極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

沸騰大変動時代(十一)

2024年04月16日 | 光還元触媒


彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦
国時代の軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編のこと)
と兜(かぶと)を合体させて生まれたキラクタ「ひこにゃん」。



【今日の短歌】

  はるかアナ・トレントはるかモンスターかたみに夜の瞳をもちて

  音楽を聴かないひと日なかぞらにひっきりなしに秒ふるような

  にせものの毛皮にねむるしあわせの閏日みんなにせものになれ

                         短歌研究 四月号、2024 
                            『記憶について』  佐藤弓生

佐藤 弓生(さとう ゆみお、女性、1964年2月15日 - )、日本の歌人、
翻訳家。石川県金沢市生まれ。関西学院大学社会学部卒業。夫は作家・
評論家の高原英理。井辻朱美の影響により作歌を始め、1998年より歌
誌「かばん」所属 2001年、第四十七回角川短歌賞受賞。

❏ 新発見!窒素を固定する細胞小器官「ニトロプラスト」
新たな細胞小器官の特定は、数十年来の謎に長年取り組んできた。そ
れは。1998年カリフォルニア大学の研究グループが太平洋海水から未
知の窒素固定シアノバクテリアのDNA配列の発見にはじまる。「UC
YN-A」と名付けられた謎の生物の宿主であるBraarudosphaera bigelowii
という藻類の培養ができず困難を極める。2024年4月12日、高知大学
らの研究グループが海産微細藻類の細胞内部において共生関係にある
と考えられてきた窒素固定型のシアノバクテリアが細胞内小器官化(
オルガネラ化)していることを発見し、窒素固定に関わるオルガネラ
として分化の途上にある「ニトロプラスト」の存在を提唱する。


【要約】
共生相互作用は、真核生物の炭素とエネルギーの代謝を媒介する葉緑
体とミトコンドリア細胞小器官の進化の鍵であった。生物学的窒素固
定は大気中に豊富にある窒素ガス (N2) を生物学的に利用可能なアン
モニアに還元することは、原核生物のみが行う重要な代謝プロセス。 
Candidatus Atelocanobacterium thalassa (UCYN-A) は、代謝的に合理化
された N2固定シアノバクテリアで、海洋単細胞藻類の内部共生生物
であることが以前に報告されていたが、今回、①UCYN-Aが藻類の細
胞構造と細胞小器官分裂に緊密に組み込まれていること、②またUCY
N-Aが藻類のゲノムによってコードされているタンパク質を取り込む
ことを示す。 
これらは細胞小器官の特徴であり、UCYN-A が内部共生を超えて進化
し、進化の初期段階の N2固定細胞小器官、つまり「ニトロプラスト」
として機能することを示す。➲本研究では、高知県産の「ところて
ん」を原材料に開発された培地を用いて、UCYN-Aを維持した状態の
B. bigelowii の単離培養株を確立し、その安定培養に初めて成功。確立
した培養株を用いて、軟X線を利用した三次元構造解析を行った結果、
UCYN-Aは宿主であるB. bigelowii の細胞内で、B. bigelowiiの分裂
同調して倍加・分裂したのち、B. bigelowiiの娘細胞に一つずつ受け継
がれる様子が観察された。
【展望】
1)生物の細胞内共生進化の基礎研究への貢献

2)海洋における窒素循環研究への貢献
3)生物の大絶滅後の地球環境の復元研究への貢献
プレスリリース詳細 https://digitalpr.jp/r/86749
【掲載論文】
Nitrogen-fixing organelle in a marine alga :海産微細藻類における窒素固
 定型シアノバクテリアのオルガネラ化,
Science:2024年4月12日
・DOI:https://www.science.org/doi/10.1126/science.adk1075



❏ レーザーで船体の錆・塗膜を除去
古河電気工業は,産業用レーザーで培った技術を応用した表面処理ソ
リューション「インフラレーザ」を活用して,船舶修繕における錆・
塗膜除去のシステム開発を行なっている。従来のインフラ構造物のメ
ンテナンスにおける錆取り・塗膜除去をはじめとする表面処理は,薬
品を使用する工法や研削材を対象物表面にぶつけて加工を行なうブラ
スト工法が中心となっている。船舶修繕における錆・塗膜除去の現工
法であるサンドブラスト工法は,研削材などの排出による大気・海洋
への影響の観点で課題があり,廃棄物の排出が極めて少ないレーザー
工法への置き換えによる環境負荷の低減と労働衛生の改善が期待され
ている。このシステムは,船舶の錆・塗膜除去を大面積で一遍に行な
えることが特長。塗膜や錆の除去に加え,塩分除去も可能。ファイバ
レーザーを使用しているが,鋼材や溶接部へのダメージも無いという。。

❏ 光 触媒 メタンの変換:現状 アート、課題、そして将来の展望⑤
【要約】
3. メタン光変換性能を向上させる戦略
3.1. 半導体の設計
3.1.2. ヘテロ原子ドーピング

3.1.3. ファセットエンジニアリング 
半導体ファセットの多様性は、選択性だけでなく触媒活性にも大きな
影響を与える 76,89。露出した表面ファセットは、さまざまなメカニ
ズムを通じて光触媒性能に影響を与える可能性がある。 たとえば、反
応物に必要な吸着および活性化エネルギーは、異なる表面原子配置を
持つファセットでは異なる可能性がある。90 アナターゼ TiO2を例に
とると、(001) ファセットは (101) ファセットよりも活性であるこ
とが確認されている。これは、(001) ファセットが高密度で低配位の
 Ti 原子と、大きな Ti-O-Ti 結合角を持つ活性な O 原子を有してお
り、反応分子の吸着と活性化に役立つ。
光触媒によるメタン変換の分野では、活性露出面の割合が高い触媒を
構築すると、メタン変換反応の律速段階として広く考えられているメ
タンの吸着と活性化が促進され、メタン変換効率が向上。 GaN 薄膜
を使用すると、GaN ワイヤは光触媒によるメタンの脱水素芳香族化に
対しより高い活性を示すことがわかりました。78 GaN ワイヤの優れ
た性能は、Ga と Nで構成される m面の高い割合 (97%) に強く起因し
ていた。 原子が互いに配位しています。 その結果、C-H結合よりも
 Ga-N 結合の長さが長い (1.95 Å vs 1.09 Å) ため、m 面は強い分極
を誘発し、メタンの C-H結合を伸ばすことができる。対照的に、Ga原
子または N 原子のみの c面を含む GaN 薄膜は、メタンの活性化にほ
とんど影響を与えず、メタンの C-H 結合の活性化が表面に敏感であ
ることを示している。同様の結論が Yi のグループによってさらに調
査された。92 彼らは、(0001) ファセットの比率が高い ZnO ナノシ
ートは、ZnO ナノロッドと比較して、より速いメタン変換速度を示す
ことを観察した。 露出した極性ファセットは、メタンなどの非常に
安定した分子の分極を誘発しやすいことが実証された。

ファセットエンジニアリングは、電荷の分離と移動の効率にも大きな
影響を与えます。93-95 極性ファセットによって誘発される内部電場
は、光励起された電子と正孔の移動に影響を与える可能性がある。92,
96,97 たとえば、mBiVO4 (単斜晶重晶石バナジン酸ビスマス) の光
生成された正孔は酸化反応のために (110) ファセットに移動する傾
向があり、光生成された電子は還元反応に参加するために (010) フ
ァセットに蓄積されます。89,98その結果、(110) ファセットと (010) 
ファセットの組み合わせにより、より効率的なキャリア分離と強化さ
れた光触媒性能が得られます。朱ら。 BiVO4 に対する光触媒による
メタン変換の性能を、双錐形 BiVO4、厚い板状 BiVO4、および薄い板
状 BiVO4 を含む 3 つの異なる形態で比較しました (図 55a)。
両錐形結晶は (102) および (012) ファセットを持ち、厚い板状結晶

と薄い板状結晶は上面と下面が (001) ファセットで構成されます。
プレートレット BiVO4 の場合、光生成された電子は (001) ファセッ

トに豊富にあり、正孔は周囲で抽出される。
双錐形の BiVO4 の場合、光生成された電子は頂点で抽出されますが、

正孔は (102) および (012) ファセットに豊富にあります。
短いキャリア拡散長と反応性の高い粗い周囲により、薄いプレートレ

ット上で最高の酸化ターンオーバー数と最低の CH3OH 選択性が達成
されました。 双錐形の BiVO4 は、厚いプレートレットや薄いプレー
トレットと比較して、穴の表面積が大きく、表面反応性が中間である
ため、最高の CH3OH 収率と選択性が得られ (図 55b)。

【関連論文】
Title:Giant gate modulation of antiferromagnetic spin reversal by the
   magnetoelectric effect
DOI : 10.1038/s41427-024-00541-z
Paper: NPG Asia Materials vol. 16, article number: 20 (2024
).
                         この項つづく







『クワイ河マーチ』ケネス・ジョゼフ・アルフォード作曲の『ボギー
大佐』を、マルコム・アーノルドが映画『戦場にかける橋』(1957年
)のテーマ音楽用に編曲した行進曲。「クワイ河マーチ」は、伊東
ゆかりのデビュー・シングル(B面曲)でもある。 日本語詞:音
羽たかし/編曲:村山芳男。伊東ゆかりは小学校5年生時(1958
年6月)に当楽曲でレコード・デビューしている。


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