群馬工場で
製造されたが、食品の種類はピザやコロッケ、フライなど複数で、販売場所や原材料の生産国もバラバラ。田
辺社長は「人為的な混入の可能性も含め、あらゆる調査をしている」と強調。最も懸念されるのは健康への影
響は、混入した農薬マラチオンの毒性は比較的低いとされ、マルハニチロホールディングスの担当者は「例え
ば最も高い濃度が検出されたコロッケでも、体重20キログラムの子どもが1度に60個を食べて、初めて急
性の中毒症状が起きる程度。健康への影響は少ないとみられる」と説明。一方、群馬県は30日、アクリフー
ズ群馬工場に対し、食品衛生法に基づく立ち入り検査を行う。同県衛生食品課によると、農薬の検出結果、生
産システム、清掃状況などを調べているという。

以上が冷凍食品への農薬混入問題のニュースの経緯だ。ところで、マラチオンMalathion)は、有機リン系の
殺虫剤、殺ダニ剤の一種だが、寧ろ「マラソン」と言った方がピントくる世代だ。特異臭を有する黄~褐色の
液体で、水にはほとんど溶けず、酸・アルカリにより加水分解される。光には安定であるが、加熱により分解
される。国内では、1953年に初めて農薬登録され、アザミウマ類、アブラムシ類、ハダニ類等の広範囲の害虫
に効果があるため、現在、十数社から販売されている。米国では、ポ
ストハーベスト農薬として、船倉、倉庫
等に貯蔵する小麦等の穀類に直接散布することが認可されている。作用機作は、コリンエステラーゼ活性の阻
によるもので、選択性及び速効性を有し、浸透移行性はあるが残効性は低く、また低毒性であることが知ら
れている。ところで、急性毒性は低く、経口投与によるげっ歯類でのLD50 は様々な報告があり、値も1,000~
10,000mg/kg
体重と幅が広い。これは、マラチオンに含まれる不純物の毒性の影響によるものといわれている
一方、水性生物及びミツバチに対しては毒性が強い。経口接種した場合、直ちに吸収、代謝され、尿または糞
便中に排出される。発ガン性、催奇形性及び遺伝毒性はない。ヒトのADI(許容1日摂取量)は0.02 mg/kg 体
重/日である。なお、現在、食品安全委員会が、農薬の飼料中の残留基準を設定するために食品健康影響を評
価中である。



残留については、2008~2010年度の農林水産消費安全技術センターが実施したモニタリング結果がある。マラ
チオンは、基準値のある飼料原料では、とうもろこしの7%(6/87
点、最大値:1.4 mg/kg)から検出された
が、他の飼料原料からは検出されなかった。
一方、基準値のない飼料原料では、ふすまの45 %(34/76 点、最
大値:0.48 mg/kg)、コーングルテンフィードの6%(2 /33 点、最大値:0.035 mg/kg)、コーングルテンミ
ールの10%(1 / 10 点、最大値:0.035 mg/kg)、DDGS の20%(1 / 5 点、最大値:1.7mg/kg)、スクリー
ニングペレットの100 %(2 / 2 点、最大値:0.56 mg/kg)から検出。また、配混合飼料では、9%(75 / 871
点、最大値:1.5 mg
/kg)から検出された。マラチオンは、飼料原料では、とうもろこし自体に残留している
場合もあるが、小麦及びとうもろこしの加工品(ふすま、スクリーニングペレット、DDGS、コーングルテン
ミール、コーングルテンフィード等)への残留、それらの使用量が多い牛用配合飼料での残留が顕著。そして、
飼料規制については日本国内では、えん麦、大麦、とうもろこし、マイロ、ライ麦2mg/kgが、国内の食品規
制では、鶏、豚、牛の筋肉で2mg/kg(米国より2倍厳しい)と定められている。

なお、毒性の発現は、昆虫の体内のシトクロムP450(群水酸化酵素:様々な基質を水酸化するので、多く
の役割を果たす。肝臓において解毒生物の正常活動に必要な反応に関与)により→マラオクソンへと代謝→非
可逆的なコリン(Choline, Cholin:循環器系と脳の機能、細胞膜の構成と補修に不可欠な水溶性の栄養素)エス
テラーゼ
阻害作用による毒性を発現するが、マラチオンは哺乳類ではカルボキシエステラーゼにより分解され
て不活化されるために毒性が低いとされるが、
アレルギー発症自衛行動から『食べるな危険!』を経由し、こ
とは急テンポで、この領域の情報に触発される格好になっている。世の中って複雑に絡み合っていることを再
確認させられた。
 

 

 健康な子は6%しかいないウクライナ

 ●チェルノブイリ原発事故による被害は26年後も

 「健康な子は6%」と、ウクライナ政府は2011年4月、「未来のための安全」と題した報告書で公表
 した。ウクライナは、旧ソ連時代にチェルノブイリ原発事故を起こした国で、事故後、大人も子どもも、
 健康状態が急速に悪化した。事故から6年後の調査で健康な子は22%しかいなくなっていたが、それ以
 降も、少なくなり続けている
  今、慢性疾患のある子は78%で、16%はときどき病気にかかる子だ。
  福島県と日本人の将来を知るには、ウクライナを調べる必要があると考え、2012年に、私は3度の
 現地調査を行った。第2回の調査で、「足が痛い」と言う3歳の女の子に出会った。この地域の放射線の
 空間線量は、埼玉県さいたま市にある私の事務所の日常値と同じだった。それからは、足のことを必ず聞
 くようにすると、半数ほどの子が「痛い」と言う。
  それで3回目の調査では、その地域の1校と、その1.5倍ほど線量が高い地域の2校で、計101人の
 子どもに挙手してもらい、足、頭、喉が痛いかどうかを調査した。
  すると、足が痛い子は7割、頭が痛い子は5割、喉の痛い子が4割いた。
  ウクライナの田舎は、森でキノコとベリーを採ってきて貯蔵し、食料をほぼ自給している。食べている
 食材の放射能値を検査すると、キノコは1㎏当たり200ベクレル以上、ベリーは50ベクレルを超える
 ものから10未満まであった。
  私の事務所と同じ空間線量の地域では、食事からの摂取量は1日当たり約10ベクレル/㎏。この水準
 を食べ続けると内部被曝で「痛み」が出るわけである。
  日本でも、福島県はもちろん、関東北部の自給度の高い農家では、このレベルの食事をしている。だか
 ら、子どもが足や頭が痛いと言ったら、放射能の影響を疑う必要があるのだ。

 ●再生しない組織が、放射能でダメージを受けると

  放射能の基準は、日本も国際基準も、ヒトの「無発ガン量」を考えて作成されており、ガン以外のこと
 はほとんど考慮されていない
 「痛み」は、まったく考慮されていないから、こういうことが起こるのである。
  放射線が、盛んに分裂する細胞の遺伝子を傷つけるとガンが発生する。このことは、専門家がよく研究
 し、マスコミもよく取り上げている。
  一方、細胞分裂しない「非再生系」の組織や細胞が放射線で傷つけられると、ダメージを回復できない。
 このことが考慮されず、知られてもいなかったので、ウクライナでは、食品汚染による内部被曝で、心臓、
 脳、神経、筋肉などがダメージを受け、痛みを発している子が多いのに、対策が取られていないのだ。

 ●26歳女性は「ニトログリセリン」を持ち歩かなくなった

  この痛みは、治るのか、治らないのか、それが大きな問題だ。
  そこで、月刊「食品と暮らしの安全」の読者からいただいたカンパで、このような痛みのある26歳の
 女性に、2012年4月12日から70日間、非汚染地で保養・療養してもらい、どうなるかを確かめて
 みた。
  チェルノブイリ原発から西へ約120㎞で、移住できる権利があった第3種汚染地域にあるビグニ村で
 生まれ、大きくなったナタリアさんは病気がちで、手も足も頭も痛く、心臓も悪いので、心臓薬のニトロ
 グリセリンを常に持ち歩いていた。
  そのナタリアさんに、非汚染地帯で保養・療養をしてもらうと、1人暮らしでストレスがたまったこと
 もあり、45日目でも体調は良くなっていなかった。
  そこから体調が上向き、54日目には体の痛みが少なくなって、70日目には痛みがなくなり、ニトロ
 グリセンを持ち歩かなくなっていた。
  現地での報告会の最後に「ほら、どこも痛くないわよ」と明るく語り、「元気になったので、来年、結
 婚します」と、ナタリアさん。非汚染地帯の首都キエフで仕事を探している彼女に、調査ツアーの参加者
 はすぐにカンパを集めて、1ヵ月分の生活費に相当する結婚祝いを贈った。間もなくキエフで仕事が見つ
 かったので彼女の、痛みは再発しないだろう。
  ストレスを少なくして保養すれば、痛みはおそらく60日で消える。
  そこで次は、痛みを訴える子どもの家庭に、汚染度が特に高いキノコを食べないようにする代わりに、
 肉と牛乳を無償で提供して、どうなるかを調査している。
  それで成果が出れば、ウクライナ政府に、食品安全の基準を引き下げるよう提案する予定だ。
  日本でも、福島県だけでなく、岩手県から関東にかけて住んでいる子に「痛み」の被害が出たら、一連
 の調査実験の知見が、治療に役立つことだろう。

                            小若順一 著『食べるな危険!』、PP.21-25


 牛肉
 オーストラリア産の赤身を選ぼう

 ●放射能汚染が低レベルの牛肉を食べるか食べないかの選択

  原発事故から三ヵ月ほどたつと、放射性セシウムが1㎏当たり1千ベクレルを超える牛肉が次々と見つ
 かった。それから一年以上たったので、当初の汚染された牛肉は売りつくされ、高いレベルの放射能が含
 まれる牛肉の不安はなくなっている。
  これからは、百ベクレル/㎏の基準は超えないが、少し数値の出るレベルの牛肉を食べるか、食べない
 かの選択になる。
  中部地方から西と、青森県・秋田県から北は、牛肉の検査結果はすべて「不検出」になっているが、福
 島県とその近くの県の国産牛肉は、数値が出ることもある。基準から見ると低レベルだが、毎日食べ続け
 ると体に痛みが出るレベルもある。たまに食べるなら心配ないが、牛肉好きの人は避けた方がいい。
  妊婦や子どもは、「不検出」地域の国産牛肉か、輸入牛肉を食べよう。
  産地が不明の国産牛肉よりも、輸入牛肉にした方が無難だ。

 ●牛肉による食中毒にはブームがある
 
  牛肉による食中毒は、地域や菌が違っても、起こるときは、立て続けに起こる傾向がある。食中毒には
 ブームがある。
  そして、ブームには理由があるのだ。
  最近の例では、成型肉が原因だった。本来の肉をステーキにするのなら、肉の中は菌で汚染されていな
 いから、表面だけ焼けば、食中毒は起きない。
  ところが成型肉は、肉の中に菌が入っているから、中まで焼かないと食中毒が起きる。このことは、大
 手ステーキレストランチェーンではわかっているので、当初は気をつける。しかし、何年もたつと気が緩
 んできて、加熱条件が甘くなる。それで、チェーン店で相次いで腸管出血性大腸菌O-157などによる
 食中毒が起こったのだ。
  これがニュースになると、腹痛になっても「肉の食べすぎ」と思っていた人が「食中毒かもしれない」
 と思うようになり、食中毒に気づく人が増えて、他のステーキチェーンでも、次々と食中毒が「発生」す
 ることになる。腸管出血性大腸菌は、放牧されて草を食べている牛の胃の中にはいない。ところが、牛を
 太らせようと、穀物を食べさせると、牛の胃袋の中で発生してくる。それが、牛糞堆肥として田畑に撒か
 れるから、野菜や地下水も汚染されるようになっている。
  O-157による集団食中毒が発見されたのは1982年だ。アメリカとカナダで同年に発見されてい
 ることは、両国で牛を大らすために、当時から穀物を食べさせていたことを示している。
  一方、オーストラリアの牛は自然放牧なので、草を食べて育つ。だから、同国内で食べている牛はO-
 157を持っていない。
  ところが、オーストラリアでも、日本や韓国向けの牛は、穀物を食べさせるフィードロットという巨大
 施設に3ヵ月から1年ほど入れて、無理して太らせるので、O-157を持っているのだ。
  オーストラリアに行って、現地の人が食べているグラスフェッドという放牧牛の肉を塩・コショウで食
 べると、とてもうまい。脂身が少ないから、健康にもいい。
  日本人も、常食する牛肉はこういう赤身の肉にして、サシの入った高級肉はまれに食べるようにするの
 がいい。脂を避けようと、鶏肉を食べている女性も、オーーストラリア産の赤身の牛肉なら、脂肪分は大
 差ないので、安心して食べていい。
  2012年7月から、飲食店で牛レバーは生食用としての販売・提供が禁止された。
  レバーの内部からも腸管出血性大腸菌が検出されたからだ。レバ刺しを提供できなくなり、レバーを販
 売・提供する場合には、レバーの中心部まで63度で30分間以上か、75度で1分間以上加熱しないと
 客に出せなくなった。
  すると、豚の生レバーを出す店が出てきた。だが、豚は人に近い動物なので、生で食べると、菌やウイ
 ルスが人に感染する可能性が高い。「無菌豚」も特定の数種類の病原菌がいないだけで、生食すると危険
 である。それで、厚生労働省は全国の自治体に、豚レバーも十分に加熱してから提供するよう飲食店に指
 導する通知を出した。
  原子力村の研究者たちは、放射線照射によって肉の内部を殺菌し、生牛レバーを出せるように提案し、
 研究を始めている。原発事故で原子力が先細りになることを恐れての提案だが、放射線照射した生レバー
 が解禁されても、気持ちが悪いので、食べる消費者は少ししかいないだろう。こういう研究は税金のムダ
 使いだから、研究費を福島県民への補償に回すべきだ。
  レバーの中にいる菌を殺すより、牛を健康にして生レバーを安全にする方がいい
  牛に草や干し草を一週間、食べさせたら、胃の中から0-157は消える。草を食べさせて健康的に牛
 を飼っていたら、レバーの中にO-157はいなくなるのだ。しかも、健康な牛のレバーは味がいい。だ
 から、草を食べて健康的に飼われている牛だけ、生レバーを食べられるように解禁する制度にすればいい
 のだ。
 

                            小若順一 著『食べるな危険!』、PP.70-73


http://www.sanseido-publ.co.jp/publ/nouyaku_doku_3sakuin.html(農薬毒性の事典 第3版 索引一覧)

以上、晦日、大晦日前夜のブログとしてはなんとも高揚感のないテーマを扱ってしまったが、これはこれとし
てシリーズとして適宜、適時、時宜を得て掲載していくこととする。
 

 

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脳スキャナと倫理

2013年12月29日 | デジタル革命渦論

 

 

【脳科学と倫理】

脳機能についての理解が進む中で、研究の最前線として神経科学と並んで注目を集めているのが、生命倫理の
分野だ。米国の生命倫理に関する大統領評議会(Presidential Commission for the Study of Bioethical Issues)は
今月18日の会合で、脳科学の道徳的問題を話し合った。バラク・オバマ大統領は今年、BRAINイニシアチ
ブ(Brain Research through Advancing Innovative Neurotechnologies Initiative)と称し、予算1億ドルを投じて
脳活動のマッピング研究を行う国家プロジェクトの開始を発表。こうした神経科学研究によって人の精神
のはたらきを垣間見られるようになった場合に、
どのような道徳的ジレンマが起こりうるかを検討するの
が目的だ
。生命倫理および遺伝学の専門家であるスタンフォード大学のハンク・グリーリー(Hank Greely
にインタビューを行い、神経科学における大きな議論を5つ紹介した(ナショナルジオグラフィック、脳
科学と製麺倫理の、今後の5つの課題
2013.12.25)。

その5つの課題とは

1.予測:病気の発症も、犯罪も予測できる?
2.「心を読む」:麻痺患者との意思疎通や、嘘発見器に応用できる?
3.責任能力:脳疾患による判断能力の喪失が裁判で認められる?
4.治療:医療への応用はどこまで可能か?
5.能力向上:薬剤による能力向上は許される?

これに対し次のように回答している。

1.アルツハイマー病の発症可能性の予測には、多額の研究費が投じられている。実際に予測が可能にな
ったら、家族のあり方や医療制度に、非常に大きな影響が出るだろう。もう1つ、予測の対象として考え
られているのが犯罪だ。脳スキャンによって、犯罪に走る可能性の高い個人を特定できるようになったら、
どうなるだろうか。すべての刑事事件について脳スキャンを行うかどうかは、賛否両論となるだろう

そらく脳スキャンのデータは、刑事裁判においては証拠の1つとして扱われるにすぎない。もともと再犯
の可能性が高いと目されていた受刑者について、神経科学の立場からも同様の予測が得られた場合は、刑
期満了後に予防的収容や予防的治療を行うかどうかの判断には大きな影響がおよぶだろう。

2.神経科学で「心を読む」ことが可能になると最初に提唱した際は反論を覚悟していたが、同業者の多
くはこれに同意した。たとえば、マサチューセッツ工科大学(MIT)の学部生らを対象とした実験では、
被験者の思い浮かべているものが人の顔か、風景かを、85%の精度で言い当てているが、これは十分な数
字だ。実用化の意義があるのは、重度の麻痺があって会話ができない患者の意思を、脳スキャンによって
確認するなどの利用法。これを発言の真偽の確認に利用した場合は、法的、倫理的、社会的にさまざまな
問題が持ち上がるだろう。現在、神経科学による嘘発見を行っているのは、ノーライMRI(NoLieMRI)の1
社のみだが、同社はその方法も結果も公表しておらず、問題視されている。それでもポリグラフの代替と
なる嘘発見技術を模索している国防省からは、この分野に関心が寄せられている。「心を読む」技術が法
廷で利用されるとしたら、手始めは身体障害の認定に関してだろう。腰痛を訴えて社会保障を請求してい
る人の中には、実際には痛みのない人もいる。現状では確認の方法がないが、神経科学によって確かめら
れるとすれば意味がある。

3.神経科学者の中には、この分野の発達によって、将来的に司法制度はなくなると考えている者もいる。
ヒトには厳密な意味での「自由意志」など存在しないということが、神経科学によって明らかになると見
ているためだ。「脳に命令されたからやった」では、責任能力を問えない。もっとも、この見方を支持す
る司法関係者には会ったことがない。ただし1つだけ、バージニア州で起こった事例を紹介しよう。40歳
の男性が突然ポルノに興味を持つようになり、児童ポルノに関心が移って、ついに12歳の義理の娘に乱暴
した。男性は判決の直前に、頭痛があって文字が読めないと訴え、意識を失った。緊急手術によって、男
性の左前頭葉に鶏卵ほどの大きさの腫瘍が見つかった。この部位は、研究によって、判断や認識に関わる
とされている。腫瘍を切除したところ、男性の性衝動は失われた。ところが10カ月後、男性は保護観察官
に対し、再び衝動を覚えるようになったと告白した。X線検査によって腫瘍の再発が確認され、再び切除
手術が行われた。それから数年、この男性は逮捕されるような事件を起こしていない。脳の異常によって
判断能力を失うことがあると証明されれば、以前の裁判時に脳スキャンを勧めるべきであったとして弁護
士を訴える事案が、今後多発するだろう。

4.神経科学に多額の資金が投じられているのは、パーキンソン病などの疾患の治療への応用に期待が寄
せられているからでもある。しかし、たとえば麻薬中毒などの治療への応用については慎重にならざるを
得ない。また、脳スキャンの結果に基づいて、司法が治療を命じたり、親が子に治療を受けさせたりする
ことは、どの程度まで認められるだろうか。

5.この話題でまず思い浮かべるのは、大学生が勉強の効率を上げるため、みずからの意思でアデラル
リタリン(いずれも注意欠陥障害の治療薬として用いられる)を服用する事例だ。これらの薬剤には眠気
防止効果こそ認められているが、勉強の役に立つという裏づけはあまりない。だがもし効果が実証された
場合、薬剤の使用による能力向上は、使用しない学生に対して不公平ではないだろうか。薬剤の使用によ
って資格試験に受かったとして、その学生は十分な能力があると言えるだろうか。記憶は、神経科学研究
が影響を及ぼしうる分野である。すでに、アルツハイマー病や通常の加齢に伴う記憶力の喪失との関係で、
さまざまな研究が行われている。

以上がその回答だが、脳科学を結集した脳スキャナの利用による高度な医療、犯罪予防、学習能力開発が
もたらす利便性と倫理の変容に関するイメージ化はこれからといったところだが、その適用に当たっては
慎重を要すだろう。ところで、国立遺伝学研究所の武藤彩助教らのグループは、今年2月に、熱帯魚ゼブ
ラフィッシュの稚魚が、周囲を動き回るゾウリムシを目で追う時の脳活動の様子をリアルタイムで観察す
ることに成功している。それによると、神経活動の検出のために、神経細胞の電気活動に伴う細胞内カル
シウムイオン濃度の上昇を間接的に測定するカルシウムセンサー「GCaMP(ジーキャンプ)」を、緑色
蛍光タンパク質(GFP)を基にして作った。GCaMP にカルシウムが結合すると、蛍光強度が増加すると
いう(研究チームはカルシウムの検出感度を改善した「改良型GCaMP」を開発し、ゼブラフィッシュの視
覚中枢である「中脳視蓋(がい)」の神経活動を観察、下図クリック)。

尚、ヒトや魚などの視覚をもつ動物はすべて、視野全体に対応する神経細胞が脳の表面に並んだ共通構造
をもち、これは「視覚地図」と呼ばれる。目で見た外の世界は「視覚地図」へと投影されるが、この様子
を自然な条件下でリアルタイムに観察した例はこれまでなかった。

 

※ 特開2012-085542 特定部位のアミノ酸を置換した緑色蛍光蛋白質又はそのホモログを用いたカルシウ
  ムセンサー蛋白質
※ 2013.08.22、WIRED、脳スキャンで「見ている文字」の解読に成功
2013.08.23、サイエンス&テクノロジー、12年間植物状態の患者と脳スキャンを使って会話すること
  に成功(下図クリック)

 

 

 

日本でセスキ炭酸ソーダを取扱っている企業は美浜株式会社で、米国ワイオミング州グリーンリバーのト
ロナ鉱石より産出される天然ソーダの1つ。NaHCO3・Na2CO3・2H2Oという組成を持ち、炭酸水素ナトリ
ウムと炭酸ナトリウムの複塩。輸入元のFMC CorporationFMC社)は1883年の創業以来、農業・工業市場
をリードするケミカルカンパニーで、セスキ炭酸ソーダをはじめ様々な商品を展開しているという。 
 

 

雪除け作業をしたものの、融解前のタイヤで押し固められた雪は重くやっかい。そこにかけて、道路を走る車の排
気ガスの影響がひどく、作業終えて部屋に戻っても、咳込みが続くが、これは気管支炎というより、アレルギー症状
といった方がよいだろうが程なく治まるが、作業中はマスクは欠かせないと反省する。さて、大晦日・除夜が迫る。




         いつの間に夜の省線にはられたる軍のガリ版を青年が剥ぐ


         世をあげし思想の中にまもり来て今こそ戦争を憎む心よ


         漠然と恐怖の彼方にあるものを或いは素直に未来とも言ふ


                         
                             『埃吹く街』/近藤芳美

                              


彼女が、新年の料理は、何も特別なことはできないので、巻き寿司と数の子ねと言うので、それと、雑煮
と金亀(清
酒)があればそれで結構と応じる。三首目の「漠然と恐怖の彼方にあるものを或いは素直に未来
とも言ふ」が来る年により具現すると覚悟し、今宵は近藤芳美の歌から三首掲載する。



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量子ドット太陽電池元年(3)

2013年12月28日 | デジタル革命渦論

 

 




【群量子効果商品開発時代】

 先日、カナダのサスカチュワン大学のキリー教授らのグループは、ナノ酸化亜鉛粒子薄膜
で、CH3NH3PbI3 ベースのペロブスカイト型太陽電池を作製しこれまでの最高変換効率で
ある15.7%を記録し公表された。いわゆる、
有機材料を用いる代表的な色素増感太陽電池
と有機薄膜
太陽電池は11%を超える太陽光エネルギー変換効率に到達しているが、前者は
電気化学方式のために電解液を
用いる必要があり、後者は有機化合物のみを集光と電荷
送に用いることが発電特性に制限を与えていた。これに対し、日本の酸化チタン多孔膜系
色素増感型太陽電池で宮坂力桐蔭横浜大学教授らは、
2009年に有機無機複合化合物(CH3
NH3PbX3 ,
X=Cl, Br, I)のペロブスカイト結晶が強い光吸収を持ち、半導体として光発電
特性を示すことを発見し(JACS,
2009 , 131 , 6050)、金属酸化物ナノ多孔質膜の表面にこ
の結晶生成の原料をスピンコートで感光
性ペロブスカイト結晶の薄膜を形成し、その上層
に有機の
正孔輸送化合物をスピンコートすることで固体薄膜太陽電池を製作(溶液塗布法
で成膜)した
有機無機ハイブリッド構造のセルで11%%に近い効率を記録している。


ところが、今年7月には、スイスの大学(Ecole Polytechnique Federale de Lausanne:EPFL
は、同大学の研究者Michael Gratzelの研究チームが変換効率15%の固体型色素増感型太陽
電池(DSSC)を開発したことを公表。従来のDSSCの変換効率は最高で13%台だった。
 
因みに、このDSSCは、色素増感材料としてペロブスカイト構造の無機と有機混合型材料
ガラス/FTO/TiO2/CH3NH3PbI3/HTM/Auの構成の固体型DSSCである。


上図の参考にすれば、変換効率向上のカーブは急上昇していることが伺えるそれだけで
はないことが相次いで国内で公表されているが、その1つが、 産業技術総合研究所の
関和彦らのグループは、新世代の太陽電池の一つとして注目されている有機太陽電池の
光電変換効率の理論限界を求めたと公表。従来、無機太陽電池の光電変換効率の理論限
界は知られていたが、無機太陽電池と有機太陽電池の、光を吸収した後に電気を生み出
す機構の違いを考慮に入れて、有機太陽電池の光電変換効率の理論的限界を算出し、電
荷分離に必要な余剰エネルギーが0.4 eVであるとして、理論的に計算された単接合の有
機太陽電池の光電変換効率の限界値21%は、現状の効率である10~12%より十分高く、
今後、材料の選択や改良、構造の最適化によって光電変換効率のさらなる向上が期待で
きるとしている。



さらに、つい最近、神戸大学 大学院理学研究科の小堀康博教授らは、有機薄膜太陽電
池にで
きる電荷(電子と正孔)の正確な位置と向きの観測に成功し、光から電流が効率
よく生まれる仕
組みを分子レベルで初めて明らかにしている。これらのことを考え合わ
せてみると、太陽電池の変換効率とその構造の関係の見直しが行われていることが了解
できる
。つまりは、ESR(電子スピン共鳴)装置などの高度な精密計測技術を背景として、
無機/有機あるいは、固体/液体といった概念を取っ払い、"量子サイズ効果領域
 ”※で
の研究開発を進めることで、より革新的な技術を手にすることが期待できる。

※ナノ微粒子の直径を原子のド・ブロイ波長(数nm~20nm)程度まで小さくすると、電
子がその領域に閉じこめられるため、電子の状態密度は離散化される。
さらに電子の運
動の自由度が極端に制限されるために、その運動エネルギーは
増加する。したがって、
粒子径が小さくなるにつれて、バンドギャップエネルギーが増加する。この現象を量子

サイズ効果と呼ぶ。この量子サイズ効果により、半導体ナノ結晶では光の吸収・発光波
長を粒子径により制御することができる。

さらに、東京大学はアナターゼ型の結晶構造を持つ酸窒化タンタル(TaON)の高品質
な単結晶薄膜を合成することに世界で初めて成功し、高い電子移動度を示す高性能な半
導体材料であることを発見したと公表。TaON(Ta:タンタル、O:酸素、N:窒素)は重
金属を含まない顔料や光触媒としての応用が研究され、アナターゼ型のTaONは、発光ダ
イオードや太陽電池などの光デバイスの透明電極や水素発生用の光触媒材料などに応用
できると期待されるという。また、アナターゼ型のTaONの単結晶薄膜を合成する技術は
の酸窒化物にも適用できるため、新たな電子デバイス材料の開発に貢献する手法とし
期待でき、合成した薄膜の電気的な特性を評価したところ、結晶中の酸素や窒素をわ
ずかに欠損させることで電子の濃度を調整することができ、優れた電気伝導性を示す半
導体であることを発見した。半導体材料における電気伝導性の指標である電子移動度は、
透明導電体として応用されているアナターゼ型のTiO2と同程度の高い値だったとのこと。
今夜のとこでは詳しい予想を記載することができないので残件扱いとしておきたい。

 




くるくる鍋が評判だといういうので、半信半疑で調べてみると、有限会社WATANABE
「くるくる鍋」は、独自の構造で鍋内部に渦巻きを発生させる調理器具だった。調理時
に面倒なかき混ぜ作業を自動化してくれるので、ゆでながらほかの作業をできる。吹き
こぼれしにくいことや、アク取りしやすいことも大きなメリットという。発明者で社長
の本業は愛媛県の開業医の歯科医。「くるくる鍋」は電源不要で、原理は簡単。渦は加
熱により温度差で起きる対流を利用。ただし、IHクッキングヒーター(誘電加熱)では
使用できない。なお、WATANABEの公式ウェブサイトでは「くるくる鍋」の利用シーン
を動画で確認可能(上写真クリック)。くるくる鍋の料理レシピを制作中という。形状

は石膏で型取り試行し改良という。いや感心してしまった。
 

 

昨夜から、積雪で例年より遅く朝から雪かき。降ったりやんだりするなか、親父と先輩
の墓参りを行い、夜は雪降る中ご近所の方三名で年末夜警。拍子木を打つ手が悴むこと
甚だし。帰宅後衛生テレビ放送で井上陽水の大ヒットアルバム『氷の世界』の製作の時
代背景を探り文化史的な意味を問うていた。そうそうたるメンバーが出演している。ア
ルバムにおさめられているその1曲1曲にまつわる記憶を思い出し回顧する。
 

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フード・ファントム・メナス(1)

2013年12月27日 | 医療健康術

 

 

 





昨日も朝から彼女が頭痛がひどいと慌てて病院に駆け込む騒ぎがありして、予定が狂
い何とか格好付けて一日を終えることができたが、夜になると先日もあった腹痛・下
痢症状がでて惨憺たる状態で就眠する。その前に、例の通販注文した書籍が届いてい
たので(『スタインベックと花粉』)、早速、目を通すことに。
 

 福島第一原発が爆発事故を起こしてから、食品の安全性は大きく変化した。事故
 の前は、まず六割を占める輸入食品の安全性を考え、次に国産食品の安全性が、

 どの位置にあるかを考えて適切な食品を選べばよかった。ところが、9.11以
 降は、
まず国産食品の放射能汚染を考えねばならなくなった。今は、福島県産以
 外の農産物はほとんど放射能が「不検出」になり、その後放射能
の規制基準が強
 化されたので、多くの人が放射能汚染のことを忘れ去ろうとしている。
だが、ま
 もなく「痛み」が、放射能汚染のことを思い出させるだろう。
私は、20回1年
 にチェルノブイリ原発事故が起きたウクライナを三度調査した。
原発事故が起き
 たとき、強い放射線を浴びた労働者は、血をはいて数時間でミイラ
のようになっ
 て死んだり、筋肉が骨から脱落して苦しみながら死んでいった話を聞い
て衝撃を
 受けた。

 そして「非汚染地域」に区分されている学校に行き、「足が痛い子」と問うと、
 七割が手を挙げ、「頭が痛い子」は二割、「喉が痛い子」は三割が手を挙げた。
 ここは、埼玉県さいたま市のわが事務所と同じ線量だから、日本も無事ではすみ
 そうにない。ウクライナ政府は三二万人の子どもを調べて「健康な子は六%」と
 報告している。日本はウクライナより被害は少ないが、それでも福島県はもちろ
 ん関東でも被害者が出そうだ。太平洋産の魚をよく食べる人は、病気にかかりや
 すくなるだろう。危ないと感じている人は、痛みが出る前に、放射能への対策を
 取ろう。対策の第一は、放射能汚染が少ない地域の食品を食べることだ。第二は、
 放射性セシウムの「同族ミネラル」であるカリウムと、放射性ストロンチウムの
 「同族ミネラル」であるカルシウムをたっぷり摂って、放射能を体に入れないよ
 うにし、さらに体内から放射能を追い出すことだ。放射能を抜くために、煮汁を
 捨ててはいけない。ほとんどの人はミネラル不足の食事をしているので、病気に
 かかる危険性が高くなる。原発事故が起こる五年前から私は、食品加工でミネラ
 ル不足が生じていることの解明に取り組んでいた。そして、さまざまな食事のミ
 ネラルを実測して、現代人がミネ
ラル不足の食事ばかり食べていることを実証し
 ていた。基準を満たさない状態が1ヵ月ほど続くと、1ミネラルだけで半数の人
 が病気になる「推定平均必要量」という食事摂取基準がある。この基準を満たさ
 ないミネラルが、四つも五つもある人が多いのが実情だ。

 それなのに、ミネラルを体内に吸収させない食品添加物が使用されているから、
 心身の健康状態を低下させている人が非常に多いのである。食物アレルギーなの
 に、無農薬のものを食べたら何ともなかった人が多かったことから、残留農薬が
 アレルギーにかかわっているという事実も、もう忘れ去られている。0157な
 どの病原性大腸菌は、家畜の生理に反した飼い方によって発生しているのに、飼
 い方を変えないで対処するから、危険はいつまでたっても解消しない。本書を手
 掛かりに、あなたと家族が、安全な食生活をおくるようにすれば、健康になって
 幸福感が増すことになるだろう。


                小若順一 著『食べるな危険!』、
前書きより

                              
 


●放射能汚染による格付け図

魚だけでなく、野菜、米などの農作物も、個々の値が大きく違う。だから「安全宣言」
が出ていても、安全になったと考えるのは早計である。
放射能汚染食品を的確に避け
ることができるように、原発事故から一年後に公表さ
れた都道府県の放射能汚染デー
タを基に、放射線量が一桁ずつ違う十ランクに分類し
て、格付け図を作成した。3ラ
ンク違えば、汚染度に大きな差があるから、個々の
データより、格付け図を参考に、
産地を見て的確に食品を選はうと提案している。
汚染は徐々に減るので、公表データ
から2012年5月に格付けランクを改訂した。
それが、放射能汚染による格付けである。
この図は海の魚には適用できない。海産物は、魚種と海域で選ぶのがいい。北海道の
海産物は安全だったが、2012年10月、室蘭市沖で獲れたマダラから1キログラム
当た
り百ベクレルが検出された。このマダラは三陸沖から北上したとみられ
ているが、北
海道の海産物も安全でないものが出てきている。

 

前書きの「ところが、9.11以降は、まず国産食品の放射能汚染を考えねばならな
くなった」 
との但し書きがこの著書を支配していることに気づく。著者の小若順一は
、食品と暮らしの安
全基金代表。岡山県岡山市生まれ。現場取材と食品検査が得意な
市民運動家。ポストハー
ベスト農薬の全容を解明した。安全性の分野で幅広く活動し、
最新情報を月刊誌『食品と暮らしの安全』で発信している。9.11以降は、2012年
からチェルノブイリ原発事故が起きた国、ウクライナへの調査開始。 遺伝的な影響を
念頭に置き、第1回実態調査を2012年2月に。 2回目は5月末に調査。 2012年9月に
行く。3回目の調査で、放射能が非再生組織に痛みを引き起こすことを発見。食品が
10 ベクレル/kg 程度汚染されているだけで、足が痛い子が7割、頭痛が2割、喉痛が
3割もいたとし、 「ウクライナ調査報告書」を作成している。


 


放射能汚染禍情報は大変重要だが、ここは鶏肉・鶏卵の安全性に絞り、読み進めるこ
とにする。

 耐性菌の製造工場になっている肉用の養鶏場

 鶏肉は、肉の中で最も安い。それは、
鶏を過密に飼っているからだ。肉にする鶏
 は、畳一枚のスペースに三〇~五〇羽
の割合で飼っている。小さいうちはこれで
 いいが、鶏が大きくなってくると、詰
め込まれた状態になる。鶏が見えるぎりぎ
 りの暗さにして、運動をさせないと、
少量のエサで鶏は太る。だが、元気ではな
 いので、エサには常に三種類の抗生物
質が混ぜ込まれている。エサに混ぜる抗生
 物質は薄い濃度だが、実は、この方が
耐性菌は出現しやすい。腸内に出現した耐
 性菌は、糞に混じって出てくる。鶏は
糞の上で生きているので、糞が乾燥し、抗
 生物質の濃度が高くなると、耐性菌は死ぬ。だが、生き残った菌がいると、それ
 が増えて、高濃度の抗生物質でも効かなくなるからだ。こうして耐性菌は鍛えら
 れ、ほとんどすべての抗生物質が効かなくなったのが、ヨーロッパで発生したV
 RE(バンコマイシン耐性腸球菌)だ。「菜・彩・鶏」「南部どり」などの銘柄
 鶏にすれば、健康的に鶏を飼っているから昧もいいし、耐性菌の心配もない。鶏
 肉も、福島県産以外なら、放射能の心配はもうない。

 チキンナゲットには添加物がたっぷり

 ハンバーガー店でよく食べられるチキンナゲットには、ミネラルを奪うリン酸塩
 を
筆頭に、添加物がたっぷり入っている。「チキンナゲットだけは食べない方が
 いい」と業界に詳しい人が言うので、メーカー
の公表値と、食品成分表の鶏ひき
 肉を比較すると、チキンナゲットの方が圧倒的に多
かったのが、子不ルギー(カ
 ロリー)、脂質、炭水化物、ナトリウムである。これは
鶏肉と鶏皮にデンプンを
 入れて増量し、食塩、化学調味料で味をつけて揚げたことを示している。
 チキンナゲットと、チキンバーガーのミネラルを実測してみると、カルシウムと
 鉄はチキンバーガーの半分以下だが、マグネシウムは二倍も含まれていた。
 極端に少なかったのは増量したために薄まったからで、多かったのは添加物が使
 われているからだ。
 一食分の食事を消化するのに、人体は1~1.5リットルの消化液を作る。それに
 必要なミネラルをチキンナゲットから取り出して用いることができないので、体
 のどこかから奪い取って用いることになる。
 チキンナゲットはミネラル不足をひどくする食品だから、食べるときは粒マスタ
 ードをたっぷりかけることだ。そうすれば、種に含まれている豊富なミネラルが
 ミネラル不足をかなり解消してくれる。
 チキンナゲットを買ってきて食べるときは、粒マスタードだけでなく煮干し粉を
 混ぜたケチャップソースや、すりゴマを混ぜたマヨネーズソースを作って、ミネ
 ラルを補給しながら食べるのがいい。
 リン酸塩不使用のチキンナゲットを販売しているのが生協である。「リン酸塩」
 「pH調整剤」「ベーキングパウダー」など、リン酸塩を含む添加物は使用して
 いない。
 レベルの高い生協では、抗生物質不使用で育てた鶏肉を用い、化学調味料を不使
 用にしてナトリウムを減らしたチキンナゲットもある。チキンナゲットに関して
 は、生協のものが断然、安全性が高く、健康にいい。
  


                          - 中 略 -                          
  
                                

  たまごでレシチンを補おう

 卵の黄身の色は、合成色素を用いた枡色から、トウモロコシと大豆絞りかすだけ
 の黄色い色、国産米を飼料に用いた白い色まで、さまざまある。
 黄身の色が濃いものは、合成色素のカンタキサンチンで着色されたものが多い。
 野菜のパプリカでも、黄色から赤色に近い色まで着色できるので、一時は合成着
 色料に変わって、全国的に使われるようになった。
 しかし、多量に使って黄身の赤い卵にしようとすると、鶏が嫌がるだけでなく、
 鼻がいいイヌも食べなくなる。卵がまずくなるので、パプリカを使用する養鶏場
 は減ってきている。


 今はケージを14段まで積み重ねている
 

 鶏はケージ養鶏がほとんどだが、10年前は10段にケージを積み重ねたのが、最高
 
だった。その後、飼育システムの近代化がさらに進み、今では一四段まで積み重
 ねた
大手養鶏会社が出てきている。まさにケージを森のように、広く、高く積み
 重ね、照
明を落として、森の夜のような環境の養鶏場になっているのだ。
 鶏舎は、無窓のウインドレス鶏舎が主流だ。このタイプが広がった理由のIつが、
 鳥インフルエンザである。野鳥が鳥インフルエンザのウイルスを運ぶので、窓が
 ない
方がウイルスを感染させにくいというわけだ。
 ところが、「森のたまご」で有名なイセ食品の、ウインドレス鶏舎で鳥インフル
 エ
ンザが発生し、次々とウインドレス鶏舎で鳥インフルエンザが発生した。
 「ウインドレス鶏舎では鳥インフルエンザに感染しない」という説は間違いで、
 不健康な鶏は、ほんの少しのウイルスが侵入しても感染することが判明したのだ。

 黄身には、肌や神経に必要なレシチンが多く含まれる
 
 卵の黄身には、細胞膜や神経組織に必要なレシチンが豊富に含まれている。現代
 
の食事は、水洗い、湯洗い、水煮、油で揚げるなどの調理されたものが多い。
 レシチンは細胞膜の主成分だから、どのように調理しても、必ず食品の素材から
 出てしまう。今は調理後の汁をたいてい捨てるので、卵を食べない現代人はレシ
 チン不足になっている。すると、肌荒れが起こるだけでなく、神経組織の働きが
 鈍くなり、頭脳も本来の能力を発揮できない。
 レシチンは熱に弱いから、半熟卵や生卵を食べるのがいい。レシチンが足りると、
 細胞膜が健全になるから、皮膚がいきいきするようになり、神経細胞も健全に働
 くようになるので、精神的にタフになり、子どもの場合は成績が向上する。

  平飼いの元気な鶏の卵を

 ケージに入れず、平飼いしている鶏の卵は、価格が高い。鶏が元気に遊び回って
 健
康で、その健康を受け継いだ良い卵なので、高いのは仕方ない。
 スウェーデンやデンマークでは、鶏を虐待せずに飼っている良質な卵として、か
 な
り高い卵が何割ものシェアを占めている。日本には、そういう卵が少ない。
 それどころか、ケージに鶏を満員電車のように詰め込んでヨーロッパでは虐待の
 象
徴とされるように飼っている全国流通のブランド卵が高く買われる傾向がある。
 ウインドレス鶏舎で生産された卵を買うなら、ブランド卵を避け、値段の安い卵
 を
選べばいい。
 ケージ飼いでも、開放鶏舎で、鶏にできるだけ広いスペースを与え、健康的に飼
 っ
ている鶏なら、病気にかかりにくいので、虐待している鶏の卵より昧がいい。
 品質に
明らかな差があるから、全国流通のブランド卵より少し高くなっても、開
 放鶏舎で
飼っている鶏の卵を選ぶのがいい。
 エサの安全性にまでこだわって卵を生産する生産者も、全国にいる。
 鶏のエサは、遺伝子組み換え品種を用いて、収穫後に農薬を混入したトウモロコ
 シ
が一般的だが、遺伝子組み換えでないトウモロコシを植えて、ポストハーベス
 ト農薬二〇〇ページ参照)を使用していないトウモロコシを指定して買い付ける
 のだ。ただ、そういう良い卵を買う人が少ないため、値段差が大きくなっている。
 消費者は、黄身の色が薄い着色されていない卵を手掛かりに、鶏を開放鶏舎で健
 康的に飼っている生産者を探して、少し高くても、元気のいい鶏の卵を選ぶのが
 いい。
 開放鶏舎で、鶏にいいエサを食べさせて健康的に飼っている生産者を数例挙げる
 と青森県の「トキワ養鶏」、仙台に本社がある「花兄園」、富山県の「仁光園」、
 山口県の「秋川牧園」がある。
 こういう貴重な卵を扱っている生協は、生活クラブ生協、パルシステム、グリー
 ンコープ、東都生協、やまゆり生協、なのはな生協、愛媛有機農産生協、コープ
 自然派など多数があるが、安ければいいという生協は、こういう卵の販売をやめ
 ている。
 共同購入では、大地を守る会、大阪愛農食品センター、オルター、らでぃっしゆ
 ぽーや、全国有機農法連絡会などで、遺伝子組み換えをせず、ポストハーベスト
 農薬も使用しないエサで飼っている鶏の卵を人手することができる。
 今のところ、福島県産以外の卵は、放射能の心配をしなくていい。

                            小若順一 著 『食べるな危険!』、PP.78-88


ここで、抗生物質(飼料添加用)の種類には、ポリペプタイド系、テトラサイクリン
系、マクロライド系(そのほか、ポリエーテル系など)数種類のものが使われていて
これらは、細菌内部タンパク質と反応することで代謝阻害作用を発揮するもの。なお、
ケンタッキーフライドチキンが中国の養鶏農家との契約を打ち切る事件で問題ともな
った成長促進剤などのホルモン剤などはここでは対象外。ところで、ブログ掲載した
こともあるが、米国で毎年200万人以上が抗生物質に耐性を持った菌による感染症にか
かり、そのうち少なくとも2万3000人が死亡する、と米政府は16日の報告書で発表して
いる。報告書は悪化する公共衛生問題に積極的な対策を打ち出すよう求めているが、
これ以外に年間約25万人がクロストリジウム・ディフィシレという細菌に感染し、こ
のうち1万4000人が死亡する。米疾病対策センター(CDC)は、細菌の脅威や抗菌剤に
耐性を持った細菌の被害者数の概要を示す初めての報告書で明らかにした。こうした
耐性菌が大半の感染症を引き起こしている。抗生物質などの新規薬剤アレルギーと耐
性菌による疾病というダブル・パンチ(二重薬剤禍)が誰の目にも明瞭になっきてい
るという事実に驚愕するわけだ。 

  

※ 抗生物質耐性遺伝子の農業環境中における分布と拡散に関する研究、2007.01.26 


この時点で結論を求めることはできない。例えば、人工物の無添加、平飼いにすれば
生産
性低下は避けられないが、安全な食品は手にすることができる。しかし、異常気
象やイ
ンフルエンザなどによる疫病禍などの耐性(レジリエンス)は、十分でない。
とはいえ耐性菌
の生産は低リスクだろう。ということで研究実践段階へシフトするわ
けだが、これが大変なことも少ない経験から理解できている。さて、どうする?!

 

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生物情報科学の新世界

2013年12月26日 | 新弥生時代

 




【新弥生時代の行方は?】 

バイオインフォマティクスは計算科学を用いて生物学の問題を解決する学問。日本語
では「生物情
報科学」。いまやこれを抜きにして語れない、グラグラと溶融する『デ
ジタル革命渦論』の坩堝の中にある。その学問の始まりはゲノム
配列の解析にあった
が、その後タンパク質の立体構造
やネットワーク解析などを含む幅広い概念に拡張し
ていく
。バイオインフォマティクスは生物情報を多量に扱いデータベーステクノロジ
ーと
インターフェースなどの基盤技術を必須とする。ここではバイオインフォマティ
クスと密接する
レキュラー・バイオロジーなどの発展を俯瞰し、創薬を中心とした
応用展開について考察するが、ところで
、創薬とバイオインフォマティクスとの蜜月
は1990年代後半に始まる。近年にな
って個人ゲノムの解析、iPS細胞といった革新的
技術に支えられたヒューマン・バイ
オロジーの時代を迎えると、創薬も「分子標的薬
」と呼ばれ定着し、その中でバ
イオインフォマティクスの重要性が再認識される。
のように「情報爆発」と言われる時代に突入する中で、
データ管理し新規発見に欠か
せないのがこの「生物情報科学」。


 

【モレキュラー・バイオロジー】

現代の生物学はモレキュラー・バイオロジー(Molecular Biology :分子生物学)が基本生
命とは何かという哲学的命題より、それを物質(分子)で記載することを企図した学問。
その源に遺伝学的解析のマクリントソク博士によるトランスポゾンの発見-遺伝子が
まだ物質として同定される以前に、移動する実体(移動する遺伝子)としてとらえら
れた(1983年ノーベル賞)ことに由来する。モレキュラー・バイオロツーのコンセプト
は、遺伝子DNAからRNAが読まれ、
最終的にタンパクができるという「セントラル・ド
グマ-地球上.のすべての生物が同じ遺伝コードを用いて共通した遺伝システムを持つ
」という概念である(上図)。1970年代の技術は、遺伝子は主に変異株の掛け合わせた
遺伝子地図作成のような解析であったが、マキサム・ギルバートらによるDNA配列の
化学的決定法に続き、酵素反応を用いたサンガーによるダイデオキシ法の確立こより、
遺伝子配列解析が一気加速。1980年代後半には、配列決定が進むと医薬分野に応用さ
れ、インターフェロンのように、遺伝子の翻訳物のタンバウが生理活性物質として直
接薬として認可されるようになる。これを受け、配列決定をバイオ医薬品の権利取得
するビジネスモデルに確立され、世界は遺伝子のクローニング競争時代となるが、遺
伝子産物を製薬や、細胞の受容体や酵素を低分子薬剤や抗体の標的の権利化競争→遺
伝子配列獲得競争→遺伝子配列決定から全ゲノム配列決定を行う時代に移行する(上表
参照)。そこで、単純なモデル生物であっても真核生物以上の全ゲノム解読解析には多
くの情報科学的アプローチを必要とし、推定や遺伝子の類似配列の検索ツールなど開
発される。その解析にコンピューターを用いた特殊な技術が誕生する。それがバイオ
インフォマティクスだが、当初は非常に高価なソフトウエア・ルールっだが、フリー
ウエアとして多く開発され、そのことがモレキュラー・バイオロシーの発展に貢献す
るよになる。



【ゲノム創薬】

生体内における薬剤の標的は、酵素や受容体のタンパク質で一般的だ。ゲノムが読み
解かれるようになる前は、酵素を精製し阻害剤の探索に使うという生化学的なアプロ
ーチで主流だが、その設計図である遺伝子(特にヒト)の配列決定すれば、すべての創
薬標的がデータベース内に組み込まれる。そのデータベースにアクセス→配列解析を
行い→遺伝子機能を特定し→新規性と有用性を証明→特許化される。そのため、2000
年当初はゲノムデータベースが非常に高い値段で販売され、大手製薬会社やゲノムベ
ンチャーによる囲い込まれる(米国流の国策)。バイオベンチャーと巨大製薬会社の
ビジネスモデルが確立され一部生理活性物質は薬になり、多くの遺伝子、特に多くの
既存薬の標的のGPCR遺伝子ファミリーの解析と権利化か試みられてきたが、一般的な
遺伝子を用いた研究を禁止し、その遺伝子の研究を阻害し創薬研究を遅延させる。最
近になり遺伝子特許の解釈も変化し、遺伝子の(物質)特許はそれを用いるスクリーニ
ング系までは独占できるが、そこから得られる化合物には及ばないと解釈されるよう
になり、バイオベン于ャーも候補化合物を取得しなければ(遺伝子特許だけでは)高く
有用性を評価されなくなるが、この間に、バイオベンチャーのアイデアを買って薬に
する「メガファーマ]というビジネスモデルが米国で確立、創薬の上流研究のコスト
が高騰する。また、特許化されているゲノム情報があることで基礎的な研究が遅れ、
遺伝子の機能解析研究が遅れ、最終的には「ゲノム創薬]と呼ばれたコンセプトが
までの創薬を変革することなく
「収穫の時代」を迎えられずに終わる。

【ヒューマン・バイオロジー】

ゲノム創薬の時代のビジネスモデルは「創薬標的はすべてゲノム情報に書かれている。
したがって今後は、有用情報はゲノムデータベースから取り出せばよい」というもの
であり、
その後に発現解析、全ゲノムクロマチン免疫沈降シーケンス法などにより、
遺伝子以外で非常に多くのRNA転写
産物があることや、遺伝子の発現制御がヒストン
ンヒストンタンパクの結合やDNA自身の修飾によって極めて多様な制御を受けてい
ること、遺伝子自体もRNA
に転写後、選択的スプライシングによって多様性をもたら
されていること、多くのタンパクが細胞、組織特異的な糖鎖修飾を受けて多様化して
いることなどの分かってきた。そしてこれらDNAの修飾などによる遺伝子に書かれて
いない事柄を扱うエピジェネティクスが学問が登場する。エピジェネティクスは、多
細胞生物の分化や環境との相互作用で、遺伝子発現状態が変化し嬢細胞に受け継がれ
るメカニズムを研究する学問で、抗がん剤の標的や、iPS細胞の品質管理などの応用面
でも期待されている。


2000年にヒトのゲノム配列ドラフトが明らかになり、04年に発表されると病気の原因
遺伝子の
探索が始まる。浸透率の高い遺伝病では、原因遺伝子の変異と疾病との関係
は明らかだが、多因子疾患になる
とヒトの全ゲノムが決定されても遺伝子の特定が
難で、
遺伝解析の精度には母集団の数が効くマウスを用いた研究(QTL解析:量的形
質遺
伝子座解析。定量可能な形質に対する各遺伝子多型マーカーの連鎖不平衡から遺
伝子座位を特定する)が
盛んに行われる。実際にはヒトの疾病に関して直接ヒトの系
で研究する手法の実用化へのニーズが高まる
。近年、(1)iPS 細胞と(2)NGS
次世代シーケンサー)、(3)
ゲノム編集技術の3つが登場する。



ここで、 細胞は受精卵(あるいはES細胞)からヒトを構成す
るすべての分化細胞まで
原則的に同じゲノムセットを
持っている。また、ヒトを含む多くの動物の場介には、
一旦細胞が分化してしまうと決して違う系列の細胞に再分化することはないことも一
般常識であったが、革命が起きる。山中伸弥
らは、数個の遺伝子導入(山中4因子)
よってエピジェネティクスをリセットした。
この発見の延長線上に、単なるiPS
胞の応用だけではなく、ES細胞から個体
までの細胞の系譜を明らかにし"細胞の分化
とは何
かを分子レベルで明らかにする"という現代版の分化発生学の変革が考えられ
ている。
ヒトゲノムが決定された段階では、その中のほんの数%の遺伝子のコーディ
ング領域予測から遺伝子数や配列が明らかにされたにすぎず、まだ膨大な未解明の配
列情報に埋もれた状況であったが、米国の会社の配列解析装置の発明により革命的な
進化がもたらされる。当時何百合の装置で数年以上をかけて1人分の配列を決定した
ものが、1台で数日以内に(数十万円で)1人分読めるレベルに変化する。また、NGS
による(全国民の)直接配列解析が実施されると新しい発見も期待されている。また、
最近登場したゲノム編集技術では、大雑把であったヒト細胞の遺伝子改変をご一塩基
レベルで可能となった。これらの技術で人の疾病とゲノムを直接結び付け、実際に実
験的に証明可能となる。つまり、モデル生物など介さなくとも直接ヒトの遺伝子解析、
機能解析、応用の道が開けた。明らかにヒトの疾病は遺伝学的には個々のヒトの多様
性の中にある事象であり、地球上の生物の共通性からヒトにアプローチをする分子生
物学とは異なるパラダイム上の研究であり、このように「ヒト」の多様性を直接扱う学
問がヒューマン・バイオロジーである(上図参照)。

今まで疾病を前提にその症例解析であったものが、分子生物学的な遺伝子解析を取り
込んで疾病の再定義が行われ、再
定義された疾病に対し最適な医療が施されることが、
真の個別化医療である。
今後は法的整備と住民の理解を進める試みが必要で、ゲノム
情報で疾病のすべて
がわかるわけではないが、個別化医療は最初の一歩となる。とこ
ろで、
NGSの普及に従ってヒトのみならず多くの生物のDNA配列解析が進み、推定さ
れる遺伝子情報は逓増する。加えてプロテオーム解析を行えば、実際にタンパクとし
て読まれている配列をある程度網羅同定でき、マイクロアレイやNGSを用いて発現解
析を行うことで発現ネットワークが明らかにできる。このように今までにない網羅的
な情報が得られる時代となった。

DNAの精密な複製と、揺らぎで絶妙に制御されてきた生命の進化はヒトの登場を持
って一段落する。およそ2百万年前から起こった人の脳容積の急激な増大は、遺伝子
進化では到底なし得ない形でヒトの「進歩」に関与。ヒトが脳を発達させて「科学」を
生み出す。百万年単位で起こる進化は、百年単位の科学の変化に置き換えられつつあ
り、そのために進化のシステムは現実の変化に到底追い付けなくなっている。今まで
は地球規模の気候の変化に対して生物は進化で適応してき、生物自身で引き起こした
変化(食物の枯渇、酸素分圧の変化など)に対しても進化で対応してきたが、ヒトに
よってもたらされる変化は非常に早くかつ広範囲であり、進化では望む早さに対応で
きない。ヒト自身も自分たちが対応したいと考えており、進化によって別の種に対応
を譲るつもりはないはずである。したがって、すべて我々人類の力で対応しなくては
ならない。言い換えればヒトは地球上での生命の発展のために科学を駆使しなくては
いけない。それだけでない。今後DNAを書き換えるとかエ学的な増強をするとか、
新しい種を作るとか、人工知能を加える等、最終的には地球系を救うという本来何百
万年をかけて行われる進化・変化を工学的に百年スケールで解決していく責任がある。
 
脳は非常に短期間に膨大な能力?を獲得したがゆえに生物的には無埋かあると言われ
ている。実際にヒトでは脳の血管系が脆弱であり、脳梗塞や脳出血という疾病が生じ
る。このため、この解決に進化は無力であり、その解決は科学(=目的意識の外化)
しかないとされ、人類の将来を支えるサイエンスを進めるためにコンピューターは必
須なツールであり、これが、本質といってもよいでという立場が正解とされようか
脳は自分の限界を超えるためにコンピューターを発明したとさえ言えるのではないだ
うか?そしてバイオインフォマティクスはそのコンピューターを活用するために必
須の学問である。統合
データベースはその中の知識であるといわれている(長洲毅志
著『バイオインフォマティクスの現状と将来展望』,バイオサイエンスとインダスト
リー vol.7 No.5(2013))。言い換えれば、脳は『新弥生式』=『デジタル革命』
という、"時代等式"の成立を早くから指示していたのだ、と。
 



ドイツの
Panonoカメラは空中に投げて撮影するボール型パノラマカメラ。36個のレン
ズを持つ複合カメラを内蔵しており、空中に放り投げると、頂点に達した時に自動的
に360°×360°のパノラマ写真を撮影。今から約2年前に、投げられるパノラマ・ボ
ールカメラが提案された。
パノラマ写真の従来の撮影方法は、広角レンズを使って撮
影した写真をつぎはぎするというもの。素人がこの方法でパノラマ撮影すると、大抵
ぶれてしまったり歪んでしまったりするが、Panonoカメラでは、36個のカメラが全方
向を同時に撮影するので、こういったブレや歪みが回避できるという。これは内部に
加速度計を設置し、ボールが頂点に来る瞬間、つまりボールが一瞬だけほぼ静止状態
になるポイントを検知することにより可能になっています。この一瞬に固定焦点カメ
ラで同時撮影しているというわけだという。

しかし、よく考えてみれば、魚眼レンズが2つあれば、後は自動的に画像矯正すれば
済む話だと思うのだが(全球形に拘るのであれば別の話)。

 

※ リコー、360度撮影可能な新カメラ「RICOH THETA


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スタインベックと花粉

2013年12月23日 | 環境学・環境思想

 

 




【グリーンな話 2】

今年に入り、軽度ではあるがアレルギー症状が出やすくその原因を考えていたが、鶏卵によ
るものじゃ
ないかと考え始めていた。病院でアレルギー反応検査すればその推論の答えがで
るのは分かっている
が、それも面倒なので行けていないのだが、鶏肉の抗生物質が原因であ
ることも素人診断で突き止めて
いるものの(『寒い夜の牛煮込み』)、口内の丘疹程度で修
まるので、食材の選別で対応放置してきた。
ところが、夏を過ぎると、頭部、下腹部、下肢
に発疹が再発し、近くの皮膚病院で、リンデロンやアンテ
ベートローション、アレグラ錠な
どの塗布や服用で対応するようになるが、鶏肉の食材の選別だけで対処できな
くなる。そこ
で、この夏の暑さによる抗生物質の多用による鶏卵からの摂取ではないかと、仮
説を立てて
みた。勿論、牛肉などの家畜によるかもしれないから、症状が現れたその都度、献立の詳

を彼女に確認していくと、朝食にほぼ毎日鶏卵の厚巻き(卵焼き)出されているのでこれが
原因説にたどり着く。これが正解かどうかはもう少し時間がかかるが、今月12日の産経ニュ
ースでは、抗生物質8割が家畜 米FDA、使用抑制を要請していると報道。薬剤に耐性を
持つ菌ができる温床となって人に健康被害を及ぼすのを防ぐのが狙いという。最終的には人
の感染症に有効な抗生物質の家畜への使用全廃を目指す。対策では、動物向け医薬品を製造
する企業に対し、牛や豚、鶏などの成長を早めたり、少ないえさで体重を増やしたりする目
的で抗生物質を使わないよう添付説明書に明記を求める。家畜の病気を治す場合でも獣医師
の処方を得ることを推奨し、
抗生物質の8割が人でなく家畜に使われていると推計され、家畜の
体内でできた耐性菌が食品や自然環境を通じて人に伝わる危険が指摘されている。



このニュースは耐性菌によるリスクが主眼であるが、食物アレルギーに関して、文科省の調
査結果によると、公立小中高校が把握する食物アレルギーがある児童生徒は、全国で45万
3962人(4・5%)で、9年前の調査より1・9ポイント多かったことがで分かった。
このうち診断書などで確認された子は21・4%といい、文科省は「適切な対処には症状の
正確な把握が必要。医師に相談してほしい」と報道されたばかりだ(朝日新聞デジタル 2013.
12.16)。この手の「ファントム・メナス」(目にみえない脅威)の対象は、まだまだ実体が
つかめていないようだ。まずは、専守自衛行動?に徹してみることを決めた(まずは、上図
書籍をネット購入)。





【キャナリー・ロウって何?】

今朝は二度寝し、十時前に起床し朝食を取って作業していると、彼女が今朝の用事を済ませ
帰ってくるなり、近くの「キャナリーロウ」でランチに行こうと言うので、慌て手をとめ外
出する。外は小雨で、季節からいうと寒くもない。スパゲティーのランチセット食べ終える
と、キャナリーロウのロウって、船を漕ぐの“漕ぐ”なのと尋ねるので、それもあるが、行
列の意味もあるから、道や通りの意味で使っているのではないかと返事する。それじゃキャ
ナリーの意味は何だろう?と切り返してみるが、返事がないのでたぶん分からないのだが、
“キャナ”の響きが“can(缶)”
 に通ずるところがあるので“缶詰通り”だが、洒落たレストラン
の名前にはふさわしくないのではと考えてみたが、その彼女は植え込みの木を見てこの植木は何と
尋ねるので、暫く、みていたがシラキかニレかベリーか・・・ブルーベリーとしたら葉の形ではないし・・・
とこたえる。そんなこと小さなことなど暫く話していたら、無精髭がみっとむないねと言い出したので、
恥ずかしいから帰ろうというと、席を立ち一足はやく店をでて車に乗り込んだ。外は小雨が降り続い
ているが、余り寒くない。

家に着き、作業の続きを再開していると、先ほどの“ロウ”の意味を辞書で調べ、やはり、
"漕ぐ"と言う意味だよという声が聞こえてくるので、それじゃ調べてみるよということで、
ネット検索を始めた。それによると、「アメリカのカリフォルニア州モントレーにある、海
岸沿いの通り。◇ノーベル賞作家、スタインベックの小説『キャナリー・ロウ』と『たのし
い木曜日』で世界的に知られるようになった。かつてはイワシの缶詰工場が並んでいたため、
あだ名で「缶詰通り」と呼ばれていたが、今は正式名称になっている。現在はショッピング
ビレッジとして再開発され、周辺にはレストランやブランドショップ、水族館などが集まり、
観光客の人気を集めている。水族館では、モントレー沖に生息する20mもあるジャイアント
ケルプ(海草)やラッコを見学できる」と記載してある。さらには「スタインベックはモン
トレーオーシャンビューアベニュー、について書いた実際の場所は、後で本の敬意を表して
「キャナリーロウ」と改名された。映画版は 1982年にリリース。 舞台版は1995年に生産さ
れた。 キャナリー・ロウ(Cannery Row)は、カリフォルニア州モントレーにある海岸沿い
の通り (北緯36度36分59秒西経121度54分2秒)で、かつてはイワシの缶詰工場が並んでいた。
現在は閉鎖。通りの名は、それから由来して「缶詰通り」の意、元々はあだ名であったが、
現在は正式名称になっている」「ジョン・スタインベックの小説『キャナリー・ロウ』(19
45年)と『たのしい木曜日』(1954年、2作とも「スタインベック全集」第9巻大阪教育図書 
1996年に所収)によって、世界的に知られるようになった。前者は、1982年に「キャナリー・
ロウ」(「吹きだまりの町」日本では劇場未公開、TBSで放送)のタイトルで映画化された。
監督は、デビット・S・ウォード。ニック・ノルティ、デブラ・ウィンガーが出演している。
キャナリー・ロウ800番地には、1928年から1948年まで、パシフィック・バイオロジカル・ラ
ボラトリーズという漁具店があった。経営者のエドワード・E・リケッツは、スタインベック
の個人的な友人でもあり、彼の小説の中では、「ドク」というあだ名で登場している。広場
には、スタインベックの胸像もある。缶詰工場は、1950年代の半ば、モントレー湾での水産
業が壊滅的な状態に陥って操業を停止した。 壊滅以前は、ここは世界でも最も漁獲高の高い
海域のひとつに数えられていた。広大なモントレー渓谷の地下水から流れ込んできた栄養分
の高い水と太平洋の冷たい深海水が入り混じって海面近くに噴出しているためである。今日、
このキャナリー・ロウの周辺は、海のサンクチュアリになっていて、カリフォルリア・アシ
カの大きな生息地がある。通りは観光客のためのアトラクションで賑わい、かつての缶詰工
場の建物をそのままに改装したみやげ物店やホテル、レストランが立ち並んでいる。モント
レーベイ水族館は、キャナリー・ロウの北の端に位置している。」とも。

さて、ジョン・スタインベックは、第二次世界大戦のさなか、1943年6月にニューヨーク
『ヘラルド・トリビューン』紙の特派一員としてヨーロッパ戦域を約5ケ月間取材し、1943
年10月にニューヨークに帰還。この戦争体験で、肉体的にも、精神的にも彼に大きな打撃を
うける。同年7月4日のウェブスター・F・ストリートに宛てた手紙で、戦争とは無関係なユ
ーモアに富んだ小説を書くことを目指し、同年9月27日にシェフィールドに宛てた手紙のな
かで、『キャナリー・ロウ』(CanneryRow,1945)という書名にしたこと、またこの小説には
四つのレベルがあること、この小説が第二次世界大戦にひとつも言及していないことを述べ
る。この物語は、彼が師とも仰いだエドワード・F・リケッツをモデルにしたドック(Doc)を
中軸にすえ、マックとその仲間、食料雑貨店の店主である中国人リー・チョン、そして売春
宿の女将であるドーラ・ブラッドとそこで働く人々、その他自殺する人々を含め、数多くの
人間群、また生物群が登場させこの物語世界を形成する。語り手は全知的な立場に立ち、さ
まざまなエピソードを語り、生と死とが混在する玄妙で悠久なる世界を現出させているとい
う(上優二著『キャナリー・ロウ』「道」の世界を探る)。
 さらに、上優二は、道教の世界は、
『キャナリー・ロウ』の物語世界、つまり、パラドックスやメタファーや象徴性に満ちた混沌した世界と
また、こうした道教的世界観は、ある事象を一義的に定義することを拒否するというポスト
モダニズムの視点と通底す底通すると指摘し、スタインベックは第二次世界大戦の戦争体験

を通し、肥大化した欲望や野心の行き着く先が戦争であるとする、こうした老子の思想に強
い共感を覚えたにちがいない。また先の戦争体験で、いかなる戦争においても、勝者も敗者
もともに傷つき、真の勝者などは存在しないということを痛感したのではないだろうか。そ
して、善のなかにも悪の要素がかならず存在し、これが正義の戦争と一義的に断言すること
を拒否する道教的な立場、あるいはポストモダニズムの立場もこの作品には色濃く反映され
ている。けだし、彼は戦争と無関係な作品を目指して『キャナリー・ロウ』の創作にあ
たっ
ているが、意識化されずとも「少欲知足」、「無為自然」という老子の思想に
悲惨な戦争を
回避するための一つの道を求めたのではないだろうかと結んでいる。

以上、"キャナリー・ロウ"とは、甚だしく現在的で、根源的な問いかけが含まれ、さらには、
このキャナリー・ロウの周辺は、海のサンクチュアリになっているということに、驚くとと
もにそれらが背景として名付けられていることに暫く、深く考え込むこととなった。




【花粉種の自動識別できれば?】

国民病である花粉症の対策を立てる上で、花粉の種類を識別し、リアスタイムで正しい花粉
飛散情報を得ることは重要だ。そこで、花粉の自家蛍光特性を活用した実用的な花粉種自動
別計測装置が開発されたが、ここでは開発概要とその先にあるものについて考えてみる。

 JP 2011-117812 A 2011.6.16

この開発に当たった青柳秀紀筑波大学生命環境系教授らのグループは、(1)花粉に適切な紫外光
を照射すると花粉種独自の自家蛍光が発生する事、(2)自家蛍光を色成分に分け、色比 [
青/赤]と花粉の粒径に基づき花粉種の識別が可能な事を明らかにした上で、(1)ポンプで
大気を吸引し、(2)バーチャルインパクター(花粉と他の粒子をサイズ差で分級)により、
(3)花粉サイズの粒子が選択的に、測定部に一個、一個、導入、(4)青紫色半導体レー
ザーで紫外光が照射。(5)花粉は紫外光を散乱し、同時に励起され自家蛍光を発し(6)
受光部で青蛍光、赤蛍光、散乱光を検出し、色比 [青/赤]と花粉の粒径(散乱光より推算)を
算出し、(7)花粉識別関数に基づき花粉種を識別、自動計数する。この
装置で得られる情
報は、国内のみならず海外の花粉症患者のアメニティー向上への貢献が期待される(北米では
ブタクサやカバノキの花粉、英国はイネ科の花粉に由来する花粉症が深刻な問題になってい
る)。さらに、得られたデータは、植物生態の把握(長年にわたる花粉情報の蓄積=地球温暖
化等の環境変動の把握)や林業の将来設計、組換え植物のリアルタイムの花粉飛散挙動の把握
などに広範に利用されるとみられる。


 

【燃料電池の電極表面を科学する】

 

 

燃料電池は、空気と燃料(水素やメタノールなど)を利用して、化学反応から電力を取り出
す装置。今や誰もが知っている技術だろう。特に、室温付近でも動作する高分子電解質型燃
料電池は小型化、軽量化が容易なため、自動車や携帯機器の駆動電源として期待されている。
高分子電解質型燃料電池は燃料と空気を、高分子電解質で隔てられた電極(負極と正極)に
供給する(上図)。現在、燃料電池の反応を促す触媒として高価な白金が使われれいるが、
特に正極で起こる酸素還元反応には、大量に必要とされる。さらに、この反応の活性化が電
池性能の向上の鍵を握っているが、正極での酸化還元反応は、白金に結合した水酸基を中間
体と進行するが、その正確な機構は分かっていないのが現状だ。スタンフォード大学SLAC
(国立加速器研究所の小笠原寛人らは、燃料電池の性能向上には、触媒として使用している
白金近くの水分子が重要
であることを解明したとという。

 

どのように解明したのか? 今回研究グループは、軽元素の分析に適した軟エックス線を用
いて、酸
素還元反応中に正極の白金触媒に結合した酸素種の挙動を調べた(上図参照)。グ
ループが開発した世界最高感
度の環境制御型光電子分光装置で、動作中の燃料電池の正極に
照射し、放出される光電子(正極で)の触媒反応をその場で観測したという。この結果、白
金触媒の表面原子に結合した酸素種が、酸素還元反応の中間体は水酸基であることを世界初
で確認。さらに、白金表面原子のみに結合した非水和水酸基と、白金表面原子と水分子の両
方に結合した水和水酸基の2種類が酸素還元反応中に共存し、特に白金に結合した水分子の
量が少ないと高起電力、出力動作が得られ、また、より多くの非水和水酸基が白金に結合し
ていた(下図)。このことから、正極での酸化還元反応を効率よく進めるためには、白金触
媒近くの水分子の量を制御
が重要であることが分かったという。

 

※ 酸素1s光電子のエネルギースペクトル(黒線)には白金原子のみに結合した非水和水
酸基(水色)と白金原子と水分子の両方に結合した水和水酸基(紺色)に対応するピークが
観測されており、これらが白金表面に共存している。密度汎関数法による電子状態計算によ
り、非水和水酸基と水和水酸基が不均一な島状で白金触媒に結合している。このことから、
酸素還元反応の中間体の触媒表面の水和が、酸素還元反応経路と反応の効率を分子レベルの
決定因子で、触媒近くの水分量を分子レベルで適切に制御し、酸素還元反応経路の最適化、
燃料電池の性能向上を目指すことで、白金の使用量低減、固体高分子形燃料電池の低コスト
が期待されている。

「グリーンな話2」では 、抗生物質の規制と、アレルギーと花粉種の自動識別と、燃料電池
の電極開
発のための基礎技術の3つ話題を取り上げてみた。そして、日常の食事シーンを掘り
下げ、スタインベックの小説『キャナリー・ロウ』の主題の人間の欲望と戦争について考えて
みた。

 

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宇宙にKIROBO/師走に零戦

2013年12月21日 | 時事書評

 

 




【宇宙・災害現場にロボットが乗り込む】

世界で初めて“宇宙での人とロボットとの対話実験”が成功した。ロボット宇宙飛行士「KIROBO(キ
ロボ)」と宇宙航空研究開発機構(JAXA)の若田光一宇宙飛行士が国際宇宙ステーション(ISS)で
対話したと“KIBO ROBOT PROJECT”事務局が20日に発表した。それによると、電通、東京大学先端科
学技術研究センター、ロボ・ガレージ、トヨタ自動車は、JAXAの協力のもと、ISSに滞在するロボット
宇宙飛行士・KIROBOの共同研究“KIBO ROBOT PROJECT”を進めている。6日に、若田宇宙飛行士と共
に、“宇宙での人とロボットとの対話実験”に成功。対話実験では主に、(1)音声認識によるロボッ
トの自律会話、(2)ロボットを介した地上との遠隔コミュニケーションの2つの対話実験を実施。6
日以降も順次実験を行ない、会話ログデータ等を収集していくとのこと。2013年8月10日にISSへ到着
し同年8月21日には日本実験棟「きぼう」で起動と発声に成功。第1声はニール・アームストロング
を真似て、「2013年8月21日、未来の希望へ、ロボットの第1歩です」(日本語)だった。同年12月
6日には、若田飛行士と会話実験を行った。2014年12月に地球に帰還予定という。




発明者は、現在株式会社ロボ・ガレージ代表取締役社長。東京大学先端科学技術研究センター特任准
教授、大阪電気通信
大学総合情報学部メディアコンピュータシステム学科客員教授、福山大学工学部
電子ロボット科客員教授、
ヒューマンキッズサイエンスロボット教室アドバイザー、ロボット専門店
ロボベース顧問のロボットクリエーターの高橋智隆。


大阪府出身(出生は京都大学医学部附属病院)。大阪、滋賀、カナダで育つ。比叡山中学校、立命
館高等学校を経て、立命館大学産業社会学部入学、1年間留学し1998年卒業。数社から内定を得てい
たが、納得できるものではなく、子どものころの夢であるロボット作りが忘れられず、内定辞退。予
備校に入学。翌年、京都大学工学部に再入学。在学中に2足歩行ロボットを開発し、関西テクノアイデ
アコンテストグランプリを受賞。2003年に物理工学科メカトロニクス研究室を卒業。同年に、個人事
務所「ロボ・ガレージ」を創業(京大ベンチャーインキュベーション(学内入居ベンチャー)の第一号)。
2004年には代表作「クロイノ」が米タイム誌で「最もクールな発明」に選ばれ、ポピュラーサイエン
ス誌では「未来を変える33人」の一人に選ばれる。ロボットクリエーターとして、ロボットの研究、
設計、デザイン、製作を手がけている。

 

ロボットの紹介をもう1つ。原子力発電所の事故現場など人間が近づけない場所で作業するロボット
のコンテストが20日、米フロリダ州の自動車レース場で始まった。初日は日本から唯一参加したチー
ム「SHAFT(シャフト)」が参加16チームのトップに立ったという。東京大学のOBが設立したベン
ャー企業、SCHAFT社は中西雄飛最高経営責任者らが2012年5月に設立。災害現場で利用するヒト型
ボットを開発。グーグルは事業拡大や人材確保のため多くのベンチャーを買収しているが、日本の
企業が対象になるのは初めて。グーグルの主力はネット検索に関連する広告事業で、売上高の9割

上を同事業が占める。ただ、近年は自動運転車など本業と関わりの薄い分野での活動も目立つ。新規
事業
を担当する共同創業者のセルゲイ・ブリンは「技術力を活用して大きな問題を解決できる分野に
取り組みたい
」と説明する。しかし、日本政府がもっともいま必要としている福島原発事故復旧(対
策)ロボットが、この日本
でなくて米国防省で、グーグル社とは何とも皮肉で、情けないと感じてし
まう。

 


【映画「永遠の零」が問いかけるもの】

ゼロ戦パイロットの愛と苦悩を描いた映画「永遠の0(ゼロ)」(山崎貴監督)を観賞してきた。良
い作品に仕上
がっている。今年の最高作品ではないかと思えた。ところで、主役を演じる岡田准一が
11
月下旬、特攻隊の出撃基地があった鹿児島県鹿屋市を訪ね、多くの若者が帰還することなく飛び立
っていった滑走路を目の前にして、「当時の男たちをきっちり演じないと意味がないと考えて撮影に
臨んだが、改めてその重さをかみしめている」と語っている。「永遠の0」は、百田尚樹の同名ベス
トセラー小説を原作に、最先端のVFX(視覚効果)技術を駆使して迫力ある映像に仕上げた大作。
ストーリーは、司法試験を目指す健太郎は祖母の葬儀の日、祖父は海軍のゼロ戦パイロットで、特攻
出撃で戦死した宮部久蔵(小説では、26歳で亡くなった佐伯健太郎)なる人物だったことを知縦技術
に秀でながら、生還することに執着していた宮部を調べるうちに、健太郎は意外な事実に突き当たる
と言う展開だ。この作品の良さは、すべての面でバランスがとれていて、過剰な扇情シーンが何一つ
見うけられなく淡々と物語られている。ラストシーンの主人公が冷静に零戦を操縦し(このテクニッ
クは前半シーンであらかじめ紹介されている)、敵空母に接近、高射砲の被弾を確認し機体を立ち上
げ滑空し、反転、垂直降下する。敵艦への突貫直前のベストを尽くし、納得をした顔が大写しされた
ところで、映画タイトルが映し出され、サザンのエンディング曲「蛍」が流れ終わる。全編を通し背
筋が貫る作品だった。


 

  

【有機太陽電池の光電変換効率の理論限界】

産総研は、新世代の太陽電池の一つとして注目されている有機太陽電池の光電変換効率の理論限界を
求めたと公表。従来、無機太陽電池の光電変換効率の理論限界は知られていた。これをもとに、無機
太陽電池と有機太陽電池の、光を吸収した後に電気を生み出す機構の違いを考慮に入れて、有機太陽
電池の光電変換効率の理論的限界を算出。この成果は、有機太陽電池の光電変換効率はどこまで向上
できるかという研究開発の指針となることが期待されるという。またここでも日本は世界のトップに
立った。この手法は(1)有機太陽電池の電荷分離機構の違いを考慮して理論限界を算出→(2)有
機太陽電池が最も高い効率を示す光の波長を理論計算により決定したということだが、詳しくは後日
再考察してみる。 

 

※有機物質では正負電荷間のクーロン相互作用が強いため、光を吸収して正負電荷が強く束縛された
励起子が生成される。有機物質の励起子の結合エネルギーは、クーロン相互作用に基づいて見積もる
と最低でも熱エネルギーの10倍以上である。一種類の有機物質では励起子の電荷分離が十分でないた
め、有機太陽電池は、正イオンになりやすい有機物質と負イオンになりやすい有機物質の二種類で構
成され、これらの物質の界面で励起子となっている電荷が分かれて電気が生まれる。本研究では電荷
分離に必要な余剰エネルギーに着目した。ShockleyとQueisserの理論の方法で電荷分離に必要な余剰
エネルギーを考慮すると電荷再結合の速度が増加し、その結果、電圧と電流が変化することを示した。


※束縛状態にある負電荷と正電荷間の距離を1 nm、誘電率を有機分子で一般的な値3.5としてクーロ
ン相互作用を用いると、電荷分離に必要な余剰エネルギーは0.3~0.4 eVと計算された。他の相互作
用もあるため、この値は下限であると考えられるが、これまで報告されている余剰エネルギーの最低
値とほぼ同じである。電荷分離に必要な余剰エネルギーとして0.4 eVを用いて光電変換効率の理論限
界を計算すると、太陽電池が吸収できる光エネルギーの最小値が1.5 eV(光の波長では827 nm)の場合
に最大値である約21%となった。有機太陽電池が最も高い効率を示す光の波長も理論計算により決定
されており、光を吸収する有機分子(主にドナー)選択の指針を与えている。

 

 

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免疫力と自動車購買力の低下

2013年12月20日 | 医療健康術

 

【免疫力とは何か】 

腰痛はほぼ完治したが、そのかわり、夏登山のアクシデントから肩の痛みで間接的な運動不足が引
き金となったのか、急速に免疫力が低下し、風邪の諸症状が現れ易くなっている。医師への診断も
症状が軽く、二の足を踏んだ状態にいる。ところで、免疫力って定量評価(数値化)できるのだろ
うかと思い調べてみる。免疫力は主に感染(細菌・ウイルス・カビなど)そして癌から身体を守る
能力をさす。働きの異なるいろいろなリンパ球細胞が、協調し総合的な機能を発揮し、身体を感染
癌から守っているが、その免疫力は、いろいろなストレス、不適切な生活習慣、偏った食事、そ
ていろいろな病気になると低下することは分かっているが、免疫力の測定で健康診断では発見で
きない未病状態(病気になる前の状態)を見つけることが出来るが、最近まで、免疫力の総合的な
測定方法がなかったが、上図のような免疫機能に絞って検査することで、免疫力を客観的な評価判
定を数値化する方法を東京医科歯科大学で考案し、特許を取得している(免疫力判定検査特許番号
4608704号)。 ということで、なにがしかの検査料金を支払えば簡単に検査してもらえることが理
解できた。課題は検査価格の逓減がポイントのようである。

国際特許200/145333「免疫力評価方法、免疫力評価装置、免疫力評価プログラム、及び免疫力評価
プログラムを記録した情報記録媒」によれば、体血液中のリンパ球は免疫力を担当する中心的細胞
であり、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)等、機能の異なる細胞(亜集団)か
らなっている。また、T細胞も一様ではなく、機能的に互いに異なるCD4T細胞、CD8T細胞
と呼ばれる亜集団からなる。これら細胞はそれぞれ特異な表面タンパク質(抗原)を有する。そこ
で従来、これら抗原に対するモノクローナル抗体を用いて染色し、フローサイトメトリにより特定
の細胞の数や割合を測定していた。また、培養条件下で、各リンパ球の増殖能力や増殖に関わるタ
ンパク質(サイトカイン)を測定することで、機能測定を行っている。そして、このような方法に
より、リンパ球の亜集団の構成やそれらの機能が、加齢により変動あるいは低下することを、明ら
かにしている。

※“Differential age-change in the number of CD4+CD45RA+ and CD4+CD29+ T cell subsets in the human
   peripheral blood”
 Mechanism of Ageing and Development.,1992.03.15.vol.63 pp.57-68

しかしながら、同上東京医科歯科大学の特開2010-145205「免疫力評価方法、装置、及びプログラム
によれば、これら文献に示される個々のパラメータは、各亜集団の比率や機能を示すものではあ
るが、必ずしもヒトの総合的な免疫力を高精度に反映するものではないので、総合的な免疫力を高
精度に評価できる免疫力評価方法、装置、及びプログラムを得ることを第1の目的とし、総合的な
免疫力を高精度且つ簡便に評価できる免疫力評価方法、装置、及びプログラムの提供を第2の目的
とするように改良する。
驚くべきことに、CD8陽性細胞(キラーT細胞)を構成するCD28陽
性T細胞の数または割合が総合的な免疫力が高精度で反映することを発見。そして、採取した血液
から免疫力を評価する免疫力評価方法として、採取した血液における、CD8陽性且つCD28陽
性また陰性である特定T細胞の数を計測する計測手順と、T細胞の数に依存する特定パラメータ及
び年齢の相関関係に基づいた回帰式と、計測した特定T細胞の数とに基づいて、Tリンパ球年齢を
求める算出手順を特徴とした総合的な免疫力を高精度に評価できる免疫力評価方法、装置、及びプ
ログラムに改変する(図5参照)。



参考に、免疫力評価方法の手順を記載すと、採取した末梢血液についてフローサイトメトリ解析を
行う。(1)末梢血50(μL)を試験管に分注→(2)蛍光標識抗体溶液を試験管に添加→(3)
30分間、暗所に放置→(4)赤血球溶血剤2(ml)を添加し攪拌→(5)10分間放置して赤血球

を溶血→(5)PBS溶液3(ml)を加えて1200(rpm)で5分間の遠心分離を行う→(6)上清を
吸引除去→(7)PBS溶液500(μL)を加えて、細胞を再浮遊させる細胞浮遊液を調製→(8)
フローサイトメーターにて蛍光標識抗体陽性細胞率を機器専用ソフトによって算出する。

また、算出手順では、特定T細胞の数に依存する特定パラメータ及び年齢の相関関係に基づいた回
帰式と、計測した特定T細胞の数とに基づいて、Tリンパ球年齢を求める。ここで、特定パラメー
タは、特定T細胞数に依存する変数である限りにおいて特に限定されず、特定T細胞数そのもので
あっても、なくてもよい。ただし、特定パラメータは、総合的な免疫力をより高精度に評価できる
点で、所定量血液あたりの特定T細胞の数、及びCD8陽性細胞数に対する特定T細胞数の割合か
らなる群から選ばれる1種以上であることが好ましい。

さらに、CD8陽性細胞数に対する特定T細胞数の割合と、年齢との相関関係に基づいた回帰式を
健常人約300人から得たデータに基づいて作成し、図3に示す。なお、図3における特定T細
胞はCD8陽性且つCD28陽性のT細胞であり、上記割合をCD8CD28陽性率と称する。
図3に示される回帰式は、y=-0.47x+82.8(式中、xは年齢、yはCD8CD28
陽性率の予測値である)であり、高い相関係数(R=0.43)を示す。また、CD8CD28
陽性率と、T細胞増殖能との相関関係に基づいた回帰式を、健常人約300人から得たデータに基
づいて作成し、図4に示す。なお、T細胞増殖能は次の手順に従って算出した(後略)。

以上であるが、工学的にはこの一連の操作を自動化し例えばすべてのタクト(操作時間)を数十秒
間で結果判定することで設備コスト上昇分をランニング・コストを例えば1検体当たり百分の1以
下にしメリットを引き出すことがミッションとなる。あるいは、コンパクトにしコミニティー単位
に導入する、あるいは各家庭用に結果のフォロー(健康向上)方法を付け加えリースすれば、健康
維持に貢献でき、併せて医療費を抑制できるだろう。もっとも、非接触での検査法が開発されれば
それが最善だ。

 

紐なし衛生マスクの進化、でも口だけマスクというのも欲しい!?(口呼吸 vs 鼻呼吸)





【先進国で進む若者の車離れ】

どうも若者の車離れは日本だけではないようだ。米国でも10代の若者が以前と比べて車の運転に興
味を示さなくなっているという
。そんな中、米国エネルギー省エネルギー情報局(EIA)は年次報告
書の中で、今後25年間の輸送エネルギー消費動向について、伸び率が大幅にダウンするとの見通し
を示したという。EIAでは、12月16日付で発表した2014年版年間エネルギー見通しの中で、「自動車
走行距離」(VMT)の伸び率が今後大幅に縮小するとの予測を示した。EIAの新たな予測では、VMTの
年間成長率は0.9%とされているが、これはわずか1年前の予測と比較しても25%のマイナスという
大幅な下方修正という。

この変化は、人口増加の鈍化に伴う部分もあるが、世代交代も理由の1つになっているという。過
去1年に発表された研究もこの点を裏付けているという。米国では、前の世代に比べて若者の間で
運転をしない傾向が高まっており、そもそも運転免許を取得しない者も増えている。こうした世代
の変化に、今後見込まれる大幅な燃費改善を加味すると、米国において、燃料で走る自動車のエネ
ルギー消費量は、2040年までに現時点から25%減の約1兆2766億メガジュールになるとEIAは予測す
る。いま米国でのその原因調査研究では次の4つの根拠が議論されている。

(1)「バーチャル世界へのアクセスで車が不要に」説
(2)「不況による経済的要因」説
(3)「若者の自動車観に変化」説
(4)「単に時間的余裕がない」説

(1)はミシガン大学の交通研究所(UMTRI)による調査で、運転をする若者の割合は、インター
ネットのユーザー率と反比例の関係が判明している。この結果を踏まえ、調査チームでは、ソーシ
ャルメディアが車による移動に取って代わっているのではないかと結論づけている。(2)米国高
速道路安全保険協会(IIHS)の調査部門、ハイウェイ事故データ研究所(HLDI)だ。アメリカにお
ける自動車保険の契約状況の分析も、若者の車離れを裏付けており、保険の対象となる10代のドラ
イバーの数は、2006年との比較で12%のマイナスとなっている。しかし、HLDIでは、このような現
象は失業率の増加と並行して起きており、ドライバー全体と比べても10代では失業者の増加が顕著
だったと指摘する。(3)公共利益調査グループ(PIRG)は、若者の自動車観に根本的な変化が起
きていると主張。「ジェネレーションY(1975〜89年生まれの世代)に属する人たちの多くは、運
転を控えるようになっている。通学や通勤、レジャーの際にも車以外の交通手段を選び、できるだ
け車を運転しないで済むライフスタイルを選ぶ人も多い」。全体的な車離れを論じた報告書の中で、
運転する人の割合が大幅に減った街でも、減少幅が比較的小さかった街と比べて、特に失業率が高
くはなかった点を指摘している。(4)は、ミシガン大学の調査では、免許を持たない理由として
自動車が環境に与える影響への懸念を挙げた若者は、わずか9%。免許取得をためらう最大の理由
として回答者の37%が挙げたのは、「忙しすぎて免許を取る時間的余裕がない」というものだ。
いずれにしても、高度消費社会になり、社会基盤が一応世界トップ水準になれば、贅沢品というよ
りも、自動車利用価値が低下したというのが真実に近いように思える。あるいは、「都市 vs.農村
」的側面から、都市部より農村部の若者の方が利用価値が高いという理由に帰着するのかもしれな
い。(1)に至ってはもろに『デジタル革命渦論』そのものということになる。

 

話は水俣のこと。チッソは1906年、野口遵によって曾木電気株式会社が創業されたことにはじまる。
1908年、曾木電気株式会社と日本カーバイド商会が合併し、日本窒素肥料株式会社に変更。1931年
宮崎県延岡市に延岡アンモニア絹絲株式会社(現旭化成)が設立(日本窒素肥料からの分離・独立)。
水俣工場、昭和天皇が臨幸 。水俣工場の橋本彦七・製造課長がアセトアルデヒド製造の特許を取得。
通算7件の特許のうち1件は「高価有毒な水銀を系外に排出せざる」が記載される。1932年、水俣
工場でアセトアルデヒドの製造開始(水銀触媒を使用、メチル水銀漏出し水俣病へと展開)。1941年
水俣工場で日本最初の塩化ビニール製造開始。工程は塩化第二水銀・昇汞が含まれる。興南工場で
アセトアルデヒドの製造開始。廃水溝の水銀は回収せず廃液は城川江にたれ流。1947年、
公職追放
令で戦前の経営陣が退陣。財閥解体により「積水産業」(現積水化学工業)設立(後に積
水化学の
住宅部門が分離独立し積水ハウスが設立)。水俣工場の肥料生産量は戦前の水準を超える。
1950年、
企業再建整備法の適用により日本窒素肥料株式会社は解散し、第二会社として新日本窒素
肥料株式
会社が設立。1956年、日窒アセテート株式会社(現・旭化成守山工場)を設立し合成繊維事業に参
入。1960年、アセトアルデヒド生産量がピーク。1965年、チッソ株式会社へと改称。1971年3月、水
俣工場で有機水銀を排出するアセチレン法ビニル工程の稼働を中止。1973年、五井工場のポリプロ
ピレンプラント爆発事故で死者4名、重軽傷者9名を出す。1978年、債務超過と無配継続のため、上
場廃止。2005年、五井工場で核燃料物質を含む廃触媒を保管しているが、核燃料物質を含む廃棄物
の管理状況についての報告が1992年以降行われていないことが明るみに。2005年、韓国にLCD用配向

膜及びオーバーコートの製造設備完成。2011年1月12日、事業子会社として「JNC株式会社」設立。
2011年3月31日、機能材料分野、化学品分野、加工品分野等において営む事業をJNC社に譲渡。

※液晶ディスプレイ向けの液晶材料の世界最大手は,ドイツのメルク社で70%程度のシェアを握っ
ていると見られる。それに続くのが日本のチッソでこの2社で世界市場をほぼ独占。また、世界に
冠たる塩化ビニールメーカであったことを思うと「富国強兵」→「高度経済成長」の光と「公害」
の影をまさに体現してきた企業体であることが分かる。その当時、「未来共有」「企業内福祉」「
製造責任(外部不経済を含む)」「安全設計」という基本的な理念が確立されていたならば、このよ
うな"負の歴史"は成り立たなかっただろう。まさに"人命軽視"の歴史でもあった。戦前と戦後の枠
組みを考えたとき、皇室が果たした機能の有りようも見えてくる。個人的ではあるが、短歌を学ぶ
ものにとって、万葉集などで皇室が係わる意味で興味があるが、現在の皇室に対しては言うほどに
興味は湧かない。天皇制という差別体系と硬直した国家主義とが結びつくことのデメリットを危惧
する。さように、故吉本隆明が言ったように"最終形態の宗教としての国家"とはやっかいな鵺なの
だ、と。

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量子ドット太陽電池元年(2)

2013年12月19日 | デジタル革命渦論

 

 

師走なると一年を振り返って、♪そこにはただ風が吹いているだけ、という歌詞ほどに思い出すものが何もないわ
ではない。年頭に量子ドット太陽電池の実用に向けた行動を!と、掲げた旗をみて積極的な賛同も、激しい反対もな
かった。ひとことで言うとわからないのだ。ところが、年末前の風向きは一転追い風になっている。これが一番の印
象だ。そのことを『量子ドット太陽電池元年』と表現した。その思いを担保するのは、半導体製造技術の進歩、つま
り実現する環境が整っているという個人的な確信が背景がある(それは上図のデザインで掲載)。物質・材料研究機
構のサン・
リウエン博士らのグループは、Ⅲ-V族窒化物半導体に多重の中間準位(バンド)を形成することで、太
陽光の高効率吸収に利用することに成功したと公表。従来は活用が難しかった太陽光の幅広い波長成分利用が可能と
なり、太陽電池の効率向上に大きく貢献できると期待される。白色・青色発光デバイス(LED)材料である窒化ガリ
ウムと窒化インジウムが同様の構造を持ち、その波長範囲が太陽光の全波長範囲を含んでいることに着目し、有機金
属化学堆積法(MOCVD)で、nInGa層上に発電機能の発揮領域に、InGaNGaN量子井戸構造の 30 層からなり、
In組成を変化させたInGaN 量子ドットを各量子井戸に埋め込んだ構造の中間バンド太陽電池を作製。この太陽電池の
外部量子効率を測定し、2.40,2.29および1.97eVの複数の中間バンド準位が形成され、本来のInGaNでは利用できな
かった450nmから750nmの光が吸収され電気エネルギー変換していることを確認したという。つまり、ここでも使い慣
れた、インジウム・ガリウム・窒素系半導体製造技術の守備範囲で実現していることがその最大の特徴というわけだ。

 

同様に、高い光熱変換効率素子の製造方法と光熱発電装置、並びに被検出物質の検出方法が大阪府立大学から提案さ
れている。その概要は、金属ナノ粒子集積構造体の基板で、分散液を基板2塗布し乾燥させ金属ナノ粒子集積構造体
を基板に固定。この基板に別の基板に重ねて光熱変換素子を形成。この2つの基板の一方を透過した光で金属ナノ粒
子集積構造体に局在表面プラズモン共鳴を生じ、集積構造体が発熱する。光熱発電装置は光熱変換素子と熱電変換部
とで構成、光照射で発生した熱で分散液中の熱凝固性材料または熱溶解性材料を被検出物質として凝固または溶解さ
せて被検出物質を検出するという新規考案だ。

   

【符号の説明】

1,1A,1B,1D 光熱変換素子、1C 太陽電池/光熱変換素子、2,3 基板、2a,3a PENフィルム、2b,3b ITO膜、4,5 マ
スキングテープ、6 希釈分散液、6a 領域、6b 水滴、7 塗布面、10 金属ナノ粒子集積構造体、11 ビーズ、12 金属ナノ粒子
、12A クラスター、20 熱電変換部、21,21a,21b 高温部、22,23,22a~22c 低温部、24,24a,24b P型熱電半導体、
24h 正孔、25,25a,25b N型熱電半導体、25e 電子、27 ヒートシンク、31a,31b,34a~34c 電極、32a,32b,33a~
33c,35a~35c 導電性ペースト、40 光源、41 光、50 負荷、61 酸化チタン、62 増感色素、63 電解質溶液、100~103
光熱発電装置

ここで、ビーズ11の平均粒径は、0.1~10μm。たとえば樹脂粒子で、アクリル、ポリオレフィン、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどで形状は球形・非球形にとらわれず、金属ナノ粒子12を高密度に集積化す
ることが可能であればよい。また、金属ナノ粒子12は、紫外~近赤外域の光により、局在表面プラズモン共鳴を起
こしうる金属ナノ粒子で、金ナノ粒子あるいは銀ナノ粒子を採用、その平均粒径は5~50nmである。





産業上の利用方法には、太陽光を光熱発電できる、携帯情報端末(携帯電話、タブレットなど)のコンセントフリー
電源、車載機器(カーナビゲーションシステムなどの補機やバッテリー)の補助電源、人工衛星用の太陽光発電装置、
住宅の屋根、窓などに設置可能な太陽光発電装置に利用できる。また、熱源あるいは温度制御装置として利用するこ
とができ、
熱源利用には、たとえば患部に貼り付けて局所加熱するなどの温熱療法などの医療用途に用いることもで
きる。この他、化学反応効率を高めることにも利用できる。さらに、熱凝固性物質の凝固や熱溶解性材料の溶解に用
いることができる。たとえば光誘起発熱効果利用した熱変性タンパク質のマイクロ制御、検出などバイオ・医療技術
として利用できる。凝固した熱凝固性物質をレーザ光で切断し微細加工に利用できるという。


さて、下図は、シャープから、太陽電池モジュールおよび太陽光発電装置太陽電池の新規提案されているもの。モジ
ュールは、外部から入射した光を蛍光体で吸収し、蛍光体から放射された蛍光を内部で伝播する導光体と、光入射面
と対向する面設置した太陽電池素子とで構成し、導光体は、太陽電池素子受光面の対向領域と周辺領域で構成し、導
光体の周辺領域の一部に蛍光体が備えることで、外光を利用して効率よく発電できる太陽電池モジュールである。



【符号の説明】

1…太陽電池モジュール、4…導光体、4a…光入射面、4c…光射出面、4F…周辺領域、4T…対向領域、5…
導光体、5a…光入射面、5c…光射出面、5F…周辺領域、5T…対向領域、6…太陽電池素子、6a…受光面、
7…反射層、8,8a,8b,8c…光機能材料(蛍光体)、9…反射層、10,11,12…太陽電池モジュール、
13…導光体、13a…光入射面、13c…光射出面、13F…周辺領域、13T…対向領域、14,15,16,
17…太陽電池モジュール、18…光機能材料を含まない層、19…光機能材料を含む層、20…導光体、20a…
光入射面、20c…光射出面、20F…周辺領域、20T…対向領域、21…太陽電池モジュール、22…光機能材
料を含まない層、23…光機能材料を含む層、24…光機能材料を含まない層、25…導光体、25a…光入射面、
25c…光射出面、25F…周辺領域、25T…対向領域、26…太陽電池モジュール、27…光機能材料を含む層、
28…光機能材料を含まない層、29…導光体、29a…光入射面、29c…光射出面、29F…周辺領域、29T
…対向領域、30…太陽電池モジュール、31…光機能材料を含む層、32…光機能材料を含まない層、33…導光
体、33a…光入射面、33c…光射出面、33F…周辺領域、33T…対向領域、34…太陽電池モジュール、
35…光機能材料を含む層、36…導光体、36a…光入射面、36F…周辺領域、37…太陽電池モジュール、
38…導光体、38a…光入射面、38c…光射出面、38F…周辺領域、38T…対向領域、39…太陽電池モジ
ュール、40…導光体、40a…光入射面、40c…光射出面、40F…周辺領域、40T…対向領域、L…外光、
L1…蛍光


ところで、光体4は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ガラスなどの透明性の高い有機材料または無機材料の
基材(透明基板)の内部に、光機能材料8を分散させたものである。また、光機能材料8としては、例えば、紫外光
または可視光を吸収して可視光又は赤外光を放射する蛍光体が含まれている。なお、可視光は380nm以上750
nm以下の波長領域の光で、紫外光は380nm未満の波長領域の、赤外光は750nmよりも大きい波長領域の光
であり、光機能材料は、BASF社製のLumogen Red 305(商品名)が用いられている。Lumogen Red 305(商品名)は、
578nmに発光スペクトルのピーク波長をもつ蛍光体で。光機能材料は1種類の蛍光体でなく、幅広い波長の光を
吸収する複数種類の蛍光体を備えてもよい。

エッジグロー効果

ここでは、複数利用例として、第1蛍光体8a:BASF社製Lumogen F Violet 570(商品名) 0.02%、第2蛍光
8b:BASF社製Lumogen F Yellow 083(商品名) 0.02%、第3蛍光体8c:BASF社製Lumogen F Red 305(商

名) 0.02%が実施例12で使用されている。


上図はモジュール34に用いられる導光体36の断面図。導光体36は、光機能材料を含む第1の層35と、光機能
材料を含まない第2の層18とを積層して形成されている。本実施形態の場合、第1の層35には、光機能材料とし
て、互いに吸収波長域の異なる複数種類の蛍光体が分散されている。第1蛍光体8aは、紫外光を吸収して青色の蛍
光を放射し、第2蛍光体8bは、青色光を吸収して緑色の蛍光を放射し、第3蛍光体8cは、緑色光を吸収して赤色
の蛍光を放射する。第1の層35と第2の層18は、粘着剤によって剥離可能に接着されている。第1の層35は、
破損、劣化、又は異物(砂埃や鳥の糞など)の付着などが生じた場合に、第2の層18から剥離して交換される。第
1の層35と第2の層18は外光入射側からこの順に配置されている。第1の層35の第2の層18と反対側の面は
導光体36の第1主面36aであり、第2の層18の第1の層35とは反対側の主面は導光体36の第2主面である。
太陽電池素子は、導光体36の第2主面36bに設置されている。導光体36の第1主面36aは、外部から光Lが
入射する光入射面であり、導光体36の第2主面36bのうち太陽電池素子6が設置されている部分は、太陽電池素
子6に光L1を射出する光射出面である。第1蛍光体8a、第2蛍光体8b及び第3蛍光体8cの混合比率は、例え
ば以下の通りである。なお、第1蛍光体8a、第2蛍光体8b及び第3蛍光体8cの混合比率は基材に対する体積比
率で示している。それが、前述した蛍光体三種の数値である。
 


図17ないし図20は、第1蛍光体8a、第2蛍光体8b及び第3蛍光体8cの発光特性及び吸収特性を示す図である。
図17において、「第1蛍光体」は、第1蛍光体8aによって紫外光が吸収された後の太陽光のスペクトルを示し、「
第2蛍光体」は、第2蛍光体8bによって青色光が吸収された後の太陽光のスペクトルを示し、「第3蛍光体」は、
第3蛍光体8cによって緑色光が吸収された後の太陽光のスペクトルを示す。図18において、「第1蛍光体+第2蛍
光体+第3蛍光体」は、第1蛍光体8a、第2蛍光体8b及び第3蛍光体8cによって紫外光、青色光及び緑色光が
吸収された後の太陽光のスペクトルを示す。図19において、「第1蛍光体」は、第1蛍光体8aの発光スペクトルで
あり、「第2蛍光体」は、第2蛍光体8bの発光スペクトルであり、「第3蛍光体」は、第3蛍光体8cの発光スペ
クトルである。図20において、「第1蛍光体+第2蛍光体+第3蛍光体」は、第1蛍光体8a、第2蛍光体8b及び
第3蛍光体8cを含む導光体の第1端面から射出される光のスペクトルである。図17及び図18に示すように、第1蛍
光体8aは、概ね420nm以下の波長の光を吸収し、第2蛍光体8bは、概ね420nm以上520nm以下の波長の光を
吸収し、第3蛍光体8cは、概ね520nm以上620nm以下の波長の光を吸収する。第1蛍光体8a、第2蛍光体8b
及び第3蛍光体8cによって、導光体に入射した太陽光のうち620nm以下の波長の光が概ね全て吸収される。太陽
光のスペクトルにおいて波長が620nm以下の光の割合は37%程度である。よって、導光体の光入射面に入射した光
のうち37%は導光体に含まれる第1蛍光体8a、第2蛍光体8b及び第3蛍光体8cに吸収される。図19に示すよ
うに、第1蛍光体8aの発光スペクトルは、430nmにピーク波長を有し、第2蛍光体8bの発光スペクトルは、520
nmにピーク波長を有し、第3蛍光体8cの発光スペクトルは、630nmにピーク波長を有する。しかしながら、図
20に示すように、第1蛍光体8a、第2蛍光体8b及び第3蛍光体8cを含む導光体の第1端面から射出される光の
スペクトルは、第3蛍光体8cの発光スペクトルのピーク波長(630nm)に対応する波長にのみピーク波長を有し、
第1蛍光体8aの発光スペクトルのピーク波長(430nm)及び第2蛍光体8bの発光スペクトルのピーク波長(520
nm)に対応する波長にはピーク波長を有しない。

 
第1蛍光体8aに対応する発光スペクトルのピーク及び第2蛍光体8bに対応する発光スペクトルのピークが消失し
た原因は、フォトルミネッセンス(Photoluminescence ;PL)による蛍光体間のエネルギー移動や、フェルスター機構
(蛍光共鳴エネルギー移動)による蛍光体間のエネルギー移動などが
挙げられる。フォトルミネッセンスによるエネルギー
移動は、一の蛍光体から放射された蛍光が他の蛍光体の励起エネルギーとして利用されることにより生じるものであ
る。フェルスター機構は、このような光の発光及び吸収のプロセスを経ずに、近接した2つの蛍光体の間で励起エネ
ルギーが電子の共鳴により直接移動するものである。フェルスター機構による蛍光体間のエネルギー移動は、光の発
光及び吸収のプロセスを介さずに行われるため、最適条件ではエネルギーのロスが小さい。よって、太陽電池モジュ
ールの発電効率の向上に寄与する。本実施形態では、エネルギーロスを抑制して効率よく発電を行うために、第1蛍
光体8a、第2蛍光体8bおよび第3蛍光体8cの密度を高くし、蛍光体間でフェルスター機構によるエネルギー移
動が行われるようにしている。ここで、図21及び図22を用いてフェルスター機構について説明する。図21(a)は、
フォトルミネッセンスによるエネルギー移動を示す図であり、図21(b)は、フェルスター機構によるエネルギー移
動を示す図である。図22(a)は、フェルスター機構によるエネルギー移動の発生機構を説明するための図であり、
図22(b)は、フェルスター機構によるエネルギー移動を示す図である。

図21(b)に示すように、有機分子や無機ナノ粒子の蛍光体では、励起状態にある分子Aから基底状態の分子Bに対
してフェルスター機構によってエネルギー移動が生じることがある。蛍光体では、分子Aが励起されたときに、分子
Bにエネルギー移動を起こすと、分子Bが発光する。このエネルギー移動は、分子間の距離と分子Aの発光スペクト
ルと分子Bの吸収スペクトルに依存する。分子Aをホスト分子、分子Bをゲスト分子とするとき、エネルギー移動す
るときの速度定数kH→G(移動確率)は式(1)のようになる。



なお、式(1)において、νは振動数、f′H(ν)はホスト分子Aの発光スペクトル、ε(ν)はゲスト分子Bの
吸収スペクトル、Nはアボガドロ定数、nは屈折率、τ0はホスト分子Aの蛍光寿命、Rは分子間距離、K2は遷移
双極子モーメント(ランダム時2/3)である。 速度定数が大きいと、蛍光体間でエネルギー移動が生じやすくなる。
大きな速度定数を得るためには、以下の条件が満たされることが望ましい。

[1]ホスト分子Aの発光スペクトルとゲスト分子の吸収スペクトルの重なりが大きい。
[2]ゲスト分子Bの吸光係数が大きい。
[3]ホスト分子Aとゲスト分子Bとの間の距離が小さい。

このようなエネルギー移動現象は、有機の蛍光体に特有の現象で、一般的に無機の蛍光体では起こらないとされてい
るが、量子ドットなどのいくつかの無機ナノ粒子の蛍光体においてはフェルスター機構により、無機材料間、或いは、
無機材料と有機材料との間でエネルギー移動を生じるものが知られている。例えば、ZnO/MgZnO コア・シェル構
造の
2種類の異なったサイズの量子ドットの間でエネルギー移動が起こる。1:√2の寸法比を持つ量子ドットは共
鳴す
る励起子準位を持つため、例えば半径3nm(発光スペクトルのピーク波長:350nm)と半径4.5nm(発光ス
ペク
トルのピーク波長:357nm)の2種類の量子ドットの間では、小さい量子ドットから大きい量子ドットへエネ
ルギ
ー移動が起こる。またCdSe/ZnSコア・シェル構造の2種類の異なったサイズの量子ドットの間でもエネルギー
移動
が起こる。また、直径8nmないし9nmのMn2+ドープZnSe量子ドットは、450nmと580nmに発光ピー
クを
持ち、色素分子である1’,3’-dihydro-1’,3’,3’-trimethyl-6-nitrospiro[2H-1-benzopyran-2,2’-(2H)-indole] に紫外線を照射
して得られる開環型のSpiropyran分子(SPO open; Merocynanine form)の光吸収スペクトルとよく一
致し、量子ドット
から色素分子へのエネルギー移動が起こる。一般に、無機の蛍光体は、有機の蛍光体に比べて耐光
性が優れるため、
長期間使用する場合に有利である。 通常、2種類の蛍光体を混入した場合には、図21(a)のように、ま
ず蛍光体
Aがある効率で発光し、蛍光体Bに入射し、蛍光体Bで光の吸収及び発光のプロセスを経ることによって、蛍光体B
から光が放射される。このようなフォトルミネッセンスによるエネルギー移動は、蛍光体Aにおける光の発光プロセ
ス及び蛍光体Bにおける光の吸収プロセスでエネルギーのロスが生じ、エネルギー移動効率が小さい


一方、図21(b)に示したフェルスター機構によるエネルギー移動は、蛍光体間でダイレクトにエネルギーのみが移
動するの
で、エネルギー移動効率はほぼ百%にすることが可能であり、高効率にエネルギー移動を生じさせることが
できる。また、フェルスター機構によるエネルギー移動は、蛍光体のような発光材料だけでなく、外光によって励起
されるが、光を発生せずに失活する非発光体においても生じる。最終的な発電量は、ゲスト分子の蛍光量子収率によ
って決まり、ホスト分子の蛍光量子収率には依存しない。よって、ゲスト分子のみを蛍光量子収率の高い蛍光体で構
成し、ホスト分子を蛍光量子収率の低い蛍光体又は蛍光を発しない非発光体で構成しても、同じ発電量が得られる。
よって、フォトルミネッセンスによりエネルギー移動を行う場合のように、全ての蛍光体に対して高い蛍光量子収率
が求められる場合に比べて、ホスト分子の材料選択の幅が広がる。
図23は、太陽電池素子6の一例であるアモルファ
スシリコン太陽電池の分光感度曲線を第1蛍光体の発光スペクトル、第2蛍光体の発光スペクトルおよび第3蛍光体
の発光スペクトルとともに示す図である


導光体17の第1端面17cから射出される光L1のスペクトルは、第3蛍光体8cの発光スペクトルと概ね一致する。よって、太陽
電池素子6は、第3蛍光体8cの発光スペクトルのピーク波長(630nm)において高い感度を有するものであれば
よい。図23に示すように、アモルファスシリコン太陽電池は600nm付近の波長の光に対して最も高い分光感度を有
する。第1蛍光体、第2蛍光体および第3蛍光体の発光スペクトルのピーク波長におけるアモルファスシリコン太陽
電池の分光感度を比較すると、最も発光スペクトルのピーク波長の大きい第3蛍光体の発光スペクトルのピーク波長
におけるアモルファスシリコン太陽電池の分光感度は、導光体に備えられた他のいずれの蛍光体(第1蛍光体、第2
蛍光体)の発光スペクトルのピーク波長におけるアモルファスシリコン
太陽電池の分光感度よりも大きい。そのため、太
陽電池素子6としてアモルファスシリコン太陽電池を用いれば、高い効率で発電を行うことができる。

以上のように、本実施形態の太陽電池モジュール34では、光入射面36aに入射した外光Lの一部を複数の光機能材料
(第1蛍光体8a、第2蛍光体8b、第3蛍光体8c)によって吸収し、複数の光機能材料の間でフェルスター機構
によるエネルギー移動を生じさせ、最も発光スペクトルのピーク波長の大きい光機能材料(第3蛍光体8c)から放
射された光L1を光入射面36aよりも面積の小さい光射出面に集光させて太陽電池素子に入射させている。そのため、
太陽電池素子としては、限定された狭い波長範囲において非常に高い分光感度を有する太陽電池を用いることができ、
発電効率の高い太陽電池モジュールが提供される。

以上、量子ドットを巡る現象利用技術の高度化が進展していることを理解してもらえればこの作業は半ば成功したと
思える。このように、意外とこの革命の実現は早いという予感をもって今年を締め括れたと感じている。

 

   

今夜も、猪瀬都知事の辞任表明、王将フードサービスの大東隆行社長の射殺事件とか大きな出来ことがあった。京都
大宮の王将で安くて美味い餃子で腹一杯にしていたころを懐かしく思い出していた。

                                            
 感謝を込め合掌

 

 

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今夜はグリーンの話

2013年12月18日 | 時事書評

 

 

    



【MY発電所キット 60/72の話】

太陽光発電システムの導入判断のひとつのキーワードが、システムの合計出力。法制度上、出力50キ
ロワットを境に、それ未満を低圧契約、それ以上を高圧契約に大別され、高圧契約は法制上の制約が
多いため、工事に必要なコストや工期が大幅に跳ね上がる。そのため、個人や小規模に発電事業をス
タートしたい企業などは、50キロワット未満の低圧契約を選択することが多い。そんな低圧契約太陽
光発電市場で、最大の発電量を目指した製品「MY発電所キット60/72」がLooop社から2013年10月に発
売さ
れ話題となっている。その仕組みの“肝”は、1日の発電量の推移にある。通常、太陽光発電シ
ステ
ムは、朝の日の出から正午に向けて、徐々に発電量が高まる。そして、正午をピークに日没に向か
って
発電量は減る。そのときピークとなる正午に太陽光発電システムの最大出力のピークを合わせる
のが
これまでのやり方で、49キロワットの太陽光発電システムの場合、日照のピークである正午に49
キロ
ワットの出力が発生する。従って、ソーラーパネルも49キロワット、パワーコンディショナーも
49キロ
ワットでシステム構築する。しかし、Looop社の「MY発電所キット60/72」は、49.5キロワットの
パワーコ
ンディショナーに60もしくは72キロワットのソーラーパネルを組み合わせ、下図の黄色い部
分が、従来の49キロ
ワットのソーラーパネル&パワーコンディショナーによる発電量。それに対して、
60もしくは72キロワットのソ
ーラーパネルと49.5キロワットのパワーコンディショナーの発電量は青
の部分まで大きくなる。つま
り、太陽の光が弱いときに、49キロワットのソーラーパネルより60もし
くは72キロワットのソーラーパネルは、
より多くの発電を実現する。そのときの出力は49キロワット
に届かず、パワーコンディショナーは49
キロワットで事足りる。そして、正午のピーク時は、法制度
に適合するよう、パワーコンディショナ
ーがピークをカット。系統連系に契約以上の電力を流さない
ようにする。つまり、ソーラーパネルが
7キロワットであっても、運用は49キロワットのソーラーパネ
ルと同様になるというのだ。

しかし、カットされるピーク部分の発電量がそれよりも大きくなっては意味がない。新エネルギー産
業技術総合開発機構(NEDO)が公開している日照量のデータを当てはめて計算すると、ピークカッ
トで失われる発電は意外に少ない。宮城県仙台市では、年間の総発電量に対してロスされるのは2.3
%。山梨県甲府市で1.85%、宮崎県都城市で0.577%、京都府京都市で0.49%、茨城県笠間
市で0.38%であった。その結果、一般的な低圧タイプの太陽光発電システムに対して、「MY発電所
キット72」は、約1.4倍の年間発電量を実現させたという話だが、法規の枠内で過剰設備にならない程
度に最大発電量を得て最適化するという手法で、パネル+パワコン価格の廉価度が採算上の支
配因子と
なるが、ピークカット分を集めて利用しなければもったいないことには変わりない。尚、ピークが数
%であればパワコンの定格を超えても支障はないという話だ(十分に余裕があるということだが、裏
付けはとっていない。直接メーカに問い合わせば良いことだが)。

 

【矢橋の帰帆にメガソーラーの話】

矢橋(草津)は江戸時代、対岸の大津石場との渡し舟の発着地として栄えた港で、東海道を往来する
旅人は湖上交通による近道として大いに利用し賑わった。 現在は湖岸に自動車道路「さざなみ街道」が
走り、人工島「帰帆島」が造成されて往時の景観は一変、人工島の奥にある入江には今も釣り船や和船、
ヨットなどが繋留され、のどかな風景をかもし出す。ところが、滋賀県、京セラ株式会社、京セラT
CLソーラー合同会社は、矢橋帰帆島内に、滋賀県最大となる約8.3メガワットの太陽光発電設備を
設置に向けた基本協定を締結するという。滋賀県は、公有水面埋立により創出した矢橋帰帆島内の未
利用地の有効活用を目的に、10月、太陽光発電施設の設置および運営管理を行う事業者の公募を行い、
これに京セラと京セラTCLソーラーが共同で応募し、事業者として採択。今後は、2014年3月に協
定を締結、同年8月に工事着手、2015年9月に発電事業を開始する予定だ。なお、発電事業は売電開
始から20年間。発電所は、約99,970平方メートルの土地に京セラ製太陽電池モジュール約34,000枚を
設置する計画で、年間発電量は一般家庭2,000世帯分の年間電力消費量に相当する約850万キロワット
となる見込み。災害等非常用電源の設置、および矢橋帰帆島公園の整備(ソーラー案内板、ソーラー
外灯・時計の設置)を行い、さらに発電所には子どもたちへの環境学習を目的とした見学用の展望台
を併設するなど、地域の発展に貢献するとのことだ。 




矢橋にメガソーラーか、隔世の感だな。しかしてこれは、ウエルカムなニュース。流域下水道の終末処理場と
いうことで言えば、湖東、湖西もあるが後続する建設計画はあるのだろうか?!そんなことを考えていた。

 

【日本のバイオマス市場の話】 

日本は60億立方キロメートルの森林をかかえる世界でも有数の森林資源国だが、その資源を有効利
用する木質バイオマス発電は早くから注目を浴びていたものの、先進国のドイツから比べれば、遅々
たるものだが、ここにきて具体化に向けて動き出したが、事業経営面でも、技術面でも課題が多い。
バイオマス発電の事業化を推進のきっかけは、2012年7月にスタートした再生可能エネルギーを対象と
した固定価格買取制度(FIT)の導入。すでに数十件のバイオマス発電事業がFIT認定申請し、バイオマ
ス発電を事業化する動きが活発になっている。しかし、同じ再生可能エネルギーでも参入が容易な太
陽光発電事業などとは異なり、木質バイオマス発電を事業化するには、あらかじめサプライチェーンな
どを形成する必要があり、体系的な知識、ノウハウが欠かせない。日本のバイオマス発電はまだ経験
が浅く、多くの課題が山積みされている。その懸念は(1)計画されているバイオマス発電事業のほ
とんどが、大量の燃料を必要とする5千キロワット以上の大規模なもので、森林資源に過剰な負担を与
えなかねない。当然、大量の燃料が必要になるので、その事業リスクが高まる。(2)発電する際に出
る熱を活用する熱電併給(コージェネ)が考えられておらず、膨大なエネルギー損失が発生すること。そ
もそもバイオマス発電は大型化しても、化石火力発電に比べれば規模が小さく、発電効率は20%台に
しかならない。発電の際の排熱損失をいかに減らせるかが課題となる。その発電ロスを削減する手段
がコージェネで、導入するとエネルギー効率を80%以上に高めることができるが、熱電併給プラント
の場合、熱需要を開拓するのが難しく、しかも需要先の近くに立地しなければならない。(3)林地残
材や工場残材などバイオマスの副産物の利用、いわゆるカスケード利用が不十分で資源の付加価値を
引き出せない。しかし、FITの買取り価格が未利用材によるチップの場合が32円であるのに対し、工場
残材の場合は24円に設定され、日本では広い林業専用道や林地残材をその場でチップ化する移動式チッ
パーが導入・活用されず、コスト高になり残材が利用さていない。

     

このような日本のバイオマスエネルギー利用の課題を解決に参考なるのがドイツのFITによる政策誘
導策。ドイツではFIT導入時の2000年で9億キロワットに過ぎなかったバイオマス発電量が、2012年で
は125億キロワットへと大幅に増加するとともに、熱利用についても2000年の500億キロワットから2012
年には1,075億キロワットへと拡大し、農山村経済に貢献している。ドイツでは2004年のFIT改定でコ
ージェネ、林地残材、革新的技術にボーナス制度を導入してインセンティブを働かせ、発電プラント
5,000キロワット以下にシフトするよう誘導する。さらに2012年の改訂ではコージェネを義務化し、
規模別価格差をより拡大することで、事実上5,000キロワット以上のプラントの建設が不可能となって
いる。具体的には、①発電の規模価格差を設けるとともに、5,000キロワット以上の大型に対して買
取価格を低く設定する。②排熱利用を促すように、熱電併給に対して買取価格を上乗せする。③未利
用材、一般木材で買取価格差を設けることを止め、残材利用を優遇する。④さらに、日本はドイツな
ど欧州に比べ、バイオマス技術にも課題が多く、FIT 改定によりインセンティブが働き、熱電併給、
タービン等での技術革新、
などが提案されているが、それにしても、ドイツなどの前例が有ることは
心強いことだ。

   

 

 




この「グリーンな話」は三話構成にして、適宜、適時、掲載しておこうと思う。さて、ジムに無理を
おして行ったが
元上司から、訃報を聞かされることに。そういえば、自宅から出かけてすぐ、タクシ
ーの運転手をみると元の職
場仲間。チョットした会話を交わし分かれた。"会者常離"ならば前を向い
てと、内向き状態をだましだましタイピングし終えた。

コメント (1)
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呼吸と疾病

2013年12月17日 | 医療健康術

 

 




【呼吸と疾病の関係】

長年、気管支を緩慢的に痛めてきた加減で、目覚めると同時に咽頭部リンパ腺が腫れと痛み、
気管
支の炎症で背中から胸部かけての痛みが走る。これは”ベンザブロクL”を服用しなけれ
ばと、目覚ま
し代わりにテレビを突けると「口呼吸による疾病」の解説番組が映し出されてい
たので、これがいけな
いかと興味を惹く。そこで、彼女にそのことを尋ねると、いつも口を開
けて寝ているよ!と言う。洗面と
朝食を済ませ、薬を服用し、暫く、定常作業を始めと、それ
っきり作業に没頭してしまい、日暮れ時に
なり、朝の残件の作業に切り替えた。そうすると、
口呼吸が、さまざまな病気の原因となっている可能
性についてを元東京大学医学部口腔外科講
師の西原克成の情報が注目されていることを知る。

※  西原克成:日本免疫病治療研究会会長。「顔と口腔の医学」西原研究所所長。1940年、神
奈川県生まれ。東京医科歯
科大学卒業後、東京大学大学院博士課程修了。東京大学医学部講師、
同附属病院で長く臨床に携わる。

口呼吸チック項目

  • 無意識のうちに口が半開きになる
  • 唇がカサカサに乾燥している
  • 朝起きた時に、のどがヒリヒリ痛む
  • 鼻の穴を意識して動かすことができない
  • 唇を閉ざすと、あごのとがったところに“梅干”ができる
  • 鏡を見ると、口が「へ」の字だ
  • クチャクチャと音を立てて食べる
  • いびきをかく
  • 唇の厚さが上下で著しく差がある
  • 受け口である
  • 歯並びが悪い、または前歯が出ている
  • 片方の歯で噛むくせがある

 

呼吸には二つあり、その一つが「鼻呼吸」で、もう一つが「口呼吸」。ところで、「あん(阿
吽)の呼吸」とは 仏教の呪文(真言)の1つで、悉曇文字(梵字)において阿は口を開いて
最初に出す音、吽は口を閉じて出す最後の音であり、そこから、それぞれ宇宙の始まりと終わ
りを表す言葉とされた。また、宇宙のほかにも、前者を真実や求道心に、後者を智慧や涅槃に
たとえる場合もある。次いで、対となる物を表す用語としても使用された。特に狛犬や仁王、
沖縄のシーサーなど、一対で存在する宗教的な像のモチーフとされた。口が開いている方を阿
形(あぎょう)、閉じている方を吽形(うんぎょう)と言う。転じて、二人の人物が呼吸まで
合わせるように共に行動しているさまを阿吽の呼吸、阿吽の仲などと呼ぶというが・・・話は逸
れた。

鼻呼吸の特徴は、(1)吸い込んだ空気の除塵する:私たちが、吸い込む空気には、さまざま
な病原菌が含まれていますが、病原菌の50~80%は鼻の粘膜に吸着され、処理される。(2)
吸い込んだ空気の加湿する:鼻呼吸の場合は、冷たくて乾いた空気でも、鼻腔で暖められ、湿
度を含んだ状態で、のどまで到達。加湿が不十分だと肺胞の粘膜になじみにくく酸素がスムー
ズに吸収されない。(3)病原菌の繁殖を抑える:吐く息も、鼻腔を通ることで、鼻腔を適度
に乾燥させ、カゼのウイルスなどの病原菌の繁殖を抑える効果を発揮。この三つの機能が働き
(1)免疫向上(2)酸素が行き渡り、脳・筋肉が活性する。と、いうわけだがこれに関する
臨床試験データの調査はまだ。これに対し、口呼吸の特徴は、(1)病原菌が白血球の中に入
り込み、全身に運ばれてしまう:口から吸引した空気は、そのままのどまで行ってしまいのど
の粘膜が、さまざまな病原菌に無防備となる。病原菌が白血球の中に入り込み、全身に運ばれ
てしまう。(2)のどを乾燥させ、加湿不十分な空気が肺に入る:のどには、温度、湿度の調
節機能がないので、ほぼ吸い込んだときと同じ状態の空気がのどを直撃し、のどを乾かしたり
冷やしたりして、リンパ組織に損傷を与える。(3)鼻腔や副鼻腔に細菌やウイルスが増殖し
やすくなる:空気が鼻腔を通らないと、汚れがたまり、常にじめじめした状態になるため、免
疫力低下、酸素が吸収されにくいことになる。具体的には、口呼吸によって引き起こされる病
気の主なものは、リウマチ、ぜんそく、花粉症、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患、肺
炎や腎炎も引き起こしやすく、糖尿病や高血圧症、白血病、悪性リンパ腫、潰瘍性大腸炎など
の原因にもなるとされるというが、これも詳細については未調査である。それ以外に(1)舌
の粘膜が乾燥するため味覚障害になる可能性が高くなる。(2)鼻の機能が低下するため嗅覚
障害になる可能性が高くなる。(3)口呼吸の場合は口が開いている為、口の周りの筋肉が緩
み、舌が気道を塞いでしまい、睡眠時無呼吸症候群になる可能性が高くなる。(4)加湿不十
分な空気が肺に入り、肺胞膜を痛める、肺胞の粘膜がなじみにくいので、酸素が吸収されにく
いkとが指摘されているわけだが、いずれも、その他の環境条件が入れば、ここで想定されて
いる最悪のケーズは簡単に回避されだろうから、参考意見として受け止めておく。

これは面白と思ったことは、日本人は離乳の時期は一歳前後が常識で、海外では、三、四歳と
短く、これが口呼吸依存体質に変えてしまうのだという。それじゃ、矯正方法は?といえば、
(1)おしゃぶりをくわえて、日常生活を送る(2)1日3回、合計1時間ほど、口を閉じて
ガムをかむ(3)食餌での咀嚼回数を増やす(30回/度)(4)医療用テープを口に貼り、
日常生活をする(5)鼻孔拡大装置を鼻にはめる。そうすれば矯正効果は2~4週間で現れる
とのこと。(1)については、大人の玩具じゃないけれど、余り気が進まない。(4)の口の
マスキングについて要商品開発。(5)はアレルギー体質には逆効果になりはしないかと心配
する(鼻孔マスク=鼻孔栓が市販されている)。結局、(2)の1日3回、合計1時間ほど、
口を閉じてガムをかむが即応できることと判断し、励行することを確認した

 

1)口腔領域における機能性疾患の診断と治療(1) 総論、歯界展望 91(1):195-203, 1998
2)口腔領域における機能性疾患の診断と治療(2) 各論、歯界展望 91(2):449-459, 1998
3)口呼吸習癖による免疫系・骨格系の機能障害とその治療、日本一般臨床医矯正研究会 8:
  67-90, 1997.

4)免疫系疾患と口呼吸習癖との関連、日口診誌 7(2):243−262,1994.


【ガラパゴスが世界化 ?!

 

   

【植物工場の近未来】

昨夜は「環境バイオセンサ事業の展開」として、植物工場事業について掲載してみた。しかしながら、
高度な環境制御と周年栽培を実現する植物工場施設の面積は世界全体でみても非常に小さいも
のである。太陽光
利用型ではトップリーダーであるオランダでは施設園芸の80%以上が植物工
場に分類できるほど、ハイテクな施設が普及している一方で、日本の場合は約6万2,000haのう
ち、植物工場が占め
る面積は1,000haにも満たない、と推計される。日本の施設園芸の多くが
ハイブにフ
ィルムが張った簡易的なハウスであり、加湿・冷却装置や自動開閉カーテン、そ
他の環境モニタリング制御機器といった装置・システムの導入施設は極めて少ないのが現状。
こうした設備投資には、導入資金の調達と投資回収が可能な採算性が求められる。大きな設備
投資が必要な施設園芸・植物工場ビジネスヘの参入には、大手企業による単独参入、または大
手企業が出資を行いながら地元農家と共同で農業生産法人を設立する形が一般的である。

また、葉野菜やトマト・パプリカといった野菜の生産・販売事業にて採算性を考えた場合、ある
程度の大規模化が必要となる。例えばレタス類を生産する場合、太陽光利用型では1ha(1日
5,000株~)、完全人工光型では1,000平方メートル(1日1万株~)くらいの規模が必要とされ
が(補助金なしを想定)、このような大規模施設となると国内では数カ所に限られている。
現在
の政府方針は、農地の集約化や農業法人への出資規制緩和など、民間企業による農業参入
を推
進しており、今後は国内においても植物工場の施設面積の拡大が見込まれる。



高度な環境制御と周年栽培を実現する植物工場施設の面積は世界全体でみても非常に小さいも
のである。太陽光利用型ではトップリーダーであるオランダでは施設園芸の80%以上が植物
工場に分類できるほど、ハイテクな施設が普及している一方で、日本の場合は約6万2000haの
うち、植物工場が占める面積は1000haにも満たない、と推計される。日本の施設園芸の多くが、
ハイブにフィルムが張った簡易的なハウスであり加湿・冷却装置や自動開閉カーテン、その他
の環境モニタリング制御機器といった装置・システムの導入施設は極めて少ない。こうした設
備投資には、導入資金の調達と投資回収が可能な採算性が求められる。大きな設備投資が必要
な施設園芸・植物工場ビジネスヘの参入には、大手企業による単独参入、または大手企業が出
資を行いながら地元農家と共同で農業生産法人を設立する形が一般的である。また、葉野菜や
トマト・パプリカといった野菜の生産・販売事業にて採算性を考えた場合、ある程度の大規模化
が必要となる。例えばレタス類を生産する場合、太陽光利用型では1ha(1日5,000株~)、完全
人工光型では1,000平方メートル(1日1万株~)くらいの規模が必要とされるが(補助金なしを想
定)、このような大規模施設となると国内では数カ所に限られている。

現在の政府方針としては、農地の集約化や農業法人への出資規制緩和など、民間企業による農
業参入を推進して
おり、今後は国内においても植物工場の施設面積の拡大が見込まれる。ただ
し、小規模農家による露地栽培
(土耕栽培)やこだわりを持った有機栽培も重要であり、様々な
商品を消費者自身が選択していく形が望ましいのだが、
日本国内における有機JAS農産物の割
合が全体の0.2%、有機JAS規格ではない有機農作物を合計しても0.35%の
シェアしかない国内
の状況も一つの課題として挙げられるだろう。太陽光利用型ではオランダの複合環
境制御シス
テムなどを採用しながら、国内の市場ニーズに対応した品種改良や日本の気候(高温多湿)にマ
ッチした冷却技術など、メインはオランダ製を採用しながら、装置・システムの再構築が必要
となる。また日本のような高温多湿に近い気候をもつ東南アジアをはじめとする熱帯エリアヘ
の技術輸出が期待されてる。 

また、完全人工光型では世界でもトップ技術を持つ日本であるが、気候・栽培条件によっては
露地や簡易的な施設園芸での生産が適している地域がある一方で、砂漠や寒冷地などの過酷環
境下では閉鎖空間にて栽培する完全人工光型が生かせるケースも多いだろう。さらに中東など
の砂
漠地帯では、太陽光発電や太陽光をそのまま栽培室内に取り込む技術(国内でも太陽光採
光ま
たは、光ダクトシステムとして、主に住宅・商業ビル向けに普及しつつある)など、自然エ
ネル
ギーを活用しながら省エネ型システムの開発も必要とされる。その他、完全人工光型では
カリウムの摂取制限がある腎臓病透析患者向けにカリウム含有量だけを低下させた低カリウム

野菜や、光条件や温度・湿度環境による外的ストレスを通じて、栄養価を高めたアイスプラン
トが栽培されており、食材だけでなく健康食品や化粧品といった商品にも利用されている。ま
た、有用
なワクチンタンパクを発現する遺伝子を組み込んだ植物に関する研究も進んでいる。
花粉症の緩
和が期待できる“お米"、ペット・イヌの歯周病を予防できる“イチゴ"など、将来
的には植物工場技術を漢方薬の原料の生産など医薬分野へ応用も検討されている。以上のよう
に植物工場技術は未だ発展
途上段階であり、国内外のマーケットにおいて、大きなビジネスチ
ャンスがある。ただし、
システム(太陽光・人工光型)、エリア(気候条件)によって、必要とさ
れる技術開発テーマも異
なることから、各企業が進むべき方向性を正しく理解する必要がある。
自社が保有する技術ノウハウを生かしながら、将来的にニーズがある市場に狙いを絞らなけれ
ばならない。また植物工場で
は、様々な技術が必要とされる。場合によっては、複数社がチー
ムとなってオールジャパンとして海外へ事業展開も想定すべきだろう。

※今夜は、大規模気候変動耐性としての大規模植物工場の事業を食料安全保障として、いいか
えれば、国土強靱化構想に包括される事業として考察してみたかったが、これは残件扱いとし
ておきたい。
   

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植物工場用バイオセンサ

2013年12月16日 | WE商品開発

 



【環境バイオセンサ事業の展開】

今年を振り返ってみて一番だったことは?と考えたら、試験菜園をまったくしなかなことだ。
しかし、
これには訳があり多くのフィールド上の課題がなくなったことにある。その経緯は
ブログを読み返せ
ばわかることなのだが、我流の「土壌機能の解体学」を粗方やり終えたこ
とにある。ところが、「和食」
が世界文化遺産登録を果たしたことで話題に上がる機会が増
えたためでで、特に発酵工学が取り
上げられている。例えば、アスペルギルス(麹黴)のフ
ラブスとオレゼのDNA配列比較とかが紹介さ
れていたしている。長い時間をかけて日本人
との共生で、酒や味噌、醤油などの伝統食品を改良利用してきた。このようにわたしたちの
環境中には微生物(細菌・糸状菌・放線菌・藻類・原生動物の5つ)が数多く存在している
のだが、加工食品工場での環境の定点測定は専ら培養試験を中心に、極めて経験的な作業と
伝承の中で行われてきたがゆえに生産性が低かった。ところで、土壌中には計り知れないく
らい多くの微生物が生きていて、土壌の小さじ1杯で1億くらい存在すると言われている。
その中には植物にとって有利なものもいれば有害なものもある。また植物の根がある場所(
根圏)は微生物の種類は少ないものの活発活動している(植物は、細菌・糸状菌・放線菌の
三種類が関与)。密度は非根圏の26倍から120倍と言われている
。なお、根圏の厚さは根か
ら1㎜前後と言われていて、根がない場所(非根圏)では微生物の種類は多いものの数は少
なく不活発だとされている。このような微生物環境をバイオセンサで定点測定出来るように
しておけば、環境変化と微生物の活動をその場測定できることで、農産物や加工食品の生産
の品質や生産性向上に大きく貢献することが期待できるだろう(「微生物のはなし」)。も
っとも、有機肥料成分、酵素、補酵素などの定量計測も可能だろう。そう考えたとき「土壌・
環境試料中の全生細菌定量測定装置とそのシステム自動化」ということに関してまとめて考
えてこなかったことに気付いた。

例えば、サンプルを機械的に自動採取し、耐圧チューブ(可撓性細管)などで減圧搬送し、バイオセ
ンサで自動測定するシステムに変えるわけだが、従来、この種の微生物検査方法は、栄養成分が
含まれる寒天培地に検体を0.1ml滴下し、コンラージ棒にて塗抹する塗抹寒天培養法、寒天培地
が固まらない状態で検体1mlを混釈する混釈培養法、液体培地にて検体を0.1mlもしくは1ml添
加する液体培養法などで微生物を培養し、その増殖活性を検出する培養法が用いられている。
養法は、培養に24~48時間かかること、培養条件(温度、時間、培地栄養成分)が一
致しない微生物を培養することができない問題がある。メンブレンフィルターを使用し微生
物を計量する方法の、アデノシン三リン酸(ATP)分解酵素を含む溶液をメンブレンフィ
ルターに施した後、乾燥処理したメンブレンフィルターに検体中の微生物をろ過捕集し、必
要であれば所要時間培養した後、ATPの抽出液試薬と発光試薬のルシフェリン・ルシフェ
ラーゼを
霧状に噴霧することにより、ルシフェリンとルシフェラーゼがATPと反応し、1
分子のルシフェリンを酸化し1フォトン発光し、高感度CCDカメラで撮り込み微生物を計
量する従来の微生物検査法である培養法は、検査の結果が得られるまでに24~48時間またはそ
れ以上の培養時間を必要とし、生鮮食品などの製造あるいは製品出荷の段階で検査結果待ち
を要
しデメリットとなる。

また、検体中に微生物と同じように発光する蛍光異物等が含
まれる検体検査では、微生物と
同じように発光する蛍光異物等と微生物の蛍光との明確な差が得られず、正確な微生物数の
計量ができない。上図の
発明は、検体中の微生物数の計量時間を短縮し、メンブレンフィル
ターに捕集した微生物と異物を判別し、検体中の正確な微生物数を検出する微生物計量装置
の新規考案が提案されていた。
 

ところで上の写真は、産業技術総合研究所が、検出対象のバイオ物質に付着させた蛍光標識
からの発
光信号を表面プラズモン共鳴励起蛍光増強(SPRF)機能によって強めて、対象バ
イオ物質の高感度検出ができるV字型の断面を持つマイクロ流路型センサー(V溝バイオセ
ンサー)チップの開発に成功したことを公表した。今回、マイクロ流路の断面をV字型にす
ることでSPRF機能の発現に必要な光学プリズムと表面プラズモン共鳴(SPR)励起層を流路
と一体的に構成し、センサーの光学系を一直線上に配置して、SPRFの高感度性とマイクロ
流路の簡易操作性とを併せ持つバイオセンサーシステムを実現。体内の極微量の疾患由来物
質(
バイオマーカー)やウイルスなどの定量検出が数µL程度の極微量試料で行え、臨床現場
でのより正確な診断に加え、日常の健康管理にも役立つバイオセンサーシステムとして
貢献
が期待されている



この背景には、さまざまな疾患に起因して体内に発生するバイオマーカーが特定され、糖尿
病のような生活習慣病やガンなどの早期発見が可能となってきている。これらのバイオマー
カーを検出し、まだ病気ではないが病気になりつつある状態、未病状態が検知できことも分
かってきている。人を病気にさせない技術として注目を集めている。また、感染症でも、感
染初期の極微量の菌やウイルスを迅速に高感度で検出できるようになれば、治療の初動を早
めることで早期回復が期待できるとともに、感染拡大の阻止にも繋がる。
これらを実現する
鍵となる技術が、超高感度バイオセンサー技術である。既にいくつものセンサー技術が実用
化して
いるが、簡易検査では十分な感度や定量性が得られない一方、高感度な検出手法では、
操作が煩雑でその場での迅速な判定は難しいことがある。
 

今回の発明はの特徴は、上図のように、従来のSPRF検出系は光学プリズム上にSPR励起層を
持つチップを密着させ、このチップ上に検体を保持する流路を接合した構成。また、励起用
の光を、プリズムに対して所定の角度に調整して入射する必要があった(図1(a))。その
ため使い勝手が悪く、装置が大型化するため、高感度であることが分かっていながら実用的
な使われ方はされていなかった。そこで、図1(b)、(c)に示すように、底面に光が入射
するプリズム面となるようなV字型の溝のマイクロ流路により流路そのものにプリズムの機
能を持たせ、流路の内面にSPR励起層として金(Au)薄膜を持った構造を考案。これにより、
プリズム、検出用チップ、流路、と三つの部材に分かれていた構成を、一体化できた。また、
センサーチップ底面に励起用の光を垂直に入射すればSPRが励起されるようにV溝の頂角を設
定してあるので、煩雑な入射角の調整が不要で、下方から照射される励起光に対して水平に
チップを置くだけでSPRF効果が得られるという。

※参考「特開2013-024607 目的物質検出プレート、目的物質検出装置及び目的物質検出方法」 

つまり、この二つの発明でも分かるように、計測対象と検出感度さえ決まれば、微量のサン
プルで、
多種多様の微生物など対象タンパク質(バイオ及びネグロ)が検出される。一旦、
植物の成長を促し
高付加価値(品質・機能)で安定供給、廉価などの特徴を持った農産物や
加工食品を生産性を高め
ることができる土壌環境を決定・再現できれば、植物工場のまた新
しいステージ
に立つことができる
はずだ。この構想を付けくわえることを、こうして今夜動
機付けることができたという次第。そのうちに
スマホで自分で注文した食品の生産現場を遠
隔見学でき、生産条件などの履歴が閲覧できる時代
がくるだろう。これは面白い。
 

 

日銀短観改善-景気回復の波、中小企業にも拡大-景気回復の波が中小企業にも広がり始め
たと、日本銀行が16日発表した。それによると12月の全国企業短期経済観測調査(短観)で
は、中小企業の製造業と非製造業で、最近の景気が「良い」と考える企業の割合が「悪い」
とする企業を上回ったという。それで?それでというわけではないが、予断禁物だが経済政
策については、やっと、後追いでチェンジできたということになるが、ここは素直にウエル
カムだ(上図参照)。

 

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エネルギー政策交々

2013年12月15日 | 政策論

 

 

 

【横浜市スマートエネルギー事業】

スマートシティを推進する横浜市は今夏、BEMSの導入で参加14棟の電カピークカットを最大22.8%
達成したという。電力削減への貢献実績に応じて電力割引相当の金額を支払うインセンティブでは、

15円/kWh以上で効果の出ることを確認したという(「2014.WI 環境ビジネス」)。それによると横
浜市は経済産業省の次世代エネルギー社会システム実証地域に選定自治区。市内経済の活性化と新
産業の育成策を目的にスマートシティプロジェクトを10年より推進。これまで電気自動車シェアリ
ングや家庭用エネルギー管理機器(HEMS)の実証事業などを実施し、BEMSについても13年の冬期
と夏期にそれぞれ実証実験を行った。このうち1~2月の冬期はオフィスビルなど6棟で実証実験
を行い、最大22%のピークカットを達成。7~9月の夏期はさらに規模を拡大するとともにビジネ
ス化の可能性を探り、電力削減に貢献した実績(kWh)に応じ、電力割引相当の金額を支払うインセン
ティブを設ける。参加したのはオフィスビル、工場、マンションの14棟で最大22.8%のピークカッ
トを達成。そこで、インセンティブは5円/kWh、15円/kWh、50円/kWhの3段階を設定し、これを日
によって変更することでデマンドレスポンスとの関係を調べたところ、インセンティブ5円/kWhの
電力削減率は平均値2.1%で最大6.6%となり、15円/kWhは同平均 12.2%で最大 22.8%、50円/
kWhは同平均 12.7%で最大 22.0%となり、このことから5円/kWhではインセンティブ効果が低いも
のの、50円/kWhと15円/kWhで大きな開きがないことからインセンティブ価格は15円/kWh以上であれ
ば電力の削減率を高められる結論付けた

※ 冬期は1月9日~29日までの間の7日間で、平日の17時~20時を対象とし前日夜の予報に基づき
 最高気温8度以下
の日に発行。目標はピークカット最大20%。一方、夏期は7月18日~9月20日ま
 での間の22日で、平日の13~
16時を時間帯としデマンドレスポンスの発行条件を前日の天気予報
 で最高気温
30~31℃以上の予測日とした。

横浜市は中期4か年計画に「環境最先端都市戦略」を位置付け、低炭素社会に向けた需要創出による
市内経済の
活性化に取り組んでおり、その取り組みの一環が横浜スマートシティプロジェクト。
ロジェクトはCEMSHEMS
BEMSだけでなく太陽光、太陽熱、風力などの再生化可能エネルギー
の導入や、EVの大量導入と蓄電池SCADAなどとを組み合わせエネルギーの連係システムの構築など
を掲げ、
14年度までに太陽光発電で 27MW、HEMS 4000件、EV 2000台を目標設定している実証事業
を実施しているのは3地域
で、①集合住宅、商業、低層住宅の多い港北ニュータウンエリアが主に
HEMS
EV、②高層ビル、タワー型マンションの多いみなとみらい21エリアはBEMS、③産業団地、住
宅団地の多い横浜グリーンバレーエリアでBEMSHEMSとなっているとか。今年度はさらにHEMS
の実証事業として参加を希望する家庭1500件を募集しており、電力使用量のデータ提供によるHEMS
購入効果の検証や、電力使用量の見える化などを実施する。このなかには省エネを促す仮想料金メニ
ューの体験も含まれており消費者の省エネ行動も調べる。これらの結果は来年にまとまるが、横浜
市のスマートシティ化の推進データの1つに組み込まれるという。

 

【ビルエネルギー需要を解析実証実験】

同上雑誌の「大特集スマートエネルギー」では、「ビックグデータ活用、実用段階へ」と題し、機
械学習技術を使って解析し、隠れていた規則性から新たなビルのエネルギー需要を予測する成功事
例の紹介を行っている。エネルギー利用、気候、職員の動向など膨大なデータから高精度な電力需
要予測
を行い、エネルギー使用機器を最適にコントロールすることで電力使用量も同様に最適化を
図るもの
で、その例として、日本電気(NEC)と大林組が行った「異種混合学習技術」で。実験は東
京都清瀬
市の大林組技術研究所で行われ、過去2年間の同施設の電力使用量、空調に用いた冷温水
熱量、気象
、営業情報、日付、在籍者数などの各種データを基に未来の電力使用量と熱利用量を異
種混合学習
技術により予測。実験では収集した膨大なデータの中から年間を通じて昼間、夜間、祭
日などで異
なる規則性を自動的に発見し、24時間後や1ケ月後などの電力使用量や熱量を予測した。
実験の結
果、高精度な予測ができたため、今後は予測した値に基づいて機器をコントロールし、ビル
全体の消
費電力最適化につなげる。また予測値と実測値のずれが大きくなると、自動的に予測モデ
ルを更新し、高い予測精度を保つ。
 次の段階としてNECは節電効果をあげるため節電ガイダンス
機能を開発し、同社のクラウド対応のBEMSButics-SXに新機能としても加える予定だという。

 

今後の応用展開には、(1)ビルなどの電力需要予測:ビルの電力予測に関して、精度の高い需要
予測を行
うことで、単純なピークカットではなくよりインテリジェントな節電対策が可能。(2)
ヘルスケア:多くの人々の
通常時の身体活動データから色々なパターンを自動学習し、パターンか
ら外れる異常状態を検出すること
で、精度の高い健康管理システムを実現。(3)農業:刻々と変
化する空気中の成分濃度や土中の物質濃度などを予測し、最適な農作業の内容や時間帯の制御・推
薦を行うことが期待されている。

 

【貝塚レポートの太陽光発電市場】


さらに、同上雑誌には、太陽光発電における日本の世界での立ち位置を分析した「貝塚レポート」
が掲載されている。それによると、太陽光発電システムの普及には、まだまだ性能向上や材料使用
量の低減、長寿命化等を通したコス
ト低減、多用途化を踏まえた建材一体型や軽量モジュールの開発
などが欠かせない。研究費や普及率
から、現在の日本の立ち位置を振り返る。2013年9月末からフラ
ンス・パリにおいて第28回欧州太陽光発電国際会議(EUPVSEC-28)が開催された。欧州において太陽
光発電市場は縮小傾向にあり、参加者数は前年の4,024名から減少したものの、発表論文数は前年の
1,572件から微増の1,620件であった。論文提出数の上位国は、ドイツ376件(23%)、日本118件(7%)、
フランス110件(7%)、米国89件(5%)、台湾84件(5%)、イタリア82件(5%)、韓国82件(5%)、スペ
イン68件(4%)、スイス59件(4%)、オランダ51件(3%)であった。欧州勢の発表が圧倒的ではあるが、
アジア勢では日本が第2位、韓国及び台湾も上位10位国にランクインしている。論文数では欧州諸
国、日本、米国、
日本が上位を占めているが、太陽電池の生産量では中国・台湾が圧倒的シェアを
っていることから、EUPVSEC-28
においては、研究開発への投資の意義や欧州太陽光発電産業の競争
力の復
権等も議論された。
 

※貝塚泉氏(かいづか・いずみ):資源総合システム調査事業部部長。国際研究エネルギー機関・太陽
光発電システムブログラム(IEAPVPS)タ
スク1(情報交換部会)の専門家を2003年から務める。国内外
の太陽光発電関連国際会議やシンポジウムで講演。

表1は主要国における2012年の太陽光発電への公的研究予算額示と太陽電池生産量のシェアを示す。
2012年
の予算総額での比較では米国が1位となっている。米国においては2011年初めに米国エネル
ギー省(DOE)がSun
Shot計画を開始した。ケネディ大統領時代に人類を月へ送ることを目指したMo-
on Shot
計画になぞらえて開始された同計画では、2020年までに電力事業用太陽光発電所のコストを1

ドル/Wとすることを目指して基礎研究から普及のための実証にまで取り組んでいる。 しかし、こ
の計画の開始後に短期間に太陽電池価格が下落したことで、競争力を失った企業や市場で勝負でき
るまでに技術を高めることができなかっベンチャー企業の破綻が相次いで報告された。研究開発の
成果の市場への迅速な移転と米国における生産シェアの拡大が大きな課題になっている。

 

米国に次いで研究開発予算が多いのは日本である。その後に韓国、中国、ドイツが続く。太陽光発電
の研究開発に
おいては、日本は欧州及び米国と並んで主導的な位置にあるこの8月に発表された
経済産業省に
よる2014年度太陽光発電システムの技術開発に開する予算要求では、太陽光発電に関
連する研究開発予算は増
額されている。来年5年目を迎える「太陽光発電システム次世代高性能技術
開発」に、3年目を迎える「有機系太陽電池実用化先導的技術開発」が統合され、66.5億円が要求され
ている。「革新型
太陽電池研究開発」には14億円の予算が要求されている。また、「太陽光発電多用途
化実証事業」は5.0億円から
11.5億円に倍増されている。さらに、2011年度補正予算から復興対策と
してスタートした、福島県への再生可能エネルギーの技術支援は増額され、「福島再生可能エネルギ

ー研究開発拠点機能強化事業」は16.0億円、「福島県再生可能エネルギー次世代技術開発事業」は13.0
億円となった。この事業
により福島県郡山市に再生可能エネルギーに開する産業支援を主な目的と
する新研究所の設立が決まり、現在建屋が建設中である。また、新研究所においては、文部科学省
革新的エネルギー研究開発拠点形成事業として科学技術振興機構の主導によりナノワイヤーシリ
コン太陽
電池とヘテロ接合シリコン太陽電池のタンデム化による超高効率太陽電池の探索研究(予算:
5ケ年
40億円)が本格的に開始される予定である。太陽電池モジュールの最近の価格低減は、研究開
発の成
果というよりはむしろ規模の経済性の実現と過剰生産能力による値崩れで進展してきたが、太
陽光発
電が既存エネルギーに対して競争力をもつためには、性能向上や材料使用量の低減、長寿命
化等を
通したコスト低減はまだまだ必要であるし、多用進化を踏まえた建材一体型や軽量モジュール
の開発
も必要であろう。この認識があるからこそ、世界各国において公的予算により研究開発が進め
られて
いる。

経済産業省(METI)は、2013年11月18日に2013年7月末までの固定価格買取制度における設備認定状況
と導
入状況を発表した。2012年7月から2013年7月の太陽光発電の同制度における累積導入量は3,916
MW、累積設備部定量は22,067 MWであった。稼働を開始した設備は1MW未満がシステムの稼働が大
半を占めているが、導入が進展してきたことがわかる。2013年1月~7月の導入量は3,099MWであり、
2013年7月末時点での我が国における太陽光発電の累積導入量は9,420MWとなったことから考えると
日本における累積導入量は11月現在で、10,000MW、つまり10GWを超えたものと推定できる。2012年
末時点での累積導入量の国別ランキングを見ると日本の累積導入量は6.6GWであり世界5位である。
2012年末時点では累積導入量が10GWを上回る国は、ドイツとイタリアの2ケ国だけである。米国に

おいては2013年の導入量は4GWを上回ることが予測されており、中国においても5~8GWが2013
末までに導入される見込みであることから、2013年末時点には10GW超えカントリーは5ケ国にな

見込みである。2013年おそらく年間導入量も2012年と同様年間導入量の上位国にランクインするこ
とが予測される。ただし、表に示すように人□ぺ毎の設置容量や電力需要に占める太陽光発電の割
合を見ると、トップ5
にはランクインできていない状況である。

 

Sicily gets one of the largest solar power parks in Italy

昨夜から編め雨で雪にいつ変わるのかと模様眺めでいたが、いっこうに雪に変わらなかった。とい
うのも例
年なら降雪→積雪というおきまりのコースなのだが、山手では積雪で京都-滋賀の県境で
はボーイスカウトが遭難かというニュースが流れたが先ほど無事下山したというテレビを観て、思
わず手を叩いていた。テレビといえば、小選挙区制を否定し中選挙区制へ回帰するような発言があ
ったが、“羮に懲りて膾を吹く”と言う具合いだが、これには意見を異にする。民主党のマニフェ
スト違反に由来する分裂騒ぎから起きた問題で新制度導入に由来するものではなく、寧ろ、国会議
員の未成熟さに由来するものだと言える-そのように考えている。議論を深める以外に道はない。

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エジプトで百年目の降雪

2013年12月14日 | 地球温暖化

 



 

【ピラミッドに雪が降る】

13日、エジプトで、首都カイロの郊外などで雪が降った。政府系アハラム紙のインターネッ
トサイトでは雪だるまをつくる子どもたちの写真が掲載された。同紙はカイロでの雪は1979
年以来とするが、住宅地が白く覆われるほどの雪が降ることはごくまれで「百年ぶり」(112
年?
)という。11日最新の衛星データの分析を通じて、南極大陸東部の高地で、氷点下約93

度という史上最低の気温が観測されていたことが分かった。この数値はドライアイスの昇華
温度よりも低いという(最低気温の新記録は、2010年8月10日に計測)。米コロラド州の国
立雪氷データセンターのギャレット・キャンベルは、空気は冷たいほど密度が高くなるので、
下に沈むはずだと考えられるが、冷たい空気は斜面の途中の平坦な箇所でとどまっていたと
報告しているNational Geographic News December 11, 2013)。

 

 ※ 太陽活動周期リスト

今回の二つの事象から直ちに、地球温暖化の否定と結べ付ける言動を正当化されるわけでは
ない。なるほど、太陽活動には、いくつかの周期単位が存在する。最も基礎的なものは、太
陽活動周期(黒点周期)と呼ばれる11年間の周期的変化だ。活動が活発になる期間は通常、
黒点が増加し、フレアやコロナ質量放出などのエネルギー爆発が発生する時期と一致する。
今回の太陽活動周期(第24太陽周期)は、2008年から開始し、11年サイクルにおける極大期
のピークは2013年半ばになると予想されていたが、太陽活動は予想ほど活発になっていない
米国立気象局宇宙天気予報センター(NOAA)で予報局長を務めるロバート・ラトリッジは、「どう見
ても非常に静かな状態が続いている。今後の周期後半も、それほど変化しないと考
えた方が
いいだろう」と述べていたが、今回の太陽活動周期における太陽活動は、ここ百年
強におい
てもっとも弱いということを考えると、活動の総体的な衰退期が始まり、静かな周
期があと
複数回続くと予測する研究者もいるが、ラトリッジは、太陽の活動についての理解
は十分で
はない。このまま平穏な状態が続くかもしれないし、突然極端な活動激化が始まる
かもしれ
ないと述べている(2013.09.18
WIRED「極大期でも低調な太陽活動:長期的活動低下も?」)。

以上、様々な情報などを踏まえても、人為説に立つわたし(たち)は、急激な気象変動の現
象は複雑で、
一時的に大気圏の混ぜっ返しにより、絶対ゼロ度(氷点下270℃)に漸近するか
のよう
に気温変化することもあり得るだろうと考えているが、注意深く現状観測を継続して
いくし
か他なしと考えている。 


【高崎宿のケーク・サレ】 

高崎宿は、中山道六十九次のうち江戸から数えて13番目の宿場。 また、高崎宿から三国街
道が分岐し、その起点の宿場で、現在の群馬県高崎市にあたる。天保14年(1843年)の『中
山道宿村大概帳』によれば、高崎宿の宿内家数は837軒、本陣および脇本陣は設けられてお
らず、旅籠のみ15軒が設けられ、宿内人口は3,235人だった。これは第12番目の倉賀野宿(
くらがのしゅく)が、日光へ向かう日光例幣使街道が分岐し、かつて江戸時代、烏川を利用
した舟運搬の河岸があり、長さ11町38間(約1.2km)で、上町、中町、下町があり、中町が中
心地の現在の群馬県高崎市倉賀野町にあたり、天保14年(1843年)の『同大概帳』では、倉
賀野宿の宿内家数は297軒、うち本陣1軒、脇本陣2軒、旅籠32軒で宿内人口は2,032人で、明
治16年に鉄道が敷設されるまでは、東京や信越方面を結ぶ水運の川岸舟場として栄え、料理
屋や遊郭などもあり、賑わったされように交通の要衝地であった。

  

ところで、高崎市は、関東地方の北西部、群馬県中部よりやや南西に位置する中核市。旧群
馬郡・碓氷郡・多野郡・甘楽郡(1900年(明治33年)の市制当時の区域は旧群馬郡)。平成
の大合併により、群馬県で県内最大の人口を抱える都市となる。古くから交通の要衝で、中
山道(国道17号高崎以南・国道18号)と三国街道(国道17号高崎以北)の分岐点、関越自動
車道と北関東自動車道の分岐点、上越新幹線と長野新幹線の分岐点ともなるなど、全国有数
の交通拠点都市。新幹線の停車する高崎駅は群馬県の県庁所在地前橋市の玄関口で、群馬県
の交通の中心地。平成の大合併では、倉渕村、箕郷町、群馬町、新町、榛名町、さらには吉
井町を編入し、広大な市域に県内一の人口を擁するようになった。都市圏人口は約53万人で
都市圏人口としては県内一の規模である。



政治的には、本市から自民党の政治家(総理大臣については本市から三名)を多く出してお
り、「自民王国」としても有名。日本一のだるまの産地であり、国道18号沿いにはだるまの
生産工場が集中する。数少ないオーケストラのある地方都市であり、高崎マーチングフェス
ティバルが開かれるなど、音楽に関する活動が盛んであることから、高崎市は「音楽のある
」と名乗る。また、高崎フィルム・コミッションにより、ドラマ・映画・プロモーション
ビデオ等の撮影を誘致し、しばしば高崎の市街地や学校などが登場する。毎年、高崎映画祭
を開催するなど、音楽以外の芸術・文化活動も盛んだ、昭和40年代の上越新幹線ルート発表
を契機に市が主導となっていった再開発事業などは30にもおよぶ。



また、市内から赤城山・榛名山・妙義山の上毛三山を望むことができる。特に榛名山の南面
は、大部分が市域に含まれる。 また市内には、利根川・烏川・碓氷川など、大きな一級河
川が流れ、烏川は流域のほとんどが市域に含まれる。海岸より100 km以上離れた内陸に位置
するにもかかわらず、中心市街地の標高は97.1m(高崎市役所)と低い。また、市の北部及
び西部には標高1000m以上の地点も存在し、倉渕町川浦の浅間隠山にある東吾妻町及び、
野原町との境界では標高1690m、新町の烏川河川敷の標高60mと標高差が1630mもある。当初、
高崎の地は「和田」と呼ばれ、
「高崎」という都市名の由来については、高崎城が和田城の
跡に完成した際に、城主である井伊直政が、当地を「松ヶ崎」という名前に改めようと思っ
たが、箕輪の龍門寺住職の白庵が「もっともなことではありますが、諸木には栄枯あり、物
には盛衰があるのは珍しいことではありません。殿様が、家康様の命を受けて和田の地に城
を築いたのは権力の頂点に立った大名に出世されたからであります。そうであれば『成功高
大』の意味を採って『高崎』と名付けた方がよいのではないでしょうか」と進言、
「和田」
を「高崎」と改め、白庵が箕輪から転住した龍広寺の山号に「高崎」の二字を与え感謝の意
を表したとの伝承による。

高崎城(旧名:和田城)は日本の城。所在地は上野国群馬郡(現:群馬県高崎市高松町)江
戸時代は高崎藩の藩庁となった。高崎城は烏川に沿って築城された輪郭梯郭複合式の平城で
ある。本丸には御三階櫓(天守)と乾(/北西)、艮(うしとら/北東)、巽(南東)、坤(
南西)の4基の隅櫓があったが、現存するのは乾櫓(県重文指定)のみ。本丸を囲むように、
西の丸、梅の木郭、榎郭、西曲輪、瓦小屋があり、二の丸、三の丸が梯郭式で構えられてい
た。城の周りは土塁で囲まれ、石塁はほとんど造られなかった。かつて城内には本丸門など
16の門があり、通用門として使われていた東門(市の重要文化財)だけが移築復元されて現
存している。また、三の丸土塁と水堀は現在の町並みにも活きており、当時の面影を今に伝
えている。

箕輪城(みのわじょう)は、群馬県高崎市箕郷町にある平山城跡で、国の史跡に指定されて
いる日本百名城の一つ。榛名白川によって削られた河岸段丘に梯郭式に曲輪が配された平山
城で、城の西には榛名白川、南には榛名沼があり、両者が天然の堀を形成していた。城地は
東西約500メートル、南北約1,100メートル、面積約47ヘクタールにおよぶ広大なものであっ
たが、現在にのこる遺構は、石垣・土塁・空堀の跡が認められる。 戦国時代には武田信玄
などと激闘を繰り広げ、武田家の上州進出を阻んだ長野業政の居城。息子の長野業盛の時代
に武田信玄の攻撃を受けて落城し、武田氏配下の内藤昌豊(昌秀)、さらに武田氏滅亡後は
北条氏の支配化に組み込まれ、北条氏が豊臣秀吉によって滅亡させられると、徳川家の重臣
である井伊直政の居城となる。現在の遺構は、この井伊直政の時代に改修を受けたものの、
1598(慶長3)年に井伊直政は高崎城へ移り廃城となった。

 

  

高崎宿周辺は、上州と呼ばれ上州牛(和牛)が有名であり、前述した、達磨(ダルマ)や
多種のまんじゅう・お菓子もあり、おきりこみ。ダルマ鍋、ダルマ鍋、安中宿でも紹介した
タルタルカツ丼もあり、有りすぎて印象が拡散されイマイチ薄い。そこで、目を惹いたのは
「高崎ケーク・サレ」だ。ケーク・サレは「塩味ケーキ」という意味のフランスの料理。海
外では野菜や肉、チーズなどを混ぜこんで焼き上げた料理として親しまれているという。普
通のケーキと違い、砂糖を多く使わないため甘くなく、ふわっとした食感と食材のうまみが
楽しめる。
高崎産食材の特徴の一つに、1年を通じてさまざまな種類の野菜や肉、果物など
が手に入ることが挙げられる。
 

そこで、『中山道仮想ローイング』のテーマ課題である”ご当地ラーメン”だが、これも素材に事欠か
なくて意外と難しい。そこで、イタリアンのアクアパッタ風のフェンネル、カーボロネロ、ビーツ、ズッキ
ーニ、オクラ、ルッコラ、アンティチョークなどの地元のイタリアン野菜をオリーブオイルで炒めアリー
オーレ仕立てにした”高崎イタリアン野菜ラーメン”をイメージングした。チョット洒落ていて、上州の
土の香り漂うご当地ラーメンが完成。女性の人気になること間違いなしだ(兎に角、目立つことにポ
イントを置く)!?
尚、地元産のオリーブオイルや粉チーズの開発がもう一つの課題となる。

コメント
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