極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

ハードナッツな三三七拍子

2014年07月30日 | 時事書評

 

  

● 致命的な4ヶ月間の"外交空白"―ウクライナ紛争

米国の対ロシア・プロパガンダと攻撃を煽ることで、欧州諸国政府と欧米マスコミは、世界を危機に追
いやっている。米国
は、イラクのサダム・フセイン、アフガニスタンのタリバン、リビアのカダフィ、
シリアのアサド、ベネズエラのチャベス、さらにはイランの悪魔化に成功させてきたと同様に、新たな
ヒトラー、スターリンが率いる、危険な攻撃的な国として、ロシアを悪魔化するための見え透いたウソ
を利用するのに成功。
本当の悪魔達、クリントン、ブッシュ、オバマ、つまり“例外的で必要欠くべか
らざる人々”は、悪魔化の対象にならず済む。連中の恐ろしい本物の犯罪は人目につかないまま、虚構
の犯罪が、例外的ではなく、必ずしも必要ではない国民や国家のせいにされてしまう(2014.07.28「
米の無頓着さによって、世界は破滅を運命づけられている
」,マスコミに載らない海外記事,"The World
Is Doomed By Western Insouciance don’t expect to live much longer",  Paul Craig Roberts
)――との記事が目に
とまる。ことの起こりは、2013年11月のヤヌコーヴィチ政権が欧州連合との政治・貿易協定の調印の見
送りを契機に、親欧米派や民族主義政党全ウクライナ連合「自由」や右派セクターなどの野党勢力など
による反政府運動が勃発し、親欧米派の暴力的な示威行為で親露派のヤヌコーヴィッチ政権が崩壊した
ことにあるが、3月1日にロシア上院がクリミアへの軍事介入を承認し、ウラディミール・プーチン大
統領がクリミア半島に本格的に軍事介入を開始した4ヶ月間に、オレクサンドル・トゥルチノフ大統領
代行とアルセニー・ヤツェニュク首相の新政権とウラディミール・プーチン大統領が直ちに、直接会談
を行わなかったことに今日の紛争拡大の原因、つまり、"外交空白"にあり、そこでは、"全ての軍事的機
構の不活化と武器使用の停止"の締結を最優先事項として話されるべきだったとわたし(たち)は考えて
いる。掛け違ったボタンの代償は余りに大きい。

        

 "The Road to Moscow Goes Through Kiev: A Coup d’Etat That Threatens Russia", 2014.02.25

  

● 経済数値情報に騙されない方法

高橋洋一は元気だ。ダイヤモンド・オンラインの「高橋洋一の俗論を撃つ!」の"政府の景気判断「上方
修正」に疑義あり"(2014.07.24)ではこう結論している――
しかし、はじめの3つの図(下図参照)か
ら言えることは、今のところ、消費、企業設備、住宅投資ともに、過去2回の増税時より下回っている
とだ。しかも、今回の景気パターンは1997年と似ているような兆候もでている。マスコミ報道をみて
いると、景気が悪くなりつつあるというものはあまりない。「~について、2
ヵ月間上昇」と先に書い
たものは、内閣府が10日発表した景気ウォッチャー調査だ。内閣府の説明資料
に、「6月の現状判断DI
は、前月比2.6ポイント上昇の47.7となり、2ヵ月連続で上昇した」「景気
は、緩やかな回復基調が続
いており、消費税率引上げに伴う駆込み需要の反動減の影響も薄れつつある
」と書かれていることから、
その部分だけを、そのまま引用した報道が多かった。その裏には、どうも
、財務省が年末に決めるとさ
れる10%への消費税再増税ではなく、さらなる次の消費税増税に向けて動
き出したらしいといううわさ
がある。(略)
増税反対と言わないまでも、増税に関して黙らせるという効果がある。新聞業界は軽減
税率欲しさで、消費税についてまともな報道を期待できない。本コラムでも、新聞業界と軽減税率の密
接な関係は何度も指摘してきたから、ご存じであろう。財務省も、財政再建なんて増税の口実で、本当
のところは「歳出権の拡大」、つまり集めて使いだけなのだ。こうした状況では、景気の落ち込みも、
政治家を含む使いたい人たちにとっては、予算拡大のチャンスと映る。そのための仕掛けも、こっそり
盛り込まれている。実は、6月24日閣議決定された「骨太の方針」には、13日の素案になかった言葉が
こっそりと入っている。「ローカル・アベノミクス」だ――と述べ「消費」「住宅」「機械受注」のト
リプル悪化を下図のように解説していた。

目新しい言葉に「ローカル・アベノミクス」が出ていたので注目したが、成長戦略の第2段として、ロ
ーカル経済圏を直接のターゲットとした、次のような3段階プロセスをもつ活性化策(有効需要の創出)
のようだ。第1段階で、地域資源の魅力向上(プレミアム化)を図り、それぞれの地域にある農林水産
品や観光資源、伝統・文化などの「強み」が発展を牽引できるようバージョンアップさせる(Attraction)。
続いて、内外の市場への橋渡し(消費喚起)が第2段階で、進化した地域資源が消費者やマーケットで
高く評価されるよう売り込む作業(Bridge)。第3段階では、地域全体のコミットメント(好循環を支
える体制)を構築し、地域資源を持続的に展開する自治体の広域連携や「伴走型」による国の支援体制
の確立(Engagement)というのだが(2014.06.26 BLOGOS "「ローカル・アベノミクス」を提言" )、
これで、勤労者の所得が増えれば、景気は一気に浮上するが、当面は諸々のことを勘案して"横ばい推移"
というのがわたしの景況感。

 

● ハードナッツな三三七拍子

"月九"の「HERO」 が好発進だとか(『地上の星☆HERO』)。でも、"火九”の『あすなろ三三七
拍子』もなかなかいい。この番組は重松清による日本の小説、2005年2月から2006年4月まで『サンデ
ー毎日』(毎日新聞社)に連載されたものを
テレビドラマ化し、2014年7月から放送されている。45歳
の中年サラリーマン藤巻大介が、廃部の危機に陥った翌檜(あすなろ)大学の応援団団長に同大学OBの
社長からの命令で就任、応援団の再建に賭けた悪戦苦闘を描いた青春群像劇ということだが、第58代副

団長にしてチアリーダー部部長の葉月玲奈役の高畑充希に注目しているが、彼女の魅力は、決して美人
タイプ(目が比較的大きい)ではないが、"静かなる頑張り屋さん"的オーラーっと表現していいのかわ
からない魅力に強く惹かれている。と言うと、フェミニズム論研究室のゼミ生で団員の松下沙耶役の
力彩芽
も可憐で繊細だが心は強い"やまとなでしこ"的な魅力と共通してはいるが、そのキャラの幅の広
さが彼女の魅力として映る。
 

  

ところがである。この時間が終わると 『ハードナッツ! ~数学girlの恋する事件簿~』が再放送されて
いて非常に忙しいことになる(
2014年6月24日から8月12日までNHK総合テレビジョン「ドラマ10」枠内
で放送)。連続テレビ小説『あまちゃん』で助演した橋本愛の連続テレビドラマ初主演作で、キャッチ
コピーは「犯人は、この数式通りに動く」―コミュニケーション能力には乏しいが、天才的な数学の才
能を持つ東都大学数学科の大学生・難波くるみが、テロや殺人などの様々な難事件を、数学を使って推
理していくという痛快サスペンスミステリー仕立て―でタイトルの「ハードナッツ (Hard Nuts) 」は、
「難問」「変わり者」などの意味を持つが、主人公・難波くるみの雰囲気を引き出すように、音楽担当
者が『くるみ割り人形』の曲が挿入される。

難波くるみは、東都大学数学科の学生。大学の寮で1人暮らし。師事する森崎教授が長期出張なのをい
いことに教授の研究室を私物化。町工場を営んでいた父が亡くなった原因を作ったある大企業に復讐す
るために数学を学んでいる。いかさまポーカー賭博で300万円の借金を負うも、伴田(初音署の刑事)
に教えられた手法を利用し大勝。伴田を気に入り、彼との今後の進展の確率を予想したり、計量文献学
を利用した「完璧なラブレター」を書いては妄想に耽るが滑舌が悪いという役所。福山雅治が主演じる
『ガリレオ』が物理学者(教授)であったが、こちらも統計学を駆使しハードナッツに挑むというドラ
マ展開も非常に面白いものとなっている。ということで、月・火とフジテレビの"一人勝ち"というとこ
ろが吾が部屋の視聴率実態である。

計量文献学:近年のパソコンをはじめとするデータ処理機器の発達と、多変量解析などを中心とする
統計手法
の進歩に伴い、著者や成立時期などが不明の文献に対し、文の長さ、詞の使用率、単語の使用
率などを計量分
析することにより、そのような問題の解決を試みる新しい文献研究の分野が確立されつ
つある。これまで、『新
約聖書』の中の「パウロの書簡」、『源氏物語』、『ジュニアス・レター』、
連邦主義者』、『紅楼夢』など多くの重要
な著作物が分析されており、それらの研究を通じて、文献の
計量分析における問題点が次第に明らかにされてき
ている。

 

 

   

【遺伝子組み換え作物論 ⅩⅠ】 

 

 


                            弟5章 遺伝子組み換え作物の危険性

  
  広がるスーパー雑草

 
  除草剤耐性作物と雑草の間でも、遺伝子の水平転位や交雑が起こる。すでに除草剤に耐性をもつ

 雑草が誕生し、「スーパー雑草」と呼ばれている。農家はこうした雑草を駆除するため、かつて使
 用していた強力な除草剤を混ぜて散布している。マーチン・エントス教授(カナダ・マニトバ州立
 大
学・農学部)は次のように指摘する。                     、
 
 「予想以上の早さでスーパー雑草が広がっており、もはや制御することは不可能だ。遺伝子組み

 換え技術がもたらした副作用が、我々に警告を発しているのだ」
  カナダの法学者マーチン・フィリプソンも、スーパー雑草の誕生は「必然的」だと考えている。
  「モンサント社は、遺伝子組み換え技術の影響に対してどのように責任を取るのだろうか。カナ
 ダの農家は、自分が栽培していない遺伝子組み換えナタネを取り除くため、何万ドルもの費用をか
 けている。しかも農家は、遺伝子組み換え作物を枯らすために、もっと強力な除草剤を使わなけれ
 ばならないが、モンサント社は何の責任も感じていないようだ」
 さらに問題なのはヽスーパー雑草が複数の除草剤に耐性をもつようになったことだ。雑草や自生す
 る作物(前年に栽培されたが収穫されずに地面に落ちて、翌年、発芽・成長した作物)に遺伝子が
 転位して複数の除草剤に耐性をもつようになった。三種類以上の除草剤に耐性をもつ遺伝子組み換
 えナタネもめずらしくない。カナダや米国では、遺伝子組み換え作物の商業栽培が始まってわずか
 3~4年で、多種類の除草剤に耐性をもつ雑草が出現した。
 
  こうして遺伝子組み換え技術によって生まれた怪物が、その正体を現すのに時間はかからなかっ
 た。ところが、「英国土壌協会」によれば「様々な証拠があるにも関わらず、バイテク産業ぱくり
 返し問題を否定していた」という。
  米国では、除草剤「ラウンドアップ」に耐性をもつ雑草が、遺伝子組み換え吉見や綿の畑に出現
 して問題になっている。たとえば多産系の雑草「ヒメムカシヨモギ」が除草剤ラウンドアップに耐
 性をもつようになり、さらにその種子が風に乗って飛ばされて、デラウェア、テネシー、インディ
 アナ、オハイオの若州で生育が確認されている。テネシー州の西部にある大豆畑だけでも20万エ
 ーカーに広がっており、同州の綿畑の36%でスーパー雑草が確認されている。「デルタ農業新聞」
 のウェブサイトによれば、ラウンドアップの主成分である。"グリホサート" に耐性をもつ雑草の
 種類は、どんどん増えている。ウォーターヘンプ、ボウムギ、ヒメムカシヨモギ、イタリアンレイ
 グラス、ベルベットリーフなどの雑草が耐性をもつようになっており、ブタクサにもその傾向が見
 られる」

  ある独立機関の調査では、米国の農場の17%に除草剤耐性雑草が広がっているという深刻な情
 況を伝えている。また、農場管理者に対する調査によると、46%が「最大の関心事は、ラウンド
 アップに耐性をもつ雑草を駆除することである」と答えている。
  問題はモンサント社の除草剤「ラウンドアップ」(グリホサート)にとどまらない。「グルホシ
 ネ ート」を主成分とするバイエル社の除草剤に対しても耐性をもつ雑草が誕生している。しかも、
 除草剤に耐性をもつ雑草は北米だけでなく、西オーストラリア州でも大きな問題になっている。
 



Texas Tries Last-Ditch Attack on Super Weed - WSJ, 2014.06.19

   有機農業の終焉

 
  バイテク産業は、遺伝子組み換え作物と一般の作物とが「共存」できると主張する。しかし、現

 実を見ると「共存」という理念は冗談でしかないことを示している。遺伝子組み換え作物は、何マ
 イルも離れた土地で生産される有機農産物や野生の近親種さえも汚染する。「その国や地方で生産
 される作物の10%が遺伝子組み換えになり、交雑や混入が起きたら、もはや有機農産物としては
 認証されなくなるだろう」と欧州委員会の報告書も指摘する。米国で2004年3月に発表された
 調査も、「3分の2以上の一般種に、遺伝子組み換え作物が混入していた」と報告している。

  英国の調査によれば、「もし英国内でも遺伝子組み換え作物の商業栽培が始まれば、分別管理を

 行なわなければならないため、一般種や有機農産物の価格が四一%も上昇する」と予測されている。
 オーストラリアでも市民団体「遺伝子倫理ネットワーク」の代表ボブ・フェルプスが試算したとこ
 ろ、「作物の生産と物流を分別管理し、しかも遺伝子組み換えでないと検査で証明するための費用
 として、農家は10%~15%も負担が増える」と指摘する。結局、混入が起きれば、消費者が遺
 伝子組み換え作物を受け入れていない中束、欧州、アジアの輸出市場を農家は失うことになるだろ。


  バイテク産業は、「農家には、遺伝子組み換え作物を選び、生産する権利がある」と主張する。
 しかし遺伝子組み換え作物が広がれば、短期間のうちにすべての一般種や有機農産物にも混入する
 ため、「農家は、遺伝子組み換え作物しか生産できなくなる」のだ。そしてこの現実こそ、バイテ
 ク企業にとって、遺伝子組み換え作物が魅力ある商品である理由なのだ。
  現在、有機農産物の世界的な販売高は、遺伝子組み換え種子の販売高の7倍以上もある。200
 5五年時点で、遺伝子組み換え種子の販売高は約50億ドルだが、有機農産物や食品の販売高は有
 機食品販売高は約37億ドルに達し、需要も急増している。国政府の試算によれば、「有機農産物
 が環境と健康にもたらす価値は1ヘクタールあたり百ポンドに相当する」という。しかも、ドイツ
 では有機農業の広がりによって関連事業を含めて15万人の職を生みだしているが、バイテク農業
 に関わるのは2000人しかいないのだ、


   減少する作物の多様性


  すでに、遺伝子組み換え作物の種子は、一般に流通している種子の中に大量に混入している。さ

 らに問題なのは、その土地の農民が何世代にもわたって育ててきた在来種の中にも混入し始めたこ
 とだ。メキシコでは、貴重な在来種との交雑が発見された。2003年にはメキシコの9つの州で、
 在来種のトウモロコシの24%に遺伝子が転位していることが発見された。交雑の割合いは低くて
 5%、高いものでは33・3%もあった。国際環境NGO「グリーンピース」によれば、原因の一
 つは「毎年5百万トンもの米国産トウモロコシがメキシコ国内に輸入されている」ためである。  
  輸入トウモロコシの3分の1は、モンサント社の遺伝子組み換え品種である。野生の作物には、
 まだ確認されていない有益な特徴を備えている可能性がある。ところが遺伝子組み換え作物と交雑
 してしまえば、10年以内にその形質は消え失せてしまうと予測される。その土地固有の在来種が、
 一瞬こして消えてしまうのだ。

  すでに、農作物における生物多様性は危機に瀕している。多国籍の種子企業が各地方の種子会社

 を買収して、在来種にかわって彼らが開発した品種を販売しているためだ。「英国土壌協会」によ
 れば、1900年には北米に2千もの種子会社が存在したが、現在、残っているのは2百社もない。
  その結果、農家が選べる種子の種類も世界中で滅少している。1900年に存在していた種子の
 うち、すでに75%が消えてしまった。その土地の条件に適応した様々な品種を失ってしまったの
 である。こうして遺伝子組み換え作物は、今後もさらに在来種を消滅させていくことになる。


                     リーズ、アンディ 著 『遺伝子組み換え食品の真実』

                                      この項つづく
 
 

 

 

 

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すっかり包囲された世界

2014年07月29日 | EMF安全保障

 

 

 

   

 

【遺伝子組み換え作物論 Ⅹ】 

さて今夜からいよいよ第4章から第5章に入ることになり「遺伝子組み換え作物の安全性」について科
学のメスを入れることになるが、「遺伝子組み換え作物にすっかり包囲された世界」を考えることは、
ここ当分睡眠不足な日々となるは必至かも?いざ、吾一騎にて、中央突破せんってか、 ^^;。

                            第4章 バイテク産業のずさんな論理

  (11) 遺伝子組み換え作物は、環境に優しい?

  遺伝子組み換え作物の開発に取り組む「スコットランド作物研究所(SCRI)」のマイケル・
 ウィルソン教授は、1997年に次のように語っている。

  「2050年には百億人を超えると予測される世界の人口を養うためには、手つかずの森林、荒
 野辺境の土地を3900万ヘクタールも開墾して、農薬を利用した耕作地に変えなければならない。
 これから増える50億人分もの食料を確保しつつ環境問題を解決するためには、遺伝子組み換え作
 物が最も重要となる。 
  
  ところが、遺伝子組み換え作物を導入したアルゼンチンでは、彼の主張とは正反対の事件が起き
 ている。動植物の生息地は、遺伝子組み換え大兄の畑になってしまった。広大な大草原と教十万ヘ
 クタールの森林が消滅し、かつてない規模で洪水が起きている。しかもアルゼンチンでは、遺伝子
 組み換え作物が導入される前と比べて、10倍もの量のグリホサートを主成分とする除草剤が使用
 されるようになった。
 
  ジユールズ・プレティ教授(英国エセックス大学・環境社会学部)は次のように指摘する。
  「途上国で農業経験がある人々にとっては、遺伝子組み換え作物が環境に優しいという主張がば
 かげていることは明らかだ。農家が畑を上手に管理して持続可能な農法に切り替え、経費を節約し
 て収穫量を増加させるのを、私たちは何度も見てきた。たとえばメキシコの小規模なコーヒー生産
 農家10万戸は、完全に有機農業へと切り替えたことで、収穫量を50%も増加させたのだ」
 途上国に遺伝子組み換え作物を導入することは、先進国よりも、もっと大きな問題を引き起こす。

  「英国王立野鳥保護協会(RSPB)」の事務局長グラハム・ウィンは次のように指摘する。
  「強力な除草剤を使用して、すべての雑草を畑から駆除してしまえば、農地から野生生物がいな
 くなり、すでに滅少している鳥や植物までも絶滅させてしまう」

 

   英国政府の環境諮問団体「イングリッシュ・ネイチャー」が2003年に発表した研究では、遺
 伝子組み換えナタネや甜菜を導入すれば、ヒバリなどの野鳥は20年で絶滅するだろうと指摘する。
  それでもバイテク産業は、「遺伝子組み換え作物を導入すれば、不耕起栽培を広めるので環境に
 よい」と主張するが、これも都合のいい主張である。「米国農務省(USDA)」の報告書でも、
 「除草剤耐性の種子を導入したことによって、さほど不耕起栽培は増加していない」と伝えている
 のだ。不耕起栽培は、畑をほとんど耕さないまま種をまき、農作物を栽培する農法なので、土壌の
 流出を防ぐと言われ、米国中西部のコーンベルト地帯を中心に広がっている。確かに、畑を耕せば
 雑草をすき込むことで除草効果はあるが、土壌が流出しやすくなる。だからといって、遺伝子組み
 換え作物を導入して除草剤を使うことが、環境に優しいとは決して言えないはずだ。

 

 

  「遺伝子組み換え作物によって、農民は痩せた土地も利用できるようになるため、森林や貴重な 
 生態系を守ることができる」という主張も根拠がない。現在、栽培されている遺伝子組み換え作物
 の70%は除草剤耐性であり、その他、30%が害虫抵抗性である。いずれも、農民が痩せた土地
 を活用するためには役立だない。そもそも、干ばつ耐性作物をつくりだすためには多数の遺伝子が
 関係しているので、非常に困難であると多くの研究者は考えている。

  その一方で、遺伝子組み換え技術を用いなくても数多くの解決策が存在する。洪水や干ばつ、塩
 分に耐性をもつ在来種のイネは何百種もあるのだ。
  痩せた土地を再生させる、有機農法や持続可能な農法も数多く存在する。ジュールズ・プレティ
 教授は次のように指摘する。

 「持続可能な農法とは、土壌を流出させずに、土壌の物理性(硬度、排水性、通気性など)、有機
 物含
有量、保水性、養分バランスを改良することから始まるのだ」
  途上国の有機農家は、土壌を安定させるために、樹木、流木、豆科植物を使う。土壌の養分を補
 うために糞や堆肥を与え、土壌流出を防いで地下水を保全するために土止めをしたり、ごく小さな
 ダムをつくる。中米に位置するホンジュラスでは、成長が早いため雑草の育成を抑える「ムクナ豆
 (八升豆)」を植えることで、急角度の斜面にある劣化した土壌を2~3年で肥沃で耕作可能な土
 地
に変えた。マメ科の植物は、空気中に存在する窒素を固定して土中に排出するため土地を肥沃に
 す
る。豆を採った後には、ムクナ豆の業で覆われた土地にトウモロコシを植える。やがては、両方
 の
作物が一緒に成長するため、穀物の収穫量はすぐに2倍から3倍に増加する。

  そもそも、痩せた土地を利用することは、バイテク産業が頭の中で考えているより、もっと複雑
 な問題を抱えている。ところが、土地を大規模に開拓すれば、結局、その地に位む多くの農民を都
 市に移住させ、代わりに土地を購入した多国籍企業が、換金作物を栽培することになる。すでにブ
 ラジルでは、自給自足的な農業を営む農家のすべての土地より広大な面積の土地を、多国籍企業が
 所有しているのである。



  (13)「ゴールデンライス」は、ビタミンA欠乏症を解決する?

  「ゴールデンライス」(ビタミンA強化米)は欧州で開発されてアジアで登場した。フィリピン
 のマニラにある「国際稲研究所(IRRI)」Tンンジェンタ社」「ロックフェラー財団」が、最
 初の研究用サンプルを発表したのは2001年1月だった。「ゴールデンライス」は遺伝子組み換
 えによってベータカロチンの含有量を増やしているため、体内で分解されてビタミンAになる。そ
 こで、バイテク産業のロビー団体は、「ゴールデンライス」によってビタミンA欠乏症を解決する
 とアピールしてきた。ビタミンA欠乏症は、おもに途上国にいる1位2400万人の子どもたちに
 起きており、年間百万人が死亡し、さらに50万人が回復不可能な失明状態にある。しかし、本来
 ならもっと別な方法で解決できる問題なのである。

  しかも、バイテク産業によるこの誇大広告は、滑稽である。なぜならゴールデンライスは、わず
 かしかビタミンAを含んでいなかったからだ。成人が必要量を摂取するためには、調理した米を毎
 日9キロも食べなければならないのである。もっと現実的な選択をするのなら、果実、野菜、葉物
 野菜の方が「ゴールデンライス」の数百倍のビタミンAを含んでいるし、自分の裏庭で育てること
 もできる。コリアンダー、ナンバンサイカチ、カレーリーフなら、百グラムにつき14000マイ
 クログラムのベータカロチンを含んでいる。ところが「ゴールデンライス」に含まれているべータ
 カロチンは、百グラムにつき30マイクログラムしかないのである。一般のコメである「赤米」で
 さえ、もっと多くのベータカロチンを含んでいる。

 「この計画は、意図的に提遺された誇大広告である」と、国際環境NGO「グリーンピース」の
 国際コーディネーターだったベネディクト・ヘーリンは批判する。「ゴールデンライス」計画の創
 始者の一人である「ロックフェラー財団」の理事長でさえ、「ゴールデンライスをめぐる宣伝は行
 
き過ぎだった。私たちは、ゴールデンライスがビタミンA欠乏症の解決策とは考えていない」と語
 っている。
  国際環境NGO「グリーンピース」のマイケル・クーも次のように批判する。
  「ゴールデンライスによって、子どもの失明問題は解決できない。これはバイテク企業の印象を
 よくして、遺伝子組み換え作物を消費者に受け入れさせるための宣伝材料なのである」
 「貧困層に食料化供給する」とか「やせた土地の活用サなどといった宣伝広告と同様、「ビタミン
 A欠乏症」も、魔法のような食品を発明すれば解決できる問題ではないのだ。そもそも魔法の食品
 などありえないし、問題はもっと複雑である。微量栄養素欠乏症の原因は、貧困、不衛生、劣悪な
 環境・社会的不平等にあるのだ」

 
 結局、「ゴールデンライス」は厖大な金の無駄遣いでしかない。もっと低価格で改善できる方法
 があるからだ。たとえば、失明の危険性がある子どもたちに、有効な錠剤を年2回与える方法があ
 る。一錠の価格は0.05ドルで、50万人に与えても総額2万5千ドルにしかならない。ところが「
 ゴールデンライス」の開発には、これまで1億ドルが投じられてきた。それでもまだ商品
化されて
 ないのは、もっと儲かる商品をバイテク産業が探しているためなのだ。



  (14) 遺伝子組み換えジャガイモは、タンパク質の不足を解決する?

  遺伝子組み換えによってタンパク質の含有量を埋やしたジャガイモも商品化されており、これは
 インドの就学児の栄養を改河することを名目としている。ところが一般のジャガイモは6%のタン
 パク貿を含有しているのに、このジャカイモには2.5%しか含まれていない。小麦でさえ8~9%
 
もの含有率である。遺伝子組み換え作物の熱心な支持者であるカメスワ・ラオ教授も、「なぜこん
 
なにお粗末な作物か、大きな注目を集めるのかわからない」と述べている。

 

 


                            弟5章 遺伝子組み換え作物の危険性

  (1)遺伝子組み換え作物を生産する問題点

  バイテク産業は、遺伝子組み換え技術こそが、世界の問題を解決する「科学」だと主張するが、

 そこには様々なリスクがある、以下にその問題を検証する。

   ①混入する遺伝子組み換え作物

 
  「英国L壌協会」が2002年に発表した報告書『疑惑の種』は、次のように指摘する。

  「北米で遺伝子組み換え作物がもたらした最大の問題は、尨犬な量の遺伝子組み換え作物が、一
 般
の穀物や食品に混入したことである。商業栽培が始まってからわずか数年で、種子や作物だけで
 なく食品の製造過程に至るまで、すべての流通段階で混入が起きた。
 問題を起こしたのはバイテク産業であり、彼らはばく大な利益を獲碍したにも関わらず、混入を防
  ぐために巨額の対策費を負担したのは食品産業の側なのである。


   混入のメカニズム

  ・遺伝予の「水平」転位


  遺伝子操作によって、生物の生殖上は無禄であり、相容れない生物の間で、遺じrが移動する練、
 属、界といった生物分類の境界を超えて、遺伝分か移動する.まるで、病原菌による感染のように、
 一つの生物から別の生物へと遺伝子が移動するのだ。一般的な生殖過程では、肉親から子孫へと「
 垂直」に遺伝子が継承されるが、それとはまったく異なる.こうした遺伝子の「水平」転位
は、栄
 養素が豊富な腸や植物の根で、もっとも起こりやすい。そこで通常、遺伝子の水平転位は、細菌

 との微生物を介して行なうことになる。

  遺伝子組み換え作物は、遺伝子の水平転位により問題が起きる.可能性がある潜在的に砿険な遺
 伝子が、他の生物に転位するかもしれないからである、転位した遺伝子が、その生物の健康状態や
 農産物の栽培に影響を及ぼす可能性もある。
  具体的に想定されるのは、次のような問題である。

 (1)遺伝子組み換えの目印として使用される「抗生物質に耐性をもつ遺伝子」が、遺伝子組み換
    え食品
から腸内細菌に転位して、新たな「抗生物質耐性菌」を生みだす。
 (2)遺伝子組み換え作物の「除草剤耐性」の形質が雑草に転位して、新たな「除草剤耐性雑草」
    を生みだす。
 (3)遺伝子組み換え作物に導入したウィルスの遺伝子が別のウィルスに感染して、伝染力の強い
    ウィルスを生みだす。



  ・近親種との交雑


  とくに、近親種の作物の場合には、遺伝子組み換え作物と一般種の作物との間で交雑が生じ、自
 然交配によって遺伝情報が容易に拡散する。
  それに対して、推進派の企業は、「緩衝地帯を設ければ、交雑はほとんど起きない」と主張する。
 ところが、英国で実施されたナタネの試験栽培において、緩衝地帯の距離は200メートルしかな
 かった。さらに、「アグレボ社(AgrEvo)」(現在のバイエル社)のジユディス・ジョーダンは、
 「50メートル以上の距離をおけば交雑は起こらない」と法廷でも証言した。しかし、ナタネの花
 粉は26キロメートルも移動することが確認されている。トウモロコシなら5キロ、牧草の花粉な
 ら21キロも移動するのだ

  そこでバイテク産業は、「遺伝子組み換え種と交雑しても、その作物はすぐに枯れてしまう」と
 主張する。しかし、必ず枯れるとは限らない。除草剤耐性の遺伝子組み換え「カラシ」(ナタネと
 同じアブラナ科)は、一般種に比べて20倍も近親種と交雑しやすいという研究報告があるのだ。





    種子の混入

  
種子の品種改良や種子を生産する際にも、偶発的に種子が混入したり、汚れた機械を使用するこ
 とで遺伝子汚染が起こる。もはや、北米国では遺伝子組み換え作物の交雑は避けられない状態に
 っており、オーガニックのトウモロコシ、大豆、ナタネを生産することはできなくなると有機認

 機関は考えている。「カナダ種子輸出協会」は、「遺伝子組み換え作物が商業栽培されている場合

 一般の種子でも平均1%に混入が起きている」と指摘する。

   作物の中への混入

  種子と同様、作物の中にも遺伝子組み換えが混入する。輸送途中や、風や雨、あるいは鳥や動物
 の移動など、自然の働きによっても混入が起こる。
  カナダで最も有機農業が盛んなサチュカチュワン州では、ほとんどの有機農家がナタネの有機栽
 培をあきらめた。遺伝子組み換えナタネの栽培面積の比率が多くなり、交雑が避けられなくなった
 ためであり、有機農家は裁判所に提訴した。米国では、大豆やトウモロコシなどの遺伝子組み換え
 作物が、一般の小麦にも混ざっている。同様の問題はオーストラリアでも起きている。
  2004四年には、ハワイでも大量の伝子組み換えパパイヤが一般種に混入していることが発
 見
された。ハワイ島の全域で検査したところ、50%の種子に混入しており、有機農家の種子には
 80%も混ざっていた。
  遺伝子組み換え作物が一般種に混入することは、商業栽培が行なわれている国では日常的に起き
 ている。しかもさらに問題なのは、遺伝子組み換え作物を栽培していない国々でも混入が起きてい 
 ることである。ギリシャでは、政府が遺伝子組み換え作物の栽培を禁止しているが、2003年に
 収穫された綿を独立機関が調査したところ、多量の遺伝子組み換え綿が発見された。



                     リーズ、アンディ 著 『遺伝子組み換え食品の真実』

                                      この項つづく
 

 




【百名山 2014 sum :甲武信ヶ岳】

  

さて八月に入れば今年の踏破計画の第2弾の実行だ。腕が鳴る?じゃなくで、脚が騒ぐか?

 

 

 

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高効率ペロブスカイト薄膜太陽電池の衝撃

2014年07月28日 | デジタル革命渦論

 




【夏野菜と冷製パスタ】

 

 


基本線パスダだが、素麺でも可。オクラとトマのアリーオーレソテーのリンゴ酢仕立て(上)、スイ
ートトマトとホウレン草、バジルとブリー(白カビ)チーズの冷製フェトチーネパスタ(下)、ホウ
レン草の代わりにオクラでも可。そして、夏休みのランチには、キンキンに冷やした白ワインかビー
ルが似合う。


ところで、猛暑の夏日はというと、写真/上のように、いんげんのごま和え、和風出汁かけ冷奴、マ
グロの堅煮、新生姜の甘酢漬けと至ってさっぱりとした料理になるが、これは鶏肉をはじめとする食
肉の農薬・抗生物質汚染を気づかってのアレンジとなっている。マグロの堅煮の食感はモコモコして
いて、マグロの角煮でもない我が家の独自料理である。やはり夏は和食に限るか?!

 

【オールソーラーシステム完結論 Ⅹ】

●高効率ペロブスカイト薄膜太陽電池の衝撃

前項の「オールソーラーシステム完結論 Ⅷ」で経済産業省・資源エネルギー庁は、高効率太陽電池の
実用化を支援(15年度から)を紹介したが、米国立再生可能エネルギー研究所(NERL)でも同様なこ
とが掲載されていた("NREL Unlocking Secrets of New Solar Material"、2014.15.04)。この「NREL
 
ソーラーマテリアルの秘をロック解除」では、高変換効率ペロブスカイト薄膜太陽電池の研究成果
を「ペロブスカイトの操作は自在で簡単」「コストを最小限に、変換効率を最大に」「わずか5年の
躍進 」と表現し取り上げている(「特集|高効率ペロブスカイト薄膜太陽電池の衝撃」、環境工学研
究所 WEEF,2014.07.27)。例えば、「コストを最小限に、変換効率を最大に」では、「NREL2009
年の日本の宮坂力教授の色素増感型太陽電池の技術報告―3.8%の低変換効率―を注目したことに始ま
り、2011年、韓国の朴科学者のペロブスカイト型太陽電池で変換効率6.5%を達成。2012年には、スイ
スのマイケル・グラッツェルとらのグループは10%の、2013年には12.3%へと到達する。も注目すべ
きことは、少量の塩素を添加したことで、拡散距離が10倍も変化したことだ。と、朱研究員は話す。
そのことで、理想的な太陽電池の電子が長い拡散長をえることで、その層内にトラップされ、電子-正
孔対の再結合が免れる――彼は14.1%の変換率を達成するが、その後、韓国のソン・イルソクが16.2%
記録し(下図参照)、最新記録で17.9%を達成した(上グラフをクリック)。



それでは、高効率ペロブスカイト薄膜太陽電池の研究見通しをどのように見ているのだろうか?
NREL
の研究者は、2つの異なる方向からのペロブスカイト近づくと予測している。1つは、コストに関係
なく、可能な限り最善の半導体を作製する。2つめは、例えば、スプレー式の技術でできるだけ安す
くしようとするだろう。最適なトレードオフを発見するように、これらの領域では、最終的な融合を
試みるだろうと予測する。ペロブスカイト型太陽電池の理論上の最大効率は31%であるが、ペロブス
カイト型多接合セルさらに高い効率の達成も可能であり、目標は20%の変換効率で停止しない。目標
は28%以上にすべきだと。そのために、ラボ段階での小さなスケールでそれを完璧に実証し、その後、
経済的な工夫展開させるべきだろうとも話している――これはペロブスカイト型だけでなくシリコン
系でも無機化合物半導体系でも同じだとわたし(たち)は考えている――
NRELでは、この新しい有望
な材料の探索や改善のために必要ないくつかの分野で世界トップクラスの専門家をもち、Ⅲ-Ⅴ族セル、量子
ドット材料、輸送;計算材料設計の知財を駆使し、そのバンドギャップを設計変更することが可能であ
り、
実際に、NRELのペロブスカイの最新世界記録が大きく影響、それだけでなく、レンズ集光型ガリ
ウムインジウムリン化合物半導体型太陽電池部門で変換効率34%の記録を、6月には1サン下で、同
じセルで31.1%の世界記録を記録しているが、ペロブスカイト型太陽電池の大きい拡散長や、迅速な
荷輸送性などの吸収特性は大変刺激的であるという。





●鉛の中枢神経毒性-末梢神経症状などのリスク

要約すれば、ペロブスカイト型の変換効率収量は、2009年の3.8%からはじまり、4年後には、現在16
までに向上し、約4倍に逓増するが、これとは対照的に、シリコン系単結晶太陽電池の変換効率が、
開発開始から5年間で50%未満の向上であり、他の太陽電池形式でも、最初の数年の間は同程度の緩
やかな向上である。NRELの材料科学者は、さらなる材料の最適化を奨励する。例えば、セル中で鉛
を錫と交換することで、ペロブスカイト型多接合セルの効率を向上させることができ、より環境に優
しい材料への切り替えが可能であり、錫代替太陽電池ではより耐湿性が高まるということであるが、
ここで鉛と錫の有害性とその毒性を調べてみた。双方とも元素周期律表に従えば、第4B族に属し、
第6A族のモリブデンとクロムのような1周期違いであるが、なるほど錫の方がリスクが少ないよう
に考えられる。

1.錫の中毒症状・毒性

無機スズ化合物の急性中毒は、缶ジュースや缶詰フルーツに高濃度のスズが含まれていたことによる
症例が世界各地にある。主な症状と徴候は、吐き気、嘔吐、下痢、疲労感および頭痛である。缶詰中
の食品が高濃度のスズを含む原因の多くは、硝酸肥料を施した土壌で生育された作物が高濃度の硝酸
根を含有したり、何らかの理由で缶のメッキが腐食されたことによる。

有機スズ化合物は、一般式 RnSnX4-nで示されるが、R の種類と数により毒性は大きく異なる。そし
無機スズ化合物よりはるかに強い。トリアルキルスズ、中でもトリメチルおよびトリエチル化合物
の毒性が強い。トリ体は脳血管関門を通過するので中枢神経系の障害、脳浮腫の原因となることがあ
る。トリ体の中毒症状としては四肢の脱力・麻痺、全身の振戦などである。経皮、吸入曝露ともに重
症例では激しい頭痛、強い嘔吐、心窩部痛を訴え失神状態に至る。モノ体の毒性は、ジ体およびトリ
体に比べ低毒性である。ジ体は皮膚、粘膜に対して刺激作用がある。テトラ体では一般にトリ体類似
の作用があるが、これは生体内で脱アルキルされ、トリ体の型になるためと考えられている。


有機スズ化合物の慢性中毒では、ブチルスズ化合物製造従事者が、曝露16ヶ月目に味覚の減退を訴
え、その後8ヶ月間症状は進行した。その他の症状は後頭部の頭痛、鼻血、倦怠感、肩こりなどであ
る。

.鉛の中毒症状・毒性

急性中毒は、鉛の短時間大量曝露によって起きるがまれである。初期症状として口腔内の収斂、口渇、
金属味がみられ、その後悪心、腹痛、嘔吐が続く。塩化鉛を摂食したときの嘔吐物はミルク状であり、
鉛の硫化物摂取では糞便が黒色になる。大量の鉛が急激に吸収されたときには、胃腸管内への体液損
失によるショック状態が見られることがある。急性の中枢神経症状としては感覚異常症,疼痛そして
筋力低下があげられる。急性重症溶血のため貧血やヘモグロビン尿が認められる。また腎臓障害の結
果、尿量は減少する。大量曝露後には、1~2日後に急死する例もある。この急性期を過ぎると身体
に吸収沈着した鉛による慢性症状が現れる。

典型的慢性症状としては鉛蒼白、貧血、鉛縁、鉛仙痛、鉛による伸筋麻痺、好塩基性斑点赤血球、コ
プロポルフィリン尿が上げられていたが、現在ではこのような症例をみることはあまりない。鉛は胃
腸管の平滑筋に作用し、消化管症状を呈する。その結果、食欲不振、腹部不快感そして頭痛があげら
れる。腸管の痙攣性収縮による痛みが鉛仙痛といわれるが、この鉛仙痛はしばしば便秘症状を伴う。

鉛の特徴的末梢神経症状として、神経筋症状や手首の伸筋麻痺(鉛麻痺)による下垂手がある。中枢
神経症状としては鉛脳症が重要であり痙攣や昏睡が見られ、病理的には脳の浮腫、血管の拡張や腫脹
等が見られる。鉛脳症はしばしば後遺症を残すといわれており、急性鉛脳症を呈した小児患者にCa-
EDTA
などによるキレート剤治療を行ったとき40%に神経学的後遺症がみられる。鉛による血液学
的影響は、①溶血性貧血と、②ヘム合成系への障害に大別される。


このように、高効率ペロブスカイト薄膜太陽電池の衝撃をわたしなりに理解はできた。今いっそうこ
れらの研究開発の動向に注視していく必要があるようだ。ところで、最近、テレビで民主党の代議士
(名前は忘れしてしまった)が、日本の太陽光発電量は原発15基分―1基百万キロワットとして1
千5百万キロワットに相当――というから総原発を54基とすれば約30%相当になり、3年でとい
うことを単純勘案すれば、このままいけば、後7年の2021年には実質原発ゼロとなる上に、世界の技
術開発の進展では前倒しで実現する可能性が大きい。何よりも平均変換効率を15%→35%、コス
トを10分1以下に逓減できれば「オールソーラーシステム社会」の実現は夢でなくなる。
                                                                                            

                                       この項つづく

    

   

 

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大峯山上ヶ岳

2014年07月26日 | 日々草々

 

 




【百名山踏破記 大峰山】

夏になるとモクレン科モクレン属の落葉広葉樹の低木で、樹高1メートル、大きいものなら3メートルにもな
り、直径5センチメートルから10センチメートルの白い花を下向きに咲かせる大峰山系でもあり朝鮮民主主義
人民共和国(北朝鮮)の国花でもある
花としてオオヤマレンゲ(
大山蓮華:Magnolia sieboldii ssp. japonica)が
美しい。Wikipediaによると、この花は1695年の伊藤伊兵衛著『花壇地錦抄』にはじめて記載され、延宝年間に
江戸に栽培用として持ち込まれたとある。和名は奈良県南部の大峰山に自生していて、ハスの花(蓮華)に似
た白い花を咲かせることに由来する(別名が「ミヤマレンゲ」(深山蓮華)。学名の小名の「sieboldii」はドイ
ツ人のシーボルトに由来し、鑑賞用として苗木が販売されているものは、近縁種のオオバオオヤマレンゲであ
るとか。また、関東北部以西(谷川岳周辺がその北東限)の本州・四国、九州・屋久島と国外の中国中南部と
に分布し、標高1~2千メートルの山地の林内などに自生。奈良県の八経ヶ岳と明星ヶ岳周辺に自生地があり
1928年2月7日に国の天然記念物に指定され、長野県上松町の町花と奈良県天川村の村花でもあると紹介され
ている。
 

 
日本百名山のな大峯山は、山上ヶ岳から南の弥山(みせん:1895メートル)、八経ヶ岳(はっきょうがたけ:
1915メートル)を含む連山全体をさし、中でも八経ヶ岳は、近畿・中国両地方の最高峰。付近はトウヒシラ
(シラビソ)の原生林につつまれ、7月初旬には前述のオオヤマレンゲ(天然記念物)が咲きみだれ、大峯
山系の自然美を満喫出来る。今回は、標高を競うピークパンターではなく、いわゆる弾丸登山として、日帰り
スケジュール重視で、大峯山は山上ヶ岳(1719メートル)をめざす。山上ヶ岳は、修験道の祖・役行者(えん
のぎょうじゃ)――大和の国、吉野山から大峯山山上ケ岳にかけての一帯は古くは金峯山(きんぷせん)と称
し、古代よ
り世に広く知られた聖域。この金峯山に役行者神変大菩薩が白鳳年間(7世紀後半)に修行に入り、修
験道独特の本尊・金剛蔵王大権現を感得。この姿を桜に刻んで、山上ケ岳(現:大峯山寺本堂)と山麓の吉野山(現:金
峯山寺蔵王堂)に祭祀――が開いた修験道発祥の地で、修験道の道場としての威容を誇っています。岩壁の鎖
を頼りに登る「鐘掛岩」、絶壁から逆さづりにされる「西の覗」などの修行場が有名。山頂には、わが国最高
所の国重要文化財のお寺であり、世界遺産でもある「大峰山寺」や宿坊があり、戸開け期間中(5月3日~9
月23日)は、毎年修行に訪れる多くの山伏などでにぎわいをみせる。

 

山上ヶ岳での修行は男性に限られている(山上ヶ岳を取り巻く主な登山口である大峯大橋や五番関、阿弥陀ヶ
森、
レンゲ辻には女人結界門があり、宗教上の理由から、山上ヶ岳一帯は今なお女人禁制)。紀伊半島の背骨
ともなる
雄大な風景や吉野熊野国立公園特別保護地区などの自然もさることながら、前述のように、日本で一
番最初に信仰の対象」として上り始めたとされる山々であり、今なお修験者と呼ばれる山伏や自分を見つめな
おそうとして山に入る人々が修行を積む、1300年の歴史ある聖域である。
この大峯周辺からは、奈良時代の遺物
が出土するなど、古くから参詣があったものと思われ、また吉野・熊野を結ぶ大峯奥駈道には「七十五靡(なびき)」とい
ういわゆる礼拝所が存在し、お札などが置かれている。山頂本堂近には、有名な「西の覗き」がある。ここは捨身の行が
行われる場所で、そそり立つ絶壁から命を断つ覚悟で身をのり出し、仏の世界を覗く修行を行い、疑いや煩悩があると
出来ない修行とされ、自らの仏性に気付き、即身即仏を会得するといい、修験道では、身は朽ちても精神だけ
でもこの
世にとどめ、未来に現れる弥勒菩薩に遇う事を願う行を「捨身の行」という。なお、大峯山寺本堂に
は、1990年の
徳仁皇太子殿下の立派な行啓記念碑が建立されている。

  

 

●その他の登山コース

前述した通り、単なるピークハンターでなく、スケジュールと体力の許容範囲での実行計画のため、下山復路
時刻を午前11時から正午(プラス30分)で、登山工程時間は最長で7時間としている。従って、山上ヶ岳以外
にもこれより負荷の軽いコースやその逆のコースもあるので、ここで弥山(みせん:1895メートル)、八経ヶ
岳などの登山コースを掲載する。

 

視界が良好なときは富士山を遠望することができ、夜になると大阪湾や神戸の夜景、南では熊野灘を行き交う
船が見える。天河大辨財天社の奥宮が祭祀されている弥山は、水の神として古くから聖地とされてきた。弥山
とは仏教の世界観を表した須弥山から名づけられ大峯の中心的山岳である。



上のコースは、世界遺産「大峯奥駈道」の真髄、深い歴史の森を縦走する修験道の魂(こころ)満喫の道。紀
伊半島の背骨を、日の出とともに出発し、日の入りまでたっぷり歩き続けるという超ハードなコース(※上級
健脚者のみ可)。通常修験道では、吉野熊野間の踏破になるが、約1週間のコースはさすがに厳しい。

 

稲村ヶ岳(1726メートル)は、シャクナゲなど「花の百名山」としても有名で、女人大峯と呼ばれているとか。
山上ヶ岳の南西に位置し、そそり立つ岩峰「大日山」を目印に登ることとなります。また、頂上には展望台が
設置されており、世界遺産に登録された大峯奥駈道などを360度見晴らす大パノラマを見ることができる。稲
村ヶ岳直下の山上辻では稲村ヶ岳山荘が営業している。

上のコースは観音峯展望台(1285メートル:観音峯山頂は1347メートル)へのハイキングコースは、登山道も
整備され、登山口から90分程度で本格的な山岳パノラマを楽しめることから、四季を通じて人気のコースとな
っている。山頂の展望台からは、正面に稲村ヶ岳や大日山、南に大峯奥駈道から弥山・八経ヶ岳、西には大峯
らしい重なる山並みなど、関西では珍しい本格的な山展望を満喫することができる。また、観音峯登山口から
コース沿いに南朝と天川村との関わりを示したレリーフが整備されており、頂上直下の観音の岩屋は、北朝方
の襲来のおり南朝の皇族が一時避難された場所とされている。さらに、ここから観音峯頂上を経て法力峠へ縦
走する事も出来る。また、厳冬期に簡単に雪中登山が味わえるスポットしても人気が高く、毎年1月から2月
末までの土・日・祝には近鉄下市口駅より奈良交通バスの「霧氷号」が運行されている。 なお、当日、山上ヶ
岳の工程途中に位置しているためこのコースを考え一旦下車したが予定通り、山上ヶ岳に向かうことにした。

行者還岳(ぎょうじゃがえりだけ)(1546メートル)は、大峯奥駈道の大普賢岳と弥山の中間に位置しており、
南側は切り立った岸壁で、山の名前の由来となったように引き返さざるを得ないという由来ある形をしている。
なお、このコースは、行者還トンネル駐車場を利用する登山者の登山口となっているが、国道196号は険し
い道のりであることが下のビデオ(ユーチューブ)で理解できる?




 

当日、4時半に出発、天候良好であったが、名神から近畿自動車に移動するにつれ、薄っすらと雲がかるとい
った天気。
富田林のインタージャンクションを降り、下市を過ぎ、黒滝、天川村を目指し国道309号を下る
が、昨年、一昨年の集中
豪雨・台風などの復旧工事が至るところでなされている。国道・隧道などは、新しく
整備され、数十年前の風景とは打っ
て変わってしまっていことに感心しながらマイフェイバリーカーで走行し、
8時半に登山口駐車場に到着、駐車料金千円
を係りの人に支払い早速入山する。山頂までの景色や状況はネッ
ト上五万と?掲載されているのでそこは参考にしても
らうことにして、想像以上に、時折の山風で涼むことは
あっても、往路、復路とも蒸し暑く、これが体力を消耗させる。途中
「お助けの水」「茶屋」で、休憩や軽食
を取るも、シオカラトンボなどが寄ってくるので鬱陶しく、山頂に着いたのは正
午過ぎとなる。山道は皇
太子啓行や大峰山講、地元のボランティアの助力もあり比較的よく整備されていることに感心す

る。復路はこれから宿坊に泊まる登山者と多くすれ違うことも今回の特徴である。中には、八十歳近い年配者
もおられ、
五十度近く御参りにもなるが、岩場の堅さが脚に堪えると言っておられた。また、通りすがりの挨
拶は「ようお参りに」と
声を掛けることを慣わしにしているようで、下山時には、それの、「お参りに来てい
ただき、有り難うございます。足下にお気をつけ下さい。」と自分な
りにアレンジし挨拶するようしていた。
午後3時に登山口に到着したが、日差しも強く、気温も半端なく熱い。
駐車場の係り兼食堂と土産屋のオーナ
に、山上ヶ岳こと、皇太子啓行のこと、洞川温泉街などのことなど聞き、吉野葛餅を買い、途中、大津のサー
ビスエリアで食事を取り京都西川の茄子の漬け物を買い戻ってきた。

 

それにしても、疲れ切ってしまった上に、母親方の郷里でもある吉野・大峰を巡り郷愁と惜別の日々を思い出
し、さらに
は従兄弟たちの家にも立ち寄らずに帰る後ろめたさ等々、ハンドルに握りしめながら沈み込んでし
まっていた。「年齢なん
て、ただの数字なんだ」と誰かさんのセリフではないが、暫く、足腰は痛くなるだろ
うが、これをバネに、「アイ・シャル・オーバーカム」だよ、そこの彼女たち。 ^^;。


 

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ガスと電気の貯蔵を巡って

2014年07月22日 | デジタル革命渦論

 

 

 

   

【遺伝子組み換え作物論 Ⅸ】 

                           第4章 バイテク産業のずさんな論理


   (7)遺伝子組み換え作物は、農家の収入を増やす?


  これもまたバイテク産業のロビー団体によるつくり話にすぎないと、様々な報告書が伝えている。

  たとえば、

  ・キヤロライン・サンダース教授(ニュージーランド・リンカーン大学)は2003三年の調査
   にもと
づき、「遺伝子組み換え食品の普及は、世界中の農業生産者に不利益をもたらす」と指
   摘する。

  ・米国内で生産された遺伝子組み換え作物について、2002年6月に公表された「米国農務省
   
(USDA)」の報告書でさえ、次のように結論づけている。「害虫抵抗性トウモロコシは農
   家
の経営を悪化させ、除草剤耐性の大豆も一般大豆と比較して収穫量には差がなかった。最大
   の
疑問は、経営が悪化した農家がいるにも関わらず、なぜ遺伝子組み換え作物が急速に普及し
   た
のかという点にある」
  ・
有機認証機関「英国土壌協会」は、北米で6年間、遺伝子組み換え作物を生産した農家を調査
   
し、2002年に発表した報告書『疑惑の種子』では、「平均すれば農家の収入は、在来種の
   
生産農家より低かった」と伝えている。
  ・農業経済学者のマイケル・ダフィ(アイオワ州立大学)も、2002年の調査結果から「除草
   剤
耐性大豆と害虫抵抗性トウモロコシの種子を導入しても、農家の利益は増えていない」と報
   告
した。

  遺伝子組み換え作物を生産する農家の収益が悪化した原因は、市場価格の低さ(非遺伝子組み換
 えより13
%低い)、収穫量の低さ、種子代の高さ(25~40%高い)、そして交雑の問題があ
 った。

  アイオワ州の大豆生産農家ジャイン・ドウは次のように指摘する。

 「米国の農家にとって遺伝子組み換え作物は、法的にも、環境的にも、経済的にも災難となった。
 『疑惑の種子』が報告しているのは、遺伝子組み換え作物によって農家は多くを失い、得るものは
 ほとんどなかったという現実である」
 「全末家族長業者連合(NFFC)」の副代表ジョン・カインズマンも、「遺伝子組み換え作物は、
 米国の農家が抱えている経済的問題の解決策になっていない。時がたつにつれて、この技術が有益
 どころか邪魔者だったことがわかってきた」と語る。

  それでも、モンサント社の典型的な広告は2002年に次のようにアピールしている。
  「遺伝子組み換え作物は、利益を生む。ラウンドアップ・レディyl%で一挙に儲けよう。遺伝
 組み換え大豆で利益は急上昇」


  (8)遺伝子組み換え作物は、収穫量を増やす?


  米国鳥務省の報告書は、遺伝子組み換え作物によって収穫量は増えず、遂に減収の可能性もある

 と伝えたが、世界中の多くの独立機関もこの報告を裏づけている。

  ・米国では、ネブラスカ大学が、米国農務省の報告書の評価を行ない、世界で最も使用されてい
   る除草剤耐性の遺伝子組み換え大豆「ラウンドアップ・レディ」が、一般大豆と比べて6~11
   
%も収穫量が低下していることを確認した。
  ・アルゼンチンでは、遺伝子組み換え大豆の収穫量が5~6%低下したと報告されている。
  ・英国では、「農業植物学研究所(NIAB)」が栽培試験を行なったところ、遺伝子組み換え
   ナ
タネと甜菜の収穫量は、一般種と比べて5~8%低かった。
  ・「英国土壌協会」の報告書によると、北米における除草剤耐性大豆とナタネの収穫量は一般種
   よりも滅少していた。害虫抵抗性トウモロコシの収穫量はわずかに増えたが、生産費の増加を
   補うほどの量ではなかった。

 
  ミズーリ州で800ヘクタールの農場を経営する「全米家族長業者連合(NFFC)」の代表ビ

 ル・クリスティソンも、「ラウンドアップ・レディ大豆を導入すれば農薬の使用量は減り、収穫量
 が増えると聞いたが、まったくの嘘だった」と1998年に語っている。
  事実、2001年9月にミシシッピ州裁判所は、「農家のニューウェル・シムラル氏の収穫量が
 減ったのは、ラウンドアップ・レディ大豆が原因である」と認定し、モンサント社に16万754
 2ドルの損害賠償を命じた。
  くり返すが、これがモンサント社の広告とは正反対の現実である。モンサント社の大豆種子販売
 会社である「アズグロウ社」は2002年に、「進化した種子で収穫量が増え、さらに利益が上が
 る」とアピールしてい折。モンサント社の1998年の文献にも、「ラウンドアップ・レディ大豆
 の収穫量は、平均して5%も増加した」と記載されているが、現実は異なるのだ。

  (9) 遺伝子組み換え作物は、農薬の使用量を減らす?

  これもまた完全なつくり話である。モンサント社は、除草剤耐性の「ラウンドアップ・レディ大
 豆」を栽培すれば、除草剤の使用量が平均22%減少すると宣伝したが、多くの調査結果は述に増
 加すると伝えている。たとえば、

 ・「米国農務省」の報告書は、「除草剤耐性種子を使用したことで除草剤の使用量は減少せず、む
  しろ増加している」と述べている。
 ・「英国土壌協会」の報告書も、「除草剤耐性大豆・除草剤耐性トウモロコシ・除草剤耐性ナタネ、
  害虫抵抗性トウモロコシを導入したことで、多くの場合は、農薬の使用量が増加している」と
  えている。

 ・もっとも決定的な証拠は、農業経済コンサルタントであるチャールズ・ベンブロック博士が20
  03
年11月に作成した報告書である。これは、8年にわたる米国での商業栽培の歴史のなかで、
  農薬の使用量に関する初めての総合的調査であり、「1996年以降、米国のトウモ
ロコシ、大
  豆、綿の畑で使用された農薬の使用量は2万2700トン増加した」と伝えている。


  農薬の使用量が増えたおもな要因は、遺伝子組み換え作物の除草剤耐性が、わずか数年の間に雑

 草に転移しかためである。除草剤「ラウンドアップ」では雑草が枯れにくくなったため、さらに除
 草剤の使用量が増えたのである。ミシシッピ州では除草剤に耐性をつけたヒメムカシヨモギが、昔
 より6~13倍も増えている。
 「英国土壌協会」の報告書は次のように指摘する。


 「雑草が除草剤に耐性をつけたため、農家は。"パラコート" "ジクロロフェノキシ酢酸" "アトラ

 ジン" といった、かつて使用していた毒性の強い除草剤を、時には混ぜあわせて使うようになっ
 た」。「グリホサート」(除草剤「ラウンドアップ」の主成分)や「グルホシネート」(除草剤「
 パスタ」の主
成分)では枯れない雑草が増えた結果、もっと強力な除草剤の使用量が増えているの
 である。

  ところが、どんなビジネスチャンスも絶対に見逃さないモンサント社は、自らが引き起こした人
 災を利用して、新たなマーケットの開拓に乗りだした。2001年6月にモンサント社は、農薬の
 調合方法についても米国で特許権を取得したのである。信じられないことだがこの特許権は、農家
 が自分の農場のタンクで農薬を調合する場合も対象になっていた。まるで各家庭が水、砂糖、牛乳、
 ティーバッグを使ってつくるお茶に対してまで、食品メーカーが特許権を取得するようなものであ
 る。「彼らがこの特許権を取得したことで、農家が雑草を駆除することはさらに困難となり、費用
 もかかるようになった」と「英国土壌協会」は批判する。

  また、畑に落ちた遺伝子組み換えトウモロコシの種子が、その畑で自生して成長し、雑草化する
 
という問題が起きている。トウモロコシに代わって翌年、同じ州で吉見が栽培されれば、トウモロ
 コシは雑草扱いされることになるのだ。それが除草剤耐性トウモロコシならば、除草剤Tフウンド
 アップ」を散布しても枯れずに、大豆畑の中で成長してしまうからだ。

  したがって「除草剤の使用量が減少する」というのは明らかに誇大広告である。それにも関わら
 ず、彼らはなぜこのような宣伝をするのだろうか。実は、モンサント社の除草剤「ラフウンドアッ
 プ」の主成分「グリホサート」の特許権は2000年に切れており、これは同社にとって売り上げ
 の大半(年間約28億ドル)を失うことを意味していた。モンサント社の売り上げの多くは、農薬
 の
販売から得ているからだ。除草剤「ラウンドアップ」に耐性をもつ遺伝子組み換え種子とは、彼
 ら
が「ラウンドアップ」を販売し続けるために、もっとも重要な商品なのである。遺伝子組み換え
 種
子を購入した農家は、契約に従ってモンサント社ブランドの除草剤「ラウンドアップ」を買い続
 け
ることになり、そこに彼らの狙いがあるのだ。「除草剤耐性大豆によって除草剤の使用量が減る」
 と宣伝し続ける陰で、彼らは静かに除草剤の売り上げを伸ばしているのだ。

  (10)遺伝子組み換え作物は、広く生産されて成功している?

  なぜこれほど広範に、遺伝子組み換え作物が栽培されるようになったのだろうか。その理由につ
 いて、バイテク産業のロビー団体が都合の悪い話を語ることはない。しかし「英国土壌協会」の報
 告書『疑惑の種子』は、多くの農家が遺伝子組み換え種子を購入する複数の理由を述べている。

  ・農家は、独立した第三者機関によるデータについて知らないこと。
  ・海外の消費者が拒否しているという事実を知らないこと。
  ・遺伝子組み換え作物の栽培をめぐる問題を知らないこと。バイテク企業によって特許権侵害と
   訴えられた場合には、きわめて不愉快な命令が下されることになり、しかもそれがどれほど問
   題になるのか知らされてこなかったこと。
  ・そもそも自分が遺伝子組み換え種子を購入していることを知らされず、新たな改良品種と思い
   こんでいる場合があること。
  ・遺伝子組み換え作物の商業栽培が開始された時期に、除草剤の価格競争が起きたため、各農薬
   会社は値下げして農家に除草剤を販売した。そのため、除草剤の使用量が増えても費用が増え
   なかった。
  ・米国政府から農家に、事実上の補助金が支払われていることによって、遺伝子組み換え作物を
   めぐる経済的損失が覆い隠されていること。
  ・農家は、遺伝子組み換え作物に包囲された状態に置かれているため、もはや遺伝子組み換え作
   物から逃れられなくなっている。一般の作物を栽培したくても、適当な価格の一般種子を購入
   することは難しくなっており、購入しても、遺伝子組み換え種子が混入している可能性が高い。
   しかも、貴重品となった「遺伝子組み換え不使用」の作物を販売するルートが減少する一方で、
   遺伝子組み換え種子が万一混入したら、モンサント社から特許権の侵害として告訴される危険
   性があるのだ。
  ・バイテク産業の宣伝活動がもたらした一番の成果は、北米の農家の視野を狭くしことだ。経済
   が悪化したことで、この傾向はさらに強まっている。「カナダ全国農民組合(CNFU)」の
   女性代表シャノン・ストーリーは、「畑の面積を拡大することだけが、農家の目標になってし
   まった」と嘆く。

  「カナダ全国農民組合(CNFU)」のライル・ライトも次のように語っている。
 
  「最初にうまい宣伝文句に乗せられて、後になってから作物の混入、遺伝子汚染、高額な種子価
  格、市場の損失、スーパー雑草といった問題が現実になった」



                     リーズ、アンディ 著 『遺伝子組み換え食品の真実』

                                      この項つづく
 

 

  

【オールソーラーシステム完結論 Ⅸ】

太陽電池から電気分解水素ガス生成し貯蔵(経由)させ、水素ガスを燃料電池で変換することは経済
にもエネルギー的にも生産性低下は不可抗。かといって大量の電力を貯蔵する蓄電池は耐久性と貯
蔵電流
密度が悪い。そのことを踏まえ水素エネルギーシステムを絵にしたのが、上の新規考案図(ク
リック)
である。そこで個人的な近未来のプロセスあるいはシステムをイメージするなら、メガソー
ラーレベルでは水素
製造(Eating Large Local Area)を、ポストメガソーラー(Eating Small Local Area
なら蓄電池の両輪イメージを採る。問題
は物流。乗用車なら電気自動車、旅客列車なら電気(部分的
にはグリーンディーゼル列車)、大型貨物自動車
はグリーンディーゼル車(部分的には水素燃料電池
車)、飛行機はバイオマス燃料の採用となる。電気自動車
が優先されるのは、走行型充電システム(
自動課金システム含)の普及が見込んでいるが
、その前提は電磁
波対策(人体や電子機器類への障害)
となる。また、水素製造プロセスは水の電気分解技術を中心に据えると、電極使われる白金やバナジ
ウムの希少金属の資源高騰懸念があり電極開発が優先される。

そこで、前者の新規考案では、「停電や災害時に1日~数日間といった長時間の自立を想定する場合
大容
量の蓄エネルギーを必要とする大容量化の対案として提出されたものである。また、下図(クリ
ック)は、固体高分子形の水電解装置と燃料電池――水電解運転によって、原料である水を電気分解
して純水素と純酸素を発生させ、純水素を容器に貯蔵・充電し、貯蔵した水素と大気から吸い込んだ
空気で燃料電池運転・放電が行われ、放電により生成された水は別の容器に貯蔵し、水電解運転時の
原料にし再度分解する――を一体化した可逆セルを用いた生産性の高い電力貯蔵システムが提案され
ている。

【符号の説明】

1 充放電システム 2 セルスタック 10、201、251 可逆セル 11 固体高分子電解質膜
12 酸素側集電体  13 水素側集電体 14、16 流路  15、17 セパレータ 21、22
Oリング 41 タンク 43、102 気液分離タンク 46 ポンプ 61 湿度交換器  63、
65、94 熱交換器  84 ファン 91 電源装置  92 制御装置  106 水素貯蔵部 
113 ガス循環ポンプ A、B、C、D、E、F、G、K ポート V1~V5、V6、V9、V11
~V15 電磁弁 V7 背圧弁  V8 逆止弁  V10 圧力調整弁 

この種の可逆セルを用いたエネルギー貯蔵システムの省エネ利用法――水電解運転時に発生する熱を
吸着式冷凍機に送り、吸着式冷凍機によって生成した冷媒を水素吸蔵合金を冷却する際に利用するが、
水電解運転時のみに利用し、水電解運転時に発生する純酸素の高温多湿性を十分に利用していない―
を改良し、水電解運転時に発生した高温多湿の酸素を有効利用する。具体的には、上図のごとく水電
解運転時に、セルスタック2の可逆セル10の酸素側に、気液分離タンク43から原料水が供給する。
水電解運転時に発生した高温多湿の酸素を、タンク43で気液分離された後に、湿度交換器61で吸
湿し、熱交換器63で吸熱する。燃料電池運転時は、ファン64で可逆セル10に送る空気は、熱交
換器63により加熱し、湿度交換器61で加湿した後に、可逆セル10に供給するものである。


システムとしての電気分解の水素製造プロセスの改善・改良例を見てみたが、次に電極開発について
ユニバーシティ オブ フロリダ リサーチ ファウンデーション,インク社の「炭素膜上での水素酸化
および生成」の新規考案を見てみよう(下図クリック)。



従来、電解触媒として白金の使用してきたが、白金の供給量は、大規模な電気分解で水素を製造する
には不十分と見られている。これらの反応が実行される酸性または他の環境において非貴金属電解触
媒は腐食され、貴金属触媒を用いられてきたが、微細化した粒子が凝塊形成して電気化学表面積が損
失し経時的に性能低下する。この提案では、(1)単一壁カーボンナノチューブ(SWNT)やグラ
ファイトを含む膜または物体の一部は少なくとも99%のsp炭素(ベンゼンなどのようにs軌道
電子1個とp軌道電子2個があわさり、新たな3つのエネルギー的に等しい軌道をつくったもの。平
面三方位構造)からなり、これに数回のカソードの電気化学的サイクルの酸の酸化曝露した活性化プ
ロセスを実行する電極で、(2)炭素を含んだ薄膜は、多孔質ポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリア
ミド、カーボン紙または他の多孔質膜などの多孔質担体と組み合わが可能な、(3)この膜厚は、約
20nm~100μmのサイジング幅をもち、(4)(1)~(3)の特徴を持った1つの以上の電
極を含んだ電気化学デバイスで、(5)このデバイスは、電解槽モードで水素発生反応(HER)を
実行可能で、かつ燃料電池モードの水素酸化反応(HOR)が実行できる6つ特徴をもつ(上図は、
素酸化反応(HOR)および水素発生反応(HER)の調査に使用する電気化学電池の上面図/側面
図を示す)。以下、要点のみ捕捉説明する(詳しくは本文参照)。


上記の電解膜は、上の図9はpH7.2リン酸緩衝液(0.6M)を使用する酸活性化SWNT膜(上
)およびPt担持GDE(下)のCVのHER曲線を示したもの。破線の垂直線によって示される電
極に対してHERが開始する点の評価を補助するために、実線の接線が引かれている。これは、Pt
担持電極に関しては約420mVで、そして活性化SWNT膜に関しては約490mVで生じ、開始
に関する過電圧は約70mVのみで著しく低い。SWNT膜は、1Vの過電圧で22mA/cm
HER電流を示す。市販のPt電極に対するスキャンの前方向および逆方向部分のより大きな分離は
比較的コンパクトなSWNT膜と比較して、市販の電極のより大きい表面積による、より大きな非フ
ァラデー容量電荷を反映するという。

※膜材料作製法:SWNT膜を、直径15mmディスクが担持された膜の片面にオフセットするよう
に、直径47mmの特大PTFE濾過膜に堆積した。長方形シャドーマスクを通して厚さ200nm
のPd層をスパッタリングすることで、むき出しの膜の端部からナノチューブ膜まで被覆して、直径
15mmのSWNT膜の約2mmを重複させて、SWNT膜への電気接触を作製。

 

下記の表1に、この本発明のSWNT触媒に対する中性付近のpHの反応開始の過電圧と所与の過電
圧での電流密度と、最良の非貴金属触媒の報告値とを比較している。最初に中性付近で、非緩衝1M
KCl溶液中のpH変化の別の測定により、百%ファラデー効率による水素発生を確認。また、濾過
された大西洋海水(添加剤なし)からの水素発生を上の図12にプロット。活性化されたSWNT電極
は不純物に耐性があり、丈夫であることを実証している。

 

以上、特定事例のみを掲載してみた。 掲載しながら、米国でも「オールソーラーシステム」に対する
認知が広
まりつつあるのではないだろうかと、広大妄想?を抱いた次第 ^^;。

                                       この項つづく 

 

 

 

   ギターの弦(いと)人さし指はじいてひいて
   あなたのこと考えている私はひとり
   あれは二月前の日くれ時だった
   地下鉄の出□で
   ふと心に感じたあなたのまなぎしを
   立ちどまり私もただあなたを見つめでた
   
   ・・・・




                       阿久悠 作詞/筒美京平 作曲『ファンタジー』

突然、『パピヨン』が聴きたくなってチューブするものヒットせず、アルバムのタイトルの『ファン
タジー』にチェンジする。『ファンタジー』は、岩崎宏美の2枚目のオリジナルアルバム。1976年2
月10日発売とともにすぐさま購入したものだ。やはり、彼女の歌唱力は素晴らしい。声に恋心とは本
当なのだと、改めて感心しながらリフレッシュできたようだ。それにしてもディスコ歌謡曲の『パピ
ヨン』も聴きたかった。

    Life Trail – Transforming Safety Traffic Signals

 

コメント
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覆水収め難し。

2014年07月21日 | デジタル革命渦論

 

 

 

 

【虐殺の海の日の朝】

パレスチナ自治区ガザ地区北東部で20日、イスラエル軍の猛爆撃で少なくとも50人のパレスチナ人が
死亡し、イスラム原理主義組織ハマスとの戦闘が本格化した今月8日以降の死者数は4百人を超えたと
ロイター通信などが伝えた。激しい攻撃が続く現場には救急隊も近づけず、数千人の住民が逃げ惑った
という(2014.07.20 毎日新聞「<ガザ>死者400人超える…戦闘激化、医療態勢は崩壊寸前」)。
また、乗客・乗員298人が犠牲になったマレーシア航空機撃墜事件で、ウクライナ当局の救助隊は20
日までに墜落現場から犠牲者196人の遺体を収容。親ロシア派武装集団がこの遺体すべてを奪い、保
冷装置付きの貨車に運んだ。親露派は「国際調査団が来るまで保管している」と主張しているが、貨車
がロシアとの国境方面へ向かうとの情報もある。ウクライナ国家安全保障・国防会議のルイセンコ報道
官は19日、親露派武装集団が証拠隠滅の目的で「38体の遺体を持ち去った」と述べ、批判していた。
親露派は遺体から貴重品を奪い、盗んだクレジットカードを既に使用した形跡もあると報道(2014.07.
20 毎日新聞「<マレーシア機撃墜>収容遺体、親露派が奪う」)。

国連改革は進んでいるか。』でも掲載したが、武器輸出禁止計画を議論し立案・実行をべきであり、
少なくとも
常任理事国の資格審査要件に盛る込む運動を展開すべきだと考えれば、”積極的平和主義”
も明確になるだ
ろう。そんなことできっこないし、現在の常任理事国は国連から離脱するだろとの批判
は避けられぬかもしれないが、ここは”一本道”と、腹を括ってみせるべきだと考えている。

 
地対空ミサイル・システム「ブーク(ブナの木)」とは?
 

【オールソーラーシステム完結論 Ⅷ】

この項を書き始めた途中から、それじゃ具体的な道筋の各論・諸課題をシリーズとして書いていこうと
思い立つ。折しも、経済産業省・資源エネルギー庁は、高効率太陽電池の実用化を支援(15年度から)
すると報じられた(2014.07.18)。そこで、今回は多接合太陽電池の技術課題について考察してみた。

まず、上図のエムコア ソーラー パワー インコーポレイテッド社の変換効率を高める技法の新規考案が
提案されている。ます、光変換効率の増大させる3つ方法――(1)中間セル内の格子不整合層と中間
ルのベースの下の分散ブラッグ反射器層で電流の増大させ、(2)中間セル内に量子ドット構造体を
設け、(3)中間セルの
下の分散型ブラッグ反射器層に加え、中間セル内に量子ドット構造体を設け増
大を図るというもの。

 ブラッグ反射原理図(クリック)

具体的には、(1)インジウムガリウムリンで構成された上部サブセルと、上部サブセルに直接隣接し
て配置され、これに格子整合され、インジウムガリウムリンで構成されたエミッタ層と、エミッタ層に
格子整合されたインジウムガリウムヒ素で構成されたベース層と、エミッタ層とベース層の間に配置さ
した、より低いバンドギャップ層を形成する(つまり「より低いバンドギャップ層」は、エミッタ層と
ベース層のバンドギャップより低いバンドギャップをもつ)、異なる格子定数もつ一連の第1、第2の
異なる半導体層とを含み、第1の光生成電流を生成する第2のサブセルと(上の図1~6の概説図クリ
ック)、 第2のサブセルのベース層の下に隣接配置し、それぞれの屈折率が不連続な格子整合材料の
複数の交互層で構成した分散型ブラッグ反射器(DBR)層を含み、交互層間の屈折率差は、所定の反
射率を達成するのに必要な周期数を最小にして最大化した、第2のサブセルに格子整合し、ゲルマニウ
ムで構成し、DBR層に隣接して配置し、また、第1の光生成電流の量と実質的に等しい第2の光生
成電流を生成する下部サブセルを設けた多接合型光起電力セルの構成とする。別の構成のDBR層では、
p型InGaAlP層で構成し第1のDBR層とその上に配置した、p型InAlP層で構成した第2
のDBR層とを含む。

また、 別の構成ではDBR層がp型AlxGa1-XAs層で構成した第1のDBR層とその上に配置した
yがxより大きく(0<x<y<1)、p型AlyGa1-yAs層で構成された第2のDBR層とを含む。
別の態様において、DBR層の交互層の厚さは、DBRの反射率ピークの中心が、デバイスの中間サブ
セルの真性層内に形成された低バンドギャップ層の吸収波長と共鳴するように設計する。別の構成では、
DBR層の周期数は、反射率ピークの振幅を決定し、低バンドギャップ層の電流生成を最適化し選択す
る。別の構成では、DBR層における周期数は、5から50周期の交互材料対の範囲内である。別の構
成では、一連の交互の第1、第2の半導体層の平均格子定数は、基板の格子定数とほぼ等しい。別の構
成では、一連の第1、第2の異なる半導体層は、内部に複数の量子井戸または量子ドットをもつ真性領
域を形成する。別の構成では、一連の第1、第2の異なる半導体層は、それぞれ圧縮歪み付与層と引張
歪み付与層を含むものとする

さらに、別の構成では、一連の第1、第2の異なる半導体層の平均歪みは、ほぼゼロに等し。別の構成
では、第
1、第2の半導体層の各々は、約100~300オングストロームの厚さである。別の構成で
は、より低いバンドギャ
ップ層の第1の半導体層はInGaAsを含み、より低いバンドギャップ層に
おける第2の半導体層はGaAsPを含む。
別の構成では、低バンドギャップ層の各InGaAs層内
のインジウムの百分率は、QW(量子井戸)については10~30%の範
囲であり、QD(量子ドット)
は最大百%である。別の構成では、上部サブセルは、第1の電流より約4%~5%少
ない電流を生成す
する厚さであるという。

Multi-quantum well tandem solar cell/US 6147296 A
※  Multijunction solar cell with strained-balanced quantum well middle cell/US 20080257405 A1

                                                            この項つづく

   

 

【遺伝子組み換え作物論 Ⅷ】 

 

                                                    第4章  バイテク産業のずさんな論理

  大量の嘘や誤った情報を絶えず流し続けるとは、まったくご苦労な仕事である。しかし、巨額の
 投資をした新規の技術がうまく機能しないうえに、誰も欲しがらない商品であるとわかれば、それ
 以外に方法はないのだろう。遺伝子組み換え作物を普及するため、バイテク産業が、米国内だけで
 も数百万ドルを使ってロビー活動を展開しているのも、ある意味では当然のことだろう。たとえ、
 それが嘘であっても大量の情報を繰り返し流すことで、いつかは社会の常識にしてしまおうという
 のが彼らの戦略である。マルコム・フーパー名誉教授(英国サンダ-ランド大学・医化学部)は、
 人々
を憂欝にさせる彼らの手口を語っている。
 
  「私を驚かせだのは、真実を知らない科学者に対して、彼らが万人ずつ説得にかかっていること

 だった」
  そこで以下に、遺伝子組み換え技術を正当化するために最も多用されている嘘の数々を紹介する。
 
  (1)遺伝子組み換え技術は、自然交配と同じ?

   「遺伝子組み換え作物は、自然の変化や伝統的な品種改良が生みだした従来の作物と変わらな
 い」という彼らの主張こそ、根本的な嘘であり、遺伝子組み換えビジネスを支えるトリックだ。た
 とえば、魚の遺伝子をトマトに組みこむことや、ウィルスの遺伝子を穀物に組みこむ、あるいは遺
 伝子操作によって医薬品用の作物をつくりだすことは、ある種の遺伝子を別の種へと転位させるこ
 とであり、自然界では起こりえない。
  
  NGO「地球的責任のための科学者」のエヅァ・ノボトニー博士は次のように指摘する。

  「地球に生命が誕生してから数十他年の間、まったく異なる種の間で交配が起きたという証拠は
 ない。もしも、自然がそれを試みたとしても、失敗に終わってきたのだ。人間が自然より賢いと思
 うのは傲慢である。遺伝子組み換え技術は、不可逆的な生命進化の過程を破滅に導くだろう」
  遺伝子組み換え作物を承認した食品医薬品局(FDA)の職員でさえ、推進派の見解に同意して
 いない。食品医薬品局で薬事監視指導官だった職員も、「遺伝子組み換えと自然交配は同じではな
 いし、遺伝子組み換え技術には、別の危険性もある」と指摘する。食品医薬品局の科学者は、「生
 物間の壁を彼るのが遺伝子組み換え技術である」と結論づけている。


  (2) 遺伝子組み換えは、精密で高度な技術?

  この主張には、遺伝子学者も同意しない。モンサント社の科学者によれば、外来遺伝子を植物の
 細胞に導入するためには、おもに二つの方法がある。一つは、微小な全やタングステン微粒子に導
 入したい遺伝子を塗布して、「遺伝子銃」で植物の細胞組織に撃ちこむ方法である。微粒子から分
 離した遺伝子が染色体の中に組みこまれて、細胞の形質が変化する。これが、彼らが言うところの
 正確で洗練された技術なのであり、結局は、極小のピンセットと電子顕微鏡を使って遺伝子を導入
 するような技術でしかない。
 
  もう一つは、「アグロバクテリウム」という細菌を使って遺伝子を組みこむ方法である。しかし

 遺伝子銃と同様にこの技術も、遺伝子が染色体のどの位置に入るのかは、やってみなければわから
 ないという問題がある。目的とする遺伝子を、必ず的確な位置に挿入することはできないので、予
 想もしていない結果がもたらされる可能性がある。




  バイテク産業のロビー団体は、「遺伝子は単独で機能している」と人々に信じこませようとして

 いる。ところが実際には、多数の遺伝子と共同で機能しており、何百万年もかかって進化をとげた
 複雑な仕組みなのである。DNAのどこかで何らかの変化が起これば、潜在的にはDNA全体に、
 まったく未知の予想もできない影響を与えている可能性がある。新たな遺伝子が、導入された生物
 の中で、異なる働きをするかもしれない。宿主となった生物の遺伝情報が、多少なりとも影響を受
 けるのである。新たな遺伝子が導入された細胞が分裂して、DNAが複製される際には、遺伝子の
 発現を抑制することもよく起きる。それは、DNAの複製に混乱が生じるためなのである。
 
  マイケル・アントニウス博士は次のように指摘する。


  「新たな遺伝子が組みこまれた作物は、様々な形で遺伝子が正常に機能しないことがある。第一

 には、外来遺伝子を、宿主の遺伝子やその発現を調節する領域に挿入することで、本来の機能をm
 害するためだ。第二に、メカニズムは不明だが一般的に、遺伝子を導入する過程ではDNAの損傷
 によって数百あるいは数千種類もの突然変異が起こる。さらに広範囲にわたって、遺伝子の機能を
 破壊する可能性も潜んでいるのだ」

  遺伝子組み換え推進派のロビー団体は、こうした都合の悪い事実を秘密にしたがるが、彼らの実
 験室では、日常的に突然変異が生じているはずだ。アーパッド・プシュタイ博士も次のように指摘
 する。
  「遺伝子組み換え生物を開発する過程で、多くの生物は日の光を浴びることもない。様々な要因
 によって、植物が成長しなかったり、緑色のサーモンが誕生することもある。遺伝子操作が予測可
 能で精密な技術なら、同じ方法で同じ生物を繰り返し生産できるはずだが、それは不可能なのであ
 る。

  さらに憂慮すべき点として次のような問題がある。
 
  「見るからに不具合な突然変異が起きた場合なら、簡単に取り除くことができる。しかし外見か
 らではわからない異常が起きた場合、こうした突然変異はほとんど検知されない。遺伝子組み換え
 作物の存在、本質、確率に関して、異常を発見するための検査はほとんどまったく行なわれていな
 いのだ」


  (3) 遺伝子組み換え作物には、適切な安全性試験が実施されている?

  第二章で述べたように、不十分なのは、遺伝子組み換え作物の安全性試験だけではない。遺伝子
 組み換え食品が実際に、人体に対してどのような影響を及ぼすのか、安全性を確かめる試験も不十
 分であり、実施されているのは、急性毒性などに関する小規模な試験だけである。バイテク業界は、
 何百種もの安全性試験を行なっているかのように語るが、その大半はまったく行なわれてないデマ
 情報である。


  (4) 遺伝子組み換え作物の流通は、適切に管理されている?

  流通段階における、遺伝子組み換え作物の管理も不十分である。とくに、米国のように遺伝子組
 み換え作物を商業栽培している国々における規制は不完全である。様々な規制を広範囲に実施して
 いる欧州連合でさえ、相当量の遺伝子組み換え作物が食品に混入してしまう大きな抜け遺が存在し
 ている。


  (5) 遺伝子組み換え作物は、安全?


  「米国では、すでに三位人もの人々が何年も食べ続けてきたのだから、遺伝子組み換え作物は安

 全である」という主張があるが、科学的に考えれば無意味な理屈であり、説得力はない。「ブッシ
 ュ大統領はイラク戦争を開始したが、彼のおかげでいまだに第三次世界大戦が始まってない」とい
 うのと同様の論理だからである。

  私たちにわかっているのは、米国では食品由来の疾病が過去七年間で二倍に増えたことであり、 
 それが1996年に始まった遺伝子組み換え作物の商品化と一致することである。同時期には、極
 度の肥満やリンパ腺がんなど、様々な病気も増えている。英国では遺伝子組み換え大豆の輸入が始
 まってから、大豆アレルギーが50%も増加したという報告がある。遺伝子組み換え作物を輸入し
 ているロシアでも、2003年までの3年間でアレルギー症状が3倍に増加したと言われる。
  しかし、こうした症状が遺伝子組み換え食品に由来するのかは不明である。誰も原因を調査して
 いないからである。ビビアン・ハワード博士(リバプール大学、乳幼児毒性病理学部長)は次のよ
 うに指
摘する。

  「遺伝子組み換え食品を摂取した人々の基礎データ、リスクに間する資料、人間による摂食試験
 の調査などは、何も存在しない。結局、遺伝子組み換え食品とは、野放しの人体実験なのである
 遺伝子組み換え食品によって、アレルギー、がん、自己免疫疾患などの一般的な疾病が生じても実
 態を知ることさえできないのである」
  米国のドネラ・メドウズ(ダートマス大学・環境学・非常勤教授)も次のように批判する。
  「"遺伝子操作は安全な技術だこと断言する科学者たちの主張には、何の科学的根拠もないことを
 忘れてはならない。すべての生命を生みだしてきた遺伝情報に対して、今、人回が何を行なってい
 るのか、私たちは何も知らない。ところが残念なことに、公衆衛生を担当する科学者までもが平気
 で嘘をついているのだ」
 
  遺伝学者のデヴィッド・スズキも同様に批判する。

 
  「遺伝子組み換え食品の安全性を主張する政治家や科学者は、よほど愚かなのか嘘をついている
 
のかどちらかだ。人間の影響に対する科学的な安全性試験が行なわれたことはないのだから」

  カナダ王立協会も2001年1月に「遺伝子組み換え食品が安全であるという仮説は、科学的に
 正しいとは言えない」と述べている。
  日本人の科学者猪瀬は次のように指摘する。
  「遺伝子組み換えによる、副作用や偶発的な事故は避けられない
 は無限に存在すると科学者たちは考えている」
  リスク評価の専門家である科学者のスザンヌ・ワートヒール博士は次のように指摘する。
 「DDTに環境ホルモン作用があることが確認されるまで60年もかかった。それにも関わらず。
 遺伝子組み換え食品による死者は発生してないから問題ないこと主張されているのだ」


  (6) 遺伝子組み換え作物は、飢餓を救う?

  これもまた、世界中で何度も繰り返されてきた天嶮である。しかも主張しているのはバイテク産
 業だけではない。ブッシュ大統領も、米国で生産されて残った食糧を他国に無理やり押しつけるた
 め、この嶮を使ってきた。何も知らない人々にとって、飢餓を教うという宣伝文句はもっともらし
 く聞こえるだろうし、それが事実なら称賛に値するが、現実はもっと複雑である。ところが残念な
 ことに、マスコミの影響力が強いこの時代に、真実はなかなか理解されない。
  その真実とは、「遺伝子組み換え作物がなくても、世界中の人々が食べるのに十分な食料が生産
 されている」という現実なのである。人々が空腹なのは、貧しくて食料を買えないからであって、
 遺伝子組み換え作物が手に入らないためではないのだ。

  国際開発NGO「アクションエイド」の政策部長マシュー・ロックウッドは次のように指摘する。
 「貧しい人々にとって本当に必要なのは、自分で作物を育てるための土地と水、作物を市場に届
 けるための道路、そして教育と信用取引の制度である。遺伝子組み換え作物は、世界の飢餓を解決
 する特効薬にはならないのだ」
  「遺伝子組み換え作物が飢餓を款う」という押しつけがましい嘘に対しては、途上国の代表たち 
 も強く嫌悪している。1998年に開催された「国連食糧農業機関(FAO)」の会議において、
 アフリカニ20ヵ国の代表たちは次のように訴えた。

  「我々の国が貧しくて、多くの人々が空腹であるというイメージを、巨大な多国籍企業が利用す
 ることに対して強く抗議する。彼らは、遺伝子組み換えという、安全でなく環境にも悪く、経済的
 なメリットすらない技術を、我々に押しつけようとしているだけなのだ。アフリカの農民が何千年
 もかけて育ててきた、生物の多様性、地域の知恵、持続可能な農業システムを、彼らの技術は破壊
 してしまう。最終的には、自分の食料を自分で生産する能力を奪ってしまうのだ」

  国際開発NGO「アクションエイド」は、多国籍企業の意図を強く批判する。

 「遺伝子組み換え技術を使った農業を普及しようとする彼らの目的は、貧しい農民を豊かにするこ
 とではなく、農業化学産業の利益を増やすことにあるのだ」


                     リーズ、アンディ 著 『遺伝子組み換え食品の真実』

                                      この項つづく
 




それにしてもだ、ミサイルで旅客機を撃ち落とすやなんて!アジア大陸民の集団行動の特性なのだろうか?
ロシア(旧ソ連)では「人命は鴻毛より軽し」という程度のものだろうか? 思うに、覆水収め難し。

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無国籍風冷奴

2014年07月19日 | 創作料理

 

 

 

   

【遺伝子組み換え作物論 Ⅶ】 

「大規模な援助団体が様々な活動を行なっているが、なかでも米国の活動は最悪である。米国による援
助資金の70%は米国の製品やサービスを購入するための費用として使われているのだ」「米国の海外
援助プログラムによって、最も利益を得るのは常に米国である。海外援助を通して米国の農産物を輸出
する巨大な市場が形成できるし、工業製品にとっても新たな市場が開拓されて、何十万人も米国人の雇
用が生まれた」(米国国際開発庁)をとりあげ "バイオ・ハイテク"で儲けられるなら「誇大宣伝」で
あっても「おためごかし」であっても、何でもする
米国の実用主義的な行動を批判展開する。逆にいえ
ば、正当な貿易で売れる貿易商品が先細っている焦燥感のようなものが感じ取れる。これは、例えば、
農作物にしても無理に輸入することもないほどの技術知財を蓄積してしまった日本から逆照射した世界
が透けて見えるようでもある。もっとも、このことを理解している識者の数は縢られているだろうが。

デジタル革命は地球を救えるか。』(2014.07.15)

   食糧危機を救う? 日本の野菜工場

 

                         第3章 政府とバイテク業界の利害関係者 

   ●経済開発協力機構(OECD)

  30ヵ国以上が加盟するOECDの目的の一つは、WTOと同様、貿易の自由化にある。これま
 でおよそ30年にわたってバイテク産業のために活動し、遺伝子組み換え作物を世界的に推進して
 きた。1993年から1998年までバイテク部門の代表だったマーク・カントレーは、「遺伝子
 組み換えでない種子やワクチン、酵素、殺虫剤よりも、遺伝子組み換え生物の方が本質的に安全で
 あり、精密である」という驚くべき発言をしてきた。
  2000年(英国・エジンバラ)、2001年(タイ・バンコク)で開催されたOECDの会議
 でも遺
伝子組み換え推進派が議長を務めた。エジンバラの会議に参加した、遺伝子組み換えに懐疑
 的な科
学者はプシュタイ博士だけであり、会場では激しい批判を浴びた。その時の会議について博
 士は、
「まるでバイテク産業の主張を広めて、その利益を推進するための宣伝の場のようだった」
 と語っ
ている。

   ●国連世界食糧計画(WFP)


  WFPは、世界最大の食糧援助機関である。2000年には83カ国で8300万人以上に食糧

 援助を行なった。「世界の飢餓撲滅のため、最前線で戦う国際組織」と自称するが、今日では仕事
 の大半が、人々を貧困から抜け出させることでなく、非常事態にある人々が何とか生き延びるよう
 に食糧を供給することに集中している。
  WFPの本部はローマにあるが、米国の支配力が強く、援助物資の60%は米国から届けられる。
 1999年には米国農務省(USDAの官僚だったキャサリン・ベルティーニが事務局長を務めた。
 後述するが、WFPは2002年に、アフリカ南部に食糧援助を行なうため、わざわざ米国から遺
 伝子組み換え作物を輸入してアフリカに押しつけようとした。
 「食糧は力である。我々は、食糧を使って相手の行為を変えさせてきた。賄賂ではないかという批
 判もあるが、言い訳をするつもりはない」(WFP事務局長キヤサリン・ベルティーニ、1995
 年北京女性会議において)

   ●国連食糧農業機関(FAO)

  FAOの本部もローマにあり、国連最大の専門的な組織である。農業、林業、漁業、農村開発を

 対象とし、人々の栄養状況と生活水準の向上、農業生産性の増加、農村住民の生活改善を目的とし
 ている。しかしFAOは「緑の革命」を積極的に推進したことで、途上国の小農、健康、環境に対
 して大きな問題を引き起こしてきた。
  その多様な利害関係を反映して、遺伝子組み換えに対するFAOの態度は分裂的な傾向にある。
 遺伝子組み換え推進派が様々な機会を通してFAOにロビー活動を行ない、「遺伝子組み換
えが飢
 餓を救う」といった宣伝をしてきた成果がここにも現れている。2000年のFAO報告
書は、「
 遺伝子組み換え作物によって、必ずしも世界に十分な食糧を供給できるわけではない」と
述べてい
 たところがそれ以来、FAOは米国とバイーアク産業から強い圧力を受けるようになり、2003
 
年の報肘舎では遺伝子組み揆えに賛成するようになった、「遺伝子組み換えが飢餓を救う」といっ
 た誇大な宣伝を行なったことは、すでに有効性を失っていると考えていた援助団体や環
境保護団体
 にとって信じられない出来事たった。

   ●世界保健機関(WHO)

 
  後術するがWHOの中にも食品産業の影響力が浸透していかに忠実にハイテク産業の意図に沿っ

  て「遺伝子組み換え食品の安全性は確認されてきたし、人間の健康に対する影響は認められてい
  ない」とWHOが繰り返しているのもそのためである。

  
   ●国際農業研究協議グループ(CGIAR)

  世界で最も影響力のある農業研究団体たがその実態は、世界各地にある研究機関のネットワーク
 であり、ロックフェラー財団など世界中の財団から資金援助を受けている。1960年代から70
 年代に組織され、その目的は途上国で生産される食糧の量と債を向上させることとなっている。同
 団体と傘下にある16の研究機関(そのうらの13は途と国に設されてぃる1999年の年間予算
 は、3億4900万ドルたった.
  これら研究機関に対する批判の中心は、1960年代に先端技術を導入して「緑の革命」を推進
 し、貧農よりも大規模喫家を支援したことにあるさらに近年ごは、遺伝子組み替ええ技術を熱心
 推奨して、企業利益を支援するためのサーピスーセンタになっていると批判されている。バイ
テク
 事業の研究開発のために、年間2200万ドルを費やしてい今.しかも、諮問委員会に参加
するN
 GOから強く批判されたにも関わらず、理事会メンバーに「シンジェンタ社」を迎え入れた。「

 面もなく企業のための調査研究を実施し、本来の目的である、公共の利殖゛を実現するための
農業
 研究を放棄した」と、あるNGOは批判する.

 「Hungry Corporations (貧欲な企業)」の著者ポールとステインブレシェルも次のように指摘ずる。
 「CGIARの本当の受益者か、経済的にも研究成果の面でも北の先進国たということは、厖大
 資料か証明している.CGIARに投資することで、先進国は大きな見返りを受けられるのだ」

  米国は、CGIARが独自に開発した小麦だけでも、1996年までに、約170億ドルの利益
 を得た。しかも、多数の熱帯作物の種子が、「パイオニア・ハイブリッド社」や「カーギル社」の
 手に渡っており、結局、CGIARの仕事は民間企業に利用されているのだ。



 
   ②米国政府

 
  米国政府は様々な手段を使い、世界中に遺伝子組み換え食品を無理やり食べさせようとしている

 公然と実行されてきたこととしては、次のようなものがある、

 
  ・米国内はもちろん国際的にも、遺伝子組み換え食品の表示に常に反対してきた.たとえばメキ

   シコが表示を義務化しようとした時や、「コーデックス委員会」(FAOとWTOが共同で設
   置した国際的
な食品規格を作成する政府間機関)が表示方法の指剣を決定しようとした時も、
   圧力をかけて阻止した。
  ・遺伝子組み換え食品の安全性鳶査を緩和させるため、世界各国の政府に圧力をかけてきた。
  ・非公開になっている遺伝子組み換え作物の試験場の場所の公開を拒否してきた。
  ・遺伝子組み換え作物をはじめとする米国流の農業技術を、急速にアフリカに普及させてきた。
 

   ●食品医薬品局(FDA)

  遺伝子組み換え食品の安全性について、総合的な責任を負う機関が食品医薬品局だが、実際には、
 ハ
イテク業界からの要ぷがあれぱ何でも実行してきた.消費者団体「ミッシッン・ボッシブル」の
 
ベティ・マルティーニは、「食品医薬品局,ほハイテク業界とあまりにも密接に結ぴついているた
 め、今では業界の"
ワシントン事務所"と呼ばれている」と指摘する。




   ●米国農務省(USDA)

  遺伝子組み換え作物を普及させるため、本国殼務宵が実施してきた様々な手段としでは次のよう
 なものがある。


  ・「有機農産物」の法的な定義を変更させて、遺伝子組み換え作物として認めさせようとした。
   また、さらに厳しい行政農産物の怯準か設定されるのを阻しようとした。しかし27万通の抗
   議文が届いたため断念した。
  ・2003年にカリフォルニア州サクラメントで開ぽきれたバイテク会議に、国際開発庁や国務
   省と共同で300万ドルの資金を提供した。アイオワ州の農家はこの会議を、まるで「モンサ
   ント社の商品展示会」だったと批判している。
  ・遺伝子組み換え作物の開発企業が、米国内の審査を通過して商品化をしやすくするため、20
   05年に新たなブロジェクトを開始した。それと同時に、現行の審査基準か強化されるのを妨
 、 たげてきた。
  ・遺伝子組み換え技術を用いて「バイオ医薬品」を製造することを認めてきた,遺伝子組み換え
   作物やバイオ医薬品の可能性を検討する諮問委員会には、不正な方法で業界代表を選出してき
   た。

   ●米国国際開発庁(USAID)

 
  国連世界食糧計画(WFP)か援助する食糧の60%は、米国国原開発庁か供給している持続哨
 能な農業を支援jするNGO「グレイン(GRAIN)」は次のように指摘する。
 「米国国債開発庁は、米国産の食糧を送るか、それを購入することを条件として、資金援助を行う
 よう、国際食糧計画に要求してきた。しかし、そもそも食糧を現物で支給しても、一時的に飢餓を
 緩和できても、飢餓の原因そのものを解決することはできない.ところが食料援助という巧妙な戦
 略を用いることで米国内の農業を援助し、それと同時に他国の農業を衰退させることかできるのだ。
 途上国で農業が衰退し、開発が進めば、新たな心場が開拓されて米国産の食糧を購入することにな
 る。つまり途上国にとっての間発が米国の利益になるのである」

  アメリカのカトリック系アフリカ支援団体である「アフリカ信仰と正義のネットワーク(AFJ
 N)」のローレンス・グッドウィンも、「米国が望むのは、種子、穀物、水など生命にとって最も
 基
本的な資源を、米国の企業が支配することである」と批判する。
  さらに、「米国は、自国の外交政策を推進する道具として米国国際開発庁を利用し、被援助国に
 遺伝子組み換え食品を食べることを強要している」という批判もある。事実、米国国際開発庁は、
 自らの役割は「遺伝子組み換え作物を途上国地域の食品生産・流通システムの中に溶けこませるこ
 とだ」、と公然と語っている。2002年に米国国際開発庁は、途上国に遺伝子組み換え技術を導
 入させるため、1位ドルのプログラムを開始した。これも米国市民の税金を使った、バイテク産業
 への補助金なのである。エルサルバドル出身の「地球の友インターナショナル」代表リカルド・ナ
 バロは、「遺伝子組み換え食品の新たな市場を開拓するため、食糧援助が利用されている」と批判
 する。



 
  OECDや世界銀行でさえ、米国国際開発庁の利己的な方針を次のように批判する。

  「大規模な援助団体が様々な活動を行なっているが、なかでも米国の活動は最悪である。米国に
 よる援助資金の70%は米国の製品やサービスを購入するための費用として使われているのだ」
  事実、米国国際開発庁のウェブサイトも、「米国の海外援助プログラムによって、最も利益を得
 るのは常に米国である。海外援助を通して米国の農産物を輸出する巨大な市場が形成できるし、工
 業製品にとっても新たな市場が開拓されて、何十万人も米国人の雇用が生まれた」と、誇らしげに
 誇っている。
  米国国際開発庁は、年間10億ドル以上も使って米国の農業企業から穀物を購入し、援助と称し
 て飢餓に苦しむ国に船で輸出している。他国のためと主張しながらその実態は、税金を使った米国
 農業への巨額の補助金なのである。
 

 

                     リーズ、アンディ 著 『遺伝子組み換え食品の真実』

                                      この項つづく  


Meal Support System for Tofu Handling Using Laser Range Finder and Manipulator

【無国籍風冷奴】

むかしから、豆腐料理が好きで、寒い冬には湯豆腐と熱燗があればご機嫌で、暑い夏には、そうめんと
冷奴と塩茹で枝豆をつまみに、キンキンに冷えたビール(むかしは「ドライ」いまは、白い「金麦」)
があれば、これでご機嫌なのだが、豆腐の美味しさは、「純粋無垢」のその立ち居振る舞いのよさにあ
り、あらゆるものを吸収し、あらゆるものと融和するところにあり、日本文化のメタファであり神髄と
いうものだろうと信じているっものである。


周知のごとく、冷奴(ひややっこ)とは、豆腐を使った料理の一つ。奴豆腐(やっこどうふ)、略して
"やっこ"ともいう。主に、酒の肴や夏向きの料理として食べられる。冷やした豆腐(絹ごし豆腐、木綿
豆腐の双方が使用される)の上に薬味を載せたり、調味料を使用して食べる日本の料理である。豆腐は
数センチメートル角か、あるいは近年は一人分の大きさの直方体に切る。薬味や調味料は様々なものが
使用され、薬味は刻みネギ、削り節、おろしショウガ、ミョウガ、青じそのみじん切り、ダイコンおろ
し他、調味料は濃口醤油、唐辛子味噌、その他のタレなどである。また、オクラ、納豆などを載せて食
べる事もある(Wikipedia  @参照)。もっとも、講釈を垂れれば、豆腐は、大豆の搾り汁(豆乳)を凝
固剤
(にがり、その他)によって固めた加工食品で、東アジアと東南アジアの広範な地域で古くから食
され続けている
大豆加工食品。とりわけ中国本土(奥地を含む)、日本、朝鮮半島、台湾、ベトナム、カン
ボジア、タイ、ミャンマー、インドネシアなどでは日常的に食べられている。加工法や調理法は各国ごとに
異なるが、このうち日本の豆腐
は白く柔らかい食感を持つ「日本独特の食品」として発達してきたもの。
また、「冷奴」の語源は、冷奴の「奴」は、近世、大名行列の先頭で槍や扶み箱をもつ役の「槍持奴(やりも
ちやっこ)」のことで、奴炉羞ていた半纏には、「釘抜鉄」と呼ばれる四角い大きな鉄炉ついてあり、豆腐
の形炉奴の鉄に似ていることから「奴豆腐」と言うようになり、冷やしたものを「冷奴」、湯豆腐は「湯奴」
や「煮奴」と呼ぶようになった。「冷たい」ことを表す「ひゃっこい」炉転じて「冷やっこい」、「冷やっこ」に
なったとする説もあるが、冷やした豆腐を「冷奴」と呼ぶようになるのは「奴豆腐」よりも後のことなので、
この変化は考えられない、
とか。 



最近は、6センチメートル角程度の一口(一人)サイズのものが売られており、冷蔵庫に入っていたの
で、昼抜き
では持たないと、これは便利と取り出し、ネギあるいは花鰹節、ジャコなどあるものを適当
にトッピングし、醤油、
ベースに、ラー油、オリーブ油、食酢をかけ、香辛料としてチューブ入りの生
ショウガ、ワサビ、ニンニクを添え頂
くことが癖になっていたが、彼女に見つかり、まとめ買いをしス
トックしているので乱さないでね!と強~~~ぃい
お咎めを喰らうことに(御免ね!)。そこで、冷奴
のレシピを「クックパッド」などをネットサーフ。そこで、体系的には、ソースベースで国・地方で大
し別――例えば、韓国風は唐辛子とゴマ油、イタリア風はオリーブ油とガーリックで10ヵ国・地方程
度にわけ、"無国籍風冷奴"(Ethnic Yakko Tofu/Ethnic Cold Tofu)とした。

 
 
 

 

 

 

 

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楽しい図書空間

2014年07月18日 | 日々草々

 

 




【楽しい図書空間】 

彼女が、この街は観光一辺倒で、図書館は貧弱で市民のための何か役立つようなサービスをやっている
の?と、八割蕎麦を食べながら――このとき、わたしは十割蕎麦を注文していた――そう話す。それは
結婚する前から僕も考えていたんだと答え、例えば、佐賀県は武雄市図書館のようにスケールの大きい
図書空間が理想だがねと話した。ところで、武雄市図書館の運営は話題である。館内に入ると、目の前
一面に本でできた壁が広がった。吹き抜け構造の2階天井に至るまで書棚が伸び、本がぎっしリ詰まって
いる。1階
手前は新刊本や雑誌を販売する蔦屋書店コーナー。奥には高さ4メートル程の書棚がずらりと
ならび、入り組んだ迷路のようになっている。利用者の4割が市外からの利用者で、図書館の駐車場は
ほぼ満杯状態という。20万冊の蔵書の大部分が開架で利用でき、さらに3万冊の販売用書籍が並ぶ。利
便性だけでな<、本の森の中を好奇心に溢れ彷徨い歩いているような気分だとか。

 

公立図書館と異なるのは「音」だ。メーンの閲覧スペースにカフエが併設されているので、館の入ロをくぐ
った瞬間、話し声がぎわぎわと耳に入ってくる。一般的な図書館の静けさはない。カフェスペースではコ
ーヒーや軽食を片手に貸し出し図書をめくることができる。販売用の書籍や雑誌の持ち込みも可能。ノ
ートパソコンを開いて仕事の資料作りに没頭したり、友人とのあしゃベリに興じたりもできる。周囲の
迷惑にならない限り自由だというルールの下にある。このざわざわついた雰囲気」が、大きな長所にもな

っているが、その効果の裏付けもとれている。つまり、その方が快適に過ごせて集中を損ねることはな
いという。そこで、子どもを連れて来やす<なった。絵本の読み聞かせもリラックスできる。つまり図書
館が生み出す
価値は、単に本の貸し借りや読書、調べもののだけでなく、人が集まり情報を交換し、自ら
新しレ情報
を発信できる場所として機能することにある。そのことは。開業から半年の来館者数は、前年
上3.6倍の52万人という数字となって表れたという。

 

騒音と感じるかどうかは個人の精神に帰すが、該当住民利用者(納税者)に対するきめ細かな配慮は同
然だろうし、「図書館の自由と武雄市図書館と図書館戦争のようなもの 」で指摘する「図書館利用者は
個人のプライバシーと匿名性への権利を有するものである。図書館専門職とその他の図書館職員は、
書館利用者の身元ないしは利用者がどのような資料を利用しているかを第三者に開示してはならない。

」("IFLA 図書館と知的自由に関する声明 (1999)” )とあるように個人情報の取り扱い。蔦谷屋から
個人の図書情報漏洩リスクがネット上でも指摘されている。ともあれ、極めて魅力的な公的図書館にあ
るようにみえる。
 





【ルームランニング記】

ルームランナーを使いだし、不具合事象もわかってきた。その1つが勾配(いまのところ最大で6度)
を上げるとステップの揺れで軋み音が発生しこれが耳障りになる。これをなくすには、構成材料の剛性
を上げる、振動周波数の相殺ぐらいしか思い浮かばなかったが、無理をしてこのまま問題ないところま
で使い観察することに。ところで、トレーニング途中、両手はフリー状態になるため一計を講じ、バス
ケの「握力」の筋肉を鍛える手軽な方法――両腕を前に水平に突き出しなが、これは、ダンベルのシャ
フトなどのグリップを素早くグッと握って、素早くパッと放すという動作をただ延々と繰り返す方法だ
が、バ
スケでは親指で人差し指・中指・薬指を押さえ込み、親指をはじき飛ばすようにして指を開放す
る――
を思い出した。

下写真のようにするのだが、「しかし、バカにしてはいけない」と解説されている通り、素早く動作を
繰り返そうとすればするほど、一度に収縮する筋繊維は多くなりますので、前腕を鍛える方法としては
とても有効で、 繰り返し行うと、前腕に焼け付くような痛みを感じてくるほどで、インターバールで数
十回ごと繰り返すというもの。いろいろ試しその効果を図ってみる。

 

 

【アレールギー闘病記 ブタクサ】

ハーバード大学医学部の健康・地球環境センター副部長、ポール・エプスタイン(医学博士、公衆衛生
学修士)によれば、二酸化炭素(CO2)の濃度が上昇したことによって、ブタクサの花粉の生成される
時期がいかに早められ、その量が増加。これにより米国とカナダ全域での共通の問題であり、温暖化や
それが引き起こす可能性のある二酸化炭素濃度の上昇は、推定約5千万人に上る米国のアレルギー患者
と、アレルギーに誘発されることの多い約1千8百万人に喘息患者の症状が悪化したり、発症頻度が増
加したりする原因になると考えている。米国疾病予防管理センタ(CDC)によれば、1998年に米国内
で少なくとも5,438人が喘息で死亡し、42万3000人が入院した。また、呼吸器疾患への影響も懸念され
ている。「温暖化は、化石燃料の燃焼でオゾンやスモッグカ贈加することを意味し、それが呼吸器に及
ぼす影響がいっそう深刻になるだろうと研究者は述べている。既に米国の人ロの約半数が有害なオゾン
レベル地域に居住していると、米国師協会(ALA)が2002年5月に報告している。 

● アレルギーや肺刺激物の回避方法

・外出前に、地域の天気予報でスモッグや花粉量などの大気の状況を確認する。外気が汚染されている
 場合は窓を閉めよう。運動は早朝に、温度が上昇してスモッグや花粉飛散が発生する前に行おう。
・玄関にはドアマットを用意し、ほこりや微粒子卵受入を防ぐ。靴はドア付近で脱ごう。
・汚染物質が付着するカーベットは外し、小さな敷物は洗おう。
・微細な花粉の粒子を除去するHEPAフィルタ(空気嵩争の目的で使用する工アフィルタの一種)を電気
 掃除機、空気浄化機、空調機に使用しよう。
・外の大気の状態が悪い日は、空調が効いた本屋捌傑物館、カフエ、映画館などに避難しよう。

● 地球温暖化カス削減のために

・省エネ型電化製品を選ぼう。
・自家用車の運転を控えて、徒歩や自転車、公共交通機関を利用しよう。それによりカロリー消費量も
 増えるので一石二鳥だ。




● ブタクサアレルゲンとの闘い


この季節、ブタクサ・ヨモギ花粉に悩まされているが、重篤なものでなく軽度な方だが、例えば、前髪

が垂れ眉毛(右)に掛かり2年ほど前から接触皮膚炎を起こし、かゆみを伴う丘疹に悩ませるようにな
った。そこで、登場するのが、アミノグリコシド゛系の抗生物質のゲンタシン軟膏で塗り込むだ(上図
クリック)。イタチごっこだけどこれを使う。それ以外の部位に紅斑・丘疹ができるが、それぞれ使す
る軟膏はことなるが、温暖化で疾病の閾値が下がってくるので困ったものだと思案している。

 

  

【遺伝子組み換え作物論 Ⅵ】


                         第3章 政府とバイテク業界の利害関係者

    ③ 推進派の国際的なネットワーク

  バイテク企業の利益のために活動している、世界的なネットワークが存在する。彼らは、反対派
 の意見を崩すためなら、容赦なく強硬な批判を展開する。混乱した情報を都合よく発信するために、
 第三者的な立場にいるジャーナリストでさえ、ことの本質を把握することが困難となり、専門的な
 知識をもつ人々をも混乱させている。

   右翼的なシンクタンク、調査機関、広告会社

  こうしたネットワークに巨額の資金を提供しているのがタバコ産業であり、たとえば「フィリッ
 プモリス社」は「オーストラリア公共広告協会(IPA)」の理事にも就任している。
 「欧州科学環境財団(ESEF)」は、「外部からの寄付を受けない中立の立場にある科学者グル
 ープ」と自称しているが、実際には設立資金の大部分がタバコ産業の寄付によるものだった。この
 財団は先頭に立ってタバコ業界を擁護し、喫煙に反対する研究報告を批判、タバコや遺伝子組み換
 えを規制する動きに対して攻撃をしかけている。
 「競争企業協会(CEI)」も企業の出資によって設立された、遺伝子組み換え推進派の団体であ
 る。多くの出資企業の中には、「フィリップモリス社」や「ダウ・ケミカル社」がある。
 「市民社会のための国際的消費者(ICCS)」は、米国の「ハドソン研究所」によって設立され、
 ノバルティス社、カーギル社、デュポン社、モンサント社などのバイテク企業から資金を提供され
 ている。創設者のデニス・T・エイヅァリーは、有機農業を批判する記事をウェブ上に毎週掲載し、
 三百~四百組ある米国の新聞に向けて配信している。彼の息子アレックス・エイヅァリーもハドソ
 ン研究所の「グローバル食品研究センター」で活動している。

  『エコロジスト』誌の記事は、彼らの活動を次のように説明している。
  「エイヅァリーが発信する主張は、。米国科学健康協議会(ACS且〃やご筧金な科学推進連合
  (TASSCブなど多くの団体がとりあげている。しかし、米国科学健康協議会の代表エリザベ
 ス・ウィーフン博士は、"自然然の賢い利用"を提唱する企業寄りの活動が批判されて、"反環境保護
 
主義的なヒーロー50人"の一人に選ばれた。彼女は、有機農業家を"有害なテロリスト"と批判して
 いる」

  NGO「公共科学センター」の事務局長マイケル・ヤコブソンも、「消費者の自由センター(C
 CF)は、消費者団体を装っているが、実際には、業界の先頭に立って汚い宣伝活動を展開し、米
 国人を欺いている」と批判する。「消費者の自由センター」は、遺伝子組み換え食品の普及に努め
 るだけでなく、有機食品に対する誹談中傷も展開している。
  NGO「GMウォッチ」は、広告会社「バーーマン・アンド・カンパニー社」を次のように批判
 する。
  「同社は、バイオテクノロジーに反対する者にンアロリK4Nというレッテルを貼ることで、米
 国内で活動するテロリスト集団の一員だと講談する。さらに、。用心すべきは、アルカイダでなく、
 中産階級の子どもたちである〃とさえ主張する。バーマン社がもっているに仄バイテク過激派リス
 ト〃の中には、グリーンピースや地球の友などの環境保護団体、さらには途上国の貧困層を支援す
 る団体jクリスチャン・エイド"も含まれている」
 
  マーケティング・リサーチ会社「ニコルス・デゼンホール社」も、市民団体を装って「ストッ
プ・
 エコ・バイオレンス」というウェブサイトを運営し、環境運動家の批判を展開している。さら
に同
 社は、化学工業業界が設立した「競争企業協会(CEI)」と共同で、ジャーナリストや企業の

 員を対象にした。エコ過激派〃についての対策会議を開催した。「米国化学工業協会(ACC)」

 の内部メモによると、同社は「市場防衛企業」を自称しており、元FBIやCIAの職員を雇って、
 反対運動家の活動計画や目的、集会などについての諜報活動を行なっている。

  アグバイオ・ワールド財団

  C・S・プラカシュ博士が会長を務めるこの財団の存在意義は、まさにバイオテクノロジーを世
 界的に普及することである。バイオテクノロジーに開する世界有数のウェブサイトを運営し、世界
 中の遺伝子組み換え推進派の研究者が参加している。遺伝子組み換え作物のよ系晴らJ4U4につ
 いて、日々、新たな情報を発信するとともに、反対派の論理を攻撃し環境保護運動家や科学者たち
 を批判してい鋸。プラカシュ博士の専門は植物分子遺伝学であり、アラバマ州タスキギー大学の教
 授ではあるが、「米国国際開発庁(USAID)」から数百万ドルの資金提供を受けて遺伝子組み
 換えの普及に努めている。
 NGO「GMウォッチ」は、彼らがEメール・レター「アグバイオ・ビュー(AgBio View)」を配
 して、きわめて歪んだ情報を流していると批判する。 
  
  「彼らは、遺伝子組み換えに反対する人々に対し、きわめて俗悪的な言葉を使って非難する。フ
 ァシズム、共産主義、帝国主義、ニヒリズム、殺人者、破壊者、テロリズム、集団虐殺……。さら
 には。ヒトラーや、世界貿易センターを破壊した大量殺人者と同じだ〃といった中傷さえ行なって
 いるのだ。

  むろん、遺伝子組み換え反対派は、「アグバイオ」による自分たちへの批判が誹膀や中傷である
 と承知している。後述するが、プラカシュ博士の主張はいつも同じ論理なのである。モンサント社
 が、アフリカのケニアで遺伝子組み換えサツマイモの開発に失敗した時も、彼はそのメリットを賞
 
賛していた。失敗した事実を批判されても、「自分は知らない」と彼は答えるのだ。

 

   (2)国際機関と米国政府

   ① 国際機関


 「世界貿易機関(WTO)や経済開発協力機構(OECD)といった。先進国クラブのネットワー
 
クは、世界各国がパ国際競争力作を高めるために活動していると考えられている。しかしパ国際競
 
争力ことは、多国籍企業による収奪を、現代的に婉曲に表現しただけなのだ」
  こう指摘するのは英国の著名なジャーナリストで、作家、映像監督のジョン・ピルジャーである。
 世界経済の支配者にとって、最も重要な手段が、WTO、世界銀行、IMF(国際通貨基金)なの
 である。

   ●世界貿易機関(WTO)

  1995年に設立されたWTOは、世界貿易のルールと方針を決定する主要な機関である。選挙
 で選ばれるわけでもなく、最終的な責任をとることもないこの機関は、巨大企業による大規模な取
 引にとっては大変、都合がよいものに違いない。そのうえ、各国政府の権限を上回る権力をもつ。
 業務内容は極秘の非民主的な機関であり、外部の団体が対抗することはできない。
  WTOは国連組織でなく、自由貿易の推進だけが目的である。WTOによって貧困国は大きな打
 撃を受けている。自由貿易によって食料価格は低下するのに、農家が購入する資材価格は上昇して
 いるため、途上国では農家が農業を続けることができなくなっているのだ。
  しかも、WTOのルールにもとづき、先進国の農家は巨額の補助金を受けて農業を続けられるが、
 余裕のない途上国は農家を支援できない。事実、EUと米国における農業補助金は、1995年の
 1820億ドルから2000年には3270億ドルヘと急増した。富める国に都合がよく、貧しい
 国にとって不利なルールなのである。
 
  国際環境NGO「地球の友」の国際組織「地球の友インターナショナル」は、2003年にWT
 Oを次のように批判している。
  「"規則に従った貿易""貿易の自由化"といった言葉の陰で、多国籍企業の利益のためにWTO
 よって貿易と投資のルールが決められている。多国籍企業の世界進出を整備するため、障害物を

 り除くのがWTOの役割なのである」

  ジョン・ピルジャーも同様に批判する。
 「多国籍企業はWTOのルールを利用して権力を行使し、地域で妨害を受けたり国際的な干渉の及
 ばない貧困国から資源と市場、仕事を奪っている」
 「米国トウモロコシ生産者協会」のドン・マクガイアは、農業分野におけるWTOの問題点を指摘
 する。「農業関連の多国籍企業は強い権力をもっており、WTOを利用して、農業政策や遺伝子組
 み換え政策、食料生産や食品価格の今後を支配している。彼らの目的はあくまでも自分の利益を上
 げることであり、人々のために事業をしているわけではないのだ」

 『人質にされた国家』の著者ジョージ・モンビオも、WTOのルールを批判する。
 「国際的な貿易協定が世界中の政府を脅かしているが、なかでもWTOのルールは、公正な開発
 権、環境にとって最大の脅威である。WTOのルールを優先させれば、オゾン層を破壊する物質

 規制する。"モントリオール議定書"、国境を越える廃棄物の移動を規制する。"バーゼル条約"、絶

 滅の恐れのある野生動権物の国際的な取引を規制する。ワシントン条約〃でさえ廃止することが可
 能になってしまう」

  ●「世界銀行」と「国際通貨基金(IMF)」

  1945年に設立された世界銀行も、とかく批判されることの多い世界最大規模の開発援助機関
 で、方針を決定するのは資金の大半を拠出している米国、英国、日本、ドイツ、フランスである。
  2000年の融資額は合計153億ドルで、加盟180カ国に対して融資を行なっている。(米
 国の軍事費、年間3600億ドルに比べれば少額とも言えるが)。
  わずかな金額の融資と引き換えに、世界銀行は造上国に対して自由主義経済の推進を強要する。
 そして世界銀行によって「構造調整プログラム」を課せられた債務国は、公共サービスを大幅に削
 減して、公共事業も民営化することになる。さらに多国籍企業にとって都合のいいように労働者の
 賃金を低下させて、一定期間、法人税が免除される。
  こうした典型例の一つがベトナムである。1994年に、世界銀行とIMF、およびベトナム政
 府との合意によって同国経済の構造調整が合意された。そしてその後の10年間で、同国の優れた
 教育制度や主要な医療制度は解体され、失業率が急増して、貧困層が拡大するとともに、年金や社
 会保障制度が崩壊した。民主主義は危機に瀕し、企業だけが成長して、あらゆる物の低価格化か進
 んだのである。
 
  アフリカでも、世界銀行やIMFと一体になった米国によって「構造調整プログラム」が導入さ
 れ、飢餓が深刻化した。アフリカ大陸では六億人以上の人々が栄養失調に苦しみ、基礎的な医療や
 教育も受けられずにいた。なぜならその解決のために必要な資金は、欧米の金融機関への返済にあ
 てられているからだ。
  フィリピンでも一時間に一人の予どもが死亡しているのに、国家予算の半分が、世界銀行とIM
 Fに返済する利子に充当されている。この暴力的な力から逃げられる国は、世界中のどこにもない。
 ほとんど収入がないのに多額の借金を抱えた国々が、1995年に返済した額はIMFからの融資
 額を上回る10億ドルにのぼる。「先進国に返済できない借金を抱えた国々では、その重荷に耐え
 かねて毎年50万人の子どもが死亡している」と、ユニセフ(国連児童基金)は指摘する。

  第一章で「緑の革命」について説明したように、IMFと世界銀行は農業分野でも悲惨な歴史を
 繰り返してきた。たとえば世界銀行は、1988年から1995年までの間に、2億5000万ド
 ル相当の殺虫剤を購入するための費用を造上国に融資した。しかもその殺虫剤とは、「殺人軍団(
 ダーティ・ダズン)」と呼ばれるほど極めて毒性と残留性が高い「パラコート」と「DDT」であ
 り、融資のうち5700万ドルは3年間で、G7各国の農業化学企業に支払われた。
  世界銀行をはじめとする様々な開発銀行は、1993年から1995年までの間に約50億ドル
 の援前金を途上国に送った。しかし実際は、その金が米国の巨大企業に環流するようになっており、
 多国籍企業に対するあからさまな支援策だった。この利益を受けた団体の1つが、世界の貧困地帯
 でよく知られた企業であり、食品関連では世界で第三位の売り上げを誇る「カーギル社」である。
 
  同社の年間売上高は、パキスタンやフィリピン経済と同規模を誇っている。結局、世界銀行やI
 MFは一体、誰を助けようとしているのかという疑問が生じる理由はこの点にあるのだ。
  世界銀行は、途上国に遺伝子組み換え種子を広めるプロジェクトにも、数値ドルを融資してきた。
 第七章で説明するが、ケニアで遺伝子組み換えサツマイモの栽培に600万ドルを投資し失敗に終
 わったフローレンス・ワンブグ博士はその典型例だ。こうした世界銀行の融資事業には常にモンサ
 ント社、バイエル・クロップサイエンス社(旧アベンティス社)、シンジェンタ社が関係している。
  米国国際開発庁(USAID)の顧問だった経済学者デビッド・コーテンは次のように批判する。
 「世界銀行とIMFは悲惨な失敗を続けてきた。世界の貧困国に巨額の債務を負わせて、その発展
 を妨害してきたのだ。軍隊を除けば、歴史上、世界の人々にとって最も有害な団体である」
 
  米国の著名な市民権運動家ジェシー・ジャクソン牧師は、1993年にガボン共和国の首都リー
 ブルヴィルに集まったアフリカ11カ国の首脳を前にして、強く非難の声を上げた。
  「今では彼らも私たちに対して、銃弾や縄を使うことはできない。ところがその代わりに世界銀
 行とIMFを利用しているのだ」

                     リーズ、アンディ 著 『遺伝子組み換え食品の真実』

                                      この項つづく 

 

 

 

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原発に不都合な真実

2014年07月17日 | デジタル革命渦論

 

 




【のどごしセンサ】

梅雨明け、夏休みを迎え2008年の話だが、キリンビールが喉越し測定装置(センサ)の開発に成功して
いる。そこで、
ビールなどを飲むとき、「うーん、のどごしがいい!」「これはのどごしが今ひとつだ
な…」というように、「のどごし」という言葉をよく使うが、
「のどごし(Feeling of food or drink going
down one's throat
)」? この言葉よく耳にするがよくわからない。そこで、いつものようにネット検索。
日本語では、ビール系飲料を飲んだり、うどんを食べたりするとき、おいしさを表現する上で、「のど
ごし」という言葉がしばしば使用されます。辞書で調べると、「飲食物がのどを通っていくときの感じ」
(三省堂『大辞林 第二版』)と定義されているが、「のどごし」に対応する言葉は、英語やドイツ語
などの外国語には見当たらず研究例もほとんどないという。
 

参考にしたのは、運動などによる筋肉疲労の研究。人間の筋肉は、運動により、表面筋電図の低周波成
分(10ヘルツ以下)が上昇し、高周波成分(100ヘルツ以上)が減少する傾向にある。それで「のどごし
」は飲用時ののど筋肉の運動と関係があるのではないかと仮定し、上写真のように「のど筋電図」を測
定して周波数を解析する手法を編み出したというのだ。
測定する場所は、下あごの下の咽頭を挟んで左
右にある筋肉(オトガイ下筋)。この筋肉は、飲み物を飲んだ際に動くことが知られている。、この筋
肉の筋電図を計測することで
、簡便で感度の高い解析結果が得られた。ちなみに、下あごの前面中央部
にある、梅干の種のようなしわのできる部分を「オトガイ」という検証方法として、一般に「飲みやす
い」といわれている「軟水」「炭酸水」「冷水」を、それぞれに対応する「硬水」「炭酸の入っていな
い水」「常温の水」と比較しました。結果は、下記のとおりです。いずれも、「飲みやすい」といわれ
ている飲料のほうが低周波成分が低く、高周波成分が高くなる。

研究では、さらに味が「のどごし感」に与える影響について調べ、味に関しては、「基本5味」と呼ば
れる酸味(クエン酸)、甘味(砂糖・グラニュー糖)、塩味(食塩)、苦味(カフェイン)、うま味(
グルタミン酸)をそれぞれ水に溶かし、5mlをひと口で飲んだ際の、のど筋電図を周波数解析を行ってい
る。
その結果、次の傾向を突き止める。

 

この研究では、ほかにも面白い結果が得られている。銘柄を隠した官能評価で、「のどごし感」に差ビ
ールと新ジャンル商品についても、のど筋電図による周波数解析を行ったので、官能評価で「のどごし
が良い」と評価された新ジャンル商品は、周波数解析でも低周波成分が低くなった。一方、官能評価で
「のどごしが悪い」と評価されたビール商品は、低周波成分が高く、高周波成分が低くなり、官能評価
と周波数解析の傾向が一致するという結果を得る。とはいえ、のどごし感は飲む人の主観に大きく左右
され
銘柄を隠した官能評価で「のどごしが悪い」と評価され、周波数解析でもそれを裏付ける結果が出
たこのビール
も、銘柄を明らかにした状態での官能評価では、「のどごしが良い」の評価に逆転するか
もしれない
。なぜなら、実際の「のどごし感」は、主観に大きく左右されるからだ。この「のど越しセン
サ」は、被験者ののどにセンサーを貼り付け、ビールを飲んでいる時の、のど仏の運動、のどの筋肉の
活動、のどが鳴る音を計測することで、のどの活動を科学的に分析することができ、のどの神経、筋肉
の衰えによる高齢者の誤嚥に悩む医療関係者からも注目されており、「アメリカ醸造化学者学会 201
0年最優秀賞」を受賞している。この言葉もまた世界語に追加されるととなった?
 

 

  


【オールソーラーシステム完結論 Ⅶ】


● 原発に不都合な真実

今月14日、ドイツのフラウンホーファー研究所(ISE)は、Ⅲ-Ⅴ族半導体のと4接合太陽電池(MJC)の
効率の集光型太陽光発電システムCPV)で、モジュール変換効率で世界記録 36.7%を達成したと報じ
た。この技術は、同研究所のFLATCON®モジュールをベースに、Soitec社との共同開発によるもの。因
みに、832平方センチメートルのモジュール開口面積からフレネルレンズで16平方センチメートル
に230倍に集光濃縮させる。また、使用した化合物半導体は、GaInP/GaAs/GaInAs/InPから構成
されたものだが、当然、価格は、現行の3接合太陽電池より高いが、8ユーロ/キロワットアワー以下
にコスト逓減させるとのことである。

 

この報告から2つのことが読みと取れる。その1つは、総発電エネルギーベースでわたし(たち)が最
高目標に設定した変換効率25%超での35%を試作段階で到達できたということであり、実績ベース
でも既にグローバル
に展開しているソーラーパークの保有するデーターや企業技術が利用できること、
そして、地下化石燃料が枯渇して
もこのシステムのグローバル展開で充分に賄えることであり、コスト
逓減は実現できるだろうとわたし(たち)が考えている
。そして、2つめには原発政策維持したい既得
勢力にとっては不都合な真実(驚異)になることであり、このドイツ
の先駆事例のごとく、高変換効率
型太陽電池開発において、日本が後陣を拝すことになっていることである("半
導体不平等条約”のごと
く根幹的な技術開発競争での遅延)。それではどうすればよいか?国際的な共同開発
体制の再構築を早
急に行うことだろう。と、考えている。 

 

  

【遺伝子組み換え作物論 Ⅴ】


                                        第3章 政府とバイテク業界の利害関係者

   ② 推進派のロビー団体

  バイテク産業の利益を実現するため、過去10年間に、政府機関、各国の貿易交渉、国際貿易の
 場など、世界中で多くのロビー団体が活動するようになった。

 
 
 ●国際アグリバイオ事業団(-SAAA

 
  米国を拠点とする「ISAAA」は、途上国に遺伝子組み換え作物を売りこむため、バイテク産

 業によって1991年に設立された。バイエル・クロップサイエンス社、モンサント社、シンジェ
 ンタ社、パイオニア・ハイブリッド社、バイオテクノロジー・生物科学研究会議(BBSRC)等
 が出資している。数百万ドルにのぼる「ISAAA」の年回予算は今も昔も、モンサント社やシン
 ジェンタ社、世界銀行のアドバイザーなど、著名な人物で構成される取締役会が利用しており、そ
 こにアフリカなど途上国の農民団体の代表が参加することはない。「ISAAA」は、世界中で生
 産されている遺伝子組み換え作物についての年次報告書を公表しており、多くのメディアもその資
 科にもとづいて報道している。ただしそのデータは正確さに欠け、発表された農家の利益も誇張さ
 れていることが多い。たとえば、南アフリカにおける遺伝子組み換え綿の栽培面積が、実際の20
 倍の規模で発表されたこともある。 
  米国を中心とする世界的なロビー団体であり、ワシントンにある米国政府に対してバイテク産業
 の利益を実現するため、1993年に設立された。一千社が参加して、2002年には3千万ドル
 の収入があり、70人の職員を抱えている。1998年から2002年までの5年問だけでも14
 00万ドルを使って下院議員、食品医薬局、米国政府圧力をかけている。


  ●「米国大豆協会(ASA)」「全国トウモロコシ生産者協会(NCGA)」

 「米国大豆協会」の財源の一割は、モンサント社、パイオニア・ハイブリッド社、BASF社(ド
 ィツの化学企業)からの寄付による。「全国トウモロコシ生産者協会」はそれ以上の寄付をシンジ
 ェンタ社などから受けている。「米国大豆協会」は2007年に28万ドルを使って、「全国トウ
 モロコシ生産者協会」や「バイオテクノロジー情報協議会」と一緒に「遺伝子組み換え作物のメリ
 ットについての共同メッセージ」を発信している。

 
  ●
欧州バイオ産業協会EuropaBio

  1996年に設立された欧州のロビー団体であり、全世界のバイテク企業40社と13カ国のバ
 イテク関連団体が参加している。企業活動を監視する市民団体「ハングリー・コーポレーションズ
 」は彼らの活動を次のように説明する。
 「彼らは、欧州議会や欧州委員会に対して、巧妙かつ強力にロビー活動を展開している。ロビース
 トたちは、欧州委員会の理事と定期的に会い、夕食会を開いて欧州議員、官僚、学者と意見を交わ
 している」
  米国の大手広告会社「バーソン・マーステラ社」も、「彼らは、政策の決定過程に無視できない
 語っており、NGO「コーポレート・ウォッチ」も、「彼らはEUの各機関と各国政府に対して、
 バイオテクノロジー政策を推進するように働きかけている」と指摘する。

  ●アフリカ・バイオAfricaBio

  2000年1月に南アフリカで設立され、2002年12月の段階で90団体が参加している。
 その目的は、「安全で信頼できるバイオテクノロジーを導入して、食料・飼料・繊維を増産するこ
 と」であ回、遺伝子組み換え作物を普及するため、アフリカ以外の国々でもロビー活動を行なって
 いる。英国のNGO「GMウォッチ」によれば、" アフリカ・バイオ" は政治に対するロビー活動
 だけでなく、市民社会の中でも活動している。同団体のプレスリリースは、"バイオテクノロジー
 を推進するとともに、不正な貿易障壁を設定しないよう、政府に強く求めることが目的である"と
 明言している」という。
  科学誌『ネイチャー』(2003年11月)に掲載された記事も、この団体の実態を報告してい
 る。「"アフリカ・バイオ"は農業化学企業やバイテク推進派の団体と一緒になり、問題になるよう
 な手段を用いても、遺伝子組み換え作物を普及するために奮闘している。彼らのあからさまなマス
 コミ操作を問題視する国も現れるだろう」

  ●オーストラリア・バイオテック社

  1995年に「オーストラリア・バイオテクノロジー協会」として設立され、2001年に現在
 の名称に変更された。685団体が参加する、オーストラリアで中心的なロビー組織である。その
 使命は、「オーストラリアのバイテク技術を商品化して、世界市場に普及する」ことであり、バイ
 テク企業だけでなく、大学や政府、病院の研究機関も参加している。

  ●農業バイオテクノロジー協議会(ABC

  英国のバイテク業界によって設立され、シンジェンタ社が代表を務めている。2002年2月の
 設立報告書では、「遺伝子組み換え作物が、鳥にとっても安全であるとわかれば、多くの市民が支
 持するだろう」と述べている。宣伝活動は広告会社「レキシントン・コミュニケーション社」に委
 託していたが、同社の取締役は、当時、トニー・ブレア首相の報道官でもあった。さらに同社は、
 モンサント社で仕事をしていた人物を雇い、英国内で遺伝子組み換え作物を承認させるため、規制
 当局者、国会議員、小売業者、消費者団体を対象にしたキャンペーンを、25万ポンドの費用をか
 けて展開した。

  ●クロップジェン(CropGen


  バイテク業界の出資によって設立された、英国内における推進派の研究者が運営して
いる団体で
 
ある。そのプレスリリースでは、「遺伝子組み換え綿を導入すれば、収穫量が平均六〇%も増加し、
 殺虫剤の使用も七〇%減らせる。その結果、環境にも社会にも、経済的にもメリットが生まれる」
 とアピールしている。しかし実際には、それと正反対の事実が報告されている。

  ●国際政策ネットワーク(IPN


  2002年に設立されたこの団体には、世界中の右派的なシンクタンクが参加している。「持続  

 可能な開発ネットワーク」という団体とも連携し、「地球サミット」では持続可能な開発に関する
 討議の場で、遺伝子組み換え推進派の主張を展開した。
 

                     リーズ、アンディ 著 『遺伝子組み換え食品の真実』

                                      この項つづく
 

 

 

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着雪に強い太陽光発電

2014年07月16日 | デジタル革命渦論

 

 

  
【オールソーラーシステム完結論 Ⅵ】

今夜はソーラーパネルの着雪問題を取り上げた。

●着雪に強い太陽光発電

山形県は昨年12月に稼働した東北初の県営大規模太陽光発電所の供給実績をまとめた。降雪期の
2~3月、東北電力に供給した電力量は計約15万キロワット時で、冬季の標準的な供給量の8割
超を確保した。山形など豪雪地帯はパネルに雪が積もり、太陽光発電には向かないとも言われるが、
県は「雪国でも十分やれる」と結果に自信を深めているという(2014.07.15 河北新報)。それによ
ると、県企業局によると、2月の供給量は計5万7252キロワット時、3月は計9万4032キ
ロワット時だった。降雪の影響を考慮せず、最大出力、平均日射量などから算出した同規模メガソ
ーラーの標準的な供給量と比べ、2月は16.8%、3月は14.%のマイナスにとどまった。2~
3月の59日間のうち、34日間(57.6%)はパネル上に積雪があり、発電効率が低下した。パ
ネルが雪で完全に覆われ、全く発電できない日も5日間あった。だが、好天に恵まれた日に発電量
を伸ばし、1日平均2564キロワット時の供給を確保した。3月24日は2カ月間で最大の70
58キロワット時に達し、4月以降の最大7431キロワット時に匹敵する供給量だったという。

 

冬季に高効率の発電ができた要因の一つは、パネルの角度とみられる。県は一般的な30度に加え、やや
急な40度のパネルを設置。1日平均の発電量を比べた結果、40度が30度を12%上回った。急角度の方
がパネルに積もった雪が落ちやすく、発電効率の低下を抑えられた可能性がある。冬季は太陽が低く差し
込むため、日射を受けやすかった面も考えられる。降雪期を過ぎた4~6月の供給実績は計46万3330キ
ロワット時で、標準的な供給量を35%上回った。2~6月の総供給量も標準を18%上回り、計61万4614
キロワット時となった。急角度の方がパネルに積もった雪が落ちやすく、発電効率の低下を抑えられた可能
性がある。冬季は太陽が低く差し込むため、日射を受けやすかった面も考えられる。 降雪期を過ぎた4~6
月の供給実績は計46万3330キロワット時で、標準的な供給量を35%上回った。2~6月の総供給量も標
準を18%上回り、計61万4614キロワット時となったと報じた。


 
県は2030年までに県内の太陽光発電能力を現在の19倍、約30万キロワットに拡大するエネ
ルギー戦略を推進する。普及には降雪期の発電効率の低下を抑える技術を確立し、民間企業の参入
を促すことが課題となっている。県企業局は「降雪期で予想以上の供給量を確保でき、雪国の太陽光発電
に手応えを感じる。来冬も検証を続け、民間企業が乗り出しやすい環境をつくりたい」とのこと。[山形県営
太陽光発電所(メガソーラー)] 吉村美栄子知事が掲げる「卒原発」の一環で整備した東北初の
県営メガソーラー。村山市の元県園芸試験場村山圃場に5億円をかけ、3種類4872枚のパネル
を設置し、2013年12月に稼働した。最大出力1000キロワット。供給電力量は年間105
万キロワット時で、一般家庭310世帯の消費量に相当する。

しかし、40度の勾配で着雪対策可能とは驚きではある。なぜならら、非着雪期間以外での発電量
は最適発電条件でないと考えられるからである。そこのところのデータ及び解析データが欲しいと
ころである(もっとも、これ以上の調査となると山形県へ直接交渉すれば解決できる)。 それでは、
着雪対策は勾配による滑落誘導以外にどのようなものがあるだろうかと考えてみた。

1.振動による落雪(特開2011-060836 太陽電池モジュール装置  株式会社大林組/下図クリック)

 

3.発熱塗料による加熱融雪(特開2006-169929 膜構造、鉄骨構造建造物等の融雪方法  皆川 光雄)
4.落雪構造による融雪(特開2004-107908 長尺屋根板の配設構造  荒関 寛/下図クリック)

 
5.温水散水による融雪
6.撥水処理による滑落誘導

以上のような方式が考えられるが、ここで着雪による堆積について考えてみた。

●着雪の科学





着雪(snow accretionは、雪が物体に付着する現象、または付着した雪のこと。とくに付着した物
体が電線のときは電線着雪、列車のときは列車着雪と呼ばれ、ともに雪害である。強風下で気温
0℃から1℃ぐらいで降るぬれ雪(湿性の雪)のときに起こりやすい。雪が湿っていると、水の表

面張力が働くからである。着雪が著しい場合は着雪注意報が出される。日本では11月から3月にか
て発生しやすいといわれる。屋根、標識、電線の被覆などを、水にぬれにくくしてしまう。雪の
成分はほとんど
水だ。積雪はただ雪の結晶が重なるのではなく、最初は雪が解けた冷たい水が覆い、
その上に徐々に固体
の雪が積もっていくから、水に濡れにくい表面にすれば良いわけだが、水に濡
れにくいこと、水をはじき
やすいことを「はっ水性が高い」と言うが、しかしそれは決して簡単で
はない。いかにはっ水性が高く
ても、その効果が持続しなければ、頻繁にに材質を交換しなければ
ならない。また、雪の付着を抑
えたとして、別の大きな害が発生してもいけず、それらの条件をク
リアしても、値段が高すぎると、
普及しない。様々な材質で試行錯誤が繰り返されているが、近年
は固体と液体の馴染みやすさの目
安となる「表面自由エネルギー」を他の方法と併せて利用するこ
とが検討されてきている。
 

 
●雪害・氷害から建造物を守る超滑水カーボンナノチューブ複合樹脂シート

スカイツリーなどの外壁にハスの葉のような水が滑り落ちる性質をもたせたシートを貼ると着氷前
に滑り落ち、氷塊落下などの事故防止となる、金型転写技術とCNT(カーボンナノチューブ)を複合
した超滑水性シートが長野高専で発明提案されている(上図、下写真・図クリック)。カーボンナ
ノチューブなので遮光するので透明度を損なわない材質代えれば、耐久性のある超撥水(滑水)を
パネル表面に加工あるいはこのフィルムを貼り付けることで、傾斜勾配を小さくでき、電力量を高
めることができる。

 



以上のようにナノスケールの超滑水処理することで、さらに超音波などの高周波振動を加えること
で着雪を防ぎ冬場の問題を解決できる。これに散乱光の取り込みを高めることができれば、さらに
発電量を高めることができる。

 

●豪雨の影響で一部水没、中国の鳳凰古城

中国中部は16日、豪雨に見舞われ、湖南(Hunan)省鳳凰(Fenghuang)県の山間部にある
景勝地、鳳凰古城(Fenghuang Ancient City)の一部が水没し、住民多数が避難するなど
の被害が出ているという。これも異常気象の所為だろうか?中国と米国の2つの大国は温
暖化ガス削減をどうするのだろうかね?

 

 

 

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デジタル革命は地球を救えるか。

2014年07月15日 | デジタル革命渦論

 

 

 【オールソーラーシステム完結論 Ⅴ】

チューニングの前に』(2014.03.28)で記載したように――色素増感太陽電池は、「電荷分離を
起こすにはちょうど良いけど、光吸収が弱い物質」と「光吸収が強い物質」を組み合わせ役割分担
させることで発電する素子であるが、ペロブスカイト系は「自分のところで光を吸収して、単独だ
けでも、そのまま電荷分離を起こし起電力を生んでいる」可能性がある(中略)酸化チタンや酸化
亜鉛がなくとも、あるいはない方が良いということにもなり、
議論を整理する必要がでてきたとい
うわけで、(薄膜型)有機/無機のハイブリット化合物系半導体太陽
電池というカテゴリーに分化
される事態に直面したという、なんともやるせない思いが去来せぬも
のではないが、(前述の)光
触媒や(この)太陽電池を理論科学によるチューニング(電算機による構造設
計)による最適化の
前に基礎研究に立ち返ってみる必要がある。そのことを見越して、わたし(た
ち)は、いちはやく
量子スケール電子デバイスあるいは量子スケール太陽電池(=光電変換素子)と
呼んでいたのだが、
「4酸化3スズ」のように、変換効率が20%超えしてくる日も近い――と掲載したことがある。

 

ところで、『色素増感太陽電池ホームページ』の「不定期日記」の韓国で開催された "SISF2014
(成均館国際ソーラーフォーラム (Sungkyun International Solar Forum) SISF2014)の報告によると、
色素に代わるハロゲン化鉛系ペロブスカイト結晶構造もつ、ハイブリッド(有機・無機複合化合物)
を大気中の自己組織化反応で生成した光吸収剤(下図参照)――ハロゲン化メチルアミンとハロゲ
ン化鉛を有機溶液で混合――を用いることで、変換効率の高い、しかも、作製プロセスが単純でつ
くれるためコスト逓減が可能となるという。色素に代えた吸収係数の高い化合物半導体のナノ結晶
粒子(量子ドット)作製は、従来法ではスピンコートする。例えば、宮坂力らの
グループによると、
臭化鉛系化合物では、有機色素のブロードな吸収と異なり、ナノ結品粒子の強
いバンドギャップ吸
収を反映する光電変換作用スペクトルが、可視光の600ナノメートルを吸収端と
して得られ、光電
流の量子効率は80%に到達することが報告されている(2010.06.24「多孔質半導
体と導電性ポリマ
ー・炭素複合材料を用いる固体光電変換素子の構築」下図クリック)。
また、ヨウ化鉛系のナノ結
品では800ナノメートル
までの吸収端をもつ黒色の(可視光を全吸収する)が得られ、光吸収を強
めることで、電子受容体の酸化物半導体層を現状の10マイクロメートル
から、3マイクロメートル
まで薄膜化できる可能性も示されている。


 


※ 特開2014-072327 有機無機ハイブリッド構造からなる光電変換素子  

そこで、上記の  "SISF2014の報告で、同じハロゲンでも塩素系はアニール時間が短く、塩素イオン
と塩化メチルアミンは犠牲剤や界面活性剤と機能し、平面層造の場合、再結合抵抗(Rct)は、酸化
チタン多孔層がある場合より、1桁高く、このように、前駆体組成物の厳密な条件選択は、ペロブ
スカイトの形成にとって重要である(Dr. Kai (NREL, USA))。また、ヨウ化鉛
飽和溶液に別な溶媒を添
加して均一な核発生を促し、そのまま結晶成長させることで(Single process)で ペロブスカイトを
成膜。逐次堆積(Sequential deposition)よりも高い効率と高い再現性をもたらすことが、さらには
(1)ペロブ
スカイト層がオストワルト則(Ostward ripening)に従って結晶成長し、 (2) 各粒子は単
結晶あるこ
と、(3)結晶内には欠陥と不整合が存在すること、(4)平面構造の場合、 Voc=1.04V, Jsc=
21.1, FF=0.74, η=16.2%であったことが報告され(Yi-Bing Cheng(Monash University, AU))、
下図のよ
うに、従来のスピンコート(図/上)法とヨウ化鉛飽和溶液に、別の溶媒(?)を添加するスピン
コート(FCD工程)法(図/下)は、単結晶の膜形成されることが報告されている。

 

DMFN,N-ジメチルホルムアミド

今後どのような展開なるのかわからないが、20%を越えるような高効率でローコストなハイブリッ
ド固体型薄膜太陽電
池が開発され、市場形成してくるものと期待している。なお、上図の詳しい技
術報告は近々提出されるとのこと。 

 

 



【7ナノメートル時代のマルチゲート素子事情】 

2013年の世界半導体市場は、史上初めて3000億米ドルを突破した。2014年に入っても好調は続いて
いる。2014年1月の世界市場は対前年同月比で8.8%、同年2月は11.4%増と盛況だが、2014年の半
導体業界の動向は、グローバルには16/14nm 製品の生産開始がある。モバイル製品の高性能化・高
速化・低消費電力化の激烈な競争の中にあり、16/14nm製品は22/20nm製品以上に先端ファウンドリ
ーへの引き合いが多い一方で、昨年中に生産開始するはずだった米Intel社の14nmプロセッサが、製
造プロセスで発生する欠陥の密度が所定値まで減らせないとの理由で、製造開始時期が延期されて
いる。

その量産ラインとして新築した「Fab42 (米国アリゾナ州)」の稼働開始も当分延期となっている。
Intel社にとりこのラインのプロセスは、マルチゲート素子であるFinnFET第2世代に当たる。こ
Finプロセスには慣れているが、アスペクト比のおおきなtall FINの採用で、製造の困難さが増し
ているのではと推測されており、たとえ技術的な壁は越えることができても、コストが高騰による
経済的な壁を突破できるかどうか注目されている
一方で、台湾TSMCは28nmプロセス立ち上げでて
こずり、初めから大量注文してきた米Qualcomm社、米NVIDIA社始め大手顧客への納期遅れが発生
した。零細顧客と化した日本の携帯電話メーカーは、「Snapdragon」が思うように入手できず、ス
マートフォンの発売延期や中止に追い込まれたのは記憶に新しい。FinFETの製造経験が全くない
TSMCが、20nmプレーナ・プロセスを立ち上げ、すぐさま16nm Finプロセスを前倒しで立ち上げら
れるかが注目されてる。


● 2015年の半導体製造装置市場、2000年以来2番目の高水準へ

そのような中今月に入りIBMは、7nm以降の半導体微細加工技術と、シリコンに代わる新材料によ
るチップデバイス技術の開発を主とした研究開発を実施すると発表。今後、5年間で30億米ドル(
約3000億円)を投資するという。
今回、実施を決めた半導体チップデバイス関連技術に関する研究
開発プログラムは、主に2つのプログラムで構成される。1つは、7nm以降の微細加工技術の確立
を目指すもの。もう1つは、物理的な課題を多く抱えるシリコンに代わるデバイス向けの新たな材
料に関するもの。IBMは、今後数年間で、14nmや10nmへと半導体加工技術が微細化されるとの見通し
を示しつつ、「10年後に7nmあるいはそれ以降に微細化するためには、半導体のアーキテクチャなら
びに製造向けの新しいツールと手法にかなりの投資とイノベーションが必要になる」とし、10年後
の7nmプロセス技術確立を見据えて研究開発を行う見込みだ。

そこで、シリコンを置き換える新材料として「Ⅲ-Ⅴ族半導体」やカーボンナノチューブ、グラフ
ェンなどを候補に開発を進める方針。また次世代低電力トランジスタとして、トンネル電界効果ト
ランジスタ(TFET)の研究を行う。TFETは、トランジスタ中を流れる電流をドライブするためにバ
ンド間トンネル現象の量子力学効果を応用するもので、相補的CMOSトランジスタと比べて百倍の電
力低減を達成でき、「CMOSテクノロジーとTFETテクノロジーを融合させることにより、低電力集
積回路を向上させることができる」(IBM)とする。その他、光配線技術や新メモリ技術、量子コ
ンピューティング/コグニティブ・コンピューティングを支えるアーキテクチャの研究開発も行うと
のことだが、この背景には、IBMは、2014年に各地の人員を整理するなど業績が芳しくなく、半導
体事業では製造工場の売却がうわさされる状況があるなかでの、今回の大型投資の決定である。




とは言え、半導体製造装置/材料関連の業界団体であるSEMIは、2014年年央時点の半導体製造装置
市場予測を発表し、2015年の半導体製造装置(新品)販売額が425億米ドルに達するとの見通しを
示した。
半導体製造装置の販売額は、2012年、2013年と2年連続で前年比減となったが、2014年は
前年比20.8%増という高い水準での反転が予測された。販売増を引っ張る要因としてSEMIは、「20
nm以下の最先端微細プロセス技術関連投資」、「NAND型フラッシュメーカーの『3D NAND』など
最先端技術への投資や生産能力増強」、「DRAMでのモバイル用途向け技術アップグレード投資」「
フリップチップ/ウエハーレベルパッケージなど先進パッケージに関する生産能力増強」を挙げて
いる。
2015年の半導体製造装置販売額についても、「世界のあらゆる地域で投資額の増加を予測し
ている」とし、2014年(予測)比10.8%増の425億米ドルに達すると予想。なお、425億米ドルの市
場規模は、過去最大だった2000年の477億米ドルに次ぐ、史上2番目の規模に相当する



半導体の市場動向を考えたのは久しぶりになる。そこで、原命題の「デジタル革命は地球を救える
か」を再確認することで、どちらか言うと太陽電池に偏りがちの情報を校正する?意味で掲載した。
そして、改めて専門用語が多すぎることに戸惑ったりしていたが、どうにか2日間に渡り情報を整
理、頭の中を整頓した。かってのように垂直統合や水平統合はできないかもしれないが、パワー半
導体・太陽電池・発光ダイオードなどの環境・省エネ領域などの半導体デバイス製造への特化が有
利と考えている。

 




●防水ジャケットとして使えるバックパック



異常気象現象の頻発時代にはこういうバックパックも必要かもしれないか?!

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地上の星☆HERO

2014年07月14日 | 新自給自足時代

 

 

 

 

 

【オールソーラーシステム完結論 Ⅳ】

テレビドラマ「HERO」を観ながらこの作業を行っている。久利生公平は見かけと違って、正義感に溢
れタフで、クールに粘着質でいてフットワークが軽いという役づくり設定なのだが、前2つは違うが、後
ろの2つは似ているかなと思いつつ、今夜も「農生産のソーラーシュアリング」の先駆者(長島彬氏)の
新規考案に目を通しているわけだ(下図クリック)。この新規考案の請求範囲は次のように記載されてい
る。

1.各種フィールド(農地、公園、水面等の人間、動物等の生活及び作業空間)の上部に、ほぼ地面に水
 平の
棚を設け、南北に幅が狭く東西に長い棒状または翼状、板状の太陽光発電モジュール傾斜保持部材
 2を太陽光発電モジュール1と一体となしてできる、太陽光発電体1'各々を、下部フィールド8に光

 を供給するための南北の間隔Yを前記フィールド条件に合わせて自在に設定可能にし、かつ水平棚の梁
 方向(前記フィールドの短方向に概略一致)に制限されることなく棒状、翼状板状の太陽光発電体1'
 の受光面をほぼ真南を向けたまま東西方向のずれXを自在に設定ができることを特徴にする太陽 光発
 電システム。


2.この太陽光発電モジュール傾斜保持部材2が強風時の強度を少ない部材で維持できるようにもっぱら
 風力自体によって風圧を減少できる姿勢になることが可能な前記太陽光発電システム。又は風力によっ
 て風圧を減少できる姿勢を取った後、風速が落ちた時点で元の姿勢に自動復帰可能な太陽光発電システ
 ム。

3.水面等に浮かぶ水平棚9に棒状の太陽光発電体1'を陽光の一部が水面に達するように所定の距離を
 開けて載せ、前記水平棚は周囲にフロート10を持ち発電体1'の下部に自由に船舶の進入が可能な水
 面上太陽光発電システム。


この新規考案の特徴は、格調高い文章といって言って良いか、技術背景(バックグランド)のスケールが
大変大きいことに気づいた。例えば「産業上の利用可能性」については次のように掲載されている。


 20世紀核融合の原理が発見されるに及んで理想のエネルギー源は「クリーンで無限のエネルギー」
 のキャッチフレーズで広く漫画にまで登場し、誰もが21世紀の初頭には実用されると思っていた。
 ところがいざそれを地上で実現しようと具体的に検討してみると太陽の内部の反応である水素原子同
 士の核融合反応は天文学的に遅く地上における発電には使用できないことが判明した。さらに海水の
 中に多量に存在する重水素による核融合も検討されたが、核融合反応を持続するためのしきい温度は
 非常に高く、これも実用にそぐわないことで、当面の目標から外されてしまった。今日、人類が世界
 規模で実験炉の計画を立て誘致合戦しているものは放射性水素(トリチウム)を利用したD-T反応
 炉なので「地上に太陽」などという表現は実情に全く当てはまらない不当表示である。残念ながらD
 -T反応は核融合維持温度が低い利点はあっても大量の中性子の照射を炉材に受けることは避けられ
 ず、炉自体の内壁を常に交換することを前提にしなければ成り立たない。さらに前記放射性水素トリ
 チウムは水素の同位元素がゆえにあらゆる生命体に壊滅的な損傷を与える危険物質、猛毒物質である
 のでその封じ込めが大前提となる。

 しかし配管上の円形のシール面からさえ長時間には地震や熱疲労、材質の劣化等の原因で漏れを防ぐ
 ことの出来ないでいる今日の人類が、核融合計画炉のような三日月形のシール面から漏れを無くすこ
 とはまさに「言うは安く行うは難し」であり、希望的な観測だけで推進することの妥当性は今後よく
 検証していかなければならない。たとえこの困難さを新しい工夫で克服しても巨大な発電用核融合炉
 はその巨大さ故にテロ攻撃の対象にされやすく、爆発を含め故障や点検時の影響は計り知れず、さら
 に別の始動用、保証用の発電設備を準備しなければならないので、軽水炉以上に競争力のある発電設
 備になることは期待できない。20世紀は巨大な物は正義であったが混沌とする人類社会においては
 ひとつの破壊工作が致命的にならない工夫が要求される。

 発電施設の理想の姿を人体に例えれば、動脈瘤や心筋梗塞、脳卒中のように、その器官が損傷を受け
 たときに死に至るようなものでなく、皮膚の擦り傷のように部分的な被害を被るだけで済むようなエ
 ネルギー源を恒常的に指向することが必用なのである。本案は太陽光発電を普及させるために必用な
 広大な面積を確保することが解決されるばかりでなく、農業生産物や水産物の生産現場での過剰の陽
 光を防止して干ばつや赤潮の被害を軽減でき、また乾燥地帯においては水分の蒸散を減少させ保水力
 を改善して緑化を促進できるので21世紀の世界のニーズに応えるものである。現在の世界のエネル
 ギー消費全体をまかなう太陽光発電装置の必用面積は概略1000km四方、すなわちオーストラリ
 アの砂漠地帯の中にそれはすっぽりと収まる大きさであることを共通認識にしていかなければならな
 い。




また、「技術背景」「発明の効果」「発明の効果」については次のように掲載されているというふうに。


 太陽光発電は主に建物の屋上、屋根に設置することによってその普及が計られてきたが数十年にわた
 る日照を保証される屋根や屋上がマンション建設等の原因で都会では特に少なく、地方では家屋数自
 体が少ないので自ずと太陽光発電に対する電力業界の期待は大きくならないのが現状である。また強
 風対策のための強度保持、防火対策、工事に危険が伴い敷設費用がかさむ等の屋根上に置いた時の固
 有の問題が大きく、単位面積あたりの出力の向上を計る種々の工夫や、種々の屋根形状に対応するこ
 とや、屋根材そのものに発電機能を持たせることで対応してきたが、設置費用の大幅な下落を達成し
 ていない。
 
 一方原子力発電はどうであろうか。一気に爆発させる原子爆弾を徐々にウランを核分裂させることに
 より熱としてエネルギーを取り出すしくみは開発当初、その効果だけが宣伝され拍手喝采のもとに推
 進されて今日に至っている。しかしその発電によるマイナス面は計り知れない。数万年単位でも消滅
 することのないTRU(超ウラン元素)をはじめとする多量の毒物発生と発電や送電、変電設備への
 テロ攻撃等に対する極端な脆弱性が顕在化して徐々にその存在意義が疑問視されるに至っている。ま
 た出力が大きいが故にその故障の影響は大きく同容量に近い予備の発電設備を備える必用が生じ、経
 済的な優位性も再考する必用が生じてきている。
 
 原子力発電のコストは、発電端の評価でkwhあたり約6円とされる価格も受電端では送電費、変電
 費、配電費、一般管理費、その他経費等、全てが原価に加わるのでこれらの経費を均等に水力、火力
 等の種類別発電量で按分し加えると約15円強になる。原子力発電所は都会から遠く大電力を運ぶた
 めに変電費、送電費の比重も大きく、又関連する仕事量や借入金が多いために単なる按分するのでな
 く重さを加えて再按分するならばkwhあたり17円以上になるのは避けられないところとなる。さ
 らに再処理費用や、高レベル核廃棄物の処分設備費用、テロ攻撃からの防護費用を加えるならば20
 円を優に超え、実に各家庭に対する販売価格さえも上まることにもなる可能性がはなはだ高いのであ
 る。さらに設備の信頼性を著しく損なう応力腐食割れは、中性子を利用する装置の宿命的な問題で、
 その対策のために検査すればするほどさらに熱疲労の回数が増加し、さらに腐食割れが生じやすくな
 ることから解決困難の問題として未だに解決の糸口すら見いだせていない。また高級な材料を使用し
 て対応することはコスト上の競争力をさらに失うことは自明である。
 
 高速増殖炉においてはさらに中性子の破壊力が増すこと、また熱応力の集中度が増し実用に供する発
 電方法としての水準を維持することはまことに困難な事業となることや燃料のプルトニウムを得るた
 めに使用済み核燃料の再処理を行わなければならず、一層採算が引き合うシステムにはなり得ない。
 このように欠点だらけの原子力発電が21世紀のエネルギー政策の主体である続けるひとつの大きな
 理由は太陽光発電を大規模に行うためには巨大面積が必用という、最大の弱点を抱えているからに他
 ならない。

 一方水力発電は太平洋、日本海から太陽エネルギーによって蒸散した水分が日本列島に雨雪として山
 に降り注ぐことで莫大な位置のエネルギーが蓄積される。明治以降この日本唯一の自前のエネルギー
 である水力を最重点の電力源として開発されてきた。近年ダムのマイナス面、すなわち流れを遮断す
 ること、上流の養分や土砂が海に達しない、すぐに土砂でダム湖が埋められ投資効果がない等の理由
 や用水の必要性が低下したこと等でダムはムダなどと極端にその効用に対する評価を失うことになっ
 ている。しかし川の流れを遮断することや上流の養分や土砂が海に達しないこと等の自然なメカニズ
 ムを破壊するマイナス面は、ダム建設の条件として上流から下流への流れを維持する貫流水路を付加
 し、ダムに蓄える水資源は濾した清水とする様な工夫で解消できることや、急激な電力負荷の変動に
 対して大きな対応力を持つことを考慮するならば、広い意味での自然エネルギーとして不動の地位を
 維持していくことが理にかなった21世紀の考え方となる。
 
 近年太陽光発電セル自体のコストは抜本的に下がったのであるが、工事費や流通経費等、他の経費が
 かさみ、また強風や降雹によって破壊しないための強度対策や防火対策にたいしてコストの負荷が大
 きく他の発電方式の発電単価に比べて競争力が未だに高いとはいえない。

                      -中略-

 さらにこの棚の副次的効用として害虫や鳥害の防止用ネットを効果的に設置できることになるので防
 除のための薬剤散布が減少できまた常時走行自動カメラ等で病害、虫害の発生状況をピンポイントで
 把握出来るので農薬の絶対使用料をさらに少なくした、安心で美味の作物の生産が容易になる。また
 ヘリコプター農薬散布のように農薬による公害発生の危険を回避できる。

 また太陽光発電装置を購入しようと思っても自己の屋根が太陽光発電には適さない人や、あるいは貸
 家住まいやマンションで屋根を持たない数千万所帯は全国に数多く存在するので各家庭で購入できる
 規模、すなわち3から5KWの出力ごとにモジュール群を分けて個々にコンディショナー(系統連携
 用図示略)を通して系統に送電する基本単位を決め、この基本単位を前記フィールド上に設置された
 水平棚を利用する権利を賃貸させることで民間の力による太陽光発電装置普及が促進できる。太陽光
 発電装置の生産量は拡大しkwあたり設置費用が30万円以下になれば年金や郵貯、銀行等の財産を
 集め管理運用する側の運用先として期待されることにもなり、また農家が自前で発電設備を得て収入
 源にすることが作柄や農業生産品の売価の影響を緩和する良い投資手段になる得る。
 
 農家収入は米で反収10万円と言われている。1反の田の上部に本案の太陽光発電システムの出力を
 3kw得られるよう敷設すれば、屋根上の発電所10軒分の収入、すなわち年間約65万円売電料金
 が得られる。水平棚の賃貸料を1軒あたり5000円/年を受け取ることにすれば反収5万円が加わ
 ることになり、労せず50%の増収が見込める。さらに前述の防虫ネットや防疫管理が理想的に行う
 ことで減農薬の品質の高い米の生産につながり単位売価を高く出来ることでさらなる増益が期待でき
 る。


  一般的に農業生産物は太陽光を一切遮断しないで生産されるのが通常であるがその生産に必用な受
 光量の最小値の解明は充分にされていない。春夏の強い陽光は過剰の水分蒸散を招き植物育成に有害
 なことは花卉栽培等では周知である。しかし減光することが一般農産物や水産物では経済的でなく、
 過剰な灌漑用水の消費によって克服してきた。この余剰の陽光を利用することを骨格として、各種フ
 ィールド(農地、公園、水面等の人間、動物等の生活及び作業空間)の上部に、ほぼ地面に水平の棚
 を設け、南北に幅が狭く東西に長い棒状または翼状、板状の太陽光発電素子傾斜保持部材2を太陽光
 発電モジュール1と一体となしてできる太陽光発電体1'を形成して風圧対策と前記下部フィールドに
 対する必要光量を維持することを両立させ、さらに前記水平棚の梁の設置方向(前記フィールドの方
 向に概略一致)に制限されることなく前記棒状、翼状板状の太陽光発電体を個々に真南を向ける設定
 ができることを骨格とし、その構成部品数を少なくかつ軽くして、耐久性のある堅固で安価な太陽光
 発電体群を形成する。

                        
                  発明者:長島 彬 『特開2005-277038 太陽光発電システム』 



このように格調の高さだけに終わらないことを、この実践運動の広がりだけでなく、技術的裏付けを今夜
確認した。このことで「オールソーラーシステム」の実現に向け、後は淡々と行動していくだけだ。


   

●統合失調症と自閉症の病因解明、診断、治療、予防の光?

理研が、統合失調症・自閉症患者は脂肪酸結合タンパク質遺伝子の発現量が変化、これらの患者から脂肪
酸結
合タンパク質の遺伝子に変異がある症例を発見し、脂肪酸結合タンパク質の質的・量的変化が疾患で
の脂肪酸
機能不全をもたらす可能性ことを突き止めたことを公表(2014.07.14)。

報告によると、現在、統合失調症や自閉症などの精神疾患の診断に用いる信頼性の高いバイオマーカーは
なく、今回の研究で、統合失調症の患者の血液細胞では「FABP 5遺伝子」の発現量が低下していることが
明らかとなり、「FABP 5の発現量」と脂肪酸量の変動を組み合わせて検査することで正確なバイオマーカ
ーとして利用できる可能性があるという。
また、共同研究チームが以前行った「FABP7」の研究と今回の
研究により、一部の統合失調症患者や自閉症患者では脳の発達期に脂肪酸機能の不全があることが示唆さ
れ、脳の発達期である妊娠期や乳児期・幼児期に適切な量と質の脂肪酸を摂取することや、発見した「FA
BP遺伝子」の変異など遺伝的な要因によって引き起こされる脂肪酸機能不全であってもそれを補う適切な
量と質の脂肪酸を摂取で予防につながる可能性がある。また、
発症後でも、脂肪酸の適切な摂取が症状の
軽減に有効である可能性が考えられ、どの脂肪酸をどの程度、どのぐらいの期間・時期に摂取すれば症状
軽減できるか明らかにすることで新たな治療法の確立につながるという。

それにしても「バイオマーカー技術」の進歩ってすごいことだね。あらためて感心する。無茶ブリだけれ
ど"地上の星"って
頑張っていれば誰でもなれるんだろと思うね。 

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ファースト・コールなサンセット

2014年07月13日 | 現代歌謡

 

 



米国のジャズ・ベーシストの巨匠 チャーリー・ヘイデン(Charles Edward "Charlie" Haden、1937.08.
06-2014.07.11)が闘病の末没した(享年
76歳)。1970年代後半、モダン・ジャズ廃れ、多くの保守的な
ジャズ・ミュージシャン達がクロスオーバー/フュージョンという新しい波に
 チャレンジしては敗退し
ていったそんな時代にあって、ニューヨークやロスの
スタジオ・ミュージシャン達がとって変わってい
く。彼らは多くは元々ジャズ・ミュージシャンであったが、
映画やテレビ、CM等の音楽を演奏するスタ
ジオの仕事を中心にし活動する。
スタジオの仕事では、スタジオ経費節約為に優れた読譜力と演奏力が
要求されるトップ・クラスのミュージシャン達が羽振りをきかせ、様々な仕事のミュージシャン選出時

の一等最初に依頼電話が入るところから、「ファースト・コール」と呼ばれるようになる。クロスオー
バー/フュージョンには、ジャズ・ミュージシャンのセンスと独自の編曲技法を駆使しテクニカルな曲
アレンジメントなファースト・コール・ミュージシャンを必要としたそんな時代にチャーリー・ヘイ
ンが、オーソドックスな4ビートからフリー・ジャズ、フュージョンまで幅広く活躍した。

なお、1960年代後半に、マイルス・デイヴィスを中心としたエレクトリック・ジャズのムーブメントが
始まり、さらに70年代に入ると、電気楽器やロック・サウンドを取り入れた演奏スタイルであるジャズ・
ロック、ソウル・ミュージックやラテン音楽の要素を取り入れたクロスオーバーのジャンルが誕生する
(代表作に、デオダートの「ツァラトゥストラはかく語りき」、ボブ・ジェームスの「はげ山の一夜」、
ジャンリュック・ポンティのアルバムなど)が、70年代後半には、エレクトリック・ジャズやクロスオ
ーバーをさらに商業化したサウンドが現れ、他のジャンルと融合した音楽として、フュージョンと呼ば
れるようになる。フュージョン時代に入り、「ディスコ」や「産業ロック」が商業主義として批判があ
らわれたため、1990年代から現在にかけては、フュージョンをさらに洗練させて、大衆に聞きやすくし
たスムーズ・ジャズに変化してくる。

チャーリー・ヘイデンの演奏スタイルは、バックでベースラインを弾く時も、ソロを弾く時も、特徴あ
る暖かい音色、朴訥(ぼくとつ)とした叙情的なメロディーは、ジャンル、楽曲とはかかわりなく演奏
される。また彼のオリジナル曲では叙情的な楽曲と同様に、人間愛に根ざした政治的なテーマを扱うこ
とが多いのが特徴である。

チャーリー・ヘイデンは、10代よりベースを始め、1957年からロサンゼルスにて、アート・ペッパー、
ハンプトン・ホーズ、デクスター・ゴードン、ポール・ブレイ等とセッションを重ねる。1959年、オー
ネット・コールマンのカルテットに参加。この頃の経験が、彼のスタイルの原点となる。1967年より、
キース・ジャレット・アメリカン・カルテットに参加し、1967年、カーラ・ブレイらとリベレーション・
ミュージック・オーケストラを結成。このバンドは反戦や政治的なテーマをもって活動を行っている。
1987年には、アラン・ブロードベントらとCharlie Haden Quartet Wes を結成。古き良き時代のアメリカ映
画をテーマにしている。また、2000年、パット・メセニーとの共作アルバム『Beyond the Missouri Sky (
Short Stories
)(邦題:ミズーリの空高く)』でグラミー賞最優秀ジャズ・インストゥルメンタル・グル
ープを受賞しているが、これらの他にも多くのミュージシャンとセッションしており、デュオ・アルバ
ムも多数制作されているほどだ(Wikipadia 参考)。


                                           合掌

 

 

 



   しぼったばかりの夕陽の赤が
   水平線からもれている
   苫小牧発・仙台行きフェリー
   あのじいさんときたら
   わざわざ見送ってくれたよ
   おまけにテープをひろってね
   女の子みたいにさ
   みやげにもらったサイコロふたつ
   手の中でふれぱ
   また振り出しに戻る旅に
   陽が沈んでゆく

   女や酒よりサイコロ好きで
   すってんてんのあのじいさん
   あんたこそが正直者さ
   この国ときたら
   賭けるものなどないさ
   だからこうして漂うだけ
   みやげにもらったサイコロふたつ
   手の中でふれぱ
   また振り出しに戻る旅に
   陽が沈んでゆく

                                             
                            唄   吉田 拓郎 『落陽』
                            詞 岡本おさみ/曲 吉田拓郎



どうしてなんだ! チャーリー・ヘイデンの訃報と吉田拓郎の『落葉』のクロスオーバーなんて?今日
は、滋賀県知事選挙に車で出かけてることになったが、強烈な眠気と経験したことのないようなシルク
スクリーンがかった状態で投票する。彼女は白内障やクモ膜下出血の前兆かしらということを聞き、こ
のまま逝っても仕方がないかと考えながら帰ってきた。昼からやりかけた作業を止め、アルコールを飲
み暫くぼんやりしていたが、打ち込み作業を再開する。

※ 彼女からもらって服用したエーザイの「メチコパール錠」(メチルコラバミン)は、ビタミンB12
    の一つの形態であり、シアノコバラミンに対しシアニドがメチル基に置き換わっていることが特徴
  だが、ここが焦点になると後から気づき、ビタミンB12 だから安全だと、いや、ここには天然のと
  いう先入観念が入っていたことに、軽率な行動だったことを反省する。「違いのわかる男」?とは
  海外食品メーカーCMだったが、医療知識に無知なわたしが、消去法で異変の原因を自分なりに特
  定し、服用することを止めることにした。


  されど、夏山が待つ。

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小さなバーバーポール

2014年07月11日 | デジタル革命渦論

 

 



【おうちですしパーティ】

 

回転寿司が性展開するなか、家で手巻き寿司をつくることが少なくなったと彼女が言うが、車を走らせ
れば、出前すれば、スーパーなどで手に入れればそこそこのものは口にすることができる時勢だ。そう、
面倒ということが先だってしまう。それならば、丸善の「おうちですしパーティ」セットがあれば簡単
にやすく、ネタが新鮮ならば美味しくいただけるというわけで、一度試してみようか。
 

 


【床屋の表示灯の小さな電力量計】

床屋の表示灯を意味するバーバーポール素子を使った磁気抵抗効果型電力センシングデバイス製造販売
するベンチャー会社――大阪市立大学大学院工学研究科の辻本浩章教授が、つくばテクノロジーシード
社の支援を受け――を今年秋、設立される。従来の誘導形電力量計とは異なる今回の電力量計は、鉄・
ッケル合金のパーマロイ磁性体薄膜の磁気抵抗効果により、電流と電圧を計測して電力値を即時に示
す仕組み
(上図、下図クリック)。増幅器や温度特性に対応する磁石をMEMSで組み込んだデバイス
は小空間に多数配置
し、電力を制御・監視でき、磁性薄膜素子の採用により、価格も1個百~数百円に
抑えられ、即時に電力値を測
定できるため、機器の省エネ化につながる。またEVのワイヤレス給電で
は高速道路走行中に数メガヘルツの高
周波数で電力供給し、搭載したデバイスで電力量に応じて課金す
るシステムを構築できる。因みに、現行の電力
量計は1個5千円。

つまり、近年インターネット等を利用する環境が整った中で、電力量計の遠隔検針を含めた電力管理シ
ステムの
開発が進んできている。最近では既存の積算電力量計の回転を計測するセンサを付加すること
や電流計(CT)
、電圧計(PT)を新たに付加し電子回路やマイクロプロセッサによる乗算計算を行
うなど、住宅、工場等を一括し
たマクロな消費電力の計測が行われているが、これらの計測装置は大き
く、高価なもので、無駄な多くのエネル
ギーを消費しかねず、また既設設備への新しい計測装置の追加
は、最近の密に設計製作された既設設備の空きスペースの考慮が難しいから、新しいデバイスは打って

付けのもととして期待できる。現行のものは、電力メータ、または略式メータと呼ばれる電力量を積算
する
メータ、アラゴーの円盤を利用する。アルミニウム製の円盤を電力に比例した速度で回転するよう
にしておき、その回転速度を積算することで電力量を計測する。しかし、このような電力メータは、電
気回路の所望の箇所での消費電力を計測するには、大きすぎる。

そこで、磁性膜に対して傾斜辺を持つように形成されたバーバーポール電極では、電極から磁性膜への
界面で電流ベクトルが屈折作用をうけるが、傾斜角を45度で形成した傾斜辺をもつバーバーポール電
極によっても、磁化容易軸方向に45度の電流を流すことができないが、その屈折角度の分だけ、バー

バーポール電極の傾斜辺の傾斜角度を小さく設定すれば、磁化容易軸と電流ベクトルの角度を45度に
することができ、磁気抵抗効果の直線性のよい部分に動作点を持つことができる。つまり、最も効率よ
いバーバーポール電極付磁気抵抗効果素子がえられる(上図「特開2014-107293 磁気抵抗効果素子」)。 


 

 

【オールソーラーシステム完結論 Ⅲ】

昨夜のブログ(『植物と音響』) のなかで「無電柱化」(バーバーポールではないよ ^^;。)で触れ
た「環境リスク本位制」の一大背景である温暖化による大規模な異常気象への総合安全保障政策の1つ
である食糧政策を、「オールソーラーシステム」の「ソーラーシュアリング」(『きょうの無知の知』)
あるいは『インテリジェント・ペイブメント・パネル』『イテリジェント・ペイブメント・パネルⅡ
などとの関連性で考えてみる。特に農業経営における「ソーラーシュアリング」においては、"第2の農
地解放"という側面は重大でかつ国家安全保障として緊急性の高いものであり、かつ、食糧安全保障でも
ある。大機規模な気候変動かつ局部的な気象変動に対する堅牢(素早い復元)性を担保するには、(1)
ハード面での工業化――植物工場(準植物工場)化を推進する。(2)また、農地規模の再編――非兼
業化の促進と経営主体の最適化による生産性の向上としておこない、(3)気候変動による環境変化の
耐性ある食物の育種改良などが考えられる。このなかで、2つめの農地売買(流動性の最適化)あるい
は農地賃貸料の最適化である。農地(森林も含め)売買には安全保障上の規制ルールを盛り込む。また、
農地の短面積当たりの賃貸料――例えば、全国平均料金のプラス3σ×Κ(政策係数)を上限とし市場調
整することで、路面・都市部の農地の流動化を刺激する。

 

そうしながら、農地ソーラーシュアリングのハード面での堅牢化増し、頻発する気象変動に対応し全国
展開することが望ましい(下写真クリック)。もっとも、非米・小麦・大豆などの穀物系の植物工場で
は、雹・霰・竜巻に対する強靱化も欠かせないだろう。こういった緻密な政策を推進することで、安心
で高品質な農作物の自給率を百パーセントまで高めることができるだろう。なお、下の写真では支持柱・
通し柱は貧弱あるようにみえる。また、高変換効率型太陽光パネルの緊急避難対策の回避角度変更装置
の自動化も欲しいところだ。そのための産助政策の整備も並行して必要だろう。考えてもみよ、全国の
農地が幾何学的に等高線的に展開する風景を、美しい田園風景を。もはや地方は過疎ではない若者が活
躍する世界なのだと。これがわたし(たち)が考える「オールソーラーシステム」の入口論のイメージ
の1つである。

 

 

 

【遺伝子組み換え作物論 Ⅳ】

 本章では、遺伝子組み換え技術をめぐる論争の中心で活動する関係者について解説される。

 

                                                    第3章 政府とハイテク業界の利害関係者



  (I)遺伝子組み換え産業とそのロビー団体

 
   ① ハイテク企業と農業化学企業


   ●モンサント社


  モンサント社に対しては様々な批判がある。米国のアラバマ州裁判所は、モンサント社が「PC

 B」を廃棄した事件を有罪と判定し、「常軌を逸した異常な行為である。文明社会では許されない
 重罪である」と批判した(PCBは「ポリ塩化ビフェニル」の略称。毒性が強く、日本でも197
 5年に製造・輸入が禁止になっている)。

  英国の下院議員ノーマンーペイカーも次のように非難した。「モンサント社は、社会にとって一
 番の敵である。モンサント社は、消費者による選択の自由を妨害し、有権者が選んだ政府を脅迫し
 自社のお粗末な製品を世界中の人々に押しつけようとしている」

  この米国企業には、汚れた歴史がある。同社の製品の一つが非常に毒性の強い殺虫剤「DDT」
 である。先進国ではすでに1976年に使用を禁止したが、モンサント社等は途上国での販売を続
 けている。そのほかにも、ベトナム戦争で大量に使用された枯れ葉剤「エージェントーオレンジ」
 を製造し、人々の健康と環境に大きな被害をもたらした。しかも「社外秘・読後廃棄」の印が押さ
 れたモンサント社の内部資料によれば、彼らはすでに1938年の段階でPCBの危険性を知って
 いたのである。さらに「米国環境保護庁(EPA)」も、1970年代にはこの問題に気づいてい
 たのに、住民に警告を発しなかったのだ。

  今やモンサント社は、世界第二位の農業化学企業であると同時に、世界第二位の種子企業であり、

 巨大な影響力をもっている。2005年の売上高は、世界全体で60億2900万ドルにのぼって
 おり、そのうち40%は「グリホサート」を主成分とする除草剤「ラウンドアップ」が占め、種子
 販売と「ゲノミクス」(ゲノムの構造や機能の解析研究)の事業が34%を占めている。2002
 年には「ラウンドアップ」が世界で最も売れた除草剤となり、この除草剤に耐性をもつ遺伝子組み
 換え大豆「ラウンドアップ・レディ」もまた世界で最も売れた種子になった。

  モンサント社は1990年代に、バイオテクノロジー研究に多額の投資を行ない、約100億ド
 ルを使って世界中の種子企業を買収した。そして1990年代中期から、遺伝子組み換え作物の商
 品化を積極的に推進してきたのである。



  
  ●シンジェンタ社


 「ノバルティス社」と「ゼネカ社(現在のアストラゼネカ社)の農業化学部門」が2000年に統
 合
して誕生したスイスの企業である。2002年の売上高は約八一億ドルである。現在、世界最大
 の農薬関連企業であり、種子企業としても第三位である。遺伝子組み換えに関する技術力はモンサ
 ント社より低いが、世界中から積極的に「遺伝物質(遺伝子素材)」を獲得している。米国、カナダ、
 スペインで遺伝子組み換え種子を販売するとともに、英国では「トレイター(trator:裏切り者」テ
 
クノロジー」と呼ばれる開発を行なっている。通称「ターミネーター」と呼ばれるこの技術によっ
 て、二世代目のタネが発芽しないように遺伝子操作を行なったり、化学薬品を使って、その作物の
 形質(遺伝情報)を抹消・出現させることができる。(第五章参照)
 

  ●バイエル社

 
  ドイツの超巨大な化学医薬品企業。2003年には、市民団体から「最悪の多国籍企業10社
 の一つに選ばれた。2000年の全世界の売上げは300億ドル近い。2002年には後述する「
 スターリンク事件」を引き起こした「アベンティス社」を買収して種子企業「バイエル・クロップ
 サイエンス社」を設立した。その2005年の売上高は60億ユーロである。「バイェルークロッ
 プサイエンス社」は世界で第六位の農業化学企業であり、米国、カナダ、アルゼンチン、オースト
 ラリアなどで事業を展開している。

 
  ●デュポン(パイオニアーハイブリッド)社

  「デュポン社」は米国で第二位、世界で第五位の農業化学企業である。その子会社である「パ
 オニア・ハイブリッド社」の2000年の売上高は19億ドルで、世界最大の種子企業だった。

 「デュポン社」は1990年代後半に石油化学部門を売却して、ハイテク事業に参入し、バイオ医
 薬品事業にも進出している。
 

  ●アドヴァンタ社

  世界第六位のオランダの種子企業であり、2004年の売上高は四億ユーロたった。欧州各国で
 遺伝子組み換え作物の野外試験栽培を実施しており、遺伝子組み換え作物の混入率を規制するEU
 基準の引き下げを画策している。同社が販売する一般種子の中から、遺伝子組み換え種子が多量に
 発見される事件を引き起こしたことがある。
 




  ●ダウ・ケミカル社


  2001年、種子部門、農業化学部門、どちらも世界第七位の米国企業である。

  1960年代に、ベトナム戦争で大量に使用された焼夷弾を製造したことでも知られている。原
 油からつくる「ナフサ」と「パーム油」が主原料だったことから一般的に「ナパーム弾」と呼ばれ
 たこの焼夷弾は、広範囲の土地を焼き尽くし、多くの一般市民を犠牲にしたために、人道的な見地
 からも問題になっている。それでも同社のウェブサイトは、「人々と環境を守ることが当社の役割
 であり、それが最優先課題です」と述べている。
  企業監視団体「INFACT」は、1999年に同社を次のように批判している。
 
 「ダウ社は常に情報を隠してきた。ベトナム戦争で使用した枯れ葉剤。エージェントーオレンジ”
 がダイオキシンを含んでいること。シリコンを用いた豊胸術や乳房再建に、発がんの危険性がある
 こと。米国内で殺虫剤。DBCP”が使用禁止になった今も、海外で販売していることも問題であ
 る」(DBCPは発がん性や生殖障害の危険性があるとして米国や日本で使用が禁止されている。
 しかし米国からの輸出品が中米やである。ヒィピンのバナナ農園で使用された結果、多数の農業労
 働者が無精子症になったことでドール社は告訴され、裁判所もドール社に対して賠償金の支払いを
 命じた)。


  ●カーギル社

  米国の巨大な食品関連企業であり、世界における食品貿易量の60%を占めている。60力国以
 上で事業を展開し、2005年の売上高は710億ドルたった。コーヒー事業の販売高だけでも、
 アフリカのどの国の国内総生産をも上回る規模である。



※ 地球温暖化防止に非協力的な欧米の遺伝子組み替え作物供給産業が「地球温暖化」による食糧危機
  を理由に遺伝子組み替え作物の導入に躍起だ(上図クリック)。


                     リーズ、アンディ 著 『遺伝子組み換え食品の真実』

                                      この項つづく
 

 

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植物と音響

2014年07月09日 | 新弥生時代

 



●植物と音響

シロイヌナズナは可憐な花を咲かせるアブラナ科の植物で、英語ではネズミの耳になぞらえてマウスイ
ヤー・クレス(mouse-ear cress)とも呼ばれる。この植物はモンシロチョウの幼虫が葉を食べる際の振
幅の大きな振動に対して、堅固な防御反応を示していることがわかったという(2014.07.10  ナショナ
ジオグラフィック ニュース 「オスメスの進化、緑藻から仕組みを探る」)。この研究は、音響分析
と化学分析を組み合わせて、植物が周辺環境の音のうち、生態学的に重要なものに反応していることを
初めて明らかにした。実験は、レーザーとひときれの反射素材を用いて、チョウの幼虫が葉を食べる際
の振動を記録。その後、実験用のシロイヌナズナを2グループに分け、一方には2時間分の振動の記録
を聞かせ、他方は静かな環境に置き比較。すると、咀嚼の振動の記録にさらされたシロイヌナズナは、
辛味成分を含む油の分泌量が増加した。これは虫の攻撃に対する防御反応と考えられている。なお、風
や、シロイヌナズナにとって害をもたらさない虫による振動では、特に反応せず、同周波数でも虫の鳴
き声には反応しなかったこのことから、植物の音響受容は、特定の音高に反応するというような単純な
ものでないとか。

つまり、植物が反応を示すと分かっている情報の形はたくさんあり、光に注意を向けていることは分か
っているし、周辺の土壌や大気に含まれるさまざまな化学物質に注意を向けていることも分かっている。
植物はいかなる瞬間にも、さまざまな情報を考慮している。今回の研究により、音による情報に注意を
向けていることがまた新たに加わったことになる。

 
●iPS誘導法で人工的にヒト大腸がん幹細胞を作製

京都大・神戸大の研究グループが、iPS細胞の誘導法を用いて人工的にヒトの大腸がん幹細胞を作製
することに成功した。がん幹細胞はがんの再発や転移の原因となる“親玉”的な存在。がん組織からの
採取が困難だったがん幹細胞の詳細な研究ができるため、がん治療への応用が期待されている。研究グ
ループはiPS細胞を誘導する際に用いる“山中因子”のうち、Oct3/4、Sox2、Klf4の
三つの転写因子を大腸がん細胞株に導入、ES細胞作製時と同じ環境で培養した。その結果、コロニー
(塊)ができて形態が多様で、大腸がん幹細胞の特異的な遺伝子が発現した。抗がん剤耐性能や腫瘍形
成能もみられたため、「人工大腸がん幹細胞」の獲得を確認する一方で、細胞を染色する色素を排出す
る能力を持つことが、がん幹細胞とみられているが、人工大腸がん幹細胞でも同様の特徴がある。マウ
スに移植して腫瘍を形成し、がん幹細胞を解析し、大腸がんを繰り返し再現する複製能力もあったとい
う。


 

【遺伝子組み換え作物論 Ⅲ】

こんかい登場する「実質的同等」「実質的同等性」という言葉はやっかいな問題を含んでいる。OECD
バイオ食品の安全性を判断する基本(ルール概念)として、類似既存食品との実質的同等性(Substantial
equivalence
)の概念が提唱されたものだが、その提出した背景は本文に詳しくかかれているが、その安全
のロジックは、既存の技法で分析できる作物の成分と同じなら遺伝子組み換え食品も実質的に同じとし
て扱えるかどうかは、(1)遺伝的素材の情報(2)広範囲なヒトの安全な食経験の情報(3)食品の
構成成分の情報(4)既存種と新品種の使用方法の相違の情報を検討→ 遺伝子組み換え作物と既存のも
のが全体として食品としての同等性を失っていないと客観的に判断できるなら安全(事前審査的側面)
であると。いうものだが、実質的に同等な遺伝子組換え作物(食品)の安全性とは、さらに新しく導入し
た遺伝子により"
時系列的に変化"した成分などのヒトへの安全性、あるいはその他の生物(生態学的環
境)に与えるリ
スク
などの評価(経過観察評価)を省けるものではない。したがって、長期的で慎重な
分析調査は販売者側の義務事項として検討すべきものだと考えるが、実際に運用するとなると、その評
価項目や評価方法、あるいは、発生する費用負担負荷など問題となってくるだろう。そんなことを考え
スロー・リードしてみた。



                                    第2章 遺伝子組み換え作物をめぐる全体状況

  (6)遺伝子組み換え食品の安全性試験は、確実に行なわれているのか?

  遺伝子組み換えビジネスを支えている、意図的な嘘がある。ハイテク産業は、「遺伝子組み換え
 技術については、十分な安全性試験を実施している」と主張するが、驚くことにその嘘とは、「人
 間の健康に対する影響については、ほとんど安全性試験が行なわれていない」という事実なのであ
 る。
  ハイテク産業は、「実質的同等」という意味不明な言葉をつくりだし、ロビー活動によって安全
 性試験を回避することに成功した。「実質的同等」とは、「遺伝子組み換え作物と従来の作物を科
 学的な視点で比較すればほとんど似ているので、同じものと考える」という論理である。しかし
 「もし遺伝子組み換え作物と一般種とが同じである」というのなら、なぜ特許権が発生するのだろ
 うか。科学誌『サイエンス』の記事は次のように指摘する。
 「実質的同等という概念は、。いつわりの科学的論理”であり、。科学であるかのように見せかけ
 た商業的、政治的な判断”にすぎない。生化学的検査や毒性試験をする必要はない、と言い逃れる
 ためにつくり出した貢果なのである」
 
  第5章で詳しく述べるが、2000年に家畜の飼料用として栽培されたトウモロコシが食品に混
 入して大規模な回収に発展した「スターリンク事件」が起きたことで、すでに遺伝子組み換え技術
 の詐欺的な行為は明白になっている。
  英国政府でバイオテクノロジーの責任者たったシャッターカニンガム大臣も、うっかりハイテク
 業界の問題を指摘したことがある。1999年2月に漏洩した部外秘のメモによると彼は、「なぜ
 英国政府は、遺伝子組み換え食品の安全性について、医薬品と同様に確実な安全性試験を行なえと
 要請しないのか」と発言しているのである。
  その理由は、1979年から94年まで「米国食品医薬品局「FDA」でバイオテクノロジーの
 責任者だった、ヘンリー・ミラーの発言の中に見つかる。
 
  「米国政府の各担当局(食品医薬品局、農務省、環境保護庁)は、ハイテク分野において、巨大
 な農業関連企業が要請してきたことと、彼らが指示してきたことだけを実行してきた」と彼は言う
 のである。
  アーパッドープシュタイ博士も、英国における遺伝子組み換え食品の安全性試験についての方針
 を、次のように批判している。
  「英国で規制を担当する。新規の食品と製造加工に関する諮問委員会”は、独自に安全性試験を
 行なわない。彼らが安全性を確認する際には、遺伝子組み換え企業が提出してきたデータだけに
 腎臓が縮小し、白血球の数が増加している。
  1999年には、スコットランドのスタンリー・イーウェン博士とプシュタイ博士が、雄のラッ
 トに10日間、遺伝子組み換えジャガイモを与えたところ、消化器官の障害、免疫系の低下、脳・
 肝臓・睾丸の発達障害、膵臓や腸組織の肥大など多くの異常が発見された。とくに、胃と腸内細胞
 の増殖は、がんを増加させる前兆である可能性があった。また数匹の肝臓では、部分的に萎縮が起
 きていた。こうした異常は、元気な動物の体内で起きたことなのである。
  モンサント社などのハイテク企業は「危険性が存在する証拠はない」と主張するが、だからとい
 って、安全性を主張することはできない。「危険でない」ことだけでなく「安全である」ことを証
 明することが必要なのである。そして「予防原則」に従えば、「安全性を証明する責任を負うのは、
 公衆ではなく、事業の主体にある」のだ。
  
  「米国環境保護庁「EPA」に勤務していた毒物学者のスザンヌーワートヒール博士は、次のよ

 うに指摘する。
  二流の科学者たちの指摘や、ハイテク産業にとって不利なデータを無視することで、遺伝子組
 換え技術は発展してきた。しかも本来ならば、人間の健康と環境を守る立場にあるはずの農務省

 USDA、環境保護庁(EPA)、食品医薬品局(FDAなどの行政当局自体が、遺伝子組み換え

 技術を推進してきたのである。私たちは、現代社会が知り得た最強の技術と対決することを強いら
 れているが、それがどのような結果をもたらすのか、ほとんど何も考えずに突き進んでいるのが遺伝子組み
 換え技術なのである」


  (7)遺伝子組み換え作物の規制は、適切に実施されているのか?

  このように、遺伝子組み換え食品の安全性を確認する試験が実施されていない以上、商品化を承
 認すべきではないはずである。
  米国の公益弁護士で、遺伝子組み換え食品に関する法科学の権威、スティーブンードルカー法務
 博士は次のように語っている。
  「食料生産のあり方を根本的に変化させるベンチャー事業が、健全な科学にもとづいており、厳
 格に規制されていると一般に認識されていることに驚かざるをえない。その実態は、科学も、食品
 の安全に関する法律も、完全に無視しているのだ。ハイテク産業の策略は、これまでの詐欺的行為
 の中で最も重罪に値する」
  EU諸国の店頭に並んでいる食品を点検すれば規制が有効に実施されていないことは、明らかに
 なる。EUでは、1998年から2004年まで、遺伝子組み換え食品を事実上、一時禁止してい
 た。それにも関わらず、何千という食品に、遺伝子組み換え原料や成分が混入していたのであり、
 その実態を正確に知ることさえできない。2004年4月に発効したEUの「食品表示法」は従来
 よりも表示の基準を厳しくしたが、それでも抜け道がある。食品業界にとって都合のよい表示ルー
 ルであり、消費者には実態を知ることも、抵抗することもできないのが現状だ。

  遺伝子組み換え原料が食品に混入する原因としては、次のようなものがある。

  ・多くは、遺伝子組み換え作物を給餌された家畜に由来する。EUの「食品表示法」は、遺伝子

   組み換え作物の餌を与えられた家畜から生産された肉、卵、魚、乳製品には表示義務がない。
   そのため、畜産物が遺伝子組み換え物質を含んでいるのかどうかを知る方法はないのである。
   例外は「有機」と表示された製品であり、「有機」と表示がない畜産物には遺伝子組み換え作
   物が与えられているはずだ。厖大な量の加工食品に、こうした畜産物が含まれているだろう。
  ・食品、家畜の餌、種子については、一定量まで遺伝子組み換えの混入を許容している。EUの
   「食品表示法」では許容限度を引き下げたが、逆に言えば、混入が発生することを公式に許容
   したのである。
  ・遺伝子組み換え酵母菌や酵素由来の原料によっても混入が起こる。遺伝子組み換え原料が含ま
   れている食品添加物についても表示する必要がない。
  ・将来的には、種子の混入については、O.3~0.7%まで許容される可能性があり、その場合には
   遺伝子組み換え作物が大量に交雑してしまう可能性がある。

  ・とくにすでに遺伝子組み換え作物を生産している国では、非遺伝子組み換え作物との交雑が大
   規模に広がっている。(第互早参照)
  

  問題は、遺伝子組み換え原料が食品に混入しているにも関わらず、十分な知識をもっている消費

 者でさえ、「自分は食べていない」と錯覚していることだ。食品表示をさらに厳密に実施し、すべ
 
ての遺伝子組み換え食品を排除しない限り、遺伝子組み換え食品はやがてあらゆる場所に登場する
 だろう。
  それでも他国と比べれば、EUでは遺伝子組み換え作物に対する規制が厳しいので、混入は最小
 限度に抑えられてきた。消費者の反発が強いため、一般的にはスーパーマーケットも遺伝子組み換
 え食品に反対の姿勢を貫いており、現在の状態を維持している。他方、EU以外の国では、急きよ
 規制を実施したため混乱状態にある。しかし、いずれにせよ最終的には、どの国でも食品への混入
 を避けることはできない。とくに米国は、1996年に初めて遺伝子組み換え作物の商業栽培を
 始した国であり、食品中における遺伝子組み換え原料の割合が増加している。「米国食品製造協
会」
 の推定によれば、70~75%の食品に遺伝子組み換え原料が含まれている。しかも、米国に
は遺
 伝子組み換え食品の表示を義稗づける法律さえないのだ。

 繰り返すが、一握りの企業の利益のために、世界中の人々の健康が危険にさらされているのが現
 なのである。

 
   ① EUにおける遺伝子組み換え作物の規制


  それでもある程度、良識が勝っているEUでは、遺伝子組み換え作物を規制する法令は、かなり

 の数にのぼる。  

   遺伝子組み換え作物の承認を一時中止したEU

  EUでは、シンジェンタ社の害虫抵抗性トウモロコシ(B~11)の承認を最後にして、1998
 年10月から2004年5月の間まで、新規の遺伝子組み換え作物の承認を一時、中断していた。
 この決定を下しだのは、消費者が知らないうちにこうした技術が導入されたことに対する市民の怒
 りを配慮したためだった。

   新しい表示のルール

  こうして2004年4月からEUでは、遺伝子組み換え作物・食品の表示や規制が強化され、ト
 レーサビリティ(追跡可能性)、家畜飼料、派生物、混入率などについて具体的な方針が実施され
 た。

 
  ・問題が発生した場合には食品の流通経路から原料を除去できるようにするため、「農場から食
   卓まで」遺伝子組み換え作物を追跡できるトレーサビリティの仕組みが強化された。
  ・家畜の餌にも表示が義稗づけられた。これによって、食品製造業者は、遺伝子組み換え飼料を
   与えていない家畜から生産した牛乳、卵、肉を入手することが可能になった。
  ・遺伝子組み換え作物由来の食品についても、その対象を拡大して表示を義務化した。これによ
   って、消費者にとっては、遺伝子組み換え原料を含む食品を識別することが容易になった。
  ・食品と家畜飼料に含まれる遺伝子組み換え原料を表示する基準量を1%から0.9%に下げた。
   (0.
9%以上含まれている場合は、表示することになった)





  
   遺伝子組み換え飼料を与えた家畜から生産された食品

  ところがその一方で、遺伝子組み換え飼料を与えられた家畜から生産された肉、卵、乳製品につ
 いては、それまでと同様に表示が義稗づけられなかった。これが遺伝子組み換え作物にとって大量
 の抜け穴となっている。英国の農家だけでも毎年、100万トン以上の遺伝子組み換えトウモロコ
 シと大豆を家畜の飼料として輸入している。英国以外の国も大量に家畜飼料を輸入しているため、
 EU全域で遺伝子組み換え食品が混入する原因になっている。

  とくに乳製品と卵は様々な用途で使用されるため、多くの加工食品に含まれているはずである。
  遺伝子組み換え作物にとって家畜飼料は巨大な市場であり、結局、EUの消費者は引き続き、他
 国で生産される遺伝子組み換え作物に代金を支払うことになったのである。しかも輸入先であるア
 ルゼンチンでは、遺伝子組み換え作物によって、環境や人々の健康だけでなく、社会全体が破壊的
 な影響を受けているのだ。 
  2004年6月になってドイツでは、それまで3年間秘密にされていた調査研究が、国際環境N
 GO「グリーンピース」によって暴露された。ハイテク産業のロビー団体や英国の「食品基準庁」
 が「起こり得ない」と否定していたにも関わらず、遺伝子組み換え飼料を給飼された乳牛からしば
 った牛乳から、組み換えDNAが発見されていたのである。たとえ、その量がわずかでも、アーパ
 ッドープシュタイ博士の警告に耳を傾ける必要がある。

  「少量であっても、生物学的に活動している成分を消費すれば、消化器官や身体の代謝機能に大
 きな影響を及ぼす可能性がある」からだ。

  これによって人間の健康にどのような影響が出るのか、結論は出ていない。なぜならこの他には、
 同様の研究がほとんど発表されていないからだ。しかしこの事実は、遺伝子組み換え飼料を与えた
 家畜由来の牛乳や乳製品、その他の畜産物の安全性に対して深刻な疑問を投げかけている。



 
  遺伝子組み換え種子の混入

  食品の中に遺伝子組み換え原料が混入する原因の一つは、そもそも種子の段階で混入が起きてい
 るからである。現在、EUでは、遺伝子組み換え種子の混入率を上限0.1%以下に制限している
 が、その上限を0.3~0.7%に引き上げることを検討している。ごくわずかな量と思うかもしれ
 ないが、200粒の中に一粒の遺伝子組み換え種子が混入すれば、水面下では、事実上の商業栽培
 が広まることになる。その結果、一年以内には、EUの耕作地の10%に遺伝子組み換え種子が、
 混入して栽培されることになるだろう。遺伝子組み換えナタネや大豆の種子についても、何の監視
 もされずに、毎年、70億粒も生産されている
  そのため環境保護団体は、遺伝子組み換え種子の混入宰の上限を、一般的な検出限界値である。
 0.01%より、さらに厳しいゼロ%に設定することを要求している。混入率をゼロ%に設定して
 きたオーストリアでは、それが実現しているからだ。




    ② 国際的な合意と規制

  
   「バイオセーフティに関するカルタヘナ議定書」

  2003年9月には、「バイオセーフティに関するカルタヘナ議定書」が発効した。この議定書
 の目的は、遺伝子組み換え生物が国境を越えて広がり、人間の健康に影響を与えたり、一般種に混
 入して生物多様性を減少させたりするのを防止することにある。各国が「予防原則」にもとづいて
 対策を実施することを認めており、遺伝子組み換え作物を輸入する際には、相手国に対してそのト
 レーサビリティを証明することを求めることができる。また、環境や人間の健康に影響を与える可
 能性がある作物の輸入を禁止することもできる。すでにボリビアとクロアチアでは、遺伝子組み換
  日本も同議定書を国内で実施するため、2003年6月に、遺伝子組み換え作物の輸入をすへて
 禁止している。

 

  ところが、すでに百数十力国が議定書に加盟しているにも関わらず、これに反対しているのが米
 国である。米国は、京都議定書、生物兵器禁止条約、国際刑事裁判所、2003年のイラク侵攻な
 ど、国際的な秩序を形成しようとする行為に、常に反対してきた。それどころか、2004年2月
 にクアラルンプールで開催された「生物多様性条約第七回締約国会議」に、米国は約百人ものロビ
 ーストを送りこんだ。そもそも条約を批准してない米国は、公式には議論に参加する資格をもたな
 いにも関わらず、条約の目標が達成されないように、背後から妨害活動を展開したのである



 
   「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TR-PS)」

  「世界貿易機関(WTO)」の「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS)」は、
 1995
年に発効し、WTO参加国すべてに強制されている。この協定のたぬに、途上国はほとん
 どの権
利を喪失し、その資源もハイテク企業に盗まれてしまうだろう。この協定によって特許権の
 仕組み
が国際的に徹底され、企業が所有する遺伝子組み換え種子などの特許権は、すべてのWTO
 参加国
に対して20間保護されることになった。こうして先進国の大企業は、途上国から種子を略
 奪し
て特許権を取得することで、巨額の利益を手に入れられるようになったのである。今後、途上
 国が
発展して、自ら特許権を取得するようになるまでには長い年月が必要だ。その間に、先進国の
 種子
企業がこれまで無料だった種子を独占的に販売するようになり、種子は農民にとって高価な商
 品に
なってしまう。種子の多様性も減少し、農民は種子を自家採取する権利を失うことになるので
 ある。

  驚くのは、「知的所有権検討委員会」を構成したのがモンサント社やデュポン社など米国の主要
 企業13社であり、彼らが「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS)」を起草し
 たことだ。途上国はこの協定には強硬に反対したが、勝利したのは利益追求に貪欲な多国籍企業た
 った。2001年の時点でハイテク企業は数千もの食用作物に特許権を取得している。バイオテク
 ノ
ロジーに関連する作物について、今ではわずか6社が74%の特許権をもっている。ハイテク業
 界
が理想とする状況とは、貿易問題と同様に、国際的な手続きが統一されることである。彼らが取
 得
した特許権が世界中で適応されれば、世界の食料生産を支配する速度はさらに早まることになる。


                     リーズ、アンディ 著 『遺伝子組み換え食品の真実』

                                      この項つづく
 

●大粒径ゲルマニウムの結晶薄膜成長で使用量百分の1

プラスチックやガラスなど安価な基板の上に、大粒径ゲルマニウムの結晶薄膜を成長させる技術を開発
した。単結晶などのバルク結晶と比べて薄膜のため、同等の変換効率でも材料使用量を百分の1程度に
削減できるという。

 


アルミニウムを触媒に使ってゲルマニウムを溶かし、耐熱性プラスチックやガラス基板上で結晶化させた。アルミ
ニウムの中で溶かすことにより、ゲルマニウムが拡散して大粒径になりやすくなる。結晶後のアルミは酸で処理し
て除去。結晶の方向は単結晶のようにそろっており高品質。また通常、ゲルマニウムの結晶成長温度は500℃
程度と高温だが、アルミニウムを触媒に使うことによって、約350℃まで温度を下げることができる。最大で粒径
約百マイクロメートルの結晶作製に成功。これをシード層(中間層)とし、その上に一般的な気相成長法を用いる
ことで3マイクロメートルほどのゲルマニウムの薄膜が形成できたという。



●アルゼンチンかドイツか

ネイマールの負傷欠場は痛かった。ドイツのクローゼ、オランダのロッペン、そしてアルゼンチンのメ
ッシが負傷欠場したようなものだ。それにしてもコロンビアのスニガ(とその家族)の身柄保護は喫緊
の課題だ。


●国内「無電柱化」目指し、プロジェクト発足

自民党無電柱化小委員会・小池百合子委員長「10年前、私は環境大臣として(クールビズで)ネクタイ
を引っこ
抜いたので、今回は電柱を引っこ抜かせていただこう」。 「上を向いて歩こう 無電柱化民
間プロジェクト」の実行
委員会には、各界の著名人のほか、小池百合子議員らが参加したという(2014.
07.01 SUUMOジャーナル
)。「環境リスク本位制時代」の最優先政策に着手ということになる。これは歓
迎だ。なお、この政策の特徴は(1)全国同時展開――特区構想のような縁故資本主義ではなく、東
一極集中の中央集権主義でもなく、(2)国土強靱化――ライフライン維持優先の(3)未来国債対象
の景観美化を兼ねた百年事業である。


 

 

コメント
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