極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

沸騰の桜前線異常あり

2024年03月31日 | 環境リスク本位制
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から
救ったと伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤

備え(戦国時代の軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部
隊編のこと)と兜(かぶと)を合体させて生まれたキラクタ「ひ
こにゃん」。 


          はじめての春の歌会みな爆笑 


(出典)経済産業省資源エネルギー庁
「日本の再エネ拡大の切り札、 ぺ口ブスカイト太陽電池とは?」
(産業技術総合研究所) 以下、via 環境ビジネス2024.SP  


薄膜太陽電池は自家消費向き
発電事業は従来型ソーラーパネル

極薄、軽量で柔らかく、曲げたり半透明にしたりできる。製造は
コストを低く抑えて短時間に量産できる。薄膜(有機、ペロブス
カイト)太陽電池は、再エネによる地産地消社会の実現、再エネ
需要の多様性への柔軟な対応等の課題解決に期待が集まる。電力
消費の多い都市部で発電いよいよ薄膜(ペロブスカイト)太陽電
池がその実力を発揮し始める。従来の平置き太陽電池では実現で
きなかった場面での太陽光発電の実装が始まる。有機薄膜太陽電
池、ペロブスカイト太陽電池は、極薄、軽量で柔軟、曲げたり
半透明にしたりできる。製造は基板に塗るだけなので、製造コス
トを低く抑えて短時間に量産できる。これらの特長から、生産者
だけでなく二次加工者、そして導入顧客のメリット、ベネフイッ
トは計り知れない。


「Gフ広島サミット2023」会場にて展示された
フィルム型ペロブスカイト太陽電池
(出典)積水化学工業株式会社


 
国土交通省の統計資料から推算すると薄膜太陽電池の設置可能性
は従来の無機系太陽電池に比べ、数倍に広がると見積もられてい
る。また、電力消費の多い都市部で発電できるため、大規模な再
エネ発電所や原子力、水力発電所のある、遠隔地からの送電の必
要性がなく、送電ロスや災害リスクなどが少ない。加えて、主に
経済活動が活発な昼間に発電するので、昼間電力のピークカット
効果もあり、単純な発電量増分の効果だけでなく、それ以上のエ
ネルギー市場への波及効果が望める

2030年100GW超が太陽光発電の宿命 
 
 
 

2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、太陽光の導入拡大
は必要 不可欠である。エネルギーミックス改定では、2030年度の
温室効果ガス46%削減に向けて、再エネ電力の電源構成を36~38
%(合計3,360~3,530億kWh程度)としている。再エネの主力電源
化に向けて、太陽光発電がけん引役として位置づけられており、
エネルギー基本計画における2030年度の電源構成をみると、太陽
光発電の割合は再エネのなかで最大であり、2021年度からの増加 
幅も他の再エネより大きい。野心的な目標として2030年度には 
14~16%程度、104~118GW、1290~1460億kWh導入を目指さなけれ 

ばならない(2020年度の実績は7.9%、61.6GW、791億kWh)。
2022年末の時点で太陽光発電の累積導大量が約85GWに達しており、
 

国は今後の導入見込みとして、用地確保の地上設置を年平均3~  
4GW程度を前提とし、屋根設置は年平均3GW程度の導入を掲げて 
いる。しかし現状は、立地制約の克服が鍵となっている。日本は 
既に平地面積あたりの導大量は主要国で1位であり、地域と共生 
しながら安価に事業が実施できる大規模な太陽光発 電所の適地は、 
ほとんど見当たらない。国が掲げた太陽光発電の導入拡大に向け  
た取り組みは、公共施設への率先実行に加え、空港、鉄道、軌道  
への施設、農地も営農型として太陽光を併設させるといった、苦  
渋策で構成されていた。世界市場で戦える技術力図らずも登場し  
たのがペロブスカイト太陽電池ということになる。 
国は、既存の技術では設置できなかった場所(耐荷重の小さい工
場の屋根、ビル壁面等)にも導入を進めるため、軽量・柔軟等の
特徴を兼ね備え、性能面(変換効率や耐久性等)でも既存電池に
匹敵する次世代型太陽電池の開発に期待を寄せている。

現状、次世代型太陽電池の研究開発は、世界各国の研究機関等で
<しのぎを削っている状況であるが、我が国は次世代型太陽電池
について世界でもトップクラスの技術力を有し、現在もトップ集
団太陽電池だけではない。風力発電においても、国際競争力を低
下させ、市場撤退してしまっている。これらの経験を踏まえた対
応できるのか、国の対策が問われる。


都市で太陽光発電が始まる
 
 
東京都は「ゼロエミッション東京」の実現に向けた2030年目標と
して、温室効果ガスの排出量50%削減、化石エネルギー消費量の
50%削減、再エネ電力の利用割合50%、太陽光発電200万kW以上等
を掲げている。
大都市東京がこの目標を達成するためには、再エネ電力の消費だ

けでな<、再エネ電力の供給、自給の強化策を打ち出し、実施す
ること抜きに語れない。
そこで期待されるのが薄膜太陽電池の存在だ。平置き中心であっ

た従来の太陽電池に比べ、開発が進む薄膜太陽電池は、その形状
特性から透明等の意匠性や設置容易性などの特長を活かして、ビ
ル等の建造物への適用に向いている 都市部のビルは、大型、高
層化が進み、建物の省エネや災害時に
おける機能維持に関する要求は一層高まっている。快適性を損な
わずに消費エネルギーを削減し、その上で必要なエネルギーを太
陽光による再エネ電力で賄うことができれば、大規模停電の災害
リスクを軽減できるだけでなく、さらなる省エネを推進、実現で

きる。そのために、平置き太陽電池の設置に限りのあった都市ビ

ルの自立再エネ発電を可能にする、薄膜太陽電池の登場は、願っ
てもない好機である。都市の大型高層ビルが電力自給、自家消費
機能を持つためには、都市の多様なニーズに対応する、特化した
新タイプの薄膜太陽電池の開発と柔軟な導入アイデアが求められ
る;再エネの地産地消社会が実現する大都市圈の電力供給を火力
に頼らない再エネ電力化するメリットはほかもある。これまで再
エ<ネ電力は、遠隔地で発電し送電するしかなかった。島国である
我が国は、100%自給が宿命であるが、国土面積が狭く再エネに適
したエリアは限られており、そのほとんどを開発しつくしている。
しかも発電した再エネ電力の送電は、送電容量に限りがある既存
の系統遠系に集中せざるを得ない。加えて、様々な自然災害に対
し脆弱な送電網は、電力の安定、安心供給に大きなリスクを背負
っている。省エネ、再エネの地産地消社会の実現のために、従来

の系統遠系電源だ けでなく、再エネ電力需要の多様性への軟な
対応力、災害、ピークカット、地区(場所)単位の自家消費等課

 題解決に薄膜太陽電池の役割は多い。

開発はニッチ二ーズヘの対応
特殊性を追求する日本メーカー 国は、日本発のペロブスカイト

太陽電池であることから、諸外国 に先駆け量産技術の確立、生
産体制の整備、需要の創出に期待を寄せている。しかし、国内企
業は自社事業優先の戦略に沿って、 固有の技術開発を進める薄
膜(有機、ペロブスカイト)太陽電池の新市場創出 日本は世界最
高水準に位置し大型化や耐久性の分野でリード激化している状況
にあるが、日本は世界最高水準に位置し、特に製品化のカギとな
る大型化や耐久性の分野でリードしている。こうしたことから、
グリーンイノベーション基金において、「次世代型太陽電池の開
発プロジェクト」(498億円)を立ち上げ、2030年の社会実装を目指
している( 目標:2030年度までに一定条件下での発電コスト14円/
kWh以下)。 ペロブスカイト太陽電池の主要原料のヨウ素は、日
本が世界生産の30%を占めるなど、各原材料の国内調達が可能で
あり、特定国からの原料供給状況に左右されない強靭なエネルギ
ー供給構造の実現につながる。加えて、太陽光発電市場は、世界
的にも、導入量が毎年右肩上がりで増加(2021年:176GW、2022年:
234GW)しており、世界的な市場の獲得も期待さを逃した苦い経験
がある。
国は、日本発のペロブスカイト太陽電池であることから、中国や

欧州など諸外国でも研究開発競争が激化している状況にあるが、
投資の「規模」 と「スピード」でも競争し、諸外国に先駆け、
早期の社会実装を進め、 量産技術の確立、制体制の整備、需要の
創出に期待を寄せている。 



図 厚さ0.003mmの有機太陽電池> 2022年3月28日
未来を変える次世代の太陽電池 出所:理化学研究所


開発競争にしのぎを削る国内メーカー       
例えば、積水化学工業は、現在、30cm幅のペロブスカイト太陽電
池のロールtoロールでの連続生産が可能となっており、耐久性10
年相当、発電効率15%の製造に成功している。今後、1m幅での量
産化技術を確立させ、 2025年の事業化を目指している。すでに建
物壁面への実装工事も行われるなど、実証の取組も進捗が見られ
ており、昨年末には、世界初となる1MW超の建物壁面への導入
計画が公表された。
東芝では、独自のメニスカス塗布法を応用して作製したフィルム

型の同電池(面積703cm)において、大面積のものとしては世界最
高のエネルギー変換効率(16.6%)を記録した。塗布法を用いるこ
とで、エネルギー変換効率の向上と生産プロセスの高速化を両立
することが可能になり、現在、高効率かつ低コストなフィルム型
の同電池の実用化に向けて開発を<進めている。

カネカは、ポリイミドを基板に用い、薄膜シリコン太陽電池の量
産技術&発を通じてフィルム型ペロブスカイト太陽電池における
世界最高水準である20%に迫る変換効率を実現した。 

トヨタもペロブスカイト開発に出資
京都大学化学研究所の研究成果を基に2018年に設立されたスター

トアップ企業エネコートテクノロジーズは、2023年4月時点でモジ
ュール変換効率19.4%なフィルム型ペロブスカイト太陽電池の開
発に成功している。次世代技術として期待の高い車載用ペロブス
カイト太陽電池の実用化を目指して、トヨタ自動車と共同で取り
組むことにも合意し、開発を開始した
トヨタは「トヨタ環境チャレンジ2050」の実現に向けた様々な取り

組みの中で、省エネルギーやエネルギー多様化の観点からカーボ
ンフリー電力の自給自足を目指し、結晶シリコンセルを用いた車
載太陽光発電システムの実用化を進めており、さらなる発電効率
向上や低コスト化を目指している。
パナソニックでは、ガラス建材一体型ペロブスカイト太陽電池の

開発を進めている。まち・くらしに調和する「発電するガラス」
と位置づけ、実用サイズのモジュールとして世界最高レベルの発
電効率17.9%を達成している。


シャープが取り組むペロブスカイト太陽電池は、タンデム型で30

%以上の変換効率を実現できる水準に達し、大面積化した用途に
向けたタイプについては、変換効率を20%程度には高めておきた
いとしている。大面積化を志向した用途に向けては、880mmx660mm

のガラス基板に形成したセル(発電素子)を昨年末に公開している。

理化学研究所は超薄型・超柔軟・耐水を開発
理化学研究所では、水中でも駆動可能な耐水性と超柔軟性を備え
た超薄型有機太陽電池の開発が進んでいる。作製された厚さ3μm(
0.003mm)の超薄型有機太陽電池は、水に4時間浸漬した後もエネ
ルギー変換効率の保持率が89%であり、水中で30%の圧縮歪(ひ
ず)みと復元を繰り返す機械的な変形を300回加えた後も、エネル
ギー変換効率の保持率が96%という商い安定性を示す。さらに、
水中で浸漬した状態で60分以上の連続駆動を達成している。通常
の太陽電池は、光が斜めに入ると発電効率が低下するが、折り曲
げ可能な超薄型有機太陽電池の特長を生かして、700ナノメートル
(1nmは10備分の1メートル)の周期で微細に波打った状態で層を
つくり、光の入射角度の影響を受けにくく十分な発電を可能とし
ている。超薄型有機太陽電池は、その柔軟性と軽量な性質により、
ウェアラブルデバイスの潜在的な電源として期待されている。




用途や目的に応じてさまざまな市場の拡大が想定される
ペロブスカイト太陽電池
たとえば、軽量でフレキシブルなタイプは、ビルの壁面や耐荷重
が小さい工場の屋根などにも設置が可能で、太陽光発電の導入量
の増加が見込まれる。すでに開発に-定の進展が見られ、今後は
量産化に向けた製造技術の開発を進めるとともに、サプライチェ
ーン構築と初期需要創出がカギとなる。 屋内・小型タイプは、
loTデバイスなど比較的小型な機器類に貼ることができることか
新たな市場への展開が期待できる。また、超高効率型は、設置面
積の制限などから高いエネルギー密度が求められる分野、たとえ
ば交通や航空などの面でも利用が期待されている。低コスト化や、
高い耐久性など、量産化へのハードルはまだ高い状態だが、将来
的な市場ニーズは高いと考えられている。

※関連情報: 
日本の再エネ拡大の切り札、ペロブスカイト太陽電池とは?資源エネルギー庁
  
  風蕭々と蒼き時代
       


       








                              
Giant, 1956 ⓐThis then is Texas, ⓑThe Eyes of Texas, ⓒYellow Rose of Texas    
 
 
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朽ちてなおも輝くもの在り

2024年03月02日 | 環境リスク本位制


彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと伝えら
れる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時代の軍団編成の一

種で、あらゆる武具を朱りにした部隊編のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれた
キャラクタ。 


伊吹蕎麦は、滋賀県と岐阜県にまたがる琵琶湖の北東にそびえる伊吹山(標高1
377m)の周辺の伊吹町(現在:米原市)で育つ。近辺はは石灰質の土壌で、石
灰質の痩せ地では米作よりも蕎麦、サツマイモ、大根といった作物にむいて
いて、 耕作条件と収穫時期の近い秋の新蕎麦と ねずみ大根が合わせて食べ
られていた。



彦根に美味いもの在り。
毎月二十六日は『つる亀庵の日』



【健康だより①】

乳酸菌の整腸効果と腸内菌叢
1.年齢とともに老化
赤ちゃんの腸内は、母乳やミルクに含まれる乳糖をエサにして善玉菌の代表
であるビフィズス菌優性の状態になるが、離乳してさまざまな食事をとるこ
ろから、そのバランスは大人に近いものになっていく。ビフィズス菌自体も
、乳児型から大人型に変わり、成年期を過ぎて老年期にさしかかったころか
らビフィズス菌が減少、ウェルシュ菌などの腐敗菌や大腸菌、乳酸桿菌が増
えていく。これは、年を重ねると胃酸の働きが低下したり、腸の機能が衰え
食物が腸内に長くとどまり、悪玉菌が増殖しやすい環境となることが一因
といわれている。

ストレスで変わるバランス
腸内菌叢のバランスの変化は、年齢だけが問題ではありません。ストレスや
病気も勢力分布を変える原因になっている。ストレスというと、普段の生活
では心配事や精神疲労、など精神的なものを意味することが多いようだが、
暑さ、寒さや肉体疲労、栄養失調など、体に負担をかけるものはすべてスト
レス。とくに、大きな精神的ストレスを受けると、ビフィズス菌が急減して、
腸内菌叢が老人型になり、元に戻るには1週間ぐらいかかることが多いよう
だ。もちろん、病気や手術、抗生物質の服用なども大きく影響し。このよう
に、腸内菌叢はさまざまなことが原因となり、しばしば勢力分布が変わって
いるといわれている。



胃腸不調1週間前から、牛乳と明治プロビオヨーグルトR-1を適時・適宜
飲料している(+安眠効果も期待)。


【滋賀の詩歌散歩①】

               比良三上雪さしわたせ鷺の橋     芭蕉

「古池や蛙飛び込む水の音」と詠んだのは松尾芭蕉、じつは、その風景は滋
にあると言れる。日本の原風景を思わせ、どこか郷愁を誘う。芭蕉をとりこ
にした滋賀の風景には、いったい何が秘められているのか。近江の風景のな
かの歴史----たとえば壬申の乱では最後に、大海人皇子が大津市にある「瀬
田の唐橋」で戦っている。たとえば近江八幡の田んぼのとこ歩くと、信長が
夕涼みに安土城から出てきて、同じように歩いてた。日本史に書いてある話
だけでも山ほどあるといわれるのも納得できる。

また、上の句のように、比良三上雪さしわたせ鷺の橋」。これは近江の風景
詠んでます。広重の絵と今の街並みの写真、この二つを合成すると、芭蕉の
見てた景色はこういっものではなかったかと推測され、その二つの山の前に、
んぼがある。二月頃になると、この田んぼにコサギ、チュウサギ、ダイサギ、
なんかが渡ってくる。雪のある比良山と、雪のない三上山、そして雪白いシ
ラサギという構図ができあがって、あっちの白を持ってきてこっちに持って
こいという構図ができたと言われる。

蕉の胃袋をつかんだ近江の味
実際、芭蕉の句のなかで、近江を書いたものはどれくらいあるんでしょうか。
篠原先生:近江を舞台に、90数首書いてることは間違いない。芭蕉はよく京
都へ行ったけど、京都が嫌いだともいわれている。京都には和歌の文化が強
いから、俳句・俳諧という新しい文化がダメった。それと、すきな蕎麦がま
ずかったことや、こんにゃくとかキノコとか、そういうのも好きだったみた
でそういわせたのだろうか。

       蕎麦も見てけなりがらせよ野良の萩  芭蕉


芭蕉が見たものと同じ風景が、今でも見える。それを実感したいなら、芭蕉
が数ヶ月住んでいたことのある国分山の幻住庵へ行くことを推奨している。
「幻住庵」は松尾芭蕉が江戸時代の元禄3年に約4ヶ月間暮らした滋賀県大津
市にある草庵である。

「五七五はメッセージ。時代を越えて記憶とつながる芭蕉が見た風景」シ
 ガコト 



近江を愛し、近江に眠る松尾芭蕉は、生涯に981句を詠んだ。そのうち近江で詠
102句すべてを解説し、句碑62基を写真と地図をまじえて紹介。大津・湖南・甲賀・
彦根・長浜など各地の文学散歩へといざなう。おくのほそ道を隈なく探索した著者
が、滋賀に残る芭蕉の句碑61基を地図を附して案内する。

目次
1 松尾芭蕉とは(松尾芭蕉;芭蕉の年譜 ほか)
2 芭蕉の愛した近江(貞享二年(一六八五)句1~5―句碑八基
貞享五年(一六八八)句6~14―句碑五基 ほか)
3 芭蕉の関連地訪問(堅田付近;大津付近 ほか)
4 近江の門人たち(堅田の門人;大津の門人 ほか)
5 近江関連俳文(幻住庵記;洒落堂記 ほか)
6 その他(明智句碑 西教寺 句106;寿貞尼について)


著者等紹介
いかいゆり子[イカイユリコ]
近江文学研究家として、レイカディア大学米原校で講師を務めるかたわら、

守山・石部の「古典に親しむ会」で「平家物語」「おくのほそ道」を、草津
公民館では「平家物語」の講座を担当する(本データはこの書籍が刊行され
た当時に掲載されていたものです)

※松尾芭蕉:
松尾 芭蕉(1644年- 1694年11月28日)は、江戸時代前期の俳諧師。伊賀国
阿拝郡(現在の三重県伊賀市)出身。幼名は金作。通称は甚七郎、甚四郎。
名は忠右衛門、のち宗房。俳号としては初め宗房(そうぼう)を称し、次い
で桃青、芭蕉と改めた。北村季吟門下。芭蕉は、和歌の余興の言捨ての滑稽
から始まり、滑稽や諧謔を主としていた俳諧を、蕉風と呼ばれる芸術性の極
めて高い句風として確立し、後世では俳聖[7]として世界的にも知られる、
日本史上最高の俳諧師の一人である。ただし芭蕉自身は発句(俳句)より俳
諧(連句)を好んだ。元禄2年3月27日(1689年5月16日)に弟子の河合曾良
を伴い江戸を発ち、東北から北陸を経て美濃国の大垣までを巡った旅を記
紀行文『おくのほそ道』が特に有名。 



紫式部が『源氏物語』を石山寺(滋賀県大津市)で書いたという伝説は、人々
の間に定着しているが、「石山寺で執筆した」という記録は存在しない。本書
では、平安時代に生きた紫式部が見たであろう景色を眺め、その旅路を追体験
することにより、『源氏物語』に描かれる当時の様子や、歴史と文化を探って
みた。そして長い年月をかけて編み上げられた伝説へと辿り着く。旅した紫式
部が見たであろう近江の風景を推測し、石山縁起絵巻から窺える当時の石山詣
なども紹介。紫式部が物語の着想をどこで得たのか、どういう順番で執筆した
かはわからない。そして「石山寺で執筆した」という記録は一つたりとも存在
しない。では、どうして石山寺に、紫式部が『源氏物語』を執筆したという

「源氏の間」があるのか。そもそも紫式部は、近江といかなる関係にあったの
か。これについて紹介するのが本書の目的。

  めぐりあひて見しやそれともわかぬまに 雲隠れにし夜半の月かな

【著者概歴】
京樂 真帆子(キヨウラク マホコ);滋賀県立大学人間学部教授。兵庫
県生まれ。1986年京都大学文学部国史学科卒業、1989年奈良女子大学大
学院文学研究科修士課程修了、1992年京都大学文学研究科史学博士課程
満期退学、1995年「平安京都市社会史の研究」で文学博士の学位を取得。
1996年茨城大学助教授、2001年滋賀県立大学人間文化学部助教授、2007
年准教授、2009年より教授。平安京の都市文化を研究する

俳句・俳諧の芭蕉につづき、今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」の主人公
として注目を集めている紫式部。「源氏物語」の作者であり、平安時代の京
で活躍した女性だが、実は、琵琶湖の周りにもゆかりのある場所が点在する。
特に、つながりが深く伝わる大津市では紫式部をキーワードにした新たな魅
力発信事業に熱を込めて取り組んでいる。1000年前の紫式部の足跡をたどり、
未来へ続く新たな湖国を知る機会でもあり、前回とりあげた式部も「近江史」
との関係で記載していく。
式部は、970年代頃に生まれ、1020~30年代頃に亡くなったとされる。藤原
道長ら貴族が権勢を奮い、京できらびやかな貴族の文化が花開いていた平安
時代中期の人物。父は下級貴族の藤原為時。文化人として知られ、時の花山
天皇の下で官職に就き、次の一条天皇の時代、為時は大国の越前国国司とな
り、娘時代の紫式部を連れて数年過ごした。紫式部も父同様、文芸に優れた
人物らしく、後に道長にその才能を見出され、道長の娘で天皇の妻・中宮と
なった彰子の家庭教師として宮中に務めた。作家としての紫式部は、長編小
説「源氏物語」をはじめ、宮中の様子を記した「紫式部日記」などの作品を
残している。「紫式部日記」は当時の宮中の暮らしぶりを現代に伝える貴重
な歴史資料でもある。via 2024.3.2 滋賀報知新聞
※今回からシリーズとして適時掲載していく。



  光触媒を用いた実用的な還元的環化反応
2月27日、北海道大学の研究グループは,光触媒とコバルト触媒を組み合わせ,
アルキンとアルデヒドをもつ原料を還元的環化させることに成功。
【概要】
環状アルコールは多くの医薬品の構造にも含まれる重要な骨格で,アルキナー
ルの還元的環化反応はこの分子骨格を効率よく合成する方法の一つ。しかし,
従来から知られているニッケル触媒を用いた反応では,触媒反応として進行
過剰量のアルキル亜鉛化合物やアルキルホウ素化合物の添加を必要とし,これ
らの試薬から発生する廃棄物が問題だった。また,これらの触媒や添加剤は,
酸素や湿気を取り除いた環境下で取り扱う必要があるうえに,合成可能な環状
アルコールの種類も限られており,改善の余地を残していた。これらの背景の
もとこの研究では,光エネルギーとコバルト触媒を用いた簡便でクリーンな代
替法の開発を目指した。


4CzIPN(光触媒),CoCl2-L(コバルト触媒),トリエチルアミン,水の存在下
でアルキナールに可視光(440nm)を照射して反応条件を精査した。最適な条件
を見出した後,様々なアルキナールに対して本反応を適用した。重水素化実験,
電気化学測定,蛍光分光法による滴定実験で反応メカニズムを推定した。
研究グループは,反応条件の検討の結果,まず目的の5員環アルコールを得る条
件を見出した。この最適反応条件を用いることで,多様な環構造をもつ6員環,
7員環アルコールの合成にも成功した。
この反応の添加剤は,必要最低限のトリエチルアミンと共溶媒の水のみであり,
ニッケルを用いた従来法と比べて廃棄物を大幅に削減できた。
またこの水を添加した条件は,アセタール化合物を反応系内でアルデヒドに変
できるため,アルキナールを合成・単離することなく目的の環状アルコールが
合成できる。

アルキナールはアルデヒド部分が酸素に弱く長期保存が困難であるため,より
安定なアセタールを原料にできる点も優れている。さらに反応収率を落とすこ
となく,コバルト触媒の量を当初の10分の1まで低減できた。【展望】
現時点ではLEDの光を利用しているが,太陽光を利用する光触媒や発電技術の
発展とともに,将来的にさらにクリーンな合成技術へと発展することが期待さ
れる。




 
 今日の寸評:


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鈍すれば貧する

2024年02月29日 | 環境リスク本位制


彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと伝えら
れる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時代の軍団編成の一

種で、あらゆる武具を朱りにした部隊編のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれた
キャラクタ。 


● 厚さ1.6nmの炭化チタン膜でCO2光還元
2月29日、千葉大学と中国成都バイオガス科学研究所は,MXene(マキシン)
と呼ばれて近年盛んに研究されている新たな2D材料,「炭化チタン超薄層化
合物 Ti3C2Xy(X=O,OH,F,orCl)」は電気を通す効果があり,複合した酸
化ジルコニウム(ZrO2)に紫外可視光を照射することで生じた電子を高速に
伝達し,CO2をCOに還元することが分かったと言う。



図1.Ti3C2Xy (X = O, F) の構造図と光由来の電子によりCO2光還元を促進
する反応経路の概念図

【要約】

光触媒を用いてCO2を燃料や有用な化学原料(CO,メタノール,酢酸等)に変
換する研究が広く進んでいるが,光由来で光触媒(半導体)内部に生じた電
子とホール(電荷分離)を効率よくそれぞれCO2および還元剤(H2O,H2,ア
ルコール等)にまで導く効率が問題になっている。この効率が悪ければ,持
続可能エネルギーである光エネルギーによって生じた光触媒内の電子とホー
ルが再結合して,消えてしまう。そこで、同研究グループは,まず,合成し
MXene Ti3C2Xyの構造を確かめ。,Ti層が3層,間に2層のC層がサンドイッ
チされた配位構造が示され,両側に主にFあるいはO原子が結合することで,
超薄層を形成していることが分かった。この1単位の層が3層重なり,厚みが
1.6nmの層を成していた。一方,超薄膜は数100nmに広がっていたという。

【成果】まず、合成したMXene Ti3C2Xyの構造を確かめました。すると、図1
のようにTi層が3層、間に2層のC層がサンドイッチされた配位構造が示され、
両側に主にFあるいはO原子が結合することで、超薄層を形成していることが
分かりました。この1単位の層が3層重なり、厚みが1.6ナノメートル の層を
していました。一方、超薄膜は数100ナノメートルに広がっていた。半導体で
あるZrO2はこのMXene Ti3C2Xy層上に5〜10ナノメートルの大きさで粒子状に
散りばめられていることが分かりました。このMXene Ti3C2Xy–ZrO2複合体に
紫外可視光を照射するとCO2からCOが定常的に得られました。さらに光反応
経路を確かめるために、炭素の同位体注6) である13Cを含む13CO2を反応させ
ると、13COが得られました(図2(A))。


図2.Ti3C2Xy MXeneとZrO2とを複合した光触媒を用いた13CO2還元反応試験
の経時変化図。(A) 13CO2にH2ガスを加えて紫外可視光照射した場合、(B) 
13CO2にH2Oガスを加えて紫外可視光照射した場合。
しかし、これはH2ガスを13CO2と一緒に光触媒に導入した場合で、H2Oガス(
水蒸気)を13CO2と一緒に光触媒に導入した場合には、13Cが含まれる還元生
成物はほとんど得られず、12CH4(メタン), H212CO(ホルムアルデヒド),
 12COが得られました(図2(B))。すなわち、MXene Ti3C2XyがH2Oと光により
部分的に分解したことを示した。

【展望】以上のように、本研究により還元剤をH2とする、あるいは最初にH2O
を光で電気によりH2に分解してからという条件付きではあるが、ZrO2の電荷再
結合の問題をMXene Ti3C2Xyの電気伝導性が解決することが示された。半導体
およびMXeneはZrO2およびTi3C2Xyに限定されないため、さらに高効率のCO2光
燃料化/資源化触媒の開発につながる。

【掲載論文】
タイトル:Photocatalytic CO2 Reduction Using Ti3C2Xy (X = Oxo, OH, F, or Cl) M
       Xene–ZrO2: Structure, Electron Transmission, and the Stability
著  者:
Hongwei Zhang, Ikki Abe, Tomoki Oyumi, Rento Ishii, Keisuke Hara, and                            Yasuo Izumi
雑 誌 名:
Langmuir
  ・ DOI :https://doi.org/10.1021/acs.langmuir.3c03883



 風蕭々と碧い時

1961年9月 川は流れる 仲宗根美樹
作詞/作曲:横井弘/桜田誠一




病葉をきょうも浮かべて
街の谷川は流れる
ささやかな望み破れて
哀しみに染まる瞳に
たそがれの水のまぶしさ


思い出の橋のたもとに
錆(さび)ついた夢のかずかず
ある人は心つめた<
ある人は好きで別れて
吹き披ける風に泣いてる


ともしびも薄い谷間を
一筋に川は流れる
人の世の塵(ちりにまみれて
なあ生きる才(をみつめて
嘆<まいあすは明るく


※仲宗根 美樹(なかそね みき、1944年6月23日 - 2024年2月24日)は、仲宗 
根美樹は、東京都出身。本名は國場 勝子(くにば かつこ)。東洋高等学校 
音楽科出身。ミュージック・オフィス合田所属。この曲は元々は、1961年9月
発売のシングル「雨の花園」のB面曲として発売されたが、歌声喫茶で評判と
なったことから、同年11月にA面B面を入れ替えて再発され、売り上げが100万
枚を超え空前の大ヒットを記録。 1964年公開の映画「愛と死をみつめて」の
中で、吉永小百合と浜田光夫が本楽曲をアカペラで歌うシーンもある。「川は
流れる」がヒット。12月には第3回日本レコード大賞新人奨励賞を受賞。1962
年(昭和37年)12月、第13回NHK紅白歌合戦にも初出場を果す。
米「60年安保-ベトナム戦争」下でのヒット曲の一として鮮やかな記憶と
して残る。その彼女が2月24日、肺がんのため死去、享年七十九。
                               合掌




※『鉄道員』(てつどういんIl Ferroviere)は、1956年のイタリアの ドラマ   
映画。モノクロ作品。 監督・主演はピエトロ・ジェルミ、共演はエドアルド  
・ネヴォラ(イタリア版)とルイザ・デラ・ノーチェ(イタリア語版)など。  
第二次世界大戦後のイタリアに生きる庶民の喜怒哀楽を、ある1人の初老の鉄  
道機関士の姿とその幼い息子の目を通して描いた映画史に残る作品。  
※映画音楽は カルロ・ルスティケッリ (Carlo Rustichelli, 1916年12月24 
日 - 2004年11月13日) は、イタリアの映画音楽作曲家。 1940年代から 50年 
間にわたって250本以上の作品を手がけた。モデナ県カルピ生まれ のルスティ 
ケッリは、ボローニャとローマの音楽学校でピアノと作曲を 学んだ後、オペ 
ラや劇場音楽の作曲家として仕事を始めた。劇場の指揮 者をつとめた。1939 
年に映画音楽を手がけるが、最初は映画音楽専門 でなかった。 『無法者の
掟』(1949年) や『越境者』(1950年) で協働した監督のピエトロ・ジェル
の強いすすめで本格的に映画音楽に進む。ジェルミとはその後も一緒に仕事 
を続け『鉄道員』(1956年)、 『わらの男』(1958年)、『刑事』(1959年)、『イタリア式離婚狂想 曲』(1962年)、『誘惑されて棄てられて』(1963年)、『アルフレー ドアルフレード』(1972年) などの作品がある。『刑事』のテ 
ーマ曲 「死ぬほど愛して」や『ブーベの恋人』(1963年、ルイジ・コメンチ 
ーニ監督) のテーマ曲はレコードでもヒット。前者はジェルミが作詞し、ル 
スティケッリの娘で女優のアリダ・ケッリが歌った「アモーレ・ミオ」とい 
う題でも知られる。 脱走大作戦』(1968年、ジャック・スマイト)、『お熱 
い夜をあなたに』(1972年、ビリー・ワイルダー) などのアメリカ映画も手 
がけ、いずれもイタリア・ロケで製作され 
た。 


今夜の寸評 :日々の合唱 心の手当 
Thinking of those who have passed and putting your hands together each day bring
 you peace of mind.

 今日の備忘録:プーチンの誤算、それは、スェ-デンの「非戦・非軍事同盟」を
   破棄させたことにある。



配備される「Saab JAS-39 Gripen」 ?!
SAAB 39(JAS 39、JASは「ヤース」と発音)は、スウェーデンのサーブ社を
中心として開発された多用途戦闘機。愛称のグリペン(スウェーデン語
:Gripen)はグリフォン(有翼獅子)の意味。メーカーでは『The smart 
fighter』というキャッチコピー.。
冷戦期のスウェーデンでは、ノルディックバランスに則った軍事的中立政策
路線を採っており、国防には専守防衛かつスウェーデン単独で防衛するとい
う前提条件が課せられていた。 
戦闘機には地理的に近接しているソ連軍などの仮想敵からの先制攻撃への高
い抗堪性が必要とされた。国内各地の山をえぐり貫いて作ったシェルター
へ分散配備し、北ヨーロッパのような寒冷地の冬期の作戦にも対応できるよ
う、最終的な要求としては、雪に覆われた長さ800 m、幅17 mの高速道路の直
線区間に離着陸できることが求められた。このため短距離で離着陸(STOL)
できる能力と狭いシェルターや高速道路脇の臨時作業場などの充分な設備の
ない場所での整備、そこから短時間で再出撃を実現する高い整備性が最重要
とされた。一方で、同世代を上回る格闘戦能力、長大な航続距離、当時すで
に主流だったステルス性の考慮などは予算の兼ね合いで妥協、ネットワーク
中心の戦いへの対応は後のアップデートにより実現させることになった。
発に合わせ1980年代前半から「基地90(en:Bas 90)」と称する飛行場の分散
計画が推進され、一部の新規高速道路は代替滑走路を前提として建設された。
これらの道路は長さ800 m・幅17 mの直線区間を必ず有しており、直線区間に
は給油所や駐機場となるスペースが併せて整備された。この種の短距離滑走
路は国際的活動に対応するため離着陸訓練にも利用。このような運用思想が
かえってコストを押し上げる要因となってきたことから、2004年に高速道路
の使用を廃止したが[5]、2015年からは訓練を再開。

2022年ロシアのウクライナ侵攻の発生後、ウクライナはスウェーデンに対し
機体の供与を求めてきた。2023年6月1日、スウェーデンの国防相は「現段階
ではウクライナにグリペン機を提供しない」としつつもウクライナ人操縦士
の訓練提供を検討する用意があるとの考えを示す。(via Wekipedia

2月29日のニューズウィーク日本版(「ロシアの脅威を知り尽くしたスウェー
デンがNATOを強くする」)によると、スウェーデンがNATOにもたらす最大の
貢献は、空軍及び海軍力の増強だろう。この国は3200キロ超に及ぶ入り組ん
だ海岸線、バルト海、そして北極圏も含む領空を防衛するために、空と海の
守りを固めてきた。スウェーデン空軍は国産の戦闘機サーブJAS39グリペンを
100機前後保有する。グリペンは西側世界で最も多くの用途に使える戦闘機の
1つと見なされ、ロシアの侵攻を想定した設計は、ウクライナへの供与も検討
されている 

バルト海の制海権確保に果たす役割 
グリペンは損傷した滑走路や高速道路でも離発着が可能で、ウクライナ軍に
供与されれば、大きな強みとなる。スウェーデン空軍はまた、偵察機4機を保
有する。シギント機能(電子信号などの傍受による諜報機能)を持つ2機のガ
ルフストリームG4と、2機の空中早期警戒管制機・サーブ340AEW&C。地上防空
システムには、アメリカ製の地対空防衛システム、パトリオットを4カ所に配
備し、射程距離最大120キロ前後のPAC3で敵のミサイルを迎撃できる。より短
距離からの攻撃には、ドイツ製の地対空ミサイルIRS-T SLSや、国産の中距離
全天候型防空ミサイルRBS23、同じく国産の携帯式地対空ミサイルRBS70で対応
可能。さらに、NATOがバルト海の制海権を確保する上、スウェーデン海軍は
重要な役割を担う。ロシアはバルト海に臨む重要な海軍基地を2カ所保有し。
サンクトペテルブルクと、リトアニアとポーランドに挟まれた飛び地に位置
するカリーニングラード。



ロシアの艦船の動きを監視するには、スウェーデンの潜水艦が大いに役立つ。
現在運虫の4隻のディーゼル電気潜水艦、うち3隻はゴトランド級、残る1隻
はセーデルマンランド級、2隻のA26型潜水艦は建造中、一番艦のブレーキン
ゲは2027年、二番艦のスコーネは2028年の就役を予定。スウェーデンの潜水
艦は水深が浅いバルト海での活動を前提とし設計。そこがNATOの同盟国が保
有する大型の潜水艦にはない強み。ロシア船の動きをに監視でき、天然ガス
パイプライン・ノルドストリームの爆破など、バルト海の海底での破壊工作
や、海底に敷かれた通信ケーブルに盗聴器を仕掛けるといった工作を防げる。
スウェーデン海軍はまた、コルベット艦7隻、掃海艇8隻、大型の哨戒艦1隻に
加え、より小型の十数隻の哨戒艦を保有。特筆すべきは、スウェーデンが世
界に先駆けて開発したステルス艦のビスビュー級コルベット艦で、小型なが
ら多様任務に対応、短距離防空で威力を発揮する。
ここまで書いて思い出したのが「非攻」「兼愛」の優位性を説く墨子の真
剣な顔であった。いずれ、野放図で粗野集団主義ではこの地球滅亡の縁に立
つ人類は滅ぶ、つまり、巻頭の「鈍すれば貧する」の反語に集約される。




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持続可能戦略電子デバイス製造論 ⑤

2024年02月20日 | 環境リスク本位制

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと伝えら
れる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時代の軍団編成
の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜(かぶと)を合体さ
せて生まれたキャラクタ「ひこにゃん」。
 
 
図1 メタマテリアル電極を装着した(A)メタマテリアル熱電素子と、カーボンブ
ラック膜を塗布した電極を装着した(C)カーボンブラック熱電素子の模式図。(B)
メタマテリアル表面と(D)カーボンブラック表面の電子顕微鏡図。
均一な熱輻射環境の
  メタマテリアルは  
  熱電発電を最も高効率に駆動できる吸収体である
理化学研究所(理研)と東京農工大学は,均一な熱輻射環境下における熱電発電
において,極薄の構造でありながら高い熱輻射吸収特性を示すメタマテリアルが,
最も効果的に熱電発電を駆動させることを実験的に明らかにした。
車やパソコンなどの電子機器,道路や建物表層などに滞留する熱エネルギーなど
未利用熱は,日本が輸入した石油や天然ガスなどの一次エネルギーの約6割を占
め,本来のエネルギーの4割しか有効的に活用できていないことになる。そこで
熱を電気に変換する熱電変換素子が,この未利用熱の再利用に期待されているが,
その原理は,熱電変換素子内の温度勾配が電圧に変換されるゼーベック効果に基
づいているため,熱電変換素子内の温度勾配が消失してしまう,温水中や道路表
層などの均一な熱輻射環境では機能しないという課題があった。
一方メタマテリアルは周囲環境の熱輻射をより大きな光吸収率と吸収断面積で吸
収・濃縮してそれを熱電変換素子に与えるため,均一な熱輻射環境においても熱
電発電を駆動することができる。今回,研究グループは,メタマテリアル(構造
厚さ0.31μm)の比較として広帯域吸収体であるカーボンブラック膜(構造厚さ
60μm)を熱電変換素子に適用し,それぞれの発電特性を評価
その結果,メタマテリアルは,広帯域吸収特性を示すカーボンブラックよりも低
い熱輻射吸収特性を示すにも関わらず,メタマテリアル熱電素子はカーボンブラッ
ク熱電素子よりも高い熱電特性を示した。これは,メタマテリアルに吸収された
熱輻射エネルギーが,メタマテリアルの薄い構造により効率的に熱電変換素子に
伝搬したことを示唆している。 
すなわち,熱電変換システム全体で考えると,単に光吸収率の高低だけでなく,
吸収で得られた熱を効率良く熱電素子に伝導させる能力も重要であり,そのため
にはより薄い構造で高い光吸収効率を実現することが鍵となる。実際,メタマテ
リアルのように入射波長よりも1/10程度薄いにも関わらず高効率に光を吸収する
材料は自然界には存在せず,極めて薄い構造と,高い熱輻射吸収特性という2つ
の要求を同時に満たすことができるのは人工材料であるメタマテリアルのみ。
のように,今回の研究によって均一な熱輻射環境における熱電発電を高効率に駆
動するためには,メタマテリアル特有の性質が不可欠であることが確認された。
【展望】
極めて薄い構造と高い熱輻射吸収特性を両立するメタマテリアルの特性は、熱電
変換デバイスのみならず、他の光電子デバイスの高効率化においても活用できる
と期待でき、また今回得られた知見は、さらに高い発電特性を示すメタマテリア
ル熱電デバイスの設計指針につながると期待されている。メタマテリアル熱電変
換は既存の熱電デバイスが発電できない均一な熱輻射環境における熱電発電を可
能にするデバイスであることから、この成果は環境発電分野において直接的に
用でき、その効果は、将来的の脱炭素社会の実現に寄与すると期待されている。
※論文タイトル:Metasurface absorber enhanced thermoelectric conversion
URL:https://www.degruyter.com/document/doi/10.1515/nanoph-2023-0653/html
メタマテリアルとは,電磁波(光)の波長よりも細かな構造体を利用して,物 
 質の電磁気学(光)的な特性を人工的に操作した疑似物質

 

          
高熱起電力の分子熱電変換デバイス
2月13日、名古屋大学と韓国高麗大学は,分子素子としては最高の熱起電力を持つ
熱電変換デバイスを新たに開発。
ゼーベック効果を利用した熱電変換素子の毒性や資源の希少性の問題を解決する
分子熱電素子として,Ru錯体の可能性が示唆されていたが,長く大きな分子を電
極間に挟むことが難しく検証されていなかった。
今回研究グループは,安定な自己組織化膜を電極で挟み,温度差をかけることで
実験的に熱起電力を測定した。測定された熱起電力は分子鎖長に比例して増加し,
Ru錯体の5量体に相当する10nmの長さで1mV/Kを超えた。
第一原理伝導計算により,分子軌道がフェルミ準位近くに位置し,さらに分子と
電極の波動関数の混成が小さいことで高い熱起電力が得られていることを明らか
にした。
Ru錯体分子ワイヤーに代表される,分子鎖長が増大しても電気伝導度の減衰が緩
やかな分子の電気伝導機構は,電子が散乱を受けずに伝導するトンネル伝導なの
か,分子振動を伴って伝導するホッピング伝導なのか議論になっていたが,実験
でトンネル伝導によって伝導していると考えられた。
さらに詳細な伝導機構の解明のため,電流によってどのような分子振動が励起さ
れるかの指標を光量子アルゴリズムによって計算した。ホッピング電流が流れる
際,今回は熱起電力が正であることからホール伝導であるため,分子は非常に短
い時間,電子が1つ抜けた状態になり,再び電子が入ってきて安定な状態に戻ると
いう過程を繰り返す。
電子状態によって安定な構造は異なるため,電子の状態変化前後で変わる分子振
動の重なりの大きさはフランクコンドン因子と呼ばれ,この因子が大きいほど分
子振動が励起されやすい。このフランクコンドン因子を,光量子コンピュータ上
で動作するガウシアンボソンサンプリングによって計算した。電子状態の変化に
伴う分子振動の変化を干渉などの光子への操作へ置き換えることで,そこを通過
する光子が確率的に,実際の振動遷移に伴うエネルギーに出力されやすくなる。
将来的に電流―電圧曲線の2階微分が高精度で測定された際,フランクコンドン因
子の大きな振動モードと一致するエネルギーにピークが現れると考えられる。
【成果/展望】
ガウシアンボソンサンプリングは光量子コンピュータによって古典計算機よりも
高速に実行できるとされ,計算量が大きくなるにつれて光量子コンピュータの優
位性が増すと期待される。研究グループは,熱起電力の測定が伝導機構の決定に
重要な役割を果たすことが示されたほか,複雑な電気伝導機構の解明に光量子コ
ンピュータを応用できる可能性の一端を示すことができたとしている。

6G通信向け周波数チューナブルフィルタ開発
2月19日、東北大学の研究グループは,シリコン製のサブ波長格子で構成される機
械式の屈折率可変メタマテリアルを新たに開発し,ファブリペロー共振器内の屈
折率を制御することにより,狙った周波数域の電波を通過させる周波数チューナ
ブルフィルタを開発。

【要点】
1.次世代の第6世代移動通信システム(6G)(注1)通信帯で利用できる周波数
のチューナブルフィルタ(注2)を開発。
2.シリコン製の機械式屈折率可変メタマテリアル(注3)をファブリペロー共

振器内に搭載することで優れた光学特性(高透過率)と機械特性(機械的信頼性)
を兼ね備えている。
3.6Gをはじめ、医療・バイオ・農業・食品・環境・セキュリティなど幅広い分

野での応用が期待されます。
【概要】
 国内では2020 年3 月に第5 世代(5G)移動通信システムによる商用サービスが
始まる。一方、米国、韓国、欧州、中国、日本を中心に2030 年代の実用化を目指
して5Gの次の世代「6G」を見据えた研究開発が始まり、テラヘルツ波が使用され
ることが明示されている。6G では0.3THz 近傍の周波数帯の電波が用いられるこ
とが想定されており、ノイズとなる不要な周波数の電波を除去し、必要な周波数
の電波を選択的に通過させる周波数チューナブルフィルタが必要となる。ファブ
リペロー共振器は、2 枚の高反射ミラーで構成される、よく知られた周波数選択
性フィルタです。ファブリペロー共振器を通過する透過波は、共振周波数で最大
強度になり、共振周波数から離れると急激に減衰。また、ファブリペロー共振器
で従来採用されてきた周波数の動的制御法である、2 枚のミラー間の距離を調整
する方式や、共振器内に液晶を充填する方式では、ノイズ除去性能が低いことや
電波の減衰という課題があった。
研究グループは,機械式の屈折率可変メタマテリアルをファブリペロー共振器内
に搭載した周波数チューナブルフィルタを実現し,6Gに向けた新たなチューナブ
ル・テラヘルツ波制御技術の開発に成功した。この周波数チューナブルフィルタ
は,シリコン製の機械式屈折率可変メタマテリアルを2枚のシリコンミラーで構成
されるファブリペロー共振器内に搭載している。どちらも高抵抗シリコンで構成
され,制御対象とする周波数0.3THz近傍の電波吸収損失はほぼ無く,高いピーク
透過率を実現する。
周波数チューナブルフィルタに入射した電波は,不要な周波数の電波が除去され
て,必要な周波数の電波のみ透過する。伸縮機構を備えた機械式屈折率可変メタ
マテリアルを機械的に変形させることで透過周波数をチューニングする。機械式
屈折率可変メタマテリアルは,バネにより自己支持されたサブ波長格子構造が固
定端と可動端に連結されており,可動端を動かすことでサブ波長格子の周期を変
えることができる。
サブ波長格子の周期が変わると機械式屈折率可変メタマテリアルの屈折率が変化
する。ファブリペロー共振器の透過スペクトルは,機械式屈折率可変メタマテリ
アルの屈折率変化に応じてシフトするので,ファブリペロー共振器内の屈折率を
人工的に精密制御して狙った周波数の電波を透過させることができる。製作した
サブ波長格子構造のサブ波長格子はシリコンで構成され,空隙は空気で満たされ
ており,周期を100μmから150μmまで可変させることができた。周期制御による
屈折率と周波数のチューニング特性は,100~150μmの周期変化に応じて,メタ
マテリアルの屈折率を1.50~2.08の範囲で変えることができ,ピーク周波数を0

.303~0.320THzの範囲で制御できることが示された。また,周波数0.303THz付
近で,従来技術よりも高いピーク透過率87%が得られた。
【展望】
シリコン半導体微細加工技術を用いて作られるため小型・量産性に優れるという
利点を活かし、将来は電子回路や半導体と組み合わせてテラヘルツ波の高度な制
御が実現できると考えられます。6Gの通信技術をはじめ、テラヘルツ波を利用し
たスキャニングやイメージングへの応用展開が期待でき、医療・バイオ・農業・
食品・環境・セキュリティなど幅広い分野での活用が期待される。


【論文情報】
タイトル:
Tunable Fabry–Perot interferometer operated in the terahertz range based on 
an effective refractive index control using pitch-variable subwavelength gratings
著者:
 Ying Huang, Yangxun Liu, Taiyu Okatani, Naoki Inomata, and Yoshiaki Kanamori
*責任著者:東北大学大学院工学研究科 教授 金森義明
掲載誌:Optics Letters Vol. 49, Issue 4, pp. 951-954 (2024)
DOI: 10.1364/OL.515504
URL: https://doi.org/10.1364/OL.515504

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OLEDマイクロディスプレーで大河内記念生産賞
ソニーセミコンダクタソリューションズら
一般的に、ミラーレスカメラは、EVFを通して撮影画像をリアルタイムで確認で
きることが特長。今回受賞の対象となった当社のOLEDマイクロディスプレイは、

オンチップカラーフィルターやオンチップレンズ、輝度バラつき補正画素回路な
どの独自技術により、EVFの高輝度、高精細、広色域、高速応答を実現。これに
より、プロフェッショナル用途も含めたミラーレスカメラの普及拡大を促進した。
今後大きな市場が期待されるAR/VR/MR向けヘッドマウントディスプレイにも貢献。
(2月16日ソニーセミコンダクタソリューションズグループ)
※大河内賞は、故大河内正敏博士の功績を記念して設けられ、わが国の生産工学、
生産技術の研究開発、および高度生産方式の実施などに関する顕著な功績を表彰

する権威ある賞。
 
 

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図2.a. 実験光学系 b. スペックルパターン c. 従来の脳外科内視鏡と本手法
による内視鏡の比較 d1.計測に用いた試料 d2.脳外科内視鏡による画像 d3. 本
方法で得られた画像

今月16日,大阪大学,埼玉医科大学,宇都宮大学は,直径0.1mmという髪の毛の太
ほどの光ファイバー1本からなるレンズレス内視鏡を開発。 これまでの細径な 
内視鏡は,1mm角ほどの小型CMOSカメラを用いたものや,直径400nmの光ファイバ 
ーを5,000本束ねた直径数mmの内視鏡が臨床にも使用されてきた。しかし,これ 
らはいずれも結像するためのレンズが必要。このレンズの大きさが内視鏡の極細 
径化を阻んでいた。レンズレス・シングルファイバー・ゴーストイメージングは, 
単一の光ファイバーで光拡散場の中にある物体をイメージングするためにゴース 
トイメージングと呼ばれるイメージング技術を用いる。 ゴーストイメージング法 
は,あらかじめ座標が登録された光(スペックルパターン)と,その光が物体を 
照らした散乱光の信号強度の相関関係から測定対象物体をイメージングする。 
研究グループは,光学系を作製し,すりガラス状の拡散板を回転させることで
レーザーのスペックルパターンを制御
した。3万枚のスペックルパターンをCMOS
 

カメラで事前に記録し,同じスペックルパターンを測定対象に照射した。測定対 
象の散乱光は,光ファイバーを介して記録する。
従来の光ファイバーバンドル内視鏡と比較すると,今回開発した内視鏡は極めて
細く,従来の内視鏡と比較してもエッジが鮮明になっている。このように光フ
ァイバー先端から10mmの位置にある測定対象を1本の光ファイバー(光ファイ
  

ーの全長2m)でイメージングすることに成功した。また,光ファイバーと測定対
象の間に光散乱場の一つとして拡散板を入れて実験を行なった。測定対象は一辺
が1mm角の正方形とした。拡散板がない場合,脳外科内視鏡の分解能が低いため
像はぼやける。 
一方で,今回の方法を用いると測定対象の拡散光との相関関係から画像化するこ
とができるので,測定対象をうまく復元することができた。このように血液によ
る光散乱場においても堅牢なイメージングが可能になることを,シングルファイ
バーイメージングで初めて実証することができた。
 
使用する光源の波長や偏光,波面といった光の性質を精密に制御することで,測 
定対象の吸光度や異方性,形状なども取得できるという。研究グループは,極細 
径の光ファイバーからなるレンズレス内視鏡の実現により,患者の生体深部の病 
態の直接観察が可能になるとしている。 
 


● 今夜の寸評 : 鈍すれば貧する
             賢明でなければ豊かになれない。



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ラスト・ディケイド 全力疾走 ! ②

2023年12月22日 | 環境リスク本位制



彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと伝えら
れる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時代の軍団編成
の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜(かぶと)を合体さ
せたせて生まれたキャラクタ。




100円均一ショップにもさまざまな「蒸し器」

 

【今日の鍋料理;温野菜のチーズ蒸し鍋】
<寒暖差アレルギー>の症状か体調が不良で、胃もたれ・便秘・鼻づまり。そこで、
モーニングに「ホットミルク・コーヒ」「オリーブオイル」「ホット・ウイスキ
ー」「睡眠誘因剤」「パブロン」を服用したりし様子を看る。そこで、電子レン
ジを使い温野菜鍋の準備。蒸し器は「百均ショップ」購入予定。

材料(1人分):ブロッコリー‥‥80g/にんじん‥‥小1/2本/玉ねぎ‥‥小1/2
個/さやいんげん‥‥3本/カマンベールチーズ‥‥1/2個/ソーセージ‥‥2本/
ゆで卵‥‥1/2個/出汁・調味料➲白ワイン‥‥大さじ3/白だレ…大さじ1/2
/水‥‥1/4カップ/オリーブオイル‥‥大さじ1/2/
作り方:①にんじんはlcm帽の拍子木切り、玉ねぎはlcm幅のくし形切りに、その
他の野菜は食べやすい大きさに切る。②鍋にゆで卵以外の具材を入れて火にかけ、
出汁・調味料を回し入れる。煮立ったら弱火にし、ふたをして8分ほど蒸し煮に
する。


※昨日購入済。電子上皿天秤での重量測定しておいて加熱エネルギー量を収集は必要。


  
  


Anytime Anywhere ¥1/kWh era
新成長経済理論考 ㉒
これまで、全固体型リチウム電池の負極・正極の高付加価値技術の特許調査を行
ってきた。今回は長寿命化・大容量化技術を考察。

【関連特許事例】
1.特開2023-150498 全固体電池
【概要】
リチウムイオン電池の適用機器のさらなる発達に伴って、リチウムイオン電池の
さらなる長寿命化・高容量化・高エネルギー密度化が求められていると共に、長
寿命化・高容量化・高エネルギー密度化したリチウムイオン電池の信頼性も高く
求められている。 以上のような状況において、有機溶媒を用いない全固体型のリ
チウム電池(全固体電池)が注目されている。全固体電池は、従来の有機溶媒系
電解質に代えて、有機溶媒を用いない固体電解質の成形体を用いるものであり、
固体電解質の異常発熱の虞がなく、高い安全性を備えている。 また、全固体電
池は、高い安全性だけではなく、高い信頼性および高い耐環境性を有し、かつ長
寿命であるため、社会の発展に寄与すると同時に安心、安全にも貢献し続けるこ
とができるメンテナンスフリーの電池として期待されている。全固体電池の社会
への提供により、国際連合が制定する持続可能な開発目標(SDGs)の17の
目標のうち、目標3(あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福
祉を促進する)、目標7(すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代
的エネルギーへのアクセスを確保する)、目標11〔包摂的で安全かつ強靭(レ
ジリエント)で持続可能な都市および人間居住を実現する〕、および目標12(
持続可能な生産消費形態を確保する)の達成に貢献することができる。 ところ
で、最近では、全固体電池の固体電解質に、イオン伝導性が高いなどの理由から
硫化物系固体電解質が使用されることが多い。ところが、硫化物系固体電解質は
水と反応しやすく、電池内に水分が存在すると、これと反応して硫化水素を発生
させてしまう。全固体電池の内部で硫化水素が発生すると、電池の内圧を高めて
電池特性を低下させたり、電池内外の部材の劣化を引き起こしたりするといった
問題が生じる。 一方、前記のような問題の解決を図る技術の開発も進められてい
る。例えば、特許文献1(特開2008-103283)、2(特開2008-103288)には、硫
化物系固体電解質を含有する全固体電池において、正極と負極との間に固体電解
質を介在させてなる全固体電池素子を外装材で被覆し、この外装材を吸着材およ
び/またはアルカリ性物質で被覆したり、この外装材に吸着材および/またはア
ルカリ性物質を含有させたりして、電池内部で発生する硫化水素を捕捉する技術
が提案されている。 また、3(特開2011-165650)には、硫化物系固体電解質電
池中に塩基性材料を含有させ、これによって電池内で発生し得る硫化水素をHS
-へとアニオン化することで、硫化水素の発生を抑制する技術が提案されている。
図1のごとく、全固体電池は、正極、負極および固体電解質層を有する電極体と
前記電極体を封入する外装体とを有し、前記正極、前記負極および前記固体電解
質層のうちの少なくとも1つは、硫化物系固体電解質を含有し、前記電極体と前
記外装体の内面との間に空隙部分を有し、前記空隙部分に硫化水素吸着剤が配置
されていることを特徴とする硫化物系固体電解質を含有し、内部で発生する硫化
水素による特性低下を抑制し得る全固体電池を提供する。

図1.本発明の電池の一例を模式的に表す断面図
【符号の説明】 1 全固体電池 2 電極積層体 21 正極 22 負極 23 固体
電解質層 3 外装缶 4 封口缶 5 ガスケット 6 硫化水素吸着剤

2.特開2023-82742 正極材料の製造方法
【概要】
モータ駆動用二次電池としては、携帯電話やノートパソコン等に使用される民生用
リチウム二次電池と比較して極めて高い出力特性、および高いエネルギーを有す
ることが求められている。したがって、現実的な全ての電池の中で最も高い理論
エネルギーを有するリチウム二次電池が注目を集めており、現在急速に開発が進
められている。 ここで、現在一般に普及しているリチウム二次電池は、電解質に
可燃性の有機電解液を用いている。このような液系リチウム二次電池では、液漏
れ、短絡、過充電などに対する安全対策が他の電池よりも厳しく求められる。電
解質に酸化物系や硫化物系の固体電解質を用いた全固体リチウム二次電池に関す
る研究開発が盛んに行われている。固体電解質は、固体中でイオン伝導が可能な
イオン伝導体を主体として構成される材料である。このため、全固体リチウム二
次電池においては、従来の液系リチウム二次電池のように可燃性の有機電解液に
起因する各種問題が原理的に発生しない。また一般に、高電位・大容量の正極材
料、大容量の負極材料を用いると電池の出力密度およびエネルギー密度の大幅な
向上が図れる。例えば、硫黄単体(S8)は、1670mAh/g程度と極めて
大きい理論容量を有し、低コストで資源が豊富であるという利点を備えている
硫黄を含む正極活物質を含有する液体を、多孔質カーボン粒子に含浸させて複合
材を得る工程と、リン含有硫化物固体電解質溶液を、前記複合材に含浸させる工
程とを含む、正極材料の製造方法で、硫黄を含む正極活物質を用いた二次電池に
おいて、当該二次電池の内部抵抗をよりいっそう低減させうる手段を提供する。

図1.特許文献(特開2015-88232)の正極材料100’の断面模式図

図2、本発明の一実施形態に係る製造方法により得られた正極材料の断面模式図
【符号の説明】 
10a 積層型電池、 11’ 負極集電体、 11” 正極集電体、 13 負 極活
物質層、15 正極活物質層、 17 固体電解質層、 19 単電池層、 21 発電
要素、 25 負極集電板、27 正極集電板、29 ラミネートフィルム、100、
100’ 正極材料、 110 多孔質カーボン粒子、 110a 細孔、120 正
極活物質、 130 硫化物固体電解質。

3.特開2023-109264 正極材料およびこれを用いた二次電池
【概要】
電解質に酸化物系や硫化物系の固体電解質を用いた全固体リチウム二次電池に関
する研究開発が盛んに行われている。固体電解質は、固体中でイオン伝導が可能
なイオン伝導体を主体として構成される材料である。このため、全固体リチウム
二次電池においては、従来の液系リチウム二次電池のように可燃性の有機電解液に
起因する各種問題が原理的に発生しない。また一般に、高電位・大容量の正極材
料、大容量の負極材料を用いると電池の出力密度およびエネルギー密度の大幅な
向上が図れる。例えば、硫黄単体(S8)は、1670mAh/g程度と極めて
大きい理論容量を有し、低コストで資源が豊富であるという利点を備えている。
一方で、固体同士である硫黄と固体電解質との接触を保つことが難しく、硫黄正
極活物質の高容量であるという特性を十分に活かすことはできていないのが現状
である。ここで、特許文献1には、三次元ハニカム構造および特定の細孔径を有
するカーボンレプリカと、細孔内に内包された硫黄および固体電解質とを含み、
硫黄および固体電解質を内包した状態での細孔の容積が0.5~2.5cm3/g
である、正極材料が開示されている。特許文献(特開2020-161288)によると、こ
のような構成の正極材料をリチウム硫黄固体電池に適用することで、サイクルを
重ねるに従って、硫黄と固体電解質との接触面積が減少することを抑制し、容量
維持率が低下することを抑制できるとしている。しかしながら、本発明者らが検
討したところ、特許文献1に記載の正極材料を用いても、依然として充分な充放
電容量が得られないことが判明した。硫黄元素およびリン元素を含む化合物と、
導電材とを含む。当該正極材料は、532nmの波長のレーザーを用いた顕微ラ
マン分光測定のラマンスペクトルにおける、385~430cm-1の範囲のピ
ークAおよび470~475cm-1の範囲のピークBの強度の比(A/B)と
、X線光電子分光スペクトルにおける、161~162eVの範囲のピークαお
よび163~164eVの範囲ピークβとの強度の比(α/β)とが、(A/B
)<0.1(α/β)の関係を満たす、正極材料が提供される、硫黄を含む正極
活物質を用いた二次電池において、充放電容量を向上させうる手段を提供する。

【発明を実施するための形態】(省略)
【特許請求の範囲】
【請求項1】 硫黄元素およびリン元素を含む化合物と、導電材と、を含み、 5
32nmの波長のレーザーを用いた顕微ラマン分光測定のラマンスペクトルにお
ける、385~430cm-1の範囲のピークAおよび470~475cm-1
の範囲のピークBの強度の比(A/B)と、X線光電子分光スペクトルにおける
、161~162eVの範囲のピークαおよび163~164eVの範囲ピーク
βとの強度の比(α/β)とが、(A/B)<0.1(α/β)の関係を満たす、
正極材料。
【請求項2】 前記導電材が、導電性多孔体であり、 前記化合物の少なくとも一
部が、前記導電性多孔体の細孔内に配置される、請求項1に記載の正極材料。
【請求項3】 前記導電材が、炭素材料からなる、請求項1または2に記載の正
極材料。
【請求項4】 請求項1~3のいずれか1項に記載の正極材料を含む、二次電池。
【請求項5】 溶媒に、硫黄元素およびリン元素を含む固体電解質と、硫黄とを順
次溶解させる工程と、 得られた溶液に導電材を含浸させた後、溶媒を除去する工
程と を含む、正極材料の製造方法。
【請求項6】 前記溶媒が、アルコール類である、請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】 前記溶媒を除去する工程の後に、得られた固形分をミルを用いて撹
拌処理する工程をさらに含む、請求項5または6に記載の製造方法。
                                以上
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歴史の複雑さとは何か Ⅲ
               禍かなパリサイ人よ 陸海をめぐりて汝のゲヘナの子となす
                                                      マタイ伝 23-15


※元来、今日のエルサレム市の城門の外にある、深くて狭い谷底のゴミ捨て場。
そこでは、ごみを処分するために火が燃やされ続け、悪臭を放ち、処刑された罪
人の体や、ふさわしい埋葬をされなかった人体が埋められる場所でもあったゲヘ
ナ (Gehenna)とは、ヒンノムの谷をさす。

「パレスチナ問題考 ⑤」後期19世紀 - 1923:
起源 1920 - 1948:イギリスによるパレスチナの委任統治
「パンとワイン」紛争 パレスチナ分割
1948 - 1967:中東戦争
1967 - 1993:第一次インティファーダ
1993 - 2000:オスロ和平プロセス
2000 - 2005:第二次インティファーダ
2005 - 2008:アッバース時代のはじまり
2008 - 2009:ガザ紛争
2010 - 2017:パレスチナ側の手詰まりと米トランプ政権発足 
2018 - 2021:「繁栄に至る平和」と「アブラハム合意」

2021 -:――東エルサレムのパレスチナ人追放運動とガザ地区への攻撃
10月24日、ベネット政権はヨルダン川西岸・東エルサレムで約1,300棟の入植地
住宅建設の入札を公示し、
10月27日、3,144棟の入植地住宅建設計画を承認した[370]。日本外務省は「強い
遺憾の意」を表明した[371]。
2021年の1年間では、パレスチナ側は280人(うち、子供77人)、イスラエル側は13
人(うち、子供2人)が紛争で殺害された[372]。
2022年5月12日、イスラエル民政局・高等計画委員会はヨルダン川西岸で4,427戸
棟の入植地住宅建設計画を承認した[373]。パレスチナ外務省は「この人種差別
的・植民地的決定は、東エルサレム、マサファー・ヤッタ、ヨルダン渓谷を含む、
占領されているヨルダン川西岸地区を徐々に併合するという構想に由来し、実現
可能で地理的につながったパレスチナ主権国家を設立するという少しの可能性さ
え排除するものだ」と非難声明を出した。日本外務省は「強い遺憾の意」を表明
した[374]。
ベネット政権は反ネタニヤフで発足した連立政権であり、当初から与党内の矛盾
は大きかった。2017年に成立した「ユダヤ・サマリア入植地規制法」は5年間の時
限立法で、失効期限が迫っていたが、野党は倒閣のために敢えて更新に反対した
[375]。クネセトの解散総選挙により有効期限が6ヶ月延長される規定があるため、
6月30日に解散し、延命させた[376][377]。
11月1日、第25回クネセト総選挙の結果、ネタニヤフが首相に返り咲いた。ネタ
ニヤフはヨルダン川西岸やゴラン高原などの入植拡大を打ち出した[378]。
2022年の1年間では、パレスチナ側は214人(うち、子供49人)、イスラエル側は30
人(うち、子供1人)が紛争で殺害された[379]。

2023 -:現在––パレスチナの抵抗作戦
2023年1月9日、クネセトで「ユダヤ・サマリア入植地規制法」更新が可決された
[380]。
1月26日、イスラエル国防軍と治安部隊はヨルダン川西岸地区のジェニン難民キャ
ンプを急襲し、戦闘員ら9人(民間人1人)を殺害した[381]。IDFは「テロ作戦で
テロリスト3人が無力化(殺害)された。他の死傷者は調査中である」と発表し
た[382]。
2月12日、イスラエルは9前哨地(イスラエル国内法でも違法な入植地)を公認し、
既存の入植地を拡大すると発表した[383]。日本外務省は「深刻な懸念」を表明し、
「入植活動を完全凍結するよう強く求め」た[384]。
2月20日、国連安保理は入植拡大に「深い懸念と失望を表明」する声明を可決し
た。アラブ首長国連邦は「パレスチナ占領地におけるあらゆる入植活動の即時か
つ完全な停止」を求める決議案を用意していたが取り下げ、より強制力の弱い文
面に置き換えることで米国は賛成に回った。
イスラエル首相府は、声明は「一方的」であり、「声明は出されるべきではなか
った。米国も参加すべきではなかった」と主張した[385]。
3月21日、クネセトで、2005年の撤退計画を改め、ヨルダン川西岸の4入植地の再
建を、IDFの承認を条件を認める改正案が可決された[386]。米国と欧州連合は相
次いで批判し、パレスチナ大統領府のナビル・アブ・ルデイネ報道官は「全ての
入植地を違法とする国際連合安全保障理事会決議2334(英語版)をはじめとする
国際的正当性を持つ全ての決議に違反する」と非難した[387]。
日本外務省は「入植活動を完全凍結するよう強く求め」る声明を出した[388]。
5月18日、ヨルダン川西岸・ホメシュ(英語版)の入植規制を解く内容のIDF軍律
(命令2137)が布告された[389]。これを受け、サマリア地域評議会(英語版)
(入植者の地域自治体)はかねてよりイスラエル民政局の承認を得た計画に基づ
き[390]、入植地の再建に着手した[391]。
『Arab News』によると入植者達はパレスチナ人の作物を荒らし、IDFはパレスチ
ナ人農民らを拘束したという[392]。
6月18日、イスラエルはヨルダン川西岸で約4560棟(『The Times of Israel』に
よると約5700棟)の入植地住宅建設計画を承認する見通しを明らかにした。
2023年の半年足らずで13,082棟の入植が承認されたが、これは過去最多である
[393][394]。
また、入植承認に従来6段階設けられていた手続を1~2段階に簡素化し、権限が
従来の国防相から、新設の第2国防相(ベザレル・スモトリッチ財務相が兼任)
に移ることも決まった[395][396]。
日本外務省は「深刻な懸念」を表明した[397]。
7月3日から5日にかけ、IDFはヨルダン川西岸地区のジェニン難民キャンプを攻撃
し、「ジェニン大隊」の戦闘員ら12人(うち子ども4人)を殺害した。ドローン
による空襲が行われたが、ヨルダン川西岸地区が空襲を受けたのは20年ぶりだっ
た。また、ジェニン大隊はIDF兵士1人を殺害した[398]。ジェニン大隊はファタ
ハ、ハマース、イスラム聖戦のメンバーがそれぞれ参加しているという[399]。
IDFは、ジェニンが「テロリストの最大の発生源」であり、「人口の25%がテロ組
織であるイスラム聖戦に、20%が同じくハマースに所属している」と主張した。
また、「1000丁以上の武器を押収し、30人を逮捕した」と発表した[400]。
10月6日時点で、OCHAによるとパレスチナ側は237人、イスラエル側は29人が紛争
で殺害されていた[401]。 詳細は「2023年パレスチナ・イスラエル戦争」を参照
10月7日、ハマース・イスラム聖戦側からイスラエルに2000発のミサイルが発射さ
れた[402][403]。イスラエルは報復としてガザ地区を空爆した。
10月9日にはイスラエルとパレスチナ両方で死者が約1200人になった[404]。
11月29日、イスラエルのエルサレム地区計画委員会は、東エルサレム・ヨルダン
川西岸で1,792棟の入植地住宅建設計画を承認した。人権団体のイル・アミム(
英語版)は、建設予定地は「パレスチナ人私有地が含まれるが、収用される可能
性が高い」「ベツレヘムと東エルサレムの領土的隣接性を極めて困難にする」と
指摘した[405][406]。                                      この項つづく
via Wikipedia
※ 関連全てを読み切っていないが、ネタニエフ政権は、<民族浄化主義>に傾注した政
権と
一知半解ながらそう思う。

【参考情報】                                                          
イスラエル政治「「ユダヤ人国家」の 二律背反ディレンマ: 相克する民
族主義
と民主主義] Aporia of 'the Jewish State' : Growing Incompatibility between
Jewishness and Democracy 

東洋英和女学院大学 池田明史 2019.3.4
中東レビュー Vol.6 ©IDE-JETRO 2019
キーワード 民族主義/民主主義/占領/入植地/ユダヤ人国家  
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基本法の成立
2018 年 7 月 18 日、イスラエル国会(クネセト)は「基本法:ユダヤ人国家(Basic
Law: Israelthe Nation State of the Jewish People、以下 NSL と略)」を可決成立させ、「イス
ラエル国家がユダ ヤ人の民族国家であって、その主権領域内における民族自決権は
ユダヤ人によってのみ専権的 に行使される」旨を内外に闡明した。この結果、従来はヘ
ブライ語と並んで公用語とされていたアラビア語はその地位を失い、ヘブライ語
のみが
国家公用語と規定され、ユダヤ人入植地の建設・発展は民族理念の具現化
として積極
的に推進されることが法規範に明記されるなど、イスラエルはその「
ユダヤ人性」を著しく強調することとなった 。 1948年の建国直後から憲法起草
の試みはあったものの、国内外の不安定な状況が続いたため、イスラエル政府が
一挙に成文憲法を制定することはできなかった。その代替策として、将来的に体
系的な成文憲法を構成する個別条項を必要に応じて順次定めていくという方法が
採られ、それらが基本法と呼称されることとなった。しかし基本法であっても、
特に条文で定められた場合を除き、他の一般法と同様に単純過半数で成立する。
クネセトでの採決に参加した議員の過半数で採決されるのである。したがってNSL
も、クネセト定数120議席のなかで、賛成 62 票・反対 55 票という 7 票差の単
純過半数で成立した。 この票差に示されているように、NSLは国論を二分する論
争のなかで採択された。国家が「ユダヤ人性」を強めるということは、非ユダヤ
人市民の権利や処遇の問題に直結すると考えられ たからである。とりわけパレ
スチナ系イスラエル市民や彼らとの協調・協働を掲げる左派系政党などは、これ
までも事実上「二級市民」として取り扱われることが多かった非ユダヤ人市民へ
の差別が、新たに法規範によって正当化されるとして激しく反発した。 
 もともとイスラエル国家は、1948 年の建国宣言文書に明記されているように、
「(ユダヤ人の) 民族国家」であると同時に「(すべての国民に平等に開かれ
た)民主国家」であるという自己規定の上に成立した。当然ながらこの民族原理
と民主原理とは、突き詰めれば相互に矛盾し衝突する。歴代の政権は、国家がそ
の出生時から胚胎した二つの構成原理の構造的矛盾に対して、その顕在化を回避
すべく如何にして両者の均衡を図るかという課題を背負ってきた。しかし 2009年
以降 10 年に及ぶネタニヤフ現政権において、その均衡は徐々に民族原理優位に
傾き、 NSL の成立によってそのような趨勢はほぼ決定的なものとなった。 
   
 --------------------------------------------- 
 1 イスラエルにおいて、民主主義(democracy)をめぐる議論は建国以来繰り返し
論争の
焦点であ った。「イスラエル独立宣言」(1948 年)は、この国が、「宗
教、人種、性にかか
わりなく、すべ ての住民に社会的・政治的権利の完全な平
等を保障する」と闡明した。
だが、イスラエル基本法 「人間の尊厳と自由」第
8条は「本基本法のもとにおける諸権
利は適当な目的のため、または必 要を越え
ない程度に、イスラエル国の諸価値に適合
する法律、およびこのような法律の下
において発効した規定による例外を除いては侵し
てはならない」ことを定めてお
り、ユダヤ人国家イスラエルにおける「ユダヤ人」の特権
的地位を前提にしてい
るものと解釈される。このような特殊 な民主主義の在り方をめぐ
っては、「植民
者国家(colonial state)」、「エスノクラシー(ethnocracy)」、 「支配民族民主主義(Herrenvolk
democracy)」、あるいは「エスニック民主主義 (ethnic democracy)」 など、多様な概念が
提出されてきている。また、民族主義にしても、ユダヤ人の概 念規定そ
のもの
をめぐって宗教派と世俗派との間に軋轢があることは、いわゆる「帰還法」のユ
ダヤ人条項論争が凍結・棚上げされている事実によっても明らかである。「イス
ラエルは
民主国家か」という問いへの答えは、詰まるところ民主主義をどのよう
に理解するかに
よって異なってくる。しかしここでは、それらの論点には立ち入
らず、さしあたって一般に
流通している民族主義と民主主義との意味内容を以て
議論を進める。


2 現ネタニヤフ政権下でイスラエルの「右傾化」が進行してきたことは夙に指摘
されてい
るが、ここにきてそうした趨勢がNSLの可決成立という形で一挙に加速
された背景に
は、欧米など国際社会におけるリベラル・デモクラシーの退潮とポ
ピュリズムの台頭と
いう現象が挙げられよう。 アメリカのトランプ政権登場や、
ヨーロッパ各国での民族主義政党の勢力伸長などの結果、イスラエルの右傾化が
相対化され、国家存立の正統性に対する批判が緩和されるという期待が生まれて
いる。しかしその一方で、これら欧米の自国優先主義や民族主義の高揚は、容易
に反ユダヤ主義と結びつき、イスラエルにとって新たな脅威になり得るとの指摘
もある。    
------------------------------  
過半数で採決されるのである。したがって NSL も、クネセト定数 120 議席のな
かで、賛成 62 票・反対 55 票という 7 票差の単純過半数で成立した。 この票
差に示されているように、NSL は国論を二分する論争のなかで採択された。国家
が「ユ ダヤ人性」を強めるということは、非ユダヤ人市民の権利や処遇の問題に
直結すると考えられ たからである。とりわけパレスチナ系イスラエル市民や彼ら
との協調・協働を掲げる左派系政 党などは、これまでも事実上「二級市民」とし
て取り扱われることが多かった非ユダヤ人市民 への差別が、新たに法規範によ
って正当化されるとして激しく反発した。 もともとイスラエル国家は、1948 年
の建国宣言文書に明記されているように、「(ユダヤ人の) 民族国家」であると
同時に「(すべての国民に平等に開かれた)民主国家」であるという自己規定の
上に成立した。当然ながらこの民族原理と民主原理とは、突き詰めれば相互に矛
盾し衝突する。歴代の政権は、国家がその出生時から胚胎した二つの構成原理の
構造的矛盾に対して、その顕在化を回避すべく如何にして両者の均衡を図るかと
いう課題を背負ってきた。しかし 2009 年以降 10 年に及ぶネタニヤフ現政権に
おいて、その均衡は徐々に民族原理優位に傾き、NSL の成立によってそのような
趨勢はほぼ決定的なものとなった。

民主原理と民族原理との衝突
占領支配に対する民主原理の論理は明快であった。「他の民族を占領し強制的に
支配する民族は、民主主義的ではありえない」3 、したがって、民主原理を貫徹
しようとすれば、占領状態 が問題の最終的解決に至るまでの暫定的かつ便宜的な
過渡期の措置であることを認め、可及的 速やかな解決策の模索と追求がなされな
ければならない、というものである。その解決策とは、現時点では二者択一と考
えられる。すなわち、一方に二国家解決案に基づくパレスチナ国家の建設とこれ
との共存があり、他方に占領地の併合によるイスラエル領への公式編入(「一国
家解決案」)がある。もとより、編入される場合には、パレスチナ人住民にはイ
スラエル国民として 完全な市民権が付与されることとなる。
また、占領が過渡期の暫定的な状態であるならば、パレスチナ占領地に恒久的な
ユダヤ人入植地を建設し、これを拡張するが如き政策は排除されねばならない。
RLはこの観点からは当然ながら全否定される。法の下の平等という民主原理に真
っ向から背反し、入植地とそのユダヤ人住民とに特権的地位を認め、しかもその
特権はパレスチナ人の所有権や移動の自由といった基本的人権の侵害の上に成立
するものだからである。

このような民主原理の主張に対して、民族原理は次のように反論する。パレスチ
ナ人なるものは、詰まるところアラブ民族の一部にほかならず、ユダヤ人と同等
の意味での主体的で固有 の民族とは認められない。アラブ民族はすでに 20を超
える主権国家においてその自決権を実 現しているのであり、イスラエル建国の経
緯が明らかにしているように、パレスチナにおいてはユダヤ人とアラブ民族との
自決権要求が競合し、結果的にユダヤ人国家イスラエルのそれが認められた。
その際、西岸・ガザにおける自決権の所在は未決のままとなり、オスロ合意によ
ってパレスチナ自治政府が認められたことにしても、それがそのままパレスチナ
人の民族自決権の優位を自明の前提とするわけではない。したがって、西岸・ガ
ザにおけるパレスチナ人の民族的権利がユダヤ人のそれより優先されねばならな
いとの主張には合理的根拠がない。
------------------------------
3 このような言説は、1970 年代末以降に高揚したイスラエルの各種平和運動、
とりわけ Shalom Achshav (Peace Now)などが常套的スローガンとして掲げたも
のである.。
                                                          この項つづく
------------------------------------------------------------------------                   



武力で紛争を解決は困難が続くも。わたし(たち)は、理不尽な弱者・被支配者
への暴力に、平和時の弱者への支配やいじめへの抗議する。


Mrs. GREEN APPLE
ケセラセラ 2023.4.24


「ス・ワンダフル」('S Wonderful)は、ガーシュウィン兄弟によるポピュラーソ
ング。作詞アイラ・ガーシュウィン、作曲ジョージ・ガーシュウィン。オードリ
ー・ヘップバーンとフレッド・アステアが共演した1957年の映画『パリの恋人』
の主題歌として知られる。このため、ジャズファン以外にも広く知られる曲]。
「君が僕を愛してくれるなんて、なんと素敵で素晴らしいことだろう」と速いテ
ンポとスウィング感で、ドラマティックに、ユーモラスに歌い上げる。 1927年の
ブロードウェイ・ミュージカル『ファニー・フェイス』のためにガーシュウィン
兄弟が書き下ろし、アデール・アステアとフレッド・アステア姉弟が初演]、通算
公演250回を記録し、彼らの代表作として知られるようになった。
「'S」は、当時流行していた「It's......」の「It」を省略する言い回しである。

 今夜の寸評: お先真っ暗ラスト・ディケイドを 全力疾走 !


コメント
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超越数と世界の終わり

2023年11月14日 | 環境リスク本位制

    

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと伝えら
れる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時代の軍団編成
の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜(かぶと)を合体さ
せて生まれたキャラクタ。



パンサー尾形貴弘が数学の難問を大真面目に解説する「笑わない数学」。NHK
公式HPのシリーズが面白い。今回の
テーマは「超越数」。ウルトラスーパーすご
い数って一体どんな数? 21世紀の最新研究も登場! 今回は数の分類をめぐる
冒険。学校で教わる分類と言えば、無理数とかマイナスの数とか虚数とか…。と
ころが数学者たちは今も夢中になって数を分類し続けているだけでなく、人類は
いまだに全く数のことを理解できていない!と語る。中でも巨大な謎を秘めてい
るのは「超越数」。ウルトラスーパーすごい数とは何か? 「円周率パイは超越
数である」という2千年の難問をパンサー尾形が証明!「数の分類」
に隠された
魅惑に迫る!

尾形 貴弘(おがた たかひろ、1977年〈昭和52年〉4月27日 - )は、日本のお笑
い芸人、YouTuberであり、お笑いトリオ・パンサーのメンバー。アイドルグルー
プ吉本坂46のメンバー。宮城県桃生郡鳴瀬町野蒜(現・東松島市)出身。
 中央
大学文学部(東京都)卒業。

ところで、数学と料理レシピの問題解決に「フェルマーの定理」が関係有るなん
て考えもしなかったがこれも面白そうだ(見逃しもあるが)。人気漫画のドラマ
化なんだが、読んだことともないが、とかく、「アルゴリズム万能時代?」の所
為もあり数学がブームなのかもしれない。


『フェルマーの料理』 



時は2393年、世界はかつての面影をほとんど残していない――。本書は、世
界崩壊の300年後からいまの世界を俯瞰するという斬新なアプローチを採用す
ることで、従来のノンフィクションの手法では十分に語ることのできなかった、
あまりにも明白な「世界の危険な現状」を白日の下にさらすものである。

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1.5℃の炭素収支は2029年までに枯渇する
地球の平均気温の1.5℃上昇を防ぐための炭素収支は現在、以前の推計の半分に
過ぎず、二酸化炭素250ギガトン未満、または世界の年間排出量の約6年分に相当
する。 地球規模の排出量の新たな計算に基づくと、世界が化石燃料から移行す
るまでの時間は、これまで考えられていたよりもさらに短い。
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インペリアル・カレッジ・ロンドンのチームが主導した新たな研究によると、二
酸化炭素(CO2)排出量を大幅かつ急速に削減しなければ、世界は2030年までに
1.5℃の温暖化が固定化する可能性が50%あるという。Nature Climate Change に掲
載されたこの研究は、世界の炭素収支に関する最新かつ包括的な分析である。



図1.炭素収支の計算方法
a、参考文献に基づく、さまざまな要因が残りの炭素収支にどのように寄与するか
 を示す概略図。
b. 2010 年から 2019 年以降の CO2 が正味ゼロに達したときの、AR6データベー
 ス内の各シナリオの最新の MAGICC、FaIR、およびこれらの値の平均による温暖
 化への非CO2に寄与。左上のバーは、100 GtCO2 から予想される温暖化の中央値
 を示す。
指定された分位点への線形近似と、平均化されたデータ ポイントへの QRW近似の
分位点の両方をプロット。

炭素収支は、地球温暖化を一定の温度制限以下に抑えながら安全に排出できるCO2
排出量を定義。2015年に195カ国が採択したパリ協定は、世界の気温上昇を産業革
命前と比べて2℃未満に抑え、1.5℃に抑える努力追求を目指す。 残りの炭素予算
は、通常、これらの目標に対する進捗状況を評価するために使用される。 新しい
研究では、温暖化を1.5℃に抑える確率が50%の場合、炭素収支には現在247ギガ
トンのCO2が残っていると推定。これは、CO2排出量が年間約 41 ギガトンの2023
年のレベルに留まる、炭素収支は 2029年頃までに枯渇し、地球は産業革命前の
レベルより 1.5 ℃上昇を意味する。修正された予算は現在、2020年のレベルで
ある494ギガトンの半分に過ぎない。研究者らは、この変化の原因として、地球
規模の温室効果ガス排出量の継続的な増加や、エアロゾルの冷却効果の測定値の
改善など、いくつかの要因があると考えている。 後者は、2020年に導入された
船舶燃料に使用される硫黄の上限規制など、大気環境の改善と排出量削減のため
の対策により世界的に減少している。2℃未満に抑えるための予算は1,220ギガト
ンだが、2040年代後半までに現在の傾向では使い果たされる可能性がある。


図 2: 炭素収支に対するモデルとシナリオファミリーの影響。
a) 1.5℃の炭素収支。 b) 2℃の炭素収支。
AR6 データベースのシナリオを使用して、同じ SSPの同じモデルからのシナリオ
間を補間することにより、温暖化のピーク時の非CO2温暖化を推定 (すべてのシナ
リオ間を補間するすべての AR6を除く)。 a、IMAGE 3.0.1 シナリオの非CO2温暖
化に対するSSPファミリの影響 (SSPの完全なセットを備えた唯一のモデル)。 b.
少なくとも3つのシナリオがあるモデルのさまざまなモデルおよびシナリオに対す
る 1.5℃の予算。 すべてのAR6 シナリオは、同様に、すべての AR6シナリオ間の
非 CO2温暖化を補間。 箱ひげ図は中央値と25~75パーセンタイルの範囲を示す。
ひげは 10~90パーセンタイル値を示し、SSP/モデルグループごとに7ポイントが
表示。
一般に、シナリオは地球温暖化を一定の限界以下に抑えるように設計する。この
ようなシナリオは、すべてのGHG排出量を制限することを目的としており、多くの
場合、すべてのGHGに CO2換算価格を適用することによりモデル化される。したが
って、直観的には、総温暖化と非CO2GHGによる温暖化の間には単調な関係がある
と予想されるが、農業などの一部の活動では、CO2以外のGHGを完全に除去するに
は十分な緩和策が特定されず、CO2以外のGHGをゼロに削減するには明確な限界が
あることが特定されている。エアロゾル強制力は地球を冷却し、一般に CO2排出
量と同様に減少するが、これも予想される相関の強さを減少させる。通常、この
非 CO2 温暖化の下限は、温暖化を 2.0℃以下の制限経路が達成されており、温
暖化をさらに低いレベルに制限することを目指しても、それ以上顕著に低下しな
い。この非CO2排出量の下限は、CO2排出量が正味ゼロに達する頃に予想されるCO2
以外の温暖化を大幅に決定する。重要なのは、この最小床レベルは、モデル間お
よびモデル構成間の両方で大幅に異なる可能性がある。たとえば、将来の社会経
済的発展に関する仮定、モデルでどのような緩和オプションが可能か、または土
地の配置方法などに応じて異なる。土地システムがどのように扱われるかシナリ
オへの適合データにおける17~83%の不確実性範囲は、わずか約100GtCO2の予算
変化に対応するが、図 1bに見られるように、多くの個々のシナリオはこの範囲の
数倍外側にある。また、RCB に対するモデルと SSP シナリオ ファミリの影響も
調査します (図 2b)。 SR1.5 データベースの同様のプロットは、補足図 2 にあ
る。結果は組み合わせごとに明らかに異なるが、明確な傾向は現れず、AR6データ
ベース内のいくつかのモデルまたはシナリオファミリの過剰表現が体系的にバイ
アスを与える可能性があるという懸念を和らげる。RCBの計算。 この懸念は、分
布が大きく異なる AR6データベースとSR1.5 データベース間の変更による影響が
小さいことによっても緩和される (1.5℃のバジェットの50% では 1%未満の変
化、2℃では6%の変化sp;表 2)。シナリオのAR6データベースのシナリオを使用す
ると、さまざまな単一モデルと SSPの組み合わせで計算された 50% 1.5 ℃ バジ
ェット間の標準偏差が約 120GtCO2である。 すべてのモデルと SSP の組み合わ
せにおける値の範囲は、490 GtCO2から最小値の 80GtCO2。 SR1.5 データベース
で利用可能なシナリオで同じ分析を実行すると、同様の値が得られる。これは、
非CO2排出量の削減がどの程度成功するかに応じて、1.5℃のRCBが約 2倍変化す
る可能性があり、より正確なRC の推定には、正味ゼロへの非CO2経路を条件とす
る必要があることを強調している。同様に、一般的な中央推定値の代わりにこの
種の条件付きRCBを比較に使用すると、経路の地球温暖化パフォーマンスを評価
するための RCBの使用をより正確にできる。

非CO2温暖化のタイミング
RCBは、年間正味CO2排出量がゼロになるまでの累積CO2排出量として適切に定義
されるが、実質的にすべての経路において、正味ゼロに達する主要な GHG はCO2
だけです。他の長寿命 GHG の残留排出量は、地球が正味ゼロに達した後も温暖
化を続ける可能性があることを意味する。実際には、シナリオ データベースで
CO2正味ゼロに達するほとんどのシナリオは、CO2排出量が正味マイナスに達し、
これらのマイナス排出はすぐに他の要因による温暖化を打ち消す。 さらに、こ
の研究で使用された両方のエミュレータは、わずかに負のZECを持っている(IPCC
AR 評価に合わせて調整されているにもかかわらず、ZEC の評価値はゼロに近いが、
符号の信頼度は低いと報告されている。通常、エミュレーターのこの負のZECによ
り、今世紀末までのネットゼロシナリオにおける中央値気温の上昇が防止される。
これらの事実は、CO2以外の温暖化をいつ測定すべきかという問題を解決するもの
ではない。 非CO2温暖化のデフォルトの定義は、最近の IPCC RCB 推定と一致し
て、CO2排出量が正味ゼロになった時点での温暖化への非CO2寄与である。これに
は、CO2以外の温暖化を判断するために使用される時間を、エミュレータの温度
応答の時間的変化から切り離すという利点がある。これにより、たとえば、エミ
ュレータの負の ZECの影響が軽減される。ただし、ピーク温度時の CO2 以外の
寄与を推定していないため、特定の温度を超えないようにするためのタイミング
の選択は適切でない。 したがって、この仮定のバリエーションを検討。詳細は「
方法」で説明し、いくつかのシナリオについて図3 にプロットした。いくつかの
シナリオでは、異なるアプローチで非常に似た結果が得られるが、他のシナリオ
では、結果が 0.1℃以上異なる可能性があることがわかった。考慮できる代替ア
プローチには、モデルで報告されたネットゼロ日(排出量が最近の排出量と一致
するように調整される前のネットゼロ日)の時点での非 CO2 温暖化、次の時点
での非 CO2温暖化の可能性の最大値などがある。21世紀のあらゆる時点と、最高
総温度における非CO の温暖化。これらの測定値間の変更の影響を表 2で調査。
ほとんどの経路は正味ゼロに到達しないため、最初の 2つのアプローチの計算に
は寄与しない。これらのシナリオは 21世紀中にピーク温度に達せず、明確に定
義されたCB がないため、他のアプローチからも除外すると一般に結果が改善さ
れる。

図3 各エミュレータにおける時間の経過に伴う総CO2温暖化と非CO2温暖化の関係
a、MAGICC、 b、FaIR、 AR6 のさまざまなモデルからの 5つの経路は、さまざま
な経路で正味ゼロに到達するシナリオのタイプを代表するもので、CO2以外の温暖
化をいつ取るかについてのさまざまな定義が結果にどのような影響を与えるかを
示すマーカーとともに強調表示されている。同じシナリオが両方のプロットで同
じ色で強調表示される。実際のネットゼロは最終排出量データのネットゼロを指
すが、元のネットゼロは調和前のシナリオのもの。
     
AR6 WG1結果の推奨比較
AR6 WG1報告書から推奨アプローチに更新されたより最近の排出量が含まれる RCB
係数は、次のように要約できる
。気候エミュレータMAGICCのバージョンが更新さ
れ、FaIRからの計算が組み込まれた。シナリオのデータベースが SR1.5 から AR6
に変更された。非CO2傾向は、線形傾向の代わりに QRWを使用して検出された。
また、非CO2温暖化は、正味ゼロの時点ではなく、正味ゼロに達するシナリオか
らの総温暖化のピーク時に取得される。図4に見られるように、最近の排出、
MAGICC の再校正、および FaIR の追加が最も大きな影響を及ぼした。推奨予
算と以前の予算の差は 2℃と小さく、気温が 2.2℃を超えると、より高い温暖化
度に対する更新されたRCBは大きくなる。 さまざまな MAGICC および FaIR
ージョンの予算の図を補足図 1に示す。さまざまなエミュレータを含めることで、
CO2以外の仮定を明示するのと同様に、推定の堅牢性が向上。 総温暖化の関数と
して非CO2温暖化を推定するために非線形関係を適用すると、非CO2温暖化の時間
の選択とシナリオのデータベースの影響が少なくなる。

図4 計算の各修正による炭素収支の変化のプロット図
a、RCB は 50% の確率で 1.5 ℃。 b、50%の確率で2℃のRCB。 c、温度範囲の
RCB (WG1 と更新された予算のみを表示)。 不確実性区間は、CO2温暖化要因の
不確実性分布を考慮した 33 パーセンタイルと 66 パーセンタイルの予算を示す。
デフォルトのアップデートは、QRW を使用するまでの変更に対応している。aと
bでは、明るい青は各ステップの予算の増加を表し赤は予算の減少を表す。

これらすべての変更を加えた後、2022 年以降に開始される最適な (50%) RCB 推
定値は、温暖化を 1.5℃に制限するための RCBとして 250 GtCO2 (CO2 の影響の
不確実性から 17 ~ 83% の範囲: -170 ~ 840 GtCO2) となります。 非 CO2 強
制のモデル化された影響における同じ不確実性により、160 ~ 280 GtCO2 の範囲
が得られる。 これらの不確実性を、分位数に適合する一般化された極値関数(方
法で説明) を使用して組み合わせることができ、その結果、-200 ~ 830 GtCO2
の範囲が得られる。 CO2 以外の不確実性に関する偏りにより、両方の制限が低
下することに要注意。 2 ℃の場合、1,220 GtCO2(CO2からの650〜2,270 GtCO2、
CO2以外の不確実性を含むと600〜2,240GtCO2)になる。 66% または 90% の確率
で温暖化を 2℃に制限する場合、RCB はそれぞれ 940 および 500 GtCO2 と推定
される。 2022年に排出される 40 GtCO2は、温暖化を 2℃に抑える可能性がそれ
ぞれ 66% または 90% の確率で現在の CO2排出量の23年と12年に、50%の確率で
1.5 の確率で 6年間の CO2 排出にほぼ相当。これは、ネットゼロへの直線的な
経路に換算すると、2070年、2050年、2035年頃に世界のCO2 排出量がネットゼロ
に達することを意味する。
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インペリアル・カレッジ・ロンドンの環境政策センターの研究員であり、
この研
究の筆頭著者であるロビン・ランボル博士は、「我々の発見は、我々がすでに知
っていることを裏付けるものだ。気温上昇を1.5℃以下に抑えるのに、私たちはほ
とんど十分な努力をしていないということだ」と述べた。「現在、残りの予算は
非常に少ないため、世界に対する私たちの理解が少し変わるだけで、予算もそれ
に比例して大きく変化する可能性があります。しかし、推定によると、現在のレ
ベルでの排出量は10年未満です。排出量削減が進んでいないということは、排出
量削減が進んでいないということを意味します」 温暖化を安全なレベルに保つ限
界が急速に閉まりつつあることを、私たちはますます確信できるようになった。」
二酸化炭素以外のガスによる温暖化や、モデルでは考慮されていない排出による
進行中の影響など、他の要因の影響により、残りの炭素収支の計算には多くの不
確実性が存在する。この新しい研究では、更新されたデータセットが使用され、
以前の研究と比較して気候モデリングが改善され、これらの不確実性が特徴付け
られ、残りの炭素収支推定の信頼性が高まりました。 ランボル博士は、「温暖
化が少しでも進むと、人々と生態系の生活は困難になる」と述べた。 「この研
究は科学界からの新たな警告だ。これからは政府が行動するかどうかにかかって
いる。」 この問題は今日、これまで以上に重要になっています。 今年は記録が
始まって以来最も暑い年となる見込みで、最新のエルニーニョ現象が進行してい
るため、世界の平均気温上昇は少なくとも一時的にすでに1.5℃を超えている可
能性がある。 2030 年代、あるいはそれより早く、このレベルの気温上昇が毎年
標準になる可能性があります。 残念なことに、世界の指導者たちは危機感をほ
とんど、あるいはまったく持っていないようです。 度重なる行動の誓約にもか
かわらず、彼らは多数の新しい化石燃料プロジェクトを承認し続けている。 例え
ば、バイデン政権はアラスカ州のウィロー・プロジェクトにゴーサインを出した。
このプロジェクトには、最長30年間にわたり3か所で200本の油井を掘削すること
が含まれる。 その総CO2排出量は、新たに約70基の石炭火力発電所を建設するの
に相当する。 一方、リシ・スナック首相率いる英国は最近、最大の未開発油田
を含む100以上の新たな石油・ガス掘削プロジェクトを発表し、物議を醸してい
る。 昨年の政権交代にも関わらず、オーストラリアは100以上の新たな化石燃料
プロジェクトを推進しており、これらを合わせると2030年までに排出量が48億ト
ン増加する可能性がある。 太陽光発電や風力発電、電気自動車、実用規模のバ
ッテリー、その他のクリーンテクノロジーの展開は希望をもたらす。しかし、こ
れらのプロジェクトの急速な進展でさえ、ほぼ確実に遅すぎて1.5℃、おそらく
2℃の上昇を防ぐことはできないだろう。それを超えると、温暖化は壊滅的で制御
不能になり始める可能性がある。

地球に対する人類の影響がますます明らかになっていることは、私たちが生きて
いる異常な時代を思い出させる。解剖学的に現生人類は約20万年前に初めて誕生
し、テクノロジーの面ではほとんど何も持たずに小規模な狩猟採集民の集団とし
て誕生した。それ以来 2,000世紀の間に、私たちの人口は 80億人以上に急増し
た。私たちは地球全体で支配的な種となり、広大な都市を建設し、その活動によ
り陸、海、空、さらには宇宙さえも変えてきました。 影響のほとんどは、人間
の一生のうちに起きたものである。 この世界征服は非常に偉大で成功したもの
だが、皮肉なことに、オーバーシュートが完全に回復することのない一連の危機
を引き起こし、私たちの破滅となるかもしれません。 しかし一方で、これらの
危険は大きなチャンスでもある。 人工知能のパワーとスピードに導かれて産業
と社会を変革するというこの極めて重要な瞬間に私たちが近づく中、今後数十年
は私たちの歴史の中で最も重要なものとなる可能性がある。(via  ”Carbon budget f
or 1.5°C will be exhausted by 2029", Future Timeline. 10th November 2023)
※わたし(たち)は1億年先の話をしているのではない。「今そこにある危機」にある世界
を想定し、問題解決したいと思っているのだ。



マルクス解体 プロメテウスの夢とその先
斎藤幸平/ 竹田真登
講談社(2023/10発売)

 資本主義をこえていく、新時代のグランドセオリー! 
 人新世から希望の未来へ向かうための理論。 英国で出版された話題書
  Marx in the Anthropocene(ケンブリッジ大学出版、2023年)、待望の日本語
 版! いまや多くの問題を引き起こしている資本主義への処方箋として、斎
 藤幸平はマルクスという古典からこれからの社会に必要な理論を提示してき
 た。本書は、マルクスの物質代謝論、エコロジー論から、プロメテウス主義
 の批判、未来の希望を託す脱成長コミュニズム論までを精緻に語るこれまで
 の研究の集大成であり、「自由」や「豊かさ」をめぐり21世紀の基盤となる
 新たな議論を提起する書。

目次
第一部 マルクスの環境思想とその忘却
第一章 マルクスの物質代謝論
第二章 マルクスとエンゲルスと環境思想
第三章 ルカーチの物質代謝論と人新世の一元論批判
第二部 人新世の生産力批判
第四章 一元論と自然の非同一性
第五章 ユートピア社会主義の再来と資本の生産力
第三部 脱成長コミュニズムへ
第六章 マルクスと脱成長コミュニズム MEGAと1868年以降の大転換
第七章 脱成長コミュニズムと富の潤沢さ
------------------------------------------------------------------------   
本日は先回のつづき。

    まえがき
    より自由で平等で、さらには持続可能な生活のための想像力と創迫力を育
 もうとする、クラインやピケティらの試みからも刺激を受けながら、本書は
 マルクスの理論を参照して、人新世にふさわしいポスト稀少性社会の姿を提
 示していきたい。もちろんそれは、ソ連型「社会主義」とはまったく異なる、
 新しい未来社会である。人類世という新しい地質学的概念を自然科学を超え
 て、経済学、民主主義、環境正義をめぐる現代の問題と結びつけることで、
 マルクスが構想していたエコロジカルなポスト資本主義の理念を現代に復活
 させることを目指ざすのだ。
  その際、本書のプロジェクトは、Marx-Engels-Gesamtausgabr」(MFGA
 ではじめて刊行された新資料を治用した近年のマルクス研究の成果に依拠し
 ている。とりわけMEGA第Ⅳ部門でマルクスの自然科学に問する研究ノ-
 ートが刊行され、マルクスの環境への関心が従来の想定よりもけるかに広い
 ことが判明してきている。
  これらのノートは長い間研究者によっても無視されてきたが、最近の研究
 では、マルクスは地質学、植物学、農芸化学の研究を通じて、気候変動や天
 然資源の枯湯玉壌養分、化石燃料、森林)、種の絶滅といった資本のさまざ
 まな掠奪行為を分析していたことが示されているのだ(Saito 2017)。
   その結果、マルクスの経済学批判のなかでも環境の領域こそが、人新世に
  おいてマルクスの知的遺産を再生させるための中心領域になっていると言っ
  ても誇張ではない。とりわけマルクスの「物質代謝の亀裂 metabolic rift」と
 いう概念は、現代資本主義が引き起こす環境問題に対する批判に不可欠な概
 念になっている(B.Clark 2002:Clark and York 2005,Longo, Clausen and Clark 20
  15:Holleman 2018):。
そこで本書第一部では、マルクス主義の理論的・方法論
 的基礎として物質代謝論を展開し、環境社会主義の基礎を準備する。その際
 には、マルクスだけではなく、フリードリヒ・エングルス、ローザ・ルクセ
 ンブルク、ルカーチ・ジェルジュ、メサーロシュ・イシュトヴアンといった
 マルクス主義者たちの議論を合わせて取り上げることで、「物質代謝 Stottw-
     echse1/metabolism
」という概念がもつ理論的射程を明らかにしていきたい。
   繰り返せば、このプロジェクトはたんにマルクスの物質代謝概念をより正
  しく理解するだけにとどまらない。「物質代謝の亀裂」という概念の展開に
  取り組む価値があるのは、環境危機に対するアプローチの仕方が異なれば、
  そこから出てくる危機への処方瀋も異なるからである。つまり、特定の理論
  へのコミットメントは実践的帰結を伴うのである。
   だからこそ「物質代謝の亀裂」の概念を批判する形で、人類世における人
  間と自然との関係を把握する「ポストマルクス主義」的な試みが現れてきて
  いる事実は、偶然ではない。その特徴は、哲学的な一元論ヘの傾倒である。
  そして、一元論の支捨者たちは、マルクス主義の「存在論的二元論」(Ca-
    stree 2013:177)が入新世における自然の存在論的地位を適切に理解できてい
  ないと批判する。資本主義が環境全体を徹底的に再構築するため、自然なる
  ものはもはや存在しない。自然は資本主義の発展を通して「生産」されるも
  のになっているというわけだ。そのような状況を前にして、一元論者は存在
 論的二元論を捨て、「ハイブリッド」や「ネットワーク」によって特徹づけ
 られた関係的思考で置き換えることを主張するのである(Moor 2015)。
  しかし、一元論は失敗したプロメテウス主義を入新世に蘇らせ、自然への
 さらなる介入を正当化することになりかねない。このような「地球構築主義
 Geoconstructivism)のアプローチは、入新世においてはすでに自然に対する
  人間の介入が多くなり過ぎていると主張する(ncyrat)。それゆえ、環境破壊を恐れ
  て介入を
止めようとする訴えは無責任であり、より酷い大惨事を招くという
  のだ。地球構築主義によれば、人間の解放につながるかはともかく、人類生
  存の唯一の道は、惑星全体をさらに徹底的に改変することによる地球のスチ
  ュワードシップしかないという。この新しいプロメテウス主義は、ポスト資
  本主義の未来像を刷新しようとするマルクス主義者たちにも影響を与えてい
 る(Mason 2015; Smicek and Williams 2016; Bastani 2019)。そこで本書の第二
 部では、マルクスの「方法論的二元論」と「物質代謝の亀裂」を擁護しなが
 ら、人類世におけるさまざまな一元論とプロメテウス主義に応答していきた
 い。
  現代の一元論とプロメテウス主義の理論的限界を批判的に検討したうえで、
 本書の第三部では晩期マルクスのポスト資本主義像をエコロジカルな視点か
 ら再検討していく。MEGA研究によって新たに浮かび上がってくるのは、
 マルクスが1868年以降、自然科学、人文科学、社会科学の学際的研究を
 通じて、理論的な大転換----アルチュセール的な意昧での「認識論的切断」
 (Althusser 2005)----を成し遂げたという事実だ。

  マルクスが最終的に獲得したポスト資本主義像は、「脱成長コミュニズム」
 と呼ぶべきものなのである。脱成長コミュニズムの理念は、「資本主義リア
 リズム」を克服することを可能にしてくれる。晩期マルクスに立ち返ること
 でこそ、人類世における未来社会の積極的な展望を提示することができるよ
 うになるのだ。これこそまさに、今日私たちがマルクスを読むべき理由であ
 る。しかし、もし実際にマルクスが脱成長コミュニズムを提唱していたのな
 ら、なぜこれまで誰も指摘しなかったのか、そしてなぜ、マルクス主義は生
 産力主義的な社会主義像を支持してきたのだろうか、と疑問に思うかもしれ
 ない。だが、実はその理由は簡単で、「マルクスのエコロジー」が長い間無
 視されてきたからである。  
  したがって、マルクスの脱成長コミュニズムを再構成するためには、まず
 マルクスのエコロジーの周緑化の歴史を系譜学的にさかのぼる必要がある。
 もちろん、この系譜はマルクス自身から始まる。第一章では、MEGAで公
 刊された自然科学に問するマルクスのノートを参照しつつ、「物質代謝の亀
 裂」の三つの次元と技術によって媒介される地球規模での時間的・空間的「
 転嫁」を展開していく。資本蓄積にとって自然の収奪が必須の前提だという
 洞察は、その後、ローザ・ルクセンブルクによって深められる。彼女は『資
 本蓄積論』において、資本主義の周縁部における人々や環境に対する破壊的
 作用を物質代謝論を用いて問題視していたたのだ。  
  とはいえ、ルクセンブルクは「物質代謝」という概念を取り上げる際、そ
 れをマルクス批判として定式化したのだった。彼女の批判は、マルクスの物
 質代謝論が当時でさえも十分に正しく理解されていなかったことを示唆して
 いる。このような誤解は、マルクスの著作の多くが未公刊であり、ルクセン
 ブルクもそれらをの傾倒である。そして、一元論の支持者たちは、マルクス
 主義の「存在論的二元論」(Castree 2013: 177)が入新世における自然の存在
 論的地位を適切に理解できていないと批判する。資本主義が環境全体を徹底
 的に再構築するため、自然なるものはもはや存在しない。自然は資本主義の
 発展を通して「生産」されるものになっているというわけだ。そのような状
 況を前にして、一元論者は存在論的二元論を捨て、「ハイブリッド」や「ネ
 ットワーク」によって特徴づけられた関係的思考で置き換えることを主張す
るのである(Moore 2015)。
   
                             この項つづく

------------------------------------------------------------------------

 風蕭々と碧い時

Kubo and the Two Strings





When you wish upon a star
Makes no difference who you are
Anything your heart desires
Will come to you

lf your heart is in your dream
No request is too extreme
When you wish upon a star
As dreamers do

Fate is kind
She brings to those who love
The sweet fulfillment of
Their secret longing

Like a bolt out of the blue
Fate steps in and sees you through
When you wish upon a star
Your dreams come true

1940年のディズニー映画『ピノキオ』の主題歌。コオロギ「ジミニー・クリケッ
ト」を演ずるクリフ・エドワーズが歌い、オープニングクレジットと最後のシー
ンで流れる。その年のアカデミー賞の作曲賞、歌曲賞を獲得した。この曲はオス
カーを獲得した最初のディズニーソングであり、「小さな世界」「ミッキーマウ
ス・マーチ」と並んでディズニーを象徴する代表的な曲として知られている。な
お、2004年に発表されたアメリカン・フィルム・インスティチュートによるアメ
リカ映画主題歌ベスト100の第7位に入いる。


●  今夜の寸評: 
ブギウギは癖になるの?

ブギ(boogie)とはスウィングまたはシャッフルのリズムによる反復フレーズで
ありブルース、スウィング・ジャズ、ロックンロールなどの音楽で用いられる。
ブギーとも表記される。「8ビート最高の芸術」とも言われ、ビートに習慣性が
あり癖になる点もよく指摘される。 元々ピアノで演奏されたブギウギ(boogie-w
oogie
)スタイルのリズムをギターやダブルベースなどの楽器に適用したもの。ア
ルバート・アモンズ、ミード・ルクス・ルイス、ピート・ジョンソンの "ブギウ
ギ・トリオ"は、ピアノ・トリオとして知られているという。 via Wikipedia


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SDGs事業万博時代 ②

2023年11月12日 | 環境リスク本位制

    

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと伝えら
れる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時代の軍団編成
の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜(かぶと)を合体さ
せて生まれたキャラクタ。



マルクス解体 プロメテウスの夢とその先
斎藤幸平/ 竹田真登
講談社(2023/10発売)

 資本主義をこえていく、新時代のグランドセオリー! 
 人新世から希望の未来へ向かうための理論。 英国で出版された話題書
  Marx in the Anthropocene(ケンブリッジ大学出版、2023年)、待望の日本語
 版! いまや多くの問題を引き起こしている資本主義への処方箋として、斎
 藤幸平はマルクスという古典からこれからの社会に必要な理論を提示してき
 た。本書は、マルクスの物質代謝論、エコロジー論から、プロメテウス主義
 の批判、未来の希望を託す脱成長コミュニズム論までを精緻に語るこれまで
 の研究の集大成であり、「自由」や「豊かさ」をめぐり21世紀の基盤となる
 新たな議論を提起する書

目次
第一部 マルクスの環境思想とその忘却
第一章 マルクスの物質代謝論
第二章 マルクスとエンゲルスと環境思想
第三章 ルカーチの物質代謝論と人新世の一元論批判
第二部 人新世の生産力批判
第四章 一元論と自然の非同一性
第五章 ユートピア社会主義の再来と資本の生産力
第三部 脱成長コミュニズムへ
第六章 マルクスと脱成長コミュニズム MEGAと1868年以降の大転換
第七章 脱成長コミュニズムと富の潤沢さ
------------------------------------------------------------------------  
    まえがき
    ギリシャ神話の神プロメテウスは、全知全能の神ゼウスの怒りによって火
 が奪われ、自然の猛威や寒さに喘ぐ人類に同情し、ゼウスを欺いて火を盗み、
 人間に与えた。はじめ、火を手に入れた人類は自然の力に打ち克ち、プロメ
 テウスの願い通りに、技術や文明を発展させていく。ところが、豊かになっ
 ていく過程で人類は、火を使って兵器を作り、戦争で殺し合いを始めてしま
 う。さらなるゼウスの怒りを買ったプロメテウスは、罰として、コーカサス
 山の岩場に釘づけされ、半永久的に鷲に肝臓をついばまれ続けることになる。
  兵器だけではない。人類は「プロメテウスの火」の力で、原子力のような
 自分達では制御できないリスクの大きい科学技術を発展させ、さらには大量
 の化石燃料を燃やすことで、地球そのものを気候変動の影響で燃やし尽くそ
 うとしている。人類の擁護者であるプロメテウスの「夢」は、「自然支配」
 という人類の「夢」に転化した。だがまさにその夢が私たちの暮らす文明の
 危機を引き起こしているのだ。その結果、ソ連崩壊後にフランシス・フクヤ
 マが宣言した「歴史の終わり」(Fukuyama 1992)は 当時はまったく想定さ
  れていなかったような終焉、つまり人類史の終わりを迎えようとしているの
  である。
   実際、新自由主義とグローバリゼーションの席巻は、第二次世界大戦終結
  以降の人間活動による地球環境に対する負荷の急激な増大を加速させ----す
 べての主要な社会経済および地球システムにおける指標がホッケースティッ
 クの ような上昇曲線を描く「大加速(Grate Acceleration)
McNeil and Engel
  kc 2016)の時代だ----、文明の物質的基盤を破壊しようとしている。現在の
 パンデミック、戦争、気候崩壊はすべてソ速崩壊後の「歴史の終わり」と資
 本主義のグローバル化かもたらした事態であり、民主主義、資本主義、生態
 系を慢性的な複合危機に陥れているのだ。
  現在の生活様式が人類の破滅に向かっているという現実はもはや無視でき
 ないものになっているが、資本主義は終わりなき過剰生産と過剰消費に対す
 る代替案を提供することはできていない。実際パリ協定が目指す1・5℃目
 標を達成しようとするなら、社会のほぼすべての領域における徹底的かつ急
 速なシステムの大転換が必要であるが、そのような動きはどこにも見られな
 い。さまざまな形での警告、批判、反対の声があげられてきたにもかかわら
 ず、化石燃料の消費量が今も増え続け、格差が拡大している現状を見れば、
 資本主義が現在の姿を大きく変えることができると信じるに足る理由もない。
  だからこそ、資本主義の廃絶を掲げて直接行動をとる、よりラディカルな
 社会運動が世界中で現れ始めている(Extinction Rebellion 2019)。ゴッホの
 絵にトマト・スープをぶちまけた「ジャスト・ストップ・オイル」やフラン
 ス政府に解散命令を出された「大地の蜂起」に参加する若者たちを想起して
 ほしい。そこでは、有限の惑星で無限の蓄積を目指す資本主義こそが気候崩
 壊の根本原因であると明言されるようにまでなっているのである。
  若い世代を中心とした環境運動のラディカル化は、「歴史の終わり」の「
 終わり」をもたらす。そしてこれこそソ速崩壊後「死んだ大」のように扱わ
 れてきたマルクス主義にとって新たな歴史的状況を意味する。
  環境運動の側が現在の経済システムの破壊的性格や不合理性をはっきりと
 問題視するなかで、マルクスヘの関心が高まりつつあるのだ。ここで、マル
 クス主義の側がより持続可能なポスト資本主義社会の具体的ビジョンを提示
 できれば、マルクス主義は復活できるかもしれない。しかしながら、いまの
 ところ、そのような試みは十分に成功していない。それどころか、ソ運の失
 敗の後にマルクスの遺産を再び引き合いに出すことには反発かある。マルク
 スの思想は、今日ではもはや受け入れることのできない生産力主義や自民族
 中心主義に囚われていると、繰り返し批判されてきたからである。
  惑星規模の環境危機に直面しながらも、グローバル・ノースを中心とした
 資本主義におけるさらなる生産力の発展が人類解放に向けた歴史の推進力と
 して機能し続けると考えるのは、たしかに今日では、あまりにもナイーブだ
 ろう。事実、現在の状況はマルクスの時代とは決定的に異なっている。環境
 運動にとって、資本主義はもはや進歩的ではない。むしろ、社会の生産と再
 生産の一般的諸条件を破壊し、人間とその他の生命を深刻な脅威にさらして
 いるのだ。資本主義が歴史的進歩をもたらすというマルクスの考え方は、絶
 望的なほど時代遅れに見えるのである。
  それでもマルクス主義の再生を望むなら、その際の必須条件は、いわゆる
 「史的唯物論」という「生産力」と「生産関係」の間の矛盾を進歩の動力と
 する悪名高い歴史観に依拠するマルクス像を解体することではないか。これ
 こそ本書に込めた想いである。そのうえで惑星規模の環境危機を前に人類の
 歴史を終わらせるような悲観主義や終末論に陥らずに、マルクス主義の観点
 から明るい別の未来を構想したい。
  その際気候変動の問題を扱うのであれば、「自然」の問題を避けて通るこ
 とはできない。ビル・マツキベン(Mckibben 1989)はかつて、グローバル資
  本主義は地球全体を大いに改変するため、近代世界が長きにわたって前提と
  してきた「手つかずの自然」は永久に失われると警告した。マッキベンが描
  こうとした事態は近年では一般に「人新世AnthroPocene」という地質学の概
 念で呼ばれるようになっている。人類は巨大な科学技術力を持ち、惑星全体
 をかつてない規模で変化させる「地質学上の一大勢力」(Crutzen and Stroer-
  mer
 2000; 18)になったというわけだ。
  しかし、人類世の現実は、自然の支配によって人間の解放を実現するとい
 う「プロメテウスの夢」の実現からはほど遠い。海面上昇、山火事、熱波、
  大洪水やパンデミックを伴う気候変動は、「自然の終焉」が弁証法的に「自
 然の回帰」(Foster 2020)に転じることを示している。その際には自然が疎
  遠な力として人間に対立し、人間を屈服させることさえある。
  このような自然の制御不能性の増大に直面するなかで、人類と自然の関係
 を再考することが緊急の課題になっている(Rosa.Henning and Bueno 2020)
 しかし、そこで主流になりつつあるのは社会的なものと自然的なもののハ
 イブリッドを特徴とする一元論的アプローチであり(Latorur 2014; Moore 20
     15
)
、彼らはマルクス主義に批判的な態度を取っている。それに対し、本書
 は、マルクスの物質代謝論に基づく「方法論的二元論」を展開することで、
 人類世における人間と自然の関係を独自の仕方で把握していく。
  人類世の存在論は、実践的にも重要な意味を持つ。マルクスの方法論を正
 しく理解することで、ポスト資本主義をめぐる最近の議論にも、マルクスが
 独自の貢献を成すことが判明するからである。かつてマーク・フィッシャー
 (Fisher 2009)は、フレドリック・ジェイムソンの言である「資本主義の終
 わりよりも世界の終わりを想像する方がたやすい」を引き、この「資本主義
 リアリズム」の感覚が、私たちの政治的想像力を著しく制約し、私たちを資
 本の体制に屈服させる、と嘆いた。同様の傾向は環境保護主義にも見て敢れ
 る。
  「資本主義の関係における実質的な変化を想像するよりも、地球上のすべ
 ての生命を終わらせる全面的な破局を想像する方がたやすい」(ZiZek 2008;
  334
)というわけだ。しかし、経済、民主主義、ケア、環境といった多層的
 に絡まり合う複合危機が深まり、その危機が新型コロナウイルスの世界的流
 行とロシア・ウクライナ戦争によってさらに強められるにつれ、ラディカル
 なフゾステム変革」を求める声が左派のあいだで大きくなっている。スラヴ
 オイ・ジジェク(Žizek 2020a)とアンドレアス・マルム(Malm 2020)はと
 もに「戦時コミュニズム」を主張し、ジョン・ベラミー・フオスター(Foster
   2020
)やミシェル・レヴィ(Löwy 2015
)も「環境社会主義 ecosocialismg」
  の理念を打ち出しているのだ。
   だがより注目に値するのは、マルクス主義者ではない学者の間でさえも、
  そのような議論が提起されるようになっているという事実だろう(Jackson
   2021
)。その典型は「社会主義の時が到来した」と断言するトマ・ピケティ
 (Piketty)であるが、気候危機との関連でいえば、「環境社会主義」をはっ
  きりと支持するナオミ・クラインの主張も重要である。

   この事実〔ソ連とベネズエラが非エコロジカルであること〕を認めた上
  で、強力な社会民主主義の伝統を持つ国々(デンマーク、スウェーデン、
  ウルグアイなど)が、世界でもっとも先見的な環境政策を持つことを指摘
  しておこう。社会主義はかならずしも環境保護を推進しないと結論づける
    ことはできる。しかし、「民主的な環境社会主義」という新しい形態は、
    先住民の教えから未来世代への義務や生命の相互の結びつきを学ぶ謙虚さ
    を持っており、人類が集団的に生存するためのベストな方法であるように
    見える。(Klein 2019: 251;邦訳296頁、強調筆者)

    クラインはマルクス主義者ではないという事実を踏まえると、彼女が社会
  主義を擁護するようになっているという事実は特筆すべき変化である。かつ
  てエレン・メイクシンス・ウッドは次のように述べていた。
    「平和と環境の問題は、強力な反資本主義勢力を生み出すのにあまり適し
  ていない。ある意味、問題はそれらの普遍性そのものである。平和と環境が
  社会的勢力を構成することがないのは、特定の社会的アイデンティティを端
  的に持たないせいなのだ」(Wood 1995 266}。環境をめぐる今日の状況は、
  ウッドの時代とは大きく異なっている。それはまさに、惑星規模の環境危機
  が資本に抵抗する普遍的な政治的主体性を構成するための物質的基礎を提供
  するようになっているからだ。つまり、資本主義はグローバルな「環境プロ
  レタリアート」(Foster,York and Clark 2010: 47)を生み出している。それだけ
  多くの人々の生活諸条件が無限の資本蓄積が引き起こす環境破壊によって著
  しく損なわれるようになっているのである。

 本日、購入し早速目を通し、前書きから読み出し、前書きを読み切り、興味を
惹いた箇所「部」「章」を読み切る事にするが、全体を読み切るかどうかは「内
容」と「割り当てる時間」次第。
------------------------------------------------------------------------

世界的水資源欠乏問題の解決のための再生水の有効利用に貢献
医薬品・生活関連有機汚染物質を一度に分離・除去できる酸化グラフェン膜
11月8日、産業技術総合研究所らの研究グループは、多様な極性を持つ微量の医薬
品・生活関連有機汚染物質(Pharmaceuticals and Personal Care Products、以下PPCP
s
と略す)を高効率に分離・除去できる新しい酸化グラフェン(Graphene Oxide
以下GOと略す)膜技術を開発。


図2 CQD-GO複合膜構造模型図

【要点】
1.層間荷電状態を制御した炭素量子ドット・酸化グラフェン複合膜で分離機能
 の高度化を実現
2.炭素量子ドットを挿入することで混合電荷型層間を形成する新規酸化グラフ
 ェン膜を開発
3.静電斥力・極性排斥効果により多様な極性の有機汚染物に対し一度に分離除
 去効果を実現。

【成果】 今回の研究では、既報の成果を踏まえCQDをGOの層間に挿入する方法を
考案し、静電的斥力および親水性・疎水性の違いによる排斥効果を持たせた新し
CQD-GO複合膜の開発に至る。 この技術では、正に帯電した二次元的形状の炭
素量子ドット(Carbon Quantum Dot、以下CQDと略す)を、負に帯電したGOの層間
に安定的に挿入することで、層間の荷電状態が制御されたCQD-GO複合膜を得るこ
とができる
。得られたCQD-GO複合膜の層間には正、負に解離できる官能基(特徴
的な原子の集まり)が同時に存在し、静電的な斥力や親水性・疎水性の違いによ
る排斥効果が作用して、多様な極性のPPCPsが一括して除去される。過去のGO膜の
研究例と比較して、負イオン型・中性PPCPsの除去率が大きく向上するだけでなく、
従来は吸着後に膜通過してしまう正イオン型PPCPsも除去できるようになり、56%
以上の除去率を達成。このように正、負、中性の極微量なPPCPsを同時に分離除
去できることは、再生水の高度利用において大きなメリットであり、世界的な水
資源問題の解決に貢献すると期待されている。 CQDは、多環芳香族あるいは他の
不飽和炭素構造のつながりでできた骨格構造を持ち、原子サイズレベルの厚さで
数ナノメートル~数十ナノメートルの2次元サイズの平面状粒子。文字通り量子
ドットの性質を有し、図1(a)で示すような発光特性を示す。エッジ部に多量の解
離性表面官能基があるため、図1(b)の写真に示すように水に溶解できる。また、
GOとの相溶性にも優れています。今回は、化学的合成条件を適切に選び、表面が
正に帯電するCQDを作った。このCQDと表面が負に帯電するGOを混合し、支持体の
上に堆積させて作成した膜の写真を図1(c)に示す。透過型電子顕微鏡で膜の真
上を拡大して観察すると(図1(d))、数十ナノメートル以下の大きさでいびつな
形のCQDがGOの膜内にインターカレーションしていることが確認できた。


図1 CQDの(a)三次元発光スペクトル、(b)水に溶解し、青色レーザーで照らした際
に緑色を発光する様子を示す写真、(c)支持体(白)上に形成したGO複合膜の写真
 (d) GO膜構造にCQD(白のサークルで囲んだ部分)が分散している様子を示す高
分解透過型電子顕微鏡像

【展望】
今後は複合膜の物理化学的構造を最適化し、実際に使用可能なレベルまで分離性
能を高める研究を実施します。将来的には環境水処理分野だけでなく、医薬品製
造など他の工業プロセスへの応用を広げることも目指す。

【掲載論文】
掲載誌:Chemical Engineering Journal
論文タイトル:Achieving overall rejection of pharmaceuticals and personal care products
 of different polarities by controlling interlayer charging environment of graphene oxide
 membrane using carbon quantum dots

著者:Mutsuki Oikawa, Haruka Takeuchi, Ryota Koide, Noriko Yoshizawa, Zheng-Ming
 
Wang, Setsuko Koura
DOI:https://doi.org/10.1016/j.cej.2023.144811

スゴイ湿気でもセットした髪が乱れないヘアスタイリング材料
~湿気を取り込むことで形状記憶効果が呼び起こされるポリマー材料の開発~



Steam Deck OLEDが登場
画面だけでなくバッテリー性能やダウンロード速度も進化し前モデルは値下げ



脳は断酒から7.3カ月でアルコールによる損傷から回復できる
缶ビール半分程度のほどほどのお酒でも脳が萎縮するなど、アルコールは脳に深
刻なダメージを与えることが知られているという。お酒の飲み過ぎに陥ったこと
がある人の脳をスキャンする研究により、半年以上断酒することで脳を大きく回
復させることが可能なことがわかった。
※ 複数の研究により、アルコール使用障害(AUD)の人は、意思決定や自制心など
 に重要な脳の外層部分である大脳皮質が薄くなってしまうことが示されている。
※ https://doi.org/10.1016/j.alcohol.2023.08.011


図1.皮質の厚さ(CT)。 (A) PALS-B12 の内側 (上) および外側 (下) の表面
ビューに重ねられた CT の平均グループ差を示す FreeSurfer 関心領域 (ROI) 分
析。 (B) アルコール使用障害 (AUD) および健康対照 (HC) 参加者全体の CT の
ROI 平均を示す棒プロット。 モデル: ANCOVA。 有意性: P < .05、FDR 補正。
サンプルサイズ: 19 AUD と 20 HC



デュラコビッチ氏の助言
ソフトウェアエンジニアを目指す学生に現役エンジニアが送る10のアドバイス

ソフトウェア開発は夢のある仕事ではない。ほとんどの場合、ソフトウェア開発
は長時間労働を強制され、ワークライフバランスがほとんど取れず、PCの画面に
釘付けになる。勤務時間外でもオンラインでのプレゼンスが求められ、ストレス
やプライベートの制限につながるが、ソフトウェア開発は継続的なイノベーショ
ンを育む、さまざまな業界において世界的な需要が大きいといえる。また、どこ
にいても仕事ができるのはすばらしいことだ。フレックス対応によって、朝に目
覚ましをかけずに寝ることもできる。通勤に貴重な時間とお金を無駄にすること
もない。


スマートロックとデジタルキーのオープン標準Aliro
Apple・Google・Samsung・Qualcommが提携

  風蕭々と碧い時

クボと二本の弦の秘密 吉田兄弟 2017年映画公開













『ストライク・アップ・ザ・バンド』(Strike Up the Band) は、1940年のアメリ
カ合衆国のミュージカル映画。 メトロ・ゴールドウィン・メイヤーのアーサー・
フリードのチームによりプロデュースされた。バスビー・バークレーが監督した
ミュージカル映画で『青春一座』に続きミッキー・ルーニーとジュディ・ガーラ
ンドが共演した2作目である。 
1927年のジョージ・ガーシュウィンが作曲、ミリー・ローシュのコラボレートに
よりアイラ・ガーシュウィンが作詞した曲。1927年のミュージカル『ストライク
・アップ・ザ・バンド (ミュージカル)』のために戦争や軍歌への皮肉を込めて
作曲された。ミュージカルはヒットしなかったが、楽曲のインストゥルメンタル
版「March from Strike Up the Band」はよく知られる。1940年、この曲がジュ
ディ・ガーランドとミッキー・ルーニーが出演する映画『ストライク・アップ
・ザ・バンド』で使用された。
 
● 今夜の寸評: 今さらでなく 今から
飲酒のデメリットのレポートを読み、暫くアルコールを断つことに。今夜は日曜
日だがやめる。忘年会(新年会)の企画が実行されたら、その日は解禁とする。

                                 


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ナノテク解体新書 ①

2023年10月04日 | 環境リスク本位制

  
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時
代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。

 今年のノーベル化学賞はあたわず。来年に期待!!

竹は春、筍にその精力を奪われてみすぼらしくなるが、秋になると幹もし
っかりして、中の虫も死に絶え伐るには恰好の季節。 

      伐竹の粉砕清まし三々五々     高山  宇   
                                             

            伐竹をまたぎかねたる尼と逢ふ   阿波野青畝

阿波野 青畝(1899年2月10日 - 1992年12月22日);奈良県出身の俳人。本
名、敏雄。旧姓・橋本。原田浜人、高浜虚子に師事。昭和初期に山口誓子、
高野素十、水原秋桜子ととも「ホトトギスの四S」と称された。「かつらぎ
」主宰。 市井の生活を材に、鷹揚な表現で自在な句境を構築した。古典を
素地にした叙情性も特徴。句集に『万両』(1931年)、『除夜』(1986年)。

 

   


再エネ革命渦論 174: アフターコロナ時代 175】
技術的特異点でエンドレス・サーフィング-
   特異点真っ直中 ㊿+❺





量子エンジンとは
量子エンジンは、ボゾン粒子の気体を圧縮し、フェルミオン粒子の気体を
減圧する。
------------------------------------------------------------------
量子力学は、原子や分子といった非常に小さな粒子の性質や相互作用を探
求する物理学の一分野です。量子力学の進展により、従来よりも強力で効
率的な新技術が開発され、コンピュータや通信、エネルギーなどの分野に
画期的な進歩をもたらしている。 沖縄科学技術大学院大学(OIST)の量子
システム研究ユニットの研究チームは、ドイツのカイザースラウテルン・
ランダウ大学やシュトゥットガルト大学の研究チームと共同で、量子力学
の原理を利用した、極小のエンジンを設計・製作しました。研究では、こ
れまでの燃料を燃焼させる方法によってではなく、量子力学の原理を利用
して動力を生み出すエンジンを開発。今回の研究論文は、OISTの博士課程
学生キールティ・メノン、エロイサ・クエスタス博士、トーマス・フォガ
ティー博士、トーマス・ブッシュ教授共著によるもので、英国の科学誌「
ネイチャー」に掲載された。

自動車に搭載されている従来型のエンジンでは通常、燃料と空気が混ざっ
た混合気がシリンダー内で点火されます。その結果、爆発によってシリン
ダー内のガスが加熱され、熱膨張を利用してピストンを往復運動させ、そ
の動力で車輪を回転させる。
量子エンジンでは、熱の代わりに、ガス中の粒子の量子的性質における変
化を利用する。この変化がどのようにしてエンジンの動力源となるのかを
理解するためには自然界に存在するすべての粒子が、それぞれの量子的性
質に基づいて、ボソンかフェルミオンのどちらかに分類されるということ
を知っておく必要がある。☈
------------------------------------------------------------------
【脚注】
3次元空間では、すべての素粒子はボソン(ボース粒子)かフェルミオン
(フェルミ粒子)に分けられます。 核子や電子、ニュートリノなどはフ
ェルミオンで、光子はボソンです。 ボソンは1つの状態にいくつもの粒子
が入れ、フェルミオンは1つの状態に最大1つの粒子しか入れません(パ
ウリの排他律)。
------------------------------------------------------------------
☈量子効果が重要となる超低温では、ボソンはフェルミオンよりも低いエネ
ルギー状態にあり、このエネルギー差をエンジンの動力に利用することが
できます。従来型のエンジンのように、周期的に気体を加熱・冷却するの
ではなく、量子エンジンはボソンをフェルミオンに変化させ、また元に戻
すことで動力に利用します。
フェルミオンをボソンに変えるには、2つのフェルミオンを組み合わせて
分子にします。この新しい分子がボソンです。この分子を分解することで、
フェルミオンを再び取り出すことができます。これを繰り返し行うことで、
熱を使わずにエンジンを動かすことができるのです」と、量子システム研
究ユニットを率いるトーマス・ブッシュ教授は説明します。
この種のエンジンは量子の領域でしか機能しませんが、その効率は非常に
高く、ドイツの共同研究チームが構築した現在の実験の設定では、最大25
%効率を高められることが分かりました。

量子力学の分野において注目されるこの新しいエンジンは、急成長してい
る量子テクノロジー分野のさらなる進展につながる可能性を秘めています。
しかし、これは量子力学が自動車のエンジンに使われる日が近いことを意
味するのでしょうか?「このようなシステムは非常に効率的ですが、今回
私たちは実験に協力してくれる人々とともに概念実証を行っただけにすぎ
ません」とキールティ・メノンは説明します。「自動車で使える量子エン
ジンを作るためには、まだまだ多くの課題が残されています。」

また、温度が高くなりすぎると、熱が量子効果を破壊してしまうため、シ
ステムをできるだけ低温に保つ必要がある。しかし、繊細な量子状態を保
護するために低温で実験を行うにはかなりのエネルギーが必要となる。研
究チームは、今後、システムの動作に関する基礎的な理論的課題に取り組
み、性能を最適化し、バッテリーやセンサーなど、他の機器への応用の可
能性についても調査する予定です。

【関係技術情報】


Titole: A quantum engine in the BEC–BCS crossover
Koch, J., Menon, K., Cuestas, E. et al. A quantum engine in the BEC–BCS crossover
. Nature 621, 723–727 (2023). https://doi.org/10.1038/s41586-023-06469-8
------------------------------------------------------------------------------------------------------
【要約】
量子パウリエンジンの原理 a、実験装置の概略図。 原子雲(紫色の楕円体
)は、1,070 nmの波長で動作する磁気サドルポテンシャル(オレンジ色の表
面)と光双極子トラップポテンシャル(青色の円柱)を組み合わせた場に
トラップされます。 吸収写真は、-z 方向のイメージング ビーム (紫色の
矢印) を使用して撮影される。 吸収写真のスケールバーは50 μmに相当する。
b、パウリエンジンのサイクル。 明確に定義された温度 T (点 A) でトラッ
プの基底状態を巨視的に設定する分子 BEC から始まり、最初のステップ A
→ B、 放射状トラップ周波数の増加を通じてクラウドを圧縮することにより、
システム上で作業 W1 を実行する。 これは、トラッピング レーザーの出力
を強化することで実現される。 2 番目のストローク B → C は、トラップ
周波数を一定に保ちながら、磁場強度を BA = 763.6 G (76.36 mT) から共
鳴磁場 BC = 832.2 G まで増加させる。 これにより、作動媒体がパウリ エ
ネルギー E2P\documentclass の追加によりフェルミの海を形成するため、シ
ステムの量子統計に変化が生じる。 第2作業ストロークW3に相当する。
最後に、BC を BA に還元することにより、ステップ D → A 中にボソン量
子統計を使用してシステムを初期状態に戻す。これはパウリ エネルギーE4P
の変化に対応する。 スピンアップ (青) とスピンダウン (赤) を持つ原子
の調和トラップ内の個体数分布が各隅に示す。 c. エンジンサイクルの各時
点での吸収写真の例。B → C のサイズの特定の変化はパウリストロークに
よるもので、パウリエネルギーが外部ポテンシャル内の雲のサイズを増加さ
せることを示。 スケールバー:50 μm。 



光海底ケーブルシステムで世界最高水準800Gbps伝送の長距離
9月28日、本電気(NEC)は,世界最高水準の毎秒800Gb/sの伝送性能を有する
最新のトランスポンダにより,光海底ケーブルシステムの長距離伝送フィー
ルドトライアルに成功)。
今回のフィールドトライアルはインドネシア最大の通信キャリアであるPT
Telekomunikasi Indonesia,tbk (PT Telkom
)が所有する海底ケーブル「Indonesia
Global Gateway(IGG
)」を利用して行なわれ,陸上局には同社の最新トラン
スポンダ「XF3200」を使用した。 フィールドトライアルでは,800Gb/s光信
号の波長多重光伝送を実施し,世界最長となる2,100kmを超える長距離伝送に
成功した。 このトランスポンダを使用することで,今回のフィールドトラ
イアルでは,現在使われている同社製品と比較して伝送容量が約30%向上し
ており,拡大し続ける国際通信需要に適した装置になっているとする。さら
に,新しいデザイン設計や新技術の採用により,省スペース化,省電力化,
高いスケーラビリティ,柔軟な保守性などを実現しておりTCO削減に貢献す
る装置だとする。

 黒の革命最前線
ナノテク解体新書 ① とし考察構築


常温核融合日本が先行 トヨタ系テクノバ「2025年までに」

常温核融合は、水素の同位体である重水素と三重水素(トリチウム)の原子
核を融合させる際に生まれる膨大なエネルギーを利用するものだ。通常の核
融合は数千万度の高温と高圧が必要だが、常温核融合は数百度程度のため、
はるかに扱いやすい。水素技術の中でも、まだ実用化に向けた研究段階であ
るが、エネルギーの分野でゲームチェンジを起こす可能性があるとみて注目
されている。日本ではトヨタ系シンクタンクや大学などとの研究が進んでお
り、世界に先行している。常温核融合の仕組みはこうだ。軽くて燃えやすい
水素の同位体である重水素と三重水素(トリチウム)の原子核を融合させる
と、ヘリウムと中性子ができる。このとき、反応前の重水素と三重水素の重
さの合計より、反応後にできたヘリウムと中性子の重さの方が軽くなり、こ
の軽くなった分のエネルギーが放出される。核融合反応では、少量の燃料か
ら膨大なエネルギーが発生し、例えば1グラムの重水素、三重水素燃料から
タンクローリー1台分の石油(約8トン)に相当するエネルギーを得ることが
可能という。現在実用化に向け研究が進んでいる「金属水素間新規熱反応」・
「凝縮系核融合」では、水素吸蔵技術を用いて、軽水素とニッケルで更に効
率よく莫大な熱エネルギーを得ることが可能になる。最近では、2019年5月
に英総合学術誌「Nature」で記事が取り上げられ、「ITER国際核融合エネル
ギー機構」による国際的な実証実験も計画されており、ジェフ・ベゾスやビ
ル・ゲイツもベンチャー出資するなど、世界的注目が再び高まる。 通常の
核融合が発電に使用される場合、数千万度の熱が発され、高圧・巨大装置が
必要になる。一方で、常温核融合は数百度とはるかに低い温度と、小さな装
置での核融合が可能であり、サイズ・コスト面で既存の発電方式を凌駕して
いる。常温核融合が実現されれば、ガソリン燃料の4倍~1万倍の熱密度が
出せること、有害な放射線やCO2が出ないこと、加えて、発電コストも1キロ
ワット時当たり2.6円(既存の火力発電の5分の1)に下がることから(テク
ノバ試算)、原子力発電と比較しても、安全性・コスト面で優位。
尚、トヨタグループの技術系シンクタンクであるテクノバも、電気自動車の
電熱ヒーター用など出力5kW程度の発電であれば「2025年までには可能」と
みており、実用化への期待が高まっており、日本がいち早く実用化に成功す
れば、世界のエネルギー問題・環境問題を解決する「ゲームチェンジャー」
となりえる。

1.特開2022-7951 常温核融合装置、常温核融合による発熱方法および発
 熱装置
【概要】 下図27のごとく、常温核融合装置100は、反応炉内に、重水
素を吸蔵する金属からなる水素吸蔵金属基板101と、前記水素吸蔵金属基
板101に対向して設けられ前記水素吸蔵金属基板101の表面電位を制御
するための平板状の対向電極102と、が設けられ、前記水素吸蔵金属基板
101を基準として正電圧が印加された対向電極102であれば重水素が前
記水素吸蔵金属基板101内に移動する水素吸蔵が生起し、負電圧が印加さ
れた対向電極102であれば前記水素吸蔵金属基板101の内部から表面へ
拡散した重水素により常温核融合が生起する、水素吸蔵金属を用いた発熱現
象を安定的かつ連続的に実現できる新規な常温核融合装置、発熱方法および
発熱装置を提供。


図27.実施形態による常温核融合装置の概略的構成と常温核融合発生過
 程を説明する模式図

【符号の説明】 100 常温核融合装置 101、101.1、101.
2 水素吸蔵金属 101a 金属表面 101.3 絶縁ウエハ 102、
102.1、102.2、102(E+)、102(E-) 対向電極 1
03 極性切替可能電源 103a DC電源 105 ヒータ 110 金属
基板 111 エッチングストップ膜 201 ナノドーム 301,30
1a ナノコーン 601 反応炉 601.1 601.2 反応室 60
2、602a、602b、602.1、602.2 供給口 603、60
3.1、603.2、603.3 排出口 604、604a、604b
保持部 701、801 900.1 900.2 発熱体 1000 ニッ
ケル板 1000a ニッケル基板 1000d 高濃度D領域 1001b、
1001c 保持枠  1002 水素分離膜 1002d ナノパターン
1003 基板 1003a エッチング後の基板 1004 マスク

2.特表2021-524037 熱及び電力を発生させるイオンビームデバイス
                             及び方法
【概要】
下図1のごとく、プラズマチャンバー106において低電力プラズマ107
からのイオンビームの密度焦点及び速度を制御することによって熱及び電力
を発生させるデバイス及び方法であって、プラズマチャンバーからイオンビ
ーム111が反応チャンバー103へと抽出され、任意にターゲット102
が濃縮されてターゲットの水素化物となり、上記ターゲット内で熱及び任意
に常温核融合反応を開始して持続させ、上記反応から熱エネルギーを回収し
て(105)、加熱を起こし及び/又は電力を発生させ(119)、任意に
、追加の熱が必要とされない場合に、ターゲットを追加のイオン燃料で補充
し、及び/又は追加のターゲット材料を堆積させ、一方で、加熱及び任意の
濃縮/堆積及び常温核融合サイクルの間に、チャンバーから余剰の燃料を抽
出し、必要に応じて燃料源109からの任意の燃料副生成物と再結合させた
後に、燃料源として再使用する、デバイス及び方法。


図1.実施形態が展開され得る例示的なデバイスの概略図

3.特開2016-6431 常温核融合反応方法及び装置
【概要
下図7のごとく、反応容器13C内の電解液中に加速用正電極22C及び加
速用負電極24Cを設置するとともに、加速用正電極22C及び加速用負電
極24Cの近傍に集電するための集電用正電極(参照用正電極210)及び
集電用負電極(参照用負電極214)を配置し、加速用正電極22C及び加
速用負電極24Cに反応電圧を印加して加速用正電極22C及び加速用負電
極24C間に常温核融合状態を発生させ、この常温核融合状態における電気
エネルギーを集電用正電極210及び集電用負電極214により取り出して
電力負荷232に送給して消費する、常温核融合反応状態において電気エネ
ルギーを出力として取り出すことにより、設備費用の低減化及び稼働の安定
化を図ることができる常温核融合反応方法及び装置を提供する。

図7.常温核融合反応装置の第3の実施形態を簡略的に示す断面図

【符号の説明】 12,12A,12B,12C 常温核融合装置  13,
13A,13B,13C 反応容器  20 電解液  22,22C 正電極(
加速用正電極)  24,24C 負電極(加速用負電極)  68,68A
受光手段  102 電源装置(第1電源装置) 106 電圧調整手段 2
10 参照用正電極  214 参照用負電極  218 電圧検知手段 22
0 電解用正電極

図3.実施例にかかる発熱方法において、重水の温度を上昇させるとともに
水素吸蔵金属を正極に用いて、重水に通電するするステップを示す断面図
【符号の説明】
1:ガラス製容器 2:重水 3:Pd板 4:Pt(メッシュ状) 5:
バリア層 

【発明を実施するための形態】 
以下、本発明を実施するための形態について説明する。 
本実施形態においては、低温で重水を電気分解することにより、負極である
Pdなどの重水素吸蔵金属中に、多量の重水素を吸蔵させる。重水素吸蔵金
属は、Pdには限られず、Pd合金、Ti、Ti合金など、他の種類のもの
であっても良い。次に、重水素を吸蔵したPd(重水素吸蔵金属の一例)の
表面に、電解めっき法により、厚いバリア層を形成する。バリア層には、Pd
と比較して水素の透過率が低く、アノード溶解が可能な、たとえばCuやN
iなどの成分を用いる。Pdの表面にバリア層を形成した後、重水の温度を上
昇させるとともに、電源の極性を逆に切り替え、Pdを正極として重水に通
電をおこなう。これにより、Pd中から重水素を放出する力が増加するとと
もに、アノード溶出によりバリア層を薄くすることで、バリア層を少量の重
水素が通過できるようになる。Pd層とバリア層との界面付近は高D/Pd
となり、重水素の運動も促進されるため、核反応を再現性良く生じさせるこ
とが可能になる。 
なお、反応が終了したPdは、アノード溶解を再開し、バリア層を全て溶解
させることにより、再利用が可能になる。 
(実施例) 以下、本発明の実施例について説明する。 まず、図1に示すよ
うに、恒温槽(図示せず)中に設置したガラス製容器1に、重水を投入し、
続いて重水を撹拌しながらLiを投入し、両者を反応させて、LiODを電
解質として含む重水2を得た。次に、重水2の中に、Pd板3とメッシュ状
のPt4とを浸漬させた。Pd板3は全体が重水2に浸かるように設置し、
Pt4はPd板3を取り巻くように設置した。次に、Pd板3を負極として
、Pt4を正極として、電流密度100mAで通電して、重水2を電気分解
するとともに、Pd板3中に重水素を吸蔵させた。なお、電気分解中の重水
2の温度は、20℃に保った。 
次に、図2に示すように、Pd板3のD/Pd値が飽和したことを確認した
うえで、通電を継続した状態で、pH調整用にH2SO4を含むNiメッキ液
を重水2の中に投入し、さらに通電を継続して、Pd板3の表面に、Ni膜
からなるバリア層4を形成した。

次に、通電を継続した状態で、恒温槽の温度を上昇させ、重水2の温度を上
昇させた。そして、重水2の温度が90℃に達した時点で通電を停止すると
ともに、重水2の温度を90℃に維持した。次に、図3に示すように、電源
の極性を逆にし、Pd板3を正極として、Pt4を負極として、通電を開始
した。そして、重水2の温度が90℃を超えて上昇を開始した時点で、通電
および恒温槽による加熱を停止した。電源の極性を逆にして通電をおこない
表面がNi膜のバリア層で覆われたPd板3から重水素ガスが発生し始めた
時点から、重水2の温度が上昇し、恒温槽による加熱を停止した後も、重水
2が継続して沸騰することを確認した。 
次に、発熱終了後、次の方法で、Pd板3の表面に形成された、バリア層4
を構成するNi膜を除去した。すなわち、発熱が終了したのを確認した上で、
通電を再開し、アノード溶出により、Pd板3表面のバリア層4を構成する
Ni膜を除去した。この方法で再生したPd板3を用いて、再度、上述した
重水2の発熱操作をおこなった。新品のPd板3を用いた場合と同様に、重
水2を沸騰させることができた。

これで常温核融合の可能性を定性的に確認できる。ただ。水素吸蔵合金及び
性能向上とともに脱希少資化代替材料としてのカーボンナノチューブの性能
と量産化によるコスト削減などの課題が残るので、下記にその事例を掲載し
ておく。

1.特開2011-255314 水素吸蔵材及びその製造方法
【概要】
下図1のごとく、素吸蔵材は、水素吸蔵合金とカーボンナノチューブとから
構成され、カーボンナノチューブが水素吸蔵合金の表面に結合している。水
素吸蔵合金とCNTとの接触熱抵抗が小さいこと、及び、CNTの長手方向
の一端が水素吸蔵合金に結合しており、CNTは長さ方向に対する伝熱性が
優れる特性を有することから、水素吸蔵材は優れた伝熱性を有する。そして、
この水素吸蔵材は、加熱雰囲気下に水素吸蔵合金を配置するとともに炭素源
ガスを供給し、化学的気相合成法により水素吸蔵合金の表面からカーボンナ
ノチューブを成長させることで得られ、伝熱性に優れる水素吸蔵材及びその
製造方法を提供。

【符号の説明】 1 水素吸蔵材  10 水素吸蔵合金  20 カーボンナノ
チューブ  30 管  40 加熱装置  
尚、凝縮系常温核融合だけでなく、光触媒系常温電解系もこの群技術系に含
め開発する。
                           この項つづく

わたしは何なの ⑨
ここでは、アルゴリズミカルな人類社会を人工知能(AI)の脅威を描いた
SF映画より考察してみよう。

インド初の人工知能SF超大作『ロボット』
インドの科学者バシーガラン博士は、長年の開発の末に高性能ロボット「チ
ッティ」を開発する。 博士に似せて作られた人間型ロボットのチッティは、
驚くべき性能を発揮。人助けで活躍してヒーローのようになっていくが人間
の感情を理解できないことからトラブルも起こしてしまう。 やがて博士は、
チッティをより完璧にするため、感情を埋め込むことに。ところが、チッテ
ィは嫉妬や怒りといった負の感情に支配されるようになり、思わぬかたちで
暴走する。



人間そっくりのAIロボットが感情を与えたことで、とんでもない大暴走をく
り広げていく。予告編でも描かれる、斬新すぎるロボットの戦い方が最大の
見どころ。まるで組体操のように合体して軍隊をなぎ倒すシーンは、奇抜な
がらハリウッド顔負けの迫力がある、一方で、ロボットに感情を持たせるこ
と」の危うさも描く。自我を持ち、恋心さえ感じられるのに、あくまで「た
だの機械」として扱われるチッティの姿は私達の未来を投影する?!



風蕭々と碧い時












John Lennon Imagine 



アルバム『終わりなきこの愛』 2019.4.24
炎のランナー
Richard Greidaman CHARIOTS OF FIRE

今夜の寸評:  いざ! ノーベル賞を Ⅱ
わたし(たち)は、ペロブスカイトだけではなく、<常温核融合>までも見通
して いることをここで言っておこう。常温核融合との出会いは、シャドウマ
スク製造の単機能の水洗工程の改善にあり、僅か5ミクロンの腐食の不均一
にあり、『物理最前線のゆらぎ』と『レイリー分裂の諸現象』の解明で液的
サイズは一気にナノ対象化された時だ。まさに"必然は発明の母"となり、そ
の後"ネオコンバーテック事業構想"に結実し、今では、最新のデジタル可視
化技術をもって観測する”新錬金術時代"まっただ中にいる。

ps.「ナノ」サイズの極めて微細な結晶を発見するなどして、ナノテクノロジ
ーの発展につながる基礎を築いたアメリカの大学の研究者など3人が選ばれた
という。

 

コメント
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最新二酸化炭素メタネーション技術 ①

2023年07月15日 | 環境リスク本位制

 


彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救
ったと伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備
え。(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした
部隊編のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。




NHKの連続テレビの小説「らんまん」の主人公のモデル 牧野富
太郎が発見した彦根市指定天然記念物=固有種オオトックリイチゴ
の実が=の実が彦根城の天秤櫓前で見頃を迎えている。 オオトッ
クリイチゴはナワシロイチゴとトックリイチゴが自然交配して育っ
た雑種とされる。牧野が明治27年(1894年)11月に伊吹山の植物採
集の途中、彦根城に立ち寄って表御殿跡(現在の彦根城博物館)で
茎葉の形で発見。明治34年7月と翌年6月に、当時の彦根尋常中学
校(現在の彦根東高)に在職していた平瀬作五郎が、牧野の依頼を
受けて果実と花の標本を送り、受け取った牧野が新種と判断。学名
に平瀬の名を入れて、植物学雑誌に掲載した。 彦根城では平成元
年(1989年)に天秤櫓前に株分けされて以降、絶滅しないよう育成
管理されている。昨年度は実が育たなかったが、今年度は先月末か
ら赤い実ができ始め、今月7目前後に見頃を迎えた。
via しが彦根新聞 2023.7.15|オオトックリイチゴ見頃 牧野宿太
  郎が発見、天秤櫓前


via しが彦根新聞 2012.7.19
-----------------------------------------------------------
【学名:Rubus Hiraseanus Makino】 オオトックリイチゴはバラ科
キイチゴ属の一種で、彦根城以外には知られていない彦根城に固有
の植物。春に直立する茎を出し茎の高さは2~2.5mにも達す。
------------------------------------------------------------



        コロナ明け レモンバジル 冷や素麺

                        

平年の1日の平均降雨量の2ヶ月分が一度に降る秋田県の集中豪雨被
害の生々しい画像を見ながら冷や素麺を戴くのは何とも残酷なシーン
だと想いを寄せつつ俳句を詠む。本当は、コロナも明け切れていな
いし、ウクライナの残酷さも明けそうもない。




「ゼロ・カ-ボンゼロ」を実現するためには、日本における消費エ
ネルギーの約6割を占める工場や家庭、業務などから排出される二
酸化炭素を抑える必要がある。工場などでは蒸気加熱、家庭や業務
などでは給湯や暖房による排出量が主ですが、これらの場面で多く
利用されているのは天然ガス。そして天然ガスは、石炭や石油に比
べて燃焼した際の二酸化炭素の排出量が少ないという特徴がある。

📚 石炭、石油、天然ガスが燃焼したときに排出する物質量の割合
  (石炭を100とした場合)




【最新メタネーション技術特許事例】
1.特開2022-76978 燃料電池から排出されるオフガスを処理する
 ための
システムおよび方法 三菱重工業株式会社
【概要】
下図1のごとく、燃料電池から排出される二酸化炭素10体積%以
上40体積%以下、水素5体積%以上20体積%以下および水40
体積%以上80体積%以下を含むオフガスから水を除去して低含水
CO2リッチガスを得、得られた低含水CO2リッチガスに水素を添
加して混合ガスを得、該混合ガスをCO2メタネーション触媒の存在
下で反応させてメタンリッチガスを得ることを含む、燃料電池から
排出されるオフガスの処理方法で、燃料電池から排出される特定割
合の二酸化炭素と水素と水とを含むオフガスからメタンを含むガス
に転化することができる、燃料電池から排出されるオフガスを処理
するためのシステムおよび方法を提供する。
------------------------------------------------------------

図1 本発明の処理システムの一例を図示。
【符号の説明】3:CO選択酸化反応器 16:伝熱媒体流入路 17:
伝熱媒体流出路 7:ガス混合器 10:制御システム s1、s2、s3、
s4、s5、s6、s7:センサ V1、V2、V3:流量調整弁 19:第一伝熱
媒体流入路 20:第一伝熱媒体流出路 29:第二伝熱媒体流入路 
30:第二伝熱媒体流出路 11:第一CO2メタネーション反応器 21:
第二CO2メタネーション反応器 12,22,32:熱交換器 9,15,
25,35:冷却器 8,18,28,38:ドレーンセパレータ(水分除去器
) 21:ドレーン水 40:コンプレッサ 41:水分除去器
------------------------------------------------------------
温室効果ガスの一つである二酸化炭素を水素で還元反応させてメタ
ンを製造する技術が知られている。しかし、二酸化炭素の回収法、
メタネーション反応で得られるメタンの活用法などに関して、電力
供給量、設備コスト、運転コスト、二酸化炭素の回収効率、熱効率
などの観点からの総合的な検討が要求される。

1.例えば、特開2008-204783は、燃料と酸化剤とが供給されて燃
料電池で発電を行う燃料電池発電システムで、燃料もしくは前記燃
料を改質して生成される改質ガスが供給される燃料極と、陰イオン
を透過させる電解質とを備える燃料電池と、燃料極から排出される
燃料極排出ガスが供給され、燃料極排出ガス中の一酸化炭素及び/
または二酸化炭素と水素とを反応させメタンに変換するメタン生成
手段を有する燃料電池発電システムを開示されている。
2.特開2019-8908は、化石燃料に含まれる水素と空気中の酸素と
を化学反応させて発電を行う燃料電池と、燃料電池から排出される
排出ガス中に含まれる二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離手段と、
二酸化炭素分離手段により分離された二酸化炭素と水素とを反応さ
せることにより炭化水素を生成する炭化水素生成手段と、炭化水素
生成手段に水素を供給する水素供給手段と、を備え、炭化水素生成
手段により生成された炭化水素を前記燃料電池に供給する燃料電池
発電システムを開示。
3.特許6615220は、カソード、アノード、及びカソードとアノード
との間に挿入された電解質でそれぞれが形成された少なくとも1
つの固体酸化物個別電気化学セルを含む燃料電池(SOFC)と、
燃料電池の出口に接続された気液相分離器と、メタン化反応を実施
するのに適したメタン化反応器であって、その入口が相分離器の出
口に接続され、その出口が燃料電池の入口に接続され、メタン化反
応器から生じる混合物が燃料電池内に導入される、メタン化反応器
と、水素を貯蔵するのに適した水素の可逆貯蔵用タンクであって、
その出口がメタン化反応器の入口に接続されている、水素の可逆貯
蔵用タンクと、を含む、固体酸化物燃料電池(SOFC)を用いて
発電する可逆システムを開示。
4.特開2009-77457は、系統電力以外の電源であり且つ都市ガスを
燃料とする負荷変動に制約がある分散型電源(例えば、燃料電池な
ど)の余剰エネルギーから得られる水素と、前記余剰エネルギーか
ら得られる水素と運転システム内および/または運転システム外か
ら得られる二酸化炭素とからメタン、エタン、プロパン、ブタン等
の炭化水素燃料を製造する炭化水素燃料製造手段と、前記炭化水素
燃料製造手段が製造した炭化水素燃料を都市ガス導管系に注入する
炭化水素燃料注入手段と、都市ガスを燃料とする負荷変動に制約が
ある分散型電源の運転時に発生する二酸化炭素を分離回収する二酸
化炭素分離回収装置とを、少なくとも備えることを特徴とする系統
電力の安定運用の目的で備えられる分散型電源の運転システムを開
示している。
5.特開2007-15231は、タンを主成分とする燃料ガス及び酸化性ガ
スが供給される燃料電池と、燃料電池から排出された排燃料ガスが
供給される燃焼器を備えたガスタービン装置と、該ガスタービン装
置によって駆動される発電機と、炭素含有ガスと水素含有ガスが供
給されて少なくとも一部をメタンへと生成するメタネーション装置
と、燃料電池に水素を供給する水素供給系統と、該水素供給系統か
ら燃料電池に水素を供給する際に、メタネーション装置にて生成さ
れたメタンを含むガスを燃焼器に供給する制御部と、を備えている
ことを特徴とする燃料電池複合発電システムを開示。
6.特開2003-109638は、素と一酸化炭素とを燃料としこれらの燃
料と酸化剤との電気化学的結合により電気と熱とを発生させるSO
FC(固体電解質型燃料電池)モジュールとこのSOFCモジュー
ルの燃料排ガス路に、排気中に含まれる二酸化炭素と水蒸気から水
素および一酸化炭素を生成させる第1の反応槽と、この第1の反応
槽で生成した前記水素および一酸化炭素をSOFCに戻す還流路と、
前記還流路途中に、水素と未反応二酸化炭素とからメタノールおよ
び/またはメタンを生成させる第2の反応槽を設けたことを特徴と
するSOFC燃料リサイクルシステムを開示。
7. 特表2019-5154422は、燃料電池電力生産システムにおいて、
二酸化炭素および酸素を含む煙道ガスを発生するように構成された
煙道ガス発生装置と、燃料供給部と、燃料電池アセンブリであって、
前記煙道ガス発生器により発生された前記煙道ガスを受取り、且つ
カソード排気を出力するように構成されたカソード部と、前記燃料
供給部から燃料を受け取り、水素および二酸化炭素を含むアノード
排気を出力するように構成されたアノード部と、アノード排気を受
け取り、該アノード排気中の水素の少なくとも一部をメタンに変換
し、メタン化されたアノード排気を排出するように構成されたメタ
ン化装置と、前記メタン化されたアノード排気を所定温度に冷却し
て、前記メタン化されたアノード排気中の二酸化炭素を液化させる
ように構成された冷却器アセンブリと、冷却された前記メタン化さ
れたアノード排気を受け取り、液化した二酸化炭素を残留燃料ガス
から分離するように構成されたガス分離アセンブリを含む前記燃料
電池アセンブリとを具備する、前記燃料電池電力生産システムを開
示している。特許文献7は、いくつかの実施形態において、アノー
ド排ガス中の二酸化炭素の濃度は、それらの間の全ての範囲および
値を含めて60~75モル%(乾燥基準)の範囲であると、メタン
化前のアノード排気は、乾燥基準で20~25モル%の水素および
65~75モル%の二酸化炭素を含み、メタン化されたアノード排
気は、乾燥基準で5~10モル%の水素および75~85モル%の
二酸化炭素を含むと、教示。
8 特開2015-107942は、タン製造装置として水素と二酸化炭素を原
料ガスとしてメタンを製造するメタン製造装置であって、原料ガス
からメタンへの反応であるメタネーション反応を促進する触媒が収
容された複数の反応器と、複数の反応器における隣り合う2つの反
応器をそれぞれ連通し、の反応器において生成された生成ガスを後
段の反応器に送出する複数の連通路と,複数の反応器のうち、最も前
段の反応器に前記原料ガスを導入する原料ガス導入部と、連通路に
おいて、前段の反応器で生成された生成ガスを、メタネーション反
応が開始する温度以上、該メタネーション反応が停止する温度未満
に冷却する冷却部と、少なくともいずれかの前記連通路のうち、冷
却部と前記後段の前記反応器との間において、該冷却部によって冷
却された生成ガスから水を除去する水除去部と、を備えたことを特
徴とするメタン製造装置を開示。
9. 特開2019-142807は、二酸化炭素と水素からメタンを製造する
メタン製造装置であって、メタンへの転化性能を有する触媒を収容
し、供給源から供給された二酸化炭素と水素とを含む原料ガスを用
いて、メタン化反応を生じさせる第1反応器と、前記第1反応器の
下流側に配置され、第1反応器で生成されたメタンを含む反応混合
ガスを用いて、メタン化反応を生じさせる第2反応器と、前記第1
反応器と第2反応器との間のガス流路上に配置され、第2反応器に
供給される前記反応混合ガスの圧力を、第1反応器に供給される原
料ガスの圧力よりも高くする反応混合ガス昇圧部と、を備える、メ
タン製造装置を開示している。

【発明が解決しようとする課題】
燃料電池から排出される特定割合の二酸化炭素と水素と水とを含む
オフガスからメタンを含むガスに転化することができる、燃料電池
から排出されるオフガスを処理するためのシステムおよび方法を提
供する。
〔1〕 二酸化炭素10体積%以上40体積%以下、水素5体積%
以上20体積%以下および水40体積%以上80体積%以下を含む
オフガスを排出する燃料電池、二酸化炭素をメタンに転化するため
のCO2メタネーション反応装置、 水素源からCO2メタネーショ
ン反応装置にガスを輸送するためのライン、および 燃料電池から
CO2メタネーション反応装置にガスを輸送するためのラインを具
備する、燃料電池から排出されるオフガスの処理システム。 
〔2〕 オフガスは、燃料電池の排出口における温度が115℃以
上185℃以下である、〔1〕に記載の処理システム。
〔3〕 燃料電池が、固体酸化物型燃料電池である、〔1〕または
〔2〕に記載の処理システム。
〔4〕 CO2メタネーション反応装置にガスを輸送するためのライ
ンの途中に、ガスから水を除去するための水分除去器、ガスの圧力
を高めるための加圧器若しくは圧縮器、および/もしくはガスの温
度を調節するための熱交換器若しくは加熱器をさらに具備する〔1〕
~〔3〕のいずれかひとつに記載の処理システム。
〔5〕 一酸化炭素を二酸化炭素に転化するためのCO選択酸化反
応装置、 酸素源からCO選択酸化反応装置にガスを輸送するため
のライン、および CO2メタネーション反応装置からCO選択酸化
反応装置にガスを輸送するためのラインをさらに具備する、〔1〕
~〔4〕のいずれかひとつに記載の処理システム。
〔6〕 CO2メタネーション反応装置からCO選択酸化反応装置に
ガスを輸送するためのラインの途中に、ガスから水を除去するため
の水分除去器をさらに具備する、〔1〕~〔5〕のいずれかひとつ
に記載の処理システム。
〔7〕 CO選択酸化反応装置で生成したガスを排出するためのラ
インをさらに具備し、 CO選択酸化反応装置で生成したガスを排
出するためのラインの途中に、ガスから水を除去するための水分除
去器をさらに具備する、〔1〕~〔6〕のいずれかひとつに記載の
処理システム。 
〔8〕 燃料電池から排出される二酸化炭素10体積%以上40体
積%以下、水素5体積%以上20体積%以下および水40体積%以
上80体積%以下を含むオフガスから水を除去して低含水CO2リ
ッチガスを得、 得られた低含水CO2リッチガスに水素を添加して
混合ガスを得、 該混合ガスをCO2メタネーション触媒の存在下で
反応させてメタンリッチガスを得ることを含む、燃料電池から排出
されるオフガスの処理方法。
〔9〕メタンリッチガスから水を除去して低含水メタンリッチガス
を得ることをさらに含む、〔8〕に記載の処理方法。
〔10〕 燃料電池から排出されるオフガスが、二酸化炭素10体
積%以上40体積%以下、水素5体積%以上20体積%以下および
水40体積%以上80体積%以下のうちの少なくともひとつを満た
さないときに、該オフガスを大気にそのまま放出することを含む、
〔9〕に記載の処理方法。

【発明の効果】
本発明のシステムおよび方法によると、燃料電池から排出される特
定割合の二酸化炭素と水素と水とを含むオフガスからメタンを含む
ガスに高効率で転化することができる。本発明によると、燃料電池
から排出される二酸化炭素の大気への放出を減らすことができ、生
成したメタンは、燃料、都市ガス原料などとして、利用できる。
本発明が規定する組成比のオフガスは、触媒を毒する物質をほとん
ど若しくは全く含まないので、CO2メタネーション反応装置もし
くはCO選択酸化反応装置の反応器に在る触媒の劣化が防止され、
触媒の交換無しで長期間の運転が可能である。また、本発明が規定
する組成比のオフガスを用いると、CO2メタネーション反応でまた
はCO2メタネーション反応とCO選択酸化反応とで得られるメタ
ンリッチガスを、ガスグリッドのスペックを満たすようにすること
が、容易である。なお、表1はガスグリッドの主要スペックの一例
である。


【発明を実施するための形態】
以下に本発明の実施形態を示し、本発明をより具体的に説明する。
なお、これらは説明のための単なる例示であって、本発明の技術的
範囲はこれら実施形態によって何等制限されるものでない。本発明
の処理システムは、オフガスを排出する燃料電池、CO2メタネーシ
ョン反応装置、CO2メタネーション反応装置にガスを輸送するため
のラインを具備する。
本発明の処理方法は、燃料電池から排出されるオフガスから水を除
去し低含水CO2リッチガスを得、得られた低含水CO2リッチガス
に水素を添加して混合ガスを得、該混合ガスをCO2メタネーション
触媒の存在下で反応させてメタンリッチガスを得ることを含む。 
本発明に用いられる、燃料電池から排出されるオフガスは、二酸化
炭素10体積%以上40体積%以下、好ましくは28体積%以上3
3体積%以下、水素5体積%以上20体積%以下、好ましくは8体
積%以上18.3体積%以下、および水40体積%以上80体積%
以下、好ましくは41体積%以上62体積%以下を含むものである
オフガスには、アンモニア、一酸化炭素、または窒素が含まれてい
てもよい。また、オフガスは、燃料電池の排出口における温度が
115℃以上185℃以下であることが好ましい。センサs1などで
オフガスの組成比、温度、流量などをインラインにて測定してもよ
いし、ガスクロマトグラフィなどでオフガスの組成比をオフライン
にて測定してもよい。オフガスの温度が極端に低い場合は、温度調
整のために余分な熱量が必要になる。また、温度調整のための熱量
が不足する場合はCO2メタネーション反応に適した温度に調整する
ことが難しい。 
                          -中 略-
(実施例)
前出図1に示す本発明の処理システムを用いて、表2に示す組成比
のSOFCオフガスをH2/CO2モル比4にてCO2メタネーション反応
させ、次いで得られたガスをCO選択酸化反応させて、メタンリッ
チガスを得た。センサs1、s4、s5、s6およびs7にてガスの温度、圧
力、組成比およびガス量を測定した。その結果を表2に示す。水分
除去器41から排出されるガスは、前出表1に示すスペックを満たし
ており、ガスグリッドに供給できることがわかる。
表2

                            以上

2.特開2023-50174 メタン生成装置及びこれを用いたメタンの
 製造
 方法 国立大学法人東海国立大学機構
【概要】
カーボンニュートラルの実現のために、例えば、太陽光、風力等の
再生可能エネルギーの利用を増やす必要がある。しかし、太陽光は
日中の日照時間に影響されたり、風力はある程度の風速が必要であ
ったりと、どちらも1日の変化又は1年の季節変動により、出力が
安定しない。また、太陽光、風力等による発電において、余剰電力
が出た場合に、電気を蓄電池に蓄積することができるが、蓄電池で
は電力の長期的な保存が出来ない。 そこで、近年、再生可能エネル
ギーの余剰電力を利用して、気体の燃料を製造するPower to
Gas(以下、「PtG」という)への取り組みが注目されている。
燃料としては、水を電気分解する事により、比較的容易に得られる
水素が想定されている。ただし、現状では、水素の利用は、自動車、
定置用の燃料電池等に限られている。特許5562873は、二酸化炭素と
水素を反応させて、一酸化炭素を主成分として含むガスを得る第一
反応工程と、第一反応工程により生成した一酸化炭素と水素を反応
させて、メタンを得る第二反応工程とを含む、二酸化炭素と水素か
らメタンを合成する方法が開示されている。これによって二酸化炭
素を活用できるだけでなく、水素の利用範囲を拡大することができ
るうえに、メタンを天然ガスの代替燃料として使用することができ
る等の利点がある。
しかしながら、特許5562873の技術では、水素と二酸化炭素とを反
させるには触媒が必要であるが 単に触媒を用いるだけでは触媒
が劣化する可能性がある。本発明は、触媒の非存在下でメタネー
ション反応を得ることができるメタン生成装置及びこれを用いた
メタンの製造方法を提供することを目的とする。
下図1のごとく、メタン生成装置1は、内部に反応空間7を有する
ハウジング2と、反応空間7に二酸化炭素と水素との予混合ガスを
供給可能な吸気部4と、ハウジング2内において移動可能に設けら
れ、反応空間7内に供給された予混合ガスを圧縮することで、予混
合ガスを反応させてメタンを生成する可動体3と、メタンを反応空
間7から排気する排気部5と、を備えることで触媒の非存在下
メタネーション反応を得ることができるメタン生成装置及びこれ
を用いたメタンの製造方法を提供する。


図1.(A)~(D)は、本発明の一実施形態に係るメタン生成装
 置を用いた製造方法を説明する断面図
【符号の説明】1 メタン生成装置 2 ハウジング 3 可動体 31
ピストン 4 吸気部 5 排気部 6 第二吸気部 7 反応空間

【発明を実施するための形態】  <実施形態>
以下、本発明について添付図面を用いて詳細に説明する。 
(1)メタネーション技術 本実施形態に係るメタンの製造方法は、二
酸化炭素と水素とからメタンを合成する合成メタン製造技術(メタ
ネーション技術)を用いた製造方法である。メタネーション技術
の化学反応式は次の通りである。 
CO+4H→CH+2H2
本明細書では、二酸化炭素と水素とを反応させることでメタンを生
成する化学反応を「メタネーション反応」という。 本実施形態に
係るメタンの製造方法では、メタネーション反応を、触媒の非存在
下(触媒を使用しなくてよいという条件下)で行う。また、メタネ
ーション技術では、メタネーション反応を、300℃以上600℃
以下の温度条件で行うことが好ましい。また、メタネーション技術
では、メタネーション反応の原料(二酸化炭素及び水素を含む原料)
は、気体であっても液体であってもよい。原料がガス(原料ガス)
の場合、反応前(圧縮前)の原料ガスの温度は、例えば、20℃か
ら30℃の常温以上が好ましい。原料ガスが常温以上であると、メ
タネーション反応が生じやすい。原料が液体の場合でも、原料を供
給した後、圧縮した際に気化するのであれば使用可能である。メタ
ネーション反応の化学量論としては、二酸化炭素(CO2)1モル
に対して、4モルの水素(H2)が反応する。言い換えると、水素
1モルに対して、0.25モルの二酸化炭素が反応する。また、水
素に対する二酸化炭素のモル比は、好ましくは、0.2以上0.5
以下であり、より好ましくは、0.2以上0.3以下である。水素
に対する二酸化炭素のモル比を、0.2以上0.3以下とすること
で、メタンへの転換率を高水準にすることができる。ここでいう「
転換率」とは、水素と二酸化炭素とが反応してメタンに変換される
割合を意味する。 また、本実施形態のメタンの製造方法では、触媒
を使用しないが、例えば、メタネーション反応前に、原料ガスに微
量の酸素を供給し、水素と燃焼させることにより、水素及び二酸化
炭素を含む混合気の反応を促進させることができる。これにより、
生成物であるメタンの転換率を向上することができる。メタネーシ
ョン反応では、上述した通り、二酸化炭素と水素が反応する。一般
に、水素は燃料であるため、酸素を供給することにより、メタネー
ション反応の原料ガスである一部の水素が酸素と反応(燃焼反応)
し、原料ガスの温度を上げることができる。この場合、水素と反応
するのは二酸化炭素と酸素なので、二酸化炭素と酸素の総モル量に
おける酸素の割合(モル濃度、O2/(CO2+O2))は、好ましく
は、0.02以上0.1以下である。 メタネーション反応で生成さ
れたメタンは、反応せずに残った酸素に対して反応する可能性が有
るが、メタンが燃焼するには多くの酸素が必要であり、残った酸素で
は不十分である。本実施形態に係るメタンの製造方法では酸素を供
給する場合、酸素の供給量として、化合物(反応物)のガス中の水
素と反応するがメタンとは反応しない程度の量に調整することによ
り、メタンが燃焼することを防ぐことができる。 本実施形態に係る
メタンの製造方法では、水素と二酸化炭素とから、80%程度の転
換率で、メタンを合成することができる。(2)メタン生成装置 本
実施形態に係るメタン生成装置1は、上述したメタネーション技術
を実現することでメタンを製造する製造装置である。本実施形態に
係るメタン生成装置1は、図1(A)に示すように、ハウジング2
と、吸気部4と、可動体3と、排気部5とを備える。メタン生成装
置1は、吸気行程(図1(A))、圧縮行程(図1(B))、反応
行程(図1(C))、及び排気行程(図1(D))を実行すること
でメタンを製造することができる。

以下では、説明の便宜上、可動体3の移動方向を「上下方向」とし
て定義し、上下方向のうち、可動体3から排気部5又は吸気部4に
向かう方向を「上方向」とし、その反対方向を「下方向」として定
義する。ただし、これらの方向の定義は、本発明に係るメタン生成
装置1の使用態様を特定する意図はない。 (2.1)ハウジング
ハウジング2は、内部に反応空間7を有するメタン生成装置1のケ
ースである。ハウジング2は、シリンダを有している。
シリンダの内部には、反応空間7が形成される。具体的に、反応空
間7は、シリンダの内周面と可動体3とで囲まれた空間を指す。シ
リンダは、シリンダライナ21と、シリンダヘッド22と、を備え
る。 シリンダライナ21は、円筒状に形成された部分である。
シリンダライナ21の内部には、後述の可動体3が移動可能に収容
されている。可動体3は、シリンダライナ21の中心軸に沿って移
動し得る。 シリンダヘッド22は、シリンダライナ21の中心軸方
向の一方の開口(ここでは上側の開口)を閉じる。シリンジヘッド
22は、反応空間7を形成する上底面を有する。上底面は、上方向
に行くほど小径となるような、断面略円錐状に形成されている。 シ
リンダヘッド22には、吸気ポート23と、排気ポート24と、が
形成されている。給気ポートは、吸気路41とシリンダ内とを接続
する開口である。排気ポート24は、シリンダ内と排気路51とを
接続する開口である。吸気ポート23及び排気ポート24は、シリ
ンダヘッド22を貫通している。
(2.2)可動体 可動体3は、ハウジング2内において移動可能に
設けられた部品である。可動体3は、反応空間7内の気体に対し、
圧縮と拡張とを繰り返すことができる。可動体3は、ピストン31
と、複数のピストンリング32と、を備える。 ピストン31は、シ
リンダに対して軸方向に往復動可能に構成されている。本実施形態
に係るメタン生成装置1では、シリンダの中心軸に沿ってピストン
31が移動することで、反応空間7内の気体を、圧縮又は拡張させ
ることができる。ピストン31には、ロッド33が連結されている。
ピストン31とロッド33は、ピンによって、回転可能に連結され
ている。ロッド33は、図示しないクランクシャフトに対して回転
可能に連結されている。ピストン31には、触媒が担持されている
ことが好ましい。ピストン31に担持される触媒は、例えば、Ni
/ZrO2が用いられることが好ましい。本実施形態に係るメタン
生成装置1では、触媒がなくても、水素と酸化炭素とを反応させる
ことができるが、触媒を使用することでより高い効率でメタンを得
ることができる。ただし、単に触媒が用いられるだけであると、触
媒が反応時の発熱によって劣化する可能性があるため、本実施形態
では、触媒をピストン31に担持して、300℃以上600℃以下
の温度条件よりも低い温度でメタネーション反応を生じさせる。こ
のようにすることで、熱による触媒の劣化が抑制できる。ピストン
リング32は、ピストン31とシリンダとの間の反応空間7を気密
に保つための部品である。ピストンリング32は、ピストン31の
外周面に取り付けられている。複数のピストンリング32は、上下
方向に間隔をおいて配置されている。
反応空間7内に水素と二酸化炭素が供給された状態で、ピストン3
1が移動し、反応空間7が圧縮されると(図1(B))、水素と二
酸化炭素が加圧されて高温状態となる。すると、反応空間7におい
て、メタネーション反応が生じ、メタンが生成される(図1(C)
)。 (2.3)吸気部 吸気部4は、反応空間7に対し原料ガスを
供給する。本実施形態に係るメタン生成装置1では、原料ガスとし
て、二酸化炭素と水素との予混合ガスを供給する。
予混合ガスは、二酸化炭素と水素とが含まれるが、上述したように
酸素が含まれてもよい。また、上述した通り、予混合ガスにおける
水素に対する二酸化炭素のモル比としては、好ましくは、0.2以
上0.5以下であり、より好ましくは0.2以上0.3以下である。
また、圧縮前の予混合ガスの温度としては、例えば、20℃から3
0℃程度の常温以上300℃以下の温度にすることが好ましい。 
吸気部4は、吸気路41と、吸気弁42と、を備える。吸気路41
は、ハウジング2の吸気ポート23に接続され、ガス供給源とハウ
ジング2内とをつなぐ流路である。吸気弁42は、吸気路41を開
閉可能に閉じることができる。吸気弁42は、圧縮行程、反応行程
及び排気行程において、吸気路41を閉じ、吸気行程において、吸
気路41を開く。ここでいう「吸気路41を閉じる」とは、吸気路
41内を閉じることのほか、吸気ポート23を閉じることを含む。
「吸気路41を開く」という表現についても同じである 吸気弁42
及び後述の排気弁52の動作は、例えば、クランクシャフトの回転
に連動して、開閉動作を行ってもよいし、各々が駆動機(例えば、
モータ)に連結されてもよい。 
(2.4)排気部 排気部5は、反応空間7内に生成されたメタンを、
反応空間7から排気する。排気部5は、排気路51と、排気弁52
と、を備える。排気路51は、ハウジング2の排気ポート24に接
続され、メタンの供給口(不図示)とハウジング2内とをつなぐ流
路である。排気弁52は、排気路51を開閉可能に閉じることがで
きる。排気弁52は、吸気行程、圧縮行程及び反応行程において排
気路51を閉じ、排気行程において、排気路51を開く。ここでい
う「排気路51を閉じる」とは、排気路51内を閉じることのほか、
排気ポート24を閉じることを含む。「排気路51を開く」という
表現についても同じである。

(3)製造方法 このような構成のメタン生成装置1を用いて、吸気
行程、圧縮行程、反応行程及び排気行程を経ることで、メタンを生
成することができる。吸気行程は、吸気部4から反応空間7内に原
料ガスを供給する行程である。本実施形態に係る吸気行程では、原
料ガスとして、二酸化炭素と水素との予混合ガスを供給する。吸気
行程では、図1(A)に示すように、ピストン31が上死点から下
死点へ移動するのと同時に、吸気弁42が吸気路41を開き、反応
空間7内に予混合ガスが供給される。これにより、反応空間7には
予混合ガスが充填される。圧縮行程は、吸気行程の後、反応空間7
内に供給された原料ガス(予混合ガス)を可動体3によって圧縮す
る行程である。圧縮行程では、図1(B)に示すように、ピストン
31が下死点から上死点へ移動するが、このとき、反応空間7の体
積が縮小する。このとき、反応空間7内
の予混合ガスが圧縮される。圧縮行程によって、予混合ガスの温度
は、例えば、300℃以上600℃以下に上昇する。反応行程は、
予混合ガスが反応し、メタンを生成する行程である。圧縮行程によ
って、高温になった予混合ガスは、反応空間7で、メタネーション
反応が起こる。これによって、反応空間7内にメタンが生成される。
反応後に高温になったガスは膨張し、図1(C)に示すように、ピ
ストン31が上死点から下死点へ移動する。 ここで、メタネーショ
ン反応は、発熱反応であるため、ピストン31に対し、下死点に向
かう力を加えることができる。したがって、ロッド33又はクラン
クシャフトから、外部に対する仕事を取り出すことも可能である。
また、反応行程を経て生成されたメタンの量について、例えば、セ
ンサ等を用いてモニタリングしたり、予め反応量を検証したりして、
一度の反応行程で得られるメタンの量を把握しておくことが好まし
い。これによって、反応行程の後、排気行程に移行することなく、
再び圧縮行程及び反応行程を実行する、という選択も行うことがで
きる。すなわち、圧縮行程と反応行程とを複数回繰り返した後、排
気行程を実行することで、所望のメタンの量を確保することができ
るため メタンの転換率を改善することもできる。 圧縮行程及び反
応行程を一度ずつ実行するか、これらを複数回繰り返すかの選択は
得ようとするメタンの量に応じて作業者が選択してもよいし、モニ
タリングにより得たメタンの生成量に応じて、制御プログラムが判
断してもよい。 排気行程は、反応行程の後、メタンを反応空間7か
ら排気部5を通して排気する行程である。排気行程では、図1(D
)に示すように、ピストン31が下死点から上死点へ移動するが、
このとき、排気弁52が排気路51を開き、反応空間7に充填され
ているメタンを排出する。 
排気行程の後、再び、吸気行程を実行することができる。したがっ
て、本実施形態に係るメタンの製造方法によれば、連続的にメタン
の生成を行うことができる。

(4)効果 以上説明したように、本実施形態に係るメタン生成装置
1は、内部に反応空間7を有するハウジング2と、反応空間7に二
酸化炭素と水素との予混合ガスを供給可能な吸気部4と、反応空間7
内に供給された前記予混合ガスを圧縮することで、予混合ガスを反
応させる可動部と、メタンを前記反応空間7から排気する排気部5
とを備える。このため、効率の良いメタンの生成を実現することが
できる。また、触媒の非存在下でメタネーション反応を得ることが
できるため、コストダウンを実現でき、また原料ガスの組成の制約
がないという利点がある。ここで、従来のメタネーション技術は、
例えば、メタンを合成する際に触媒が必要である点、反応温度まで
昇温させる必要がある点、メタネーション反応は発熱反応であり、
触媒層が熱によって劣化する点、二酸化炭素に硫黄等が含まれてい
る場合、触媒が被毒する(触媒被毒)点等の技術的な課題を有する。
これに対し、本実施形態に係るメタン生成装置1によれば、無触媒
でメタンを合成するため、水素
と二酸化炭素とを比較的低温で反応
させることができる。また、
触媒を使用しないため、触媒の劣化を
考慮する必要がないし、活
性が異なる触媒を傾斜配置する等の調整
を考慮する必要がない。

さらに、触媒は高価な貴金属からなるところ、無触媒でメタンを
成することで、コストダウンを実現
できるうえに、反応物のガス組
成の制約がないため、硫黄分を含有するバイオガスも使用すること
ができる。また、ハウジング2はシリンダを有し、可動体3は、シ
リンダに対して軸方向に往復動可能なピストン31を有するため、
レシプロエンジンのような機構を利用して、メタンを生成すること
ができ、連続的なメタンの生成を実現することができる。さらに、
単純な構造であるため、ハウジング2を小型化しやすく、小さな設
置スペースしか有さない業者でも所有できるという利点がある。ま
た、原料が二酸化炭素と水素であるため、輸送コストが削減できる。
また、本実施形態に係るメタンの製造方法では、吸気行程、圧縮行
程、反応行程及び排気行程を含むため、効率の良いメタンの生成を
実現することができ、また、連続的なメタンの生成を実現すること
ができる。また、圧縮行程と反応行程とを複数回繰り返した後、排
気行程を実行することができるため、転換率を向上させることがで
き、効率のよいメタンの生成を実現できる。以下、割愛(後略)。
                        この項つづく

※あっと時間がすぎていくという感覚にさいなまれている(理由は
わかっているのだが)。このメタネーションはもう一度掲載しつぎ
の課題に移る。


ブラウザ上で描いたスケッチをAIが画像に変換してくれる
サービス「Stable Doodle」とは?


via Gigazine

 風蕭々と碧いの時

John Lennon Imagine

【 J-POPの系譜を探る:2017年代

● 今夜の寸評:先端技術で世界一をめざす

 



 

 

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さぁ!自信をもって進もう⑧

2023年04月02日 | 環境リスク本位制

  

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救った
と伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦
国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと
)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひこにゃん」。

【思い出の南イタリア:青の洞窟の三毛猫】

2009.05.16



南イタリアの印象で、ツアーのレストッランテに飼われていた三毛猫に
驚く。日本では珍しくないネコだが、日本国外では比較的珍しく、キャ
リコ(英: calico)、またはトーティ・アンド・ホワイト(英: tortie and
white
)と呼ばれる。フランス語風にトリコロール(仏: tricolore),ある
いはトライカラー(英: tricolour、米: tricolor)と呼ばれることがある。
ただし、英語のトライカラーは錆び猫(トータスシェル:: tortoiseshell
または短縮形のトーティ〈英: tortie〉と呼ばれる)も含み、かつ「真の
」トライカラーは赤(茶、オレンジ)、白、黒の3色、もしくは赤黒が「
薄まった」色が全てある猫である、ただ、白の部分が極めて少なく、2
色に見える場合も含む。西欧や北米にあっては、ジャパニーズボブテイ
ルが「ミケ」(Mi-ke) の愛称で珍重されているという。もっとも、イエ
ネコだけでなく、ヤマネコ、ライオン、トラ、ヒョウ、チーター、サー
ベルターガーが属するネコ科である。驚くこともないだろう ^^;。

>     

 

【再エネ革命渦論 107: アフターコロナ時代 306】


 
● 技術的特異点でエンドレス・サーフィング
”再エネ・リサイクル・ゼロカーボン最先進国”宣言!

進まぬリチウムイオン電池のリサイクル バッテリーのリサイクル業界が
直面する課題 電気自動車(EV)が環境にもたらす利点は誰もが認めると
ころだが、EVに電力を供給するリチウムイオンバッテリーについてはま
だ結論が出ていない。バッテリーに使われる原料の多くは危険物であり
調達や再利用が難しい。New York Timesの報道によると、EV業界が循環
経済(サーキュラーエコノミー)に向けて努力する中で、EV用バッテリ
ーの再資源化と再利用は投資家や起業家にとって優先事項になっている
という。だが、EV用バッテリーの再資源化や再利用に取り組む新興企業
は、そうした事業に以前から取り組んできた企業と同様に、根本的なビ
ジネス課題に直面している。特に米国では、EV用バッテリーの再資源化
は少なくとも10年は収益が見込めそうにない。理由は単純で、急速に拡
大している事業に投じるだけの使い切ったバッテリーがない。  


2022.04.30 Ars Technica

規模の経済をめぐる課題はエレクトロニクスのサプライチェーンで顕著
にみられる。部品やバッテリーのメーカーやサプライヤーは環境責任へ
のコミットメントを強化しているが、製造/販売した機器が役目を終え
るところまで管理できることはほとんどない。さらに、サプライヤーは
製品の返品を受け付けているので、欠陥品や旧式のデバイスを在庫とし
て抱えていることが多い。ROI(投資利益率)はほんのわずか。  

IP&E(産業機械/エレクトロニクス)専門のディストリビューターであ
るTTIで総合品質担当バイスプレジデントを務めるKevin Sink氏は、米国
EE Timesに対し「1台のトレーラーに積まれたスクラップを集めると 約
100万~125万米ドル相当の在庫になる。それを密閉してリサイクルに回
すわけだが、当社の取り分は2万5000~3万米ドルくらいだ。とはいえ、
重要なのは安全性と責任である。一般人がゴミ箱をあさって欠陥部品を
取り外し、それをエレクトロニクスのサプライチェーンに戻す、という
ようなことはあってはならない」という。 それでも、New York Times
よると、自動車メーカーやエネルギー企業、ベンチャーキャピタリスト
は、バッテリーの再利用事業を手掛ける多くの欧米新興企業に投資して
いるという。だが、ビジネス課題の一つは規模の経済である。例えばEV
業界を率いるTeslaは、2008年から自動車を販売してきた。同社がわずか
10万台のしきい値を達成したのは2017年のこと。

不可欠な「バッテリーのリサイクル」
「EV用バッテリーの再資源化」という言葉には説得力がある。コバルト
リチウム、ニッケルなど、バッテリーに使われる材料は採掘が難しく、
人権が損なわれてきた歴史を持つ地域から調達されることが多い。そう
した材料を使用済みバッテリーから回収して再利用し、新たなバッテリ
ー製造に使用できれば、EV業界の持続可能性は高まる。メーカーは海外
から調達する材料への依存度を減らすことができる。市場規模も成長す
るだろう。MarketsandMarketsによれば、リチウムイオンバッテリー再利
用の世界市場は、2021年に46億米ドル規模となり、2030年には228億米
ドルに達する見込み。2022年夏に米バイデン大統領が署名した米国イン
フレ抑制法(U.S. Inflation Reduction Act)では、EV購入で税額控除
を受けるためには、バッテリーに含まれる重要鉱物のうち、米国内ある
いは米国と自由貿易協定を締結している国で採掘/加工されたものの価
額が所定の割合以上になることが要求されている。EUは、欧州市場で販
売するバッテリーメーカーの環境およびデューデリジェンス基準に関す
る厳しい新法を可決し、バッテリーに含まれるニッケル、コバルトのほ
ぼ全ておよびリチウムの半分を、耐用年数終了後に回収することを要求
している。  

2021年後半の時点で、中国には米国と比較して3倍以上の既存および計
画中のリチウムイオンバッテリーのリサイクル能力があったことが報告
されている。しかし現在、中国メディアから入手した推計によれば、バ
ッテリー素材の約30%~40%しかリサイクルされていないという。リサ
イクル方法は進化しているが、リチウムイオン電池、ニッケルカドミウ
ム電池、ニッケル水素電池は何十年も前から再処理されていることは特
筆すべきことだろう。だが、エレクトロニクス産業やバッテリー産業に
携わる多くの企業にとって、これらの取り組みに対する投資効果はほと
んどないのが実情。


リサイクル業者がビジネス的に成功するには
バッテリーのリサイクル業者の多くは、事業運営に必要な数量を確保す
る上で、廃品回収を頼みの綱にしている。現在、EVの需要は急増してお
り、BCGの予測によれば、2035年には全世界の小型自動車の売上高全体
の59%を電池式電気自動車が占める見込みだという。このためリサイク
ル業者は、競合相手の一歩先を進むべく、施設や装置の拡充や人員増加
を図っているところ。McKinseyによると、EV用バッテリーのバリューチ
ーンは2020~2030年に約10倍に広がり、年間売上高は約4100億米ドル
に達する見込み。しかしリサイクル業者があまりにも急激に拡大すると、
老朽化した電池を相当数蓄積する前に、資本不足に陥る可能性がある。
EV用バッテリーの寿命は15~20年。現在、路上を走行しているEVは比較
的少なく、その大半が新車である。スマートフォンやノートPCなどの電
子機器にもリチウムイオン電池が使われているが、回収することが難し
く、自動車業界の高まる需要に対応できるだけの数量はないという状況。

米国では、電池リサイクルに関する規制が州ごとに異なる。一部の州で
は、ブランドオーナーが電池の回収/廃棄のための資金を提供する必要
がある。一方で、全く規制がない州もある。多くのリサイクル業者は、
Call2Recycle.orgのような非営利団体と連携して、使えなくなった電池用
のリサイクル物流を管理している。カスタムの組電池を生産するSager
Power Systems
でプログラムマネジャーを務めるNajib Habiby氏はEE Times
のインタビューに応じ、「Sagerは、Call2Recycle.org
のメンバー企業。
EV用バッテリーの分野には直接関与していないが、当社の製品があらゆ
る場所に行き着く可能性があるということを認識している。われわれは
Call2Recycle.orgのおかげで、現在義務化されている回収法や、いずれ制
定される可能性がある法律を順守することができる」と話す。 
EV用バッテリーをいったん回収すると、次はそれを解体することがハー
ドルになる。リチウムイオン電池は発火の原因になることがあり、自動
車ユニットは重量が非常に大きい。その上EV用バッテリーは、自動車の
型式ごとにパッケージや構造が異なる。設計が標準化されていればリサ
イクル処理を合理化できるが、大半の自動車メーカーや電池メーカーは
それについてほとんど関心を示していない。 注目すべきバッテリーリサ
イクル企業  EV用バッテリー分野において注目すべき企業の一つとして
挙げられるのが、Jeffrey Straubel氏が2017年に米国ネバダ州に設立した、
Redwood Materialsだ。同氏は、かつてTeslaCTO(最高技術責任者)を
務めた経歴を持つ。Redwood Materialsは主に、回収金属や採掘金属で構
成される、電池メーカーとして市場に参入している。Ford Motorやトヨタ
自動車、Volkswagen、Volvoなどの企業と、リサイクル関連のパートナー
シップを構築している他、パナソニックやTeslaが運営する電池工場から
出る廃品のリサイクルも手掛ける。Dealroomによると、Redwood Materials
への投資総額は、7億9200万米ドルに上る。 リサイクルのみに特化した
企業もある。カナダのLi-Cycleは、元エンジニアリングコンサルタントの
2人によって2016年に設立された起業。Li-Cycleは、環境に優しいプロセ
スでリチウムイオンバッテリーをリサイクルするクリーンテクノロジー企
業であると認識されている。同社の2022年第4四半期および通年の売上
高は、それぞれ300万米ドルおよび1340万米ドルだった。
尚、2021年の同期間における売上高は、440万米ドルと730万米ドルだっ
た。スウェーデンのNorthvoltは、バッテリーのリサイクルと製造を手掛
ける。Teslaでサプライチェーン責任者を務めていたPeter Carlsson氏が2015
年に立ち上げた企業。Northvoltは2017年以降、デットとエクイティにより
約80億米ドルの資金を調達。

【関連情報】
原題:リサイクルされたリチウムイオン電池は、新しいリチウムイオン
電池の寿命を超える場合がある。2022年3月23日、materials square

リサイクル方法
1.湿式製錬法:浸出プロセスでは、通常、酸浸出(回収されたCoおよび
 Liで最大99%)と生物学的浸出(細菌および真菌が関与する)に分類される。
2.乾式冶金のプロセス このプロセスでは、金属やその他の化学物質を
 高温でLIBから抽出できる。乾式冶金は、商業量のコバルトを抽出する
 ために頻繁に利用される。銅、ニッケル、および少量の鉄は、通常、
 このアプローチを使用して回収されり。熱冶金はLiよりもCoの回収効
 
率が高いためこの回収アプローチの経済性は、LIBに使用されるCoの量
 とCoの市場価値の変化に大きく依存しています。ただし、NiとMgの利
 用は増加するが、新しいバージョンのLIBでは電極材料中のCoの含有量
 が減少する。
3.直接的な物理的リサイクル法:直接回収は、化学物質を使用せずに
 廃棄されたLIBから貴重なコンポーネントを回収する技術。 ただし.
EV
 バッテリーはリサイクルが簡単ではなく複雑なものであり、リサイクル
 方法の開発が必要。

リサイクルされたカソードは新品の性能に匹敵するか?
 LIBのリサイクルプロセスは、Li不足を回避できる可能性があるす。ただ
し、一部のメーカーは、リサイクル材料の汚染物質がバッテリーの性能を
損なう可能性があることを懸念している。研究によると、リサイクルされ
たカソードを備えたリチウムイオン電池は、手付かずの(新しい)材料か
ら製造されたカソードを使用したリチウムイオン電池よりも数千
回以上
の充電サイクルに耐えることができる
。リサイクルされたカソードで11,
600回の充電サイクルの後、LIB容量は30%低下した。50,7 サイクルしか
実行しなかった新しいLIBよりも約600%優れている。 リサイクルされた
カソード粒子は、新しく採掘された材料から作られたものよりも多孔質
であり、その中心に特に大きな空隙があることを観察した。これらの特
性により、リチウムイオンがカソード結晶に押し込まれたときにカソー
ド結晶がわずかに膨潤し、これにより、新しく抽出された材料から作ら
れたカソードと同じくらい簡単に結晶が割れるのを防ぐ。このタイプの
亀裂は、時間の経過とともにバッテリーの劣化に大きく貢献 する。より
多くの細孔は、バッテリーの充電に必要な化学反応が発生する可能性が
ある、より大きな露出表面積を意味し、これは、リサイクルされたバッ
テリーが市販のバッテリーよりも速く充電される可能性があることを意
味する。
 
図.いくつかのテストを通し、微細構造とサイクル性能の仕様を備えた
 リサイクルNMC111のスキーム
Capacity Fade Mechanisms and Side Reactions in Lithium‐Ion Batteries,
     J. Electrochem. Soc. 145 (1998) 3647–3667.
     https://doi.org/10.1149/1.1838857 ※ Open circuit voltage characterization of
  lithium-ion batteries, J. Power
 Sources. 269 (2014) 317–333.
   https://doi.org/https://doi.org/10.1016/j.jpowsour.2014.06.152.
※ Recycled cathode materials enabled superior performance for lithium-ion
     batteries, Joule. 5 (2021) 2955–2970.
     https://doi.org/https://doi.org/10.1016/j.joule.2021.09.005.
※ 著者:サブ・バニサルマン博士 バーチャルラボ 

 



ブレードコーティング・フレキシブル ペロブスカイト太陽電池
変換効率14.08% 達成

ローマ トル ヴェルガータ大学の研究グループは、ブレード コーティン
グを使用して、有毒なジメチル スルホキシドを含まない柔軟な太陽電池
を開発。このセルを使用して、効率が最大 6.58% の小型ソーラー モジ
ュールを製造。

   

イタリアのローマ トル ヴェルガータ大学の研究グループは、周囲空気
中でブレード コーティングを介してすべての層を堆積させることにより
柔軟なペロブスカイト太陽電池モジュールを製造。 すべての層は、相対
湿度が約 30 ~ 40% の周囲条件で製造されているため、製造プロセスに
はクリーン ルームや制御された環境は必要ない。さらに、ペロブスカイ
ト太陽電池の持続可能性に向けた一歩であり、非常に有毒な溶媒の使用
が回避された。最近、Sustainable Energy & Fuels に掲載された論文「All-
Blade-Coated Flexible Perovskite Solar Cells & Modules Processed in Air from
a Sustainable Dimethylulfoxide (DMSO)-based Solvent System
」の中で、ブレ
ード コーティングは、単純な機器を必要とし、わずかな変更でロールツ
ーロール製造に転送可能な高スループットの堆積方法がその特徴。

周囲環境でのペロブスカイト層のブレードコーティングは、ホットキャ
スティング、ガスクエンチング、真空抽出、またはペロブスカイト相に
水分が広がるのを防ぐこれらの方法の組み合わせによってのみ可能であ
り、製造プロセスでは、ペロブスカイト堆積で一般的に使用される有毒
な溶媒であるジメチルスルホキシド (DMSO) を最初のステップにのみ
使用し、2番目のステップにはイソプロピルアルコール (IPA) を使用。
このように、堆積完了すると、DMSOはペロブスカイト層に閉じ込めら
れたままにならず、インジウムスズ酸化物 (ITO) 基板、スズ (IV) 酸化
物 (SnO2) バッファ層、ペロブスカイト吸収体、およびポリトリアリー
ルアミン (PTAA) 製の正孔輸送層 (HTL) でセルを構築する。太陽電池は
大きな基板 (5 x 7 cm2) にブレード コーティングするが、0.09 cm2 の
活性領域で小規模に測定され、チャンピオン デバイスは 14.08% の電力
変換効率を達成させた。同グループは、このセル技術に基づいて小型の
太陽電池モジュールも製造し、最大 6.58% の効率を達成----フレキシブ
ル基板上で 13 cm2 × 13 cm2 のサイズに拡張できることを実証。 現在、
モジュールのパフォーマンスの向上とデバイスのさらなるアップスケー
リングに取り組む。

コスト評価分析はこの作業の範囲ではないが、ブレード コーティングは
シンプルで材料の無駄が少ないため、低コスト技術であることもわかっ
ている。高速、低コスト、および大規模生産を可能にするロールツーロー
ル生産に製造プロセスを移行できる。フレキシブル基板を使用すると、
ソーラーモジュールの総重量が大幅に削減され、輸送とメンテナンスの
コストが削減されることは言うまでもない。 2021年3月、総活性面積42.8
 cm2、開口面積 50cm2 のペロブスカイト太陽電池モジュールを発表する。
このパネルは、14直列に接続された効率 20%のペロブスカイト セルで
構築されている。85℃で 800時間の熱ストレスの後、初期効率の 90%を
維持でき。3か月後、トリプル カチオン セシウム メチルアンモニウム
ホルムアミジニウム (CsMAFA) に基づくセルを備えたペロブスカイト
太陽電池モジュールを発表。続いて2022年4月には、総基板サイズ20cm×
20cmで安定した電力変換効率11.9%のペロブスカイトソーラーパネルを
発表した。
via. Blade-coated flexible perovskite solar cell achieves 14.08% efficiency – pv
magazine International

----------------------------------------------------------------
持続可能なジメチルスルホキシド (DMSO) ベース溶媒系から空気中処理
のオールブレードコーティング・フレキシブル・ペロブスカイ
ト太陽電
池およびモジュール

【要約】
柔軟なペロブスカイト太陽電池は、高い出力対重量比を必要とする新し
いアプリケーションの有望な候補と見なされてきが、効率的なデバイス
のスケーラブルで周囲の空気堆積は、依然としてこの技術の主要な課題
である。さらに、ペロブスカイト層の堆積には有毒な溶媒が定期的に使
用されており、環境を破壊し、潜在的な生産ラインの安全性を危険にさ
らす可能性がある。この論文では、有毒な溶剤を使用せずに、周囲の空
気中でブレードコーティングを介してすべての層が堆積される、持続可
能なフレキシブルペロブスカイトソーラーモジュール(flex-PSM)を紹
介しました。 ダブルカチオン Cs0.15FA0.85PbI3-xBrx ベースのペロブ
スカイトは、吸収体として 2 段階でブレード コーティングされ、コー
ティング パラメーターが最適化されます。 最初のステップの適切な乾
燥は、ペロブスカイトの適切な相を備えた高品質のペロブスカイト フ
ィルムを得るために重要であることがわかった。付加工学によってペロ
ブスカイト層の形態を改善し、ボイドを制限し、14% の効率を得た。
モジュールは、プロセスのスケーラビリティを実証に 13 × 13
cm2 の基板上に製造される。


表S1 柔軟なブレード被覆ペロブスカイト太陽電池とこの研究の比較。

図S1-(a) ブレードコーチング機(Cicci Research の Charon)。 (b) ブレー
ドと空気ノズル。 (c) Helios Quartz IR ランプを使用した IR 乾燥システ
ム。

図 S4。 ブレード コーティングされた PbI2-(FAI)0.3-(CsI)0.15 (a-c)
および対応する二重の SEM 画像 カチオンペロブスカイト層 (d-f) は、
LP 添加剤なしで不完全な乾燥条件で堆積され、0.1 mg/ml LP、および 0.25
mg/ml LP 。



図S6 - ブレードコーティングされた基板全体のPCEの平均正規化分布
不完全で最適化された乾燥。

Title:All-Blade-Coated Flexible Perovskite Solar Cells & Modules Processed
in Air from a Sustainable Dimethyl sulfoxide (DMSO)-based Solvent System 


 
風蕭々と碧い時代



Jhon Lennone Imagine

J-POPの系譜を探る:1976年代】



曲名: 冷たい雨 1976年  歌:Hi- Fi Set
作詞&作曲: 荒井 由実 編曲: 松任谷正

「冷たい雨」は、1976年にハイ・ファイ・セットてオリコン最高位30位
15.4万枚のセールスを記録。ハイ・ファイ・セットは、フォーク・グル
ープの赤い鳥のメンバーだった山本(新居)潤子、山本俊彦、大川茂に
より1974年に結成されたヴォーカル・グループ。1975年にシングル「卒
業写真」でデビュー。赤い鳥の洗練されたコーラスワークを受け継ぎ、
「フィーリング」「冷たい雨」「風の街」「素直になりたい」「燃える
秋」などをヒットさせた。1992年に活動休止。
尚、愛のフィーリング」(Feelings)は、ブラジルのシンガーソングライ
ター・モーリス・アルバート(Morris Albert)が1975年にリリースしたシ
ングルを日本では、コーラス・グループのハイ・ファイ・セットが「愛
のフィーリング」をカヴァー。カバー・バージョンは、日本語詞をなか
にし礼が担当し、曲名を「フィーリング」として1976年末にリリースさ
れた。翌年の1977年に大ヒットとなり、ハイ・ファイ・セットは同年末
の『NHK紅白歌合戦』に初出場を果たしている。
※ another song;  卒業写真 山本潤子 with 小田和正

 

【概要】一九九〇年代、日本の音楽産業は急激な成長を遂げる。CDの
ミリオンセラーが続出し、デジタル化や多メディア化とともに市場規模
は拡大し続け、いまや日本は世界第二位の音楽消費大国である。こうし
た変化をもたらした「Jポップ」現象とは何か。産業構造や受容環境の
変化など、音楽を取り巻く様々な要素から鋭く分析する。

【目次】
第1章 「J」の時代のポピュラー音楽
第2章 デジタル化は何をもたらしたか
第3章 テレビとヒット曲
第4章 「ココロ」の時代の音楽受容
第5章 日本という音楽市場のかたち
第6章 Jポップ産業の挫折―急成長の十年が終わって
【著者該歴】
烏賀等弘地(うがやひろみち):ジャーナリスト、1963年京都市生まれ。
86年に京都大学経済学部を卒業し、朝日新聞社記者になる。91年から
2001年まで『アエラ』編集部記者。92年にコロンビア大学修士課程に自
費留学し、国際安全保障論(核戦略)で修士課程を修了。同誌では音楽
・映画などポピュラー文化のほか医療、オウム真理教、アメリカ大統領
選挙などを取材。98年から99年までニューヨークに駐在。03年に退
社しフリーランスに※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修
者、イラストレーターなどの紹介情報です。

J-POP(ジェイ-ポップ、英: Japanese Popの略で、和製英語である)の定義
についは、Wikipediaからの拾い読みしし、「日本で制作されたポピュラ
ー音楽を指す言葉であり、1989年頃にその語と概念が誕生した後、199
3年頃から青年が歌唱する曲のジャンルの一つとして広く認識される
うになった。つまり、J-POP以前と以後の違いは、BPM----西洋音楽において
の拍の時間----の速さや洋楽の影響を受けたメロディ・コード進行・リズムにあ
り、特に、昭和歌謡の時代の邦楽と比較して、歌詞の構造が解体された代わ
りにグルーヴが洗練された作品は増加。一般的な音楽ジャンルとは異なり、
先に「J-POP」という言葉を定義し、それに既存の楽曲を当てはめる所から入
っていったもので、発生した音楽ジャンルではないと了解しているが、一連の
研究結果はもう少し先なる。

● 今夜の寸評:(いまを一声に託す)さぁ!自信をもって進もう⑧

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大型航空機用燃料電池が離陸?

2023年03月18日 | 環境リスク本位制

 
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひ
こにゃん」。


via Plantia
【吾がハーブ愛:コリアンダー編】
コリアンダーは、地中海沿岸部を原産地とするセリ科の植物。高さは
60~120cmほどであり、光沢のある緑色の葉は成長するとともに裂け
て羽のようになります。また、初夏には淡い紅色や白色の花を咲かせ
る。生の葉や未成熟の実には独特の強い香りがあり、その臭いはカメ
ムシやにも例えられ、コリアンダーの語源にも「koris(虫)」とい
う言葉が含まれるが、乾燥させることによってレモンとセージを合わ
せたような爽やかな香りへと変化。現在ではタイ料理や中華料理の香
味付けに用いられるなど、エスニック料理には欠かせない。また、ヨ
ーロッパではコリアンダーの種子が主にスパイスとして利用され、独
特の強い香りを持つ葉に比べて、種子には甘くスパイシーな香りがあ
り、薬効の面からは葉より種子の方が多く用いられるとか。


出所:みんあのきょうの料理

コリアンダーのエスニックサラダ
コリアンダーの香りが存分に楽しめ、シンプルなサラダ。鶏のから揚
げや冷ややっこ、ラーメンなどにトッピングも。
------------------------------------------------------------
✔ 
きょうは晴天なのに急に風が強くなり冷え込み低気圧が列島を西
 から横断するため明日は雨が降るかもしれないが、午後から、裏庭
 にコロアンダーとフェンネルの種を蒔くが、コリアンダーは初めて
 の栽培となる。「露地栽培法」は有山式(栽培土質はことなる/苦
 土石灰を適量加えている)
の二回目の採用となる。初回は、掲載し
 たラベンダーとゼラニウムである。
-----------------------------------------------------------
生の葉は、主に中華料理や東南アジア料理において、肉・魚料理の臭い
消しや、スープ、粥、麺などの薬味として利用されています。相性の
良い食材には、にんにく、ミント、レモン、とうがらし、しょうが、
ココナッツなど。また、種子はカレー粉の原料となるほか、丸ごとピ
クルスにするなどの利用法もあるとか。また、口臭を予防する効果、
精神を安定させる効果、胃の健康を保つ効果があるとか。
via わかさの秘密




ZeroAvia 世界最大水素電気エンジン航空機が航空歴史を作る
3月 9日 、 ZeroAvia社は、同社の高温陽子交換膜 (HTPEM) システム
のテストで記録破りの性能を達成。 同社の英国の研究開発拠点での
加圧 20kW HTPEM スタック電源モジュールの初期テストで、セル レ
ベルで記録的な 2.5 kW/kg 比出力が実証され、今後 24 か月で 3+
kW/kg システム レベル密度への道が開かれた。
--------------------------------------------------------------
【要点】
・世界初の加圧 HTPEM 燃料電池が記録破りの出力密度を達成
・大型のターボプロップおよびリージョナル ジェットのアプリケー
 ションのロックを解除
・10年以内に単一通路のゼロエミッション航空機のロックが解除
--------------------------------------------------------------
航空用の燃料電池技術の開発は、真のゼロエミッション商用飛行を可
能にするために重要であり、大型の固定翼航空機や回転翼航空機など
のエネルギー集約型の用途では、商用化を実現するために燃料電池ス
タック内の温度と圧力を高める必要がある。実行可能な製品。温度と
圧力の上昇により、空冷が可能になり、冷却抵抗が減少し、システム
が簡素化され、最終的にはより要求の厳しいアプリケーションが可能
になる。



同社の開発チームは、加圧HTPEMシステム、非常に挑戦的なHTPEM環境
でのアルミニウム バイポーラ プレートの使用を可能にする革新的な
導電性コーティング、および高度な膜電極アセンブリ (MEA) への新
しいアプローチを提供することにより、前例のない深い技術的ブレー
クスルーを実現。
同社が保有する技術は、燃料電池航空向けの重要な技術の社内ポート
フォリオ構築するための集中的な取り組みの一環として、過去3年間
にわたって開発されてきた。さらに研究開発により、燃料電池システ
ムの比出力が 3kW/kgを超え、従来の燃料電池技術に比べて性能が大
幅に向上、大型航空機で燃料電池推進が商業的に実行可能となる。
具体的には、HTPEMシステムは、40 ~ 80席の航空機向けの同社のパ
ワートレインや、さまざまな回転翼航空機および eVTOL アプリケーシ
ョンをサポートする主要候補である。この次世代の燃料電池は、ボー
イング737やエアバスA320などの100席以上の単一通路ターボファン航
空機の電気推進システムを実現するのにも十分。ZeroAviaシステムで
使用されるコンポーネントは、主要な米国エネルギー省の国立研究所
を含むいくつかの独立した研究所で、サードパーティの独立したテス
トを通じて既に検証されている。この試験により、HTPEMシステムが
大型航空機用の大型水素電気パワートレインの開発を加速する可能性
が確認された。
同社の最近の画期的な 19席航空機の初飛行では、低温 PEM (LTPEM)
燃料電池システムが利用。今日の LTPEM システムは、これらの小型
航空機のサブメガワット規模ではうまく機能するが、スタック コア
の温度が低いため、大型システムから熱を除去することが難しくなる。
HTPEM技術は、燃料電池システムから多くのコンポーネントを排除し、
冷却抵抗を低減することで、商用に適したペイロードと航続距離を実
現。 また、同社のHTPEMは耐久性を高め、航空会社の運用コストをさ
らに削減する。


出所:ZeroAvia via CISION
ZeroAvia CEOの Val Miftakhov氏は、水素燃料電池推進は、既存のエ
ンジンに代わる最も環境的で経済的な代替手段であり、HTPEMは、こ
れらの利点を大型の航空機カテゴリに提供するための最も有望なルー
ト。現在の実証は、長期的には、すべてのカテゴリーの航空機にゼロ
エミッション飛行を提供。水素航空への関心は、ここ数か月で大幅に
高まっている。水素燃焼エンジンは、飛行中の炭素排出量を削減に開
発されているが、航空機が気候に及ぼす二酸化炭素以外の排出の影響
を維持または増加させるという、深刻な環境ペナルティに直面。EASA
のレポートによると、これらの 二酸化炭素 以外の影響は、炭素排出
量だけの場合の2倍の気候への影響があると考えられている。さらに、
非燃焼の水素電気アプローチにより、最新の燃焼エンジンに固有の極
端な材料応力が排除され、保全維持経費の大幅削減され、水素電気推
進の経済性がさらに向上できる。 ZeroAviaのHTPEM システムの開発は、
航空宇宙技術研究所 (ATI) を通じて英国政府が支援する HyFlyer II
プロジェクトによって部分的にサポートされていると話す。
【関連特許】
US2021015783A1 統合された水素電気エンジン ZeroAvia, Inc
【要約】空気を含む統合水素電気エンジン コンプレッサーシステム
で水素燃料源で、燃料電池スタックである 水素燃料源との流体連通
における熱交換器 燃料電池スタックと、空気を支える細長いシャフ
ト 圧縮機システム、燃料電池スタック、および熱交換器。そして 燃
料と電気的に連通して配置されたモーターアセンブリ セルスタック。


【関連技術情報】
※高温プロトン交換膜燃料電池用の高分子膜:最近の進歩と挑戦
(via J-GLOBAL ID:201102292522607836 )
プロトン交換膜燃料電池(PEMFC)は効率的な発電に関係する21世紀の
有望な技術と考えられている。現在では,高温プロトン交換膜燃料電
池(HT-PEMFC)の方に幾つかの利点があるとされている。例えば,プロ
トン伝導率が高いこと,燃料浸透性が低いこと,電気浸透抗力係数が低
いこと,化学/熱安定性が良好なこと,機械的性質が良好なこと,及びコ
ストが低いこと,である。
これらの特徴があるため,HT-PEMFCは低温プロトン交換膜燃料電池よ
りも広く使用されるようになってきた。後者には一酸化炭素による被
毒,熱管理,水による溶出等の点で一定の限界がある。本レビューでは
,HT-PEMFCを開発する必要性,技術的制約,及び最近の進歩を検証した。
PEMFCを高温で操作するという基本的な要求を満たすために,スルホン
化炭化水素系高分子,酸-塩基系高分子及びポリマブレンドのような種
々の系統の高分子が解析されてきた。HT-PEMFCの性能に及ぼす無機添
加剤の影響も綿密に調べた。高分子の合成,膜の作成と物理化学的キ
ャラクタリゼーションについても詳細に論じた。高分子膜のプロトン
伝導率及び電池性能は高温処理することにより改善される。機械的性
質や保水性も著しく改善された。しかし,高分子の熱及び化学安定性
の最適化,酸の取扱い,及び電極と膜の間の統合境界面,のようなある
種の領域での改善を見通してさらに研究を行う必要があると報告され
ている。

※高温プロトン交換膜形燃料電池の電池性能と耐久性に及ぼす操作
 温
度の影響(J-GLOBAL ID:200902233675134320)
高温プロトン交換膜形燃料電池(HT-PEMFC)の操作温度と電池耐久性の
関係を,劣化機構により検討した。長期耐久性試験を,150,170,および
190℃において,リン酸をドーピングしたポリベンズイミダゾール電解
質膜を有するHT-PEMFCに対して行なった。より高い温度ではより高い
電池電圧がもたらされるが,電池寿命が短くなることがわかった。
長期試験中の約20mVの電池電圧の低下は,電力発生初期段階での電極
触媒粒子の凝集と,さらには,電池温度に関係なく起こる,最終段階で
のリン酸の消耗によるクロスオーバの影響に原因があると考えた。
実際の利用のための,長期耐久性の増進は,リン酸の移動の有効な管理
により,達成できると考えられる。

     





 

● 技術的特異点でエンドレス・サーフィング
”再エネ・リサイクル・ゼロカーボン最先進国”宣言!
【水素サーキュラーシステム編:水素燃料電池発電】
最新クリーン燃料電気航空機向けの燃料電池システムの方法及び装置
の参考事例として3件掲載する。
--------------------------------------------------------------
1.特許537431号 クリーン燃料の電気航空機のための軽量、高出力
 密度の耐障害性燃料電池システムの方法および装置 アラカイテク
 ノロジーズ コーポレーション モリソン、ブライアン、ディー
【要約】
実物大のクリーン燃料電動航空機のための軽量、高出力密度の耐障害
性燃料電池システムの方法および装置であって、複数の水素燃料電池
から電子を収集して、複数のモータおよびプロペラアセンブリのそれ
ぞれの電圧およびトルクまたは電流の量および分配を、選択および制
御するように構成されるオートパイロット制御ユニットによって命令
されるモータコントローラに電圧および電流を供給するように構成さ
れる電気回路を使用して、ターボチャージャ、スーパーチャージャ、
ブロワ、または酸素の局所供給によって圧縮された空気からのガス状
酸素および熱交換器によって変換された液体水素からのガス状水素を
処理するために連動して動作する複数の燃料電池を含む燃料電池モジ
ュールを有し、電気回路から戻る電子は圧縮された空気中の酸素と結
合して酸素イオンを形成し、次いで、プロトンが酸素イオンと結合し
て、H2O分子および熱を形成する。

代表図
【特許請求範囲】ここでは請求項1のみ掲載。
クリーン燃料航空機のための軽量、高出力密度の耐障害性燃料電池モ
ジュールであって、 1つまたは複数の熱交換器およびターボチャー
ジャまたはスーパーチャージャ、ブロワ、コンプレッサ、または空気
または、酸素の局所供給またはそれらの組み合わせを有する1つまた
は、複数の酸素供給機構と流体連通する複数の水素燃料電池であって、
前記複数の水素燃料電池の各水素燃料電池が、各水素燃料電池に配置
され、各水素燃料電池内のガス状水素(GH2)を、前記各水素燃料
電池に接続されたアノードバッキング層を通して迂回させるように構成
され、プロトン交換膜(PEM)のアノード側にさらに接続されるア
ノード側触媒層に接続されるアノードガス拡散層(AGDL)を有す
る第1のチャネルアレイを有する、水素フローフィールドプレートで
あって、前記アノード側触媒層が、前記GH2に接触し、前記GH2
をプロトンおよび電子に分割するように構成される、水素フローフィー
ルドプレートと、各水素燃料電池に配置され、前記各水素燃料電池に
接続されたカソードバッキング層を通して各水素燃料電池内の圧縮さ
れた空気を迂回させるように構成され、前記PEMのカソード側にさ
らに接続されるカソード側触媒層に接続されるカソードガス拡散層
(CGDL)を有する第2のチャネルアレイを有する、酸素フローフ
ィールドプレートであって、前記PEMが、ポリマを含み、プロトン
が前記アノード側から前記カソード側に浸透することを可能にするが、
前記電子を制限する
ように構成される、酸素フローフィールドプレートと、前記アノード
側の触媒層から電子を収集し、航空機コンポーネントに電圧および電
流を供給するように構成される電気回路であって、前記電気回路から
戻る電子が、圧縮された空気中の酸素と結合して酸素イオンを形成し
、次いで、前記プロトンが酸素イオンと結合して、H2O分子を形成
する、電気回路と、各水素燃料電池から、前記H2O分子および前記
圧縮された空気を除去するために、前記第2のチャネルアレイを使用
するように構成される前記酸素フローフィールドプレートの流出端と、
各水素燃料電池から排気ガスを除去するために、前記第1のチャネル
アレイを使用するように構成される前記水素フローフィールドプレー
トの流出端であって、それによって、フローベクトルを有する前記複
数の水素燃料電池のそれぞれの内部にサブコンポーネントを配置し、
前記複数の水素燃料電池を、部品点数を削減したモジュール式に組み
合わせることができる耐障害性ユニットを形成し、燃料電池モジュー
ルによって生成される電力と燃料電池モジュールの重量との比率を、
航空パワートレインに適合したキログラムあたり少なくとも1キロワッ
トにする、前記燃料電池モジュール内で整列された1つまたは複数の
燃料電池スタックに組み立てることを可能にする、水素フローフィー
ルドプレートの流出端とを有する、複数の水素燃料電池を備える、燃
料電池モジュール。



図1A マルチモード熱エネルギ伝達および関連するコンポーネント
のための統合システムを制御する論理を含む、本発明を実施するため
の例示的なシステムブロック図

2.特許527855号 燃料電池システム、その使用及びその動作の方法
ブルー ワールド テクノロジーズ ホールディング アンパーツセルス
ケープ マッヅ バング アナス リスム コースガード
【要約】下図2aのごとく、 燃料電池システム、例えばHTPEM燃
料電池において、燃焼器(7)からの排出ガスを、特に通常動作中に
改質器(6)を加熱するために改質器(6)に、又は始動状況におい
て、改質器(6)を加熱し始める前に燃料電池スタック(16)を
加熱するために改質器を迂回するように選択的に案内することによる
弁システム(8)が採用される。任意に、コンパクトな燃焼器/改質
器ユニット(1)が提供される。

【符号の説明】
 1 燃料電池システム 2 燃焼器7のためのメタノール入口 2a メ
タノール入口2からチャンバ7aへのメタノールの流れ 3 燃料電池
16のアノードからのオフガスのための燃焼器入口 3a アノードオ
フガス 4 オフガス又は燃料を燃焼器7内に噴射するための噴射マニ
ホールド 5 メタノール噴射ノズル 6 改質器 6a メタノールを水
素に改質する、メタノールから水素へのための改質器6内の触媒 6b
改質器壁 6c 改質器の内側円筒壁 6d 改質器6の外側円筒壁 7
燃焼器 7a 燃焼器チャンバ 7b 燃焼器壁 7c 燃焼器端部壁 8
迂回弁 39a 迂回弁8の閉鎖部材 9 煙道ガス出口導管 10 燃焼
器/改質器ユニット 10a 燃焼器壁7bと内側改質器壁6cとの間
の熱交換チャンバ 10b 燃焼器壁7bと内側改質器壁6cとの間の
空間 10c ハウジング43と外側改質器壁6dとの間のさらなる空
間 11 迂回弁8のためのアクチュエータ 12 燃焼器チャンバ7a
から交換チャンバ10a内への煙道ガス導管 12’煙道ガス導管12
内の開口部 12A さらなるガス導管 迂回13 煙道ガスチャンバ
13a 煙道ガス 14 煙道ガス13aと冷却回路22との間の熱交
換のための熱交換器 15 冷却ループ2内の液体のための循環ポンプ
16 燃料電池 17 空気圧縮機 18 例えば、バッテリの加熱のた
めの補助熱交換器 139a 例えば、車室又は他の機器の加熱のため
の補助熱交換器 19 改質器のための水投入供給部 20 改質器のた
めのメタノール投入弁 21 始動燃焼器20のためのメタノール投入
弁 22 燃料電池のための一次冷却回路 23 メタノールタンク
24a 合成ガス生成のためのメタノール/水混合物のための改質器
入口 24b 合成ガスのための改質器出口 25 冷却ループラジエ
ータ 26 バッテリ冷却器 27 凝縮器 28 改質器のためのメタノ
ール/水混合物を蒸発させるための蒸発器 29 カソードのための空
気を予熱するための熱交換器 30 燃焼器7のための空気を予熱する
ための熱交換器 31 燃焼器7のための空気入口 32 空気入口31
から燃焼器チャンバ7aへの空気流

3.特許7165206号 膜-電極アセンブリを製造する方法及びそのため
 の機械 ブルー ワールド テクノロジーズ ホールディング アンパー
 ツセルス バン・マット、ポーク・ヤコブ
【要約】
図5野如く、膜-電極アセンブリを製造する方法及びそのための機械。
膜-電極アセンブリ(MEA)を製造する方法では、液体電解質でド
ープされた膜材料の準エンドレスストリップが電極でラミネートされ、
ストリップの縁部領域および電極間の間隔が押圧されて、余分な電解
質が排出される。


図5.(a)膜のみが存在し電極が存在しない領域を圧縮するための
第2のカレンダー処理ステーションにおけるローラの設計、および(
b)ラミネートステーション後のMEAロールの一部の図。


図1.MEAのロールはナイフ13によって切断され、単一のMEA
14を有するシートが形成され、これらはコンベアベルト15上で組
立テーブル16に移動される。組立テーブル16は、高さが調整可能
である。燃料電池スタック用のエンドプレートは、マガジン17から、
ガスケット付きバイポーラプレートはマガジン18から供給される。
さらに、ボルト19が対応するコンベアによって届けられる。

✔今夜は、 ZeroAvia社は、同社の高温陽子交換膜 (HTPEM) システム
のテストで記録破りの性能を達成ことの最新情報から、急遽、水素燃
料電池発電の情報収集に終始した。実はというと1995年~2000年の間
に、メタノールの小型高分子 燃料電池の調査研究をを行っている(正確
期間は思い出せないが、リコー当たりが先行していたと思うが、①一酸化
炭素による触媒毒、②メタノールの保管・管理(火災禍)に難点があり、③
白金を触媒としていたので「持続可能な製造能力」という側面から問題が
残っている。とはいえあれから20数年後ここまで開発研究が進んできたこと
を再確認する。
                                      この項つづく
--------------------------------------------------------------------------------------------

【ウイルス解体新書 164



序 章 ウイルスとは何か
第1章 ウイルス現象学

第2章 COVID-19パンデミックとは何だったのか
第1節 国の動向と対策の特徴
第2節 生物多様性と新興感染症リスク 五箇公一※
この3年間のコロナ禍から私たちが学ぶべきこと
---------------------------------------------------------------
今回の五箇先生のコラムは、生物多様性と新興感染症の関係について。
人間の活動による環境破壊とパンデミックには密接に関わりがあり、
新型コロナウイルスの感染拡大は、「起こるべくして起こった」と五
箇氏。感染症リスクを防ぐために何か必要なのか?
※出典:環境ビジネス 2023年春季号
---------------------------------------------------------------
1.人間社会を脅かす新興感染症問題
 2020年1月から始まった新型コロナ・パンデミックは4年目に入った。
この3年間で私たち人間は、改めて感染症の恐ろしさを思い知ること
となった。今回の新型コロナウイルスのように新たな病原体が人間社
会を突如襲うという問題は今に始まったことではない。
 1970年代以降、「新興感染症」といわれる、これまでに人間社会で
確認されてこなかった感染症の流行が増加しており、その病原体の大
部分が野生動物由来、すなわち人獣共通感染症ウイルスとされる。そ
して、人獣共通感染症が急速に増加している背景には、人間活動によ
る生態系の急速な改変、およびそれがもたらす人と野生勣物の距離の
接近があると議論されている


図1.新型コロナウイルスおよび中国・東南アジアにおける
   野生動物由来のコロナウイルスのRBDタンパク質配列系統樹
Temmam et al, 2022, Nature,https://doi.or9/10.1038/s41586-022-04532-4
    より抜粋
゜改変)

 例えば、AIDSの病原体となるヒト免疫不全ウイルス(HIV)は、D
NA分析の結果から、もともとアフリカの霊長類に感染していたサル
免疫不全症候群ウイルス群(SIvs)が宿主転換を繰り返す中で突然変異
を起こして、サル類からチンパンジー・ゴリラなどの類人猿への感染
を経て、人間に感染するウイルスに進化したと報告されている。アフ
リカの原住民がこれら霊長類を狩猟の対象として接触・摂食したこと
が感染および流行の契機になったと考えられている。
 1970年代以降に西アフリカで流行を繰り返しているエボラ出血熱は
コウモリが自然宿主と考えられている。野生コウモリを捕食するとい
う習慣を通じて、あるいはコウモリから家畜動物を介して、ヒト型に
変異したウイルスの流行が始まったとされる。

2.新型コロナウイルスの起源推定
新型コロナウイルスSARS-COV-2も野生動物由来であると推定されてお
り、これまでに中国、カンボジア、タイなどアジア地域に生息するさ
まざまなキクガシラコウモリ属のコウモリ種からSARS-COV-2関連のウ
イルスが報告されている。中でも中国・雲南省で捕獲されたキクガシ
ラコウモリ類が保有するRaTG13というウイルス系統が、全ゲノムレベ
ルで新型コロナウイルスに最も近縁とされる。


 Temmamら(2022)は、さらに細かく新型コロナウイルスの直接の起
源を探るべく、ヒト細胞に感染する上で重要な役割を果たすスパイク・
タンパク配列の相同性に注目した。東南アジアにおいてキクガシラコ
ウモリ類およびセンザンコウに感染するコロナウイルスを調査した結
果、RaTG13と比較してスパイク・タンパクの受容体結合ドメイン(R
BD)配列がより新型コロナに類似したウイルス系統を複数検出して
いる(図1)。
 以上の結果から、新型コロナウイルスの直接の宿主は、2023年2月現
在まだ特定されていないが、新型コロナウイルスの前駆体となるウイ
ルス群がアジア地域のコウモリやセンザンコウなどの野生動物集団の
中で、循環と進化を繰り返していたと考えられる
 近年、中国および東南アジアにおいては経済発展が著しく、道路開
発や鉱床掘削、農地拡大を目的とした森林伐採が急速に進んでいる。
野生動物とコロナウイルスの共生圈に人間が侵食したことで、たまた
まヒト型に進化した新型コロナウイルスが人間へのスピルオーバー
自然界からのウイルスの漏出)のチャンスを得てしまったと推察され
る。
 野生生物の世界には菌類や細菌類、ウイルスなどさまざまな病原体
微生物が存在する。人間側の都合から考えれば、病原体は厄介な存在
にしか映らないが、彼らもまた生物多様性の一員として、太古の時代
より、野生生物集団の中で進化を繰り返しており、重要な生態系機能
を担ってきたと考えられる。
 すなわち、病原体は、自然界において、特定の生物種の集団サイズ
が超過し、生態系のバランスを崩すような事態が生じた時に、そうし
た生物集団に対して寄生もしくは感染することで、集団サイズを調整
するという内なる天敵としての機能を示すと考えられる。また、病原
体と宿主間における病原性と免疫力の軍拡競争型共進化などの相互作
用は、病原体および宿主生物双方の多楡既に関わる重要な進化駆動力
であったとされる。
 ウイルスをはじめとする病原体も含めて地域ごとに生態系が構成さ
れており、多様性と持続性が保たれている。今、人間社会を襲う新興
感染症問題をもたらしているのは病原体ではなく、病原体の揺龍とも
言うべき自然生態系をかく乱している人間活動にあると考えなくては
ならない。自然環境が破壊され、病原体と野生動物の共生圈が撹乱さ
れる中で、ウイルスの宿主転換が繰り返されて、一部がヒト型へと進
化を果たし、人間社会に重大な健康被害を及ぼす結果となっている。
 今後、新興感染症リスク拡大させないためには、ウイルスを含む生
物多様性の保全をはかることが、人類共通の喫緊の課題となる。我々
の生息エリアとウイルスの生息エリアの双方を保全し、不可侵の共生
関係を築くことが、これからの安心・安全な人間社会の持続的な発展
には欠かせないであろう。

新型コロナウイルス感染症から得る経済学・社会学的示唆
 新型コロナウイルスが、感染症史上最速と言っていいほど急速に全
世界に拡大した背景には、ウイルス自体の感染力の強さに加えて、過
度に進行したグローバル経済があると考えられる。
全世界に張り巡らされた高速の人流ネットワークとオーバー・ツーリ
ズムに便乗して、このウイルス感染はアマゾンの奥地や南北の極地に
まで瞬時に広がった。
 効率性が優先されるグローバル経済においては、農業・工業問わず
多くの製品生産が製造コストを低く抑えられる地域に集中しており、
医療用品の大部分も多くの国がグローバル・サプライチェーンに依存
していた。そのため新型コロナによって流通が停滞するとともに需要
が沸騰し、全世界がマスクや人工呼吸器不足に陥り、感染者数の急増
に対して治療が追いつかず、医療体制が脆くも崩壊する事態につなが
ったと考えられる。 
 らにこの経済および医療の危機は、多くの国々をナショナリズム(
自国優先主義)に走らせ、天然資源やワクチンの買い占め、利益の独
占など、国および個人の経済の優先が加速することで、国および国民
の間の格差・不平等を一層拡大させる結果を招いた。貧困により医療
を受けられない人、あるいは感染リスクの高い仕事に従事せざるを得
ない人など、社会的弱者に対して新型コロナウイルスは容赦なく襲い
かかり、感染拡大に拍車をかけたとされる。


図3 生態系ピラミッドの崩壊と新興感染症ウイルス
自然生態系では、各生物種が利用・消費できる資源量に応じて、その
バイオマス(生物量)が制限されており、ピラミッド構造が形成されるこ
とで安定した循環システムが維持される(上)。
しかし、人間は化石燃料を利用してエネルギー補填および生活物資の
生産を行い、巨大なバイオマスとして生態系の頂点に君臨することで
生態系のバランスを崩し、様々な地球環境問題を引き起こしている。
その結果、密度超過となっている人間集団に対して天敵として新興感
染症ウイルスが進化してくることとなる(下)
via Goka K,2023,Global Joumal of lnfectiousDiseases and Clinical Research,
in press

新興感染症と地球環境問題
 地球レベルの生態系システムという巨視的視点に立てば、この新型
コロナウイルスのパンデミックも、起こるべくして起こった自然現象
と捉えることができる。本来の自然生態系では、外界から供給される
エネルギーは太陽光エネルギーのみで、植物の光合成から始まり、動
物相の食う一食われる関係(食物網)で栄養流動と生命活動エネルギ
ー生産が行われる。全ての動植物は死ねば屍と化して、徹生物相によ
って無機物へと分解され、再び植物の光合成の原料となる、という完
全循環型のシステムが維持されてきた(図3の上段)。
 そこに人間が登場したことで、生態系のバランスと持続性は崩れた。
人間は、今や80億にものぼる巨大な人口で生態系の頂点に立ち、自然
生態系からあらゆる資源を搾取しながら、石油などの化石燃料に依存
したエネルギー生産および物質生産を繰り返し、大量の廃棄物と温室
効果ガスを自然界に放出し続けている(図3の下段)。
 生態系に大きな負荷を与えるほどまでに過剰に肥大化した動物集団
に対しては、生態系のレジリエンス(回復に向かわせる)機能が働き、
天敵が進化してくる。環境負荷をもたらしている我々人間にとっての
現代の天敵がまさに新興感染症ウイルス群と捉えることができる(図
3の下段)。
 実際に、新型コロナ感染症の拡大に伴って、一時的・地域的ではあ
るが、世界各地の水・大気環境は劇的に改善されたとされ、少なくと
もこの新興感染症ウイルスは地球環境にとっては救世主であったと言
える。
 最近は、新型コロナウイルス流行も次第に収束に近づいているもの
と「希望的観測」が世界に広まっているが、人間が旧態依然な自然資
源搾取型のグローバリズムを繰り返す限り、新たな感染症は、またや
ってくる。
 感染症リスクを含め、自然災害リスクに対しても頑強で、安心・安
全な人間社会を持続的に発展させるためにも、自然と調和した生活ス
タイルおよび経済システムヘのパラダイムシフトと、公平で平和な国
際社会の構築を目指す必要があることを、我々はこの3年間のコロナ
禍から学ばなければならない。
✔ 「惑星生態制御工学」という新領域のフロンティア。

第7節 新型コロナウイルス
第9節 感染予防・検査・治療
第3章 パンデミック戦略「後手の先」
終 章 備えあれば憂いなし
---------------------------------------------------------------



風蕭々と碧い時代



Jhon Lennone Imagine



動く!アンドレ・カンドレ(井上陽水)「カンドレ・マンドレ」
1969年9月1日にデビューした曲
実家が南堀江だったので心斎橋の『十字屋楽曲店』に立ち寄っていた
のだが、妙ちきりんな曲に聴き入り、それまでの日本の歌謡曲(演歌
/艶歌)の韻律を破壊するかのように玉蜀黍がポップコーンが弾け踊
るような爽快感が心地よく身体に浸潤する記憶が残っている。

一緒に行こうよ
私と二人で愛の国
きっと行けるさ
二人で行けるさ夢の国
ららら...ららら...

淋しいことなんか
そこにはひとつもあるものか
あなたが愛して
私も愛するそれだけさ
ららら...ららら...

よくお聞きよ二人の言葉
カンドレ・マンドレ
サンタリ・ワンタリ
アラホレ・ミロホレ
1234ABCDEFG

私のこの手を
しっかり握って離さずに
目を閉じ言うのさ
二人の言葉あの言葉
ららら...ららら...

1967年から68年にかけて爆発的にヒットしていた"変な歌”、ザ・フォ
ーク・クルセダーズの「帰ってきたヨッバライ」を聴いて、井上陽水
は自分にもできると思ったので、「カンドレ・マンドレ」という曲を
作ったと述べ、上質なボッブ・ミュージックだったデビュー曲も、残
念ながら発表当時はまったく世の中に受け入れられなかったが、4年
後の1973年に、井上降水に改名し、シングル「夢の中へ」がヒット。
「カンドレ・マンドレ」と「夢の中へ」のタイトルに共通しているの
は、「か」という音韻で、「カンドレ・マンドレ」の歌詞では、「か」
の音韻がワンコーラスに3回出ているが、「夢の中へ」の歌詞には「
か」の音韻が、ワンコーラスになんと11回も出ていて、この歯切れが
よい「か」が積み重なっていくことで、日本語によるピート感とノリ
が自然に生まれ、さらに歌唱法として、ビートルズの音楽に通じる”
軽やかさと華やかざを獲得したと評論されている。(via TAP the POP


●今夜の寸評:
(いまを一声に託す)


 

 

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持続可能な製造能力③

2023年03月06日 | 環境リスク本位制

 
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひ
こにゃん」


山形 駒太郎 大漁 
Screen Rich Haul  1995/S30年 182cm×364cm

   



技術的特異点でエンドレス・サーフィング
   
【再エネ革命渦論 96: アフターコロナ時代 297】




持続可能な製造能力③:人工光合成のプロセスの課題
太陽エネルギーの利用方法で最も普及しているのは太陽電池(太陽光
発電)です。時計や街灯、電卓の電源として、また、アウトドアや災
害時の補助バッテリーとして暮らしの中に浸透している。大規模な太
陽光発電システムを目にする機会も増えた。これらの一般的な太陽電
池では光を電気に変換する割合(エネルギー変換効率)が15~20%程
度と言われている。対して、人工光合成では変換効率3%以上を目標に
研究が進められている。小さい数字に見えますが、植物の中でも変換
効率が高いサトウキビでも2.2%程度。藍藻類のスピルリナで0.5%程
度、トウモロコシでも0.8%程度。太陽エネルギーの利用方法で最も普
及しているのは太陽電池((太陽光発電)。時計や街灯、電卓の電源と
して、また、アウトドアや災害時の補助バッテリーとして暮らしの中
に浸透している。大規模な太陽光発電システムを目にする機会も増え
た。これらの一般的な太陽電池では光を電気に変換する割合(エネル
ギー変換効率)が15~20%程度と言われている。対して、人工光合成
では変換効率3%以上を目標に研究が進められている。
小さい数字に見えますが、植物の中でも変換効率が高いサトウキビで
も、0.2%程度。 藍藻類のスピルリナで0.5%程度、トウモロコシで
も0.8%程度である。



二酸化炭素の分離・回収・貯留・利用技術 CCSは、“Carbon dioxide
Capture and Storage”の略語で、二酸化炭素(CO2)を分離・回収し、
地中などに貯留する技術のこと。CCUSは、同じく“Carbon dioxide
Capture, Utilization and Storage”を略したもので、回収したCO2の貯留
に加えて利用しようというもの。これらは地球温暖化の大きな要因で
あると考えられている大気中のCO2濃度を削減する必要があることから
注目が高まった技術、活動である
。CO2の分離・回収、地中や海底への
貯留、運搬、直接利用、燃料や化学製品への変換による資源化、炭素
循環(カーボンリサイクル)全体の仕組みなどを対象としたさまざま
な研究が展開されている。CCS/CCUSの基盤となる技術は以前からあっ
たが、特にUtilization(利用)が加わったことで技術の選択肢が格段に
増えた。CO2の分離・回収、資源化の技術、それらを組み合わせた経
済的で合理的なサイクルを構築するため、さまざまなチャレンジが始
まっています。 CO2を分離・回収するだけでなく、利用する 排出源に
合わせたエネルギー効率の良い回収技術 である。
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【関連技術論文】
※特開2023-17130 水素分離装置と水素分離方法 三菱ケミカル株式会社
【要約】
図1のごとく、素、酸素、及び水蒸気を含む混合ガスを通過するガス
流通路と、該ガス流通路の下流に水素を分離する分子篩膜を備える水
素分離装置であって、このガス流通路内に、平均粒子径200~1700μ
mの球状脱湿剤が含まれている、水素分離装置で、水素、酸素、及び
水蒸気を含む混合ガスから、水蒸気を低減できること、及び該混合ガ
スが安全性高く取り扱えること、を両立する装置を提供する。


【符号の説明】
1 導入口  2 回収口  3 排出口  10 分子篩膜  10a 分子
篩膜の一方側の表面  10b 分子篩膜の他方側の表面  11 外壁
材  12 外装体  15 無機多孔質基材  20 細隙材  20a
充填剤(脱湿剤)  21 ガス流通路  30 水分解反応器  40
気液分離膜  50 水素分離体  


150℃以下の低温でCO2からCOを選択的に合成できる新触媒技術
  大阪大学,科学技術振興機構 2021.5.27
モリブデン酸化物に白金(Pt)ナノ粒子を担持した触媒をの 水素
化反応に用いると、従来よりも低い140℃という低温でもCO が
高効率かつ選択的に生成されることを発見。さらに、触媒に光を照射
すると反応速度は最大で4倍程度まで向上し、また、今回発見した
光照射による触媒反応の促進は、モリブデン酸化物の表面プラズモン
共鳴効果に由来していることを実験的に裏付けた。

 
※低温で二酸化炭素からメタノールを合成できる触媒 産総研 
  2021.01.14
【概要】
カーボンリサイクルに向けた基盤的な触媒技術
1.低温・低圧で二酸化炭素水素化による高選択的メタノール合成が
 可能な触媒の開発
2.二酸化炭素からのメタノール合成の高効率化に向けた新たな触媒
 設計指針を提示
3.カーボンリサイクルの実用的反応プロセスにつながる触媒技術課
 題.希少金属イリジウムからグリーン材料への切り換え

特許第6092426号 太陽放射から利用される合成ガス生成セルによ
る、
二酸化炭素の炭化水素燃料への変換 サウジ アラビアン オイル
カン
パニー 2016年4月14日 
【要約】 
図1のごとく、熱エネルギーおよび電気を生成するために、太陽熱発
電システムで利用される太陽エネルギーを使用して、二酸化炭素を炭
化水素燃料に変換するためのプロセスであって、燃料供給流を加熱す
るために、熱エネルギーを使用し、加熱された燃料供給流は二酸化炭
素および水を含み、二酸化炭素は燃焼排ガス流から捕捉され、一酸化
炭素および水素を生成するために、合成ガス生成セル中で二酸化炭素
および水を変換し、合成ガス生成セルは、固体酸化物電解質を含み、
触媒反応器中で一酸化炭素および水素を炭化水素燃料に変換する。少
なくとも1つの実施形態では、合成ガス生成セルは、固体酸化物燃料
電池である。少なくとも1つの実施形態では、合成ガス生成セルは、
固体酸化物電解槽セルである。 



図:超高速水透過と脱塩を両立するフッ素化ナノチューブ
uwptnc wdfis
海水を飲み水に変える「極細チューブ」
水を超高速で通し、塩を通さないフッ素ナノチューブを開発
次世代超高効率水処理膜の実現に向けて

持続可能な社会を実現する上で海水の淡水化は必要不可欠な課題。こ
れまでさまざまな水処理膜が開発されたが、地球規模の飲料水不足を
解決するには、現在用いられている水処理膜の能力を破格に高める必
要がある。昨年5月13日、東京大学らの研究グループは、テフロン表面
のように内壁がフッ素で密に覆われた内径0.9ナノメートルのナノチュ
ーブ(フッ素化ナノチューブ)を超分子重合により開発した。このナ
ノチューブは塩を通さないが、これまでの目標であったアクアポリン
の4500倍の速度で水を透過。一般に高い水透過能と高い塩除去能を同
時に満たすことは極めて難しいが、ここでは、密なフッ素表面が水分
子の結合を切断し同時に塩化物イオンの侵入を阻止するために、これ
までにない圧倒的なスピードでの塩水の脱塩が実現された。この成果
は、地球規模の飲料水不足に対応するための超高速水処理膜の開発に
つながると期待されている。
【要点】
1.内壁がテフロン表面のようにフッ素で密に覆われたナノチューブ
 を超分子重合で開発。
2.このナノチューブは塩を通さないが、これまでの目標であったア
 クアポリンの4500倍の速度で水を通した
3.海水を高速で真水に変える次世代水処理膜の開発に貢献する。

【関連論文】
雑誌名:「Science」(オンライン版:5月12日)
論文タイトル:Ultrafast water permeation through nanochannels with a de-
nsely fluorous interior surface.

著者:Yoshimitsu Itoh, Shuo Chen, Ryota Hirahara, Takeshi Konda, Tsubasa
Aoki, Takumi Ueda, Ichio Shimada, James J. Cannon, Cheng Shao, Junichiro
Shiomi, Kazuhito V. Tabata, Hiroyuki Noji, Kohei Sato, and Takuzo Aida

DOI番号:10.1126/science.abd0966  



全ては、『第二次量子革命』 に包括される! でしょうか?
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● 今夜の一冊



 2022年12月に第三者上空飛行が可能となる改正航空法が施行され、ド
ローンの本格的な社会実装、事業化が始まる。未来社会を変えるドロ
ーン、物流・観光活用・災害対策・設備点検…。人手不足を補い、こ
れからのビジネス・地域創生を担うドローン。航空法が改正され、ド
ローンの社会実装の拡大や次世代モビリティへの期待が高まるなか、
ビジネスシーンはもちろん教育現場や自治体でドローンを事業に活か
すために必要な知識ををまとめた学生・実務者必携の一冊。

【目次】 
第1章 次世代エアモビリティの社会実装に向けて(ドローンへの期
 待;ドローンの歴史とその技術 ほか) 
第2章 社会におけるドローン活用(次世代エアモビリティ―人が中
 心となる活用に向けて;政府の取り組み ほか) 
第3章 産業に活かすドローン(日本のドローン産業―歴史と課題;
 ドローン配送実現に向けて ほか) 
第4章 教育現場でのドロー ンの可能性(教育テーマとしてのドロ
  ーン; ドローンと「ハサミ」 ほか) 
第5章 近づく人とドローンの距離(次世代エアモビリティの特徴;
 社会受容の仕組み ほか)

【著者略歴】
鈴木真二:
東京大学未来ビジョン研究センター特任教授、同大名誉教授、工学博士。
1977年東京大学工学部航空学科卒業、1979年同大学院工学系研究科修
士課程修了。豊田中央研究所などを経て、1996年東京大学大学院教授。
2000~01年同大総長補佐、2009年同大航空イノベーション総括寄付講
座代表、2014~2017年同大広報室長、2019年同大スカイフロティア社
会連携講座代表、2019年より現職。日本航空宇宙学会会長、日本機械
学会副会長などを歴任
中村裕子:
 東京大学大学院工学系研究科スカイフロンティア社会連携講座特任准
教授、工学博士。2003年東京大学工学部システム創成学科卒業、2004
年パリ中央工科大学校産業システム工学特別修士課程修了、2006東京
大学大学院工学系研究科環境海洋専攻修士課程修了。日産自動車株式
会社勤務を経て、東京大学総括プロジェクト機構(航空イノベーショ
ン総括寄付講座)。2017年8月より現職。アーバンエアモビリティ自
治体ネットワーク(UIC2‐Japan)発起人
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  2.2.1 広がるドローン市場一農業からイベント開会式まで
 ドローンの活用の幅は測量・農業・インフラ点検などにも広がっ
 ており,これからは技術の質の向上が期待されている.空撮利用
 は既に全国的に定着し、ドローンによる測量も各地で行われてい
 る.測量にはレーザーの使用や撮影データの3Dモデル化などの技
 術が活かされている.農業分野では,農薬散布以外にもドローン
 の活用方法が現れてきた.たとえば,専用のカメラでの空撮によ
 って生育のむらを把握し,均一化につなげるというものがある。
 インフラ点検においては,送電線の点検のような高所や狭陰部で
 の利用が始まっている.その他,2021年に開催された第32回夏季
 オリンピック東京大会開会式でのドローン飛行など,多様な分野
 での利活用の事例が出てきている。


 図2.1は,日本国内のドローンサービス市場の動向である.活用
 の幅の広がりとともに急速な市場の拡大を見せている.民間の調
 査によれば,市場規模は,2016年度の154億円から2021年度数は
 約7倍の1129億円,さらには2025年には4360億円と10年で約30倍
 の市場に達すると見込まれている.分野別にみると,特に測量・
 点検等の成長は著しく,2025年度においては,1962億円と,ドロ
 ーンのサービス市場全体の半分近くを占めると予想されている。
 政府としても,成長が著しいドローン産業に関して,活用拡大と
 安全・安心の確保の両面から政策を推進することが必要であると
 考えており,内閣官房小型無人機等対策推進室が関係省庁と連携
 した対応を行ってきている。

   2.2.2 ドローンの飛行レベル
 ドローンに開するビジネス展開と技術開発に対応しつつ,課題を
 解決していくには,関係する幅広い関係者の知見を結集し,継続
 的に取り組む体制が必要である.このため,政府では,2015年よ
 り官民の専門家・関係者が一堂に会する「小型無人機に係る環境
 整備に向けた官民協議会」を開催している。

 官民協議会では,ドローンの飛行について,飛行する地域の条件
 や操縦の方法などに基づいてレベル分けを行っている.それが以
 下のドローンの飛行レベルである.このうち,2022年度の実現が
 目指されてきたのがレベル4である.レベル4は,ドローンの利
 活用について,重要な1つの目標であり,
 そこで可能になるのは有人地帯における袖助者なしでの目視外飛
 行,たとえば現在はまだ認められていない第三者の上空を飛行し
 ての荷物輸送等が可能となるレベルである.この実現は,ドロー
 ンビジネスの幅を広げるためには不可欠のステップといえる.


 レベル4の実現については,2021年に閣議決定された成長戦略実
 行計画や成長戦略フオローアップに必要となる制度整備,技術開
 発,社会実彼等に関する方針が記載されている.政府はこれらに
 よって,少子高齢化や過疎化,担い手不足といった課題を克服し
 たいと考えている.に把握できるようにする他,安全性に問題の
 ある機体の所有を抑止するといった目的がある.2021年12月20日か
 ら事前登録が始まり,2022年6月20日からは登録が義務化された.
 また前述のように2022年12月からの施行となる機体認証と操縦ラ
 イセンスについては,これまで以上に機体の安全性や操縦者等の
 技能を確保する必要性から検討・創設されることとなった.

 続いて技術開発の取り組みである.1つは安全・安心な機体の開
 発である.政府・公共部門においても,測量やインフラ点検,捜
 索等,ドローンを利活用した業務のニーズが拡大している.こう
 したニーズに対応するため,安全性や信頼性を確保したドローン
 の開発を政府としても支援している.具体例には,NEDO(国
 立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が実施す
 る事業として,高いセキュリティを実現するドローンの開発があ
 る.

 2021年12月より株式会社ACSLより市場へ役人されているSOTEN
 蒼天)がその成果である3).また,2021年10月,多種多様な行政
 ニーズに対応するためのドローンの開発を支援するための検討会
 が立ち上げられ,検討が進められている.さらに ドローン運航
 管理システム(UTM)の分野でも技術開発に取り組んでいる.
 経済産業省とNEDOが行うUTMの実証実験等を通して得られた課
 題を分析し,今後の制度の検討も進められていくこととなる. 最
  後の社として社会実装がある.ロードマップでは,物流と防災・
 災害対応の分野,そして自治体の連携強化のための取り組みに焦
 点を当てて計画を立ててている.物流分野については,実証実験
 の段階から持続可能な事業形態として実装することを目指してい
 る.そのために2021年にガイドラインを整備レ ドローン物流の
 事業の導入方法や配送手段,関係法令等についてまとめた5).今
 後もそのガイドラインを更新していく予定である.



 防災・災害対応の分野に関しては,運用ルール等の環境整備や運
 航管理等に関わる技術開発を行うとともに先運的な取り組み事例
 を他の地域にも横展開していくことを目指している.また,2022
 年10月現在では,地域で実装を進めていくための検討や実証実験
 が,JUTMをはじめとするさまざまな主体にて行われていると
 ころである6). 自治体の連携強化については,情報共有のプラ
 ットフォームとなるウエブサイト「ドローン情報共有プラットフ
 ォーム」の開設を2022年4月に行い、
2022年9月,兵庫での開催
 を第1回とする定期的なドローンサミットの開催した.既にドロ
 ーンの利活用に関する実証実験を行っている自治体では,効果や
 課題の検討が行われているが,得られた知見を自治体間などで共
 有できる揚が充実していないという状況がある.そこで,情報を
 集約できるプラットフォームを創設するとともに ドローンサミ
 ットを開催することとした。これらを通じ,関係者が連携してド
 ローンの社会実装に向けて取り組む機運を高めたいと考えられて
 いる.
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風蕭々と碧い時代


Jhon Lennon Imagine


BLUE GIANT .2



●今夜の寸評:(いまを一声に託す)デッドラインを越えたか?!

 

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持続可能な製造能力

2023年03月02日 | 環境リスク本位制

 
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひ
こにゃん」


 言葉から言葉つむがずテーブルにアボガドの種芽吹くのを待つ

                         俵 万智 
                     角川『短歌』2月号

   



2月1日、「商家に伝わるひな人形めぐり」に五個荘金堂町近くの
「さがみ」で昼食をとり二人で散策・見学・観賞する。外村繁は出自
である近江商人の世界を客観的に描いた『草筏』で注目され、『筏』
『花筏』と共に長編三部作を成して高く評価された。『落日の光景』
『澪標』は私小説の極致と評され、
第1回の芥川賞にノミネートされ
た異色の近江商人だったことを知る。


二階の展示場に、三島由紀夫外村繁の書評に、その作風に低き丘陵と
喩えながら、低きといえど、(ひとと宗教の造詣)に"気味が悪い"
と評し直している一文に目がとまり、『草筏』などの三部作を読んで
みたいと思った。




【関係情報】
 近江商人  ➲ ウィキペディア(Wikipedia)
 五個荘金堂町➲      ↑ 
 外村 繁   ➲      ↑ 
 藤井彦四郎  ➲      ↑ 
 中江準五郎 ➲五個荘近江商人屋敷「中江準五郎邸」と小幡人形      ↑ 

 

   


技術的特異点でエンドレス・サーフィング
   

【再エネ革命渦論 95: アフターコロナ時代 296】

シリコンベースのタンデム太陽電池のテラワッ規模の
    製造材料の持続可能性評価(続)
3.結果及び考察
3.1 持続可能なトップセルのオプション


図5 シングル ジャンクションおよびタンデム構造の PERC、TOPCon
および SHJ セルのボトムセル オプションについて、銀材料の使用法
(A) および対応する SMC (B) を取得しました。表 1 に記載されてい
る仮定とパラメーターに基づいて、タンデム デバイスはこれら3つ
の Si セルと同じ金属グリッド ジオメトリを持つと仮定するが、最
高のペロブスカイト/Si タンデム効率は 32.5%である。
図 4A から、PERC、TOPCon、および SHJのSi消費量が類似しており,
約 2.0 ~ 2.5 g/Wの範囲であることが明らかとなる。この違いは、
主に表 1に示す効率の違いによる。一方、 Siの厚さが同じ場合、図
4から、材料消費の削減における高効率の利点を確認できる
。一方、
SHJデバイス (26.81%) と比較し、タンデムデバイス(32.5%) では絶
対効率が 6%近く向上する。研究規模のタンデムに使用され3.16mg/W
という高い材料消費の上限を与える、より厚いSiウェーハの欠点を補
うことはできない。その理由は、ラボスケールのペロブスカイト/Si
タンデム構造の Si ボトムセルの大部分が最大 300μmの厚さのフロー
ト ゾーン (FZ) ウェーハ上に製造されているためである。
これにより、タンデム デバイスのSi消費量が高くなり、単一接合SHJ
セル (1.9 ~ 2.4 g/W、効率 24.02 ~26.81%、150 ~ 167μm Si) に
使用されるよりも 66%以上のSi材料になる可能性がある。ボトムセル
がチョクラルスキー (CZ) ウェーハ上に製造され、シングル ジャン
クション Siセルと同様に約 150μmの範囲の厚さの場合、図4Aに示す
ように、値は約 1.64 g/W になる可能性がある。したがって、CZウェ
ーハは、サイズ、厚さ、および費用対効果の点で産業用PVプロセスと
の互換性に加えて、Siベースのタンデム生産に大規模に採用されるこ
とが期待されている。これは、シリコンセルの薄型化が将来の PV 技
術で求められ続けることを強調する。

図 4Bに示すように、PERC、TOPCon、および SHJ セルの SMCSiも 650
~ 850 GW/年の同様の範囲を共有しているが、Si ベースのタンデムの
SMCSiは 532 ~ 938 GW/年のより広い範囲を示す。シリコン底部の厚
さが150μmで、最高効率が 32.5% であるため、Si ベースのタンデム
の SMCSi は 1 TW/年以上達成できる。 残念なことに、現在の単接合
シリコンセル技術はどれも、米国地質調査所で報告された現在の金属
形態のシリコン供給量で TW/年規模を達成はできない。業界も過大評
価されている。 実際、図2に示されている 2020年の世界のシリコン
供給量は、フェロシリコン (鉄とシリコンの合金) と金属グレード (
MG) シリコン (純度 98% ~ 99%) の両方で構成されている。 その後、
MG Siはポリシリコン (poly-Si) の製造に使用される。2020年の需要
は約 450ktで、同年の全世界の Si 供給量 (8120kt) のわずか 5.5%
に相当する。このうちPV業界は世界のポリシリコン供給量の約 90% を
使用。ポリシリコン生産の拡大は予想されており、避けられない。生
産工場では、計画から完全な生産まで 2.5~6年という比較的長いリー
ドタイムが必要であり、新しい鉱山から本格的な生産レベルが見られ
るようになるまでには10年以上かかる。需要増加のスピードに追いつ
けない可能性がある。これらの数字は、ポリシリコンの生産が費やさ
れている間、シリコンウェーハの厚さを減らし、材料の利用効率を高
めることに研究努力を払うべきであることを示している。これは、TW
/年の目標を達成するために必要なだけでなく、エネルギー集約型のシ
リコン精製に起因する温室効果ガスの排出を削減するためにも必要。

シリコン厚さを薄くするには、さまざまな方法が考えられる。第1に、
ダイヤモンド ワイヤー ソーイング中のカーフロスを減らし、カーフ
ロスを再利用することで、poly-Si の利用効率を高めることができる。
維持される。SHJおよびペロブスカイト/SHJ タンデムの製造に使用さ
れる低温プロセスは、低温プロセスで達成される歩留まりの向上によ
り、より薄いウェーハへの移行を容易にすることができる。高温の焼
成工程から冷却された後の組み込みの張力により、ウエハーの反りが
発生。これは、薄いウエハーには強すぎて、積層プロセス中に破損を
引き起こす可能性がある。たとえば、754 mV という世界記録の開回路
電圧は、最近、厚さ 56.2 μm の SHJ セル (効率 23.27%) によって
達成した。水素化ナノ結晶シリコン (nc-Si:H)薄層による優れた表面
パッシベーション. フォトニック結晶を使用した改善された光トラッ
ピングにより、厚さ3 ~ 20μmの超薄型 Siソーラーで 30% 以上の効
率が達成可能であることが研究で示されている。 さらに シリコン薄
膜技術は、シリコンの使用量を削減する別の道筋を提供するが、この
技術の効率は比較的低く、例えば、アモルファスシリコンモジュール
の安定した効率はわずか 7% にすぎず、ウェーハベースのSiセルと競
合するフィルムアモルファスシリコン太陽電池。 ポリシリコン製造か
らの排出量に関しては、脱炭素化された電力を使用してポリシリコン
製造と精製に電力を供給し、従来のシーメンス反応器から流動層反応
器 (FBR) などの排出量の少ないオプションに移行することで、これら
を劇的に削減できる。 このような FBR は、Siemens およびアップグ
レードされた冶金グレード(UMG) シリコンと比較して、製造されるPV
モジュール 1 GW あたりの排出量を 47.7% 削減できる。 太陽光発電
でのシリコンの使用については、ウェーハの厚さを減らして効率を上
げる努力をしても、ソーラー産業の将来の需要を満たすためにシリコ
ンの生産を大幅に増やす必要があることは避けられないだろう。

3.3 銀電極
2021年には、PV 業界は世界の Ag 供給量の 15%を使用した。これは、
生産量が現在 191 GW/年に達しており、スクリーン印刷された銀接点
が現在シリコン太陽電池の主要なメタライゼーション技術であるとい
う現実である。 PERC の場合、Ag はフロント バスバーの金属/Si コ
ンタクト形成、フィンガ/バスバーの電気伝導、および相互接続用のは
んだ付けパッドに必要で、 PERC の背面では、両面太陽電池を形成す
るフィンガーとバスバーとしてアルミニウムが使用されており、はん
だパッドには少量の銀しか必要としない。 対照的に、TOPCon および
SHJ 太陽電池の両側のバスバーとフィンガーとして Ag が必要なため
PERC よりも大幅に高い銀消費量となる。 ここで、Ag 消費量は、単一
接合 PERC (22.99–24.5%)、TOPCon (23.71–26.1%)、SHJ (.02–26.81%)、
および同じ金属グリッドで作られたタンデム デバイスで計算。 形状
は、これら3つの Si セルと同じですが、ペロブスカイト/Si タンデ
ム効率は 32.5% と最高にある。 結果として得られるすべての消費量
と SMC が図5にプロット。ボトム セルとして PERC を使用するタン
デムの場合、Ag 金属接点はタンデムの前面にのみ使用され、アルミニ
ウム接点は背面にあることに要注意。 詳細な銀金属グリッドの寸法
表S4 に示す

図 5A は、SHJ、TOPCon、および PERC 単接合セルの Ag消費量が、そ
れぞれ 21.5 ~ 24.2、18 ~ 19.9、および 11.2~ 12.4 mg/Wである
ことを示しています。 SHJ と TOPCon は PERC の ~2 倍、~1.6 倍の
Ag を消費します。 その結果、図 5B に示すように、対応する Ag の
SMC は PERC で 379 ~ 418 GW/年、SHJ と TOPCon でそれぞれ 220
GW/年と 260 GW/年未満。タンデム セルの効率が 32.5% であっても、
Ag の SMC は 1.2 ~ 1.4 倍しか改善できない。これは、PERC で Ag
グリッド設計を使用したタンデムの場合、515 ~ 533、253 ~ 254、
および 311 ~313 GW/年に相当。SHJ および TOPCon。 これらの製造
能力は TW/年の目標を大幅に下回り、現在の使用量は 3 TWp.a の目標
使用量である 1.6 mg/W (図 2) を大幅に上回っている。 世界の Ag
供給量の 20%を使用することに基づく。したがって、銀不足を防ぐた
めには、Ag使用量の大幅な削減が急務である。

さまざまなアプローチにより、銀の消費を減らすことができる。まず
2T タンデムは、式 (1) に基づく単一接合セルと比較して Jmp/Vmp比
が低いため、銀の使用量を削減する経路を提供する。

Ploss finger Rs = J mp V mp · ρ m · ρ f · W cell 4 12 · N BB 2 · M Ag · ƞ ,
$$ {Ploss}_{finger\ Rs}=\frac{J_{mp}}{V_{mp}}\cdotp \frac{\rho_m\cdotp
{\rho}_f\cdotp {W}_{cell}^4}{12\cdotp {N}_{BB}^2\cdotp {M}_{Ag}}\cdotp
                 \mathrm{\textnrleg}, $$
    (1)

これは、Jmp/Vmp 比と銀の使用量がセルのフィンガー抵抗による相対
的な電力損失に直接影響を示すために再編成された。 ここで、Jmpと
Vmp はそれぞれ最大電力点でのセルの電流密度と電圧、ρm はフィン
ガーの配線抵抗率、ρfはフィンガーの質量密度、ΝΒΒ はバスバー
の数、Wcell はセルの幅である。MAg は指の「mg」単位の銀の消費量
であり、η はセル効率を表します。表 2 に示すように、2Tタンデム
デバイスの Jmp/Vmp 比は約 0.011 であり、これは単一接合シリコン
セルの約 5分の1から6分の1に相当する。表2のセルのρm、ρf、
Wcell、
および ΝΒΒ のパラメータが同じであると仮定すると、2Tタンデム
デバイスでは、指の抵抗による同じ相対電力損失を維持する場合、使
用するMAg質量を大幅に減らすことができる。

表2. 最大電力点での効率 (η)、電流密度 (Jmp)、電圧 (Vmp)、およ
び単一接合 PERC、TOPCon、SHJ、および 2T ペロブスカイト/Siタンデ
ム デバイスの (Jmp/Vmp) 比。

銀の使用を減らすための 2つ目のアプローチは、指の幅を狭くし、指
のレイダウンを減らすことです。 これまでのところ、パターン トラ
ンスファー プリンティング (PTP™) 技術 60-62 によって 20 μm と
いう狭い指幅が達成されており、指の銀の使用量が約 50% 削減され
ています。 SHJ 太陽電池でロータリー スクリーン印刷 を使用し非
常に低い銀レイダウンが実現されており、バスバーのないデバイスの
場合、銀の消費量を 6 ~ 9 mg/W に減らす。しかし銀の使用量を1.6
mg/W の目標に近づけるためには、スクリーン印刷が主要なメタライゼ
ーション技術として存続するために、革新的な金属グリッド設計と、
銀を減らし/または銀を含まない代替ペーストを開発する必要がある。
たとえば、銀ペーストのシード層を Si 上にスクリーン印刷して金属
とシリコンの界面領域を形成し、次に非銀の導体で覆うか、断続的な
銀のフィンガーをスクリーン印刷して金属とシリコンの界面を形成し
、次に バスバーに横方向の伝導を提供する非銀導体で接続する。初
期の開発では、革新的なフィンガー パターン設計を使用した PERC セ
ルでの Ag 使用量の 8 mg/W への削減が示された。

銀の使用量を削減するもう1つの方法は、銅メッキであり、太陽電池
などの大規模生産で成功裏に展開されている。不動態化されたコンタ
クトおよびSHJアーキテクチャを特徴とする。

3.4  ITO層のインジウム
インジウムは主に、ペロブスカイトおよび SHJ太陽電池の透明導電体
として、および 2Tペロブスカイト/Siタンデムのサブセル間の再結合
層として、ITO および亜鉛ドープ酸化インジウム (IZO) 層で使用さ
れる。前述のように、インジウムの可用性は、ペロブスカイトセルの
SMC の制限要因です。 このセクションでは、SHJセルでのインジウム
の使用と、表 1 および S2 で紹介されているいくつかの選択された
2Tおよび 4Tペロブスカイト/Si タンデム デバイスを詳しく見て、現
在の材料消費量とターゲット材料消費量の違いを明確に把握する。


図6.(A) 現在使用されている ITO の厚さ、(B) 消費範囲で計算され
た値、(C) 単一接合 SHJ およびペロブスカイト セル、2T および 4T
ペロブスカイト/Si タンデム セルの SMCIn。

さまざまなセル技術の ITO の厚さ、消費量、および SMC を図 6に示
す。単一接合 SHJ セルの場合、ITO の厚さは通常、太陽電池の両側
で70 ~ 100 nm で、最高の効率は 26.81% 。 SHJ セルの In 消費量
は、図6Bに示すように 3.5 ~ 5.0 mg/W の範囲であり、 年間の世
界のインジウム供給量のわず 20%を使用して計算された 0.064mg/Wの
目標値の 55 ~ 78 倍。 SHJ に対応する In の SMC はわずか39~5
5GW/年 (図 6C) であり、図 5B に示すように Ag の SMCよりも低くな
っている。その結果、SHJのSMC はインジウムによって制約され、SHJ
セルの TW/年規模の生産目標を達成するのがさらに難しくなる。前述
のように、ペロブスカイトセルに必要な 40 ~ 285 nm厚の ITO 層で
の In の消費量は 1.0 ~ 7.3 mg/W であり、ペロブスカイト セルの
In の SMC は 26 ~ 186 GW/年。 これらは、シングル ジャンクショ
ン SHJ セルとペロブスカイト/Si タンデム セルに加えて、図 6 にも
プロットされている。2Tペロブスカイト/Siタンデムセルの ITO層の厚
さは、表 S2の候補に基づいて 40 ~ 320nmの範囲。 ペロブスカイト
トップセルでは 40 ~ 150 nm、シリコン ボトムセルでは 0~150 nm
で構成され、ボトムセルの種類によって異なる (ペロブスカイト/TOP
Con タンデムは、ペロブスカイト/SHJ タンデムよりもInを消費しない
)。2つのサブセル間の再結合層として40 nm。これらの厚さ計算の詳
細は、表 S3 に含まれる。
24.5%から32.5%の効率で、得られた In使用量は1.1~6.5 mg/Wである
ため、2Tペロブスカイト/Siタンデムの対応する In の SMC は 29~
177 GW/年です。対照的に、2つのサブセル間の再結合層は 4Tタンデ
ム構造では必要ないが、4Tペロブスカイト/Siタンデムは依然として
145~480 nm の ITO を消費します。 表S2の候補に基づくセル。
25.2% から30.1%の効率で、得られるIn使用量は 3.2–12.7mg/Wであり
これは 2T 対応物の 1.9~3 倍です。 その結果、4Tペロブスカイト/
Si タンデムに対応する InのSMCは、15~60GW/年と低くなる。
これらの数値は現在の使用状況では、タンデムデバイスが32.5%の最高
効率を達成したとしても、TW/年の目標を達成することは現実的ではな
いことを示す。

ITO のIn 使用量の限界を理解に、必要な厚さを計算し、図 7 にプロ
ットした。効率が 32.5% のタンデムセルを考える。 世界の年間供給
量と想定される年間生産量は 3 TW。 これらの制約があるため、図 7
に示すように、各タンデム デバイスに使用できるのは厚さ 3.9nm の
ITO 層のみです。このような薄い ITO 層の堆積は、均一性の課題に
直面する可能性があります。 さらに、このような薄い ITO層は、式
(2) に示すように、シート抵抗率 ρsheet が比較的高くなり、それ
に続いて ITO の横方向抵抗による電力損失が大きくなる。

Ploss ITO _ lateral Rs = ρ sheet · S f 2 · J mp 12 · V mp , $$ {Ploss}_{ITO\_
lateral\ Rs}=\frac{\rho_
 {sheet}\cdotp {S}_f^2\cdotp {J}_{mp}}{12\cdotp {V}_{mp}}, $$
(2) 

ここで、Sf は指の間隔を表し、他の用語は以前に定義済み。したが
って、代替材料で構成される TCO 層が緊急に必要とされます。アル
ミニウムをドープした酸化亜鉛 (AZO) は、SHJセルに採用されており
ペロブスカイト/Siタンデムデバイスの SHJ ボトム セルを含む ITO
の代替として有望な性能を実証しており、以前は 29.8% の世界記録
の効率を達成した。最近、Longi75 は、In を含まないTCO層を備えた
SHJ セルで26.09%という世界記録の効率も達成しました。ただし、使
用された材料に関する詳細な情報は報告されていない。

      
図7.26.81% 効率の単一接合 SHJ セルと 32.5% ペロブスカイト/Si
タンデム セルの ITO 厚さの関数としてのインジウム使用量、および
対応する世界のインジウム供給の割合。 青色の数字は、32.5% ペロ
ブスカイト/Si タンデムセルが年間生産量 3-TWに達し、世界のイン
ジウム供給量の 20%、50%、100%を占める場合、許容される ITO の厚
さはセルあたりそれぞれ 3.9、9.7、19.2 nmを示す。

4.結論
TWスケールのPV製造時代が急速に近づくにつれ、Siベースのタンデム
太陽電池は、その高い効率性と大規模展開のための産業適合性のため
に、次世代の太陽光発電を支配すると予想されています。製造におけ
るこのような急速かつ劇的な変化の主な懸念事項の1は、材料消費の
増加です。この作業では、さまざまなトップ セル候補、Si ボトムセ
ル候補の重要な材料の使用法、および ITO に基づく銀金属と横方向
のトランスポート層に関連する要件を調査。このことから、さまざま
な Si ベースのタンデム アーキテクチャの持続可能な製造能力 (SMC
) は、世界の主要な材料供給の 20% のみが必要になるという仮定で
推定される。保守的な評価に基づくと、Ⅲ-V トップセル、CIGS、お
よび CdTe の SMC は、6 GW/年 (Ga による制限)、13 GW/年 (In に
よる制限)、および 3.2 GW/年 (Te による制限) 未満です。 それぞ
れ。 したがって、これらの高効率のトップセル候補はどれも、TWス
ケールの生産を達成できない。 一方、ペロブスカイト太陽電池は、T
CO層にインジウムがなくヨウ素の使用を適切に制御できる場合、SMC
値が1TW/年を超える場合がある。PERC、TOPCon、SHJ の Si消費量は
類似しており、対応する SMCSiはすべて 850 GW/年未満です。現在の
ペロブスカイト/Si タンデム セルの大部分は、厚い FZ シリコンウ
ェーハを使用しているため、タンデム セルの SMCSi は 532 GW/年。
CZウェーハを使用すると、これは 938 GW/年に増加します。 ペロブ
スカイト/Siタンデムの SMC は、150μm のウェーハ厚と 32.5% の効
率で、1TW/年を達成します。 PERC 単一接合セルの Ag の SMC は最
大 418 GW/年で、TOPCon および SHJ単一接合セルの場合は 260 GW/
年未満である。このような SMCは、現在の Ag グリッド設計のボトム
セルとしてそれぞれ PERC、SHJ、および TOPConを使用する 2T タン
デムで、最大 533、254、および 313 GW/年まで改善できる。容量の
増加は、効率の増加と 2Tタンデム デバイスの Jmp/Vmp 比が低いこ
とに大きく起因する。インジウムは、SHJ 単接合セルおよびペロブス
カイト/Si タンデム セルの SMC の制限材料であり、SMC は、SHJセ
ルで最大 55 GW/年、4T および 2T ペロブスカイト/Si タンデム構成
でそれぞれ 60および 177GW/年。 したがって、TW/年の目標を達成す
るためには、シリコンウェーハの厚さの削減と材料の利用効率の向上
を実現する必要がある。これには、革新的なスクリーン印刷メタライ
ゼーション設計と Ag リーン ペーストおよび Si、Ag、および In 材
料の需要を大幅に削減する電池技術が開発されるような In-free TCO
層が含まれる。

PV が消費する最も「持続可能な」数値は、世界の材料の年間供給量
の何パーセントであるかは正確にわからない。この作業は、TW PV生
産の影響を理解するための指標を提供するものであり、世界の年間材
料供給量の公称値を 20% と仮定した。各材料の世界の材料供給の実
際の割合と持続可能な製造能力は動的であると予想され、将来的に新
しい統計に基づいて適宜更新する必要があります。SMC の対応する計
算は、より高い効率、より薄いなど、さらに最適化できます。ウェー
ハ、新しいメタライゼーション デザイン,

新しい材料と技術。
CZTSe セル 78 CuSbS2 セル 79 およびその他の新興セルなど、豊富
な材料で構成される他の潜在的な候補も、効率が大幅に改善されれば、
将来の大規模な PV 展開に適している可能性がある。予想外の今日が
明日の可能性かもしれない。PERCテクノロジーの場合、実験室で世界
記録の効率を達成してから大量生産を実現するまでに 20年以上かか
った。今日、研究室から産業界への技術移転の速度は速くなっている
が、大規模なアプリケーションの業界標準を満たす新しい技術を開発
するには、依然としてかなりの時間を要すTW市場での太陽光発電
の展開は、主に屋上または太陽光発電所での発電に使用されるが、ビ
ル統合型太陽光発電 (BIPV) や宇宙用途など、他の市場も将来的に成
長する可能性がある。これらの用途における太陽光発電の設計要件は
従来の導入方法とは異なる場合がある。 他の特定のセル設計を評価
することは、この作業の範囲を超えているが、材料とリソースの可用
性を考慮すると、すべての PV アプリケーションを全体的に表示する
必要があり、さまざまなセクターの PVコミュニティが協力し、大規
模な PVが直面している材料の課題に取り組む必要がある。一部の物
質は地殻で利用できる可能性があり、年間供給量を拡大できる。採掘
や精製を含むそのような拡大の環境への影響を評価する必要がある。
さらに、PVモジュールの寿命は25年から 30年であるため、PVモジュ
ールで使用される材料は、可能な限りリサイクルされるまでこの期間
を待たなければならず、リサイクル プロセス中に材料の損失が発生
する。 この研究に基づいて、PVは非常に大きな規模で開発されてお
り、純粋に効率を改善することから、PVの持続可能な展開を改善する
方向に、より多くの研究の焦点を移す必要があることに注目せざるえ
ない。これには、物質的な消費と、環境、社会、および人間の幸福へ
の影響の両方を削減することが含まれる。効率の向上と資源枯渇への
妥協が、TW時代の太陽光発電展開への扉を開く鍵となるだろう。


via https://www.nature.com/articles/s41467-022-35122-7
 ハライドペロブスカイトを高生産性全固体合成法
2月23日、ペンシルベニア州立大学の研究グループは、大型のペロブ
スカイト素子を作製するための新しいプロセスを開発。従来よりもコ
ストと時間効率が高く、将来の材料発見を加速させることができる。
高品質で、その特性は単結晶ペロブスカイトと競合できるもの。デバ
イスを作るために、電界・機械式焼結技術(EM-FAST)と呼ばれる焼
結方法を採用。焼結は、微細な粉末を熱と圧力で圧縮し、固体の塊に
する一般的なプロセス。EM-FAST技術は、新しいドーパント、つまり
薄膜を作るのに使われる湿式化学とは相容れない、デバイス特性を調
整するために加えられる成分を含む扉を開き、潜在的に新しい材料の
発見を加速。EM-FASTは火花プラズマ焼結とも呼ばれ、粉末に電流と
圧力を加えて新材料を生成する。このプロセスでは、溶液を用いた加
工では20~30%であるのに対し、すべての原材料が最終的なデバイス
になり収率が100%できる。これにより、ペロブスカイト材料は毎分
0.2インチの速度で作製でき、ラボ工程で高い性能を維持した大型デ
バイスを迅速に作製できる。

【要約】ハロゲン化ペロブスカイトは、基本レベルと応用レベルの両
方で、成長分野で遍在する存在を示す。革新的なペロブスカイトの発
見、調査、および応用は、時間/収量/労力/エネルギー効率の点で合
成方法に大きく依存する。 従来の湿式化学法は、薄膜サンプルの成
長を容易にするが、バルク結晶合成には非効率的な方法である。これ
らを克服するために、ここでは、合成中に電気的および機械的応力場
の両方を同時に適用することにより、高品質のペロブスカイトを合成
するための普遍的な固体ベースのルート、つまり、電気的および機械
的場支援焼結技術を報告する。このレポートでは、デモンストレーシ
ョンのためにさまざまなペロブスカイト組成と任意の幾何学的設計を
採用し、単結晶に近づく優れた品質のバルク製品とともに、超高収率、
高速処理、無溶媒という独自性を備えた合成ルートを確立。 合成さ
れたままのペロブスカイトの光検出と熱電への応用、および将来の技
術開発のために追加の章を開くその他の可能性を例示する。

新手法で次世代太陽電池を作る材料を作成(New method creates m
aterial that could create the next generation of solar cells) 
テック・アイ技術情報研究所



●今夜の一冊:『折紙の文化史―祈り、願い、遊ぶ』
小林 一夫【著】
里文出版(2021/05発売)
サイズ A5判/ページ数 189p/高さ 21cm
商品コード 9784898065051 NDC分類 754.9
--------------------------------------------------------------
初めての折紙の歴史。世界の共通語「ORIGAMI」知っているよ
うで知らないことが多い。折紙に関わる老舗4代目の著者による古代
から現代、そして未来につなぐ画期的な内容。

目次 第1章 古代から平安時代
第2章 鎌倉・室町・安土桃山時代
第3章 江戸時代
第4章 明治・大正・昭和20年以前(戦前)時代
第5章 昭和20年(第二次大戦後)から現代
第6章 折紙発展の功績者たち
第7章 トピックス
第8章 創作折紙をめぐる著作権問題
第9章 世界とのかかわり
第10章 未来につなぐ  

【著者概歴】
1941年生まれ。東京・お茶ノ水にある「お茶の水・おりがみ会館」館
長。1856(安政5)年創業の和紙の老舗「ゆしまの小林」4代目:会長。
内閣府認証NPO法人国際おりがみ協会理事長、文部省・高等学校教
員資格を有す。折紙の展示や、教室の開催、講演などを通じ、和紙、
文化の普及と継承に力を注いでいる。その活動場所は日本のみならず
世界各国に及び、日本文化を紹介し、国際交流にもつとめている。
--------------------------------------------------------------
古くは千代紙(ちよがみ)と呼ばれる彩色豊かな和紙を使用した。こ
の為、折り紙の紙を千代紙という場合もある。また、近年では伝統工
芸品としても千代紙が販売されているが、わたしもそうであるのだが、
国際語でもある「ORIGAMI」。その歴史は意外と知られていない。女
性や子どもの手遊びに過ぎなかった折紙が、いまや芸術として取り上
げられ、著作権を主張したり、専門家が登場したりと混乱を見せてい
ると著者はこの序文で。その原因は日本の紙文化の無理解があるから
だろう。祈りや願いを込めて紙を折るという古代人の心から、やがて
遊びに、あるいはデザインにと発展する折紙の変遷を捉え、その本質
を紹介する。そして狭い枠に囚われるとなく、もっと自由に、もっと
楽しくあるべきと、世界中の折紙愛好家に伝えたいと述べている。


紀州御坊の雛人形「かんぴら」

風蕭々と碧い時代


Jhon Lennon Imagine



千本桜 feat.初音ミク    2011年
作詞:黒うさP     作曲:黒うさP 

大胆不敵にハイカラ革命
磊々落々(らいらいらくらく)反戦国家
日の丸印の二輪車転がし
悪霊退散 ICBM
環状線を走り抜けて
東奔西走なんのその
少年少女戦国無双
浮世の随(まにま)に

千本桜 夜ニ紛レ
君ノ声モ届カナイヨ
此処(ここ)は宴(うたげ) 鋼(はがね)の檻(おり)
その断頭台で見下ろして
三千世界 常世之闇(とこよのやみ)
嘆ク唄モ聞コエナイヨ
青藍(せいらん)の空 遥か彼方
その光線銃(こうせんじゅう)で打ち抜いて... 

「千本桜 feat.初音ミク」は、2011年に黒うさPが作詞・作曲・編曲
し、ボーカルに音声合成ソフト「初音ミク」を使用してインターネッ
ト上で公開した楽曲。インターネットを中心とするVOCALOID初音ミク
の人気ボカロ曲(VOCALOID楽曲)の一つとして知られ、2012年8月に
行われた、レコチョクによる「好きなボカロ曲ランキング」調査で、
1位を獲得。カラオケ曲としても人気があり、2012年度カラオケラン
キングではVOCALOID史上初となる総合カラオケランキング3位を獲得。

 ●今夜の寸評:
(いまを一声に託す)夢が実現できそうだ!

取り残しも多いが、 「オールソーラーシステム事業計画」の中核の
「高付加価値太陽電池製造」(変換効率30%超)の量産とリサイクル
の事業骨格が見えてきた。今後の調査研究は二酸化炭素(温暖化ガス)
を原料とした再エネ(太陽光&人工光)利用し炭化水素化合物の製造
に向かう。思えば色素増感型太陽電池の調査研究に着手し15年近く
経て事業化の目途がたった。思えば実にばかでかい構想であった。             


                           

 

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「麻と黄麻」 四号

2023年02月18日 | 環境リスク本位制


 
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひ
こにゃん」

【男子厨房に立ちて環境リスクを考える】



生前、母親は出生地の吉野山は柿の葉寿司の創業1910(明治23)年の
「やっこ」から取り寄せ食していたのが我が家のならわしで、お届け
ものなどもそこから注文していたが、今日届きランチに供した。とい
ってもSNSでインスタ映えが流行る時代、頑なに「鯖・鮭」の2品と
出荷数固定を守っている。




今日のランチも大作亭「檸檬風勝ちん豚和蕎」^^;。





ザ・日清背徳の麺トリオ

それにしも、食レポやご当地名物の番組放送がやたらと多く、過剰か
なぁと想うことも多い。高度消費社会と科学技術進歩は人類の欲望に
始じまる。即席麺も「背徳」とやらでチーズ。バター加えて目先・舌
先・鼻先を変えたものや不二家の「LOOK」チコレートの「天空の茶寮」
のように、チョコに抹茶・焙じ茶・玄米茶を組み合わせた商品も販売
されるようになっている。面白い日本だ。

食器洗い乾燥機 NP-TML1  食器洗い乾燥機(食洗機)| Panasonic
https://panasonic.jp/dish/products/NP-TML1.html
そうかと思えば、お一人様食器洗い機があおのパナソニックから販売
&レンタルさせている。
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中世期最大の詩人のひとりであり、学問と識見とで当代に数すくない
実朝 の心を訪れているのは まるで支えのない奈落のうえに、一枚の
布をおいて坐っているような境涯への覚醒であった。本書は、中世初
の特異な武家社会の統領の位置にすえられて、少年のうちからいやお
うなくじぶんの〈死の瞬間をおもい描かねばならなかった実朝の詩的
思想をあきらかにした傑作批評。
【目次】
1 実朝的なもの
2 制度としての実朝
3 頼家という鏡
4 祭祀の長者
5 実朝の不可解さ
6 実朝伝説
7 実朝における古歌
8 〈古今的〉なもの
9 『古今集』以後
10.〈新古今的〉なもの
11 〈事実〉の思想
実朝における古歌 補遣
実朝年譜
【著者略歴】 吉本隆明(1924-2012年)は、東京生まれ。東京工業大
学電気化学科卒業。詩人・評論家。戦後日本の言論界を長きにわたり
リードし、「戦後最大の思想家」「思想界の巨人」などと称される。
おもな著書に『言語にとって美とはなにか』『共同幻想論』『心的現
象論』『マス・イメージ論』『ハイ・イメージ論』『宮沢賢治』『夏
目漱石を読む』『最後の親鸞』『アフリカ的段階について』『背景の
記憶』などがある。
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Ⅺ 事実の<思想>

 建仁三年(一二〇三年)八月、実朝の兄偵察は身心の病悩がはなは
だしいという理由で、弟実朝  (千幡)に関西三十八カ国の地頭職を
ゆずり、わが長子一幡に関東二十八カ国の地頭職ならびに惣守護職を
ゆずる旨をあきらかにした。しかし、この申出が偵察の自発的な意志
によるものであったかどうかは疑わしい。また、身心の病悩というの
も、じつは無茶苦茶な所行によって北条氏に抗ってみたものの、思い
とおりにゆかず、身辺がすこぶる危うくなったことから必然的にノイ
ローゼに かかったということかもしれなかった。 偵察の外戚比企能
員は、当然、偵察の子一幡が将軍職をつぐべきものであるのに、弟実
朝に関西全域の地頭職が分配されるのが不満であった。また実朝に地
頭職を分配することは、やがて外孫一幡と実朝とのあいだに、将軍職
の継承について争いがおこり、その争いは北条氏との争いに帰するこ
とは眼にみえていた。比全能員は、北条氏を除くのはいまをおいてな
いと判断し、将軍頼察にはかって北条氏を討伐しようと企てたが、失
敗に帰し、孫一幡もろともに、かえって北条氏与党に攻め亡ぼされた。
あとがら、能員とわが子一幡が殺されたことをきかされた頼家は、「
欝陶に堪えず」宿老和田義盛と新田四郎忠常にはかって北条一族を洙
討しようと企てた。だが、偵察にはこれらの宿老を動かすだけの器量
と威力がなかった。かえって母北条牧子から、ノイローゼで統率の器
なしという理由をつけて僧体にさせられ、伊豆惨禅寺に態よくおしこ
められてしまった。
 実朝は執権を北条特攻として、兄にかわってすぐに将軍職についた。
翌年、偵家はなにものともわからぬものから、無惨な殺され方をした。
『吾妻鏡』は元久元年(一二〇四年)七月十九日の項に「伊豆国の飛
脚参着す、昨日、左金谷拝聞(年廿三)当国修禅寺に於て苑じ給ふの
由、之を申すと云々」とそしらぬ風をよそおっているが、頼家を殺害
したものが、なんらかの意味で北条氏の息のかかったものであること
は、まったく疑問の余地はなかった。豪勇の頼家は不意をうたれ、首に
綱をかけ余光を新りとられたりして惨殺されたといわれている。
 まず、将軍職になったばかりで、兄偵察の惨殺を古音、その惨殺を
密命したものがじぶんであるということになる政治的論理にくみこま
れたとき、実朝はなにを感じたであろうか。実朝は頼家とちがって文
学好きであり、頼家のように、ことごとに横車をおして北条氏に抗う
ということはできなかった。しかしどうかんがえても、将軍職は居心
地のよいはずはなかったにちがいない。頼家の殺害が、ちょうど実朝
が「癩病」にかかって臥していたあいだに行われたのも偶然とはかん
がえられない。実朝は十三歳になっていたが、じぶんの行手が幸さき
のよいものでないことを充分にしったはずである。ただ、実朝は頼家
とちがって、複雑なよく耐える心をもった人物であって、ある意味で
は北茶時政にもそう手易く御しうるような存在ではなかった。その年
に嫁をむかえる段になって、きめられていた上総の前司足利義兼の娘
をめとることを拒絶して、京都から迎えようという意志をしめしてい
る。もし、足利義兼の娘をめとれば、たとえ北条氏の息がかかってい
るとはいえ、やがて外戚となった義兼と北条氏とのあいだに争いを生
ずることになるにちがいない。そうすれば、じぶんの運命は頼家とひ
としいものになる。それより係累もなく、また〈和歌〉や文筆をつう
じて関心をもっており、またべつに武力で北条氏と争う力も必然もな
い京都の堂上から嫁をむかえるほうがずっとよかった。実朝が和歌の
習作や遊びごとから、家風の文化にあこがれていたという説もあるが、
ほんとうかどうかわからない。生涯のうち京へ出かけてみようという
発想を実朝はいだいたことはない。だが、宋へ渡ろうという発想はあ
ったのである。祭祀権者としての義務であった伊豆・箱根権現への〈
二所詣で〉をのでいて、実朝が鎌倉幕府の周辺をでようとおもいたっ
たことがないのは興味ぶかい。また、どうせゆくならば京都ではなく
〈宋〉の国だという発想はけっしてわるくはない。
 こういう実朝にとって、歌ははじめ〈玩具〉であったかもしれない。
幼少のときから、あたかも謎ときのように作歌に熱中した。元久二年、
十四歳のとき、はじめて十二首の和歌を詠んだことが『吾妻鏡』にみ
えているが、もちろんその以前から習作にうちこんでいたであろう。
それはこの年九月二日の記事に、実朝が和歌を好むことが京都にきこ
えているように記していることからも推察される。また、『金塊集』
にあつめられた実朝の作品が、何歳からのものか確定できないとして
も、創造はまず幼少期の模倣からはじまるということを、あまりには
っきりとみせていることからも推測される。
 実朝が将軍職について、まずはじめに当面しなければならなかった
のは、宿老畠山重患の伏誅であった。北条時政の後妻牧氏が、時政を
そそのかして、女婿平賀朝雅と不仲であった畠山重患父子一族を謀叛
の企てありとして、強引に滅ぼしてしまった事件である。牧氏は時政
とはかり、勢いにのって、実朝を殺害し、女婿平賀朝雅を将軍職につ
けようとした。しかし時政の子義時も、時政の娘、政子もこれを許さ
ず、実朝を推して逆に平賀朝雅の一党を滅ぼし、同時に父時政を僧体
にして隠居させてしまった。この一連の事件で、実朝がどんな貌をみ
せたのかまったくわからないが、危うく生命をおとすようなはめにで
あったことはたしかである。
 この事件をへて北条氏の実権は義時にうつり、また義時のひきいる
北条一族に相伴うような形で、実朝の位置も安泰になったかにみえた。
しかし、この事件をへて、実朝ははじめてじぶんをとりまいている武
門の内談がどうしておこり、またどういうことによって安定するかを
みきわめたにちがいない。  

  実朝はじぶんがたんなる武門権力の御輿にのってかつぎあげられた
〈象徴〉にすぎないことをしった。そして同時に、この〈象徴〉が武
門勢力にとって絶対に必要であるゆえんも悟ったにちがいない。もし
じぶんが存在しなければ鎌倉の幕府はゆくところまでゆきつくまでは
陰謀と不意打ちの合戦の府にかわってしまうだろう。なぜ武門は弱年
のじぶんをひつようとするのか。それはじぶんが幕府を創始した将軍
の正統をつぐ子孫であることが第一の条件である。第二の条件は、じ
ぶんが武門の実力者に強いて抗おうとしないかわりに、かれらが自由
に将棋の駒のように動かそうとするには、少しばかり炳ったい人格でも
あるということであるにちがいない。歌を詠んでも権力などそなわる
はずもないが、歌作の修練がひとにあたえるものは、徒労の生命でさ
えなお耐えて通りぬけてゆかねばならない体験ににていないことはな
い。

    雨いたくんれる夜ひとりほととぎすを
     郭公なく声あやか五月々み
     きく人なしみ雨けふりつつ

  実朝は、しばしば深更に起きだして、廊から街商をながめるのが好
きであった。そのある夜の作であるにちがいかい。この詠み目は犬古
今集』のわりあい初期のものに似ている。とすればそれは実朝にはこ
のふたつの意味がよく判っていたはずである。
 実朝は疱瘡のあとずっとそうであったといえばいえなくもないが、
晩年にちかづくにつれて、神事・仏事に熟がはいらなくなって、おお
くは代理を奉幣させるようになっている。ようやく青年にたっしたと
きには、実朝のこころは乾いてしまっていたかもしれない。なぜそう
いう臆測をくだすかといえば、実朝の〈景物〉はあたかも〈事実〉を
叙するというよりほかないような独特な位相であらわれ、けっして〈
物〉に寄せる〈心〉でも、〈心〉を叙するために〈景物〉をとらえる
叙情でもないとしかいいようがないところがあるからである。

      みな月廿日あまりのころ夕の風すだれ
   うごかすをよめる
  秋ちかくなるしるしにや玉すだれ
  小簾の間とばし風の涼しさ 

   萩をよめる
  秋はぎの下葉もいまだ移ろはぬに
  けさ吹く風は袂さむしも 

   十月一日よめる
  秋は去ぬ風に本の葉は散りはてて
  山さびしかる冬はきにけり

   霰
  もののふの矢並つくろふ籠手の上に
  霰たばしる那須の篠原

   同
  笹の葉に震さやぎてみ山べの
  嶺の木がらししきりて吹きぬ
  
これらの〈景物〉を叙している歌は、八代集のどこにも場所をもうけ
ることはできない。『万葉』の後期にいれるには、あまりに〈和歌〉
形式の初原的な形をうしないすぎているし、『古今』にいれるには、
語法が不協和音をいれすぎている。『後拾遺』にさしこめば、あまり
に古形を保存しすぎている。そうかといって『新古今』にさしはさむ
には、もっと光線が不足している。この独自さは実朝の〈景物〉の描
写が、〈禁物〉をただ〈事実〉として叙して、かくべつの感情移入も
なければ、そうかといって客観描写のなかに〈心〉を移入するという
風にもなっていないところからきているようにみえる。実朝の〈心〉
は冷えているわけではないが、けっして感情を龍めようともしていな
い。感情の動きがメクフィジックになってしまっている。実朝は青年
期にたっしたとき、すでにこういう心を身につけなければならない境
涯におかれていた。

〈夕べの風がすだれをうごかして透ってくる涼しさ〉という表現は、
〈涼しいな〉という主観でもなく、。〈涼しくわたってくる風〉とい
う客観描写でもなく「風の涼しさ」という状態でとめられている。そ
れだからどうしたということではない。この止め方は実朝の詩の方法
のひとつの特徴である。この特徴が表象しているものは、「風の涼し
さ」を感じているじぶんを、なんの感情もなく、じぶんの〈心〉がま
た〈物〉をみるように眺めているという位相である。だから心情の表
現が叙景の背後にかくされているのではなく、〈じぶんの心情をじっ
と眺めているじぶん〉というメタフィジックが歌の背後にあらわれて
くる。このメタフィジックもまた詩人としての実朝に独特のものであ
るといってまい。
 「けさ欧風は快さむしも」というのは、まったく主観的にくさむい
ことであるな〉といっているにもかかわらず、さむがっている作者で
はなく、さむがっているじぶんという〈事実〉をながめているじぶん
という位相しかったわってこないようにおもわれる。なぜこういうこ
とになるのだろうか。たぶん実朝の〈心〉が、詩的な象徴というより
も、もっと奥深くのほうに退いているからである。

この独得の距離のとり方が実朝の詩の思想であった。「秋は去ぬ風に
木の葉は徴りはてて」の歌でもおなじなのだ。「山さびしかる冬はき
にけり」を〈山はさびしき〉とか〈山ぞさびしき〉と表現すれば、並
の叙情歌になったろうが「山さびしかる」と表現しているために、
〈心〉は奥のほうに退いて〈山はさびしくなるだろうなとおもってい
るじぶんを視ているじぶん〉というようにうけとれることになる。                                   
 「もののふの矢並つくろふ」は真顔もあげ、子規も引用している周
知の歌だが、かれらのいうこの万葉調の力強い歌は、けっしてそうは
できていない。名目だけとはいえ征夷将軍であったものが、配下の武
士たちの合戦の演習を写実した歌とみても、そういう情景の想像歌と
してみても、あまりに無間心な〈事実〉を叙している歌にしかなって
いない。冷静に武士たちの演習を眺めている将軍を、もうひとりの将
軍が視ているとでもいうべきか。
 「笹の葉に裳さやぎてみ山べの」も、叙景のようにみえて、〈景物〉
を叙しているじぶんの〈心〉を〈心〉がみているという位相があらわ
れざるをえない。
 実朝の詩の思想をここまでもっていったものは、幕府の名目人とし
て意にあわぬ事件や殺戮に立ちあいながら、祭祀の長者として振舞わ
ねばならない境涯であった。
                        この項つづく                   

 

● 技術的特異点でエンドレス・サーフィング


【再エネ革命渦論 91: アフターコロナ時代 292】







世界の低炭素エネルギー技術への投資額、初めて1兆ドル突破
1月26日の情報となるが、サプライチェーンの混乱やマクロ経済の逆風
をものともせず、2022年のエネルギー移行投資は31%増と飛躍的に伸
び化石燃料への投資額と同等になる。調査会社ブルームバーグNEF(BN
EF)のレポートによると、エネルギー危機と政策措置がクリーンテク
ノロジーの展開を加速させたため、低炭素エネルギー移行への世界的
な投資は1年に1.2022兆ドルに達し、新記録と前年からの大幅な加速。

別の最初のケースでは、低炭素技術への投資は化石燃料を支援する資
本と同等に達した模様。 エネルギー転換投資動向は、BNEFが企業、金
融機関、政府、エンドユーザーにどれだけの資金を提供しているかを
示す年次会計である。レポートで取り上げられているほぼすべてのセ
クタは、再生可能エネルギー、エネルギー貯蔵、電化輸送、電化熱、
炭素回収貯留(CCS)、水素、持続可能な材料など、2022年に新記録的な
レベルの投資を記録した。原子力投資だけが記録を樹立せず、概ね横
ばいで推移した。風力、太陽光、バイオ燃料、その他のエネルギーを
含む再生可能エネルギーは依然として最大のセクタあり、2022年には
前年比、17%増の4,950億ドルの新記録を達成。
しかし、電気自動車とその関連インフラストラクチャへの支出を含む
電化輸送は、再生可能エネルギーを追い抜くところまで漸近、2022年
には54,660億ドル、前年比で54%という驚異的な増加となる。水素は、
民間部門からの強い関心と政策支援の高まりにもかかわらず、わずか
11億ドル(全体の1.0%)と、最も財政的コミットメントを受けていない
セクタだが、水素は最も急成長しているセクターであり、投資は前年
の3倍以上となっている。



また、BNEFのデータによると、中国でのエネルギー移行への投資は、
5,460億ドルと群を抜いて最大、世界全体のほぼ半分を占めた。米国は
大幅に差を付けられて1,410億ドルで2位となったが、欧州連合(EU)
をひとくくりにすると、EUが1,800億ドルで2位となる。ドイツは3位
を維持し、英国は一つ順位を下げて5位、フランスは4位に順位を上げ
た。移行への投資額が初めて化石燃料投資と同額に-ネットゼロ投資
の拡大が必要また、BNEFは同リポートの中で、世界の化石燃料投資に
ついてトップダウン分析による予想を行っており、これには、上流、
中流、下流、そして排出削減対策が講じられていない化石燃料発電が
含まれる。この数字は、比較のためだけに算出されたもので、2022年
にはエネルギー移行への投資総額と同じ1兆1,000億ドルになると試算
されている。これは、昨年のエネルギー危機により化石燃料にむけた
投資が増加したにもかかわらず、世界のエネルギー転換への投資額が
それと初めて並んだことを示す。 移行への投資額が初めて化石燃料
投資と同額に-ネットゼロ投資の拡大が必要 さらに、BNEFは同リポー
トの中で、世界の化石燃料投資についてトップダウン分析による予想
を行っており、これには、上流、中流、下流、そして排出削減対策が
講じられていない化石燃料発電が含まれ、この数字は、比較のためだ
けに算出されたもので、2022年にはエネルギー移行への投資総額と同
じ1兆1,000億ドルになると試算されている。これは、昨年のエネルギ
ー危機により化石燃料にむけた投資が増加したにもかかわらず、世界
のエネルギー転換への投資額がそれと初めて並んだことを示す。

✔ 毎度のことですが、「日々新たであれ」と一声に託す。

世界が注目! ペロブスカイト太陽電池の実力

ビル外壁にフィルム型ペロブスカイト太陽電池を導入
積水化学工業とNTTデータが、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を建
物外壁に設置する実証実験を2023年4月から開始。既存建物外壁への太
陽電池モジュールの設置方法の確立。垂直面における発電効率の確認
などを行い、都心部の既存建物などへのペロブスカイト太陽電池の導
入拡大を目指す。


積水化学工業では、同社の独自技術である「封止、成膜、材料、プロ
セス技術」を生かしたフィルム型ペロブスカイト太陽電池開発を進め
ており、約10年の屋外耐久性や、30cm幅のロール・ツー・ロール製造
プロセスを構築。さらに、同製造プロセスによる発電効率15.0%のフ
ィルム型ペロブスカイト太陽電池の製造に成功する。



今回取り組む実証では、まず積水化学工業の開発研究所の外壁に小面
積のフィルム型がペロブスカイト太陽電池を設置。約1年間にわたって
発電を行い、次のステップとしてNTTデータのNTT品川TWINSデータ棟の
外壁に設置して実証を行う。実証では既存建物外壁への太陽電池モジ
ュールの設置方法の確立、垂直に設置する外壁面での発電効率の測定、
予測値と実測値の比較、塩害地域での耐久性、発電した再エネの建物
内利用の実用性などの検証を目的とする。

今回の実証の他、2023年度からJR西日本うめきた(大阪)駅や東京都
下水道局森ヶ崎水再生センターへの設置など、各種用途における技術
実証と設置・施工方法の確立を進める。並行して、新エネルギー・産
業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金を活用し
1メートル幅での製造プロセスの確立、耐久性や発電効率のさらなる
向上に向けた開発を進め、2025年の事業化を目指す。
--------------------------------------------------------------
via スマートジャパン 2023.2.17 ビル外壁にフィルム型ペロブスカイ
ト太陽電池を導入、積水化学らが実証実験


出典:NITE ※実際の事故画像ではない破損イメージ。

積雪で破損の太陽光パネルは4年間で7.5万世帯分

2023年1月、製品評価技術基盤機構(NITE)が太陽光発電に関する事故
のデータベースを分析した結果、雪量が多い時期に太陽光発電設備の
事故が増加する傾向----2018年度から2021年度までの事故分析を行っ
た結果、分析を行った4年間の積雪に起因する破損被害は、住宅用ソー
ラーパネルの約7.5万世帯分の発電出力に相当----が分かったと報じた。
特に全国で記録的な大雪が確認された2020年度、2021年度は多発して}
おり、2018年度が1件、2019年度が0件だったのに対し、2020年度は28
件(自然災害に係る年間破損事故の約45%)、2021年度は14件(同約
26%)発生していたとのこと。



【対策】
・除雪計画の作成やマニュアル化を行い、月間・週間天気予報や発電
 所の監視結果などを参考に、架台やパネル及びパネルの軒下、現地
 への通路も含め、予防点検や除雪を行う
・冬期は除雪機材を常備する、もしくは優先して実施してもらえるよ
 う除雪業者と契約する
・既に大雪が発生している地域では、(可能な範囲で)積雪後の巡視
 や除雪等を強化する
・架台の設計基準を満たした上で、地域の気象条件に応じて、架台の
 設計強化やパネル傾斜角や設置高度の増加などの更なる積雪対策を
 施す(主に新設または再築時)
・パネルと架台を固定する金具を、雪の滑落を妨げない形状の金具に
  交換する。

   2023.2.15

第69回大河内記念生産賞を受賞
「Cu-Cu接続」を用いた高精細な積層型SWIRイメージセンサ
ソニーセミコンダクタソリューションズ(SSS)とソニーセミコンダ
クタマニュファクチャリングは,「Cu-Cu接続を用いたヘテロジニア
ス積層型高精細SWIRセンサの開発」で,大河内記念会から「第69回(
令和4年度)大河内記念生産賞」を受賞。

 2019.2.13

※同賞は,故大河内正敏博士の功績を記念して設けられ,わが国の生
産工学,生産技術の研究開発,および高度生産方式の実施などに関す
る顕著な功績を表彰。
※今回の受賞は,多画素化とセンサーサイズの小型化を両立した,可
視光までも撮像できるSWIRイメージセンサーの量産化と実用化が高く
評価されたもの。一般的に,短波長赤外光(SWIR:Short-Wavelength
InfraRed
)は物質に対する透過率や吸収率が可視光とは異なるため,
その性質を使ってさまざまなシーンに活用されている。同社の積層型S
WIRイメージセンサーは,化合物半導体のInGaAs(インジウム・ガリウ
ム・ヒ素)層でフォトダイオードを形成し,それを読み出し回路のシ
リコン層と,独自のCu-Cu(カッパーカッパー)接続と呼ばれる積層技
術により直接接続している。これにより,これまでのSWIRイメージセ
ンサでは難しかった画素の微細化による多画素化やセンササイズの小
型化に加え,可視光から短波長赤外までの幅広い帯域での高感度な撮
像を実現。

【最後の読書録 Ⅴ】

 

新・国債の真実―99%の日本人がわかっていない
目次
はじめに

1章 まず「これ」を知らなくては始まらない―そもそも「国債」っ 
  て何だろう?(企業は金を借りて運営する、国も同じ;政府は予算 
  を立て、「足りない額の国債」を発行する ほか)
2章 世にはびこる国債のエセ知識―その思い込い込みが危ない(何
  の知識もなく語っている人が多すぎる;「倹約をよしとする」と「
  借金は悪」となる ほか)
3章 国債から見えてくる日本経済「本当の姿」―「バカな経済論」
 に惑わされないために(なぜ財務省は「財政破綻する」と騒いで
 いるのか?;財務省ロジックに乗っかる人々もいる ほか)
4章 知っているようで知らない「国債」と「税」の話―結局、何を
 どうすれば経済は上向くのか(経済を「道徳」で考えると、大きく
 見誤る;政府がお金を使うということは、国内にお金を巡らせるこ
 と ほか)
---------------------------------------------------------------
第4章 知っているようで知らない「国債」と「税」の話
今の国情発行額では、
足りないくらい?
 国債を発行するほど、政府が使うお金が増え、世の中に出回るお金
が増え、結果的に物価が上がる。
 これはデフレ不況のときには、景気回復を叶える財政緩和策となる
が、インフレが進みすぎるとそれはそれでよくない。したがって国債
の適切な発行額は、インフレになりすぎない程度、ということになる。
 こうして、「ほどほどの量の国債」が金融市場で出回るように保つ
ことが理想だ。
 では現在の国債発行額はどうか。多すぎるのか、それとも少なすぎ
るのだろうか。
 「日本政府は借金が多すぎる」と目くじらを立てる人が多いようだ
が、結論からいえば、もっと国債を発行してもいいくらいなのである。
 前に、現在の国債発行残高はGDPの200%くらいといった。し
かし、そのうち半分ほどを日銀が保有しており、金融市場に出ている
のは、GDPの50~60%程度だ。
 これでは、じつは足りないくらいなのだ。
 すでに説明したように、「統合政府バランスシート」で考えれば、
日本の財政再建
はとっくに済んでいる。だから、もっと金融市場に国債を提供するた
めに、財務省が国債を発行すればいい。
 しかし財務省は、いまだに「財政再建が先」といって譲らず、日本
政府は国債増発に腰が重い。依然として金融市場では、国債が「品薄
」状態が続いている。
 そこで2020年3月23目、日銀は「異例」ともいえる手を、3年
ぶりに繰り出した。
「国債売り現先オペ」という手法で、約8000億円もの国債を、市
場に供給したのだ。
 これは、ひとことでいえば、日銀がもっている国債を、「期間限定
」で金融市場に放出するオペレーションだ。一定期間後に買い戻す条
件で、日銀が国債を売るのである。
 それまで日銀は民間金融機関から国債を買うという、金融緩和策(
量的緩和)を続けてきた。だが3月の決算期を前に、金融市場で国偵
需給が過度に引き締まるのを抑制することを目的として、この異例の
一手を出したのである。
 先に説明したように、国債は金融市場の「コメ」だ。▽定量の国債
がなくては、銀行も証券会社も、まともな金融取引が行なえなくなる。
 銀行は、個々人から預金を集めて、それを貸し出すことで利ざやを
稼ぐ。しかし、預金のすべてを貸し出しに回すことはできない。
 あなたも銀行口座をもっているはずだが、もし銀行が預金のすべてを
貸し出しに回してしまったら、引き出したいときに引き出せなくなっ
てしまう。だから銀行は預金の引き出しに備えて、いつでも換金でき
る資産をもっておく必要がある。
 一般的な金融機関であれば、預金に対する貸し出しの比率は6~7
割で、その他は、いつでも換金できる「流動資産」だ。その一つは現
金である。
 ただし、お金をお金のままもっていても利子は生まれない。そこで、
少しでも収益性を高めるために、国債をもつことが多いのだ。そのう
え、国債は金融取引にも欠かせないから、銀行はつねに大量の国債を
もっておきたい。
 証券会社も、国債がなくては商売ができない。「株と国債」「社債
と国債」という具合に、金融市場では、国債が取引の媒介、いってみ
れば「お金」のような役割を果たすと前に説明したことを思い出して
ほしい。
 そこで日銀がとった異例オペが「3月」だったというタイミングに
も、意味がある。
 決算を前に、余計な現金をもっておくより、国債に替えたほうがい
いという「決算対策」のために、国債の「品不足」が起こる。これを
放置するのはまずいというわけでったのだ。
日銀は異例の一手をとったのだ。
 ただし、本来であれば日銀は、民間金融機関から国債をどんどん買
って、もっとお金が出回るようにしなければならない。
世の中に 今回の異例オペは、苦肉の策としては適切だったといえる
が、国債を供給するのは、本来、日銀の役割ではない。
 では誰の役割かといえば、先に答えはいってある。
 政府である。
 つまり、政府が国債をもっと発行すべきだったところ、それをしな
かったから、日銀が動かざるをえなかった。
 いってしまえば、政府が国債発行をサボったツケが日銀に回ってき
たというのが、ことの顛末なのである。

災害復興こそ、
日銀が動かざるをえなかった。

 いってしまえば、政府が国債発行をサボったツケが日銀に回ってき
たというのが、ことの顛末なのである。
「超・長期国情」の出番だった
 国債を毛嫌いすると、「財源が必要なら増税すべし」というロジッ
クに簡単にはまってしまう。
 東日本大震災後の2014年の消費増税などは、その典型といえる。
 「東日本大震災の復興の財源が必要だ。ついては国民全体で痛みを
分け合うべく、増税を断行せざるをえない」
 こんなロジックに、国会も国民も、まんまと乗せられてしまった。
あのころは、さかんに「絆」といわれていた。東北の人たちを助けた
い、そのための増税なのだから、甘んじて受け入れるべき、という空
気が日本中を覆っていた。
 しかしこれは、個人の道徳や良心につけこむという、財務省お得意
の手段といわざるをえない。  
 なぜなら、本当に災害復興を目指すなら、国債を発行するのが、も
っとも効果的だからだ。災害時に増税するほどバカな話はないのであ
る。
 災害で特定地域が大打撃を受けているときに、増税をしたらどうな
るか。人々の財布のヒモは堅くなり、消費が冷え込む。本来ならば、
災害が起こっていない地域の経済力で、被災地を支えなくてはいけな
いのに、その経済力を奪ってしまうのが増税なのだ。
 いってみれば、人助けに向かう人に足をひっかけて転ばせるような
ことなのである。
 災害が起これば、当然、政府の税収は下がる。だからといって、災
害時に増税をするなんて政策は、古今東西、聞いたことがない。
 災害時に税制をいじるなら、むしろ経済を活性化させるために減税
するのが普通だ。
 もうI度いうが、災害復興の財源確保のためには、国債がもっとも
適切だ。それも、100年債や500年債といった超・長期国債がい
い。
 というと、また「借金を後世に押し付けるのか」という批判が上が
りそうだが、ちょっと待ってほしい。じつのところ、災害が起こった
世代だけで復興財源を出そうとするほうが、不公平なのである。
 経済を大きく揺るがすほどの大災害が起こるのは、100年に一度、
500年に一度のことだ。そこで今から100年、500年をかけて、
世代間で復興財源を出し合うというのが、100年債、500年俵の
考え方だ。100年に一度、500年に一度、必要なお金なら、10
0年、500年をかけて返していけばいいのである。
 これは私だけが勝手にいっているのではなく、「課税の平準化理論」
という基本的な経済理論に基づいている。「痛みを分け合え」という
のなら、こちらのほうが、よほど公平な分かち合いといえないだろう
か。

 国價には将来世代への
「投資」という側面もある
 
 国債というと、どうも借金が悪いものというイメージが拭いがたい
ようだが、元をただせば、国債とは国を回していくのに必要な資金を
集めるためのものだ。
 ここで「税収だけで国を回せ」というのは無理屈だ。
 現在の税収だけでは足りないことは明らかで、増税に直結する。税
金は万人に等しく課せられる。しかし、国債は「欲しい人」が買う。
税金を払わないと違法になるが、国債は買いたくないなら買わなくて
もいい。現に、誰も国債購入を強要されたことなどないだろう。国に
お金を貸したい人が貸す。それで国が回っていくのだ。それの何かい
けないのかと聞いてみたいものである。
国債は、その特質上、未来投資にも向いている。

 たとえば私が前々からいっているのが「教育(投資)国債」だ。
 一般的に、教育水準が高いほうが、所得は高くなる傾向が強い。所
得が高くなれば、当然、納める税金が多くなり、国への貢献度が増す
。そういう人材を育てるために、教育を目的とした国債を設ければい
いという提案だ。ひとことでいえば、教育国債は「出世払い」で、投
資効果が出る将来世代に働いて返してもらう、という考え方だ。
 といっても、市場では「赤字国債」と「建設国債」が区別されてい
ないように、国債発行時に「これは教育国債です」などと銘打たれる
わけではない。お金に色はついていない。買う側は、単に国債の「利
率」と「償還期間」で判断するだけだ。
 ただ、「教育国債」を設けることで、国債を売って集めたお金は、
以前より多くが教育部門に割かれることになる。―章で見た予算内訳
でいえば、「文教及び科学振興費」などに多く費用が回る。「教育の
無償化」も、教育国債でまかなえばいいというのが、私の考えだ。
 国が行なう投資というと、どうしても、ハコモノなどの公共投資に
偏りがちだ。それはそれで雇用剔出になるから、いい而もある。ただ
有形資産である「物」ばかりではなく、無形資産である「人の教育」
にも投資したらどうかという話だ。
 他国の例に目を転じてみれば、フランスの「サルコジ国債」が有名
である。2009年、サルコジ大統領は元老院(上院)、国民議会(
下院)の両院合同議会において、大規模な特別国債の発行を発表した。
そこでサルコジ大統領は、未来への投資のための国債発行の重要性を
強調した。
 これは、私がいっている教育国債の考え方そのままである。
 一方には税を財源とすればいい、という考え方もあるだろう。
 しかし、教育への投資は、イコール将来への投資であり、社会的に
大きなリターンが期待できる。このように長期的な便益が見込めるも
のには、国債のほうが理にかなっている。
 先はども「出世払い」といったように、長い目で見て投資し、長い
目で見て回収していけばいいのだ。しかも、教育を受けて所得が高く
なった人ほど余分に所得税を払うので、社会への恩返しという意味で
理にかなっている。
 財務官僚は「無形資産はうまく計れない」などと小言をいうだろう
が、後でも見るように、教育の投資効果は、じつは有形資産を凌駕す
るほど大きい。有形資産と無形資産を差別するなというのは、まった
く異論の余地のない正論なのである。
 ただし、今の財政法では、有形資産に対してしか国債発行を認めて
いない。したがって教育国債を実現するには、財政法の改正が必要だ。
これは、つねに自分都合で物事を動かしたい財務官僚が一番、嫌うと
ころなのだが、必要とあらば、政治はそこにも切り込んでいかねばな
らない。
                        この項つづく

風蕭々と碧い時代


Jhon Lennon Imagine


● 今夜の寸評:(いまを一声に託す)

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上下水道統合事業創生概論①

2023年02月14日 | 環境リスク本位制

 
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひ
こにゃん」

【男子厨房に立ちて環境リスクを考える』
ゼロ・ウエイスト・デザイン①:SDGsレモン・レシピ
1.鮭とレモンのジェノベーゼグリル
石窯さわやかジェノバソースとレモンで鮭。
ZWD:
https://www.toshiba-lifestyle.com/jp/living/microwave/recipes/unca
tegorized/711/
2.レンジで簡単!レモンのはちみつ漬け
3.電子レンジでレモンの裏ワザ


 
2.             3.電子レンジでレモンの裏ワザ

1.

不作の割には、沢山収穫したレモン。なかなかはけないのだが、テレ
ビを見ていると。電子レンジを使うとぐっと重宝で有効二使えるとい
うことでネットサーフィングすると数分で両機で来た。この速度は適
正かというとクエスチョンだが、『ゼロ・ウエスト・デザイン』をシリ
ーズ掲載することはジャヤスト・インである。

 

【再エネ革命渦論 89: アフターコロナ時代 290】

>【ウイルス解体新書 161】


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序 章 ウイルスとは何か
第1章 ウイルス現象学

第2章 COVID-19パンデミックとは何だったのか
第3章 パンデミック戦略「後手の先」
終 章 備えあれば憂いなし
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【上下水道統合事業創生概論①】
第3章 パンデミック戦略「後手の先」
第1節 新型コロナパンデミックから生まれたもの
1-1 進化する感染判定技術装置
1-2 予防技術
1-3 タッチレス事業
1-4 下水中の新型コロナウイルス濃度測定及び感染者数推定
1-4-1 下水中の新型コロナウイルス濃度から感染者数を推定す
 るための数理モデルを構築 ▶2021.6.10 国立研究開発法人日本医療
  研究開発機構
東北大学らの研究グループは、COVID-19が猛威を振るう中、下水中の新
型コロナウイルス遺伝子を検出することで感染流行を早期検知する下
水疫学に期待が寄せられてきたが、下水中の新型コロナウイルス濃度
から下水集水域の感染者数を推定するための数理モデルを構築。本数
理モデルは、陽性診断者数から下水中の新型コロナウイルス排出量及
び排出者数(感染者数)を推定するものであり、下水中の新型コロナ
ウイルス濃度から排出者数(感染者数)を逆算。


図1.東京都における陽性診断者数の移動平均値(7日間)、及び本
研究で構築した数理モデルを用いて計算した下水中新型コロナウイル
ス排出量と排出者数(感染者数)推定値。糞便中への排出は発症の2
日前に始まると仮定。

1-4-1 高度下水水質検査方法及び数理モデル利用事業化案
新型コロナウイルス濃度から感染強度推定数理モデルを構築できた後
は、ウイルス全般及び各種細菌もしくは各所病原菌及び細菌類さらに
は成人病及び感染症に関連する的排出物質濃度を測定及びインパ
クト測定・模擬化システムを構築し地域住民の生命・生活維持及び健
康保全推進に役立てる事業を創生する。

1-4-2 上下水道カップリング事業(案)

 
画像:極東極楽:via 盛岡首長市移転構想シリーズ(参考)

高度下水処理システムを事業化することで、飲料水や有価資源
の再利用化させることで総合的な6次産業用に供給しながらカー
ボンゼロ社会(SDGs)を構築し創生するというプランである。
下記にその概要を参考に再掲載する。(参考)
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 世界初の下水処理水の上水道整備
下水処理水は都市金鉱である」の命題のもと、『環境配慮型下水ク
ローズ・システム』(非開示)を考えた。下水道は原則的には生活排
水・雨水を対象とする(反社会的な経済行為で薬物、工場廃液など流
入、新型コロナウイルスパンデミックに代表されるウイルス・細菌・
遺伝子編集物質、あるいは原子力発電事故からの放射性物質などの危
険物質の混入も想定される)。
技術的側面の骨子は、①前処理、生物学的処理、高度処理処理は既存
技術を適用。②処理過程から排出する物質は分別リサイクルか燃焼し
廃熱は、エネルギー・熱温水変換し、排出二酸化炭素は回収し、炭化
水素原料に、あるいは変成➲再生エネ水素添加し、メタンガスとし
てエネルギー変換する。③新技術は、燃焼灰(ash)は、アルミ・マグ
ネシウム・カルシウム・シリカなどの酸化物あるいは塩化物や金・銀・
白金・レアアース等として回収する。具体例としては下記の「流体殺
菌装置」の2例を参考掲載がある。2例目の「無機水溶物」を下水処
理からリサイクルミネラルとしてい再使用することが特徴である。な
お、生物処理の微生物には細胞表面に重金属類を取り込む(吸着)特
性があるので放射性物質はこのプロセスで除外する(要実証)。なお
安全性が確認出来れば、排出される燃焼前のスラッジを乾燥し、用途
別に同施設から排出されるミネラル成分を自動選別・混合し堆肥化も
可能である(「共通化」事業とし下水向け自動排出物質検査方法及び
装置の開発も課題)。
via 極東極楽 2021.9.7 盛岡首長市移転構想 ㉛ 環境配慮型インフラ
整備指針 ④
 特開2021-41382 流体殺菌装置
【概要】従来、内部を流れる水などの液体に紫外光を照射して殺菌を
行う流体殺菌装置が知られている(特表2016-511138)。殺菌対象で
ある液体が流れる水路と、水路の長さ方向の一端の開口部に取り付け
られた、水路内の流体に紫外光を照射するLEDを収容するLEDホ
ルダとを備える。LEDホルダにおいて、LEDは紫外光を透過する
キャップ状の窓に覆われており、その窓によって水路内の液体が流れ
る空間と隔てられている。しかしながら、LEDホルダの窓に水路内
の液体が接触するものの、紫外光を透過する材料からなる窓の熱伝導
率は高くないと考えられるため、LEDにおいて生じた熱を水路内の
液体に効率的に逃がすことができない。そのため、LEDの動作時の
温度上昇により、発光強度の低下や寿命の短縮を招くおそれがある。
下図のごとく、殺菌対象である液体を流すための流路21を有する流
路管20と、流路管20の長さ方向Lの一端に設けられた開口部24
に嵌め込まれ、流路21内に紫外線を照射する紫外光照射モジュール
10と、を備え、紫外光照射モジュール10が、金属からなる台座
11と、台座11上に設置された紫外光を発する発光素子16と、発
光素子16を覆うように台座11に取り付けられた、光取出口124
を有する金属からなるキャップ12と、光取出口124を覆う透明窓
14とを有し、発光素子16が気密封止され、台座11の一部及びキ
ャップ12が流路21内に露出する、流体殺菌装置1を提供すること
で、内部を流れる水などの液体に紫外光を照射して殺菌を行う流体殺
菌装置であって、紫外光源である発光素子において生じる熱を殺菌対
象である流体に効率的に逃がすことができる構造を有する流体殺菌装
置を提供する。

図2
特開2020-196743 殺菌剤及びその製造方法
【概要】下図1のごとく、海水を原料とする無機成分を含む無機水溶
液を用意する工程と、無機水溶液に、オゾンを混合する、オゾン混合
工程と、オゾンを混合した無機水溶液を撹拌し、バブル発生ノズルを
通過させる、撹拌工程と、を含む、殺菌剤の製造方法であって、オゾ
ン混合工程及び撹拌工程における無機水溶液の温度が、0℃~30℃
であり、オゾン混合工程及び撹拌工程で処理される無機水溶液の量を
Xリットル、オゾン混合工程及び撹拌工程の処理速度をYリットル/
分とするとき、オゾン混合工程及び撹拌工程を、A・X/Y分間(A
は、30以上)、交互に繰り返して実施することにより殺菌剤を製造
する、殺菌剤の製造方法で、微生物を殺菌するための、殺菌能力の高
い殺菌剤の製造方法を提供する。

【符号の説明】  1  殺菌剤製造装置  3  貯留槽(貯水槽)  5  
マイクロバブル発生装置  13  モータ  15  ポンプ  17  吸引
口  21  気体吸引路  23  オゾン供給手段  27  接続路  29
オゾン溶解装置  31  密閉容器  33  流入管  41  流出管 
43  流出口  43F  フランジ部材  47  接続路(接続管)
49  バブル発生ノズル  50 熱交換器 51  ノズル本体

さらに、処理水は、用途別にグレードアップし、飲料水としてリサイ
クルするが、例えば、最終クラスとして、インカレートした『ノンギ
ャップ機能性グラフェン膜装置及び超純水製造方法』(非開示)とし
リサイクルする技術の他、「丘育ちサーモン」の実例のように、『畜
養向け用水製造』(非開示)もオプションとしてあり、新新市長全体
が「地産地消」であり「地域循環型共生圏」でもある最先端首長都市
的側面をもっている。
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【最後の読書録 Ⅳ】
 

新・国債の真実―99%の日本人がわかっていない
目次
はじめに

1章 まず「これ」を知らなくては始まらない―そもそも「国債」っ 
  て何だろう?(企業は金を借りて運営する、国も同じ;政府は予算 
  を立て、「足りない額の国債」を発行する ほか)
2章 世にはびこる国債のエセ知識―その思い込い込みが危ない(何
  の知識もなく語っている人が多すぎる;「倹約をよしとする」と「
  借金は悪」となる 
ほか)
3章 国債から見えてくる日本経済「本当の姿」―「バカな経済論」
 に惑わされないために(なぜ財務省は「財政破綻する」と騒いで
 いるのか?;財務省ロジックに乗っかる人々もいる ほか)
4章 知っているようで知らない「国債」と「税」の話―結局、何を
 どうすれば経済は上向くのか(経済を「道徳」で考えると、大きく
 見誤る;政府がお金を使うということは、国内にお金を巡らせるこ
 と ほか)
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第4章 知っているようで知らない「国債」と「税」の話

経済を「道徳」で考えると、
大きく見誤る

 私は大学で教鞭をとっているが、学生にマクロ経済を教えるときに
は一見、不道徳に見える経済政策を理解させなくてはいけないことが
ある。
 そういうときに使うのが、2章でも説明した「合成の誤謬」
(P.49)という経済学の考え方だ。個人レベルでは正しいことでも、
みんながやったら困る、という考え方である。経済を国全体、社会全
体でとらえるマクロ経済学では、この考え方を理解しないと話になら
ない。個人の真面目さ、道徳心につけこむのは、財務省のもっとも得
意とするところなのだ。実際、現職の政治家のなかでも、すでに財務
省の論法にからめとられていると見える人が、多数いる。
 増税ロジックに乗せられないためにも、国債というものを通じ、金
融政策、財政政策のリテラシーをもっと高めておくに越したことはな
いだろう。つねにミクロではなく、マクロで考えるクセをつければ、
どういう政策なら経済が上向くのかも、自分の頭でわかるようになる。
 
マクロ経済学ではとかく個人レベルの道徳心は邪魔になる。そう言し
ていいだろう。そのためか、ポール・クルーグマンやクリストファー
・シムズなど海外のマクロ経済学者は、たびたび「経済政策は無責任
にやるものだ.。いったいいかたをする。つまり個人レベルの道徳心
など、経済政策に持ち込むなということだ。言葉尻だけとらえれば「
無責任では困る」となりそうだが、根っこでは前に述べた「合成の誤
謬」を考慮しているのだ。 そう思えば、真意がわかるだろう。経済
を道徳で考えるくらいなら、無責任になったほうがいい。彼らはそう
いう皮肉をいっているわけだ。個人レベルの道徳で考える人には無責
任に見えても、本当はガチンコで真面目に経済という金融政策の「合
わせ技」が必要なのだ。
 政府はせっせと国債を発行し、日銀はせっせと民間金融機関から国
債を買えばいいのである
 公共事業には、いわゆる「ハコモノ行政」をはじめ、無駄遣いをし
ているという批判がつねにある。ただ一方で、今も説明したように、
雇用剔出というメリットがあることも事実だ。財政政策では、この両
方を秤にかけて、より社会貢献度が高い選択肢をとっていくべきなの
である。




政府がお金を使うということは、
国内にお金を巡らせること

 個人ででいえば、飲み食いのために借金をするのはよくない。 
 ただ、経
済全休でいえば、飲み食いそのものは悪いことではない。
 誰かがお金を使えば、それだけお金が世の中を巡り、経済が動くか
らだ。

 まさに「合成の誤謬」で、マクロで考えれば倹約がすべてではなと
なる。国に
おける倹約は、歳出カットだ。それは政府需要の縮小につ
ながるから、私は
つねに歳出カットには慎重な立場である。
   倹約するか、借金をするか、どちらがいいかは、そのときどきの経
済の状
況による。一概に歳出カットがいいわけでもないし、国債を出
すのがいいわ
けでもない。
 たとえば、好景気に沸いているときには、少し経済を冷やすために
歳出
カットをするというのはありうる。世の中でお金がだぶつき、イ
ンフレが加速
しそうなときに歳出カットをすれば、政府需要が下がり
お金のだぶつきを
押さえられる。
  その結果、インフレの加速を防ぐことができる。これは緊縮財政の
常道だ。

 逆に、経済に元気がないときに歳出カットをすれば、経済はますま
す冷え
込んでしまう。ここ数十年来続いているデフレ不況など、まさ
にそうだ。歳出
カットはしない。しかし予算をすべてまかなえるだけ
の税収がない。ここで、
ただでさえ不況で大変な国民の負担増となる
増税など、もってのほかだ。

 したがって、とりうる政策は国債発行となる。
 国の借金は、広く世の中にお金を回すための借金だ。お金を貸せる
機関
や人から借りて、公共投資などの財政支出で広く国民にばらまく。
歳出カッ
トが緊縮財政である、一万、国債発行は財政緩和策の常道な
のだ。

 このように並べてみれば、どちらがいいかは、そのときどきの経済
状況で
異なることもわかるだろう。
 一概に「国債はダメ」「借金はけしからん」という人は、要するに
政府が
借金をしたあと、そのお金をどのように使うかにまで考えが及
んでいないの
だろう。
 世の中には「公共事業をすべてなくせ」などと、極端なことをいう
人もいる。

 一方、私は国債発行や公共事業に肯定的なせいか、「高橋は政府の
無駄
遣いを許している、甘い」などといわれることも多い。
 しかし私は、別に甘いわけではない。ただ国債を発行した場合の「
費用便益」を考
えているだけだ。つまり、国債を発行し、財政支出を
した際に、どれくらいの便益が
社会にもたらされるのかを見ているので
ある。
  支出の効果を考えなくては、支出の良し悪しは判断できない。社会
に対
する便益に舵かれば、国債発行および財政支出が最良策という場
合は、山
ほどある。
 「ハコモノ行政」といわれようと、財政緩和が必要なとき(つまり
世の中にも
っとお金が回ったほうがいいとき)には、迷いなく国債を
発行すればいいの
である。
                                                 この項つづく


   via 極東極楽 2019.12.5



コロナ禍で出生数が急減、このまま我々は手をこまねき「小国」への
途を受容するのか。人口は国力の源である。国際関係の基本構造は、
「大国」が定め、「小国」はその中で生き残る方策を考えるしかない。
人口急減に直面する日本は、一億人国家の維持すら危うい状況にある。
このままでよいのか。本書は、介護保険の立案から施行まで関わり「
ミスター介護保険」と呼ばれた著者が、豊富なデータと学識、政策現
場での深い経験をベースに、危機的な日本の人口問題を正面から論じ
た超大作。 人口問題は、社会経済に深く関係し、国家存亡にも影響を
与える重要テーマ。それだけに我々の価値観に関わる根深い意見対立
も存在する。そこで様々な登場人物が異なる視点から語る小説形式を
とる。政府、政党、国会がどのように関わりながら政策・法案が練ら
れ、諮られていくのか、超リアルなストーリーに沿って、人口問題の
深刻さを知り、解決策の手がかりが得られるまったく新しいタイプの
書籍。 ※本書はフィクションである。登場人物は著者による創作で、
モデルは存在しない。しかし、登場人物が語り、取り組む人口減少問
題の内容は、すべて公開資料に基づく事実である。

『目次』
プロローグ 衝撃の海外レポート
第1章 一億人国家シナリオの行方
第2章 高出生率国と低出生率国の違い
第3章 出生率向上のための「3本柱」
第4章 「地方創生」と「移民政策」
第5章 議論百出の人口戦略法案
第6章 波乱の「人口戦略国会」
エピローグ 「始まり」の終わりか、「終わり」の始まりか

【著者略歴】
山崎 史郎(やまさき しろう、1954年〈昭和29年〉12月17日 - )は、
日本の厚生・厚労官僚。リトアニア国駐箚日本国特命全権大使等を経
て、内閣官房参与(社会保障・人口問題担当)。 
---------------------------------------------------------------------------------------------
第1章 一億人国家シナリオの行方
未来への不安
 野口の報告が終わると、意見交換となった。
 いったん『縮小スパイラル』に陥ると、もう手が付けられない。そ
れまでに何とかしないと、取り返しがつかないことになってしまう。
地方では人口減少が進み、既に『縮小スパイラル』が始圭っています。
どこか突破口を見出せないか、自治体は、同じ境遇の自治体と連絡を
取り合って、生き残る道を模索しています。何とかして、今の少子化
の流れを変えないと……」
 経済学者の片岡が暗い顔をしながら言うと、人口学者の壱岐がこん
な詣を切り出した。
 「あまり聞きたくない詣ですが、人口学の専門家の中には、『少子
化の罠』という仮説を唱える人もいます。これは、出生力がいったん
ある水準を下回ると(たとえば、出生率が1・5未満になると)、自
動的かつ不可逆的な自己減退過程に入り、元の水準に回復することが
難しくなるというものです。日本については、1990年代半ば以降、
長きにわたって出生率がI・5を下回っており、すでに少子化ス。ハ
イラルに陥っているとする見方と、圭だ日本の男女ぱ子どもを持ちた
いという希望が強いのだから、出生力回復の余地があるという見方が
あります」
 日本の未来に希望が持てるのか否かI。壱岐は続けた。
 「結局は、日本国民が、少子化に慣れてしまい、流れに身を任せて
いくのか、それとも、流れに逆らいながらも、人目減少の問題に立ち
向かっていくのか、ということに尽きます」
 すると経営者の古賀が、
 「人目減少は、日本にとって大変な危機です。日本国民ぱ、そのこ
とが分かっているのでしょうか。
まだ人目が減っても、大丈夫と思っているんじやないでしょうか」と
述べたのに対し、社会保障研究、つまり国民も、少子化が進む未来に
不安を抱いているのです。だから、『子どもを生み、育てることにに
よる負担は社会全体で支えるべき』という考え方に、92・3%もの人
が賛成しているのです」
 小川の話に一番強く反応したのが、片岡だった。
 「その点では、政府は、国民の不安に応えきれていないと思わざる
を得ませんね。人口減少対策にしっかりと取り組んでほしい、という
のが国民の総意なんですよ」
 片岡の視線の先にいだのは、百瀬だった。
 「政府も、待ったなしの最重要課題だと思っています」
 前回と同様に、百瀬のコメントは国会答弁のようであった。百瀬は、
自分の頭の中で、明確かつ自分自身も納得できるような答えが思い浮
かばない時には、そうした答え方をするクセがめった。「クセ」とい
うよりぱ、そういう対応しかしようがなかった、というのが正しいの
かもしれない。こうして、この目の勉強会も終わった。

 出生率の「勝ち組」と「負け組」
 I週間後に開催された第4回会合のテーマは、世界の主要国の人口
動向と将来展望であった。引き続き、壱岐から報告があった。
世界各国の出生率は、図(l-9)のように、全体としては時代の推
移とともに低下していく傾向にある。ただし、よく見ると、それぞれ
の国は特有の動きをしている。国によって出生率の動向が大きく異な
る理由については、専門家の間でもいろいろな見解が
ある。社会・経
済・文化など多様な要素が問わっていると考えられているが各国政府
が人口問題にどのように取り組んできたか、という政策面(家族政策
にょる各国政府の介入の仕方)の影響も大きいとされている。たとえ
ばフランスである。フランスの人口をめぐる歴史は非常に古い。18
70年の普仏敵争でドイツ(プロイセン)に大敗した原因を、両国の
青壮年人口の規模や出生率の違いだと認識し、強い危機感によって、
人口問題に取り組み始めたのは有名な話である。その後もフランスの
出生率は低下し続け、第T次世界大戦による敵死者やスペイン風邪の
流行によって、1916年にはなんと1・23まで低下した。100年
以上も前に、現在の日本よりも低い出生率を組験したのである。それ
以降長きにわたり、フランスは国をあげて出生率回復に取り組み続け、
社会変化に対応しながら、必要とされる政策を考え00にまで回復した
のである。実行してきた。そして、ついに2008年に、出生率は2
また、図(1-9)をよく見ると各国の出生率は、1970年代から
全体として低下し始めているものの、1980年頃までは各国の差は
あまりなかったことが分かる。差が拡大し始めたのは1980年代後
半以降である。たとえば、スウェーデンやフランスの出生率は、いっ
たん下がりながらも、1980年代後半から再び回復した。これは
1970年代以降、育児休業制度や保育制度といった、仕事と育児の
両立支援策に力を注いできた効果が大きいとされている。その結果、
これらの国は現在も1・資料:諸外国の数値は2059年まで" Uni↑ed
Notions “Demo9rophic Yeorbook
" 等、1960~2018年はOECD9Fomily Do
↑d)ose、2019年は各国統計, 日本の数値は厚生労働省「人口動態統計」
を基に作成
注:2019年のフランスの数値は暫定植となっている。 2020
年は、フランス1.83(暫定値)、アメリカ1.64
(暫定値)、スウェーデン1
.66、イギリス1.60(暫定値)、イタリア1.24(暫定値)となっている。

                         この項つづく


Jhon Lennon  Imagine




作詞&作曲:吉 幾三

涙には幾つもの 想い出がある
心にも幾つかの 傷もある
ひとり酒 手酌酒 演歌を聞きながら
ホロリ酒 そんな夜も
たまにゃ なァいいさ
あの頃を振り返りゃ 夢積む船で
荒波に向ってた 二人して
男酒 手酌酒
演歌を聞きながら
なァ酒よ お前には ......

「酒よ」(さけよ)は、吉幾三が1988年に発表したシングル。
1989年
度のJASRAC賞で金賞を受賞しているほか、本作で1988年全日本有線放
送大賞グランプリを受賞。 吉幾三として「雪國」に次ぐヒット作であり、本作
で演歌歌手としての地位を確立。



PS. S君への手紙
無茶苦茶忙しかったなぁ。世間はバブルとやらで、デジタル革命が爆発で。
よく飲み、よく歌ったあの日々は....

● 今夜の寸評:(いまを一声に託す)今できることを少しずつ
Advance little by little, starting with the things you can do now.


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