極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

特異点真っ直中 ④

2023年05月15日 | 量子電池


彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救った
と伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦
国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと
)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひこにゃん」。

 岩魚蕎麦
 鮎蕎麦(甘露煮)

【蕎麦愛シリーズ:鮎・鱒・岩魚】
今日もランチは、和蕎麦(具材は豚ロース肉に卵、鰹だしにゆずぽんに
すりごまと七味、野菜はスライスニンジンと刻みネギ。ご機嫌だ。そこ
で、淡水魚(鱒・岩魚・鮎・本諸子)プラス海水魚(鯖・鰯・飛び魚・
鱵・鱚)の甘露煮、焼きものを試食する(調理法は電子レンジ即席レシ
ピのみ)。写真掲載。


【特集光合成炭化水素化合物製造技術 Ⅰ】
❏ 特開2023-65331 藻類培養システム及び藻類培養方法 公益財団法人
   農村更生協会
【概要】藻類や微細藻類は高い増殖特性や細胞から取り出すことの出来
る有用物を利用することによって、食糧やエネルギー、又はバイオマス
燃料等の各種の分野において多様な用途が開発されており、藻類を培養
するための種々の技術がある。なかでも、大気中にある二酸化炭素を光
合成によって吸収することで燃料や油を作る。藻類によって作り出され
たバイオ燃料は、燃焼させても二酸化炭素が増えないためクリーンなエ
ネルギーとして期待されている。 参考特許1の培養槽(微細藻類を培
養する方法として、円形ポンド、レースウェイポンド、フラットパネル
型培養槽、チューブ型培養槽など様々な方法が考案・実証されてきた)
は、レースウェイポ型培養槽を用いて、攪拌手段で水流を起こしながら
二酸化炭素供給源から培養液内に二酸化炭素を直接溶解させているが、
底部に存在する光合成微生物に十分な量の光を届けるために水深が浅く
設計されている。浅い水深であっても水中に十分な量の二酸化炭素を溶
解させるために攪拌手段にカバーが設けられ、当該カバー内に二酸化炭
素供給源から二酸化炭素が供給する特徴をもつ。
参考特許2の培養システムは、二酸化炭素を含む火力発電所から排出さ
れる燃焼ガスから湿式又は乾式の有害物質除去装置を用いてガス内の有
害物質を除去し、培養槽に供給するもので、ユーグレナ等の藻類を大量
に培養するためには非常に多くの二酸化炭素が必要となるが、火力発電
所の排出ガスを藻類の培養に利用することによって、排気ガスの有効利
用を図るとともに藻類を効率的に培養することができる。
【参考特許】
1.特開2012-23979号
2.特開2015-198649号
ただし、特許文献1に記載のようにカバーに覆われた環境下で二酸化炭
素を曝気によって水中に供給する場合は、カバーの隙間等から外部に漏
れ出てしまうため効率的に二酸化炭素を供給することが難しかった。ま
た、特許文献2に記載の藻類の培養システムでは、排気ガスから鉛や硫
黄化合物等の有害物質を除去する工程が必要となるため、二酸化炭素の
供給プロセスが煩雑になるなど、藻類の培養に関する技術は発達途上で
あり、培養の工程における効率化が課題となっている。特に、藻類の種
類に応じて各種気象条件や海水条件が大きく異なるため安定的に藻類を
培養することが難しい。また、藻類に供給する栄養剤についても十分な
研究がなされておらず、更なる効率的な培養方法が求められていた。
【課題を解決するための手段】
まず、①培養液を攪拌する攪拌部が設けられた藻類を培養するため培養
槽と、培養槽にフルボ酸を含む腐植液を投入する腐植液投入部と、閉鎖
された溶解槽にガスを投入して培養液を供給することにより前記培養液
に前記ガスを溶解させる溶解部と、溶解部によって生成された二酸化炭
素を含む前記培養液を前記培養槽に供給する供給部とを有する特徴をも
たせ上、②腐植液投入部の前記腐植液の培養槽への投入量を制御する制
御部と、培養槽の環境データを検出するセンサ部と前記培養槽の温度を
調節するための温度調節部と、をさらに有し、制御部は、前記センサ部
から検出された環境データに基づいて、温度調節部と、溶解部に溶解さ
せるガスの量を制御する特徴を有す。
③第1の発明に記載された藻類培養システムであって、腐植液にガスを
溶解させる腐植液溶解部をさらに有し、腐植液溶解部は、腐植液投入部
に接続され閉鎖された腐植液溶解槽に、ガスを投入して腐植液を供給す
ることにより、腐植液にガスを溶解させることを特徴とし、
④さらに、培養液を攪拌する攪拌部が設けられた藻類を培養槽で培養す
るステップと、培養槽にフルボ酸を含む腐植液を投入するステップと、
閉鎖された溶解槽にガスを投入して培養液を供給することにより培養液
にガスを溶解させるステップと、溶解槽で生成された二酸化炭素を含む
培養液を前記培養槽に供給するステップと、を有することを特徴とする
藻類培養方法を提供する。

【図1】第1の実施の形態の藻類培養システムのブロック図
【図2】第1の実施の形態の藻類培養システムのフロー図

【符号の説明】
1 藻類培養システム 2 培養部 3 腐植液生成部 4 溶解部 5 制御部
21 培養槽 22 攪拌部 23 照射部 24 センサ部 25 ポンプ 2
6 温度制御部 27 調整部 31 製造タンク 32 保管部 41 溶解槽
50 二酸化炭素供給源


【図3】本発明の第2の実施の形態の藻類培養システムの培養槽を示す図
【図4】本発明の第3の実施の形態の藻類培養システムのブロック図
【図5】本発明の第3の実施の形態の藻類培養システムのフロー図
【効果】
①の発明で、腐植液投入部がフルボ酸を含む腐植液を培養槽に投入する
ため、培養槽内で培養される藻類の繁殖を促し効率的な培養が可能とな
る。また、閉鎖された溶解槽にガスを投入して培養液にガスを溶解させ
ているため、培養液に高濃度でガスを溶解させることができる。さらに、
閉鎖された溶解槽においてガスを溶解させるため、ガスが外に漏れるこ
となく効率的に培養液に溶解させることができる。また、溶解部によっ
て生成されたガスを含む培養液を培養槽に供給するため、培養槽を所望
の環境とすることができ、効率的な藻類の培養が可能となる。
②では、制御部が腐植液の投入量を制御するため、藻類を好適な環境下
で培養することができる。また、制御部がセンサ部からの環境データに
基づいて温度調節部及びガスの量を制御するため、藻類を好適な環境下
で培養できる。
③では、閉鎖された腐植液溶解槽においてガスを溶解させるため、ガス
が外に漏れることなく効率的に腐植液に溶解させることができる。また
、腐植液溶解部によって生成されたガスにより高濃度化されたフルボ酸
等を含む腐植液を培養槽に供給するため、効率的な藻類の培養が可能と
なる。
④腐植液を投入するステップにおいてフルボ酸を含む腐植液を培養槽に
投入するため、培養槽内で培養される藻類の繁殖を促し効率的な培養が
可能となる。また、閉鎖された溶解槽にガスを投入して培養液にガスを
溶解させるステップを有するため、培養液に高濃度でガスを溶解させる
ことができる。さらに、閉鎖された溶解槽においてガスを溶解させるた
め、ガスが外に漏れることなく効率的にガスを培養液に溶解させること
ができる。また、溶解するステップによって生成されたガスを含む培養
液を培養槽に供給するため、培養槽を所望の環境とすることができ、効
率的な藻類の培養が可能となる。
【産業上の利用可能性】
本発明の藻類培養システム及び藻類培養方法は、細胞内に炭化水素や多
糖類などの有機物を貯蔵する藻類を培養によって増殖させるために使用
することができる。藻類培養システムによって培養された藻類は、健康
食品、医薬品、飼料、化成品、又は燃料等の用途で利用できる。
✔  国土面積が小さい地方ではコンパクトか要請される。垂直反培養設
備型としての展開設計も必要。

❏ 特開2022-111456 トリプタンの製造装置および製造方法 本田技研工
業株式会社
従来、トリプタン(2,2,3-トリメチルブタン)の各種の製造方法
が知られている、例えば、特許文献 特表2005-501894号では、ナフサに
含まれる炭素数が5または6の環式炭化水素を、触媒反応により水素存
在下で選択的に開環し、異性化することでトリプタンを製造。 工場排ガ
スなどから回収された二酸化炭素を利用してメタノールを合成し(再生
可能メタノール)、ガソリンなどの燃料の製造に利用することが期待さ
れている。しかしながら、上記特許文献1の製造方法では、原料として
ナフサを用いるため、温暖化対策に貢献することが難しい。そこで、本
発明の一態様であるトリプタンの製造装置は、空気中の二酸化炭素を回
収する二酸化炭素回収部と、再生可能電力により水を電気分解して水素
を生成する水素生成部と、二酸化炭素回収部により回収された二酸化炭
素と、水素生成部により生成された水素とから一酸化炭素を生成する一
酸化炭素生成部と、一酸化炭素生成部により生成された一酸化炭素と、
水素生成部により生成された水素とからメタノールを生成するメタノー
ル生成部と、メタノール生成部により生成されたメタノールと、二酸化
炭素回収部により回収された二酸化炭素または一酸化炭素生成部により
生成された一酸化炭素とを反応させて酢酸を生成する酢酸生成部と、酢
酸生成部により生成された酢酸からアセトンと二酸化炭素とを生成する
アセトン生成部と、アセトン生成部により生成されたアセトンからピナ
コロンを生成するピナコロン生成部と、メタノール生成部により生成さ
れたメタノールからグリニャール試薬を生成するグリニャール試薬生成
部と、ピナコロン生成部により生成されたピナコロンと、グリニャール
試薬生成部により生成されたグリニャール試薬とを反応させて2,3,
3-トリメチル-2-ブタノールを生成するトリメチルブタノール生成
部と、トリメチルブタノール生成部により生成された2,3,3-トリメ
チル-2-ブタノールから2,2,3-トリメチルブタンを生成するト
リプタン生成部と、を備える製造方法であれば、地球温暖化対策に貢献
することができる。
【図1A】本発明の実施形態に係るトリプタンの製造装置の構成の一例
を概略的に示すブロック図

【図1B】本発明の実施形態に係るトリプタンの製造装置の構成の別の
例を概略的に示すブロック図

注)図1Aの上部フローのみ変化、下部は同じである。

図1Aは、本発明の実施形態に係るトリプタンの製造装置(以下、装置
)1Aの構成の一例を概略的に示すブロック図である。図1Aに示すよ
うに、装置1Aは、発電装置2と、水電解装置3と、DAC装置4と、
逆シフト反応器5と、メタノール製造器6と、酢酸製造器7Aと、アセ
トン製造器8と、二量化反応器9と、ピナコール転移反応器10と、グ
リニャール反応器13と、水素置換反応器14と、塩素置換反応器11
と、グリニャール試薬製造器12と、ガス精製器15とを有する。 発電
装置2は、例えば、半導体素子により太陽光エネルギーを電気エネルギ
ーに変換する太陽光発電装置や、風車により風力エネルギーを電気エネ
ルギーに変換する風力発電装置として構成され、再生可能電力を生成す
る。水電解装置3は、発電装置2により生成された再生可能電力により
水を電気分解して水素(再生可能水素)を生成する。 DAC(Direct Air
Capture
)装置4は、工場排ガスなどの二酸化炭素を含有する原料ガスか
ら、いわゆるカーボンニュートラル炭素源として、例えば化学吸収法に
より二酸化炭素を分離、回収する。具体的には、原料ガスをアミンなど
の吸収液に選択的に吸収させ、吸収液を加熱して高純度の二酸化炭素を
分離、回収する。原料ガスや吸収液の輸送用のポンプ、吸収液の加熱用
のヒータには、発電装置2により生成された再生可能電力が使用される。
逆シフト反応器5は、DAC装置4により回収された二酸化炭素と、水
電解装置3により生成された水素とが供給され、銅やニッケルなどの触
媒存在下、600~700℃で、下式(i)の逆シフト反応(平衡反応)に
より一酸化炭素と水とを生成する。逆シフト反応器5で未反応の二酸化
炭素は、後の酢酸製造工程に供給される。逆シフト反応器5の加熱用のヒ
ータには、発電装置2により生成された再生可能電力が使用される。こ
の反応における一酸化炭素の収率は、700℃で約67%であるが、水
素過剰条件とすることで、さらに向上することが可能であり、例えば
100%とすることができる。 CO2+H2→CO+H2O ・・・(i)
メタノール製造器6は、逆シフト反応器5により生成された一酸化炭素
と、水電解装置3により生成された水素とが供給され、銅-亜鉛触媒の
存在下、240~260℃、50~100気圧で、下式(ii)の反応によ
りメタノールを生成する。メタノール製造器6の加熱用のヒータ、加圧
用のポンプには、発電装置2により生成された再生可能電力が使用され
る。この反応におけるメタノールの収率は、約95%である。
CO+2H2→CH3OH ・・・(ii)
酢酸製造器7Aは、メタノール製造器6により生成されたメタノールと、
水電解装置3により生成された水素と、DAC装置4により回収された
(逆シフト反応器5で未反応の)二酸化炭素とが供給され、ルテニウム
-ロジウム触媒存在下、200℃、100気圧で、下式(iii)の反応に
より酢酸を生成する。酢酸製造器7Aの加熱用のヒータ、加圧用のポン
プには、発電装置2により生成された再生可能電力が使用される。この
反応における酢酸の収率は、約77%である。
CH3OH+H2+CO2→CH3COOH+H2O ・・・(iii)
アセトン製造器8は、酢酸製造器7Aにより生成された酢酸が供給され
、クロム-亜鉛-マンガン触媒存在下、325℃、常圧で、下式(iv)の
反応によりアセトンと二酸化炭素と水とを生成する。アセトン製造器8
の加熱用のヒータには、発電装置2により生成された再生可能電力が使
用される。この反応におけるアセトンの収率は、約96%である。
2CH3COOH→CH3COCH3+CO2+H2O ・・・(iv)
二量化反応器9は、アセトン製造器8により生成されたアセトンが供給
され、マグネシウムなどの触媒存在下で、下式(v)のピナコールカップ
リング反応によりピナコールを生成する。
               - 中略 -
ガス精製器15は、アセトン製造器8により中間生成物として生成され
た二酸化炭素が供給され、供給された二酸化炭素ガスを精製する。ガス
精製器15により精製された二酸化炭素は、酢酸製造器7Aに供給され
る。すなわち、酢酸製造器7Aには、DAC装置4により回収され、逆
シフト反応器5で未反応の二酸化炭素に加え、ガス精製器15により精
製された二酸化炭素が供給される。このように、中間生成物として得ら
れた二酸化炭素を再循環させることで、装置1A全体として二酸化炭素
を排出することなく、DAC装置4により回収されたカーボンニュート
ラル炭素源を有効利用することができる。
図1Bは、図1Aの装置1Aの変形例である装置1Bの構成の一例を概
略的に示すブロック図である。装置1Bの酢酸製造器7Bは、メタノー
ル製造器6により生成されたメタノールと、逆シフト反応器5により生
成された一酸化炭素とが供給され、ロジウムまたはイリジウム触媒存在
下、200℃、30気圧で、下式(xi)の反応により酢酸を生成する。酢
酸製造器7Bの加熱用のヒータ、加圧用のポンプには、発電装置2によ
り生成された再生可能電力が使用される。
CH3OH+CO→CH3COOH ・・・(xi)
装置1Bのガス精製器15により精製された二酸化炭素は、逆シフト反
応器5に供給される。すなわち、逆シフト反応器5には、DAC装置4
により回収された二酸化炭素に加え、ガス精製器15により精製された
二酸化炭素が供給される。このように、中間生成物として得られた二酸
化炭素を再循環させることで、装置1B全体として二酸化炭素を排出す
ることなく、DAC装置4により回収されたカーボンニュートラル炭素
源を有効利用することができる。 
本実施形態によれば以下のような作用効果を奏することができる。
(1)装置1A,1Bは、空気中の二酸化炭素を回収するDAC装置4と、
再生可能電力により水を電気分解して水素を生成する水電解装置3と、
回収された二酸化炭素と、生成された水素とから一酸化炭素を生成する
逆シフト反応器5と、生成された一酸化炭素と、生成された水素とから
メタノールを生成するメタノール製造器6と、生成されたメタノールと
、回収された二酸化炭素または生成された一酸化炭素とを反応させて酢
酸を生成する酢酸製造器7A,7Bと、生成された酢酸からアセトンと
二酸化炭素とを生成するアセトン製造器8と、生成されたアセトンから
ピナコロンを生成する二量化反応器9およびピナコール転移反応器10
と、生成されたメタノールからグリニャール試薬を生成する塩素置換反
応器11およびグリニャール試薬製造器12と、生成されたピナコロン
とグリニャール試薬とを反応させて2,3,3-トリメチル-2-ブタ
ノールを生成するグリニャール反応器13と、生成された2,3,3-
トリメチル-2-ブタノールから2,2,3-トリメチルブタンを生成
する水素置換反応器14とを備える(図1A、図1B)。 
工場排ガスなどから回収されたカーボンニュートラル炭素源である二酸
化炭素を利用して合成された再生可能メタノールを原料としてガソリン
の改質剤となるトリプタンを製造することで、改質ガソリンの炭素強度
を低下させ、温暖化対策に貢献することができる。 
(2)装置1Aはアセトン製造器8により生成された二酸化炭素を精製
するガス精製器15をさらに備える(図1A)。酢酸製造器7Aは、メ
タノール製造器6により生成されたメタノールと、DAC装置4により
回収された二酸化炭素およびガス精製器15により精製された二酸化炭
素とを反応させて酢酸を生成する(図1A)。中間生成物として得られ
た二酸化炭素を再循環させることで、装置1A全体として二酸化炭素を
排出することなく、カーボンニュートラル炭素源を有効利用することが
できる。 
(3)装置1Bはアセトン製造器8により生成された二酸化炭素を精製
するガス精製器15をさらに備える(図1B)。逆シフト反応器5は、
DAC装置4により回収された二酸化炭素およびガス精製器15により
精製された二酸化炭素と、水電解装置3により生成された水素とを反応
させて一酸化炭素を生成する(図1B)。酢酸製造器7Bは、メタノー
ル製造器6により生成されたメタノールと、逆シフト反応器5により生
成された一酸化炭素とを反応させて酢酸を生成する(図1B)。中間生
成物として得られた二酸化炭素を再循環させることで、装置1B全体と
して二酸化炭素を排出することなく、カーボンニュートラル炭素源を有
効利用することができる。 
上記実施形態では、化学吸収法により原料ガス中の二酸化炭素を回収す
るDAC装置4を用いる例を説明したが、空気中の二酸化炭素を回収す
る二酸化炭素回収部は、このようなものに限らない。例えば、活性炭や
ゼオライトなどの吸着剤に二酸化炭素を選択的に吸着させ、減圧により
二酸化炭素を分離、回収するPSA(Pressure Swing Adsorption)法を用
いてもよい。上記実施形態では、一酸化炭素、メタノール、酢酸、アセ
トン、ピナコロン、グリニャール試薬、2,3,3-トリメチル-2-
ブタノールおよび2,2,3-トリメチルブタンを生成するときの触媒
や試薬、反応条件などを例示したが、これらに限定されない。 
以上の説明はあくまで一例であり、本発明の特徴を損なわない限り、上
述した実施形態および変形例により本発明が限定されるものではない。
上記実施形態と変形例の1つまたは複数を任意に組み合わせることも可
能であり、変形例同士を組み合わせることも可能である。
1A,1B トリプタンの製造装置(装置)、2 発電装置、3 水電解装
置、4 DAC装置、5 逆シフト反応器、6 メタノール製造器、7A,
7B 酢酸製造器、8 アセトン製造器、9 二量化反応器、10 ピナコ
ール転移反応器、11 塩素置換反応器、12 グリニャール試薬製造器
13 グリニャール反応器、14 水素置換反応器、15 ガス精製器

❏ 特開2023-62240 二酸化炭素分離回収装置、二酸化炭素分離回収シ
ステム及び二酸化炭素分離回収方法 清水建設株式会社
【概要】

建築物環境衛生管理基準には、空気調和設備を設けている場合の居室に
おいては、二酸化炭素の含有率を1000ppm(体積基準)以下にす
ることが定められている。このように、空気調和設備を設けている建築
物の室内においては、室内の空気から二酸化炭素を除去する技術が望ま
れている。酸化炭素は、適切な方法で回収することにより、有価物の製
造に利用することができるが、特許文献 特開2015-528743号の技術では、
二酸化炭素の吸収率(吸着効率)に改善の余地がある。加えて、特許文
献の技術では、吸収した二酸化炭素の再利用については、何ら考慮され
ていない。ここで、より効率よく二酸化炭素を吸着させ、吸着した二酸
化炭素を再利用できる二酸化炭素分離回収装置、二酸化炭素分離回収方
法及び二酸化炭素分離回収システムを目的とする。上記課題を解決する
ために、以下の態様を有する。
[1]冷却機と、二酸化炭素を吸脱着できる吸着材を有する吸脱着部と
を備え、 前記吸脱着部は、着脱自在に設けられ、 前記冷却機で生成し
た冷却空気を前記吸脱着部に供給する、二酸化炭素分離回収装置。
[2]前記冷却機がヒートポンプである、[1]に記載の二酸化炭素分
離回収装置。
[3]前記吸脱着部の二次側に、二酸化炭素濃度測定器をさらに備える、
[1]又は[2]に記載の二酸化炭素分離回収装置。 
[4][1]~[3]のいずれかに記載の二酸化炭素分離回収装置と、
取り外された前記吸脱着部から、前記吸着材に吸着されている二酸化炭
素を脱着する二酸化炭素脱着装置と、を備える、二酸化炭素分離回収シ
ステム。 
[5]二酸化炭素を含有する空気を冷却し、冷却空気を得る冷却工程と
吸着材を有する吸脱着部に前記冷却空気を接触させることで、前記吸着
材に前記二酸化炭素の一部又は全部を吸着させ、清浄空気を得る吸着工
程と、前記吸脱着部を取り外し、二酸化炭素が吸着した前記吸着材から
二酸化炭素を脱着する脱着工程と、前記脱着工程で脱着された二酸化炭
素を回収する回収工程と、を有する、二酸化炭素分離回収方法。
[6]前記冷却工程で、前記二酸化炭素を含有する空気に含まれる水分
を低減する、水分低減操作をさらに有する、[5]に記載の二酸化炭素
分離回収方法。
[7]前記清浄空気の二酸化炭素濃度と、前記二酸化炭素を含有する空
気の二酸化炭素濃度との差が10%以下となった時に、前記脱着工程を
実施する、[5]又は[6]に記載の二酸化炭素分離回収方法。
【発明の効果】
本発明の二酸化炭素分離回収装置、二酸化炭素分離回収システム及び二
酸化炭素分離回収方法によれば、より効率よく二酸化炭素を吸着させ、
吸着した二酸化炭素を再利用できる。


【符号の説明】
1⋯二酸化炭素分離回収装置、2⋯屋内空間、3⋯二酸化炭素脱着装置、
4⋯回収容器、 10⋯筐体、11⋯蒸発室、12a,12b⋯空気導入口、
13⋯凝縮室、14a,14 b⋯空気排出口、16⋯隔壁、18⋯排水口、
20⋯冷却機、21⋯蒸発器、22⋯凝縮 器、24⋯圧縮器、26⋯膨張弁、
30⋯吸脱着部、40a,40b⋯送風機、50⋯二 酸化炭素濃度測定器、
100⋯二酸化炭素分離回収システム、L1,L2,L3⋯配管

図1・本発明の一実施形態に係る二酸化炭素分離回収装置を示す概略図
図2.本発明の一実施形態に係る二酸化炭素分離回収システムを示す概
  略図

特開2023-053820 二酸化炭素還元触媒の製造方法 国立大学法人山口大学
【概要】
現在、人工的な光合成でCO2を取り込み、燃料(アルコール)を合成す
る研究が活発化している。CO2の還元生成物としては、オレフィンや
燃料などへの転換技術が確立されている一酸化炭素(CO)や蟻酸(H
COOH)が望ましい。CO2から燃料(アルコール)を合成する研究開
発(CO2の固定化)は、環境と資源・エネルギーの問題を同時に解決
可能となる技術である。しかし、CO2から一酸化炭素(CO)や蟻酸
(HCOOH)への還元反応は、標準電位が-0.53Vと-0.61
V(vs.NHE)であり、H2生成反応の標準電位0V(vs.NHE)よ
り卑電位側であるため、水溶液中でH2生成反応の阻害を受けずにCO2
を電気化学的に還元することは困難である。 CO2還元のための電気化
学触媒電極の開発は、主としてCO2還元に対する触媒活性を高め、H2
生成よりもCO2還元過電圧を低めるアプローチで研究開発が進んでい
る。CO2を選択的に電気化学還元可能な電極触媒として、金属、合金、
炭素ナノ構造などが報告されている。金属電極では、CO2還元反応の
生成物がCOラジカル(反応中間体)と電極表面の吸着力で変化すると
の報告がある。COラジカル吸着力の弱いHg、In、Sn、Cd、Pb
ではHCOOHが生成し、吸着力が強すぎるPtやNiでは、生成物が
脱離せずH2生成反応のみが起こる。吸着力が中程度のAu、Ag、Cu、
ZnはCO2還元活性が高く、特にCuは還元電位をH2生成電位より
も低下させることができ、H2生成の阻害なくCOやCH4を高効率に
生成することができる。しかし、Cu電極は電極表面の腐食や生成物の
付着により活性が低下する。したがって、耐久性が高く長期間利用可能
な電極材料は実現できていない。また、表面構造の制御により、Au、
Ag、Cu、Znと同等のCOラジカルに対する吸着力を示す界面も作
製できていない。つまり高活性(H2生成とCO2還元の分離)と高耐久
性を併せ持つCO2還元電極の具現化にはいまだ至っていない。
炭素材料としては、導電性を付与したアモルファスカーボンが開発され
(特許文献 特開2008-189997参照)、センサー用のガス透過膜への使用
(特許文献 特開2011-185910参照)、セシウムの酸化還元反応等の電気
化学センサーの電極、リチウム電池の集電体などへの使用(特許文献 特
開2012-188688参照)が提案されているが、CO2の還元に適用できるも
のではなかった。本発明の課題は、電位窓が広く水溶液の電解で水素生
成反応による阻害を受け難く、耐久性にも優れた高い電流効率の二酸化
炭素還元触媒を提供することである。本発明者は、上記課題を解決する
ためにアモルファスカーボンの利用を検討した。アモルファスカーボン
は通常導電性を有さないが、不純物原子を導入して導電性を付与した導
電性アモルファスカーボンが開発されている。導電性アモルファスカー
ボンは二酸化炭素還元活性を有さないが、これに二酸化炭素還元活性を
付与できれば、電解による二酸化炭素還元のための触媒や触媒電極とし
て利用が広がる。本発明者は検討を進めたところ、アモルファスカーボ
ン表面の窒素、特にアミノ基が二酸化炭素還元活性サイトの形成に関与
していること、アモルファスカーボン表面の酸素含有官能基が触媒表面
への二酸化炭素の吸着量を増加させて二酸化炭素還元活性を促進するこ
とを見いだした。表面の窒素、特にアミノ基や酸素含有官能基を増加さ
せ、表面でのこれらの密度を増加させた導電性アモルファスカーボンは、
水素生成反応と分離して高い電流効率で二酸化炭素還元反応を引き起こ
すことができ、この反応の分離はグラファイトやダイヤモンド等の炭素
材料では不可能である。また、二酸化炭素還元電極として知られるCu
電極に比べ、非常に安定性が高かった。本発明は、こうして完成された
ものである。
つまり、本発明は以下に示す事項により特定されるものである。
(1)導電性アモルファスカーボンをアンモニアプラズマ処理する又は
窒素を含む導電性アモルファスカーボンを水プラズマ処理することによ
り、二酸化炭素還元触媒を得る二酸化炭素還元触媒の製造方法。
(2)導電性アモルファスカーボンが窒素若しくはホウ素ドープアモル
ファスカーボンであり、窒素若しくはホウ素ドープアモルファスカーボ
ンをアンモニアプラズマ処理する、又は窒素ドープアモルファスカーボ
ンを水プラズマ処理することを特徴とする上記(1)記載の二酸化炭素
還元触媒の製造方法。
(3)基材上に導電性アモルファスカーボン層を形成し、形成された前
記導電性アモルファスカーボン層をアンモニアプラズマ処理する、又は
基材上に窒素を含む導電性アモルファスカーボン層を形成し、形成され
た前記窒素を含む導電性アモルファスカーボン層を水プラズマ処理する
ことにより、二酸化炭素還元触媒電極を得る二酸化炭素還元触媒電極の
製造方法。
(4)導電性アモルファスカーボンに二酸化炭素還元活性を付与する方
法であって前記導電性アモルファスカーボンの表面に窒素及び酸素を導
入し、前記導電性アモルファスカーボンの表面の窒素及びアミノ基並び
にC=O結合を増加させることにより、前記導電性アモルファスカーボ
ンに二酸化炭素還元活性を付与する方法。
(5)窒素ドープアモルファスカーボンに二酸化炭素還元活性を付与す
る方法であって、前記窒素ドープアモルファスカーボンの表面に酸素を
導入し、前記窒素ドープアモルファスカーボンの表面のC=O結合を増
加させることにより、前記窒素ドープアモルファスカーボンに二酸化炭
素還元活性を付与する方法。 (6)導電性を有し、さらに表面に窒素原
子及びアミノ基並びに酸素原子及びC=O結合を有し、表面における前
記窒素原子の量が7atom%以上かつ前記アミノ基における窒素原子
の量が1.5atom%以上であり、前記酸素原子の量が7atom%
以上かつC=O結合における酸素原子の量が7atom%以上であるア
モルファスカーボン二酸化炭素還元触媒。
【効果】
本発明の製造方法により、電位窓が広く水溶液の電解で水素生成反応に
よる阻害を受け難く、耐久性にも優れ高い電流効率の二酸化炭素還元触
媒及び二酸化炭素還元触媒電極を製造することができる。
【要約】

図1.実施例1及び比較例1で得られた電極のサイクリックボルタモ
  グラムを示す図


図2.実施例1及び2で得られた電極のリニアスイープボルタンメトリ
 ーを示す図

上図2のごとく、導電性アモルファスカーボンをアンモニア プラズマ処
理する又は窒素を含む導電性アモルファスカ ーボンを水プラズマ処理す
ることにより、二酸化炭素還 元触媒を得る二酸化炭素還元触媒の製造方
法。導電性ア モルファスカーボンに二酸化炭素還元活性を付与する方法
であって、前記導電性アモルファスカーボンの表面に 窒素及び酸素を導
入し、前記導電性アモルファスカーボ ンの表面の窒素及びアミノ基並び
にC=O結合を増加さ せることにより、前記導電性アモルファスカーボ
ンに二 酸化炭素還元活性を付与する方法で、電位窓が広く水溶液の電解
で水素生成反応による阻害を受け難く、耐久性にも優れた高い電流効率
の二酸化炭素還元触媒を提供することである。


図3、比較例1で得られた電極のリニアスイープボルタンメトリーを示
す図
図4(a)~(c)、実施例1における窒素ドープアモルファスカーボ
ン(アンモニアプラズマ照射前)のXPSスペクトルを示す図


図5(a)~(c)は、実施例1におけるアンモニアプラズマ照射後の
窒素ドープアモルファスカーボンのXPSスペクトルを示す図
図6(a)~(c)は、実施例2における水プラズマ照射後の窒素ドー
プアモルファスカーボンのXPSスペクトルを示す図



図7.実施例3及び比較例2で得られた電極のリニアスイープボルタン
メトリーを示す図
図8、本発明におけるCO 2 還元の仕組みを示す図
図9、実施例1で得られたアンモニアプラズマ処理したアモルファスカ
ーボン の走査速度を変化させたときの還元ピーク電流値を示す図


図10、定電位電解で得られた電解液のUV吸収スペクトルを示す図
図11、実施例1で得られたアンモニアプラズマ処理したアモルファス
カーボンとCu電極の電解時間に対する電流値の減少の割合を示す図
図12は、定電位電解後のCu電極の様子を示す写真。

✓この連載を考える前、「バイオマス発電の矛盾」を考察をしようと考
え、森林木材の含水量を簡便でに下げる術を考えたが難しいので時間稼
ぎに「人工光合成」「カーボンゼロ」の最新技術の考察に切り換える。
これはこれで、難しいが継続することに。
                         この項つづく

     


【再エネ革命渦論 122: アフターコロナ時代 321】
● 技術的特異点でエンドレス・サーフィング


特異点真っ直中 ④



持続可能なエネルギー評価  2023.5.15 vol.57
小規模産業における太陽エネルギーの統合:
:地ビール醸造所への応用

【要約】
業界の脱炭素化を達成の太陽エネルギーの統合はまだ初期段階。工業用醸
造プロセスにおける太陽熱および太陽光発電の統合の報告された数少ない
事例は、中規模および大規模の醸造所に属す。したがって、この研究目的は、
太陽エネルギーの統合が現在の市況の下で中小企業にとっても有益である
かどうかを判定することにある。スペイン南部にある地ビール醸造所の消費プ
ロファイルを特徴付けるためにモニタリングキャンペーンが実施され、零細醸
造所と大規模醸造所の間で比エネルギー消費量に大きな違いがあることが
明らかにした。さらに、低温供給用の小規模コンポーネントの性能曲線は、実
際の動作条件下で調整。その結果、エネルギー消費量を計算するためのシミ
ュレーションツールがTRNSYSで作成された。その結果を測定データおよび電
力消費請求書と比較した。さらに、スペインで実施された技術経済分析により
現在の市況下では、太陽光発電システムは、グリッドからすべてのエネルギ
ーを購入する場合と比較して常に収益性が高いことが明らかになった。冷暖
房供給のためのエネルギーコストは日射量の最良の条件と市場価格で最大
39.9%削減できるが、より穏やかなシナリオでは、エネルギーコストの削減は
3.63%から11.23%の間で変動。さらに、回収期間は、有利なシナリオでは4.3
〜6.6年、慎重なシナリオでは14〜24.9年。主に日射量、従来のエネルギー価
格、および太陽光発電システムのサイズによって異なる。





※ Titol:Integration of solar energy in Small-scale Industries: Application to
    microbreweries , Sustainable Energy Technologies and Assessments,7 (2023)
    103276 ,
   Departamento de Ingeniería Energ´etica, Universidad de Sevilla, Camino de
    los Descubrimientos s/n, 41092 Seville, Spain
    AICIA - Andalusian Association for Research and Industrial Cooperation,
    Camino de los Descubrimientos s/n, 41092 Seville, Spain
    Keywords: Levelized Cost of Heat and Cold Photovoltaic Industrial heat and
     cold TRNSYS 

風蕭々と碧いの時代


John Lennon Imagine

J-POPの系譜を探る1993年代】



J-POP を語るなら1993
年のヒット曲を聴け。
夏を待ちきれなくて、Bye For Now、がじゃいも、すれ違いの純情、愛を語るよ
り口づけをかわそう、YAH YAH YAH、愛を贈りたいから、僕らが生まれた
あの日のように、夢 with You、慟哭、KISSに撃たれて眠りたい、晴れたらい
いね、サボテンの花、ポケベルが鳴らなくて、TRUE LOVE、裸足の女神、真
夏の夜の夢、 負けないで・・・・・・。



[YAH YAH YAH / CHAGE and ASKA

「初恋」村下孝蔵

五月雨は緑色
悲しくさせたよ一人の午後は
恋をして淋しくて
届かぬ想いを暖めていた

好きだよと言えずに 初恋は
ふりこ細工の心
放課後の校庭を 走る君がいた
遠くで僕はいつでも君を探してた
浅い夢だから 胸をはなれない 

「♪ 浅い夢だから/胸をはなれない」  "淡い”と表現せず"浅い"とし
たのが、"共感力"を押し広げことに成功しているのではと考えました。

● 今夜の寸評:(いまを一声に託す)ゆっくり休んで また動き出す
         When you are tired, take a rest , Then start forward afresh.
                         浄土宗 月訓
 

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特異点真っ直中 ②

2023年05月09日 | 量子電池


彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救った
と伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦
国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと
)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひこにゃん」。




  夕光の微粒子に部屋つつまれしかばハナムグリの愉悦を理解す

                      永田和宏『饗庭』

コガネムシ科の昆虫、春から秋にかけていろいろなな花をもとめて飛び
回る。全体が緑色で、体長は2センチくらい。花にもぐって蜜を食べる
のでこの名がある。 花潜(はなむぐり) ハナムグリ(花潜、Cetonia
(Eucetonia)pilifera pilifera
)は、コウチュウ目・コガネムシ上科・コガネ
ムシ科・ハナムグリ族・ハナムグリ亜族・ハナムグリ属に属する昆虫の
一種名(和名)である。春から秋にかけて各種の花に飛来し、背面は緑
色で、体長は14-20mmほど。花の受粉に深く関わっている昆虫の一つで
もある。ハナムグリは昼行性で昼間に活発に飛翔する種類が少なくない。
Protaetia属、Cetonia属、Oxycetonia属等は他のほとんどの甲虫のように鞘
翅(しょうし、さやばね)を展開せず、外側を僅かに持ち上げることによ
って腹部との間に隙間を作ってここから後翅(こうし)を広げる。これ
によって多くの甲虫に比べて格段に機敏な飛翔をすることが可能になっ
ている。ただ、アシナガハナムグリ属やヒゲブトハナムグリ亜科等はこ
のような飛翔様式をとらない。灯火にも飛来することがある。




       気がつけば 吾と添い寝し 花潜はなむぐ
                          宇

※和名の由来は成虫が花に潜り、花粉や蜜を後食することによる五月/
 三夏の季語である。

※永田 和宏(ながた かずひろ、1947年5月12日-)は、日本の歌人・細
胞生物学者。京都大学名誉教授、京都産業大学名誉教授。短歌結社「塔」
前主宰。夫人は歌人の河野裕子。長男永田淳、長女永田紅も歌人。滋賀
県出身。

 

【持続可能な食品製造事業:SFMB:昆布とわかめ
最近、昆布茶をコンビニで昆布茶を探すが手に入らなかった、また、近
くの「スーパ-マ-ケット」にもそれがなかったのでその代わり、田中
食品株式会社の『ソフトふりかけ  いか昆布』を試食。美味い。また別
の日には『くきりんの茎わかめ うす塩味』を食べてみた。美味い。そ
こで、これに寒天を加え、味付けしシート状にして裁断して販売すれば
絶対に和食の持続可能な新しい総菜が創れるとひらめく。
『寒天』
江戸時代初期、現在の京都府に、ところてんが冬に凍り、乾物化したこ
とで偶然発見され、その後、寒天を活用した練り羊羹が開発され、和菓
子に広く使われ、食物繊維の生理機能を持ち、便通改善による健康増進
効果が証明されたことから、特定保健用食品として市販されている。原
料は、テングサ科、オゴノリ科などの紅藻類。カラギナンと似たような
構造をし、ガラクトースを基本の骨格とする直鎖の構造で、アガロース
という中性多糖と、酸性多糖類(アガロペクチン)により構成され、そ
の多くはアガロースが占める。
【製造工程】
寒天には糸寒天、角寒天、粉末寒天、フレーク寒天などあり。寒天の基
本的な製造工程は、まず原料となる紅藻類をアルカリ処理、水洗いして
異物を除去します。そして煮沸し硫酸や酢酸で微酸性にして抽出。その
後、ろ過、冷却によりゲル化させてから凍結乾燥することで糸寒天や角
寒天ができあがります。そこから粉末状に粒砕したものが、粉末寒天。

『昆布』
昆布は、糖質が主成分で、脂質が少なく、食物繊維を多く含む。栄養成
分としてのグルタミン酸、ヨウ素、アルギン酸、フコイダンやカリウム、
カルシウム、鉄などのミネラルを含み、糖尿病・動脈硬化・高血圧の予
防、大腸ガンの発生率低減、老化防止などの効果があることが知られて
いる。従来、日本では昆布は出汁に使用されるほか、酢昆布、昆布巻き
など食用に供されてきたが、いずれも酢や醤油ベースの調味液で調理し
た伝統的な日本料理であった。また、昆布が食用されるのは、日本、韓
国、中国の一部の東アジアとその他の国の海に近い地域に限られていた。
昆布で具材を包み、周辺を閉塞し、揚げ物にする。
「特許事例」特許第4614190号 昆布食品 重松 正久


『茎わかめ』
そのまま食することができ、かつ食感がよいわかめ加工品、その製造方
法、及びこのようなわかめ加工品を製造するためのわかめ処理液を提供
する。わかめを、食塩濃度0.1~1質量%、カルシウムイオン濃度2
0~180ppm、マグネシウムイオン濃度80~800ppm、カル
シウムイオン濃度に対するマグネシウムイオン濃度の比率(マグネシウ
ムイオン濃度/カルシウムイオン濃度)が3.5~5.5、かつカルシ
ウムイオン濃度に対するナトリウムイオン濃度の比率(ナトリウムイオ
ン濃度/カルシウムイオン濃度)が15~23である水性処理液と接触
処理する工程を含むことを特徴とするわかめ加工品の製造方法。 従来か
らわかめは大量に消費されているが、北半球においてはわかめの採取時
期が1月から4月に限定されているために、年間を通じて食膳に供する
ためには何らかの保存法が必要である。そのために古くよりわかめを乾
燥して乾物にする方法、湯通し後に食塩を加える湯通し塩蔵法等が知ら
れている。また、より生わかめに近い風味と食感を求めて、湯通し後に
冷凍処理を行う方法も知られている。しかし、乾燥わかめは、喫食に適
した状態にするために、水などで復元する必要があり、手間がかかる。
また、水で復元したものの風味は生鮮わかめの風味と比べると劣る。ま
た、湯通し塩蔵わかめも、喫食に適した状態にするために、脱塩して水
戻しの前処理が必要であり、手間がかかる。また、湯通し冷凍わかめも、
喫食に適した状態にするために、解凍の前処理を必要とし、手間がかか
る。さらに、これらのわかめ加工品を上記のように前処理して喫食に適
した状態にした後、流通や保管の段階で長く放置すると、時間の経過と
共にわかめの肉質が膨潤、軟化してわかめの食感が悪くなり喫食に耐え
られない状態になるという大きな問題がある。
「事例特許」特開2009-22188 わかめ加工品及びその製造方法 理研食品
株式会社
後は「持続可能な製造システム」を完成させるだけ。基本設計は条件は
以下の通り。
1.丘水産(陸上養殖)
2.製造条件は、①廃棄物ゼロ、二酸化炭素排出ゼロ、②養殖(水温・
 光源・水圧/浸透圧(溶解鉛濃度)などの完全制御・使役設備の再生/
  省エネ化)
3.乾燥・粉砕・混合調製の完全特許化及びコンパクト・システムの世
 界販売(有償/無償)
4.希少/有害物質の都市鉱山化(完全リサイクル)及び完全無害化
尚、混合材料は広範に魚介・農産物・昆虫食・畜産物などを利用。また、
乾燥には急速冷凍などの優れた有形/無形知財をフル活用し、高品位感
性工学を応用し世界に貢献できるビジネスモデルを2047年までに確立す
る。

     


【再エネ革命渦論 120: アフターコロナ時代 319】
● 技術的特異点でエンドレス・サーフィング

特異点真っ直中 ②



二次元バーコードの進化
わたしたちは、デジタル革命渦は膨張し、科学技術の特異点の真っ直中
にいることを毎日実感する。例えば、最初の伝統的なバーコードは1940
年代に米国フィラデルフィア大学の研究グループにより発明され1972年、
英国のスーパーマーケットチェーンSainsbury'sが、UPCで在庫管理シス
テムを導入、1994年には日本のトヨタ研究所が水平軸と垂直軸の両方に
データを埋め込む最初の2Dバーコードを発明。クイックレスポンス(QR)
コードはそれまでの350倍桁以上の文字を処理、現在は宇宙の原子の総
数よりも多い109403の可能な組み合わせが可能になり、人類がコードを
使い果たすこができないと言い、2010年代には、カメラとコードスキャ
ン機能を備えたスマートフォンの普及により、さらに広く使用されるよ
うになった。2019年のCOVID-19パンデミックは、情報を表示する「タッ
チレス」システムとして付加価値を高め、例えば、栄養成分、成分リス
ト、アレルゲン情報など、製品に関するより多くの情報は保存でき、こ
れにより、食事制限やアレルギーのあるお客様にとって非常に重要であ
り、お客様と食品生産者の間の透明性と信頼を促進するのに役立つ。コ
ードを使用し、レシピ、ゲーム、割引やロイヤルティ報酬の提供など、
顧客向けのインタラクティブな体験できる。



中国CATL、高容量「凝縮系電池」 独自開発
有人の電動航空機や高級EVへの搭載へ
4月19日、中国の車載電池最大手の寧徳時代新能源科技(CATL)はエネ
ルギー密度を大幅に高めた「凝縮系電池(コンデンスドバッテリー)」
と呼ぶ新型電池を発表。同社によれば、新型電池はセル単体でのエネル
ギー密度が1キログラム当たり最高500Wh(ワット時)に達する。
現在量
産されている電池のエネルギー密度は、高性能なものでも同300Wh
程度
「凝縮系電池を有人の電動航空機に搭載する計画で、パートナーと共同
開発を進めている」。CATLのチーフ・サイエンティストを務める呉凱
氏は、上海国際モータショーでの発表会でそう明かした。一般的に、電
池はエネルギー密度が高いほど(過熱や破裂を防ぐための)安全性の確
保が難しくなる。呉氏によれば、CATLは独自開発した「凝縮系」の電解
質を用いることでその問題をクリアした。この電解質が具体的にどのよ
うなものか、呉氏は情報を明かさなかったが、いわゆる「半固体電池」
ではないと述べた。



電解質や負極材の詳細は明かさず
エネルギー密度は正極および負極に使う材料の組成で決まる。一方、電
解質とセパレーターは正極と負極の間で(電荷を帯びた)イオンの移動
を媒介するとともに、両極の短絡を防ぐ役割を果たす。凝縮系電池の正
極と負極の材料はさまざまな組み合わせが可能だ。1キログラム当たり5
00Whの凝集系電池の場合、正極にはニッケルの比率を高めた三元(ニッ
ケル・コバルト・マンガン)系の材料、負極には完全新開発の材料を採
用。この負極材の詳細についても、オープン-化にせず。 電動航空機に
搭載する凝縮系電池のパッケージには、軽量なラミネートパウチを採用
する。しかし、正負極の材料やパッケージを変更して生産コストを抑え
れば、高級EV(電気自動車)にも搭載可能だと呉氏は説明した。 CATLは
すでにEVメーカーと凝縮系電池の商談を始めており、2023年内に量産を
実現できるとしている。

建造物統合のための半透明のペロブスカイト太陽光発電   
      Translucent perovskite photovoltaics for building integration

【要約】
透明な太陽光発電は、さまざまなレベルの平均可視透過率 (AVT) を提
供すると同時に集光を行い、ガラスのファサードや窓を太陽光発電に利
用できるようにする。 ただし、商用化の可能性と社会的受容を高める
には、電力変換効率 (PCE) と美学の改善が必要です。この作業は、建
物の統合に適した光学品質で、効率的なマイクロパターンの半透明ペロ
ブスカイト太陽光発電のスケーラブルな製造を示す。 最適化されたレ
ーザー スクライブされた透明領域 (25 μm) は、電気的性能への悪影響
を軽減し、44% AVT のペロブスカイト太陽電池を特徴としニュートラル
な演色性 (CRI 97) とわずか 3% のヘイズによって工業用ガラスの品質
を実証します。 スケーラビリティを強調するサブモジュールは、32%
AVT (4 cm2 開口面積) で 9.0%のPCEを生み出す。
12% AVT で 17.7%、31% AVT で 11.1% の PCE を示す 2 端子ペロブス
カイト - ペロブスカイト タンデム太陽電池への移行は、最初の半透明
ペロブスカイト タンデム太陽光発電を示す。 最後に、サブモジュール
の AVT の7% -1 絶対変化と12.0% PCE の透過率勾配の新しい概念が
提示され、アーキテクチャの個別化の基礎を提供する。



【広範な背景】
土地をめぐる競争の激化に伴う再生可能エネルギー技術への移行に後押
しされて、建物一体型太陽光発電(PV)の適用は、都市空間の効率的な使
用に不可欠です。ファサードや窓などの表面もアクセス可能にするには、
透明なPV技術が必要であり、これまでのところ、強い着色、不均一な外
観、およびしばしば効率の大幅な低下に関連していた。本研究では、独
自の光電子特性により有望なPV技術である薄膜ペロブスカイトベースの
太陽光発電と、最適化されたレーザー誘起マイクロパターニングを組み
合わせ、多様なレベルの透明性を備えた効率的な太陽電池を作製する。
結果として得られる光学的外観は、工業用ガラスの品質基準で達成され
る均一でニュートラルな演色性。さらに、モジュールへの効率的なアッ
プスケーリング、より複雑で効率的なタンデムデバイスへの移行、透明
性のバリエーションを伴う新しい設計コンセプトが提示される。


図1.透明太陽光発電の平均可視透過率の関数としての電力変換効率は、
さまざまな技術的アプローチに基く。アスタリスク(*)の付いたデータ
ポイントは、業界で入手可能な透明な太陽光発電パネルを表し、m2寸法。
データポイントに関する詳細情報は、図1にまとめられている。ESI の
S1 およびテーブル S<>。†透明PVの技術的および経済的実行可能性に
関する推定アプリケーション要件は、色付きの背景区分として描かれて
いる。



図2.図2 さまざまな透明領域形状を使用した、レーザーベースのマイ
クロパターン化された半透明ペロブスカイト太陽電池の光学的および電
気的特性と性能の特性評価。 (a) 不透明なペロブスカイト太陽電池とレ
ーザーでスクライブされたさまざまな形状の透明な領域の光学顕微鏡画
像。右下の画像のスケール バーはすべての画像に適用されます。 (b)
得られる AVT レベルの範囲に対して異なる透明領域形状を使用した PS
C の透明領域透過率。 (c) 透明領域のレーザー スクライビング前 (不
透明) とレーザースクライビング後の、製造されたデバイスのシャント
抵抗と直列抵抗。 (d) 各デバイスの正規化されたPCE。 破線は、各AVT
での保持 PCE の関数としてのデバイスの理論的有効性レベルを示す。
               -中略-
【結論】
この研究では、半透明ペロブスカイト太陽光発電について報告し、BIPV
に適した光学品質を取得しながら、単接合およびタンデムアーキテクチ
ャ向けの効率的な半透明 PV デバイスのスケーラブルな製造に焦点を当
ている。カスタムメイドのレーザースクライビングセットアップを利用
することで、直径 25 μm までのさまざまな透明領域形状の製造が最適
化され、AVT用ペロブスカイト太陽電池の電気的性能に対する悪影響を最
大44%まで最小限に抑えることが実現されました。結果として生じる半
透明の領域は均一な外観を示し、97%もの高い CRIと 3%までの最小限
のヘイズを備えたニュートラルな演色性を通じて工業用ガラスの品質を
実証する。開口面積 4 cm2 のサブモジュールにプロセスを移行すると、
AVT 32% で最大 9.0% (sPCE 8.4%) の PCEが得られ、同様の光学品質
でプロセス効率 79%(相対的な PCE 損失に対する AVT ゲインの比) が
得られる。この製造技術のスケールアップが容易。さらに、その後の 2
端子ペロブスカイト - ペロブスカイトタンデム太陽電池への移行は、
12% AVT で 17.7%、31% AVT で 11.1% もの高い PCE と、最大79%
のプロセス効率を実現しました。半透明ペロブスカイトタンデム太陽電
池。最後に、モジュールおよびセル内の透過率勾配の概念が提示され、
サブモジュールは 7%cm-1 と最大 12.0%PCE の透過率の絶対変化を特
徴とし、新しいアプリケーションとアーキテクチャの個別化のための基
盤を提供することに成功した。



熱駆動熱音響ヒートポンプシステム

  A heat-driven thermoacoustic heat pump with a single direct-
coupling configuration capable of utilizing medium/low-grade
heat for domestic applications Volume 26: Closing Carbon Cycles –
A Transformation Process Involving Technology, Economy, and
Society: Part I
https://doi.org/10.46855/energy-proceedings-10133

  
熱音響現象とは

【概要】
この論文では、家庭用アプリケーションの暖房供給に中/低品位の熱を利
用できる熱駆動熱音響ヒートポンプシステムを提案。このシステムは、
直接結合構成を備えた 1 つの単純な熱音響エネルギー変換ユニットで構
成されているため、従来の多段熱音響システムと比較してシステムの複
雑さが大幅に軽減されます。 システムの寸法パラメータは、ヒートシン
クと熱源の温度が 55 ℃と 7℃の公称条件下で最適化されました。
シミュレーション結果は、提案されたシステムが公称条件で 5.7 kW の
暖房能力と 1.40 の総合成績係数を得ることができることを示す。経済
的パフォーマンスは、年間の燃料エネルギーの節約と、個々のシステム
のエネルギー コストの節約が 20.3 MWh/年と 675 ドル/年であることを
示す。環境評価は、提案されたシステムが 3.72 tCO2/年に相当する CO2
排出を置換できることを示す。次に、システムのエネルギー変換プロセ
スをよりよく理解するために、各コンポーネントのエクセルギー損失が
与えられました。さらに、異なる熱源とヒートシンクの温度下でのシス
テム性能が研究されました。熱的要因によって音波が発生する現象が、
熱音響現象として知られている。熱音響現象の一例を、図9を参照しな
がら説明する。以下においては、説明の便宜上、小さな気体の固まりを
規定する。これは気体分子よりも大きな固まりであり、以下「気体粒Q」
とよぶ。 いま、細管内にある気体粒Qが、圧縮されつつ+X方向に変位
したとする。変位中は気体粒Qの速度が比較的大きいため、管壁Wとの
間での熱交換がなされない。したがって、このときの変化は断熱的であ
り、気体粒Qは昇温する。 +X方向の変位が最大になる点Aでは、気体
粒Qの速度が比較的小さいため、管壁Wとの間での熱交換がなされる。
点Aの近傍における管壁Wの温度が気体粒Qの温度よりも高い場合、管
壁Wから気体粒Qに熱が流入する。すなわち、気体粒Qに熱が与えられ
る。 
続いて、気体粒Qが、膨張されつつ-X方向に変位したとする。このと
きの変化も断熱的であり、気体粒Qは降温する。-X方向の変位が最大
になる点Bでは、管壁Wとの間での熱交換がなされる。点Bの近傍にお
ける管壁Wの温度が気体粒Qの温度よりも低い場合、気体粒Qから管壁
Wに熱が流出する。すなわち、気体粒Qから熱が奪われる。以上のサイ
クルが繰り返されると、気体粒Qの振幅が次第に大きくなって不安定化し、
大きな圧力変動(音波)を発生する。このように、振動の位相と加熱お
よび冷却の位相との間に特定の関係が形成された場合に、熱的要因から
音波が発生する。この熱音響現象を利用した熱機関の一つとして、熱エ
ネルギーを投入して音響エネルギーを発生させる熱音響機関(熱音響エ
ンジンとも呼ばれる)が知られている。熱音響機関の構成例を、図10
を参照しながら説明する。ここに示される熱音響機関9は、音波を発生
させるループ管91と、ここで発生した音波を伝播させる共鳴管92と
を有する。ループ管91の途中には、無数の細管が束ねられた構造を有
する蓄熱器93が設けられる。また、蓄熱器93の一方側に、高温側の
熱交換器(加熱器)94が設けられ、他方側に低温側の熱交換器(冷却
器)95が設けられる。 このような構成において、蓄熱器93の両端に
熱交換器94,95によって所定の閾値を超える温度勾配が形成されると、
熱音響現象によって、蓄熱器93の細管の内部にある流体(作動流体)
の自励振動が発生し、ループ管91に音波が生じる。すなわち、熱エネ
ルギーが音響エネルギーに変換される。このとき、共鳴管92には、定
在波と進行波が混在して発生しており、進行波成分によって、共鳴管92
の基端部(ループ管91との接続端部)から先端部C1に向けて、音響
エネルギーが輸送される。熱音響機関9で発生した音響エネルギーを取
り出すためには、共鳴管92の先端部C1に、音響エネルギーの供給を
受ける他の機関(以下「負荷機関」ともいう)90を接続して、熱音響
システムを構築する必要がある。例えば、熱音響機関9に発電機を接続
して、音響エネルギーを電力に変換する熱音響システム(熱音響発電シ
ステム)が知られている(特許文献1参照)。 
ところで、熱音響機関9と負荷機関90が接続されてなる熱音響システ
ムにおいて、熱音響機関9における負荷機関90と接続される面(接続
面)C1の音響インピーダンスと、負荷機関90における熱音響機関9
と接続される接続面C2の音響インピーダンスとが乖離していると、熱
音響機関9で発生した音響エネルギーを負荷機関90で取り出すことが
できない。すなわち、熱音響機関9から負荷機関90へ音響エネルギー
を適切に伝達するためには、熱音響機関9側の接続面C1の音響インピ
ーダンスと、負荷機関90側の接続面C2の音響インピーダンスとが、
一致(整合)している必要がある。ただし、本明細書において、二つの
接続面の「音響インピーダンスが一致する」とは、両接続面の音響インピ
ーダンスが完全に一致する場合だけでなく、両接続面を介して音響エネ
ルギーが十分に伝達する程度に各接続面の音響インピーダンスの差が小
さい場合も含む。ところが、各機関9,90の接続面C1,C2の音響
インピーダンスは、該機関9,90の様々な諸元が複雑に絡み合って規
定される値であり、熱音響機関9の接続面C1の音響インピーダンスと、
負荷機関90の接続面C2の音響インピーダンスとが、自然に(すなわ
ち、何らかの調整を行っていないのに)、一致している可能性は非常に
低い。したがって、各機関9,90の接続面C1,C2の音響インピー
ダンスを一致させるために、何らかの調整を行う必要がある。例えば、
非特許文献1には、熱音響機関とこれに接続されるリニア発電機の各接
続面の音響インピーダンスを一致させるための手法が提案されている。
ここでは、熱音響機関側の接続面の音響インピーダンスが、共鳴管の長
さL、および、蓄熱器の高温側の設定温度Tに依存し、リニア発電機側
の接続面の音響インピーダンスが、外部抵抗値Zに依存することに着目
して、両接続面の音響インピーダンスが一致するような組み合わせ(L,
T,Z)を実験により特定している。熱音響機関側の諸元である共鳴管
の長さLおよび蓄熱器の高温側の設定温度Tと、リニア発電機側の諸元
である外部抵抗値Zとを、それぞれ特定された値に変更することで、両
接続面の音響インピーダンスを一致させることができる。

【関連技術情報】
※1.「熱音響発電の基礎」 長谷川真也 日本エネルギー学会誌 92(11),
1111-1116, 2013-11-20
※2.特許第6233835号 熱音響機関及びその製造方法 学校法人東海大学
※3. ❏ 特開2023-28062 熱音響システム、および、熱音響機関の接続
方法 シンフォニアテクノロジー株式会社
【要約】
図1のごとく、熱音響機関である第1機関10と音響エネルギーの供給
を受ける第2機関20とが接続された熱音響システム100であって、
第2機関20が、第1機関10から供給される音響エネルギーを受け面
3pで受けて所定の推力Fを発生する受け部22、を備え、第2接続
面C2pの圧力振幅P2pと受け面C3pの圧力振幅P3pとが同じであり、
受け部22で所定の推力Fが発生し、かつ、第1接続面Cの音響イン
ピーダンスZと第2接続面C2pの音響インピーダンスZ2pとが一致す
るように、第1接続面Cの面積Aおよび第2接続面C2pの面積A2p
の少なくとも一方が決定されている。

図1.実施形態に係る熱音響システムを模式図
【符号の説明】
10 第1機関  11 ループ管  12 共鳴管  13 蓄熱器  14
高温側熱交換器  15 低温側熱交換器 20 第2機関  21 接続管 
22,22d 受け部 221 ピストン 222 ダイヤフラム 23 発電
部 24,24d 連結部 C1 第1接続面 Z1 第1接続面の音響イン
ピーダンス C2p,C2d 第2接続面 Z2p,Z2d 第2接続面の
音響インピーダンス C3p,C3d 受け面 100,100d 熱音響
システム


風蕭々と碧い時代❏


 John Lennon

J-POPの系譜を探る:1991 年代】


曲名:J.Boy   唄・作詞・作曲:浜田省吾
JJ.Boy (ON THE ROAD 2011 "The Last Weekend")


1975年「愛奴」として念願のデビューするも、シングルもアルバムも売
れず、大惨敗。1976年に、シンガーとしてソロデビューを果たすが、ロ
ック志向なのに、ポップな曲作りを求められ、それに流された事で、ス
ランプになり、曲も詞もかけなくなるが、曲が上手作れない。だったら
、もう自分の事を歌おうと。自分の事だったら、少なくとも正直に歌え
るんじゃないかと一つの決断をする。1986年9月にリリースされた12枚目
のアルバムタイトルは「J-BOY」。このアルバムで、初のチャート1位を
獲得。そのアルバムの曲達は、大きな共感を呼び4週間、1位の座を明け
渡すことはなかった。

● 今夜の寸評:(いまを一声に託す)未来は善き縁で開かれる。
   Good encounters can lead you to a better future

大原問答とは;大原談義ともいう。1186年(文治2)ころ、浄土宗の開
祖法然(ほうねん)(源空(げんくう))が、のちに天台の座主(ざす)とな
る顕真(けんしん)の懇請によって、京都の大原勝林院(しょうりんいん)
における各宗の学匠(がくしょう)の集会で、その独自の浄土の宗義を説
き、談論したことをいう。東大寺の重源(ちょうげん)、三論宗の明遍(
みょうへん)、法相(ほっそう)宗の貞慶(じょうけい)、天台宗の智海(ち
かい)や証真(しょうしん)ら十数人が集まり、浄土の宗義について論じ
問うた。法然が、中国の道綽(どうしゃく)、善導(ぜんどう)による浄土
の一門の教えを説き、阿弥陀仏(あみだぶつ)の本願念仏の実践のみが悟
りに至りうることを力説すると、顕真、重源はじめ聴衆一同は感銘を深
くしたと伝える。

※念仏とは:ふつう阿弥陀仏を念ずること。仏の実相を観ずる法身念仏
(ほっしんねんぶつ)、仏の功徳や相好を思い浮かべる観想念仏(かんそう
ねんぶつ)、仏の名を口に称える称名念仏(しょうみょうねんぶつ)などが
ある。日本では当初は観想念仏が中心だったが、10世紀頃からしだいに
称名念仏が盛んとなり、観想を否定した法然の登場などによって、念仏
といえば南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)と称えることをさすようになっ
た。浄土宗では専修(せんじゅ)念仏を、浄土真宗では弥陀の本願他力(た
りき)への信を強調し、時宗では名号(みょうごう)至上主義を特色とす
る。他面、民俗社会では早くより、念仏には追善・滅罪や死霊鎮魂の機
能があるとされ、臨終や葬送、追善の仏事、彼岸や盆の行事などに用い
られた。また芸能化した民俗念仏が各地に残留している。
PS. 1,000億万回再生のマリオと任天堂の関係性の濃淡差なのかな?!

 

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特異点真っ直中 ①

2023年05月08日 | 量子電池


彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救った
と伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦
国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと
)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひこにゃん

          

     
       梅雨蝶 代田に残る カオスかな
                          宇


 温暖化環境下において東南極氷床が融解し得ることを発見
   海面が将来大幅に上昇するリスクへの警鐘
【要点】
1.海面が将来大幅に上昇するリスクへの警鐘
2.この氷床の縮小が海面上昇に影響していることを解明。
3.南極氷床と海面変動の将来予測の高精度化への貢献に期待。
【概要】
 4月18日、北海道大学低温科学研究所らの国際的研究グループは、東南
極沖の海底堆積物コアの解析から、地球表層が温暖化していた最終間氷
期(13–11.5 万年前)において、東南極の一部の氷床*3が後退し 当時
の海面上昇に大きく寄与したことを解明。近年の温暖化で、西南極氷床
の融解は加速しており、今後これが数メートル規模の海面上昇につなが
る可能性がある一方、東南極氷床は西南極氷床に比べて、温暖化に対し
て安定的だと考えられてきたが、近年になり東南極氷床の一部で融解が
観測され始めたため、今後の温暖化により、東南極氷床の著しい融解が
起きるかどうかに注目が集まっている。そこで、この研究では、過去の
温暖な時代(最終間氷期)の東南極氷床の変動を復元し、将来の温暖化
で東南極氷床が縮小する可能性があるのかを検証。
その結果、13–11.5万年前の最終間氷期に、東南極氷床の著しい縮小が
2回発生していたことを解明した。これらの氷床の縮小は 海面を約0.8
メートル上昇させるほどの規模であったと見積もられていた。よって、
地球温暖化が持続した場合、西南極氷床だけでなく東南極氷床の一部も
融解し、より大きな海面上昇が引き起こされる可能性があることが示さ
れた。


図1.南極の岩盤の高さと調査地点の地図。上図は南極の岩盤の高さと
地域名を示した。色付きの地域は岩盤が海面下にあり、海洋性の氷床が
存在している。下図はウィルクス海盆の地域を拡大した地図。破線はウ
ィルクス海盆の位置を示す。赤線は、本研究で得られた最終間氷期のウ
ィルクス海盆の氷床の後退位置。
【展望】
本研究は、東南極氷床が温暖化に対して比較的安定と考えられていたの
に反して、温暖化に対する脆弱性を示すとともに、海面上昇に実質的に
寄与する可能性も示唆。これらの結果は、将来の温暖化による東南極氷
床の縮小とそれに伴う海面上昇に警鐘を鳴らす。最新のIPCC(気候変動
に関する政府間パネル)の報告書では、将来の南極氷床の変動予測は不
確実性が大きいとされている。本研究はそのような予測の高精度化の一
助になると考える。東南極にはウィルクス海盆のほかにも、海洋性の氷
床域(リカバリー海盆やオーロラ海盆:図1)が存在する。それらの地
域の氷床が失われると、海面上昇が数メートル以上引き起こされると推
定。本研究から、そのような他の海洋性の氷床域もウィルクス海盆の氷
床と同様に温暖化に脆弱である可能性が示唆。そのため、温暖化による
将来リスクをより正確に評価するためには、東南極の他の海洋性の氷床
域における氷床の安定性に関する研究も進めていく必要がある。


【論文情報】
論文原題:Multiple episodes of ice loss from the Wilkes Subglacial Basin du-
ring the Last Interglacial
(最終間氷期におけるウィルクス海盆からの複数
の氷床縮小エピソード)
雑誌名 Nature Communications(英科学誌)
DOI 10.1038/s41467-023-37325-y
公表日 2023年4月18日(火)(オンライン公開)

     


【再エネ革命渦論 119: アフターコロナ時代 318】
● 技術的特異点でエンドレス・サーフィング
 


❏ 1nm半導体量子細線の作製に成功 
量子の熱帯魚パターンが拓く未来のナノテク
5月4日、京都大学らの国際共同研究グループは、グラファイト基板上に
塩化ルテニウム(半導体)のナノ量子細線を作製する手法を発見。この
量子細線は、厚みと幅が約1ナノメートル(原子数個分)と極めて細い
にもかかわらず、長さが1マイクロメートルを大きく超える。また、ほ
ぼ直線で等間隔に並び、細線の幅や間隔を変えることも可能となる。こ
のような量子細線のパターンは、これまでにはない新しい機構に基づく
もので、熱帯魚のしま模様やキリンのまだら模様が生じるのと同じ原理
で自発的に形成されている可能性が高いことも研究グループは明らかに
した。


【概要】
量子技術の継続的な進歩は、ナノメートル スケールのワイヤの製造に
依存する。いくつかの最先端のナノリソグラフィ技術とボトムアップ合
成プロセスがこれらのワイヤを設計するために使用されてきたが、均一
な原子スケールの結晶ワイヤを成長させ、それらのネットワーク構造を
構築することには重大な課題が残っている。ここでは、ストライプ、X
ジャンクション、Y ジャンクション、ナノリングなど、さまざまな配置
で原子スケールのワイヤを製造する簡単な方法を発見しました。バンド
ギャップがワイドギャップ半導体のバンドギャップに匹敵するモット絶
縁体の単結晶原子スケールワイヤは、パルスレーザー堆積によってグラ
ファイト基板上に自発的に成長します。 これらのワイヤは 1 ユニット
セルの厚さで、正確な幅は 2 および 4 ユニット セル (1.4 および 2.8
nm) で、長さは最大数マイクロメートルです。 非平衡反応拡散プロセ
スが原子パターン形成に重要な役割を果たしている可能性があることを
示唆。この調査結果は、原子スケールでの非平衡自己組織化現象に関す
るこれまで知られていなかった視点を提供し、ナノネットワークの量子
アーキテクチャのためのユニークな道を開く。

【方法及び成果】
今回研究グループは、パルスレーザー堆積法(注 3)を用いて高品質の
塩化ルテニウム(RuCl3 )薄膜をグラファイト基板表面に蒸着した。得ら
れた試料は超高真空下で走査型トンネル顕微鏡(注 4)(STM)に輸送
し、表面を原子分解能で観察した。通常の薄膜成長では、核となる原子
を中心にクラスターが形成される島状成長や、一層ごとに膜が成長する
膜状成長が起きるが、今回得られた結果はそれらとは異なり、幅が原子
数個分のβ-RuCl3 量子細線が周期的にならんだ構造が基板表面に形成
されている(図 1)。驚くべき ことに、この量子細線は幅が原子数個
分であるにもかかわらず、その長さは1マイクロメートル(注 5)以上
にも及びます。また、蒸着時間や基板の温度を変えることで、これらの
量子細線の幅と間隔をチューニングで きます。さらにこの方法では、
縞模様だけではなく、X 字や Y 字のジャンクション・リング・渦巻き
模様も形 成されました(図 2)。これらのパターンはいずれも量子回
路、光感応デバイス、原子コイルなどの応用先が考 えられる、とても
興味深いものである。

研究グループは渦巻き模様を含むいくつかのパターンに注目し、この量
子細線パターンの形成機構は非平衡 プロセス(注 6)である可能性が高
いことを理論的に明らかにしました。このことは、従来考えられていた
限 界を超える、原子スケールのチューリングパターンによる量子細線形
成を示唆。さらに、トンネル伝導 度(注 7)の実験と理論的なバンド計
算(注 8)を比較することで、β-RuCl3の量子細線はモット絶縁体(注
9)であることも明らかにしました。これまでの実験では実現や測定の難
しかった特殊な状態がこの系で生じている可能性がある。
【展望】
従来の限界を超えた、原子数個で構成された量子細線パターン作製の実
現は、新しい超微細加工技術の可能性を拓く。量子細線パターン自身を
回路として使うだけではなく、リソグラフィ用のマスクとし、グラフェ
ンなどの他の物質を微細加工するなどの応用も考えられる。また、得ら
れた量子細線では特異な現象、例えば、朝永・ラッティンジャー液体
呼ばれる電荷とスピンが分離した状態や、トポロジカル量子コンピュー
タの実現に必要なマヨラナ粒子などが出現している可能性がある。今回
の成果は、応用だけでなく基礎研究面でも、新奇物理現象を探索する非
常に興味深い舞台を提供する。
【関連論文】
Growth of self-integrated atomic quantum wires and junctions of a Mott semi-
 conductor”, DOI:10.1126/sciadv.abq5561


❏ カゴメ格子を持つ超伝導体の電子を直接観測
特異な超伝導
状態「カイラル超伝導」実現の可能性
4月26日、東京大学物性研究所附属極限コヒーレント光科学研究センタの
研究グループは、「非従来型超伝導体」の1つとして最近注目を集めて
いる「カゴメ格子」を持つ超伝導体において、その超伝導メカニズムを
解明するための重要な手掛かりとなる「超伝導ギャップ構造」を明らか
にしました。「カゴメ格子」とは、原子が「籠目」状に配列した状態の
ことですが、最近カゴメ格子を持つ超伝導体が、これまでに知られてい
るメカニズムとは異なるメカニズムで超伝導が実現している超伝導体で
ある「非従来型超伝導体」であることが明らかになっていたが、多くの
非従来型超伝導体と同様に、カゴメ格子を持つ超伝導体の超伝導転移温
度が低いため、超伝導状態にある電子の直接観測が難しく、そのメカニ
ズムの実験的な理解については限定的。今回、東京大学物性研究所で開
発された「極低温超高分解能レーザー角度分解光電子分光装置」に、「
深紫外連続波レーザー」を新たに導入することで、カゴメ格子を持つ超
伝導体における電子の直接観測に世界で初めて成功。この研究成果は、
カゴメ格子を持つ超伝導体では「時間反転対称性の破れ」が生じている
極めて特異な超伝導状態である「カイラル超伝導」が実現していること
が示唆されるなど、その超伝導メカニズムの全容解明に繋がる重要な知
見となることを期待する。
【要点】
1.非従来型超伝導体の1つとして注目を集めているカゴメ格子を持つ
 超伝導体中の電子状態を世界で初めて直接観測することに成功。
2.非従来型超伝導体の1つとして注目を集めているカゴメ格子を持つ
 超伝導体中の電子状態を世界で初めて直接観測することに成功。
3.カゴメ格子を持つ物質で実現している非従来型超伝導の特徴とその
 メカニズムの全容解明に繋がる重要な知見となることが期待。


図1.カゴメ格子を持つ超伝導体における電子の直接観測と電子ペアの
 回転により生じる時間反転対称性の破れ
【概要】
カゴメ格子を持つ超伝導体も非従来型超伝導体の一つで、今回研究対象
となった物質であるCsV3Sb5は絶対温度約93度で、物質中の電子の電荷密
度が周期的に変調する「電荷密度波転移」と呼ばれる相転移を示し、約
3度で超伝導を示唆。さらに、電荷密度波転移に伴い時間反転対称性の
破れが生じている証拠が得られていることから、超伝導状態においても
時間反転対称性の破れが生じている可能性があることで注目を集めてい
たが、超伝導を示す温度が低いことから、その超伝導状態の全容解明が
困難。今回、CsV3Sb5におけるバナジウム(V)を少量ニオブ(Nb)や タンタ
ル(Ta)で置換すると超伝導転移温度が上がることに着目(図2)。さらに、
バナジウムの7%をニオブで置換すると超伝導転移温度が5度程度に上が
る一方で電荷密度波転移は残るのに対し、バナジウムの14%をタンタル
で置換すると超伝導転移温度は同程度上がる一方で電荷密度波転移が無
くなる。したがって、両者の超伝導状態の詳細を調べることで、電荷密
度波転移と超伝導の関係について理解できることが期待されます。また、
東京大学物性研究所で開発された、世界最高性能を誇る「極低温超高分
解能レーザー角度分解光電子分光装置」に、今回株式会社オキサイドが
開発した「深紫外連続波レーザー」を導入することにより、これら2種
類の試料の超伝導状態をより高精細に調べることを可能にした。


図2.Cs(V1-xNbx)3Sb5およびCs(V1-xTax)3Sb5の電荷密度波転移温度および
超伝導転移温度バナジウムをニオブで置換すると超伝導転移温度が上が
る一方で電荷密度波転移は無くならないのに対し、バナジウムをタンタ
ルで置換すると超伝導転移温度は上がる一方で電荷密度波転移が無くな
る。
【成果】
世界で初めてカゴメ格子を持つ超伝導体の「超伝導ギャップ構造」を高
精細に測定することに成功した。図3がその結果で、両試料ともに超伝
導状態における電子対のペアリングの強さを示す「超伝導ギャップ」の
大きさが、電子の軌道や運動方向に依らないことを明らかにしました。
さらに、電荷密度波転移が無くなったTa置換試料において、超伝導状態
において時間反転対称性が破られていることを示唆する結果も得ており、
電荷密度波転移の有無に関係なく、これらのカゴメ格子を持つ超伝導体
においては電子のペアが右回りもしくは左回りに回ることで時間反転対
称性の破れが生じる「カイラル超伝導」という特異な超伝導状態が実現
している可能性があることを明らかにした(図4)。

図3.この研究により明らかになった電荷密度波転移と超伝導ギャップ
(電子のペアリングの強さ)の関係電荷密度波転移の有無に関わらず、電
子の軌道や運動方向に依らない等方的な超伝導ギャップとなることを解
明する。
【展望】
今回導入された「深紫外連続波レーザー」により、今後もさまざまな超
伝導体における超伝導状態の詳細が明らかにされるとともに、これまで
に無い超伝導のメカニズムが発見されることが期待されており、中には
より高い温度での超伝導の実現、室温超伝導を実現し得る新たなメカニ
ズムの発見に繋がる。
【関連技術情報及び脚注】
1.カゴメ格子を持つ超伝導体の電子を直接観測 ―特異な超伝導状態「
カイラル超伝導」実現の可能性―, 東京大学物性研究所, 2023.04.27
2.超高分解能角度分解光電子顕微分光装置の開発に成功:Development
of laser-based scanning µ-ARPES system with ultimate energy and momentum
resolutions, Ultramicroscopy Volume 182, November 2017, Pages 85-91,
https://doi.org/10.1016/j.ultramic.2017.06.016
 
3.広島大学放射光科学研究センタ:
http://www.hsrc.hiroshima-u.ac.jp/research/result/44.html#header,
4.極低温超高分解能レーザー角度分解光電子分光装置:紫外線やX線を物
質に照射すると、光電効果により電子が放出されます。単一のエネルギーを
持つ紫外線レーザーを照射して、放出される光電子の放出方向と運動エネル
ギーを測定することで、物質中の電子の運動量とエネルギーの関係、分散関
係が導出できる実験が「レーザー角度分解光電子分光」という実験手法です
。本研究グループは東京大学物性研究所において、より多くの物質が超伝導
状態になる極低温まで温度を下げることを可能にし、さらに電子の運動エネル
ギーをより精密に測定できるようにすることで超伝導ギャップをより高精細に
測定することも可能にした「極低温超高分解能レーザー角度分解光電子分光
装置」を開発しました。

❏ 高分子のモノマー配列を質量分析とAIで決定する解析手法
新たな素材開発やプラスチックのリサイクル・劣化評価のツール
04.28 国立研究開発法人物質・材料研究機構 (NIMS) は質量分析にAI
を取り入れることで、高分子のモノマ配列を決定する手法を開発。
【要点】
1.高分子 (ポリマ) は、原料である小さな分子 (モノマー) が百~
 数十万個も鎖状につなぎ合わさってできた巨大分子です。中でも、身
 の回りにあふれる高分子材料 (プラスチックや樹脂) の多くは、いく
 つかのモノマを組み合わせたコポリマという高分子を設計することで、
 望みの材料性能を発揮させているが、複数種類のモノマが特徴的な並
 び方をした部分配列 (短い鎖) を構成し、それがランダムに繋がって
 コポリマを形作っている----例えば、同じ種類のモノマが連続する割
 合が高い・低いといった配列の分布は、材料の性能や劣化挙動などに
 大きな影響を与えると考えられている。この様な関係性に基づいて最
 適な高分子材料を分子設計には、配列分布を定量的に決定できる「ポ
 リマ・シークエンサ」の開発が望まれていたが、実験的に配列を決定
 できる汎用的な解析手法はこれまでなかった。
2.今回、研究チームは、質量分析データをAIによって解析することで
 配列分布を定量的に決定する、世界初の実用的なポリマ・シークエン
 サを開発。具体的には、プラスチック材料を室温から徐々に加熱する
 と、鎖状の高分子は切れやすい部分から連続的に分解します。この高
 分子の断片を質量分析すると、元々の高分子に含まれていた部分配列
 の種類とその個数を反映した質量分析データが得られる。この実測さ
 れた質量分析データをAI解析し、元々の高分子を、部分配列ごとに並
 んだ仮想的な高分子として並び替えることで、高分子の中での配列を
 定量化した。ポリマーシークエンサによる配列解析は、モノマの種類
 や成分数に制約を受けず、広範なモノマの組み合わせに対
しても適用
 できる。また断片が気化さえすれば、不溶・不融のサンプルや、無機
 成分を含むコンポジットでも解析できることから、様々な実材料への
 応用が期待される。
3.質量分析データをAIにより解析することで配列分布を定量的に決定
 する、世界初の実用的なポリマ・シークエンサを開発。具体的には、
 プラスチック材料を室温から徐々に加熱すると、鎖状の高分子は切れ
 やすい部分から連続的に分解。この高分子の断片を質量分析すると、
 元々の高分子に含まれていた部分配列の種類とその個数を反映した質
 量分析データが得られる。この実測された質量分析データをAI解析し、
 元々の高分子を、部分配列ごとに並んだ仮想的な高分子として並び替
 えることで、高分子の中での配列を定量化した。ポリマ・シークエン
 サによる配列解析は、モノマの種類や成分数に制約を受けず、広範な
 モノマの組み合わせに対しても適用できる。また断片が気化さえすれ
 ば、不溶・不融のサンプルや、無機成分を含むコンポジットでも解析
 できることから、様々な実材料への応用が期待されている。
4.今後、「ポリマ・シークエンサ」を基軸に、高分子材料における配
 列—物性相関解析や、配列制御重合法の開発を進めることで、高分子材
 料全般の性能向上を図っていく。これにより、機能的なプラスチック
 による環境汚染問題の解決や、サーキュラ・エコノミに資する高分子
 材料の開発への展開できる。
【関連論文】
題目 : A data-driven sequencer that unveils latent “codons” in synthetic copolymers
著者 : Yusuke Hibi, Shiho Uesaka, Masanobu Naito
雑誌 : Chemical Science
掲載日時 : 2023年3月21日
掲載 DOI :10.1039/D2SC06974A


図.高分子鎖の仮想的再配列による部分配列の定量

❏ 固体電解質表面におけるリチウムの移動度を探る
4月28日、カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)の研究グループは、
電池内部のナノスケール変化----電解質と電極の接合部において、高速
振動がリチウムイオンの移動を遅くしていることを発見し、電池の性能改
善に新たな展望をもたらす可能性を見い出す。




NbFeSbハーフホイスラー合金の粒界相:
  熱電材料の輸送特性を調整するための新しい方法
【要役】
燃料やバイオ燃料を燃やすと、多くのエネルギーが廃熱として失われる。
熱電材料を使用するとこの熱を電気に変換できるがが、現在の材料は技
術的な応用には効率的ではない。Max Planck Institut für Eisenforschung
研究グループは、熱電材料の微細構造の影響を明らかにし、チタンを添
加することで材料の特性を最適化することにより、熱電材料の効率を高
めました。材料の粒界相の化学と原子配列は、粒界を通る電子の伝導を
定義し、チタン添加することで、電気伝導性が向上。
熱電材料は、温度差があると電気電圧が生成されるため、廃熱から電気
を生成することができる。現在の熱電材料は十分に効率的ではないため
熱電材料の最適化により、産業用途に繋げることができる。
同グループは、8%の効率で廃熱を電気に変換できるニオブ、鉄、アン
チモンの合金を研究し、チタンを添加することで効率を最大40%まで高
めることができた。現在の研究は、材料の原子構造と機能的特性を関連
付け、特定の特性を最適化する方法を示す。
 


図1.電気輸送に対する粒子サイズの影響。 粒径 (GS) は焼結温度によ
って調整され、a) 1123 K および b) 1273 K で焼結されたNb0.95Ti0.05
FeSb サンプルと、c) 1123 K および d で焼結された Nb0.80Ti0.20FeSb
サンプルの EBSD マップに示されています。 ) 1273 K. e) 電気伝導度
σ と f) 加重移動度 μw は、Nb0.80Ti0.20FeSb のさまざまな粒径の影響
をほとんど受けないが、Nb0.95Ti0.05FeSb の微粒子では大幅に低下する。
【関連論文及び情報】
1.Grain Boundary Phases in NbFeSb Half-Heusler Alloys: A New Avenue to
    Tune Transport Properties of Thermoelectric Materials, Advanced Energy
      Materials Volume 13, Issue 13 2204321 ,
      https://doi.org/10.1002/aenm.202204321
2.More power from waste heat. Tuning thermoelectric materials for efficient
     power generation, Max-Planck- Gesellschaft, April 28, 2023

❏ 高強度ゲル電解質被膜がリチウム金属負極の寿命を延ばす
リチウム二次電池のエネルギー密度大幅増に期待
4月19日、国立研究開発法人物質・材料研究機構 (NIMS)の研究グループは
非常に高い力学強度をもつ高分子ゲル電解質を創製し、リチウム金属負極の
保護被膜に適用することで、リチウム金属電池のサイクル性能を大幅に向上
に成功。 
【要点】
1.リチウム金属負極は非常に高い理論容量と低い作動電位を持つ反面、充
 電と放電に伴うリチウムの溶解と析出のサイクルが不完全になりやすく、充
 放電サイクルの寿命や安全性に問題があります。そのため、リチウム金属
 負極を用いた二次電池の充放電サイクルの安定性を向上させる技術が求め
 られている。
2.高濃度リチウム塩を含む有機溶媒 (電解液) と水素結合性高分子から形
 成されるゲル電解質を開発しました。このゲル電解質は非常に高い力学強
 度と伸長性を持つことが特長で、これをリチウム金属負極の人工的な保護
 被膜として用いることで、サイクル安定性が大きく向上することが今回実証
 された。
【要約】
濃縮リチウム (Li) 塩電解質の強いインターポリマー水素結合を利用して調製
できる、非常に丈夫で伸縮性のあるゲル電解質が報告されている。 これらの
電解質は、ポリマー鎖、溶媒分子、Li カチオン、および対アニオン間の競合的
な水素結合相互作用を最適化することによって実現できる。 通常、インターポ
リマーの水素結合を妨げる遊離極性溶媒分子は、濃縮電解質にはほとんど
ない。 この機能を利用して、前例のない靭性を備えた水素結合ゲル電解質を
調製できる。 対照的に、遊離溶媒分子は典型的な濃度の電解質に豊富に含
まれており、かなり弱いゲル電解質を生成。 頑丈なゲル電解質は、Li 金属ア
ノードの人工保護層として使用できる。これは、均一な Li の析出/溶解により、
Li 対称セルのサイクル安定性が大幅に向上するためであり、ゲル電解質を
保護層として使用すると、Li||LiNi0.6Co0.2Mn0.2O2 フルセルのサイクル性能が
大幅に向上する。


【展望】
保護被膜としてのゲル電解質の最適化を進め、広範な電解液系への応用や
次世代正極との組み合わせを検討。

❏  レーザー焼き入れで使用済み歯車を修復、寿命を新品同等以上に延長
4月25日、日立建機株式会社とNIMSは、使用済み歯車の表面にレーザー焼
き入れすることで、摩耗によって損傷した部分を修復する手法を共同で開発。
尚、なお、本手法は、炭素を拡散させて金属の表面を強化する浸炭処理を施
した歯車を対象とする。
【要点】
これにより、従来、廃棄の対象としていた歯車の再生利用率が約25%向上。
20トンクラスの油圧ショベルの場合、毎回の定期部品交換時、新品ではなく再
生された歯車を利用することで、新品部品を製造するときに発生するCO2排出
量1台当たり約13kgの低減が見込まれます。将来的には、鉱山機械の再生部
品への本手法の適用や部品再生を行っている日立建機グループの海外拠点
への導入も計画している。



❏ リチウムイオン電池を超える走行距離を実現するリチウム空気電池
2月22日、・アルゴンヌ国立研究所(ANL)とイリノイ工科大学の共同研究グル
ープが、一回の充電で 1,000 マイル(約 1,600km)の航続距離を可能にするリ
チウム空気電池を開発。
【要点】
1.従来設計の液体電解質に代わる固体電解質を使用した新電池設計で、リ
 チウムイオン電池の最大 4倍のエネルギー密度(1,200Wh/kg)が可能。航空
 機や長距離トラックへの給電も期待できる。また、固体電解質では、液体電
 解質のような過熱や発火の危険性が無く、安全性が確保できる。
2.室温下での電子 4 個による反応を初めて達成したリチウム空気電池設計
 で、空気中の酸素を使用して作動する。初期設計の課題であった酸素タンク
 も不要。
3.リチウム空気電池では、放電時にリチウム金属アノードのリチウムが液体
 電解質中を移動して酸素と結合後、カソードで過酸化リチウム(Li2O2)や超
 酸化物(LiO2)を形成し、充電時にはそれらがリチウムと酸素に分解されるこ
 とでエネルギーを貯蔵・放出。
4.新電池設計の固体電解質は、比較的安価な元素のナノ粒子ベースのセラ
 ミックポリマー材料で構成され、放電時に酸化リチウム(Li2O)生成反応を促
 進する。従来の Li2O2 や LiO2 の化学反応に含まれる電子は酸素分子毎
 に 1~2 個。一方、Li2O では 4 個の電子が含まれるため、より高いエネル
 ギー密度が得られる。
【要約】
リチウム酸化物 (Li2O) の形成に基づくリチウム空気電池は、理論的にはガソ
リンに匹敵するエネルギー密度を提供できる。 酸化リチウムの形成には、そ
れぞれ超酸化リチウム (LiO2) と過酸化リチウム (Li2O2) をもたらす 1 電子お
よび 2 電子反応プロセスよりも達成が難しい 4 電子反応が含まれる。 修飾ポ
リエチレンオキシド ポリマー マトリックスに埋め込まれた Li10GeP2S12 ナノ粒子
に基づく複合ポリマー電解質を使用することにより、Li2O が室温固体リチウム
空気電池の主な生成物であることを発見した。 このバッテリーは、分極ギャッ
プが小さく、1000 サイクルの充電が可能で、高速で動作する。 4 電子反応は、
混合イオン-電子伝導性放電生成物とその空気との界面によって可能となる。
----------------------------------------------------------------------------------------------
【関連特許情報】



❏ WO2016/002277 <多孔質体およびその製造方法、構造体、蓄電装置、触
媒、トランジスタ、センサー、太陽電池、リチウム電池および気化装置 アンヴ
ァール株式会社
【要約】
下図1のごとく、 平均サイズが2μm以下であり、かつ最小サイズが60nm以
上である細孔を有する炭素構造体20を具備する多孔質体。多孔質金属10と
、前記多孔質金属の表面を覆うように設けられた層状構造を有する遷移金属
カルコゲナイド膜24と、を具備する多孔質体。脱合金化により形成された多
孔質金属10を細孔12およびリガメント14のサイズが大きくなるように熱処理
する工程と、前記多孔質金属の表面に、ディラックコーン型の電子状態密度を
有する炭素構造体20を形成する工程と、を含み、前記熱処理する工程は、前
記炭素構造体を形成する工程の前または同時に実施される多孔質体の製造
方法。

図1.(a)から図1(d)は、実施形態1に係る多孔質体の製造方法を示す断面
   図である。
【符号の説明】
10 多孔質金属 12 細孔 14 リガメント 20 炭素構造体 22 細孔 24 層 30、
32 多孔質体 34、36 構造体 40 蓄電装置 42 正極 44 電解質 46 負極
【請求範囲】
【請求項1】 平均サイズが2μm以下であり、かつ最小サイズが60nm以上で
ある細孔と前記細孔を覆うように設けられたグラフェン層とを有する炭素構造
体を具備することを特徴とする多孔質体。
【請求項2】 前記炭素構造体は、ディラックコーン型の電子状態密度を有する
ことを特徴とする請求項1記載の多孔質体。
【請求項3】 前記細孔内は空洞であることを特徴とする請求項1または2記載
の多孔質体。
【請求項4】 多孔質金属を具備し、 前記炭素構造体は、前記多孔質金属の表
面を覆うことを特徴とする請求項1または2記載の多孔質体。
【請求項5】 前記炭素構造体は、触媒となる物質を含むことを特徴とする請求
項1から4のいずれか一項記載の多孔質体。 【請求項6】 前記炭素構造体は、
窒素、ホウ素、リン、硫黄、ニッケルおよびマンガンの少なくとも1つを含むこと
を特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の多孔質体。
【請求項7】 前記細孔の平均サイズは1μm以下であることを特徴とする請求
項6記載の多孔質体。
【請求項8】 多孔質金属と、 前記多孔質金属の表面を覆うように設けられた層
状構造を有する遷移金属カルコゲナイド膜と、 を具備することを特徴とする多
孔質体。
【請求項9】 請求項1から8のいずれか一項記載の多孔質体を潰した構造を有
することを特徴とする構造体。
【請求項10】 結晶粒の平均サイズが2μm以下である金属と、 前記結晶粒を
覆うように粒界に設けられたグラフェン層と、 を具備することを特徴とする構
造体。
【請求項11】 請求項3記載の多孔質体の炭素構造体を酸化させた構造を有
することを特徴とする構造体。
【請求項12】 請求項1から7のいずれか一項記載の多孔質体の炭素構造体
を酸化および還元させた構造を有することを特徴とする構造体。
【請求項13】 請求項1から8のいずれか一項記載の多孔質体または請求項
9から12のいずれか一項記載の構造体を含むことを特徴とする蓄電装置。
【請求項14】 請求項1から8のいずれか一項記載の多孔質体または請求項
9から12のいずれか一項記載の構造体を含むことを特徴とする触媒。
【請求項15】 請求項1から8のいずれか一項記載の多孔質体または請求項
9から12のいずれか一項記載の構造体を含むことを特徴とするトランジスタ。
【請求項16】 請求項1から8のいずれか一項記載の多孔質体または請求項
9から12のいずれか一項記載の構造体を含むことを特徴とするセンサー。
【請求項17】 請求項1から8のいずれか一項記載の多孔質体または請求項
9から12のいずれか一項記載の構造体を含むことを特徴とする太陽電池。
【請求項18】 脱合金化により形成された多孔質金属を細孔およびリガメント
のサイズが大きくなるように熱処理する工程と、 前記多孔質金属の表面に、
前記多孔質金属を覆うグラフェン層を形成することにより炭素構造体を形成
する工程と、 を含み、 前記熱処理する工程は、前記炭素構造体を形成する
工程の前または同時に実施されることを特徴とする多孔質体の製造方法。
【請求項19】 NおよびSの少なくとも一方がドープされ、平均サイズが2μm以
下であり、かつ最小サイズが60nm以上である細孔と前記細孔を覆うように
設けられたグラフェン層とを有する炭素構造体を含む電極を具備することを特
徴とするリチウム電池。
【請求項20】 前記電極は正電極であり、前記リチウム電池はリチウム空気電
池であることを特徴とする請求項19記載のリチウム電池。
【請求項21】 請求項1から8のいずれか一項記載の多孔質体または請求項
9から12のいずれか一項記載の構造体を含むことを特徴とする気化装置。

尚、下記の特許事例は、リチウム電池及び全固体二次電池で、千回リサイク
ルを条件とし空気電池でない事例で膨大な(135頁)特許である。

❏ 特開2023-22303 複合型単層化学架橋セパレータ 旭化成株式会社
【要約】
図1のごとく、蓄電デバイス用セパレータは、ポリオレフ ィンを含む基材と、そ
の上に形成された一つ又は複数の 層を有する。基材に含まれるポリオレフィ
ンは、蓄電デ バイス内で架橋構造を形成する1種又は2種以上の官能 基を
有する。一実施形態において、層は、無機粒子を含 む層及び熱可塑性ポリ
マーを含む層である。他の実施形 態において、層は、熱可塑性ポリマー含有
層、活性層、 及び耐熱性多孔質層などの表面層であることで、より安全性の
高い蓄電デバイス用セ パレータ、及びこれを用いた蓄電デバイス等を提供す
る 。

図1.図1(A)は、非架橋ポリオレフィン基材層と無機粒子層とを有する蓄電
デバイ ス用セパレータの両端を開放した状態で熱収縮させたときの挙動を示
す模式図である。図 1(B)は、非架橋ポリオレフィン基材層と無機粒子層とを
有する蓄電デバイス用セパレ ータの両端を固定した状態で熱収縮させたとき
の挙動を示す模式図
【符号の説明】
 1a  非架橋ポリオレフィン基材層  1b  架橋ポリオレフィン基材層  2  
無機粒子層  3  熱可塑性ポリマー層  4  応力  5  無機粒子層の座屈
破壊  6  基材層の引張破壊  7  局所短絡  8  圧力  9  島構造  
10  セパレータ  20  固定治具  30  正極  40  負極  100 蓄電
デバイス  d  島構造同士の距離


風蕭々と碧い時代


 John Lennon

J-POPの系譜を探る:1990年代】


曲名:浪漫飛行   唄:米米CLUB
作詞・作曲 米米CLUB

80年代後半から90年代後半を代表するバンドのひとつである米米CLUBは、
数々のミリオンセラーを生み出していが、1982年に結成され、1985年10
月21日にデビュー。アマチュア時代より「謎のパフォーマンスグループ」
としてメディア出演を精力的に行い、当初は奇抜なルックスとお笑い芸
人のようなパフォーマンスで「イロモノ」として活動。音楽ジャンルは
大まかにポップスとされることが多いが、ソウルやファンク、ムード歌
謡など幅広いジャンルをこなす。1990年4月8日にリリースされた10枚目
のシングル『浪漫飛行』。週間オリコンチャートでは堂々の1位を獲得
し後世に語り継がれる、今もなお様々なメディアで使用される楽曲だが、
日本航空のCMソングにも起用され、1996年の紅白歌合戦ではこの楽曲を
演奏した。

● 今夜の寸評:(いまを一声に託す)未来は善き縁で開かれる。
   Good encounters can lead you to a better future

『阿弥陀経』は、大乗仏教の聖典の一つ。原題は『スカーヴァティー・
ヴィユーハ』で、「極楽の荘厳」「幸あるところの美しい風景」の意味
である。サンスクリットでは同タイトルの『無量寿経』と区別して『小
スカーヴァティー・ヴィユーハ』とも呼ぶ。略称は、『無量寿経』の『
大経』に対して、『小経』と呼ばれる。まず阿弥陀仏の極楽浄土の荘厳
を説き、次にその浄土に往生するために阿弥陀仏の名号を執持(しゅう
じ)することを勧め、次に六方世界諸仏がこの説を讃嘆・証誠して信ず
ることを勧めていることを話した後、極楽に生まれるように願いを起こ
すべきであることを再び説き、ブッダにとって、この乱れた世界の人々
にこれらのことを信じてもらうことはとても困難な事だったと締め括ら
れる。via Wikipedia

 

コメント
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人口減少時代の地域再生概論 ⑦

2023年04月29日 | 量子電池

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救った
と伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦
国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと
)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひこにゃん

【日本蕎讃歌:ノルウェー塩鯖のあったか胡麻出汁蕎麦】


材料(1人分)
十割蕎麦 百グラム、ノルウェー塩さば 1/4切れ、秋なす 1/4、長い
も 適量、えのき茸 1/4袋、ブロッコリースプラウト 適寮、ゆずこし
ょう 少々、めんつゆ(ストレート) 適量、めんつゆ(ストレート)
適量、ごまだしつゆ 適量


Via.Seafood from Norway
ネットサーフしているとハットさせられる事が多く寄り道することが多
い。蕎麦で魚と言えば「ニシン:鰊」しか浮かばないが。鯖、鰯、鮭な
ども有るじゃないかと気づかさせられる。その縁結びが「ノルウェイ」。
果てしなく北極まで続くノルウェーの海岸線は、魚が冷たい海水の中で
成長していくのに理想的な環境。いまでは、サーモン1トンあたり抗生物
質わずか 0.14 グラムで海洋養殖されている。サーモンは生涯の中で淡
水と海水の両方で生息し、何千年という歳月を経て、サーモンは鰓の特
殊な細胞が持つポンプ機能を逆流させるという驚異的な浸透圧調整能力
もつという。現在では人工的に浸透圧調整し「丘水産」可能だ。伊吹大
根添えサーモン(またはビワマス)蕎麦が出される日は近いかも。

ランチどきの蕎麦愛が昂じ「和蕎麦」「日本蕎麦」と称される料理の研
究に入る。といっても、クッキング・タイムは10分以内(食材の準備時
間は除く)。そして、「十割り蕎麦」には拘らないので、和蕎麦」「日
本蕎麦」の定義を確認。それによると。全国製麺協同組合連合会では、
そば粉30%以上、小麦粉70%以下の割合で混合した原料を用いたものを「
日本そば」と定められているのでそれに従う。
さて、わたしの蕎麦愛は、「喉越しのよさと歯切れのよさ」「ほんのり
した甘く爽やかな香り」と「栄養豊富な健康効果」(ブログでも掲載)
の三つ。油・片栗・うまみ調味料(「味の素」など)の足し算の中華鍋
系の料理ではなく、素材由来の足し算の和食を好むため。蛇足になるが、
焼き餅を具材に入れることもあり、代わりに、六甲バターのBBQチェ
ダーチーズを入れ食してみたが、ベストマッチング。上品な日本蕎麦に
仕上がる。






ispace(アイスペース)は、日本の航空宇宙企業(宇宙ベンチャー企業)
民間による月面探査を目指し、2010年9月にispaceの前身となる組織であ
る。

合同会社ホワイトレーベルスペース・ジャパン(2013年5月にispaceとし
て会社化)が設立された。2013年1月30日、活動拠点をオランダから日本
に移転。この変更にはSteve Allenから日本で運営を主導していた袴田武
史に主導権が移る事も含まれた。同年7月15日、月面探査チームの公式名
をHAKUTO(ハクト)に変更した。 月面無人探査レース「Google Lunar
XPRIZE」にHAKUTOで挑戦し、XPRIZEの終了後には昆虫型ロボットによる
地球近傍天体での資源探査も目指している。 via  Wikipedia

特開2022-50363 量子ドット、量子ドットの製造方法、及び量子ドット
の使用 国立大学法人 東京大学
➲前回のつづき

(その他のリガンド)
上述のとおり、本実施形態の量子ドットにおいては、本実施形態におけ
る化合物に配位する他のリガンドを含んでいてもよい。他のリガンドと
しては、特に限定されないが、例えば、オレイルアミン等が挙げられる。

(平均粒子径)  
量子ドットによって放出される波長(例えば、色)は、ナノクリスタル
のサイズ及び材料等の量子ドットの物理的特性に応じて選択することが
できる。量子ドットは、約300nm~2000nmまでの光(例えば、紫外
光、近赤外光及び赤外光)を放出することが 知られている。量子ドッ
トによって放出される光の波長帯は、コア及びキャップを構成する材料
に依存して、コアのサイズ又はコア及びキャップのサイズによって決定
される。かかる観点から、本実施形態の量子ドットの透過電子顕微鏡観
察により測定される平均粒子径は、2nm以上4nm以下であることが
好ましい。上記平均粒子径は、後述する実施例に記載の方法により測定
することができる。また、上記平均粒子径は、例えば、量子ドットの調
製方法における諸条件を調整し、結晶の核成 長を制御すること等により、
上記範囲に調整することができる。 

(波長ピーク)  
発光波長帯は、量子ドットの組成及びサイズを変更することによって、
調整することができるが、本実施形態の量子ドットの発光スペクトルの
波長ピークは、440nm(青色 )から480nm(緑色)の範囲に極大を
示すことが好ましい。 上記波長ピークは、後述する実施例に記載の方
法により特定することができる。また、上記波長ピークの位置は、量子
ドットの組成が一定であれば、サイズが小さくなるほど短 波長側にシ
フトし、サイズが大きいほど長波長側にシフトすることが知られている。
また 、量子ドット中のBr原子をCl原子に置き替ることにより短波
長側にシフトし、1原子に置き替えることにより長波長にシフトする。
例えば、MAPbBr 3量子ドットの平均 粒子径サイズを小さくする
こと等により、上記範囲に調整することができる。 

(用途)  
本実施形態の量子ドットは、量子収率、動作安定性及び貯蔵安定性に優
れ、狭い発光スペクトルの半値幅を有する傾向にあるため、光デバイス
として好ましく適用することができ、特に高い光品質の発光ダイオード
(LED)の実現も可能となる。発光ダイオードの 他、本実施形態の量子
ドットは、太陽電池、光検出器など、広い範囲での利用も可能である 。

 [量子ドットの製造方法]  
本実施形態の量子ドットは、上述した構成が得られる限り、その製造方
法は限定されな いが、好ましい製造方法としては、下記式(1)で表さ
れるハロゲン化鉛ペロブスカイト 構造を有する化合物を含む量子ドット
の製造方法であって、Cs又はメチルアンモニウムとPbとCl、Br
及びIからなる群より選択される少なくとも1種と多価カルボン酸とを
含む溶液を調製する工程を含み、前記多価カルボン酸が、sp 3炭素に
結合したカルボキシル基を有する。   
APbX 3  (1)
(前記式(1)中、AはCsカチオン又はメチルアンモニウムカチオン
を表し、Xは塩素アニオン、臭素アニオン及びヨウ素アニオンからなる
群より選択される少なくとも1種を表す。)上記製造方法によれば、本
実施形態の量子ドットを容易に合成することができる。
上記製造方法において、溶液調製の原料としては、本実施形態における
化合物を構成する元素を含む物質であれば特に限定されず、種々公知の
物質を原料として用いることができる。その際に使用できる溶媒として
も特に限定されず、種々公知の溶媒を用いることが できる。 
上記製造方法において、使用される多価カルボン酸は、得られる量子ド
ットの動作安定性、量子収率及び貯蔵安定性の観点から、チオリンゴ酸
リンゴ酸、エチレンジアミン四酢酸、トリカルバリル酸及びクエン酸か
らなる群より選択される少なくとも一種を含むこ とが好ましい。 
上記製造方法において、溶液を調製する工程における多価カルボン酸の
添加量は、製造効率の観点から、Pb量に対して1等量以上3等量以下
であることが好ましい。 

[LED発光素子デバイス]  
図1は、本実施形態の量子ドットを用いたLED発光素子デバイス構造
を例示する概要 図である。同図に示すとおり、本実施形態の量子ドッ
トを用いたLED発光素子デバイス としては、例えば、ITO(陽極)
/正孔注入層/量子ドット(発光層)/電子輸送層/電子注入層/Al
電極(陰極)を備えるデバイス構造を有するものが挙げられる。もっと
も、同図のような構造に限定されず、光電変換素子の構造として種々公
知の構造を適宜採用することができる。その具体例としては、以下に限
定されないが、特開2007-324587号公報の記載などを参照す
ることができる。より具体的には、以下に限定されないが、例えば、透
明基板上に、透明電極、電子輸送層、活性層(光電変換層)、正孔輸送
層、及び金属電極の順に積層された構造であってよく、透明基板上に、
透明電極、正孔輸 送層、活性層(光電変換層)、電子輸送層、及び金
属電極の順に積層された構造であってもよい。透明電極としては450
nm以上の可視光において、平均透過率が80%以上である材料からな
る電極を採用することができる。そのような材料である限り、透明電極
を形成する材料は特に限定されないが、その具体例としては、スズをド
ープしたインジウム酸化 物(ITO)、フッ素をドープした酸化スズ
(FTO)、亜鉛をドープしたインジウム酸化物(IZO)、タングス
テンをドープしたインジウム酸化物(IWO)、亜鉛とアルミニウムと
の酸化物(AZO)、酸化インジウム(In2O3)、酸化亜鉛(ZnO
)、酸化 チタン(TiO2)、酸化スズ(SnO2)等が挙げられる。
金属電極は、上記透明電極と対をなす電極である。金属電極を構成する
材料としては特に限定されず、金、白金、銀、アルミニウム、ニッケル、
チタン、マグネシウム、カルシ ウム、バリウム、ナトリウム、クロム、
銅、コバルト等の金属又はその合金が挙げられる 。本実施形態におい
ては、金属電極が上述した透明電極に該当する、すなわち一対の電極が
透明電極であることが好ましい。この場合、一対の電極は同じ材料から
形成されていてもよく、異なっていてもよい。金属電極の膜厚は、特に
限定されず、透明性を優先する場合には通常10nm程度であればよく、
10nm未満であってもよい。一方、透明性よりも耐久性等を優先する
場合は40nm以上であることが好ましく、100nm以上であること
がより好ましい。電子輸送層及び正孔輸送層の構成部材及びその製造方
法については特に限定されず、種々公知の構成部材及び製造方法を採用
することができる。その具体例としては、以下に限定されないが、国際
公開第2013/171517号、国際公開第2013/180230
号又は特開2012-191194号公報等に記載の構成部材及びその
製造方法を採用することができる。本実施形態における正孔輸送型半導
体と併せて用い得る電子輸送型半導体としても特に限定されず、種々公
知の電子輸送型半導体を適用することができる。その具体例としては、
以下に限定されないが、ITO(陽極)/正孔輸送層/量子ドット(発
光層)/電子輸 送層/金属電極(陰極)を備えるデバイス構造、あるい
はITO(陽極)/電子輸送層/量子ドット(発光層)/正孔輸送層/
金属電極(陰極)を有するものが挙げられる。さらに、これらの多層膜
に、電子注入層、正孔注入層、電子ブロック層、正孔ブロック層、金属
電極チューニング層、SAM層などをさらに有していてもよい。正孔輸
送層、正孔注入層、電子ブロック層としては、以下に限定されないが、
例えばNPB、β-NPB、TPD、spiro-TPD、spiro
-NPB、DMFL-T PD、DMFL-NPB、DPFL-TPD、
DPFL-NPB、α-NPD、s
pir o-TAG、NPAPF、
NPBAPF、spiro-2NPB、PAPB、2,2'- spi
ro-DBP、spiro-BPA、TAPC、spiro-TTB、
β-TNB 、HMTPD、α,β-TNB、α-TNB、β-NPP、
TTP、NDDP、TQTP A、TFA、poly-TPD、BPB
PA、DOFL-NPB、DOFL-TPD、V NPB、ONPB、
OTPD、QUPD、TCBPA、VB-FNPD、X-F6-TA
PC、PFN-OX、TBA、spiro-mTTB、PFNIBT、
TSBPA、DT AF、PCZAC、DM-FTB、iPrCN、
oxe-DCDPA、BF-DPB、4 DBFHPB、CuPc、m
-MTDATA、2T-NATA、1T-NATA、NAT A、Ti
OPC、F4TCNQ、PPDN、MeO-TPD、MeO-spir
o-TP D、2,2'-MeO-spiro-TPD、NTNPB、
NPNPB、TPT1、Pt PC、DNTPD、HAT-CN、H2
PC、HATNA、HATNA-CI6、HAT NA-F6、3FT
PD-C8、MeOPBI、TNAP、Di-NPB、3DMFL-
BPA、NPB-DPA、β-NPB-DPA、TCNQ、TFB、
TFI、spiro -TPD、TAPC、HMTPD、DOFL-N
PB、DOFL-NPB、DOFL-T PD、VNPB、ONPB、
OTPD、QUPD、VB-FNPD、X-F6-TAPC 、HAT
-CN、3FTPD-C8、PTAA、BFB、PFHB、PFNIB
T、PE DOT:PSS等が挙げられる。 正孔注入層を形成する材料
としては、例えば、導電性物質であるPEDOT:PSSが 一般的に
用いられ、スピンコート法などによってITO陽極上に正孔注入層が形
成される 。  
正孔注入層の上に、例えば、poly-TPD等をスピンコート法によ
り塗布を行うこと等により正孔輸送層を形成することができる。正孔輸
送層の上に、例えば、本実施形態の量子ドットを含む溶液をスピンコー
ト法などによって塗布すること等により、発光層を形成することができ
る。量子ドットを含む発光層の上には電子輸送層を形成することができ
る。電子輸送層としては、以下に限定されないが、例えば、TPBI(
[2,2',2''-(1,3,5- フェニレン)-トリス(1-フェ
ニル-1H-ベンズイミダゾール)])をスピンコート法や真空蒸着法
に供して得られる層を適用することができる。さらに、その上にLiF
を蒸着して電子注入層を形成しその上にAlを蒸着して陰極を形成する
こと等によって、本実施形態の量子ドットを用いたLED発光素子デバ
イスを得ることができる。塗布液の塗布方法としては、任意の方法を採
用でき、以下に限定されないが、例えば、スピンコート法、インクジェ
ット法、ドクターブレード法、ドロップキャスティング法、リパースロ
ールコート法、グラビアコート法、キスコート法、ロールブラッシュ法、
スプレーコート法、エアナイフコート法、ワイヤーバーバーコート法、
パイプドクター法、含浸・コート法又はカーテンコート法等が挙げられ
る。
【実施例】
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて本実施形態をさらに具体的に
説明するが、本実施形態はその要旨を超えない限り、これらの実施例と
比較例によって何ら限定されるも のではない。
次のとおり、実施例1~5及び比較例1に係る量子ドットを作製し、そ
の評価を行った。
(実施例1)  
モル比が1:1となるように臭化鉛(117.5mg)及び臭化メチル
アンモニウム(36mg)をバイアルに量りとり、N,N-ジメチルホ
ルムアミド(8mL)を加えた。次に、得られた混合液が透明になるま
で室温下で撹拌し、溶液A(40μmol/mL)を調製した。得られ
た溶液(A)500μLに3等量のリンゴ酸(8.0mg)及び1等量
のオレイルアミン(5.4mg)を加え、室温で30分間超音波処理を
行い、白色の溶液(B)を調製した。次いで、溶液(B)150μLに
トルエン5mLを室温で撹拌しながらゆっくり滴下し、その後2時間撹
拌を続け、淡黄色の沈殿溶液を得た。得られた沈殿 溶液を15000
rpmで15分間遠心分離を行って沈殿を分離し、その後、上澄み液を取
り出してさらに遠心分離を行うことにより、再度沈殿物を取り除いた。
次いで、得られた上澄み液をエバポレーターで加熱することにより溶液
を蒸発させ、精製されたペロブス カイト量子ドット粉末(MAPbBr
3)を得た。 

(実施例2)
実施例1で得られた溶液(A)500μLに、3等量のリンゴ酸(8.
0mg)及び1 等量のオレイルアミン(5.4mg)に代えて1.5
等量のエチレンジアミン四酢酸(5.8mg)及び4等量のオレイル
アミン(21.5mg)を加えたこと以外は実施例1 と同様にして、
精製されたペロブスカイト量子ドット粉末(MAPbBr3)を得た。 
(実施例3)  
実施例1で得られた溶液(A)500μLに、3等量のリンゴ酸(8.
0mg)及び1 等量のオレイルアミン(5.4mg)に代えて、3等
量のトリカルバリル酸(10.6m g)及び1等量のオレイルアミン
(5.4mg)を加えたこと以外は実施例1と同様にして、精製された
ペロブスカイト量子ドット粉末(MAPbBr3)を得た。 
(実施例4)  
実施例1で得られた溶液(A)500μLに、3等量のリンゴ酸(8.
0mg)及び1 等量のオレイルアミン(5.4mg)に代えて、2等
量のクエン酸(7.3mg)及び1等量のオレイルアミン(5.4mg
)を用いた以外は、実施例1と同様にして、精製され たペロブスカイト
量子ドット粉末(MAPbBr 3)を得た。 
(実施例5)  
モル比が1:1となるように臭化鉛(117.5mg)及び臭化セシウ
ム(67.6mg)をバイアルに量りとり、N,N-ジメチルホルムア
ミド(8mL)を加えた。次に、得られた混合液が透明になるまで室温
で撹拌し、溶液C(40μmol/mL)を調製し た。得られた溶液(C)
500μLに1等量のリンゴ酸(2.7mg)及び3等量のオレ イル
アミン(16.3mg)を加え、室温で30分間超音波処理を行い、白
色の溶液(D )を調製した。次いで、溶液(D)150μLにトルエ
ン5mLを室温で撹拌しながらゆ っくり滴下し、その後2時間撹拌を
続け、淡黄色の沈殿溶液を得た。得られた沈殿溶液を 15000rpm
で15分間遠心分離を行って沈殿を分離し、その後、上澄み液を取り出
してさらに遠心分離を行うことにより、再度沈殿物を取り除いた。次い
で、得られた上澄み液をエバポレーターで加熱することにより溶液を蒸
発させ、精製されたペロブスカイト 量子ドット粉末(CsPbBr3)
を得た。 
(比較例1)  
実施例1で得られた溶液(A)500μLに、3等量のリンゴ酸(8.
0mg)及び1 等量のオレイルアミン(5.4mg)に代えて、15
等量のオレイン酸(84mg)及び 1等量のオレイルアミン(5.4
mg)を用いた以外は、実施例1と同様にして、精製さ れたペロブス
カイト量子ドット粉末(MAPbBr 3)を得た。

(吸収スペクトル)  
量子ドットの吸収スペクトルは、紫外可視近赤外分光光度計(日本分光
製JASCO- V670型)を用いて測定した。図2に、実施例1で
得られた量子ドットの吸収スペクトルを示す。 
(アーバックエネルギー)
アーバックエネルギー(EU)は、量子ドットの吸収スペクトルの入射
光子エネルギー (hν)に対するln(α)のプロットの直線の傾きか
ら取得した。図3は、図2の吸収スペクトルの入射光子エネルギー(h
ν)に対するln(α)のプ ロットの直線の傾きから取得したアーバ
ックエネルギー(Eu)を示す図である。図2 のとおり、実施例1に
おける(EU)は25.6meVとなり、格子欠陥や表面欠陥の少ない
量子ドットが得られていることがわかる。

 (平均粒子径)
量子ドットの平均粒子径は、透過電子顕微鏡観察(TEM)により測定
した。すなわち、日本電子製ARM200F型透過電子顕微鏡を用い、
加速電圧80kVでTEM画像を得た。図4は、実施例1における量子
ドットの平均粒子径と透過電子顕微鏡画像を示す図である。TEM画像
から得られた量子ドットは、サイズがほぼ均一な立方形状を有しており、
平均粒子径は2.5±0.3nmであった。なお、平均粒子径の算出に
際しては、粒子の総数が300以上である画像から、無作為に238個
の粒子を選定して実施した。すなわち、当該画像中における各粒子の直
径の合計値を、選定された粒子数で除し、得られた値を平均粒子径とし
た。
(発光スペクトル)  
発光スペクトルの測定には、日本分光製JASCO FP-8500型
分光蛍光光度計 を用いた。量子収率は、標準試料として、9-10-
ジフェニルアントラセン(QY=9 7%)のシクロヘキサン溶液を用い、
以下の式を用いて求めた。   

[QY] s a m p l e=[QY] s t a n d a r d*[A s t/ A x]*
[F x/ F s t]*[N x 2/ N s t 2]*[D x/ D s t]  

上記式中、Aは励起波長(370nm)における吸光度を表し、Fは蛍
光スペクトル面積を表し、Nは溶媒の平均屈折率を表し、Dは希釈率を
表し、stは標準試料を表し、x は測定試料を表す。  図5は、実施
例1の発光スペクトルを示す図である。図5より、実施例1で作製され
た 量子ドットでは、発光スペクトルの極大は青色を示す453nmに
あり、半値幅は16. 5nmと極めて小さいことがわかる。また量子
収率は96.1%と高く、青色発光体と して優れた特性を示している。
上記式中、Aは励起波長(370nm)における吸光度を表し、Fは蛍
光スペクトル面積を表し、Nは溶媒の平均屈折率を表し、Dは希釈率を
表し、stは標準試料を表し、x は測定試料を表す。図5は、実施例
1の発光スペクトルを示す図である。図5より、実施例1で作製された
量子ドットでは、発光スペクトルの極大は青色を示す453nmにあり、
半値幅は16. 5nmと極めて小さいことがわかる。また、量子収率は
96.1%と高く、青色発光体として優れた特性を示している。 

(FT-IRスペクトル)  
FT-IRスペクトルの測定には、日本分光製JASCO FT-IR
6100型フー リエ変換赤外分光光度計を用いた。図6は、FTIR
スペクトルを用いて、リンゴ酸をリガンドとして持つ量子ドット(点線)
とオレイン酸を持つスペクトル(実線)を比較することで、実施例1の
リンゴ酸がリガンドとして量子ドット中のPb原子に配位していること
を示す図である。二つのスペクトルは1580cm‑1 および1460
cm‑1というカルボン酸アニオンに由来する二つの 主要な吸収バンド
が完全に一致している。これはリンゴ酸の二つのカルボン酸が共にアニ
オンになって量子ドット上に存在していることを示している。文献既知
のリンゴ酸ジアニオンのPb錯体の結晶構造では、二つのカルボン酸アニ
オンが共
にPb原子に配位している事実を参照すると、本量子ドットにお
いてもリンゴ酸は ジアニオンとして Pb原子に配位して存在しているこ
とが確認された。

(SEM-EDX)  

FEI社製Magellan400L型SEMに付属したAMTEC製
EDAXGen-APEX4型エネルギー分散型X線分光装置(EDX
)を用いて量子ドット中に含まれ る元素の定量分析を行った。


(信頼度95%)  
図7は、実施例1のリンゴ酸をリガンドして含む量子ドットのEDXに
よる分析結果を示す図である。C,O,Br、Pbに相当するピークが
検出され、定量分析の結果、Pb に対する元素比は、Pb:Br=1:
3.28(誤差0.13)、Pb:O=1:0.7 1(誤差0.08)
であった。酸素はリンゴ酸に由来するものと仮定すると、Pbに対する
リンゴ酸の組成比は、1:0.14(誤差0.016)であると推定さ
れる。量子ドッ トが、一辺に4個のPb原子を含む合計64個のPb原
子からなっていると仮定すると、量子ドット中には、210±8個のBr
原子と、8.9±1.3個のリンゴ酸がPb原子 に配位していると考え
られる。FT-IRとTEMの測定結果は、Pb原子にリンゴ酸がジア
ニオン型のリガンドとして量子ドットの8つの角に配位していることを
示しており、240個のBr原子中24個のBr原子が8個のリンゴ酸
と置き換わったとすると合計216個のBr原子が存在することになり、
EDXの分析結果とほぼ一致する。 

(TEM)  
日本電子製ARM200F型透過電子顕微鏡を用い、加速電圧80kV
で量子ドットの高解像度TEM画像を得た。図8は、実施例1の量子ド
ットの高解像度透過電子顕微鏡画像を示す図である。透過電子顕微鏡画
像では、立方形状の量子ドットの画像が鮮明に得られ、図8中に矢印で
示した量子ドットのコーナー部分にBr原子が欠損した空白のスポット
が認められた。このことは、リンゴ酸とBr原子が置き換わっているこ
とを示している。Br原子の欠損は、残りの7つの角の部分にもあると
仮定すると、全部で8個のリンゴ酸が量子ドット中に含まれるという前
述のSEM-EDXの結果と一致する。

(量子ドットにリンゴ酸が配位した構造のモデル図)  
図9は、リンゴ酸がリガンドとして量子ドット中のPb原子に配位した
構造モデルを示す図である。TEM観察画像とEDX、FT-IRの結
果から、量子ドットの8つの角の8つのPb原子にリンゴ酸がジアニオ
ンとして1個ずつBr原子と置換されて配位している構造が推定された。
なお、図9では、リンゴ酸分子中、水酸基の存在する側のカルボン酸が
アニオンとなってPb原子に 共有結合しているというリンゴ酸鉛(Ⅱ)
錯体の結晶構造に基づいて構造を示しており、同図において、便宜上、
リンゴ酸における水酸基の関与 の仕方を規定するものではない。上記は
実施例1の検証結果に基づくものであるが、実施例2~4(エチレンジ
アミン四酢酸、トリカルバリル酸及びクエン酸)でも同様の結果が得ら
れており、それぞれ図9に 類似する構造を有することが推定された。



(動作安定性)  
図10Aは、励起波長370nmで10時間光を連続照射した場合の、
実施例で作成された量子ドットの操作安定性を示す図である。図10B
は、10時間照射前後の発光スペクトルの変化を示す図である。実施例
1および実施例2で作製された量子ドットでは、10時間後でも量子収率
の低下はほとんど認められず、優れた動作安定性を示すことがわかる。
また10時間光照射後の発光スペクトルには、ほとんど変化が認められな
かった。実施例3で作製された量子ドットでは、初期にやや大きな量子
収率の低下が認められたが、10時間後でも初期値の約85%の量子収率
が維持れている。10時間光照射後の発光スペクトルでは、ピーク強度が
少し低下していることが認められた。一方、比較例1で作くった量子ド
ットの操作安定性を示す図である。図10Bは、10時間照射前後の発
光スペクトルの変化を示す図である。実施例1および実施例2で作製さ
れた量子ドットでは、10時間後でも量子収率の低下はほとんど認めら
れず、優れた動作安定性を示すことがわかる。また10時間光照射後の
発光スペクトルには、ほとんど変化が認められなかった。実施例3で作
製された量子ドットでは、初期にやや大きな量子収率の低下が認められ
たが、10時間後で も初期値の約85%の量子収率が維持されている。
10時間光照射後の発光スペクトルでは、ピーク強度が少し低下してい
ることが認められた。一方、比較例1で作製された量子ドットでは、照
射時間とともに量子収率の大きな低下が認められ、2時間照射後の発光
スペクトルの強度も大きく低下しており、実施例に比べて動作安定性が
悪いことがわかる。これらの結果から、リンゴ酸等の多価カルボン酸は、
量子ドットにリガンドとして配位し、青色発光体としての動作安定性を
著しく向上させることがわかる。 

(貯蔵安定性)  
各例で作製された量子ドットを多価カルボン酸トルエン溶液で洗浄して
不純物を除去した後、トルエン中に分散させ、4℃で16日間貯蔵保管
した。当該保管後の量子収率を測定し、保管前に測定された量子収率と
比較することで貯蔵安定性を評価した。図11は、実施例1で作製された
量子ドットの貯蔵安定性を示す図である。実施例1で リンゴ酸を添加
して作製されたMAPbBr3ハロゲン化鉛量子ドットは、約16日保
管後でも安定して95%以上の高い量子収率を保つことが分かる。一方、
比較例1でオレイン酸を用いて作製された量子ドットでは、貯蔵日数と
ともに急激な量子収率の低下が認められ、初期の量子収率が低いばかり
でなく、貯蔵安定性も低いことがわかる。実施例2~5及び比較例1に
ついても、実施例1と同様に評価し、得られた結果を併せ て表1に示
す。 表1において用いた略称については、次のとおりである。   
MLA:リンゴ酸、EDTA:エチレンジアミン四酢酸、TCA:トリ
カルバリル酸、CA:クエン酸、OA:オレイン酸 




表1から、実施例1、実施例2、実施例3及び実施例4のEuは、それ
ぞれ、25.6 meV、22.7meV、22.1meV及び28.
6meVであり、平均粒子径は2n mから3nmの範囲内にあること
がわかる。また、量子収率は、いずれも95%以上と高 くピーク波長
は453nm付近の青色領域にあり、半値幅も16nm程度と小さいこ
とが わかる。これらの結果から、リンゴ酸(MLA)、エチレンジア
ミン四酢酸(EDTA) 、トリカルバリル酸(TCA)、クエン酸(
CA)を添加して作製されたMAPbBr3 ハロゲン化鉛量子ドットは
いずれも青色発光体として優れた特性を示すことがわかる。  
実施例5のCsPbBr3ハロゲン化鉛量子ドットでは、Euは33.3
meVであり 、量子収率は98.0%と高く、ピーク波長は463n
mとやや長波長側にシフトしたが 、半値幅は16.2nmと小さく、
緑色発光体として優れた特性を示している。
いずれの実施例においても、Euは10meV以上35meV以下であ
り、欠陥が少な く電子と正孔の再結合が抑制されて高い量子収率が得
られていることがわかる。  
一方、比較例1のEuは36.2meVであり、オレイン酸を用いた場
合にはペロブスカイト結晶の成長速度が速く、このため欠陥の多い量子
ドットが生成し、量子収率は39 .8%と実施例に比べてかなり低いこ
とがわかる。このような結果となった理由を検討するべく、オレイン酸
を用いた場合とリンゴ酸を用いた場合とで、量子ドット合成過程におけ
るPb/Br比の経時変化を確認したところ、オレイン酸を用いた場合
はPb/Br比 の増加が急峻であったのに対して、リンゴ酸を用いた
場合はPb/Br比の増加が緩やか であることが判明した。このよう
な結果から、実施例で用いられる多価カルボン酸は、結晶成長の初期に
おいてリガンドとしてPb原子に配位するためペロブスカイト結晶の成
が抑制され、このため、欠陥が少なく安定で高い量子収率を有する量子
ドットを得ること ができるものと考えられる。 

(実施例6)
(光電変換素子の作製)  

パターニングされた酸化インジウムスズ(ITO)透明導電膜を備える
ガラス基板( ジオマテック社製)を、洗浄剤を用いて、超音波洗浄し、
続けて超純水を用いた超音波洗 浄、窒素ブローにより乾燥、及びUV
-オゾン処理を行った。次いで、Poly(9,9 ‑d i o c t y l f l u o r e n e ‑a l t ‑N
‑4 ‑s e c - b u t y l p h e n y l ) - diphenylamine) 
(TFB)5mgをクロロベ
ンゼン1mLに溶解させ 、6,000rpmでITO上にスピンコートし120℃
で15分間アニールした。次に、nafion perfluorinated resin(PFI)(
0.05wt
%イソプロパノール溶液)を6,000rpmでスピンコート塗布した後、
120℃で 15分間アニールした。その後、実施例1で得られたペロブスカ
イト量子ドット粉末4mgを1mLのヘプタンに分散させた後,得られ
た溶液をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルター(孔径0.2μ
m)で濾過し、活性層形成用の塗布液を作製した。これを2,000rpmの速度
で基板上にスピンコートし、活性層を作成。さらに、ホットプレート上
で80℃、5分間アニール。続いて、活性層上に、を30nm、Liqを1.6
nm、アルミニウム金属を100nm蒸着した。以上のようにして 光電変換素
子を作製。 

(比較例2)  
実施例6において、実施例1で得られたペロブスカイト量子ドット粉末
に代えて、Qu antum Solutions社製の「QDotA
BX3-450Powder」4m gをヘプタン溶液1mLに分散さ
せて用いた以外は実施例6と同様にして光電変換素子を 作製した。
なお、上記QDotABX3-450Powderは、sp3炭素に結合
した カルボキシル基を有する多価カルボン酸が配位していないもので
あった。 

[LED光電変換素子の評価]  
実施例6及び比較例2で得られた光電変換素子について I-V分光輝度
特性を測定した。測定には、ソースメーター(ケイスレー社製 2400型)
を用い、輝度はコニカミノルタ社製分光放射輝度計 CS-2000により測定。
最大輝度等の測定結果を表 2に示す。なお、印加電圧6V/10Vのと
きの極大発光スペクトルは前述した発光スペ クトルの測定と同様にして
測定した。  
比較例2で用いた量子ドットは、ペロブスカイト構造中に塩素と臭素を
含むものであり、それによって青色発光スペクトルを示すのに対し、実
施例6で用いた量子ドットは、ペ ロブスカイト構造中に臭素を含むが
塩素を含まないものであり、それに所定の配位子を組 み合わせることで
青色発光を与える。この結果、比較例2では、印加電圧の上昇に従い、
発光スペクトルの極大吸収が460nmから510nm、つまり青色発光から緑色
発光 にシフトしてしまう。一方、実施例6では、印加電圧を上げても、
発光スペクトルの極大 値が、455nmのままで青色発光スペクトルを示し
た。最大輝度は、比較例2では、発 光が緑色にシフトした時に96cd
/m 2で最大値となったが、実施例6では、発光が青色のまま98cd/
m 2と良好な輝度を示した。
以上述べたように、一般式APbX3で表されるハロゲン化鉛ペロブスカ
イト量子ドット形成過程において、リンゴ酸、エチレンジアミン四酢酸、
トリカルバリル酸、及びクエン酸の中から選択される少なくとも1種の
カルボン酸を添加することにより、安定で高い 量子収率を有する量子ド
ットが得られ判明した。これらの量子ドットについては、光デバ イスへ
の応用も可能であると評価された
-----------------------------------------------------------------
【関連特許及び技術情報】
特許7083545 表示装置 株式会社JOLED
【要約】
【課題】フローティング効果を得られる表示装置において、フローティ
ング効果を損なうことなく、表示不良の発生を抑制することができる表
示装置を提供する。
【解決手段】表示装置1は、画像を表示する表示部を有する表示パネル
50と、第一主面20a及び第二主面20bを有し、第二主面20b側
に表示パネル50が配置され、表示部に対応する位置に配置される画面
部21を有する板状部材20と、画面部21の周縁に配置される不透明
な額縁部材10と、透光性を有し、表示パネル50と板状部材20とを
接着する接着部材40と、板状部材20の第二主面20b側に配置され
る保持部材90と、額縁部材10と保持部材90とを板状部材20に固
定する固定部材(ネジ70)とを備え、板状部材20はさらに、額縁部
材10の外側に配置される透明な周縁部23を有する。
【選択図】図2

特開2020-161442 ペロブスカイト量子ドット発光デバイスおよびその製
造方法 国立大学法人山形大学 (
【要約】 
【課題】本発明は、長鎖アルキル配位子の少なくとも一部を、長鎖アル
キル配位子よりも炭素数の小さい短鎖アルキル配位子で置換したペロブ
スカイト量子ドットであり、凝集を抑え、分散安定性を向上させ薄膜形
成と同時に架橋して不溶化するペロブスカイト量子ドットを用いた発光
デバイスを提供することを課題とする。
【解決手段】両末端に反応基を有する短鎖架橋性配位子で少なくとも一
部が被覆されたペロブスカイト量子ドットからなる層を含む、ペロブス
カイト量子ドット発光デバイス。 【選択図】なし

特開2023-28490 空中画像表示方法及び波長分散補正方法、並びに、
空中画像表示装置及び波長分散補正装置 国立大学法人東京工業大学
【要約】
【課題】 投影物体である表示装置画面とその像の間の光路が、結像素
子面に対して対称となる結像光路を有する空間像表示装置において、
結像素子の構造による光散乱によるコントラストの低下や、虚像が生
成されるなどの表示性能の低下を防止する。
【解決手段】 空間像表示装置10は、投影物体である表示装置画面
11Aとその像の間の光路が、結像素子面13Aに対して対称となる結
像光路を有する空間像表示装置であって、上記結像素子面13Aの対称
な位置に配置した同等な波長分散を発生する第一の波長分散素子12と
第二の波長分散素子14を備え、上記第一の波長分散素子12と第二の
波長分散素子14を介して空間像15を表示する。 【選択図】 図1

------------------------------------------------------------------------
✔今回は、最新の量子ドット発光及び発電素子新規技術を任意抜粋調査
してみた。

【人口減少時代の地域再生概論 ⑦】



水津 陽子【著】 実業之日本社(2019/04発売)NDC分類 318.8 Cコード
C2076
【内容概説】
自治会・町内会が抱える悩み・課題に対し、実践的なヒントや解決策を
満載!

※時間が足りない!字数も足りない!今夜はここまで。ご免なさい。


第1章 自治会・町内会のお悩み・トラブルQ&A




サステナブルなのにカッコいい! HOKA渾身の新作
via ギズモード・ジャパン

風蕭々と碧い時代


Jhon Lennon

● 今夜の寸評:(いまを一声に託す)未来は善き縁で開かれる。
   Good encounters can lead you to a better future

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人口減少時代の地域再生概論 ⑥

2023年04月29日 | 量子電池

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救った
と伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦
国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと
)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひこにゃん
」。



【寄せ植え×詩歌:四月の実践スタート ③】      

      法面に 静かに着地 黄揚羽       宇

芭蕉の「起きよ起きよ 我が友にせん 寝る胡蝶」や子規の「風吹て 山
吹蝶を はね返し」の間に位置する蝶を久しぶり詠む。否、やっとだ。
と言うのも二年前から、犬上川の河川防水堤の県道高宮八坂線と市道宇
尾線の交差点河口側法面の環境美化に取り組み、いつものように壮大で
小さな造園構想。春の手入れ作業中に、鮮やかな黄揚羽が羽根を広げ、
草々の放つ蜜を摂っているのか静かに朗々と自己の生を慈しみ静止する
様態を打ち込む。さて、今回は、ポップで高低差ある寄せ植えを考える。
丈の高い花として、黄色・オレンジ色のひまわり2種類(コンサートベ
ル:1.5~1.8メートル、サンリッチ:1.0メートル)を種植えからはじ
め、白い花として、ニチニチソウ、ガウラ(ハクチョウソウ)、ハイビ
スカス、ルリマツリ、アナベル、カサブランカなどら選ぶ(ハイビスカ
スは赤色可)。黄色の花として、フェンネルを組み合わせる準備する。





     


【再エネ革命渦論 118: アフターコロナ時代 317】
● 技術的特異点でエンドレス・サーフィング
”再エネ・リサイクル・ゼロカーボン最先進国”宣言!

2030年度非破壊検査世界市場,5兆5,025億円
今月24日矢野経済研究所は、非破壊検査市場を調査し,装置・機器の世
及び日本市場,及び受託業務の世界及び日本市場の動向,参入企業動向,
将来展望を調査結果を公表。

非破壊検査世界市場規模(装置・機器及び受託業務)推移と予測

出所:矢野経済研究所
【展望】
2030年度には国内の装置・機器市場が1,423億円で、受託業務市場が1,351
億円となり、合計した非破壊検査日本市場は2,774億円になると予測。
装置・機器市場では、サプライチェーンの混乱や半導体不足などによる
納期遅延や、部品の供給遅延・不足の事例が多く確認されている。非破
壊検査装置・機器メーカー各社においては、先行した受注の促進や代替
部品の調達などできる限りの対応をしており、市場は今後も拡大傾向で
推移する見通しである。一方、受託業務市場は、各産業分野において安
定した需要が存在しており、順調に推移する見通し。非破壊検査業務は
日々法令等に則して実施される業務が多く、簡単には代できない側面が
強い状況となっているためである。
※ 詳細は上図クリック願参照。



図.西部北太平洋上の大気から採取された粒子(エアロゾル)の電子顕
微鏡写真の例 硫酸塩粒子(緑矢印)に付着している黒色炭素(すす)
粒子(赤矢印)出所:東京大学

大気中の黒色炭素(すす)の光学的物性を解明
燃焼に伴い発生する黒色炭素は,大気中のエアロゾル質量のうち数%以
下に過ぎないものの,大気や雪氷面において太陽放射を効率的に吸収す
ることで,大気のエネルギー収支と降水量に影響を及ぼす。現在の大気
では,産業革命前に対し、全球平均で二酸化炭素・メタンに次いで3番
目に大きな正の有効放射強制力を持つ。今月26日、東京大学らの研究グ
ループは、太陽放射の吸収を通じた気候強制因子である黒色炭素(注1)
ついて、大気放射計算に必要な光学的物性を初めて定量的に評価。燃焼
に伴い発生する黒色炭素は、大気中のエアロゾル質量のうち数%以下の
過ぎないものの、大気や雪氷面において太陽放射を効率的に吸収するこ
とで、大気のエネルギー収支と降水量に影響を及ぼす。
【要点】
1.主要な気候強制因子の一つである黒色炭素の光学的物性値の現実的
 な範囲を解明。
2.微粒子の散乱波の位相・振幅の測定に基づく新しい観測手法により
 これを実現。
3.本成果により、リモートセンシングや気候モデリングで用いられる
 黒色炭素の複素屈折率の仮定値がより確かなものに更新され、気候の
 分析・予測の精度向上につながると期待する。

【成果及び展望】
現在の大気では、産業革命前に対して全球平均で二酸化炭素・メタンに次
いで3番目に大きな正の有効放射強制力を持つとされている。 本研究で
は大気中の黒色炭素について、太陽放射の散乱・吸収の効率を決めてい
る基礎物性値である複素屈折率mrの実部mrと虚部miの範囲を解明。実部
は物質内での光の速度を決め、虚部は物質内での光の吸収を決める物性
値である。大気から捕集して水に分散させたエアロゾル粒子に複素散乱
振幅センシング法を適用することで、系統誤差要因を排除した複素屈折
率の評価を初めて実現。
従来の推奨値を用いている現行の気候モデル群は黒色炭素による太陽放射
の吸収量を16%程度過小評価していることを示唆。新たな推奨値を用いる
ことで、気候モデリングにおける大気中や雪氷中のエネルギー収支の計算
や、リモートセンシングにおけるエアロゾル組成別濃度の導出の際の一つ
の系統誤差が修正。そのため、本研究の成果は、気候変化の要因分析・予
測や全球スケールでのエアロゾル観測の精度向上に貢献する。本研究で開
発した粒子の複素屈折率物質にも適用できるため、大気・海洋・アイスコ
ア中の未知粒子の光学的同定、粉体材料の光学特性評価など、粒子計測全
般への応用が期待される。

注)複素屈折率mr + imi 物質中の電磁波の伝搬・吸収を支配する基礎物
性。実部mrは位相速度を決め、虚部miは吸収に伴う減衰率を決める。非磁
性体では複素屈折率は複素誘電率の平方根に等しい。凝縮体の場合、構成
元素・分子だけでなく結晶構造などにも依存する。通常、反射率や透過率
の測定値に幾何光学の理論式をフィットすることで決定される。反射率や
透過率が定義できない波長スケールの粒子状物質については、電磁波散乱
の厳密解を何らかの観測量(散乱や吸収など)の測定値とフィットするこ
とで決定される。
【関連論文】
原 題:Constraining the complex refractive index of black carbon particles using
     the complex forward-scattering amplitude
掲載誌: Aerosol Science and Technology
D O I :  10.1080/02786826.2023.2202243

マルチメディア革命ビジネス渦論 ②:


出所:pv magazine

韓国の新興企業業 ポータブル組み合わせなソーラー充電器販売
パネルを小さなソーラー アレイ構成に組み合わせて、発電量を増やし、充電時
間を短縮することができる。 それらは取り外し可能で、簡単に移動できるように
積み重ねることもできる。 このパネルは、DC/DC コンバーター モジュールと
USB-A および C ポートを含むコントローラーで使用できる。ユーザーは、
バッテリー、ワイヤレス充電、Bluetooth、または充電ステータス表示など
のさまざまな機能を備えた他のコントローラーを購入できる。屋外環境で
は、ソーラーパネルをブリキの梱包箱に平らに組み立てることができまる
メーカーによると、スマートフォンを完全に充電するには、4つのソーラ
ー モジュールで約5時間の充電時間が必要だが、スマートフォンを完全
に充電するには、約 2.5時間で9つのパネルが必要。モジュールのサイズ
は 88 mm x 88 mm x 5 mm、重量は50gで、米国のメーカー Maxeon が提供
するインターデジタル バック コンタクト (IBC) 太陽電池で構築。各パ
ネルの出力は 1.2W、開回路電圧は最大 6.2V、短絡電流は最大 0.2A。コ
ントローラのサイズは 88 mm x 24 mm x 14 mmで、重量は30である。ブリ
キの梱包箱の寸法は 200 mm x100 mm x 25mm、重さは 150グラム。
-----------------------------------------------------------------
特集 最新量子ドット工学論
自治会運動に係わっていたため最新の量子ドット工学論への考察が滞っ
ていたために特集。個人的なことになるが、自治会長就任当たっての挨
拶にも、色素増感太陽電池と有機ELの開発への概歴を述べている。
尚、自治体運動経験から触発された課題もこのブログに掲載を続けてい
ることは読者諸氏もご存知のことではある。
-----------------------------------------------------------------
太陽電池(PV);液晶パネル(LCD);有機ELパネル(OLED)
;電磁波、X線、紫外線、可視光線、赤外線などを感知する受信センサー
パネル;などの電子デバイスの薄型化、軽量化が進行しているが、同時に
電子デバイスに用いるポリイミド基板などの基板の薄板化も進行してい
る。
薄板化により基板の強度が不足すると、基板のハンドリング性が低下し、
基板上に電子デバイス用部材を形成する工程などにおいて問題が生じる
場合がある。そこで、最近では、基板のハンドリング性を良好にするた
め、支持基板上にポリイミド基板を配置した積層体を用いる技術が提案さ
れている。具体的には、協立化学産業株式会社の特開2018-193544のごとく、
熱硬化性樹脂組成物硬化体層上にポリイミドワニスを塗布して、樹脂ワニ
ス硬化フィルム(ポリイミド層に該当)を形成して、樹脂ワニス硬化フ
ィルム上に精密素子を配置できることが開示されている。しかしながら、
熱硬化性樹脂組成物硬化体層である密着層上にポリイミド層を配置し、
さらにポリイミド層上に無機層を配置して得られる積層体は、加熱処理
(特に、380℃程度の温度での加熱処理)を施すと、ポリイミド層に
おいて発泡およびクラックの発生が確認される場合がある。このような
発泡またはクラックの発生があると、電子デバイスを製造する工程にお
いて工程汚染を引き起こし、電子デバイスの性能劣化を引き起こす懸念
がある。これに対し、図2のごとく、支持基板12と、支持基板上の少
なくとも一部の領域に配置された積層部14Aと、を有する積層体10
Aであって積層部14Aが、支持基板12側から、密着層16と、ポリ
イミド層18と、無機層20とをこの順に有し、積層体表面の法線方向
から前記積層体を観察した
際に、ポリイミド層18の外縁が密着層16の外縁よりも外側に位置し、
かつ、無機層20の外縁が密着層16の外縁と一致する、または、無機
層20の外縁が密着層16の外縁よりも内側に位置する、または、無機
層20の外縁の一部が密着層16の外縁の一部と一致し、無機層20の
外縁の残部が密着層16の外縁よりも内側に位置する積層体では、加熱
処理が施された際にポリイミド層において発泡およびクラックの発生が
抑制される。

図2.本発明の積層体の第1実施形態を模式的に示す断面図

【符号の説明】
10A,10B,10C,10D 積層体 12 支持基板 14 積層部 1
6 密着層 18 ポリイミド層 20 無機層 22 電子デバイス用部材
24 電子デバイス用部材付き積層体 26 電子デバイス

❏ 特開2023-60330 発光装置 株式会社半導体エネルギー研究所
【要約】
図1のごとく、第1の画素乃至第3の画素を有し第1の画素は、第1の
発光素子と、第1 の光学素子とを有し、第2の画素は第2の発光素子と、

第2の光学素子とを有し、第3 の画素は、第3の発光素子を有し、第1
の発光素子乃至第3の発光素子において、第1の発光層または第2の発
光層を共通して用いる。また、第1の発光層は540nm以上580n
m以
下の範囲にスペクトルピークを有する第1の発光材料を有し、第2
の発光層は、420nm以上480nm以下の範囲にスペクトルピーク
を有する第2の発光材料を有する。新規な発光装置を提供する。または
生産性が高く、消費電力が低減された新規な 発光装置を提供する。



図1
【符号の説明】
100 発光装置 100A 発光装置 100B 発光装置 101B 画素
101G 画素 101R 画素 101Y 画素 102 基板 104 電極
106 透明導電膜 106B 透明導電膜 106G 透明導電膜 106R
透明導電膜 106Y 透明導電膜 108 隔壁 110 発光層 112 発
光層 114 電極 120B 発光素子 120G 発光素子 120R 発光
素子 120Y 発光素子 121B 発光素子 121G 発光素子 121R
発光素子 121Y 発光素子 122B 発光素子 122G 発光素子
122R 発光素子 122Y 発光素子 123B 発光素子 123G 発
光素子 123R 発光素子 123Y 発光素子 124B 発光素子 12
4G 発光素子 124R 発光素子 124Y 発光素子 125B 発光素子
125G 発光素子 125R 発光素子 125Y 発光素子 131 正孔
注入層 132 正孔輸送層 133 電子輸送層 134 電子注入層 140
発光装置 140A 発光装置 140B 発光装置 152 基板 154 遮
光層 156B 光学素子 156G 光学素子 156R 光学素子 156Y
光学素子

【概要】
薄型軽量、高速応答性、直流低電圧駆動などの特徴を有する有機化合物を
発光層として 用いた発光素子は、次世代のフラットパネルディスプレイ
の応用が期待されている。特に、発光素子(例えば、有機EL素子)を
マトリクス状に配置した発光装置は、従来の液 晶表示装置と比較して、
視野角が広く視認性が優れる点に優位性があると考えられている 。有機
EL素子は電極間に発光層を挟んで電圧を印加することにより、電極から
注入された電子およびホールが再結合して有機化合物である発光物質が励
起状態となり、その励起状態が基底状態に戻る際に発光する。発光物質が
発する光のスペクトルはその発光物質特有のものであり、異なる種類の有
機化合物を発光物質として用いることによって、様々な色の発光を呈する
発光素子を得ることができる。 0005
画像を表示することを念頭においた発光装置の場合、フルカラーの映像を再現
するため には、少なくとも赤、緑、青の3色の光を得ることが必要になる。さらに、
色の再現性を良好なものとし画質を高めるために、マイクロキャビティ構造、ま
たはカラーフィルタを用いることで発光の色純度を高める工夫もなされる。また
、フルカラー化の手法の一つとして、例えば発光層を画素ごとに塗り分ける手法
がある。該発光層は、シャドウマスクを用いて必要な画素のみに蒸着される。こ
の場合、工程を減らしてコストを削減するために、発光層以外の層、例えば、正
孔輸送層、電子輸 送層、及び陰極を複数の画素で共通に形成する構成が開
示されている(例えば、特許文献 1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】 0008
特許文献1に記載された構成の場合、画素ごとに発光層を塗り分ける必要があ
り、シャドウマスクの開口部を所望の位置に配置(アライメントともいう)する精度
が高く要求される。発光装置の高精細化が進んだ場合に、さらに高いアライメン
ト精度が要求されるため、発光装置の作製における歩留まりが低下するといっ
た課題がある。また、白色の発光を呈する発光素子と、この発光素子に重ねて
設けられたカラーフィルタまたは色変換層を用いてフルカラー化する場合、カラ
ーフィルタまたは色変換層によるエネルギー損失がある。該エネルギー損失を
補うために、発光素子の電流密度を高めて駆動させると消費電力が高くなる、
または発光素子の信頼性が低下してしまう。上述した課題に鑑み、本発明の一
態様では、新規な発光装置を提供することを課題の一つとする。または生産性
が高く、消費電力が低減された新規な発光装置を提供することを課題の一つと
する。または新規な発光装置の作製方法を提供することを課題の一つとする
。 なお、上記の課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、
本発明の一態様は、
必ずしも、これらの課題の全てを解決する必要はない。
上記以外の課題は、明細 書等の記載から自ずと明らかになるものであり、
明細書等の記載から上記以外の課題を抽 出することが可能である。

特開2022-50363 量子ドット、量子ドットの製造方法、及び量子ドット
使用 国立大学法人 東京大学
【概要】
現在、ディスプレイ市場のメガトレンドは、既存の高効率の高解像度志
向のディスプレイから、さらに高い色純度の天然色の実現を志向する感
性画質ディスプレイに動いている。このことから、有機発光体ベースの
発光ダイオード(LED)素子が飛躍的な発展を遂げ、色純度が改善さ
れた無機量子ドットLEDが他の選択肢として活発に研究開発されてい
る。しかし、既存の有機発光体は、効率の良さに長所があるものの、高
価であり、さらにスペクトルが広いため色純度が十分とはいえない。ま
た、CdSe系やInP系の無機量子ドットの発光体は色純度が良いと
されてきたが、量子サイズ効果による発光であることから、青色側に行
くほど量子ドットのサイズを均一になるよう制御するのが難しく、不安
定で色純度が落ちていく問題が残されている。 ところで、量子ドットと
しては、ハロゲン化鉛ペロブスカイト材料が脚光を浴びている。その理
由としては、製造費用が低廉であり、製造及び素子製造工程が簡単であ
り、光学的、電気的性質を調節しやすい有機素材の長所と高い電荷移動
度及び機械的、熱的安定性を有する無機素材の長所を全て備えることが
挙げられる。そのような量子ドットの検討例としては、ホットインジェ
クション法による高ルミネセンスのCsPbX3量子ドットの合成などが
報告されている(例えば、L、 Protesescu, S. Yakunin, MI. Bodnarchuk, F. Krieg,
"Nanocrystals of Cesium Lead Halide Perovskites (CsPbX3、 X = Cl、 Br、 and I
): Novel Opto electronic Materials Showing Bright Emission with Wide Color
Gamut", Nano Lett., 2015, 15 (6), pp 3692-3696
.参照)。しかしながら、合成
されたハロゲン化鉛ペロブスカイトの量子ドットは空気中で不安定であり
、量子収率が経時的に低下する傾向にある。このような観点から、ペロ
ブスカイト表面に硫黄を含むキャッピングリガンドを用いた不働態化量
子ドットや(例えば、特表2018-536054参照)、表面がトリ-n-オクチ
ルホスフィンのリガンドで安定化された量子ドット(例えば、特開2019-
16772参照)等が報告されている。
【要約】
下記式(1)で表されるハロゲン化鉛ペロブスカイト構造を有する化合
物と、 前記化合物に配位した多価カルボン酸と、 を含み、 前記多価カ
ルボン酸が、sp3炭素に結合したカルボキシル基を有する、量子ドット。
APbX3 (1) (前記式(1)中、AはCsカチオン又はメチルアン
モニウムカチオンを表し、Xは塩素アニオン、臭素アニオン及びヨウ素
アニオンからなる群より選択される少なくとも1種を表す。)で、動作
安定性、量子収率及び貯蔵安定性に優れる量子ドット、その製造方法、
及びその使用方法を提供する。  

すなわち、本発明は以下の態様を包含する。
[1]  下記式(1)で表されるハロゲン化鉛ペロブスカイト構造を
有する化合物と、前記化合物に配位した多価カルボン酸とを含み前記多
価カルボン酸が sp 3炭素に結合したカルボキシル基を有する、量子ド
ット。   
APbX 3  (1) (前記式(1)中、AはCsカチオン又はメチル
アンモニウムカチオンを表し、Xは塩素 アニオン、臭素アニオン及びヨ
ウ素アニオンからなる群より選択される少なくとも1種を 表す。)
[2] 前記多価カルボン酸が、水酸基、メルカプト基及び窒素原子から
なる群より選択される 少なくとも一種を更に含む、[1]に記載の量子
ドット。
[3]  前記多価カルボン酸中に含まれるカルボキシル基の少なくとも1
つが、Pb原子に配位 している、[1]又は[2]に記載の量子ドット。
[4]  アーバックエネルギーが、10meV以上35meV以下であ
る、[1]~[3]のい ずれかに記載の量子ドット。
[5]  前記多価カルボン酸が、チオリンゴ酸、リンゴ酸、エチレンジ
アミン四酢酸、トリカル バリル酸及びクエン酸からなる群より選択され
る少なくとも一種を含む、[1]~[4] のいずれかに記載の量子ドッ
ト。
[6]  透過電子顕微鏡観察により測定される平均粒子径が、2nm以
上4nm以下である、[ 1]~[5]のいずれかに記載の量子ドット。
[7]  発光スペクトルの波長ピークが、440nm以上480nm以
下の範囲に極大を示す、 [1]~[6]のいずれかに記載の量子ドット。
[8]  下記式(1)で表されるハロゲン化鉛ペロブスカイト構造を有
する化合物を含む量子 ットの製造方法であって、 C s 又 は メ チ
ル ア ン モ ニ ウ ム と 、 P b と 、 C l 、 B r 及 び Iか
ら な る 群 よ り 選 択 さ れ る 少なくとも1種と、多価カルボン酸
とを含む溶液を調製する工程を含み、  前記多価カルボン酸が、sp
3炭素に結合したカルボキシル基を有する、量子ドットの 製造方法。  
 APbX 3  (1) (前記式(1)中、AはCsカチオン又はメチ
ルアンモニウムカチオンを表し、Xは塩素 アニオン、臭素アニオン及び
ヨウ素アニオンからなる群より選択される少なくとも1種を 表す。)
[9]  前記多価カルボン酸が、チオリンゴ酸、リンゴ酸、エチレンジ
アミン四酢酸、トリカル バリル酸及びクエン酸からなる群より選択され
る少なくとも一種を含む、[8]に記載の 量子ドットの製造方法。
[10]  前記多価カルボン酸の添加量が、Pb量に対して1等量以上
3等量以下である、[8] 又は[9]に記載の量子ドットの製造方法。
[11]  [1]~[7]のいずれかに記載の量子ドットの光デバイス
としての使用。
【発明の効果】
本発明によれば、動作安定性、量子収率及び貯蔵安定性に優れる量子ド
ット、その製造方法、及びその使用方法を提供することができる。 
【実施するための形態】
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。
)について、詳細に説明する。以下の本実施形態は本発明を説明するため
の例示であり、本発明を以下 の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、
その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
[量子ドット]  
本実施形態の量子ドットは、下記式(1)で表されるハロゲン化鉛ペロ
ブスカイト構造 を有する化合物と、前記化合物に配位した多価カルボン
酸と、を含み、前記多価カルボン酸が、sp 3炭素に結合したカルボキ
シル基を有する。
  APbX 3  (1)
(前記式(1)中、AはCsカチオン又はメチルアンモニウムカチオン
を表し、Xは塩素 アニオン、臭素アニオン及びヨウ素アニオンからなる
群より選択される少なくとも1種を 表す。)  
本実施形態の量子ドットは、このように構成されているため、動作安定
性、量子収率及び貯蔵安定性に優れる
(化合物) 本実施形態における化合物は、前述のとおり、上記式(1)
で表されるハロゲン化鉛ペロブスカイト構造を有する。本実施形態にお
いては、動作安定性、量子収率及び貯蔵安定性の観点から、上記式(1)
中、Aがアチルアンモニウムカチオンであることが好ましい 。同様の観
点から、Xは塩素アニオン及び臭素アニオンの少なくとも一方であるこ
とが好ましく、臭素アニオンであることがより好ましい。 
(多価カルボン酸)  
本実施形態における多価カルボン酸は、本実施形態における化合物のリ
ガンドとして、当該化合物に配位した状態で存在する。多価カルボン酸
としては、二価以上のカルボン酸であって、sp 3炭素に結合したカル
ボキシル基を少なくとも1つ有するものであれば特に限定されない。本
実施形態における多価カルボン酸の具体例としては、以下に限定されな
いが、リンゴ酸、エチレンジアミン四酢酸、トリカルバリル酸、クエン
酸、チオリンゴ酸、コハク酸等を挙げることができる。


備考:表1において用いた略称については、次のとおりである。   
MLA:リンゴ酸   
EDTA:エチレンジアミン四酢酸   
TCA:トリカルバリル酸   
CA:クエン酸   
OA:オレイン

表1から、実施例1、実施例2、実施例3及び実施例4のEuは、それ
ぞれ、25.6 meV、22.7meV、22.1meV及び28.6
meVであり、平均粒子径は2n mから3nmの範囲内にあることがわ
かる。また、量子収率は、いずれも95%以上と高 くピーク波長は453
nm付近の青色領域にあり、半値幅も16nm程度と小さいことが わか
る。これらの結果から、リンゴ酸(MLA)、エチレンジアミン四酢酸
(EDTA) 、トリカルバリル酸(TCA)、クエン酸(CA)を添加
して作製されたMAPbBr 3 ハロゲン化鉛量子ドットは、いずれも青
色発光体として優れた特性を示すことがわかる。実施例5のCsPbB
r 3ハロゲン化鉛量子ドットでは、Euは33.3meVであり 、量子
収率は98.0%と高く、ピーク波長は463nmとやや長波長側にシ
フトしたが 、半値幅は16.2nmと小さく、緑色発光体として優れた
特性を示している。  いずれの実施例においても、Euは10meV以
上35meV以下であり、欠陥が少な く電子と正孔の再結合が抑制され
て高い量子収率が得られていることがわかる。  一方、比較例1のEu
は36.2meVであり、オレイン酸を用いた場合にはペロブス カイト
結晶の成長速度が速く、このため欠陥の多い量子ドットが生成し、量子
収率は39 .8%と実施例に比べてかなり低いことがわかる。このよう
な結果となった理由を検討す るべく、オレイン酸を用いた場合とリンゴ
酸を用いた場合とで、量子ドット合成過程にお けるPb/Br比の経時
変化を確認したところ、オレイン酸を用いた場合はPb/Br比 の増加
が急峻であったのに対して、リンゴ酸を用いた場合はPb/Br比の増
加が緩やか であることが判明した。このような結果から、実施例で用い
られる多価カルボン酸は、結 晶成長の初期においてリガンドとしてPb
原子に配位するためペロブスカイト結晶の成長 が抑制され、このため、
欠陥が少なく安定で高い量子収率を有する量子ドットを得ること ができ
るものと考えられる。 
本実施形態における多価カルボン酸が量子ドットの性能を向上させる理
由について、本発明者らは次のように推察している。例えば、従来の量
子ドット合成にオレイン酸などのカルボン酸を用いる場合、量子ドット
の構造が急速に形成されるのに対し、本実施形態に おける多価カルボン
酸は、量子ドットの構造が徐々に形成されていくと考えられる。より具
体的には、本実施形態における多価カルボン酸は、Pbへの結合性が強
いことから、量 子ドットの合成初期段階(結晶成長の初期)におけるハ
ロゲンのPbへの接近を競争的に 阻害し、その後、反応系内に存在する
ハロゲンが、多価カルボン酸と置換していく形でP bとペロブスカイト
構造を徐々に形成していくと考えられる。その結果、本実施形態の量子
ドットは、前述した従来の量子ドットと比べて欠陥が少なく、均一な結
晶構造を有すると考えられる。なお、動作安定性、量子収率及び貯蔵安
定性に優れる量子ドットの生成プロセスにおいて、多価カルボン酸の果
たす役割は、まず第一に当該多価カルボン酸分子の周りに多数の Pb原
子を引き寄せ、第二にそこで生じる多価カルボン酸とPb(Ⅱ)イオン
の集合体 から鉛ペロブスカイト量子ドットの骨格を形成せしめるために、
複数のPb原子相互の間に最適の配位状態を整えることにある。後者の
制御を成し遂げるためには、多価カルボン酸の骨格にある程度の柔軟性
が必要と考えられ、したがって、sp 2炭素に結合したカル ボキシル基
ではなくsp 3炭素に結合したカルボキシル基が必要になると考えられる。  
ただし、本実施形態の作用機序は上記に限定されない。本実施形態にお
いて、多価カルボン酸の炭素原子数は特に限定されないが、4以上30
以下であることが好ましく、4以上24以下であることがより好ましい
また、多価カルボン酸の酸素原子数も特に限定されないが、4以上20
以下とすることが好ましく、5以上20以下であることが好ましい。本
実施形態において、動作安定性、量子収率及び貯蔵安定性の観点から、
多価カルボン酸は、水酸基、メルカプト基及び窒素原子からなる群より
選択される少なくとも一種を更に含むことが好ましい。ここでいう窒素
原子は、第1級窒素原子~第3級窒素原子のいずれであってもよく、第
3級窒素原子であることが好ましい。上記と同様の観点から、本実施形
態における多価カルボン酸は、チオリンゴ酸、リンゴ 酸、エチレンジア
ミン四酢酸、トリカルバリル酸、クエン酸からなる群より選択される少
なくとも1種であることがとりわけ好ましい。本実施形態の量子ドット
において多価カルボン酸中に含まれるカルボキシル基の少な くとも1つ
が、Pb原子に配位していることが好ましい。 本実施形態の量子ドット
において、多価カルボン酸の存在は、例えば、FT-IRスペクトルや
エネルギー分散型X線分光法(EDX)等により確認することができる。
仮に、FT-IRスペクトルやEDXにて多価カルボン酸の存在を確認
することが難しい場合であっても、(i)上記式(1)で表されるペロ
ブカイト構造が確認でき、かつ 、(Ⅱ)アーバックエネルギー(Eu)
が所定範囲にあることを確認できれば、本実施 形態の量子ドットに該当
するものと扱うことができる。上記(i)については、例えば、X線回
折により確認することができる。上記(Ⅱ)については以下で詳述する。

(アーバックエネルギー)  
一般に、半導体の吸収係数曲線におけるバンドエッジの近くには アーバ
ックテイル(Urbach Tail)と呼ばれる指数部が現れる。この指数関数的な
Tailは材料がバンドギャップに広がる局所的な状態を持っていることに起
因して生じるものである。低光子エネルギー範囲では,吸収係数( α )
と光子エネルギー(hν)のスペクトル依存性はアーバック則として知ら
れており、次の式で与えられる。ここで、α0は吸収係数(定数)である。
 α=α 0exp(hν/ E U)    [1]  
したがって、アーバックエネルギー(EU),射光子エネルギー(hν)に
対する ln( α )のプロットの直線の傾きから取得できる( International
Journal of Optics and Applications 2014, 4(3): 76‑83
)。アーバックエネルギ
ー(Eu)は 半導体多結晶やアモルファスシリコンなどで、通常 観測
される物理量であって転位、点欠陥、結晶粒界、不対電子(ダングリン
グボンド)などの格子欠陥や、不純物による格子歪などに起因する。本
実施形態の量子ドットにおい ては、アーバックエネルギー(Eu)が
10meV以上35meV以下である場合、格子欠陥などが少ないこと
が示唆され、安定で高い発光効率の量子ドットとなる傾向にある。同様
の観点から、上記Euは、15meV以上30meV以下であることが好ま
しい。上記Euは、後述する実施例に記載の方法により測定することが
できる。また、上記Euは、量子ドットの種類や調製法によって変化し、
同じ物質であっても格子欠陥や不純物 による格子歪が多数ある場合には
Euの値は大きくなり、欠陥等が少ない場合にはEuの値は減少する。
例えば、適切なリガンドを添加して量子ドット表面の欠陥等を制御する
ことにより、Euを上記範囲に調整することができる。
  アルバック則 wikipedia
 基礎から学ぶ光物性 東京農工大学 佐藤勝昭
                          この項つづく   

【人口減少時代の地域再生概論 ⑤】



水津 陽子【著】 実業之日本社(2019/04発売)NDC分類 318.8 Cコード
C2076
【内容概説】
自治会・町内会が抱える悩み・課題に対し、実践的
なヒントや解決策を
満載!


第1章 自治会・町内会のお悩み・トラブルQ&A
(3)役員の飲食や資金流用など、 お金にまつわるトラブル
( ➲前回からのつづき)一部の人しか参加しない懇親会の費用について
も同様ですが、一部の人しか参加しない理由が何かにもよるし、これに
ついては第2章「自治会・町内会のお悩み・課題解決」で客観的な事業
評価の仕組みを紹介していますので、参考にしてみてください。会員み
んなの財産がどのように使われるのか、ルールはもちろん、透明性のあ
る会計や情報公開、説明責任も求められるところです。

(4)会費に含まれる神社費用のトラブル
Q.自治会・町内会の会費の中に神社の維持管理費や氏子費が含まれてい
ます。以前住んでいたところでは会費は月額200円でしたが、転居して
きたところでは会費は年間2万円を超えます。こうした費用は負担しない
といけないのでしょうか。
A.自治会・町内会の会費の額は、地域や団体の規模などによっても異な
ります。東京などの大都市部では月額1000円を超えるところはごく僅
かですが、地方都市には年間10万円を超える会費を取るところもあります。
そこにはいろいろな名目の費用が含まれていますが、神社やお祭りの費用
を含むところもあります。 宗教の自由もあり神社関係費は一般の自治会町
内会費と分離し、別途徴収することが求められます。一方でこうした理由
でその費用の支払いを拒否した人が、その後、会の構成員から外されるな
どの不利益をこうむることもあります。時に訴訟となる事案です。高額な
会費の場合、経済的に会費の負担が厳しい方もおられます。神社の祭は地
域にとって大切な伝統文化で、その地に生まれてずっと住んでいる方にと
って負担は当 たり前に感じます。新たに地域に加わる方にはそれぞれに
信じる宗教がある場合や土 着の方とは異なる価値観や事情を抱える方も
いるのです。神社費用の負担を一方的に押し付けることは法律上もでき
ません
。地域の氏神様で もある神社の祭、地域ならではの文化や歴史へ
の理解を得て、できる協力を求めてい く。互いに歩みより共生によって、
地域の祭や神社が維持できる道を探してみてください。

(5)赤い羽根や歳末助け合い、募金の徴収トラブル
Q.赤い羽根や歳末助け合いの募金が会費の中から支払われています。
友人に聞くと毎回、募金のお願いが回ってきて、半強制的に募金させら
れていると聞きました。なぜ、自治会・町内会でしなくてはいけないの
でしょうか。拒否したり、返還してもらうことはできるのでしょうか。

A.募金の徴収については様々なご意見があり、各団体でも苦慮している
ところです。
課題の一つは徴収の手間です。募金は班長などが会員の家を回って集め
ことが多く、負担に感じる方が少なくありません。この手間を減らそ
うと
個々に徴収するのではなく、会で一括していくらと決めて募金して
いると
ころがあります。
こうした方法は概ね、総会の議決等をもって決めたはずですが、年月が
経ってそれを知らず新たに加入した人の中にはこうした疑問を持つ方が
います。各戸に徴収に来る場合、募金したくないのにしなくてはならな
いと不満を訴える方もいます。嫌なら断わればいいのにと思いますが、
なかなかそうもいきません。こうしてその場でぶつけられない不満がネ
ットの掲示板に溢れ、自治会・町内会への批判が一層募る結果となって
います。
自治会・町内会の中にはこうした募金を全面的に廃止した団体もありま
す。どうしていくかは会毎の判断、住民の総意で決して頂くしかありま
せん。ネットで自治会・町内会で募金する必要はないという批判から、
会員数500名の団体で5000円を払った分の返還を求める書き込み
を見ましたが、その場合の会員への返道順は10円。これで誰かの肋け
になればとも思いますが、今はそういう考え方の方もおられる時代なの
だと理解せねばなりません。
徴収にこだわらず、祭やイベントで募金のコーナーを設けるなどして、
員が自由意思で募金ができるようにしたり、バザーや資源回収で得た
収入
の一部を充てるなどものやり方も一つの選択肢でしょう。
                           この項つづく


風蕭々と碧い時代


Jhon Lennon

J-POPの系譜を探る:1987
年代】



曲名:悲しい気持ち (JUST A MAN IN LOVE) 1987年
唄 : 桑田 佳祐 作詞・作曲:桑田佳祐  ジャンル:ロック

「悲しい気持ち (JUST A MAN IN LOVE)」は、桑田佳祐の楽曲。自身のデビ
ューシングルとして、タイシタレーベルから7インチレコードで1987年10月
6日に発売。歌詞は失恋した男性の気持ちを題材としているが、曲調は軽快
な、文化性や芸術性もあるが、基本的には商業音楽であり、流行音楽であ
る。ゴスペル由来のコード進行、ベースを強調したリズム、コールアンド
レスポンスの使用などの特徴のソウル・ミュ-ジックなポップでモータウ
ン・サウンドな仕上げと評される。

● 今夜の寸評:(いまを一声に託す)未来は善き縁で開かれる。
   Good encounters can lead you to a better future

観無量寿経(観経)とは、「いづれの行もおよびがたき」罪悪の凡夫でも、
南無阿弥陀仏のお念仏を称えることによって救われ、極楽に往生できる
ことを説く経典。その経典の序分には、「王舎城の悲劇」と称される、
親子の間で繰り広げられた悲劇の物語が説かれている。この経典のサン
スクリット原典は伝えられておらず、良耶沙きょうりょうやしゃ(西暦424-453年)という西
域の人による漢訳『仏説観無量寿経』のみが現存している。

[定善の観法] そこで仏(釈尊)はまず、精神を統一し、心を西方に専念
して阿弥陀仏とその極楽浄土を観想する方法(定善じょうぜんの観法)を
説き始められる。まずは太陽が西の空に沈みゆく映像を頭の中に焼き付
くようになるまで観想する「日想観」にはじまり、ないし極楽世界のあ
りさまや阿弥陀仏の姿やその徳などを観想し、あるいは自分が極楽浄土
に往生しているありさまを観想するといった、十三の観想の段階を説か
れる。
[散善の行] つぎに仏は、ひとしく極楽浄土に往生する者といっても、
そこには九種の分類(九品くぼん)があることを説き始められる。九種の
分類とは、極楽に往生しようとする者を、その資質や能力から上品・中
品・下品の三つに分類し、さらにそれぞれの品を上・中・下の三種に分
類するものである。すなわち上品の者には上品上生じょうぼんじょうし
ょう・上品中生・上品下生の三者があり、それぞれに資質や能力の上下
はあれども、いづれも大乗の教えにしたがい、深く因果を信じて極楽往
生を願う人々で、第十四の観想という・・・このように仏が説かれたと
き、韋提希とその侍女たちは極楽世界のすがたや、阿弥陀仏および観音
菩薩・勢至菩薩を見て、歓喜の心が起こり、からりと迷いがはれて大悟
し(廓然大悟)、さとりを得ようとする心(菩提心)を起こして、極楽往生
を願った(というのが「本論」で、仏(釈尊)は、弟子の阿難あなんから
この経の「かなめは何か」との問いに対し、念仏すべきことを強調して
「念仏をする人は、人々の中の分陀利華ふんだりけ(プンダリーカ、白
蓮華、汚泥の中から咲く白蓮華の花のような希有な尊き人)である(

念仏者、当知此人、是人中分陀利華)」と説き、最後に「あなたはよく
この語をたもちなさい。この語をたもてとは、すなわち無量寿仏のみ
名をたもちなさいということである、つまり念仏せよ、と言って、説法
を終えたという。
              via 無尽灯--浄土真宗本願寺派善徳寺

コメント
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人口減少時代の地域再生概論①

2023年04月17日 | 量子電池

 

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時
代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひこにゃん」。



     咲き満ちてこぼるる花もなかりけり  高濱 虚子


高濱 虛子、1874年2月22日- 1959年4月8日は、明治・大正・昭和の日本の
俳人・小説家。本名は高浜 清。『ホトトギス』の理念となる「客観写生」
「花鳥諷詠」を提唱したことでも知られる。

 私は客観の景色でも主観の感情でも、単純なる叙写の内部に広ごつて
 ゐるものでなければならぬと思ふのである。即ち句の表面は簡単な叙
 景叙事であるが、味へば味ふ程内部に複雑な光景なり感情なりが寓さ
 れてゐるといふやうな句がいゝと思ふのである。       虚子

※ 花鳥諷詠(かちょうふうえい)は、高浜虚子 の造語。虚子の俳句理
  論を代表する根本理念

三浦聡子が、毎年満開の桜を仰ぎ見ると、必ずこの句が思い浮かぶ。そし
て気が付けば、自然とくちずさんでいるのである。すっきりとした一物仕
立て、「こぼるる」の転がるような響きも心地よく、桜の名句として人口
に膾炙している、とこの句を評す。ここで「新約聖書」(マタイ伝)一節
)を想起させる。虚子もそのような句を詠んでいる。

      明易あけやすや花鳥諷詠南無阿弥陀             高濱 虚子

※ 「人口に膾炙す」の由来は、 九~十世紀、唐王朝末期の中国の詩人、
  斉せい己きの詩の一節から。先輩の偉大な詩人、李白の作品が人々に
  愛唱されているようすを、「黄金や宝石が触れ合っているような美し
  い響きの千の詩が、『膾なますを吞み炙あぶりにくを嚼かむがごと
  く人口に伝う(切り身や焼き肉をおいしく味わうのと同じように、人
  々がずっと口にしてきている)』」と、うたっている。

ところで、ゴールデンウイークの行き先は「高知県立牧野植物園」と決ま
った。百名山の登山は単独行動がよさそうだが、機会があれば複数も可だ
がなかなか成立しないが、機会があれば誰彼なく誘ってもみよう。巻頭の
花のバイカオウレンは、端正でとてもきれい。白い花弁に見えるのはがく
片で、じつは黄色のスプーンの形をした部分が花弁。キンポウゲ科の花に
は、花弁が変形して蜜腺になったものがよくあるという。



高知の富太郎といえばバイカオウレンだけでない。潮江菜うしおえなはは彼の好物でも
あるそれは、昭和33年から栽培が途切れたが、2014年に彼の弟子の竹田ら
が「牧野野菜」(13種類)栽培を今では13種類が販売されている。




関係人口の社会学―人口減少時代の地域再生
田中 輝美【著】
大阪大学出版会(2021/04発売)

『関係人口をつくる』の著者が、関係人口を社会学の見地から定義し、そ
の役割を論じた本邦初の「関係人口の研究書」!
各地の事例と新たな理論の枠組みによって関係人口を位置づけ直し、人口
減少時代の地域再生の方向性を示す。「関係人口」とは、「定住人口」(
移住)でもなく、「交流人口」(観光)でもない特定の地域に様々なかた
ちで関わる人々を指す語で、深刻な人口減少が進む地域社会の課題を解決
するための新たな地域外の主体として近年脚光を浴びている。本書では、
関係人口という新たな主体の存在と、関係人口が地域の再生に果たす役割
を明らかにすることで、これからの人口減少時代における地域再生の在り
方と、再生に向けた具体的な方法論を示す。新型コロナウイルスの影響を
踏まえて今後の地域と関係人口を検討する補論も付しており、地域行政や
地域づくりに関わる人必携の書となっている。

【目次】 かつてない“危機”の中で
第1部 関係人口とは何か(誕生前史―地域社会の変容;関係人口の概念
規定;関係人口の分析視角)
第2部 関係人口の群像(廃校寸前から魅力ある高校へ―島根県海士町;
シャッター通り商店街が蘇った―島根県江津市;消滅する集落で安心して
暮らす―香川県まんのう町)
第3部 関係人口と地域再生(地域再生主体の形成;関係人口が果たす役
割;目指すべきものは何か)
補論 新型コロナウイルスと関係人口
【著者該歴】
田中輝美[タナカテルミ] 島根県浜田市生まれ。大阪大学文学部卒。
1999年、山陰中央新報社に入社し、琉球新報社との合同企画「環りの海―
竹島と尖閣」で2013年新聞協会賞を受賞。2014年秋、同社を退職し、フリ
ーのローカルジャーナリストとして、変わらず島根に暮らしながら、地域
のニュースを記録している。2018年度総務省ふるさとづくり大賞奨励賞受
賞。2020年、大阪大学大学院人間科学研究科後期課程修了(人間科学)。
2021年4月、島根県立大学地域政策学部准教授に着任。また、過疎の発祥地
から「過疎は終わった!」と問い、百年続けることを掲げる年刊誌『みん
なでつくる中国山地』プロジェクトも仲間と始めた。➲紀伊國屋書店経由

 
自治体では人口減少や少子高齢化による地域衰退を解消するため、さ
 まざまな地方創生の取り組みを行っています。しかし、国内の総人口
 が減少を続けるなかで、地方の人口増加や維持は難しく、雇用創出や
 地域活性化についても簡単なものではありません。

 地方創生・地域活性化事業に取り組む際は、地域資源を活かし、自治
 体の事情に合う長期的な視点での取り組みを行うことが大切です。そ
 うすることで、自治体の特色を活かした魅力的な事業が生まれる可能
 性は高くなります。地域活性化事業で押さえておきたい3つのポイン
 トは以下のとおりです。  

  1.成功事例をむやみに取り入れない
  2.地域資源を活かす
  3.長期的な事業モデル作成する     

      地方創生のリアルな現状!地域活性化事業の成功例・失敗
      例を紹介【自治体事例の教科書】  自治体通信オンライン

日本社会はすでに恒常的な人口減少に直面しています。人口が減っても、
人口が少なくても、幸せに暮らしていける地域社会をどうつくっていくの
か。ヒントになる考え方の一つが「関係人口」。これまで地域における人
口といえば、短期的に訪れる観光客のような「交流人口」か、長期的に暮
らす「定住人口」。関係人口は、交流人口より関わるものの定住はしない
つまり「交流以上、定住未満」の存在で、「地域に継続的に関わるよそ者
」と考えればわかりいい。交流人口でもなく定住人口でもない第三の人口
として、政府も推進するなど注目が高まっている。きょうは、関係人口が
人口減少時代の地域再生にどのような役割を果たすべきかを解説している。
➲ 田中輝美「関係人口による地域再生」 NHK解説委員室

1960年代以降、地方の一部地域においては、過疎化と言われるように段階
的に人口の減少してきた。政府や地方自治体も地域再生に向けた対策を取
り続けてきたが、基本的に失敗だったと指摘されている。

【地域衰退サイクル】
 ①地域課題の顕在化➲②地域住民の「心の過疎化」➲③課題解決
 の担
い手の形成➲④地域課題の未解決による悪化➲①へ巡回する

人口減少に伴ってさまざまな課題が顕在化する中、繰り返し報告されてき
たのは、住民の「心の過疎化」であった。「何をやっても無駄じゃないか」
「ここには何にもない」といったあきらめにも似た声を地域で聞いたこと
はないでしょうか。こうした「心の過疎化」の結果、解決に立ち向かう地
域再生の担い手が生まれない。このことが最大の壁だった。
これまでの地域社会は、課題が顕在化しても解決に立ち向かう担い手が生
まれず、悪化していったという「負の循環」が起きていたと考え、これを
「地域衰退サイクル」とまとめている。

事例研究:島根県西部の江津市
江津市のキャッチコピー「東京から一番遠いまち」。
人口は1947年の47,057人をピークに1950年以降減少し、2020年の国勢調査
では22,959人(▲50.1%、▲0.7%/年)。ある意味、典型的な過疎のまち
といえる。日本三大瓦のひとつ石州瓦の産地で、市内を流れる江の川の水
を生かした製糸工場やパルプ工場などの誘致企業が立地し、県内有数の「
工都」と呼ばれていました。しかし、和瓦の需要低迷で石州瓦の出荷は減
少傾向にあり、2007年以降、大手企業が倒産したほか、誘致企業も撤退し、
約400人もの雇用が失われました。市の中心部にあるJR江津駅前にも、多く
の空き店舗が生まれていた。 



2010年、市は地域課題を解決する人材を誘致するビジネスプランコンテス
トの開催を発案しました。1社で100人の雇用を目指すのではなく、10人を
雇用する10人の起業家がいれば同じ100人の雇用になる。企業の誘致から起
業家の誘致へと舵を切る。コンテストを継続するためのNPO法人の設立を決
め、スタッフを初回コンテストで募集。そこで応募してきたのが島根県内
の安来市にいた田中理恵さん。「帰ってこれる島根をつくろう」というキ
ャッチコピーを掲げて大賞を受賞し、江津市に移住してNPO法人てごねっと
石見を立ち上げた。その後、江津市を離れましたが、引き続き関わり続け
ており、江津市にとって関係人口の一人だということができる。田中が「
江津のため」と一生懸命に動く姿を見て心動かされたのが、地域住民の一
人、藤田貴子です。「地元に住む私たちも何かしたい」と、「手つなぎ市
」というイベントの開催や駅前にコミュニティバーを開店。海外で空間デ
ザインを手掛けていた弟に「まちが変わろうとしているから早く帰ってき
て」と声を掛け、その弟が第3回のコンテストで受賞。紹介した空き店舗
が次々とリノベーションされ、駅前のエリアが再生されていく。

コンテストを経て起業したのは2021年度末で26件、市の2018年の調査では、
起業後の売上高は計3億5千万円、雇用者数は39人となりました。移住者だ
けではなく住民が出店したりイベントを開催したりする動きも起こるよう
になり、使える可能性のある空き店舗がすべて埋まる。藤田さんは、田中
さんのようなよそ者のおかげで「自分たちが変わった。やったらできると
分かった。サービスを受ける側ではなく、自ら企画し、主体的に担う人を
つくることが大事」「藤田さんが次々と仲間を増やして「人が人を呼ぶ」
好循環ができていきました」と話す。

だが、江津市の人口は減り続けていますが、課題の解決に立ち向かう担い
手は増えた。これは、「心の過疎化」や担い手の不在が繰り返し報告され
てきたことを踏まえると、大きな変化だと考える。一連の流れを「地域衰
退サイクル」と比較すると、顕在化した課題に対し、関係人口が解決に立
ち向かう担い手となって動き出し、続いて地域住民も動き出すようになる。
そしてその両者によって創発的に課題が解決されていく、というサイクル
が生まれている。これを「地域再生サイクル」とまとめる。

最後に、人口減少社会における地域再生の方向性を考えたい。全国の自治
体は定住人口を増やそうと移住政策に力を入れているが、全体のパイが減
る中で移住者を奪い合うことは、どこかの自治体は増えてもどこかの自治
体は減るという「ゼロサム問題」が発生する懸念が提起される。それに対
し、複数の関係地域を選べる関係人口は、自治体間で奪い合うのではなく
逆にシェア(共有)する考え方で、より人口減少社会に適していると言え
る。ただ、その上で注意しなくてはならないのは、関係人口も数を増やす
という量的な議論に回収されがちである。むしろ関係人口の数は少なくて
いい、つまりは量ではなく、住民と協働する仲間になるという関係の質こ
そが重要。

あらためて地域再生の主役はやはり、その地域に暮らす住民であり、住民
が地域再生の担い手として課題解決に立ち向かう姿勢があれば、仮に最初に
関わった関係人口が離れても、別の関係人口や地域住民と新たに関係を結
び、地域課題を解決することは可能になる。課題の解決に立ち向かう担い
手が育ち、そして課題が解決され続ける、これにより地域住民や暮らしに
質的な変化が生まれるという側面に着目することが必要。人口増加を基調
としてきた日本社会が人口減少の局面を迎え、量ではなく質への着眼と評
価という大きな転換を求められていると言い換えることもでき、地域住民
の数が減り、そして質的にも「心の過疎化」が指摘される中で、関係人口
をはじめとするよそ者と協働していくことが、人口減少時代における地域
再生の一つの方向性ではないかと問いかけている。
 
課題の解決に立ち向かう担い手が育ち、そして課題が解決され続ける、これ
により地域住民や暮らしに質的な変化が生まれるという側面に着目するこ
とが必要で、人口増加を基調としてきた日本社会が人口減少の局面を迎え
量ではなく質への着眼と評価という大きな転換を求められていると言い換
えることもできる。地域住民の数が減り、そして質的にも「心の過疎化」
が指摘される中で、関係人口をはじめとするよそ者と協働していくことが、
人口減少時代における地域再生の一つの方向性ではないかと問いかける。

✔ しかし人口は増えない。そして所得格差が拡大するばかりではないか
と思っている。さらに、現在支給されている年金がどんどん減らされてし
まうのではと思わせる時代感が存在する。格差の指標としてジニ係数を用
いられているが、ジニ係数の指標は、同比率で所得が変化したときには、
格差を測定する機能が果たせないとの批判があるがここでは現行の算出法
採用する。


わたし(たち)は所得格差是正が社会・国家・世界の「安定」に大きく寄
与するものであるから中央政府(及び交際連合機関)の重要指標として速
報情報とすべきではないかとブログで主張しているが、現在では、SDGsポ
ータルサイトのスペースシップ・アース(Spaceship Earth)などがネット情報
として掲載されており、今後はより実感に近いものとして、消費物価動向や世界
的環境リスク評価情報など説明要因と加味し改良していければと考えている。



日本と世界の所得格差の現状
国連が2022年1月に発表した「世界経済状況・予測2022(World Economic
Situation Prospect 2022
)」によると、新型コロナウイルス感染症の新たな
波、労働市場の根強い問題などにより、世界経済の回復は強い逆風に直面、
雇用水準はアメリカやヨーロッパでは歴史的な低水準にとどまり、同時に
発展途上国の雇用の創出はパンデミックがもたらした雇用の喪失を補えず
国連は特に国力の弱い国において貧困がさらに拡大すると予測。世界のさ
まざまな地域において、雇用と所得の回復は一様ではなく、所得の不平等
が悪化と観測する。世界的な経済学者トマ・ピケティによって設立された
世界不平等研究所(World Inequality Lab)が、2021年に「世界不平等レポ
ート2022」
を発表。

世界のジニ係数の推移


世界のジニ係数ランキング以下は、2019年 時点での、世界のジニ係数
ワースト・ランキング以下の通り。

1.南アフリカ 0.62 2.ブラジル 0.48 3.コスタリカ 0.48 4.チリ 0.46
5.メキシコ 0.42 6.ブルガリア 0.40 7.トルコ 0.40 8.米国 0.40
9.イギリス 0.37 10.リトアニア 0.36 11.ラトビア 0.34 12.イスラエル
0.34 13.ルーマニア 0.34 14.韓国 0.34 15.日本 0.33




都市部と地方の所得格差問題
この所得格差悪化の傾向は、ジニ係数にも表れ、日本のジニ係数から見る
所得格差の拡大は、人口に占める高齢者の割合が増えていることが大きな
要因であると考えられます。高齢になるにつれ、離職する人が増えるため、
当初所得ジニ係数は高くなる。しかし、再分配所得ジニ係数を見ると、5
0から54歳までと比較するとそれ以降の年代はやや高い値となるが、当初
所得時に係数に表れているほどの格差はないことがわかる。この現象は「
見せかけの格差拡大」と指摘されている。所得格差拡大の問題には非正規
雇用の増大など要因は他にもあり、非常に複雑なもので、今後も研究と議
論が続けられる。

日本で行われている所得格差対策
所得格差への対策は、税金や社会保障給付などによる所得の再分配も重要
でだが、就業による当初所得として生活に必要な所得を得られるようにし
なければ、所得格差問題の根本的な解決にならない。すべての人がそれぞ
れの能力を発揮して働くことができ、将来の見通しが確かになれば、社会
全体に安心感が生まれ、生産性の向上や経済成長の加速につながると日本
政府は考えている。 このために政府は「一億総活躍社会」の実現を目標に
掲げ、就業の拡大や就業所得の向上に向けての取り組みを推進。実際にど
のような取り組みが行われているか紹介する前に、ジニ係数1の状態と0
の状態を例に、所得格差問題の解決にはどのような前提で取り組むべきか
を解説 。

格差はなくならない
ジニ係数0の状態では、誰もが同じ所得を手にします。いくら働いても、
いくら怠けても同じ給料では、働く意欲がある人もやりがいを見出すこと
が難しくなるでしょう。さらには、実績を出さなくても給料が同じだけも
らえるのであれば、少なからず最低限の仕事しかしない人が増えることが
考える(反論➲ボランティア労働はどのように考えるのだろうか)。し
たがって、これでは生産性は上がらず、経済の成長も見込めない。だか
ら1はもちろんのこと0を目指せばいいというものでもないと断言した上
で、これを踏まえ、所得格差の問題を考えるときは、困窮している人の生
活の安心を保障する社会福祉と、意欲・能力の高い人の意欲を削がない程
度の
累進課税制度が必要で、格差そのものを完全に取り去ることでない
との立場をとっている。

再チャレンジ支援総合プラン
社会的な所得格差拡大を防ぐためには、仮に失敗しても何度でも再挑戦で
き「勝ち組、負け組」を固定化させない社会の構築を必要とし、国民ひと
りひとりがその個性や能力を活かし、努力が報われる公正な社会の構築を
目的として2006年12月に「再チャレンジ支援総合プラン」を策定する。 「
※「成長力底上げ戦略」は経済成長の基盤である人材能力・就労機会・中
小企業の向上により、働く人全体の所得・生活水準を引き上げ、格差の固
定化を防ぐための政策。結果的な平等を目指して所得格差を是正するので
はなく、意欲のある人や企業に自らの向上に取り組むための機会を最大限
に拡大することを目的にしている。つまり、経済の基盤である人材や企業
を強化することにより、社会全体の力を底上げし、経済成長につなげよう
とする取り組みです。「成長力底上げ戦略」は以下の3つを「3本の矢」
とし、「大切なのは行動を起こすことです。以前から興味があった仕事に
挑戦してみる、高齢になっても働くことを見据えたスキルを身につけるな
ど、未来のあなたと、未来の社会のために、できることを見つけて動き始
めようと呼びかけている。



彦根市の概況①
令和4年(2022年)3月31日現在
人口 111,483人
世帯数 49,260世帯
面積 196.87k㎡


市税は、近年、約160億円後半から約170億円前半で推移していたが、2017
年年度以降、景気の緩やかな回復を背景に180億円台まで増加、2020年度
以降、新型コロナウイルス感染症の影響により、落ち込み、2021年度決算
では約172億円となる見込み。2022年度は、新型コロナウイルス感染症に
よる厳しい状況が緩和される中で、持ち直しの動きがみられることにより
増収となる見込み。また、歳入全体に占める市税の割合は2010年降は40%
前後で推移しており、2022年度については35.4%になる見込み(グラフ2)。


市債残高は、2017年度においては、繰上償還等を行ったことから、前年度
比約5億円の減となる、約366億円となるが、その後は大型の公共事業が続
き2018年から増加傾向となり、2022年年度末時点では、約477億円となる。
また、市債の中でも大きな割合を占める臨時財政対策債の2020年度末残高
は約202億円となる。臨時財政対策債は、国の財源不足により国と地方が
折半して借入れを行っているが、後年度に支払う元金と利子は、全額地方
交付税で措置されることとなる(グラフ3)。



                          この項つづく


実家の空き家問題を解決する!
主婦の友社【編】
NDC分類 365.3
今や7軒に1軒が空き家時代。空き家の増加は全国で社会問題化している。
2021年に空き家法が改定され、今後は空き家は持ってるだけでリスクを負
う。誰も住まない実家はまさに「負動産」。誰もが直面する「実家の片づ
け」問題について、12の具体例とともに関連する法律、相続問題までわか
りやすく解説!

第1章 なかなか売れない実家を売却する方法
親が亡くなったあとの空き家への対応が急務;「田舎の古民家」だったか
ら売れた!しかし売値は1坪たったの3000円。地元の知人の紹介で田
畑も含めた1000坪の土地と生家の売却が実現。 ほか
第2章 売れない実家を売らずに有効活用する方法
売れない理由はいろいろ!売れない家なら貸し出そう;空き家の貸し出し
には地方自治体や関連団体の支援もある ほか
第3章 知らなきゃ売れない不動産売却の基礎知識
「登記」や「境界標」が不備な不動産には誰も手をつけられない!;査定
価格を高くつける業者を選んではいけない ほか
第4章 空き家を心配する前に知っておきたい相続の常識
相続人は集まったものの遺産分割協議がまとまらないとどうなる?;相続
人はどこにいる?親からの相続の場合、戸籍を祖父の代までさかのぼって
探すのが基本 ほか
第5章 親の家を相続するときの基本手続きQ&A
親の家を相続するときの基本手続きQ&A
親の家を相続できるのは誰だ?;親の家の名義を変更するためにはどん
な手続きが必要なの? ほか

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フルカラー円偏光を発生させる有機円偏光発光ダイオードを開発か
3D表示用有機ELディスプレイ製造等への応用
4月13日、大阪公立大学と近畿大学は,イリジウム錯体を発光材料とする,
フルカラー有機円偏光発光ダイオードを開発
【要点】
1.光学不活性※1な分子であるイリジウム錯体を用いて有機発光ダイオー
 ドを作製し、外部から磁力を加えることにより、赤・緑・青・黄のフル
 カラー円偏光の発生に成功。
2.加える磁力の方向を変えることで円偏光の回転方向を制御し、右回転
 と左回転の円偏光を選択的に取り出すことに成功
3.新しいタイプのフルカラー3D表示用有機ELディスプレイの製造や、高
 度な次世代セキュリティ認証技術の実用化などへ生かすことに期待


【概要】
イリジウム錯体を発光材料とする、フルカラー有機円偏光発光ダイオード
を開発。開発したダイオードに外部から磁力を加えることで、3D立体映像
を映し出す際に使われる、らせん状に回転しながら振動する光「円偏光」
を赤・緑・青・黄(RGBY)のフルカラーで発生させることに成功。さらに、
加える磁力の方向を変えることで、全ての色の円偏光の回転方向を制御で
きることも明らかにした。本研究成果を用いることで、有機円偏光発光ダ
イオードの製造コストを安く抑えられる可能性があり、将来的に、新しい
タイプのフルカラー3D表示用有機ELディスプレイ等の製造や、高度な次世
代セキュリティ認証技術の実用化に繋がることが期待される。
【関連論文】
掲載誌:Organic Electronics
原 題:Red–Green–Blue–Yellow (RGBY) Magnetic Circularly Polarized Electr-
      oluminescence from Iridium(III)-Magnetic Circularly Polarized Organic
      Light-Emitting Diodes
D O I  : https://doi.org/10.1016/j.orgel.2023.106814

用語解説
1.光学活性/光学不活性…物質が直線偏光の偏光面を回転させる性質(
 旋光性)があるとき、この物質は光学活性であるといい、偏光面を回転
 させる性質がないとき、この物質は光学不活性という。
2.イリジウム錯体…イリジウムは白金族に分類される原子番号77の遷移
 元素であり、白金の精製の際に副産物として得られる。このイリジウム
 と有機化合物が結合したものがイリジウム錯体である。有機発光ダイオ
 ード用の発光材料として実用化されており、高い量子効率でリン光を発
 する。
3.有機円偏光発光ダイオード…電圧をかけると有機物が発光する現象を
 有機EL(Electroluminescence)といい、この現象を利用したデバイスを有
 機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode)という。この際、発光
 が円偏光であるダイオードを有機円偏光ダイオードという。


図2 GMSの構造模型(左)と、原子分解能の電子顕微鏡写真(右: 上海技科大
のグループが撮影)。

リチウム空気電池を長寿命化するカーボン新素材を発見
従来のカーボン正極の劣化をグラフェンメソスポンジで克服
4月10日、東北大学らの研究グループは、リチウム空気電池を長寿命化する
カーボン新素材の正極を発見。リチウム空気電池は、一般的なリチウムイ
オン電池に比べエネルギー密度が数倍以上となるため、次世代蓄電池とし
て注目されている。一方で「充放電を繰り返し行えない」などの課題があ
った。その主な要因は、「カーボン正極材料の劣化」「リチウム負極の劣
化」そして「電解液の劣化」と言われている。この中で今回は、「カーボ
ン正極材料の劣化」を克服できる材料の開発に取り組んだ。
【要約】
1.リチウム空気電池実用化へ向けた課題であるカーボン正極の劣化を克
 服する素材を発見した。
2.カーボン新素材「グラフェンメソスポンジ(GMS)」を用い、6700 mAh/g
 に達する高容量と、既存のカーボン正極材料に対し6倍以上の充放電サイ
 クル寿命を達成
3.GMS の高特性を産むトポロジー欠陥構造を理論と実験の両輪で解明


図1.カーボン材料の劣化の原因となるエッジサイト 出所:東北大学他
【概要】
リチウム空気電池の正極にはカーボン材料、負極にはリチウム金属が使用
され、正極への過酸化リチウムの析出・分解により充放電が行われる。こ
れまでにカーボン正極材料として、カーボンブラック、カーボンナノチュ
ーブ、活性炭等の多種多様な材料が検討されてきたが、いずれの材料もす
ぐに劣化するため、繰り返し充放電ができないことが大きな課題でした。
今回の研究では、東北大が世界に先駆けて開発したカーボン新素材「グラ
フェンメソスポンジ(GMS)」を正極に使うことで、これまでに報告されてい
るカーボン正極材料の容量を大きく上回る6700 mAh/gを達成、なおかつ従
来のカーボン正極に対し6倍以上の充放電サイクル寿命を達成た。さらに、
GMSのナノ構造を先端の分析手法、数学的解析、理論計算を用いて緻密に解
析することで、高性能と高耐久性を両立するための材料設計指針を明らか
にした。

図3.左は通常の炭素六角網面(ベーサル面)状での Li2O2形成。右はトポ
ロジー欠陥でLi
2O2形成の模式図 出所:東北大学他

【用語解説】
注1.リチウム空気電池 負極がリチウム金属、正極が酸素(O2)の二次電池
を、本項では単に「リチウム空気電池」と表記する。正極では、O2が電解
液中のLi+と結びつき、過酸化リチウム(Li2O2)として析出する反応(放
電時)と、Li2O2が分解してO2とLi+に戻る反応(充電時)が起こる。Li2O2
の析出場所が多いほど高容量になるため、正極には多孔性のカーボン材料
が利用されている。
注2.グラフェンメソスポンジ(GMS) ナノ細孔を取り囲む細孔壁がグラフ
ェンシート約1層で形成される多孔性のカーボン材料。
【展望】
今回の研究では、リチウム空気電池の正極カーボンとして、エッジサイト
が無く、かつトポロジー欠陥を大量にもつ多孔性カーボンのGMSが理想的
であることがわかった。今後、GMSの特徴を設計指針とした正極カーボン材
料の研究が更に進展すれば、リチウム空気電池の3つある課題(①カーボ
ン正極材料の劣化、②リチウム負極の劣化、③電解液の劣化)の中の1つ
が解消されると期待される。さらに残り2つの課題、リチウム負極と電解
液の研究開発が進展すれば、リチウム空気電池の実用化が進むと期待され
る。
【関連論文】
掲載誌:Advanced Science
原 題:Edge-Site-Free and Topological-Defect-Rich Carbon Cathode for High
      -Performance Lithium-Oxygen Batteries
D O I : 10.1002/advs.202300268
【関連技術情報】
❏ 特開2021-84819 多孔質炭素材料の製造方法 東海カーボン株式会社 国
立大学法人東北大学
【要約】
下図26のごとく、多孔質炭素材料の製造方法であって、アルカリ土類金属
酸化物のナノ粒子からなる鋳型の表面に、グラフェンを含む前駆体を形成
する被覆工程と、この鋳型をフッ素を含まない酸で溶解して、この鋳型と
駆体とを分離する分離除去工程と、を含む、多孔質炭素材料の製造方法で
フッ酸による処理もアルカリでのオートクレーブ処理も必要としない、グ
ラフェンを含む多孔質炭素材料、とりわけ、グラフェンメソスポンジの新
たな製造方法を提供する。


【特許請求範囲】
1.多孔質炭素材料の製造方法であって、アルカリ土類金属酸化物のナノ
 粒子からなる鋳型の表面に、グラフェンを含む前駆体を形成する被覆工
 程と、前記鋳型をフッ素を含まない酸で溶解して、前記鋳型と前記前駆
 体とを分離する分離除去工程と、を含む、多孔質炭素材料の製 造方法。
2.前記分離除去工程の後に、前記前駆体に熱処理を施す熱処理工程を更
 に含む、請求項1に記載の多孔質炭素材料の製造方法。
3.前記アルカリ土類金属酸化物が、酸化マグネシウム若しくは酸化カル
 シウム、又はその組合せである、請求項1又は2に記載の多孔質炭素材
 料の製造方法。
4.前記被覆工程が、化学気相蒸着(CVD)法により行われる、請求項
 1~3のいずれか1項に記載の多孔質炭素材料の製造方法。
5.前記CVD法において、前記前駆体の原料である原料ガスとしてメタ
 ンガスを用いる、請求項4に記載の多孔質炭素材料の製造方法。
6.前記フッ素を含まない酸が、塩酸若しくは硫酸、又はその組合せであ
  る、請求項1~5のいずれか1項に記載の多孔質炭素材料の製造方法。
7.前記多孔質炭素材料の細孔が、前記グラフェンにより形成されている
 細孔壁を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の多孔質炭素材料
 の製造方法。
8.前記多孔質炭素材料が、メソ多孔質炭素材料である、請求項1~7の
 いずれか1項に記載の多孔質炭素材料の製造方法。
9.前記グラフェンが単層グラフェンである、請求項1~8のいずれか1
 項に記載の多孔質炭素材料の製造方法。

【概説】
グラフェンは、熱伝導度、電気伝導度、機械的(引っ張り)強度に優れて
おり、エレクトロニクス、エネルギー材料など様々な分野で期待されてい
る炭素材料である。そのようなグラフェンの構造体として、グラフェンメ
ソスポンジが知られており、電池の負極活物質等としての利用が期待され
ている(特許文献1及び2、並びに非特許文献1)。 グラフェンを含む
多孔質炭素材料、とりわけ、グラフェンメソスポンジの製造方法としては、
鋳型粒子の表面に炭素を被覆させた後、鋳型粒子を除去し、炭素材料を高
温で焼成してグラフェンメソスポンジを製造する方法が知られている。鋳
型粒子の表面に炭素を被覆させる方法としては、化学気相蒸着(CVD)
法が知られている。特許文献1及び2、並びに非特許文献1では、CVD
法において、原料ガスとしてメタン、鋳型としてアルミナナノ粒子を用い
て、鋳型粒子の表面に炭素を被覆させる方法が具体的に開示されている。

❏ 特開2019-1027119 キャパシタ TPR株式会社・TOCキャパシタ株式
会社・国立大学法人東北大学
【要約】下図1のごとく、本発明のキャパシタは、少なくとも正極、負極、
及び電解質から構成される。正極は正極活物質を含み、かつ、負極は負極
活物質を含み、負極活物質は、グラフェンからなる多孔質炭素材料(グラ
フェン多孔質炭素材料)を含み、負極側の集電体はアルミニウム材であり
アルミニウム材は非晶質炭素被膜で被覆され、非晶質炭素被膜の厚みが60
nm以上、300nm以下であることを特徴とし、容量化および高電圧化を図るこ
とで、高エネルギー密度化され、かつ耐電圧性に優れたキャパシタを提供
する。

❏ 特許第6460448号 多孔質炭素材料およびその製造方法 日産自動車株式
会社・.国立大学法人東北大学
【要約】
X線回折スペクトルにおいて、炭素の(002)面に由来するピークが観
測されないか、または、炭素の(002)面に由来するピークの半値幅が
5°以上であり、炭素の(10)面に由来するピークの半値幅が3.2°
以下であることを特徴とする、多孔質炭素材料で、また、所定の電気化学
的酸化評価法において、1.0V(vs.Ag/AgCl)における酸化
電流(腐食電流)値が、BET比表面積に対して、特定の値を有する多孔
質炭素材料によって、上記課題が解決されることを見出した。
【発明の効果】
本発明の多孔質炭素材料は、エッジ面や欠陥の少ないグラフェンシートを、
数層以下の積層数で含む構造を有するため、従来の比表面積と耐腐食性と
の関係を越えて、比表面積に対して高い耐腐食性を達成することができる。
そのため、高い比表面積と高い耐腐食性とを両立する多孔質炭素材料が得ら
れる。

図1.本発明の一実施形態に係るアルミナ鋳型炭素材料を表す模式図



風蕭々と碧い時代



Jhon Lennon  Imagine




J-POPの系譜を探る:1979年代】
曲名:セクシャルバイオレットNo.1 唄:桑名正博
作詞:松本 隆  作曲:筒美 京平


● 今夜の寸評
いまを一声に託す)

 

コメント
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さぁ!自信をもって進もう②

2023年03月21日 | 量子電池

 
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひ
こにゃん」。





    うすみどり彼岸法会のリーモートを打ち込む庭で鴬の聲
                          

 

菩提寺に今年も牡丹と
蕗の薹と鴬の法会の案内が届き、リーモート法
会案内をLINEを打ち込んでいると外では鴬の聲。        
                                     
  2020.6.15 滋賀彦根新聞
あかもん宗安寺チャンネルQRコード
※ 蕗の薹とオリーブオイルの相性は抜群、わたし達の仲みたいだ。
そういれば、「舞いあがれ」ロケ地にある松原のルヴァンベール(松
風)のオイリーな「蕗の薹
パスタ」が懐かしい。



一生のうちで、心から感動するアート作品に出会えるのは数えるくら
いだろう。David Popaが描く、雨や嵐で消えたり島の糞などによって
短時間で変化してしまうランドアート画は、まさしくその1
つ。
David Popaが使うのは天然顔料と水を混ぜた生分解性の絵具。彼が主
北欧の島々に描く絵は空からドローンで撮影して初めて、顔や幼子
クジラだとわかる。大自然を舞台にして描くのは、見る人たちに人間
の運命(生命の短さ)や日常生活で起きる奇跡、自然環境が秘めてい
る強いエネ ルギーを意識してもらうため。    

昨年の初夏、David Popaは新しいプロジェクトに挑戦した.フランス・
ボルドー地方のカントナック村にある200年以上 続く著名なワイン生
産者シャトー・カントナック・ブラウンのブドウ畑に、両手ですくう
ブドウを描いた。そのタイトルは「The Power of the earth」.ブドウの味
に直接影響 を与える土壌の力と不思議さをたたえた本作のブドウの
色には、このシャトーのワインのオリ(タンパク質やポリフェノール
類)を使った。本作の目的はもう1つある。本作をこれからNFT(非代替
性トークン)アートとして販売し、その売り上げを寄付して原 生地を
買い取り、都市化や開発から救う活動に役立てるの だ。雨で消えた本
作は、デジタルの世界に生きることになる。


【略歴】
ニューヨーク生まれのアーティスト、デビッド・ポパによるアート作
品-----生分解性プラスチック破片で大地に描く芸術作品----デビッ
ド・ポパはニューヨークで生まれ育ったアーティスト。 彼の関心は
NYC で最初のグラフィティ ライターの1人であり、後に若い頃に
彼に伝統的絵画を教えた父アルバート・ポパの-熱心な教育指導から
生まれた。



【福島第一原発事故 12年目の“新事実”】
3月11日の津波に襲われた後、最初に核燃料が溶け落ちるメルトダウ
ンをおこし、水素爆発したのは1号機。次に危機に陥ったのが3号機。
3月13日未明、冷却装置が停止。この後、現場が懸念したのは、メル
トダウン、格納容器が破壊され放射性物質が大量に放出される事態、
当時、3号機の原子炉の圧力は高く、消防車では注水できない状態。
そこで現場が行ったのは、格納容器を冷やす「ドライウェルスプレイ
」という対応。格納容器はフラスコ型の「ドライウェル」とドーナツ
状の「サプレッションチェンバー(通称サプチャン)」に分かれてい
る。

東京電力の報告書には「ドライウェルの圧力上昇を抑えるためにはス
プレイは絶対必要なんだ!消火ポンプでどの程度効果があるか分から
ないが,今はそれしかない。誰かがやらなければいけないんだ。とス
プレイに切実な期待をかけていたことが、現場の声として記録されて
いる。ディーゼルで動く消火ポンプを使い、ドライウェルを冷やすこ
とで圧力の上昇を抑え、破壊を防ぐのが狙い。スプレイを行うために
は、覚悟が必要、3号機は津波によってほとんどの電源を失っていた。
スプレイを実施に必要なバルブは中央制御室から遠隔で操作すること
は出来ない。そのため、格納容器の間近にあるバルブを直接操作しな
くてはならない。現場証言によれば、高温、高圧の蒸気が原子炉から
サプチャンに流れ、その圧力で巨大な格納容器が揺れていた。



蒸気が噴き出したら無事ではいられないかもしれない。担当者は覚悟
を決め、放射線量が上昇する原子炉建屋で作業にあたる。バルブを開
けるため、高温になっていたサプチャンに足をかける。バルブは熱く、
長くは握っていられない。そして、作業している間に長靴の底は熱で
溶ける。3月13日午前7時39分、いくつかのバルブを操作することで、
ドライウェルスプレイが実施できた。それまで上昇傾向が続いていた
格納容器の圧力も狙い通り横ばいになった。しかし、開始からわずか
20分後、テレビ会議を通じて東京電力本店から福島第一原発に、3月
12日に起こった1号機の水素爆発を引き起こす恐れがありそれを避け
たい共通認識がベントをさせる。3月13日午後9時58分には3号機では
原子炉の底が破れるメルトスルーが起こっていた。しかし、ほとんど
のパラメーターが失われる中、メルトスルーに対する共通した問題意
識を当事者たちが持つことは困難だった。



ドライウェルスプレイの停止による影響
スプレイを停止した場合の原子炉からの水素の発生量はおよそ800キ
ロ、一方でスプレイを継続していた場合水素の発生量はそれより25%
程度少ない、600キロまで抑えられるが、ドライウェルスプレイによ
って原子炉を外側から冷やすことで、結果として核燃料の温度上昇を
抑制する効果がある。すると、高温になることで活性化する水ジルコ
ニウム反応が抑えられ、水素の発生量が減るという効果があることが
示唆する解析結果があり、さらに、格納容器内にも床から1メートル
程度水を張ることが出来、メルトスルーした核燃料や格納容器そのも
のを冷やす効果も期待できるという。スプレイを継続することは事故
の悪化をくいとめる可能性があった。



ドライウェルスプレイ停止するも 守られた格納容器の謎
わずか1時間でドライウェルスプレイを止めた3号機。その後、原子炉
から2000℃を越える高温の核燃料が格納容器の床に溶け落ち、圧力の
上昇などで格納容器が破壊される恐れがあった。しかし、3号機の格
納容器内部にロボットを入れる調査などで見えてきたのは意外な事実。
1号機2号機に比べて内部にたまっている水位が最も高かったのだ。
1号機では2.8メートル、2号機では60センチ程度だった水位が、3号機
では6.3メートル。これは他の号機に比べ、3号機の格納容器が「健全
性を維持」していたことを意味する。 
 「大本営発表」と呼ばれた原発報道 私を変えたマスターのひと言
   NHK取材ノート|note



 2022年度光産業出荷額,12兆6,426億円
光産業技術振興協会は,2022年度光産業全出荷額,国内生産額調査結
果について調査結果をまとめた。この調査は同協会が1980年以来,毎
年光産業の動向調査を実施しているもので,会員企業201社に対して
調査票を発送して82社から回答を得たほか,各関連業界団体および調
査会社の協力を得て作成。それによると,2021年度全出荷額(実績)
は11兆6,497億円,成長率+0.3%,2021年度国内生産額(実績)は5兆
8,420億円,成長率▲0.2%となった。 

入出力分野は,2020年度の反動などからイメージセンサ,撮像機器な
どが回復し,全出荷・国内生産ともに大幅増加となった。半導体,自
動車関連などを中心とした設備投資の回復に伴い,レーザー・光加工
分野は,全出荷・国内生産ともに大幅に増加,センシング・計測分野
は,光センシング機器を中心に全出荷・国内生産ともにやや増加とな
った。ディスプレー・固体照明分野は,LED照明器具の2020年度減少
からの回復,マイナス成長が続いていたディスプレー素子が5G端末向
けなどの需要増加に伴って増加し,全体として全出荷・国内生産とも
にやや増加となった。情報通信分野は,5Gシステム及びデータセンタ
関連の需要増加を背景に,光ファイバ,光コネクタなどは好調だが,
光デバイスは半導体などの部品供給不足の影響により減少するため,
全出荷・国内生産ともに横ばいとなった。

     

 

 

【再エネ革命渦論 101: アフターコロナ時代 300】

 

● 
技術的特異点でエンドレス・サーフィング

”再エネ・リサイクル・ゼロカーボン最先進国”宣言!


【メタン資源化マッチングシステム編:

※ 特許第7239952号 食品廃棄物を利用したメタン資源化マッチング
システム 株式会社ティービーエム

【要約】
下図2のごとく、メタン資源化マッチングシステム1は、食品廃棄物
の排出元に備わり食品廃棄物に関する情報を入力する第一端末装置
30と、バイオガスプラントに備わりバイオガスプラントの運転状況
に関する情報を入力する第二端末装置20と、食品廃棄物の排出元及
びバイオガスプラントを調査するサポート会社に備わり排出元におけ
る食品廃棄物に関する情報及びバイオガスプラントの運転状況に関す
る情報を入力する第三端末装置40と、食品廃棄物のバイオガス化を
統括する統括本部に設置されて食品廃棄物の排出元及びバイオガスプ
ラントにおける食品廃棄物のバイオガス化を管理する管理サーバ10
と、を備え、第一端末装置30、第二端末装置20、第三端末装置
40、及び管理サーバ10がネットワークを介して接続される。


図3.同上メタン資源化マッチングシステムの全体構成図

【特許請求範囲】
 【請求項1】 バイオマス資源である食品廃棄物及びその排出元と、
当該食品廃棄物を用いてバイオガス化を行うバイオガスプラントとを
マッチングする食品廃棄物を利用したメタン資源化マッチングシステ
ムであって、 前記食品廃棄物の排出元に備わり、食品廃棄物の関す
る情報を入力する第一端末装置と、前記バイオガスプラントに備わり、
前記バイオガスプラントの運転状況に関する情報を入力する第二端末
装置と、前記食品廃棄物の排出元及び前記バイオガスプラントを調査
するサポート会社に備わり、前記排出元における食品廃棄物に関する
情報及び前記バイオガスプラントの運転状況に関する情報を入力する
第三端末装置と、食品廃棄物のバイオガス化を統括する統括本部に設
置され、前記食品廃棄物の排出元、前記バイオガスプラント及び前記
サポート会社における食品廃棄物のバイオガス化を管理する管理サー
バと、を備え、前記第一端末装置、前記第二端末装置、前記第三端末
装置、及び前記管理サーバがネットワークを介して接続される、こと
を特徴とする食品廃棄物を利用したメタン資源化マッチングシステム。
【請求項2】 前記管理サーバは、 プログラムに基づいて前記メタン
資源化マッチングシステムの情報処理を実現するための制御を行う制
御部と、 データベース部と、 前記データベース部に登録済の前記食
品廃棄物の排出元における食品廃棄物の種類・性状・量と、前記バイ
オガスプラントの運転状況とを比較し、最適な食品廃棄物を特定する
マッチング判定部と、インターネットと接続され、前記第一端末装置、
前記第二端末装置及び前記第三端末装置との間でデータの送受信を行
う送受信部と、を備えることを特徴とする請求項1記載の食品廃棄物
を利用したメタン資源化マッチングシステム。
【請求項3】 前記マッチング判定部は、さらに、前記送受信部を介
して受信した食品廃棄物の種類・性状からBMP(Bio Methane Potential)、
強熱減量、炭水化物量、タンパク質量、脂質量、水分量、N(窒素)
濃度及びPHの少なくとも1つを特定し、当該食品廃棄物が炭水化物リ
ッチ、脂質リッチ、窒素・硫黄リッチ及び繊維質リッチの何れかを判
定し、当該判定に基づいて食品廃棄物及びその排出元とバイオガスプ
ラントとをマッチングする、ことを特徴とする請求項2記載の食品廃
棄物を利用したメタン資源化マッチングシステム。
【請求項4】 前記データベースには、前記プログラムとして、前記
第一端末装置及び前記第三端末装置から送信される食品廃棄物に関す
る入力データや現場写真に基づき、食品廃棄物の排出元が抱えている
食品廃棄物の種類・量・性状を把握し、前記第二端末装置から送信さ
れる使用している既存原料の種類や特性、ガス生成量又は発電状況や
リクエストに基づいて、バイオガスプラントが必要とする食品廃棄物
の種類・量を把握するためのIoT現場調査プログラムが記憶される、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の食品廃棄物を利用したメタ
ン資源化マッチングシステム。
【請求項5】 前記データベースには、さらに、前記プログラムとし
て、前記第一端末装置及び前記第三端末装置から送信される食品廃棄
物に関する入力データや現場写真に基づき、食品廃棄物のメタン収率
予測、及び前記バイオガスプラントの既存原料ほか複数資材を混合し
た場合のシナジー予測及び阻害診断を行うAIメタン資源化プログラム
と、最適なガス化促進方法とガス化促進剤の最適投入量及び効果予測
を行うAIガス化促進プログラムと、バイオガスプラントが原料とする
食品廃棄物の種類や回収量からメタンガス生成量を推算しCO2削減量
を推算してカーボンクレジット生成するためのCO2削減IT演算プログ
ラムと、の少なくとも1つが記憶される、ことを特徴とする請求項4
記載の食品廃棄物を利用したメタン資源化マッチングシステム。
【請求項6】 バイオマス資源である食品廃棄物及びその排出元と、
当該食品廃棄物を用いてバイオガス化を行うバイオガスプラントとを
マッチングするためにコンピュータに各ステップを実行させる食品廃
棄物を利用したメタン資源化マッチング方法であって、前記食品廃棄
物の排出元に備えられた第一端末装置から食品廃棄物に関する情報を
受信する受信ステップと、前記バイオガスプラントに備わる第二端末
装置から使用しているメタン資材の種類・性状・量、バイオガス生成
量又は発電状況に関する運転状況を受信する運転状況受信ステップと、
前記受信ステップにおける食品廃棄物の情報、及び前記運転状況受信
ステップにおいて受信した使用しているメタン資材の種類・性状・量、
バイオガスプラントのガス生成量又は発電状況に基づいて、食品廃棄
物の排出元と、当該食品廃棄物を用いてバイオガス化を行うバイオガス
プラントとをマッチングするマッチングステップと、を含み、 前記
マッチングステップにおいては、さらに、前記受信ステップを介して
受信した食品廃棄物の種類・性状からBMP(Bio Methane Potential)、
強熱減量、炭水化物量、タンパク質量、脂質量、水分量、N(窒素)
濃度及びPHの少なくとも1つを特定し、当該食品廃棄物が炭水化物リッ
チ、脂質リッチ、窒素・硫黄リッチ及び繊維質リッチの何れかを判定
し、当該判定に基づいて食品廃棄物及びその排出元とバイオガスプラ
ントとをマッチングすることを特徴とする食品廃棄物を利用したメタ
ン資源化マッチング方法。
【請求項7】 バイオマス資源である食品廃棄物の排出元、及び当該
食品廃棄物を用いてバイオガス化を行うバイオガスプラントを管理す
るコンピュータに以下の各ステップを実行させるプログラムであって、
前記食品廃棄物の排出元に備えられた第一端末装置から食品廃棄物に
関する情報を受信する受信ステップと、前記バイオガスプラントに備
わる第二端末装置から使用しているメタン資材の種類・性状・量、バ
イオガス生成量又は発電状況に関する運転状況を受信する運転状況受
信ステップと、前記受信ステップにおける食品廃棄物の情報、及び前
記運転状況受信ステップにおいて受信した使用しているメタン資材の
種類・性状・量、バイオガスプラントのガス生成量又は発電状況に基
づいて、食品廃棄物の排出元と、当該食品廃棄物を用いてバイオガス
化を行うバイオガスプラントとをマッチングするマッチングステップ
と、を含み、前記マッチングステップにおいては、さらに、前記受信
ステップを介して受信した食品廃棄物の種類・性状からBMP(Bio Meth-
ane Potential
)、強熱減量、炭水化物量、タンパク質量、脂質量、水分
量、N(窒素)濃度及びPHの少なくとも1つを特定し、当該食品廃棄
物が炭水化物リッチ、脂質リッチ、窒素・硫黄リッチ及び繊維質リッ
チの何れかを判定し、当該判定に基づいて食品廃棄物及びその排出元
とバイオガスプラントとをマッチングすることを特徴とするプログラ
ム。
【発明の効果】
本発明に係る食品廃棄物を利用したメタン資源化マッチングシステム
は、食品廃棄物の排出元に備わり食品廃棄物に関する情報を入力する
第一端末装置と、バイオガスプラントに備わりバイオガスプラントの
運転状況に関する情報を入力する第二端末装置と、食品廃棄物の排出
元及びバイオガスプラントを調査するサポート会社に備わり排出元に
おける食品廃棄物に関する情報及びバイオガスプラントの運転状況を
入力する第三端末装置と、食品廃棄物のバイオガス化を統括する統括
本部に設置され、食品廃棄物の排出元、バイオガスプラント及びサポ
ート会社における食品廃棄物のバイオガス化を管理する管理サーバと、
を備え、これらの第一端末装置、第二端末装置、第三端末装置及び管
理サーバがネットワークを介して接続されることを特徴とする。この
構成により、メタン資源化マッチングシステムでは、残渣汚泥や食品
ロスなどの食品廃棄物の排出元、及び食品廃棄物を利用してメタンガ
ス化を行うバイオガスプラントを最適にマッチングし、バイオガスプ
ラントの稼働率向上を図り、ひいては脱炭素化社会の実現に貢献でき
る。
--------------------------------------------------------------
【水素サーキュラーシステム編:】
※ 特開2023-35461 水素吸蔵合金、水素吸蔵方法、水素放出方法及
び発電システム
国立研究開発法人産業技術総合研究所
【要約】
図5のごとく、一般式 Ti1FexMnyNbz(0.804<x≦
0.941、0.033≦y≦0.136、0<z≦0.081)で
表される組成を有することを特徴とする水素吸蔵合金。水素圧1.1
MPa(abs)未満で水素を吸蔵させ、水素圧0.2MPa(ab
s)以上1.1MPa(abs)未満で水素を放出させることで、水
素圧が0.2MPa(abs)以上1.1MPa(abs)未満の圧
力範囲内にて、有効水素貯蔵量を高めることができる水素吸蔵合金並
びにそれを用いた水素吸蔵方法、水素放出方法および発電システムを
提供する。


図5 例4の水素吸蔵合金のPCT曲線

【発明が解決しようとする課題】
高圧ガス保安法における高圧ガスに指定されない圧力上限は1.1M
Pa(abs)であるため、水素吸蔵合金に水素を吸蔵させる際の水
素の圧力(水素圧)は、1.1MPa未満とする必要がある。 一方、
水素吸蔵合金から水素を放出するためには、0.1MPa(abs)
の大気圧以上の水素圧が必要である。なお、absとは絶対圧のこと
である。 この、0.1MPa(abs)と1.1MPa(abs)
との間で出し入れできる水素量が一般的な有効水素貯蔵量である。

水素吸蔵合金の重要な用途として、水素を燃料として発電する燃料電
池への水素供給源としての利用が挙げられる。 燃料電池に水素を供給
する場合、特に高出力の燃料電池に水素を供給する場合は、配管での
圧力損失等が無視できない。そのため、水素吸蔵合金から放出される
水素の圧力(水素圧)は0.1MPa(abs)の大気圧を僅かに超
える程度では不充分である。高出力の燃料電池に対して必要な水素流
量を維持するためには、0.2MPa(abs)以上の水素圧が必要
とされる。 すなわち、燃料電池に水素を供給する場合には、0.2
MPa(abs)と1.1MPa(abs)との間で出し入れできる
水素量が有効水素貯蔵量となる。 

しかし、従来の水素供給合金は、燃料電池に水素を供給する観点での
検討が充分に成されておらず、燃料電池に水素を供給する際の有効水
素貯蔵量が充分ではなかった。特に、水素貯蔵量が少なくなった場合
に、必要な水素圧を維持することが困難であった。 有効水素貯蔵量
を増やすためには、水素放出時の加熱温度を高めることが考えられる
が、その場合、加熱のために大きなエネルギーを要する。本発明は、
上記事情に鑑みてなされたものであって、水素圧が0.2MPa(a
bs)以上1.1MPa(abs)未満の圧力範囲内にて、有効水素
貯蔵量を高めることができる水素吸蔵合金並びにそれを用いた水素吸
蔵方法、水素放出方法および発電システムを提供することを目的とす
る。

【課題を解決するための手段】
上記の課題を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
[1] 一般式Ti1FexMnyNbz(0.804<x≦0.94
1、0.033≦y≦0.136、0<z≦0.081)で表される
組成を有することを特徴とする水素吸蔵合金。
[2]一般式Ti1FexMnyNbz(0.822≦x≦0.94
1、0.033≦y≦0.136、0.024≦z≦0.081)で
表される組成を有することを特徴とする水素吸蔵合金。
[3]前記一般式Ti1FexMnyNbzにおいて、0.8≦x+
y+z≦1.2である、[1]または[2]に記載の水素吸蔵合金。
[4][1]~[3]のいずれか一項に記載の水素吸蔵合金に、水素
圧1.1MPa(abs)未満で水素を吸蔵させることを特徴とする
水素吸蔵方法。
[5]前記水素の吸蔵は、40℃以下で行われる、[4]に記載の水
素吸蔵方法。
[6]水素圧1.1MPa(abs)未満で水素を吸蔵した[1]~
[3]のいずれか一項に記載の水素吸蔵合金から、水素圧0.2M
Pa(abs)以上1.1MPa(abs)未満で水素を放出させる
ことを特徴とする水素放出方法。
[7]前記水素の放出に伴い、水素圧が低下するのに応じて、前記水
素吸蔵合金を加熱し、水素圧0.2MPa(abs)以上を保つ[6]
に記載の水素放出方法。
[8]前記水素の放出は、40℃以上で行われる、[7]に記載の水
素放出方法。
[9]水素を燃料として発電する燃料電池と、前記燃料電池に水素を
供給する燃料タンクを備える発電システムであって、前記燃料タンク
には、[1]~[3]のいずれか一項に記載の水素吸蔵合金が充填さ
れていることを特徴とする発電システム。
[10]前記燃料電池の出力が10kW以上である、[9]に記載の
発電システム。

【発明の効果】
本発明の水素吸蔵合金、水素吸蔵方法、水素放出方法によれば、水素
圧が0.2MPa(abs)以上1.1MPa(abs)以下の圧力
範囲内にて、有効水素貯蔵量を高めることができる。
また、本発明の発電システムによれば、高出力の燃料電池を用いても、
配管圧力損失を気にせずに、わずかな加熱で運用できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一般式Ti1FexMnyNbz(0.804<x≦
0.941、0.033≦y≦0.136、0<z≦0.081)で
表される組成を有することを特徴とする水素吸蔵合金。
【請求項2】 一般式Ti1FexMnyNbz(0.822≦x≦
0.941、0.033≦y≦0.136、0.024≦z≦
0.081)で表される組成を有することを特徴とする水素吸蔵合金。
【請求項3】 前記一般式Ti1FexMnyNbzにおいて、
0.8≦x+y+z≦1.2である、請求項1または2に記載の水素
吸蔵合金。
【請求項4】 請求項1~3のいずれか一項に記載の水素吸蔵合金に、
水素圧1.1MPa(abs)未満で水素を吸蔵させることを特徴と
する水素吸蔵方法。
【請求項5】 前記水素の吸蔵は、40℃以下で行われる、請求項4
に記載の水素吸蔵方法。
【請求項6】 水素圧1.1MPa(abs)未満で水素を吸蔵した
請求項1~3のいずれか一項に記載の水素吸蔵合金から、水素圧
0.2MPa(abs)以上1.1MPa(abs)未満で水素を放
出させることを特徴とする水素放出方法。
【請求項7】 前記水素の放出に伴い、水素圧が低下するのに応じて、
前記水素吸蔵合金を加熱し、水素圧0.2MPa(abs)以上を保
つ請求項6に記載の水素放出方法。
【請求項8】 前記水素の放出は、40℃以上で行われる、請求項7
に記載の水素放出方法。
【請求項9】 水素を燃料として発電する燃料電池と、前記燃料電池
に水素を供給する燃料タンクを備える発電システムであって、前記燃
料タンクには、請求項1~3のいずれか一項に記載の水素吸蔵合金が
充填されていることを特徴とする発電システム。
【請求項10】 前記燃料電池の出力が10kW以上である、請求項
9に記載の発電システム。
--------------------------------------------------------------
※ 特開2023-32263 燃料電池発電装置 富士電機株式会社
【要約】
図1のごとく、 燃料電池21と、炭化水素系燃料を第1水素ガスに
改質する改質機器と、前記炭化水素系燃料とは異なる供給源から供給
される第2水素ガスを投入する配管24と、前記第1水素ガスを前記
燃料電池に供給するか前記第1水素ガスと前記第2水素ガスとの混合
ガスを前記燃料電池に供給するかを切り替える切り替え機構18と、
を備えることで、燃料電池の稼働率を高めることができる燃料電池発
電装置を提供する。
--------------------------------------------------------------
※ 特開2023-031449 電解質膜シートの帯状物およびその製造方法 東
  レ株式会社
※ 特開2023-028092 水素製造システム、水素製造方法 日立製作所
※ 特開2023-18241 循環型反応器を用いた無触媒の合成メタン製造技
  術 国立大学法人東海国立大学機構
※ 特許第7216232号 水素充填設備、水素提供システム及び水素提供
   方法 三菱化工機株式会社/那須電機鉄工株式会社
尚、特許番号及び件名並びに申請者のみの記入したものは後日掲載。
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  風蕭々と碧い時代



Jhon Lennone Imagine

【J-POPの系譜を探る:1971年代】

曲名:   風をあつめて  唄: はっぴいえんど 1971年
作詞: 松本 隆    作曲:   細野晴臣 

街のはずれの背のびした路地を
散歩してたら
汚点だらけの
靄ごしに起きぬけの路面電車が
海を渡るのが見えたんです
それでぼくも
風をあつめて 風をあつめて
風をあつめて
蒼空を翔けたいんです
蒼空を...
とても素敵な 昧爽どきを
通り抜けてたら
伽藍とした防波堤ごしに
緋色の帆を掲げた都市が
碇泊しているのが見えたんです
それでぼくも
風をあつめて 風をあつめて
風をあつめて
蒼空を翔けたいんです 蒼空を...

人気のない朝の珈琲屋で
暇をつぶしてたら
ひび割れた玻璃越しに
摩天楼の衣擦れが 舗
道をひたすのを見たんです
それでぼくも
風をあつめて 風をあつめて
風をあつめて
蒼空を翔けたいんです
蒼空を...

「風をあつめて」(かぜをあつめて)は、はっぴいえんどの楽曲。バ
ンドのフロントマンであった松本隆が作詞、細野晴臣が作曲を手がけ
た。1971年リリースのバンドの2枚目のスタジオ・アルバム『風街ろ
まん』で初めて音源化される。

楽曲は1970年当時、はっぴいえんどのドラマーの松本隆が作詞、海外
志向の強いリーダー格の細野晴臣とは裏腹に松本は日本語の歌詞にこ
だわり、全編が日本語で書かれた。楽曲が収録されたアルバム『風街
ろまん』は1964年東京オリンピックを経て近代化し失われてゆく「古
きよき日本・東京都の姿」を「風街」と隠喩し、古い街が失われる様
に対する憂いを反映。音楽ライターの小貫信昭はUta-Netの特集記事
で楽曲を取り上げ、歌の主人公が街を散歩するうち目に映った街の様
相を幻想的に表現。歌詞に登場する「路次」とは東京都港区の大門か
ら浜松町の周辺であると話す。ボーカルは作曲を手掛けた細野が執る。
作曲作業は難航し、完成したのは録音スタジオの廊下]。直前まで曲が
できていなかったため、鈴木と大滝の二人は呼ばずに録音]、ボーカ
ル部分はパンチイン・パンチアウトで録音。細野は後に「起きぬけ」
の箇所の音程を間違えたという。 via Wikipedia

● 今夜の寸評:(いまを一声に託す)さぁ!自信をもって進もう。

異常気象はなれたが、毎日、マイ・ピーシーが不機嫌で神経をすり減
らしながら、ネット・サーフィンしながら頭を整理整頓しながら作業
維持も臨界点にくる。「百鬼夜行」ではないが、失明にならないよう
に調節いながら、「さぁ!自信ををもって進もう」と鼓舞するも、日
本がメキシコに逆転サヨナラ。墓参りで大阪にいると、LINEのやりと
り。盛り上がり過ぎてもう"糸"がきれそうだ。


 

コメント
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九月には三山踏破

2023年02月25日 | 量子電池


彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひ
こにゃん」

賤ヶ岳/志賀➲剣山/徳島➲霧島山/宮崎・鹿児島 

 

● 技術的特異点でエンドレス・サーフィング


【再エネ革命渦論 92: アフターコロナ時代 293】



● 
ペロブスカイト/CIGSのタンデム型太陽電池設計で効率29.7%
2月22日、インドのチトカラ大学の研究グループは、セレン化銅イン
ジウム ガリウム (CIGS) に基づくタンデム型太陽電池の上部デバイ
スの性能が向上していることが示され。 この設計では、上部のセル
が電流制限セルとして機能し、開放電圧が高くなった。

【要約】
タンデム型太陽電池は、光子吸収範囲が広いため、単接合デバイスよ
りも効率が高くなる。 ワイド バンド ギャップ (Eg) 吸収体は、上部
セルの高エネルギー光子を吸収。 対照的に、比較的低いバンド ギャッ
プの吸収材料は、フィルター処理された低エネルギー光子を吸収する
ためにボトム セルで使用されます。 その結果、熱化と透過エネルギ
ー損失は、それぞれ上部サブセル (Topsc) と下部サブセル (Bottomsc)
によって影が薄くなる。 ただし、タンデム設計で最高の効率を達成す
るには、Topsc と Bottomsc のアクティブ マテリアルの選択が重要な
役割を果たします。 したがって、この提案された研究では、ペロブス
カイト (例: 1.68 eV) ベースのトップ セルとセレン化銅インジウム
ガリウム (CIGS、例: 1.1 eV) ベースのボトムセルを含むタンデム型
太陽電池が設計および分析されました。 以前に報告されたペロブス
カイト太陽電池の最先端の Me-4PACz ([4-(3,6-ジメチル-9H-カルバゾ
ール-9-イル)ブチル] ホスホン酸) 正孔輸送層 (HTL) トップセルにつ
いては文献が考慮されていますが、16.50% の効率を持つキャリブレー
ションされた CIGS ベースの Bottomsc が設計されています。 Topsc
と Bottomsc の両方が、フィルター処理されたスペクトルと電流マッ
チング技術を使用して、タンデム構成について調べられる。 ペロブス
カイト/CIGS タンデム設計では、理想的なトンネル再結合接合は Me-4
PACz と ITO 層を使用する。 Topsc では 347 nm、Bottomsc では 2.0
μm の吸収体の厚さで電流密度が一致したタンデム構成で、デバイス
は 1.92 V の開回路電圧 (VOC)、電流密度 (JSC)、および曲線因子 (
FF) を実現。20.04 mA/cm2、および 77% であり、全体の電力変換効率
(PCE) は 29.7%になります。 この研究で報告された結果は、将来の
ペロブスカイト/CIGSのモノリシック タンデム太陽電池の開発に有益
であるという。ここに耐用年数20年が累積すれば単位電気料金近似1
が実現することとなる。
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図1.衝突バッテリー充電プロトコルのスケッチ。 バッテリーは、E のステッ
プで N+1 レベルを持つ均一なエネルギー ラダーとしてモデル化されいる。
その量子状態 ρB は、共鳴交換相互作用を介して、状態 ρQ で準備された
同一のキュービットのストリームからエネルギー「電荷」を受け取る。^V を
時間 τ 適用。

量子電池渦が接近
昨年夏、量子効果によってマイクロメーザー※の充電プロセスが古典
的な充電よりも高速化できることを実証されたことはご存じだろうか。
韓民国・基礎科学研究院(IBS)の研究グループは、8月25日、マイクロ
メーザー電池の充電中に、量子的な優位性が存在することを示すこと
を確認➲電磁場の最終的な構成が純粋な状態であるこを、充電中に
使用した量子ビットの記憶がないことを示している。
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※マイクロメーザー:誘導放出によるマイクロ波増幅via Wikipedia

【要約】
同一の非平衡量子ビット ユニットによる量子電池の充電の衝突モデル
を提示する。ユニットがエネルギー固有状態の混合で準備されている
場合、バッテリーのエネルギーゲインは、平均エネルギーと分散の両
方が時間とともに直線的に増加する古典的なランダムウォーク※によ

り説明できる。 逆に、キュービットに量子コヒーレンスが含まれてい
る場合、干渉効果がバッテリー内に蓄積され、量子ランダムウォークを
連想させるエネルギー分布のより速い拡散につながります。 これは、
接地状態で初期化されたバッテリのより高速で効率的な充電に利用で
きる。具体的には、コヒーレントなプロトコルは、可能なインコヒー
レントな戦略よりも高い充電電力を生み出すことができることを示し、
単一のバッテリーのレベルでの量子スピードアップを示しています。
最後に、エルゴトロピーの概念を通じて、バッテリーから抽出可能な
仕事の量を特徴付けている。


図2.k 個の非コヒーレント (黒) およびコヒーレント (赤) キュー
ビット (q=1/4 および θ=π/4) によって充電されたサイズ N=200
のバッテリーのエネルギー分布。 すべての曲線が同じ最大値に再ス
ケーリングされます。 (a) では、バッテリーは純粋な部分充電状態
|n0=50⟩ で初期化されるが、(b) では、バッテリーはゼロ充電状態
|0⟩ で初期化される。黒と赤の点線の垂直線は、それぞれ、非コヒー
レントおよびコヒーレント キュービットの (7) によるおおよその平
均電荷とおおよそのピーク位置 (8) を示す。n<200。


図3.k キュービットを備えた N=200 のバッテリーのインコヒーレ
ント (黒) およびコヒーレント (赤) 充電のエネルギー (実線) およ
びエルゴトロピー (破線)。 ここで、(a) は q=0.25 および n0=0 の
図 2 と一致し、(b) は q=0.49 に対応します。 点線は、デフェーズ
されたバッテリー状態に関連するエルゴトロピー、つまりエネルギー
集団のみを示しています。 垂直線は理論的なケストを示す。


図4.( a )異なる k および q に対してゼロ充電状態で初期化さ
れたサイズ N = 200のバッテリーのインコヒーレントおよび( b )
コヒーレント充電効率η。 ここでは、干渉効果が最も強い θ=π/4
を考えている。 (b) の実線は、特定の q 値に対して ηを最大化す
るキュービットの数を示し、破線は (9) で推定されたkestを示す。


図5.相互作用パラメーター θmax で一連の励起量子ビット (q=0 )
を使用する、最適なインコヒーレント充電プロトコル (円) に正規化
された電力に関する量子優位性。 灰色の領域は、すべての古典的な
プロセスを制限。 実線の曲線は、q=1/2 で k→∞ コヒーレント キ
ュービットを使用した連続量子限界を表します。 四角形と三角形は
、q=0.26 と 0.38 がそれぞれ θ=θmax/2 と θmax/4 で相互作用す
る有限キュービットのコヒーレント プロトコルを表す。 選択された
q 値は、 N>k≫1 の領域で最適な電力を生成する。
--------------------------------------------------------------
※エントロピーとは、不可逆性や不規則性を含む、特殊な状態を表す
ときに用いられる概念
である。 簡単にいうと、「混沌」を意味する。
もともとは熱力学において、エントロピーという言葉は使われ始めた。
すべての熱をともなう物体は、「高い方から低い方へと流れる」とい
う方向性を持っている。

【関連技術情報】
1.超長時間充電用の量子電池プロトタイプ 2022.1.20
イタリアらの研究グループは、Lumogen-F オレンジ (LFO) として知
られる分子色素を封入するマイクロキャビティとしてプロトタイプを
設計。デバイスの充電電力は広範囲、バッテリーのサイズに応じてよ
り速く増加することを意味する。
量子電池は、量子力学の原理に基づいて動作する蓄電デバイスであり、
ユニット間の量子もつれにより充電時間が短縮されると報告されてい
る。これらのデバイスは、光エネルギーを同時に収集および保存する
ことができ、ナノスケールでのアプリケーションを対象とする。Cnr-
Ifn の研究者(Tersilia Virgili)は、これは、量子電池の充電能力
が非常に広範囲であるという興味深い考えにつながる。つまり、電池
のサイズが大きくなるにつれて急速に増加することを意味する。プロ
トタイプは、Lumogen-F オレンジ (LFO) として知られる分子染料を
取り囲むマイクロキャビティで構成。 製造された構造は、スピンコ
ーティングによって堆積され、2つの誘電体ミラーの間に配置され、
マイクロキャビティを形成するポリマーマトリックスに分散された低
質量分子半導体の薄い(アクティブな)層で構成されている。LFOを
希釈することで、発光消光につながる分子間相互作用を減らし、低濃
度で約60%という高いフォトルミネッセンス量子収率を生み出す。同
研究グループは、0.5、1、5、および 10% の濃度でサンプルを準備。
デバイスの充電とエネルギー貯蔵のダイナミクスは、超高速過渡吸収
分光法によって評価する。この結果は、マイクロキャビティ内の分子
の数が増加するにつれて、充電電力密度が著しく増加することを示し
ているとコメントしている。また、たとえ後者が同時に充電されたと
しても、N個の分子を含む単一のマイクロキャビティを充電するのにか
かる時間は、N個の単一分子のマイクロキャビティを充電するよりも
短いことを意味しループが超広範であるこれらの特性は、研究で提示
された理論的モデリングによってサポートされている.ユニットが重
ね合わせて存在できるように量子電池を構築することにより、システ
ム全体が集合的に動作。量子コヒーレンスとして知られるこの動作に
より、ユニットは協調的に動作し、分子ユニットの数に依存する超高
速電荷が発生する。デバイスのエネルギー保持能力は、デコヒーレン
ス プロセスを通じて測定する必要があり、これにより、バッテリー
を急速に充電し、よりゆっくりと放電できるようになる この蓄えら
れたエネルギーの安定化は、超長時間充電を活用するための重要なス
テップであると結論づけ、バッテリーは低照度条件での光学センサー
として、または潜在的にエネルギーハーベスティングアプリケーショ
ンに使用できることに注目。より一般的に言えば、超広範囲の充電の
アイデアは、センシングやエネルギーの捕捉および貯蔵技術に広範な
影響を与える可能性があると結論付けている。

Title:Superabsorption in an organic microcavity: Toward a quantum battery
Science Advances 14 Jan 2022 Vol 8, Issue 2 DOI: 10.1126/sciadv.abk3160


図1. LFO マイクロキャビティと実験装置の概略図
(A) 分布ブラッグ反射器 (DBR) 間のポリスチレン (PS) マトリック
スに分散した Lumogen-F オレンジ (LFO) からなるマイクロキャビテ
ィ。 (B) 正規化された吸収 (赤) および光ルミネセンス (青) スペ
クトル 1% 濃度 LFO フィルム、挿入図に示されている分子構造。吸
収/フォトルミネッセンスのピーク付近で動作する。 (C) 1% キャビ
ティの角度依存反射率。青色の破線で示されたキャビティ モードに
適合する。(D) レーザー ポンプ パルスは、LFO 分子を励起。 次に
、分子のエネルギー論は、時間 t だけ遅延したプローブパルスで測定
され、そこからピークエネルギー密度 (Emax)、立ち上がり時間(τ)、
およびピーク充電電力 (Pmax) を確認できる。 (E) 超高速過渡反射
率測定のための実験セットアップ。 ノンコリニア光パラメトリック
増幅器 (NOPA) の出力が分割されて、ポンプ (濃い緑色) とプローブ
(薄緑色) パルスが生成されます。 機械式チョッパーを使用してポン
プ パルスを変調し、ポンププローブとプローブのみのパルスを交互
に生成。
2.WO2022169261 MATERIALS HAVING QUANTUM ENERGY GEN-
ERATION COIL PRINTED ON OR;量子エネルギー発生コイルが表面に
印刷または付着された材料、および材料によって分割された特定の空間で
量子エネルギーを放出する量子エネルギー発生器
【要約】
第1の材料(紙)、第2の材料(PVCなどの非導電性材料)、第3の材料(銅(
Cu)などの導電性金属)、第4の材料(合板などの木材)からいずれか1つ
の材料が選択される 、第五の素材(コンクリート壁などの無機素材)、第六
の素材(繊維素材)、第七の素材(ガラスなど)、第八の素材(ポリイミドなど
の透明な軟質素材)のいずれかがコイル状に成形されたもの ソレノイドコ
イル、トロイドコイル、カスプコイル、ヘルムホルツコイル、勾配サドルコイル、
均一サドルコイル、トロイドコイル、トリガーコイル、ジグザグコイル(縦、横)、
伸縮コイルの形状から コイル、モーターステーター形状のコイル、フラットコ
イル、RFコイル、トロイダルコイル、テスラコイル、メビウスコイル、カドゥケ
ウスコイル、ロゴスキーコイル、及びそれらを組み合わせた形状を選択的
に取り付ける。 材料表面に、フレキソ印刷、スクリーン印刷、オフセット印
刷、グラビア印刷、インクジェット印刷、乾式印刷のいずれかの印刷方法を
選択し、導電インクで任意の形状に印刷し、 ソレノイドコイル、トロイドコイル、
カスプコイル、ヘルムホルツコイル、勾配サドルコイル、均一サドルコイル、
トロイドコイル、トリガーコイル、ジグザグコイル(縦、横 )、伸縮可能なコイル
、モーターステーター用に成形されたコイル、フラットコイル、RFコイル、トロ
イダルコイル、およびそれらの組み合わせ形状を乾燥させ、それにより、選
択された材料表面上に量子エネルギー発生コイルを形成する。 銅(Cu)な
どの導電性金属を選択された量子エネルギー発生コイルの形状に加工し
て、選択された材料表面に取り付けます。 選択された面の表面に接着剤を
塗布し、量子エネルギー発生コイルの形状の中から選択された形状にコー
ティングされた導電性金属材料の電線を用いて、量子エネルギー発生コイ
ルの形状に巻き付ける。 ; そして、選択された材料表面上に、選択された量
子エネルギー発生コイルの形状を有するように製造されたエレクトロルミネ
ッセンスデバイスを取り付ける。量子エネルギー発生器は、第1の電力供給
者、第2の電力供給者、第3の電力供給者、第4の電力供給者、第5の電力
供給者、 第六の電源装置、およびバッテリー。 密閉ガラス管を有する制動
放射型発電機(400A)、陽極、陽極用電源、第1陰極、第1陰極に高電圧
を印加する高圧電源、第2陰極、電源、 第2のカソード、および量子エネル
ギー放出層のため。 第2の量子エネルギー発生器(400B)は、密封された
ガラス管、アノード、アノード、ゲート電極、第1のカソード、X線ターゲットプ
レート、第2のカソード、量子エネルギー放出層、アノード、第1のカソードを
有する。 第1カソード用の電源、ゲート電極に電力を供給する第2電源、お
よび第2カソード用の第3電源である。 製造された量子エネルギー発生コイ
ルに、特定空間内の2面または4面または6面に設けられた量子エネルギ
ー発生器が、電力供給器から発生した電力をその複数の量子エネルギー
として供給する場合、パルス型、 それぞれの量子エネルギー発生コイルに
逆巻き方向に電場が発生し、空間中心で逆パルス状の電場が重なり合っ
て消滅することでゼロ磁場状態で量子エネルギーが発生し、量子エネルギ
ーが放出される 除去する空間では、走行モードに応じて、空間に設置され
た電気機器/電子機器から発生する電磁波を除去し、空間内の有害な細菌
を殺菌することで、健康を増進できる電磁場が生成され、体自体の磁場に
共鳴して健康を増進する量子エネルギーが放出される。

 完全機能・高性能パターン電池の3Dプリントに成功 Ⅱ
【関連技術情報】
1.US2022234284A1 3D PRINTER WITH PRESSURE-ASSISTED FLUID
EXTRACTION;
圧力補助流体を使用した 3D プリンタ抽出
【要約】基板と、液体ビヒクル中の微粒子材料の懸濁液を含む分散液
を堆積するように構成された液体堆積装置とを含み、液体ビヒクルは
溶媒を含むが結合剤を含まない、三次元(3D)プリンタおよび方法
が提供される。材料と、基板上にパターン化されていない層を形成す
るための基板と、パターン化されていない層から液体ビヒクルから溶
媒の少なくとも一部を除去して、パターン化されていない乾燥層を形
成するように構成された溶媒除去デバイスと、液体結合剤を乾燥した
非パターン化層上に堆積させて、乾燥した非パターン化層上に印刷パ
ターンを形成するように構成された液体結合剤印刷ヘッド。
2.KR20210152049 (A) 3 3 THREE-DIMENSIONAL ADDITIVE MANUFACTU
RING SYSTEM AND A METHOD OF MANUFACTURING A THREE-DIMENSIONAL
OBJEC;3 3 三次元付加製造システムおよび三次元物体の製造方         
【要約】スタッキング速度を最大化するための三次元(3D)スタッ
キング製造システムが開示される。 本発明によれば、第1および第2
のプリンタモジュールは、それぞれ第1および第2のキャリア基板上
に一連の第1のパターン化単層物体および第2のパターン化単層物体
を形成する。 パターン化された単層オブジェクトは、アセンブリ ス
テーションのアセンブリ プレート上で 3D オブジェクトに組み立てら
れます。 コントローラーは、プリンターモジュールで形成されたパタ
ーン化単層オブジェクトのシーケンスとパターン、およびアセンブリ
ープレート上の第 1 パターン化単層オブジェクトと第 2 パターン化
単層オブジェクトの 3D オブジェクトへのアセンブリーのシーケンス
を制御します。 第1の転送モジュールは、第1の転送ゾーンで第1の
パターン化単層物体を第1のキャリア基板からアセンブリ装置に転送し、
第2の転送モジュールは、第2の転送ゾーンで第2のパターン化単層
物体を第2のキャリア基板からアセンブリ装置に転送する。 
 
3.US2021379820 (A1) JETTED MATERIAL PRINTER WITH PRESSURE
-ASSISTED FLUID EXTRACTION ; 
圧力支援流体抽出を備えたジェッ
ト材料プリンタ
【要約】3 次元 (3D) インクジェット プリンタは、一連の層を印刷し
れらを積み重ねてオブジェクトを形成することにより、オブジェクト
を構築するように構成されています。 印刷を高速化するために、圧力
差を使用してインクから液体ビヒクルを抽出し、インクジェット プリ
ント ヘッドが次の層を印刷できるように、印刷された層を乾燥前にイ
ンクジェット プリント ヘッドから遠ざけることによって、各層の乾
燥を加速する。 乾燥した印刷層は、コンディショニングおよび/また
は硬化することもできる。 乾燥した印刷層はビルド ステーションで
積み重ねられ、完成したオブジェクトが組み立てられます。 
4.EP3890945 (A1)  ELECTROPHOTOGRAPHIC MULTI-MATERIAL 3D
PRINTER ;
 電子写真マルチマテリアル3Dプリンタ
【要約】マルチマテリアルEP印刷技術を採用する少なくとも1つの
電子写真(EP)印刷モジュールを含む、電子写真3次元プリンタシ
ステム。 プリンタシステムはまた、粉末床および噴射バインダ技術な
どの異なるパターニングおよび堆積技術を採用する1つまたは複数の
追加のプリンタモジュールを含むことができる。 EP印刷モジュール
は、摩擦電気材料で処理されたエンジニアリング材料を含むことがで
きる複合トナー材料から得られる3Dオブジェクトを作成するために
使用することができる。 複合トナー材料は、印刷後処理を受けるよう
に設計することができ、摩擦電気材料をエンジニアリング材料から分
離することができ、エンジニアリング材料を変化させることができる。

✔ 今夜は、「量子電池」「全固体蓄電池」に関する最新技術を考察。
前者は一知半解であり、再度考察する。「完全クローズド太陽光シス
テム事業整備」の「ゼロ・カーボン社会実現」に向け、「耐用年数20
年」「再エネ料金1円/kWh漸近」の実現スケジュールを考えること
にあるが、「太陽光による有機化合物合成」についての考察は後日掲
載。ところで、「量子電池」に関する事業渦は広範であり、即効性は
ないと判断、「ワイヤレス情報送受信技術」分野における、
「ワイヤレス電力送受電技術」(未熟分野)の「シームレス化(①ダ
ウンサイジング、②シームレス、③デフレーション、④イレイジング、
⑤エクスパンション)事業」の創生を準備できないかとと考えている
ので後日、掲載する。
--------------------------------------------------------------
【最後の読書録 Ⅷ】



新・国債の真実―99%の日本人がわかっていない
目次
はじめに
1章 まず「これ」を知らなくては始まらない―そもそも「国債」っ 
  て何だろう?(企業は金を借りて運営する、国も同じ;政府は予算 
  を立て、「足りない額の国債」を発行する ほか)
2章 世にはびこる国債のエセ知識―その思い込い込みが危ない(何
  の知識もなく語っている人が多すぎる;「倹約をよしとする」と「
  借金は悪」となる ほか)
3章 国債から見えてくる日本経済「本当の姿」―「バカな経済論」
 に惑わされないために(なぜ財務省は「財政破綻する」と騒いでい
 るのか?;財務省ロジックに乗っかる人々もいる ほか)
4章 知っているようで知らない「国債」と「税」の話―結局、何を
 どうすれば経済は上向くのか(経済を「道徳」で考えると、大きく
 見誤る;政府がお金を使うということは、国内にお金を巡らせるこ 
 と ほか)
第5章 「国債」がわかれば「投資」もわかる銀行に預けるくらいな
ら国債を買え(金利下では、国債が最強の金融商品 ほか)
--------------------------------------------------------------
国情を買うとはどういうことか
 高齢者だと「国債をもっている」という話はよく聞くが、それより
下の世代になると、国債を買ったことがある人の割合はガクンと下が
るらしい。
 私からすれば、低い金利の定期預金があるのに、より高い金利の国
債は買っていないなんて驚きだが、たしかに誰も国債購入をすすめて
くれないなかでは、仕方ないのかもしれない。
 そもそも情報がなくては、選択肢に入りようもない。
 いっておくが、今、銀行などの定期預金に入っているのなら、途中
で解約するのは損になる場合もある。本書を読んで国債を買ってみよ
うと思ったのなら、定期預金の満期がきたときにすべて解約し、国債
に回すといい。これは妥当な投資判断といえる。
そうはいっても、初めてでは何をどうしていいのか、わからないだろ
う。
 ここで、国債を買うとはどういうことなのか、手続きや仕組みにつ
いて、ざっと説明しておこう。
  どこで買う?
 都市銀行から地方銀行、信用金庫、証券会社まで、民間金融機関で
あれば、基本的にどこでも買える。販売手数料はかからないから、た
とえば「1万円の国債が欲しい」といえば、きっちり1万円を払うだ
けでいい。それ以降、年に2回、利子が支払われる。
前に説明したように、国債に入札できる金融機関は240あまりもあ
る。その240の金融機関は、つねに国債をもっているわけだから、
そのうちどこからも買えるということだ。
 初めて買うのなら、銀行や信用金庫で買うことをおすすめする。証
券会社は、すぐに国債以外の商品へと誘導しにかかってくると予想さ
れるが、銀行や信用金庫なら、一部では例外もあるが、強烈な勧誘は
しないだろう。ただ、銀行や信用金庫で買う場合は、国債用の口座を
開く必要がある。金融機関によっては、口座手数料がかかる場合もあ
るから、よく調べることだ。
 おまけに銀行は(証券会社もそうだが)、個人の国債購入を仲介し
ても得にならないから、不親切に対応される可能性もある。そこを突
破できれば、あとは簡単だ。ついでにネットバンキングも一緒に申し
込めば、いっそう手軽に国債を買えるようになる。
 あるいは、鋼の意志で「国債しか買いません。投資信託なんていり
ません」といいつづけられる自信があるのなら、証券会社で国債を買
うのも手だ。口座開設など最初の手続き自体は、銀行より素早いよう
である。

 途中で換金できできる?
 「償還」「満期」というと、その期間中は絶対に換金できないイメ
ージをもつかもしれないが、そんなことはない。
「個人向け国債」には、政府が額面金額(つまり買ったときに払った
金額と同じ金額)で買い取ってくれる制度が設けられている。発行後
1年が経てば、いつでも換金できる。
 ただし、国債の換金には、一つ注意がある。「中途換金調整額」と
して、直前の2回分(つまり1年分)の税引前利子相当額にO・8程
度をかけた額が、元本から引かれるのだ。要するに「ペナルティ」が
ついてしまうのである。だから、買って1年後に換金すると、調整額
の分だけ損をしてしまう。
 また2年目以降も、当然のことだが、長く持っておくほど、多くの
利払いを受け取ることになって、得が増えていく。元本は、換金した
とたんに「ただのお金(現金)」になるが、換金しないうちは、「お
金(利子)を生むお金」でありつづける。
 どうしても現金が必要になった場合は仕方ないが、国債を「投資」
として考えれば、できるだけ満期までもっておきたい。

 利子はどこでどう受け取る?
 国債の利子は政府から支払われるが、手続きは銀行が代行している。
今は電子化されているから、国偵用の口座に振り込まれるだけだ。
 ちなみに昔は、「国債証書」が紙で発行されていた。ネットで画像
検索をすれば、戦時中に発行されていた国債など、いくらでも現物の
写真が出てくる。国債証書は、表彰状くらいの大きさの紙に、利率と
額面価格が書かれており、その下には「利札」が何枚も印刷されてい
る。利払いの日には、この利札を1枚だけ切り淑って銀行に持って行
き、利子と交換していたのだ。
 たとえば10年債なら、10年経つと利札はすべてなくなり、利率と額
面価格が記された紙面だけが残る。これを最後に銀行に持っていくと
元本が償還されるというわけだ。
 ただ、「国債証書」には持ち主の名前が記載されていなかった。
 今は電子化されているから心配ないが、昔は、国債証書を盗まれる
ことは、現金を盗まれるのと同じだった。換金される前に泥棒を捕ま
えない限り、泣き寝入りするしかなかったのである。
                         この項つづく 
風蕭々と碧い時代


Jhon Lennon Imaginen



ジェイムズ・コットン、ビリー・ブランチ、チャーリー・マッスルホ
ワイト、シュガー・レイ・ノーシア
『Superharps』(Telarc)  1999年

それぞれがブルース・ハーモニカの代表的なプレイヤーであるコット
ン、ブランチ、マッスルホワイト、ノーシアの4人が手を組み、すば
らしい相乗効果を生んでいる『Superharps』。11のオリジナル曲はど
れも、肩の力が抜けた楽しげな演奏に仕上がるコットン作でノリが良
くエンジン全開の「The Hucklebuck」,
ノーシア作のムードたっぷりな
バラード「Life Will Be Better」、アルバムを締めくくるスローなブル
ース・ナンバー「Harp To Harp」など多様な楽曲が聴ける。そのサウ
ンドはまさにミシシッピ・デルタで生まれたが、レコーディングはメ
イン州ポートランドで行われている。

コメント
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セブンスピアズ

2012年01月03日 | 量子電池

 


【次世代住宅時代の幕開け】



一般住宅の耐震、外断熱、自家発電、防犯、防火、バリアフリーなどの高機能複
合化、つまりは“スマート”という言葉で括られる次世代型住宅が各メーカら販
売されてきている。その一つが複合材構造を使った耐震・断熱工法(“テクノス
トラクチャー”パナソニック)であり、外断熱・気密構造の住宅(ミサワホーム)
であり、エネルギー+無線通信+電気自動車と繋げ未来を繋げるスマート住宅(
トヨタホーム、セキスイハウス)などだ。ここで、外断熱( External wall in-
sulation)は、建物の断熱層の位置あるいはその工法をいう。主にコンクリート
構造物など熱容量の大きい建物の外側に、断熱層を設け、建物を外気から断熱し
て、建物の蓄熱(冷却)を保持する方式だ(→逆に外周の鉄筋コンクリート躯体の
内側で断熱する工法を内断熱という)。特に、パナソニックの木と鉄の「複合梁」
の断熱と強度を考慮した設計に注目したわけだが実に面白い。後は行政や自治体
などの共同体的側面ということになると考えている。いやはや面白い時代に立ち
会えていることは確かだ。

  エコホームズ社 外断熱工法概説図


特開2010-7269

 

ランジ 13 下フランジ 2 木質帯板 3 断熱板 4 合成樹脂フィルム
【符号の説明】A 木質複合H形鋼 B 断熱部材 1 H形鋼 11 ウエブ 12 上フ

  特開2011-6915

【符号の説明】1,1':板状木質部材 2,2':角柱状木質部材 3,3',
3":断熱材 4:柱 5:間柱 6:下地材 7:通気層 8:外装材 9:
水平材 10:防風材 11:保持材 A:中間部材 20:胴縁

 

【セブンスピアズ】

 天正11年(1583年)正月、伊勢の滝川一益が挙兵し、関盛信・一政父子が不在
の隙に亀山城などを調略、長島城で秀吉を迎え撃った。秀吉は国府城を4月11日
に落とし、長島城を攻撃するも抵抗頑強により一益らは持ちこたえる。越前・北
ノ庄城にあった柴田勝家、ついに、残雪をかきわけつつ近江に向けて出陣し6月6
日、織田信孝が一益と結び再挙兵、岐阜城下へ進出した。秀吉の軍勢の多くが近
江から離れたのを好機と見た勝家は6月9日、盛政に直ちに大岩山砦を攻撃。大岩
山砦を守っていた中川清秀は耐え切れず陥落、中川は討死、さらに岩崎山に陣取
っていた高山右近を攻撃、右近も支えきれずに退却し、木ノ本の羽柴秀長の陣所
に逃げるが、丹羽長秀が海津への上陸を敢行した事で戦局は一変。桑山重晴の軍
勢が合流し、賤ヶ岳周辺の盛政の軍勢を撃破し間一髪の所で賤ヶ岳砦の確保に成
功する。

大垣城にいた秀吉は大岩山砦等の陣所の落城を知り、直ちに軍を返し両軍は激戦
となる。ところがこの最中、茂山に布陣していた柴田側の前田利家の軍勢が突如
戦線離脱したため柴田側の不破勝光・金森長近の軍勢も退却、佐久間盛政の軍を
撃破した秀吉の軍勢は柴田勝家本隊に殺到、多勢に無勢の状況を支えきれず勝家
の軍勢は総崩れし勝家は敗走する。

なお、秀吉方で功名をあげた兵のうち福島正則、加藤清正、加藤嘉明、脇坂安治、
平野長泰、糟屋武則、片桐且元らは賤ヶ岳の七本槍と呼ばれる。実際に感状を得、
数千石の禄を得たのは桜井佐吉、石川兵助一光も同様である。7人と言うのは語
呂合わせで、一番手柄も大谷吉継、石田三成らの先駆衆と呼ばれる武士達に与え
られている。

合戦の武勇伝として語られる七本槍。これ以外にも、日本槍柱七本とか、小豆坂
七本槍などあるが、賤ヶ岳七本槍以前にも、この近江には姉川の七本槍というも
のもある(「七本槍」)。これは浅井・朝倉軍と織田・徳川軍の間で大規模な戦
闘が展開され、多数の死者が出たという激戦で、地元では「三田村合戦」「野村
合戦」と呼ばれていたものが、徳川時代になってから「姉川合戦」と変えられて
いるが「姉川合戦」の2ヶ月後、浅井・朝倉軍は大津まで遠征し「志賀の陣」を
戦っていることなどからこの戦いは小競り合い程度だったととの見方もある。と
ころで、徳川軍の先陣を切った酒井隊に続いて、小笠原隊が姉川を渡り、朝倉軍
へと突入。その中で渡辺金大夫が合戦も終った夜、信長は金大夫を呼び寄せ、褒
美を手渡たすが、その他の六名の門奈左近右衛門・伊達与兵衛・伏木久内・中山
是非之助・吉原又兵衛・林平六が抗議し、結局、信長は後日この六人にも褒美を
出したといわれこれが先行し広まったとの説がある。

このように七本槍伝説はこの地方から広まったことには違いがないが、長浜は木
之本町の冨田酒造の『七本槍』、特に山田錦40%の袋吊り斗瓶取り(→タンクの
両端に棒を渡し、モロミの入った酒袋をその棒に括りつけて、酒袋から滴り落ち
る雫だけを18リットル瓶に集める手間隙の掛かる方法)大吟醸はメロンの芳香が
あり日本酒の会一押しだという(飲んだ経験なし)。

 

 

【イタリア版食いしん坊万歳:仔牛とホウレンソウのカンネローニ】

 Cannelloni con vitello e spinaci

具材:小麦粉450g、卵6個、仔牛の肉300g、ホウレンソウまたはフダンソウ400g、
ハム150g、牛乳1/2㍑、
バター100g、塩、コショウ、ナッツメッグ、パルメザン
かパダノのおろしチーズ

作り方:仔牛の肉はローストにした残りを使える。または小さく切って大さじ一
杯のバターで炒めて焼き色をつけ、みじんに刻んでおく。ホウレンソウまたはフ
ダンソウも少量の水でゆでて、水気を絞り、みじん切りにする。ハムを細かく切
ってこれら全部を一緒にボールに入れ、卵2個、パルメザンかパダノのおろしチ
ーズ大さじ3杯、ナッツメッグひとつまみ、塩、コショウを加えて,それぞれの
材料がなじむまでかき混ぜ、詰物を作る。



小麦粉と卵4個と塩ひとつまみで卵入り手打ちパスタの練り粉を作る。それを薄
い板状にのばし、10~20cm 四方の四角に切る。できたものを一枚ずつつ、
軽く
塩を入れてたっぶりの水を注いで沸騰させた熱湯に通す。湯の表面にパスタが浮
上してきたら、引き上げてすぐに冷水につけ、布巾の上にのせて水気を切る。次
にベシャメルソースを作る準備する。小さな鍋にバター50gを溶かし、小麦粉50g
を炒める。牛乳を少しずつ加え、塩をひとつまみ入れる。

 四角いパスタの中央に詰物を筒状に絞り,巻いてカンネローニの形にする。バ
ターをよく塗ったグラタン皿にカンネローニを二段重ねにして並べ、その上にバ
ターの小片をおき、パルメザンかパダノのおろしチーズ、ミートソースをかけ、
最上段にベシャメルソースをかけて、熱したオーブンに入れて焼く。

 カンネローニは当然のことながら中に入れるものにより、他にも数えきれない
ほどの調理法が展開する。ここではそのうちの主なものをあげるのにとどめるが、
中身の取り合わせは自由であり、分量に関してもまた自由である。これど、

Libertà milioni di anni!
Viva l'Italia!

と、言うわけで今晩はイタリア風パスタ巻き料理のとっておきをご紹介いたしました。

部屋中ジャスミンの香りがしている。花芽が次々と成長し、もうすぐすると強
烈な香りに包まれそうだ。そのときには匂いに馴れてしまうか閉口して部屋を開
放するか、居間に移すか贅沢な選択に悩みそうである。ひちほんやりやろっぽん
やりでもかまわないけれど、後世のことは別に、大切なことは「半歩踏み出す」
ことやということに間違いないというこっちゃ。 

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